JP2024082925A - 画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置の電子写真感光体と中間転写体の間の摩擦力の上昇を抑制することで画像不良の発生を抑制する。【解決手段】像担持体と中間転写体を有し、像担持体表面での粒子の面積S1、粒子以外の面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、粒子の粒度分布において、ピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、頻度が最大となる第一ピークおよび頻度が第二となる第二ピークと、のうち粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、中間転写体の表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、80nm≦DA≦2×(1/Spc)となる画像形成装置を用いる。【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
転写材にカラー画像を形成する、複写機やプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置として、中間転写方式を用いた方法が知られている。中間転写方式は、電子写真感光体から中間転写体に複数色のトナーを一次転写し、中間転写体から転写材にトナー像を二次転写することで画像を形成する方式である。また、効率よくトナーを転写するために、特に一次転写部では電子写真感光体と中間転写体との速度差(周速差)をつける場合もある。
上記のような中間転写方式において、電子写真感光体と中間転写体の間の摩擦力が高く潤滑性が悪い場合、電子写真感光体または中間転写体の周速度が不安定になり、一次転写部で画像ブレが発生することがある。摩擦力を低減する手段の一つとして、電子写真感光体表面に粒子を含有させて、凸形状を形成する方法が提案されている。
特許文献1では、アクリル樹脂粒子及びメラミン樹脂粒子の少なくとも一方の有機樹脂粒子と、重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と、を含有する塗布膜を硬化させて得られた表面層を有する電子写真感光体により、摩擦力を低減する技術が記載されている。
特許文献2では、電子写真感光体の最外層に無機フィラーを含有させ、凸形状を形成する技術が記載されている。
特開2019-045862号公報 特開2020-071423号公報
近年は画像形成装置の長寿命化に対する需要が高まっている。しかし、従来の技術では長寿命化していくと、寿命後半において、電子写真感光体表面に添加した粒子の摩耗や脱落により、凸形状を維持することが難しい場合があった。その結果、寿命後半には摩擦力の低減効果を得られず、画像ブレが発生してしまう場合があった。
本発明は、画像形成装置の電子写真感光体と中間転写体の間の摩擦力の上昇を抑制することで画像不良の発生を抑制することを目的とする。
本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
像担持体と、
前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送する中間転写体と、
を有する画像形成装置であり、
前記像担持体は、粒子および結着樹脂を含有する表面層を有し、
前記表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
像担持体と、
前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送する中間転写体と、
を有する画像形成装置であり、
前記像担持体は、粒子および結着樹脂を含有する表面層を有し、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、
前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下であり、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
中間転写体を有する画像形成装置に取り付け可能なプロセスカートリッジであって、
粒子および結着樹脂を含有する表面層を有する像担持体を有し、
前記表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとしたとき、
80nm ≦ DA
であり、
前記画像形成装置の前記中間転写体は、前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送するものであり、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
中間転写体を有する画像形成装置に取り付け可能なプロセスカートリッジであって、
粒子および結着樹脂を含有する表面層を有する像担持体を有し、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとしたとき、
80nm ≦ DA
であり、
前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下であり、
前記画像形成装置の前記中間転写体は、前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送するものであり、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によれば、画像形成装置の電子写真感光体と中間転写体の間の摩擦力の上昇を抑制することで画像不良の発生を抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図 電子写真感光体の層構成の一例 電子写真感光体の層構成の別の例 中間転写体の断面図 中間転写体に表面加工処理をした場合の模式図 電子写真感光体と中間転写体の関係を示す模式的な断面図 電子写真感光体の表面を上から観察した模式図 表面層の粒子の粒度分布を説明する図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。したがって、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。実施例には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施例に係るカラー画像形成装置100の概略断面図である。画像形成部30は、移動する中間転写体8に対して複数色のトナー像、ここではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の重畳トナー像を形成する。そのため、画像形成部30は、画像形成装置100本体に対してそれぞれ取り付け可能な、現像手段としての4個のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)を備えている。また、画像形成部30は、中間転写体8を用いた中間転写ユニット40を有している。4個のプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKは、同一構造である。異なる点は、プロ
セスカートリッジPが収容しているトナーの色、すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーによる画像を形成することである。なお、参照符号末尾のY、M、C、Kの文字はトナーの色を示しており、以下、各色に共通する事項の説明をするときには省略する。
プロセスカートリッジPは、トナー容器23、像担持体としての電子写真感光体1、帯電ローラ2、現像ローラ3を有している。プロセスカートリッジPの下方にはレーザユニット7が配置され、画像信号に基づく露光を電子写真感光体1に対して行う。電子写真感光体1は矢印の時計周り方向に所定の周速度で回転駆動される。そして、電子写真感光体1は、帯電ローラ2に所定の負極性の電圧を印加することで、所定の負極性の電位に帯電された後、レーザユニット7による走査露光によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ3に所定の負極性の電圧を印加することで反転現像されて、電子写真感光体1上にトナー像(負極性)が形成される。以上の工程を、現像工程と称する。
中間転写ユニット40は、可撓性を有する無端状のベルト体である中間転写体8と、この中間転写体8を懸回張設する駆動ローラ9と従動ローラ10から構成されている。また、電子写真感光体1に対向して、中間転写体8の内側に一次転写ローラ6が配設されており、中間転写体8を介して対応する電子写真感光体1と当接している。電子写真感光体1と中間転写体8の当接部が一次転写ニップ部である。一次転写ローラ6には不図示の電圧印加手段により転写電圧を印加する構成となっている。
中間転写体8は駆動ローラ9の回転駆動により、矢印Aで示される反時計周り方向に一定の周速度で回転(移動)する。電子写真感光体1上に形成された負極性のトナー像は、一次転写ローラ6に正極性の電圧を印加することにより、一次転写ニップ部にて中間転写体8上に一次転写される。中間転写体8上には、Y色、M色、C色、K色の4色のトナー像がこの順で重なった状態で形成される。以上の工程を、一次転写工程と称する。そして、引き続き、中間転写体8が回転(移動)して、中間転写体8と二次転写ローラ11との当接部である二次転写ニップ部へ搬送される。
給搬送装置12は、シート状の転写材Sを積載して収納する転写材カセット13内から転写材Sを給送する給送ローラ14と、給送された転写材Sを搬送する搬送ローラ対15とを有している。給搬送装置12から搬送された転写材Sはレジストローラ対16によって所定の制御タイミングにて二次転写ニップ部に導入されて、二次転写ニップ部で挟持搬送される。二次転写ローラ11には正極性の電圧が印加される。これにより、二次転写ニップ部で挟持搬送される転写材Sに対して中間転写体8側の上記の4色重ね合わせのトナー像が順次に、または一括して転写材Sに二次転写されていく。以上の工程を、二次転写工程と称する。
上記のようにトナー像が二次転写により形成された転写材Sが、定着部としての定着装置17に導入される。この定着装置17でトナー像の加熱定着を受けた転写材Sが排出ローラ対20によって排出トレイ50上に排出される。
プロセスカートリッジPにおいて、電子写真感光体1から中間転写体8へのトナー像の一次転写後に電子写真感光体の表面に残ったトナー(一次転写残トナー)は、帯電ローラ2を通過するときに正規帯電極性である負極性に帯電される。その後、電子写真感光体1と現像ローラ3との電位差によって、一次転写残トナーは現像ローラ3に回収され、再利用される。すなわち本実施例では、一次転写残トナーのクリーニング手段を持たない、所謂ドラムクリーナレス方式を用いている。
中間転写体8から転写材Sへのトナー像の二次転写後に中間転写体8の表面に残ったト
ナーは、中間転写体8にカウンター当接しているクリーニングブレード21によって除去される。除去されたトナーは廃トナー回収容器22へと回収される。
