JP4831740B2 - 電子写真用ベルト、電子写真装置および電子写真用ベルトの製造方法、ならびに、中間転写ベルト - Google Patents

電子写真用ベルト、電子写真装置および電子写真用ベルトの製造方法、ならびに、中間転写ベルト Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置に用いられる転写材搬送ベルトや中間転写ベルトなどの電子写真用ベルト、該電子写真用ベルトを有する電子写真装置および該電子写真用ベルトの製造方法に関する。電子写真用ベルトを有する電子写真装置としては、モノクロームまたはカラー(フルカラーを含む)の複写機やプリンター(LBPなど)がある。
電子写真用ベルトを備えた電子写真装置を用いて高品位な画像を安定的に出力するためには、電子写真用ベルトの体積抵抗率と、電子写真用ベルトのトナー像あるいは転写材を担持する表面の表面抵抗率のバランスが重要である。
具体的には、中間転写ベルトを例にとれば、中間転写ベルトは、電子写真感光体から一次転写されたトナー像を確実にその表面に担持する必要があり、さらに、表面に担持したトナー像を紙などの転写材に効率よく二次転写させる必要がある。このような相反する性能を高いレベルで両立させるために、中間転写ベルトの体積抵抗率と表面抵抗率とのバランスを考慮することが有効である。
この点に関し、中間転写体(中間転写ベルトなど)の表面抵抗率を10Ω/□、体積抵抗率を10Ω・cmとしたとき、10≦x≦14、y≦13およびx≧yとすることが記載されている。そして、このように体積抵抗率および表面抵抗率を調整することによって、中間転写体上に一次転写されたトナー像の飛散が生じることがなく、しかも、次のトナー像の一次転写までに自然放電されることが記載されている。また、中間転写体の構成としては、単層構造でも多層構造でもよいことが記載されている。(例えば、特許文献1参照)
特開平10−228188号公報
電子写真用ベルトには、電子写真装置内での良好な取り回し性を確保するために、耐屈曲性に優れていることが求められる。また、電子写真用ベルトのトナー像や転写材の担持面は、摩耗によって表面の物理的特性が変化したり、電子写真用ベルトとしての電気的特性が変化したりすることのないように、耐摩耗性に優れていることも求められる。そして、これらをともに高いレベルで満足させるような材料として、例えば、硬化性のポリイミドが挙げられる。
しかしながら、硬化性のポリイミドは一般的に高価である。そこで、本発明者らは、より低コストな電子写真用ベルトを得るために、熱可塑性樹脂を含有する柔軟性に優れた基層上に耐摩耗性に優れた表面層を形成してなる電子写真用ベルトについて検討を行った。具体的には、均一な厚さを有し、かつ、基層への密着性にも優れた樹脂硬化膜を表面層として用いることを検討した。
検討の結果、本発明者らは、電子写真用ベルトが屈曲した際に表面層に割れなどが生じることを防ぐためには、表面層の厚さを3.0μmもしくはそれよりも薄くする必要があるとの認識を得た。このような認識に基づき、本発明者らは、熱可塑性樹脂を含有する基層上に薄い樹脂硬化膜からなる表面層を有する電子写真用ベルトに対して、上記の特許文献1に記載されている好ましい電気的特性を備えさせることを検討した。