電子写真感光体1は駆動装置(不図示)により回転駆動され、中間転写体8は駆動ローラ9の回転駆動により回転する。したがって、駆動装置と駆動ローラ9の回転速度差を設ければ、電子写真感光体1と中間転写体8の周速度の間に周速差をつけることもできる。電子写真感光体1と中間転写体8の周速度の間に周速差をつけると、一次転写ニップ部にてトナーを転動させる効果により一次転写性が良化することがわかっている。
<画像ブレの説明>
電子写真感光体1と中間転写体8との間の摩擦力が大きい場合、電子写真感光体1の周速度が変動しやすい。電子写真感光体1と中間転写体8とが直接接触している場合は摩擦力が大きい状態だが、一次転写ニップ部にトナーが突入すると、電子写真感光体1と中間転写体8の間にトナーが介在することで摩擦力が小さくなり、電子写真感光体1の周速度が瞬間的に変動する。その際、レーザユニット7の露光によって形成される静電潜像が乱れ、画像ブレ(露光ブレ)が発生する。また、一次転写部のトナーがずれて画像ブレ(一次転写ブレ)が発生する場合もある。対策としては、一次転写ニップ部にトナーがある場合もない場合も摩擦抵抗を一定にする、つまり一次転写ニップ部にトナーがない場合(電子写真感光体1と中間転写体8とが直接接触している場合)の摩擦力を下げる方法が有効である。
そこで、以下で述べる電子写真感光体1と中間転写体8を用いることで、電子写真感光体1と中間転写体8とが接触している場合にも摩擦力を低減し、画像ブレを抑制することができる。
<電子写真感光体の説明>
本発明の電子写真感光体1は、後述する表面層を有することを特徴とする。図2および図3は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2、図3の中で、符号101は支持体であり、符号102は下引き層であり、符号103は電荷発生層であり、符号104は電荷輸送層である。符号105は、本発明に係る表面層であり、符号106と符号107は表面層105に含まれる粒子であり、符号106(第1の粒子)の方が符号107(第2の粒子)より粒子径が大きい。符号108は結着樹脂である。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布、ディスペンス塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、各層について説明する。
<表面層>
本発明の電子写真感光体1は、粒子106、107および結着樹脂108を含有する表面層105を有する電子写真感光体1であって、粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在する。その複数のピークのうちのピークトップが20nm以上であるピークであり、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピークとする。さらに、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとする。第一ピークと第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークをピークPEAとする。本発明では、ピークPEAのピークトップの粒子径DAが80nm以上であり、かつ中間転写体8の表面粗さ測定から得られた山頂点の算術平均曲率Spcとの関係から決まる範囲である必要がある。中間転写体8との関係についての詳細は後述する。
図8(a)は粒子の個数基準での粒度分布の一例を示しており、粒子径50nmのところに第一ピークが、粒子径170nmのところに第二ピークが存在する。この場合、粒子径が大きい第二ピークがピークPEAとなり、その粒子径DAは170nmである。よって、80nm≦DAという条件を満たす。また、第一ピークの粒子径は50nmであることから、ピークトップにおける粒子径が20nm以上という条件を満たす。
図8(b)は粒度分布の別の例を示している。粒子径5nmのところにピークがあるが、ピークトップにおける粒子径が20nm未満であるため、このピークは第一ピーク、第二ピークに含まれない。そのため、図8(a)の場合と同様に、粒子径50nmのピークが第一ピーク、粒子径170のピークが第二ピークとなる。このようにピークを選択する理由を説明する。ここで、表面層105にごく小さい粒子が多数含まれるような電子写真感光体1であっても、本発明の後述するような効果を得ることは可能である。そこで図8で説明したように粒子径20nm以上のピークから第一ピークおよび第二ピークを選択することにより、本発明の効果を安定して得ることができる。
このような表面層105の構成において、ピークPEAのピークトップの粒子径DAは、20nm未満の粒子を除いた、表面層で粒子径の頻度が最大となる粒子、または、頻度が二番目となる粒子の粒子径を表すことになる。本発明者らの検討によると、粒子径DAが80nm以上であれば電子写真感光体1と中間転写体8の間の摩擦力を低減する効果が得られた。粒子径DAが80nm未満となると、中間転写体8と電子写真感光体1の表面層に含まれるより小さな粒子に由来する凸部が、電子写真感光体1と中間転写体8との接触に寄与するようになり、接触点が増えて摩擦力が大きくなる。
次に、本発明の電子写真感光体1の表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であることが好ましい。
一方、S1/(S1+S2)が0.70未満となると、粒子のない部分は凸部を形成できないので、電子写真感光体1と中間転写体8の間の接触面積が増えることになり、摩擦力を低減しにくくなる。また、粒子の比率が高く緊密性が増すことで、粒子が電子写真感光体表面の接線方向に衝撃を受けたときの、粒子の脱離が抑制される。この理由は、粒子間の結着樹脂による拘束だけでなく、粒子の移動が他の粒子によって押しとどめられる効果が発揮されるためである。理論的に、S1/(S1+S2)の上限は1.00となる。S1/(S1+S2)は、より好ましくは0.80以上1.00以下であり、さらに好ましくは0.85以上0.95以下である。
また、粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子を粒子PAAとし、粒子PAAに由来する凸部をCAとし、電子写真感光体1の表面層を上面視したとき、前記凸部CAの重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、重心間距離の標準偏差が、250nm以下である必要があることが好ましい。
表面層105の粒子に由来する凸部CAが少ない場合は、凸部CA相互の重心間距離が大きく、電子写真感光体1と中間転写体8の接触面積が増えてしまい、摩擦力を低減できない。表面層における凸部CAの重心間距離が小さすぎる場合には、表面層が凸部CAで埋め尽くされ、結果として、表面層105と中間転写体8の接触点数が増大することになる。本発明の重心間距離は150nm以上450nm以下であることがより好ましく、さらに150nm以上400nm以下であることが好ましい。
一方、凸部CAの重心間距離の標準偏差が、250nmを超えると表面層105におけ
る凸部CAの分布にバラツキがあることになり、電子写真感光体1と中間転写体8との摩擦力にムラが生じ、電子写真感光体1または中間転写体8の周速度にムラが生じてしまう。周速度にムラが発生すると画像ブレが発生しやすくなる。また、上記の重心間距離の平均値および標準偏差の範囲であれば粒子が密に存在しており、粒子の脱離に対する耐久性も良い。
電子写真感光体1としての耐久性を向上し、画像形成装置100の寿命後半でも摩擦力低減効果を維持するためには、「S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であること」または「凸部CAの重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、重心間距離の標準偏差が、250nm以下であること」のいずれかは必要な条件である。なお、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、かつ凸部CAの重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、重心間距離の標準偏差が、250nm以下であるほうがより好ましい。
本発明の電子写真感光体1における表面層105の断面において、粒子PAAを含まない部位の表面層の平均膜厚をTとしたとき、
DA > T
を満たすことが好ましい。DAが平均膜厚T以下となると凸部を形成することが難しくなり、電子写真感光体1と中間転写体8との摩擦力低減効果が得られなくなる可能性が高くなる。平均膜厚Tは、上記式を満足する形で、図2や図3のような粒子が積層する状態であれば、50nm~500nmであることが好ましい。70nm~450nmであるとより好ましく、80nm~400nmであるとさらに好ましい。
また、前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が小さい方のピークをピークPEBとしたとき、前記ピークPEBのピークトップの粒子径DBが、
DB < T
を満たすことが好ましい。表面層105に含有される全粒子のうち粒子径がDB±20nmの範囲にある粒子を粒子PABとしたとき、DBが平均膜厚T以下となることで、凸部CAを形成する粒子PAAと凸部CA間に配列される粒子PABの緊密性が高まり、粒子の脱離が抑制される。DBが平均膜厚T以上となると、粒子PABが、表面に露出しやすくなり、粒子の脱離が進みやすくなる。
さらに、前記DAおよび前記DBが、
DB/DA > 1/10
を満たすことが好ましい。凸部CAの高さを十分に保ちながら、電子写真感光体1の表面層における接線方向の摺擦に対して、粒子の脱離を抑制することが可能となる。
次に、本発明の電子写真感光体1における表面層105の表面に存在する前記凸部の個数のうち前記凸部CAの占める個数の割合が、90個数%以上であることが好ましい。凸部CA以外の凸部は、粒子PAAに由来せず、前記平均膜厚Tよりも高さが高い箇所を指す。凸部CA以外の凸部は粒子PAAよりも小さい粒子PABや、結着樹脂の膜厚ムラにより生じている。そのような凸部は、機械的強度が弱く電子写真感光体の接線方向の摺擦に対して凸部が摩耗しやすい。凸部CAの占める個数の割合が、90個数%未満となると摩耗する凸部が増え、長期の使用に対して、摩擦力を良好な状態に維持することが難しくなる。
前記ピークPEAの半値幅は50nm以下であることが好ましい。粒子径の大きさによって、凸部CAの高さが制御されるため、可能な限り、ピークPEAの半値幅は一定の範囲にあることが好ましい。ピークPEAの半値幅が50nmを超えると凸部CAの高さに
もバラツキが大きくなることになり、電子写真感光体1と中間転写体8の接触状態にもバラツキが発生しやすくなる。
前記粒子PAAの円形度は、0.950以上であることが好ましい。前記粒子PAAの円形度が、0.950未満となると電子写真感光体1と中間転写体8との接触面積が大きくなる。粒子の平均円形度は、走査型電子顕微鏡を用いて、以下のようにして求めた。走査型電子顕微鏡(「JSM7800F」、日本電子株式会社製)を用いて測定対象の粒子を観察し、観察して得られた画像から、粒子100個の個々の粒径を測定した。個々の粒子に対して、一次粒子の最長辺aと最短辺bを計測し、円形度をb/aとした。粒子100個の円形度を平均し、平均円形度を算出した。
本発明の電子写真感光体1の表面層105は、上述の通り前記粒子PAA及び前記粒子PABを少なくとも含有する。本発明に用いられる粒子PAAとしては、アクリル樹脂粒子などの有機樹脂粒子やシリカなどの無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子が挙げられる。なお、粒子PAAと粒子PABは同じ材料でも異なる材料でも構わない。
アクリル粒子は、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体を含有する。中でも、スチレンアクリル粒子がより好ましい。アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂の重合度や、樹脂が熱可塑性か熱硬化性であるかは、特に限定されない。有機樹脂粒子としては、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子、シリコーン粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ粒子や金属酸化物粒子、金属粒子などが挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子は他の絶縁性粒子と比較して弾性率が低く、平均円形度が大きいため、中間転写体8と感光体1との点接触を促して付着力を軽減する効果が期待される。
前記シリカ粒子としては、公知のシリカ微粒子が使用可能であり、乾式シリカの微粒子、湿式シリカの微粒子のいずれであってもよい。好ましくは、ゾルゲル法により得られる湿式シリカの微粒子(以下、ゾルゲルシリカともいう)であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体1の表面層105に含有される粒子に用いられるゾルゲルシリカは、親水性であっても、表面を疎水化処理させたものであってもよい。
疎水化処理の方法としては、ゾルゲル法において、シリカゾル懸濁液から溶媒を除去し、乾燥させた後に、疎水化処理剤で処理する方法と、シリカゾル懸濁液に、直接的に疎水化処理剤を添加して乾燥と同時に処理する方法が挙げられる。粒度分布の半値幅の制御、及び飽和水分吸着量の制御という観点で、シリカゾル懸濁液に直接疎水化処理剤を添加する手法が好ましい。
疎水化処理剤としては、以下が挙げられる。
メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t-ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどのクロロシラン類;
テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o-メチルフェニルトリメトキシシラン、p-メチルフェニルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、i-ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、i-ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン類;
ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザンなどのシラザン類;
ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイルなどのシリコーンオイル;
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンなどのシロキサン類;
脂肪酸及びその金属塩として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸、前記脂肪酸と亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩。
これらの中でも、アルコキシシラン類、シラザン類、シリコーンオイルは、疎水化処理を実施しやすいため、好ましく用いられる。これらの疎水化処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明における表面層105は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイルなどが挙げられる。
本発明の表面層105は、上述の各材料及び溶剤を含有する表面層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
本発明の表面層105は、表面層105の全体積に対して、粒子の体積が占める割合は、40体積%~90体積%であることが好ましい。さらに、45体積%~85体積%がより好ましく、50体積%~80体積%であることが、さらに好ましい。この範囲にあることで、前述したような、表面層の凸部の形成が確実に達成できるようになる。30体積%以下となると
凸部の高さが低くなるため、摩擦力を低減できなくなる。90体積%以上を超えると粒子が脱離しやすくなり、耐久試験を行うと摩擦力の低減効果が維持できなくなる。
また、表面層105の電荷輸送能力を向上させる目的で、表面層用塗布液に電荷輸送物
質を添加してもよい。また、各種機能改善を目的として添加剤を添加することもできる。添加剤としては、例えば、導電性粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤が挙げられる。
本発明に係る結着樹脂108は以下の形態が挙げられる。ここで、表面層105は、電荷輸送物質を含有することが好ましい。結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、本発明の表面層105は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
重合性官能基を有した化合物は、連鎖重合性官能基と同時に電荷輸送性構造を有していてもよい。電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が電荷輸送の点で好ましい。連鎖重合性官能基としてはアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。官能基の数は一つ又は複数有していても良い。中でも、複数の官能基を有した化合物と一つの官能基を有した化合物を含有して硬化膜を形成すると、複数の官能基同士の重合で生じたひずみが解消されやすいため、特に好ましい。
上記一つの官能基を有した化合物の例を(2-1)~(2-6)に示す。
Figure 2024082925000002
上記複数の官能基を有した化合物の例を(3-1)~(3-6)に示す。
Figure 2024082925000003
<支持体>
本発明において、電子写真感光体1は、支持体を有することが好ましい。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持
体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などの被覆前粒子と、その粒子を被覆前粒子と組成の違う金属酸化物で被覆する積層構成としてもよい。被覆としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その平均一次粒径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
この下引き層の樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂が挙げられる。
また、重合性官能基を有する樹脂と、重合性官能基を有するモノマーとを架橋させた構
造を持った樹脂であってもよい。
また、下引き層は、樹脂以外に無機化合物や、有機化合物を含有してもよい。
無機化合物としては、例えば金属や酸化物や塩が挙げられる。
金属としては、例えば金、銀、アルミなどが挙げられる。酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、鉛白、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。塩としては、例えば硫酸バリウム、チタン酸ストロンチウムが挙げられる。
これら無機化合物は、粒子状態で膜中に存在していても良い。
粒子の個数平均粒子径は、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
これらの無機化合物は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。
これらの無機化合物は表面をシリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物などで処理してもよい。また、スズ、リン、アルミニウム、ニオブなど元素をドーピングしてもよい。
有機化合物としては、例えば電子輸送化合物や導電性高分子が挙げられる。
導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリエチレンジオキシチオフェンが挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物が挙げられる。
電子輸送物質は、重合性官能基を有し、それらの官能基と反応可能な官能基を有する樹脂と架橋しても良い。重合性官能基としては、例えばヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基などが挙げられる。
これら有機化合物は、粒子状態で膜中に存在していても良く、表面が処理されていても良い。
下引き層は、シリコーンオイルなどのレベリング剤、可塑剤、増粘剤などの各種添加剤を添加しても良い。
下引き層は、上記材料を含有する下引き層用塗布液を調製後、支持体又は導電層上に塗布後、この塗膜を乾燥や硬化させることで得られる。
塗布液を作成する際の溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
塗布液中で粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体1の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する感光層である。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層である。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、等が挙げられる。
電荷発生層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.1μm以上1。5μm以下であることが好ましく、0.15μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、これらの物質から誘導される基を有する樹脂等が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤等の添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチ
レン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
電荷輸送層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を電荷発生層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
単層型感光層の膜厚は、10μm以上45μm以下であることが好ましく、25μm以上35μm以下であることがより好ましい。
<中間転写体の説明>
図4は本実施例における中間転写体8の構成を説明する模式的な断面図である。中間転写体8は、表層8aと、基層8bと、を有する。表層8aは、基層8bよりも中間転写体8の外周面側に設けられた層であって、電子写真感光体1から転写されたトナーを担持(保持)する面を有する層である。中間転写体8は、エンドレスベルト形状であることが好ましく、10μm以上500μm以下の厚さを有することが好ましく、40μm以上100μm以下が特に好ましい。
基層8bを構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4メチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは混合して2種以上使用することもできる。
基層8bは、これらの熱可塑性樹脂中に、導電材料などを熔融混煉し、次いで、インフレーション成型、円筒押出し成型、インジェクションストレッチブロー成型などの成型方法を適宜選択して用いて成型することで、エンドレスベルト形状である中間転写体8を得ることができる
表層8aを構成する材料としては、熱、または光(紫外線など)や電子線などのエネルギー線の照射によって硬化する硬化性樹脂81を結着材料として含む。硬化性樹脂81としては、不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させて得られるアクリル樹脂が好ましく、例えば、JSR社製のアクリル系紫外線硬化樹脂(商品名:オプスターZ7501)を用いることができる。表層8aは、アクリル樹脂を結着材料の主成分として含有する。ここで、主成分とは、表層8aを構成する結着材料に対して50質量%以上であることを意味する。
表層8aは、電気抵抗の調整のための導電材料82が添加される。導電材料82としては、電子導電性材料またはイオン導電性材料からなる導電性フィラーや電気抵抗調整剤な
どを用いることができる。電子導電性材料としては、例えば、カーボンブラック、PAN系炭素繊維、膨張化黒鉛粉砕品などの、粒子状、繊維状またはフレーク状のカーボン系導電性フィラーが挙げられる。また、電子導電性材料としては、例えば、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄などの、粒子状、繊維状またはフレーク状の金属系導電性フィラーが挙げられる。また、電子導電性材料としては、例えば、アンチモン酸亜鉛、アンチモンドープの酸化スズ、アンチモンドープの酸化亜鉛、スズドープの酸化インジウム、アルミニウムドープの酸化亜鉛などの、粒子状の金属酸化物系導電性フィラーが挙げられる。イオン導電性材料としては、例えば、イオン液体、導電性オリゴマー、第4級アンモニウム塩などの電気抵抗調整剤が挙げられる。導電材料82として、上記の中から1種またはそれ以上を適宜選択して用いることができ、電子導電性材料とイオン導電性材料とを混合して用いてもよい。これらの中でも、添加量が少量で済む点で、粒子状の(好ましくはサブミクロン以下の粒子である)金属酸化物系導電性フィラーが、導電材料82として好ましい。
表層8aには、転写効率の向上やベルト用のクリーニングブレード21との摩擦力の低減を目的として、表層粒子83を添加してもよい。表層粒子83は、好ましくは固体潤滑剤であり、通常、絶縁性の粒子である。表層粒子83は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粉体、三フッ化塩化エチレン樹脂粉体、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂粉体、フッ化ビニル樹脂粉体、フッ化ビニリデン樹脂粉体、二フッ化二塩化エチレン樹脂粉体、フッ化黒鉛などのフッ素含有粒子、およびそれらの共重合体が挙げられる。表層粒子83は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また、表層粒子83は、シリコーン樹脂粒子、シリカ粒子、二硫化モリブデン粉体などの固体潤滑剤であってもよい。これらの中でも、粒子の表面の摩擦係数が低く、中間転写体8の表面に当接する他の部材、例えば、ベルト用のクリーニングブレード21の摩耗を低減できる点で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粒子(乳化重合系のPTFE樹脂粒子など)が好ましい。
表層8aは、後述する電子写真感光体1と中間転写体8の関係を満たすために、均一に基層8b上に形成するほうが好ましい。具体的な方法としては、スプレー塗布によって基層8bの表面の全域に一定時間照射する方法や、リング形状のノズルから円筒状の中間転写体8の基層8bの表面全域にアクリル樹脂を塗布する方法などを用いることができる。中間転写体8の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下の範囲であることが、良好な画像形成を行う点で好ましい。体積抵抗率は、汎用測定器Hiresta・UPMCP-HT450(三菱化学社製)を用いて、温度25℃湿度60%RHの環境下で測定することで測定することができる。
表層8aは、表面加工処理が施されていてもよい。図5(a)は表面加工処理が施された場合の中間転写体8表面を上から見た模式図であり、図5(b)は同じく断面の模式図である。中間転写体8の回転する方向(移動方向)を示す矢印Aと平行に溝84が形成されている。
表面加工処理として、形状が付与された金型を、回転する中間転写体8の表層8aに当接させるインプリント加工を用いることで、溝84を形成できる。溝84を形成することで、中間転写体8とクリーニングブレード21の間の摩擦力が低減され、クリーニングブレード21のめくれが防止できる。
本実施例で表面加工処理を行う場合は、溝84の溝幅Wは1.5μm、溝深さDは1.0μm、溝間隔Iは4.0μmとした。ただし、溝幅W、溝深さD、溝間隔Iはこれに限定されるものではない。溝幅Wはクリーニングブレード21の当接部でトナーがすり抜けないようにトナーの平均粒径以下の幅にすることが好ましく、溝深さDは表層8aの厚み
未満かつ表層8aが削れても溝が無くならない範囲にすることが好ましい。溝間隔Iはクリーニングブレード21のめくれが抑制できる範囲で適宜設定するのが好ましい。
なお、表面加工処理の方法はインプリント加工に限定されず、ラッピングフィルムを中間転写体8に当接させる方法等でも構わない。中間転写体8とクリーニングブレード21との摩擦力を低減し、めくれを防止できるように溝84を形成できれば良い。
<電子写真感光体と中間転写体の関係>
本発明では、中間転写体8の電子写真感光体1と対向する面における、表面の粗さから算出された山頂点の算術平均曲率Spc(ISO25178)は、電子写真感光体1の表面層105における粒子径DAと、下記式(1)の関係を満たすことが必要である。
80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc) ・・・(1)
山頂点の算術平均曲率Spcは、表面の山頂点の主曲率の平均であり、曲率半径の逆数で表される。したがって、Spcが小さいと山頂点に丸みがあり幅の広い凸形状となっていることを表し、Spcが大きいと幅の狭い尖った凸形状を持つことを表す。
図6は中間転写体8の表面と電子写真感光体1の表面の関係を示した模式的な断面図である。式(1)に記載の、「2×(1/ Spc)」とは中間転写体8の表面における粗さ
の山部を粒子と見立てたときの、粒子径に相当する値である。式(1)の関係は電子写真感光体1の粒子径DAの曲率半径が、中間転写体8の表面の曲率半径よりも小さいことと同義である。図6(a)のように式(1)を満たす場合には、電子写真感光体1にとって中間転写体8はほぼ平滑とみなせる。よって、中間転写体8による電子写真感光体1の表面層105における粒子106に対する摺擦を軽減でき、長期にわたって摩擦力の低減が可能となる。
一方、図6(b)のように、
DA > 2×(1/ Spc)
となった場合には、電子写真感光体1の表面層105の形状を、寿命を通じて維持することが困難となる。電子写真感光体1の表面層105における粒子106に対して、中間転写体8表面の山部が、図6(b)の矢印のように粒子106の側面からストレスを与えることで、粒子106の脱離が発生しやすくなる。耐久に伴って粒子106の脱離が進むと、電子写真感光体1と中間転写体8の接触面積が増え、摩擦力が増大する。粒子径DAが80nm以上であれば摩擦力低減効果が得られるのは、前述の通りである。
上記の理由から、本発明においては画像形成装置100の寿命後半においても、電子写真感光体1と中間転写体8の間の摩擦力の低減効果を維持するために、式(1)を満たす必要がある。
なお、図5のように表層8aに中間転写体8の移動方向に沿った溝が形成されている場合は、少なくとも溝のない部分85の算術平均曲率Spcが、式(1)を満たすことが必要である。表層8aの溝のない部分85が電子写真感光体1と接触し、摩擦力および耐久性に寄与するためである。
[実施例]
以下、本発明に係る電子写真感光体1や中間転写体8の各物性の測定方法と製造例および実験実施例を説明する。
<電子写真感光体の物性測定>
<電子写真感光体の表面層に含まれる粒子の積層状態の観察および粒度分布の測定方法>
実施例にて作成した電子写真感光体1の断面観察をおこなった。図2のような表面層内
において粒子が単層で積層しているか、図3のように粒子が複層に積層しているか判断した。なお、断面観察を行ったサンプルは、感光体1を長手方向に4等分して、端部から1/4、1/2、3/4の長さの位置において、周方向には120°ずらして採取した。感光体からそれぞれ、5mm四方のサンプル片を切り出し、FIB-SEMのSlice&Viewで表面層の2μm×2μm×2μmの3次元化を行った。
Slice&Viewの条件は以下のようにした。
分析用試料加工:FIB法
加工及び観察装置:SII/Zeiss製NVision40
スライス間隔:10nm
(観察条件)
加速電圧:1.0kV
試料傾斜:54°
WD:5mm
検出器:BSE検出器
アパーチャー:60μm、high current
ABC:ON
画像解像度:1.25nm/pixel
また、測定環境は、温度:23℃、圧力:1×10-4Paである。なお、加工及び観察装置としては、FEI製のStrata400S(試料傾斜:52°)を用いることもできる。
解析領域は縦2μm×横2μmで行い、断面ごとの情報を積算し、表面層の表面における縦2μm×横2μm×厚み2μm(8μm3)当たりの体積Vを求める。また、断面ごとの画像解析は、画像処理ソフト:Media Cybernetics製、Image-Pro Plusを用いて行った。
FIB-SEMのSlice&Viewのコントラストの違いから、表面層の全体積に占める、粒子の含有量を算出した。また、画像解析から得られた情報を基に、4つのサンプル片のそれぞれにおいて、2μm×2μm×2μmの体積(単位体積:8μm3)中の本発明の粒子の体積Vを求め、導電性粒子の含有量[体積%](=Vμm3/8μm3×100)を算出した。各サンプル片における粒子の含有量の値の平均値を、表面層の全体積に対する表面層中の本発明の各粒子の含有量[体積%]とした。粒子の組成は、SEM-EDX機能を用いて判別した。
横軸に表面層の表面に含まれる粒子の粒子径をとり、縦軸に各粒子径における個数基準の頻度を取った粒度分布において、複数のピークが存在するか確認する。その粒度分布において、前述したピークPEAのピークトップの粒子径DAを算出する。同様にピークPEBのピークトップの粒子径DBを算出する。
組成が違う粒子が存在する場合はEDSによるマッピング画像で判別した。また、凸部を100点計測して、粒子PAAに由来する凸部CAの割合を算出した。さらに、表面層の断面画像において、図2、図3に示すように表面層の平均膜厚Tを計測した。
<電子写真感光体の表面層における粒子の重心間距離の平均値と標準偏差の測定方法>
本発明の電子写真感光体1において、前記表面層105を上面視したとき、前記粒子PAAに由来する凸部CAの重心間距離の平均値と標準偏差の算出は、以下のようにしてできる。
電子写真感光体1の表面層105の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)(「S-4800」、日本電子株式会社製)を用いて加速電圧10kVで撮影した。本発明の電
子写真感光体を長手方向に各端部から50mm、および及び中央部の三か所で、周方向に90度ずつ4か所の計12か所で、感光体1の表面層105の30000倍の写真画像をスキャナーにより取り込んだ。画像処理解析装置(「LUZEX AP」、株式会社ニレ
コ製)を用いて前記写真画像の粒子PAAについて2値化処理する。
粒子PAAの隣接重心間距離のモードで、図7に示すように隣接する粒子PAAの重心間距離201を測定し、重心間距離の平均値を算出する。このとき、粒子PAAの各重心からボロノイ分割によって、重心間距離は算出される。合計10視野に対して前記の重心間距離と標準偏差の算出を行い、得られた重心間距離の平均値と標準偏差を感光体の表面層における粒子の重心間距離の平均値と標準偏差とする。
<電子写真感光体の表面層における粒子の被覆率S1/(S1+S2)の測定方法>
本発明の電子写真感光体1において、前記表面層105を上面視したとき、粒子PAAの面積をS1、粒子PAA以外の面積の合計をS2としたとき、被覆率S1/(S1+S2)の算出は、以下のようにしてできる。
電子写真感光体1の表面層105の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)(「S-4800」、日本電子株式会社製)を用いて加速電圧10kVで撮影した。本発明の電子写真感光体を長手方向に各端部から50mm、および及び中央部の三か所で、周方向に90度ずつ4か所の計12か所で、感光体1の表面層105の30000倍の写真画像をスキャナーにより取り込んだ。画像処理解析装置(「LUZEX AP」、株式会社ニレ
コ製)を用いて前記写真画像の粒子PAAについて2値化処理する。
粒子PAAの面積をS1、粒子PAA以外の面積の合計をS2として、被覆率S1/(S1+S2)(%)を算出する。合計10視野に対して前記の被覆率の算出を行い、得られた被覆率の平均値を感光体1の表面層105における粒子の被覆率とする。
<電子写真感光体の表面層における粒子の粒子PAAの円形度の測定方法>
電子写真感光体1の表面層105の表面について、走査型電子顕微鏡(SEM)(「S-4800」、日本電子株式会社製)を用いて加速電圧10kVで撮影した。本発明の電子写真感光体1を長手方向に各端部から50mm、および及び中央部の三か所で、周方向に90度ずつ4か所の計12か所で、感光体1の表面層105の30000倍の写真画像をスキャナーにより取り込んだ。さらに画像処理解析装置(「LUZEX AP」、株式
会社ニレコ製)を用いて前記写真画像の粒子PAAについて画像処理を行い、合計10視野に対して円形度の平均値を算出し粒子PAAの円形度とする。
<各層の膜厚の測定>
実施例及び比較例の電子写真感光体1の各層の膜厚は、電荷発生層を除き、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント製)を用いる方法、又は、単位面積当たりの質量から比重換算する方法で求めた。電荷発生層の膜厚は、感光体の表面に分光濃度計(商品名:X-Rite504/508、X-Rite製)を押し当てて測定したマクベス濃度値と断面SEM画像観察による膜厚測定値から予め取得した校正曲線を用いて、感光体のマクベス濃度値を換算することで測定した。
<中間転写体表面の山頂点の算術平均曲率Spcの測定>
中間転写体8の表面の山頂点の算術平均曲率Spcは、具体的には以下のようにして行うことができる。
中間転写体8の表面について、レーザ顕微鏡VK―X250(KEYENCE製)の形
状測定モードを用いて、対物レンズの倍率150倍で測定した。本発明の中間転写体を幅方向(中間転写体の回転方向と直行する方向)に各端部から50mm、および及び中央部
の三か所で、回転方向に等間隔で4か所の計12か所で測定した。1か所あたりの測定範囲は70μm×70μmである。
測定した顕微鏡画像から、レーザ顕微鏡VK―X250付属の解析ソフト(VK―H1
XA)にて、表面粗さ計測モードで山頂点の算術平均曲率を算出した。全12か所の値の平均値を、中間転写体8の表面の山頂点の算術平均曲率Spcとする。
中間転写体8の表面に溝が形成されている場合は、各測定箇所について、それぞれ溝が無い箇所のみを解析対象とし、山頂点の算術平均曲率を算出した。
<電子写真感光体の製造>
以下の方法で支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面層を作製した。
<導電層用塗布液1の調製>
基体として、平均一次粒径が200nmのアナターゼ型酸化チタンを使用し、チタンをTiO換算で33.7部、ニオブをNb換算で2.9部含有するチタンニオブ硫酸溶液を調製した。基体100部を純水に分散して1000部の懸濁液とし、60℃に加温した。チタンニオブ硫酸溶液と10mol/L水酸化ナトリウムとを懸濁液のpHが2~3になるよう3時間かけて滴下した。全量滴下後、pHを中性付近に調整し、ポリアクリルアミド系凝集剤を添加して固形分を沈降させた。上澄みを除去し、ろ過及び洗浄し、110℃で乾燥し、凝集剤由来の有機物をC換算で0.1wt%含有する中間体を得た。この中間体を窒素中750℃で1時間焼成を行った後、空気中450℃で焼成して、酸化チタン粒子を作製した。得られた粒子は前述の走査電子顕微鏡を用いた粒径測定方法において、平均一次粒径が、220nmであった。
続いて、結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC製、樹脂固形分:60%、硬化後の密度:1.3g/cm)50部を、溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール35部に溶解させて溶液を得た。
この溶液に酸化チタン粒子1を60部加え、これを分散媒体として個数平均一次粒径1.0mmのガラスビーズ120部を用いた縦型サンドミルに入れ、分散液温度23±3℃、回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング製)0.01部、及び、表面粗さ付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:KMP-590、信越化学工業製、平均一次粒径:2μm、密度:1.3g/cm)8部を添加して攪拌し、PTFE濾紙(商品名:PF060、アドバンテック東洋製)を用いて加圧ろ過することによって、導電層用塗布液1を調製した。
<下引き層用塗布液1の調製>
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:50nm、テイカ製)100部をトルエン500部と撹拌混合し、ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM-1003、信越化学製)3.5部を添加し、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて8時間分散処理した。ガラスビーズを取り除いた後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、有機珪素化合物で表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。得られた酸化チタン粒子の体積をa、前記酸化チタン粒子の平均一次粒径をb[μm]としたとき、a/b=15.6であった。aの値は、電子写真感光体作製後、電子写真感光体の断面を電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM、商品名:S-48
00、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた顕微鏡像から求めた。
前記有機珪素化合物で表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子18.0部、N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部を、メタノール90部と1-ブタノール60部の混合溶剤に加えて分散液を調製した。
この分散液を、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて5時間分散処理し、ガラスビーズを取り除くことにより、下引き層用塗布液1を調製した。
<フタロシアニン顔料の合成>
<合成例1>
窒素フローの雰囲気下、α-クロロナフタレン1000mLに、三塩化ガリウム100g及びオルトフタロニトリル291gを加え、温度200℃で24時間反応させた後、生成物を濾過した。得られたウエットケーキをN,N-ジメチルホルムアミドを用いて温度150℃で30分間加熱撹拌した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率83%で得た。
上記の方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料20gを、濃硫酸500mLに溶解させ、2時間攪拌した後、氷冷しておいた蒸留水1700mL及び濃アンモニア水660mLの混合溶液に滴下して、再析出させた。これを蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得た。
<電荷発生層用塗布液1の調製>
合成例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N-ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径0.9mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で24時間、サンドミル(BSG-20、アイメックス製)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に1500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N-NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N-ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物を酢酸n-ブチルで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料はN,N-ジメチルホルムアミドを含有していた。
続いて、前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1800回転する条件で行った。この分散液からガラスビーズを取り除き、シクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液1を調製した。
<電荷輸送層用塗布液1の調製>
(電荷輸送層1の作製例)
次に、以下の材料を用意して、混合溶媒を作製した。
・オルトキシレン :25質量部
・安息香酸メチル :25質量部
・ジメトキシメタン :25質量部
さらに、以下の材料を前記混合溶媒に溶解し、電荷輸送層用塗布液1を調製した。
・下記構造式(C-1)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質) :5質量部
・下記構造式(C-2)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質) :5質量部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製) :10質量部
この電荷輸送層用塗布液1を電荷発生層1上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥温度40℃で5分間乾燥させることによって、膜厚が15μmの電荷輸送層1を形成した。
Figure 2024082925000004
(粒子を含有する表面層の作製例1)
PAA粒子、PAB粒子となる表1の材料を用意した。
Figure 2024082925000005
<表面層用塗布液1の調製>
PAA粒子:シリカ粒子(「QSG-170」,信越化学工業株式会社製) :2.5質量部
PAB粒子:シリカ粒子(「QSG-80」,信越化学工業株式会社製) :2.5質量部
重合性官能基を有するモノマー1(上記構造式(2-1)) :0.75質量部
重合性官能基を有するモノマー2(上記構造式(3-1)) :0.75質量部
シロキサン変性アクリル化合物(商品名:サイマックUS270、東亜合成(株)製) :0.1質量部
1-プロパノール :100.0質量部
シクロヘキサン :100.0質量部
を混合し、攪拌装置で6時間攪拌して、表面層用塗布液1を調製した。
<表面層用塗布液2~25の調製>
表面層用塗布液1の調製において、粒子PAA、粒子PAB、その他粒子の種類と添加量を表2の通りに変更したこと以外は同様にして、表面層用塗布液2~25を調整した。
Figure 2024082925000006
<電子写真感光体1の作製例>
<支持体>
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
<導電層>
導電層用塗布液1を上述の支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を150℃で30分間加熱し硬化させることにより、膜厚が22μmの導電層を形成した。
<下引き層>
下引き層用塗布液1を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱し硬化させることにより、膜厚が1.8μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層>
電荷発生層用塗布液1を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
<電荷輸送層>
電荷輸送層用塗布液1を上述の電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度120℃で30分間加熱乾燥することにより、膜厚が21μmの電荷輸送層を形成した。
<表面層>
表面層用塗布液1を上述の電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度50℃で5分間加温した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧65kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、2.0秒間電子線を塗膜に照射した。線量は15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度を120℃に昇温させた。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は10ppmであった。
次に、大気中において塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、塗膜の温度が120℃になる条件で30分間加熱処理を行い、膜厚1.0μmの表面層を形成した。得られた電子写真感光体の物性を表3に示す。
<電子写真感光体2~25の作製例>
電子写真感光体1の作製において、表面層用塗布液1を表2の条件の通りに変更したこと以外は電子写真感光体1の作製と同様にして、電子写真感光体2~25を作製した。得られた電子写真感光体2~25の物性を表3に示す。
Figure 2024082925000007
<中間転写体の製造>
<中間転写体1の作製例>
<基層の作製>
電気抵抗調整剤としてのカーボンブラックを分散したポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)を延伸ブローすることで、ボトル状成型体を得た。ボトル状成型体を超音波カッターにより切断することで、無端状のベルト形状とした。こうして得られた、厚さ60μmのPEN樹脂製の無端状ベルトを、中間転写体1の基層とした。
<表層形成用塗工液の調製>
紫外線を遮蔽した容器中において、一次粒径が200nmのPTFE粒子(ルブロンL-2:ダイキン工業社製)50部、不飽和二重結合含有アクリル共重合体(オプスターZ7501:JSR社製)100部、アンチモン酸亜鉛粒子含有イソプロパノールゾル(セ
ルナックスCX-Z210IP:日産化学工業社製)25部を混合した。この混合液を、高圧乳化分散機で分散混合し、紫外線硬化性樹脂組成物を調製し、表層形成用塗工液とした。
<表層の作製>
上で作製した基層上に、表層形成用塗工液を、温度25℃湿度60%RHの塗布環境でディップコートした。塗工が終了してから10秒後に、同環境で紫外線照射装置(商品名:UE06/81-3、アイグラフィック社製、積算光量:1000mJ/cm2)を用いて紫外線を表層形成用塗工液の塗膜に照射し、不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させた。こうして、基層上に厚さ0.5μmの硬化したアクリル樹脂を主成分とする表層が形成された中間転写体1を得た。なお、中間転写体1の体積抵抗率は1.0×1010Ω・cmである。周長は712mm、幅は248mmとした。
<中間転写体2~4の作製>
中間転写体1の表層の作製において、表層形成用塗工液に含まれるPTFE粒子の配合量を表4のように変更することで、表面の粗さを変更したこと以外は、中間転写体1と同様の方法で中間転写体2、3を得た。
中間転写体1にインプリント加工を行うことにより、中間転写体の移動方向に沿う溝を形成した中間転写体4を得た。
表4に中間転写体1~4の山頂点の算術平均曲率Spcの値を示す。
Figure 2024082925000008
<本実施例の効果>
本実施例の効果を示すために、以下の条件で評価を行った。
温度25℃湿度60%RHの環境において、画像形成装置100で転写材SとしてLETTERサイズのXEROX Vitality用紙(XEROX社製、坪量:75g/m)を用いた。転写材Sの搬送速度は300mm/sec、中間転写体8の周速度は300mm/sec、電子写真感光体1の周速度は291mm/secとした。つまり、中間転写体8と電子写真感光体1の周速差は3%に設定した。また、画像ブレの評価として、シアンのハーフトーン(トナーの載り量:0.2mg/cm)の画像をプリントアウトし、画像ブレを確認した。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの全てのプロセスカートリッジにおける、電子写真感光体1を同一のものとした。
画像形成装置100の寿命後半における画像ブレを確認するために、フルカラー1.0%の画像で、20万枚の通紙耐久試験をした。温湿度や転写材Sの種類および各種速度は、上記画像ブレの評価条件と同じとした。1万枚の通紙をした後に、同じくシアンのハーフトーンの画像をプリントアウトし、画像ブレを確認した。評価基準Bまでが実用上問題のないレベルである。
(評価基準)
A:画像ブレの発生なし
B:極めて軽微な画像ブレが発生する
C:はっきりと視認できる画像ブレが発生する
表5に初期と耐久後(1万枚の通紙後)の画像ブレを評価した実施例を、表6に比較例の結果を示す。
実施例1~24ではこれまで説明してきたような理由から、初期・耐久後ともに画像ブレの発生が抑制された。比較例1、3、4、6~10では、初期の画像ブレは問題なかったが、耐久後には電子写真感光体上の粒子が脱離したことで、画像ブレが発生した。また、比較例2、5では電子写真感光体における粒子径DAが小さいことから十分な摩擦低減効果が得られず、初期から画像ブレが発生した。
Figure 2024082925000009
Figure 2024082925000010
以上説明したように本発明によれば、画像形成装置の寿命後半においても、電子写真感光体と中間転写体の間の摩擦力の低減効果を維持し、画像ブレの発生を抑制することができる。
なお、本実施例では図1のように一次転写残トナーのクリーニング手段を持たない、所謂ドラムクリーナレス方式を用いていたが、一次転写残トナーのクリーニング手段を有していてもよい。例えば電子写真感光体に対してゴムブレードを当接させ、一次転写残トナーを回収する所謂ブレードクリーニング方式でも、本発明の効果を得ることができる。
[構成1]
像担持体と、
前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送する中間転写体と、
を有する画像形成装置であり、
前記像担持体は、粒子および結着樹脂を含有する表面層を有し、
前記表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とする画像形成装置。
[構成2]
前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
[構成3]
像担持体と、
前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送する中間転写体と、
を有する画像形成装置であり、
前記像担持体は、粒子および結着樹脂を含有する表面層を有し、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、
前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下であり、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とする画像形成装置。
[構成4]
前記表面層の断面において、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子を含まない部位の表面層の平均膜厚をTとし、
DA > T
であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成5]
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が小さい方のピークトップ粒子径DBが、
DB < T
であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
[構成6]
前記表面層において、
DB/DA > 1/10
であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
[構成7]
前記表面層の表面に存在する凸部の個数のうち、
前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の占める個数の割合が、90個数%以上である
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成8]
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークの半値幅が50nm以下である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成9]
前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子の円形度が、0.950以上である
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成10]
前記中間転写体の表面には、その移動方向に沿う方向に溝形状が形成されており、
前記中間転写体の前記像担持体と対向する面とは、前記溝形状を除く表面である
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成11]
前記中間転写体は表面層と基層とを有し、
前記中間転写体の表面層はアクリル樹脂を含む
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成12]
前記像担持体の周速度と、前記中間転写体の周速度との間に周速差を設ける手段を有することを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
[構成13]
前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率Spcが、7000[1/mm]以下である
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成14]
前記表面層の全体積に対して、前記粒子の体積が占める割合が、40体積%~90体積%である
ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
[構成15]
中間転写体を有する画像形成装置に取り付け可能なプロセスカートリッジであって、
粒子および結着樹脂を含有する表面層を有する像担持体を有し、
前記表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとしたとき、
80nm ≦ DA
であり、
前記画像形成装置の前記中間転写体は、前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送するものであり、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
[構成16]
前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下である
ことを特徴とする請求項15に記載のプロセスカートリッジ。
[構成17]
中間転写体を有する画像形成装置に取り付け可能なプロセスカートリッジであって、
粒子および結着樹脂を含有する表面層を有する像担持体を有し、
前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとしたとき、
80nm ≦ DA
であり、
前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来す
る凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下であり、
前記画像形成装置の前記中間転写体は、前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送するものであり、
前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
DA ≦ 2×(1/ Spc)
であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
[構成18]
前記表面層の断面において、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子を含まない部位の表面層の平均膜厚をTとし、
DA > T
であることを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
[構成19]
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が小さい方のピークトップ粒子径DBが、
DB < T
であることを特徴とする請求項18に記載のプロセスカートリッジ。
[構成20]
前記表面層において、
DB/DA > 1/10
であることを特徴とする請求項19に記載のプロセスカートリッジ。
[構成21]
前記表面層の表面に存在する凸部の個数のうち、
前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の占める個数の割合が、90個数%以上である
ことを特徴とする請求項15から20のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
[構成22]
前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークの半値幅が50nm以下である
ことを特徴とする請求項15から21のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
[構成23]
前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子の円形度が、0.950以上である
ことを特徴とする請求項15から22のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
[構成24]
請求項15から23のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジであって、
前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
前記中間転写体の表面には、その移動方向に沿う方向に溝形状が形成されており、
前記中間転写体の前記像担持体と対向する面とは、前記溝形状を除く表面である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
[構成25]
請求項15から24のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジであって、
前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
前記中間転写体は表面層と基層とを有し、
前記中間転写体の表面層はアクリル樹脂を含む
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
[構成26]
請求項15から25のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジであって、
前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
前記像担持体の周速度と、前記中間転写体の周速度との間に周速差を設ける手段を有する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
[構成27]
請求項15から26のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジであって、
前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率Spcが、7000[1/mm]以下である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
[構成28]
前記表面層の全体積に対して、前記粒子の体積が占める割合が、40体積%~90体積%である
ことを特徴とする請求項15から27のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
1:電子写真感光体、8:中間転写体、100:画像形成装置、105:表面層、106、107:粒子

Claims (28)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送する中間転写体と、
    を有する画像形成装置であり、
    前記像担持体は、粒子および結着樹脂を含有する表面層を有し、
    前記表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、
    前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
    前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
    前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、
    前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
    80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc)
    であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
    前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 像担持体と、
    前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送する中間転写体と、
    を有する画像形成装置であり、
    前記像担持体は、粒子および結着樹脂を含有する表面層を有し、
    前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
    前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
    前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとし、
    前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
    前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下であり、
    前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
    80nm ≦ DA ≦ 2×(1/ Spc)
    であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記表面層の断面において、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子を含まない部位の表面層の平均膜厚をTとし、
    DA > T
    であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が小さい方の
    ピークトップ粒子径DBが、
    DB < T
    であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記表面層において、
    DB/DA > 1/10
    であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記表面層の表面に存在する凸部の個数のうち、
    前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の占める個数の割合が、90個数%以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークの半値幅が50nm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子の円形度が、0.950以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 前記中間転写体の表面には、その移動方向に沿う方向に溝形状が形成されており、
    前記中間転写体の前記像担持体と対向する面とは、前記溝形状を除く表面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  11. 前記中間転写体は表面層と基層とを有し、
    前記中間転写体の表面層はアクリル樹脂を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  12. 前記像担持体の周速度と、前記中間転写体の周速度との間に周速差を設ける手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  13. 前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率Spcが、7000[1/mm]以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  14. 前記表面層の全体積に対して、前記粒子の体積が占める割合が、40体積%~90体積%である
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 中間転写体を有する画像形成装置に取り付け可能なプロセスカートリッジであって、
    粒子および結着樹脂を含有する表面層を有する像担持体を有し、
    前記表面層の表面において、前記粒子が占める面積をS1とし、前記粒子以外が占める面積をS2としたとき、S1/(S1+S2)が0.70以上1.00以下であり、
    前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
    前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
    前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとしたとき、
    80nm ≦ DA
    であり、
    前記画像形成装置の前記中間転写体は、前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送するものであり、
    前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
    DA ≦ 2×(1/ Spc)
    であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
    前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下である
    ことを特徴とする請求項15に記載のプロセスカートリッジ。
  17. 中間転写体を有する画像形成装置に取り付け可能なプロセスカートリッジであって、
    粒子および結着樹脂を含有する表面層を有する像担持体を有し、
    前記表面層に含有される粒子の個数基準の粒度分布において複数のピークが存在し、
    前記複数のピークのうち前記粒度分布におけるピークトップでの粒子径が20nm以上であるピークのうち、ピークトップの頻度が最大となるピークを第一ピーク、ピークトップの頻度が第二となるピークを第二ピークとし、
    前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークトップの粒子径をDAとしたとき、
    80nm ≦ DA
    であり、
    前記表面層を上面視したとき、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の重心間距離の平均値が、150nm以上500nm以下であり、
    前記凸部の重心間距離の標準偏差が、250nm以下であり、
    前記画像形成装置の前記中間転写体は、前記像担持体と接触する接触部において前記像担持体上のトナーが表面に転写される中間転写体であって、転写材に転写するために前記トナーを搬送するものであり、
    前記接触部における前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の、表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率をSpcとしたとき、
    DA ≦ 2×(1/ Spc)
    であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 前記表面層の断面において、前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子を含まない部位の表面層の平均膜厚をTとし、
    DA > T
    であることを特徴とする請求項15に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が小さい方のピークトップ粒子径DBが、
    DB < T
    であることを特徴とする請求項18に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記表面層において、
    DB/DA > 1/10
    であることを特徴とする請求項19に記載のプロセスカートリッジ。
  21. 前記表面層の表面に存在する凸部の個数のうち、
    前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子に由来する凸部の占める個数の割合が、90個数%以上である
    ことを特徴とする請求項15に記載のプロセスカートリッジ。
  22. 前記第一ピークと前記第二ピークを比較して、ピークトップの粒子径の値が大きい方のピークの半値幅が50nm以下である
    ことを特徴とする請求項15に記載のプロセスカートリッジ。
  23. 前記粒子径がDA±20nmの範囲にある粒子の円形度が、0.950以上である
    ことを特徴とする請求項15に記載のプロセスカートリッジ。
  24. 請求項15に記載のプロセスカートリッジであって、
    前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
    前記中間転写体の表面には、その移動方向に沿う方向に溝形状が形成されており、
    前記中間転写体の前記像担持体と対向する面とは、前記溝形状を除く表面である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  25. 請求項15に記載のプロセスカートリッジであって、
    前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
    前記中間転写体は表面層と基層とを有し、
    前記中間転写体の表面層はアクリル樹脂を含む
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  26. 請求項15に記載のプロセスカートリッジであって、
    前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
    前記像担持体の周速度と、前記中間転写体の周速度との間に周速差を設ける手段を有する
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  27. 請求項15に記載のプロセスカートリッジであって、
    前記プロセスカートリッジを取り付け可能な前記画像形成装置において、
    前記中間転写体の前記像担持体と対向する面の表面粗さ形状における山頂点の算術平均曲率Spcが、7000[1/mm]以下である
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  28. 前記表面層の全体積に対して、前記粒子の体積が占める割合が、40体積%~90体積%である
    ことを特徴とする請求項15から27のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
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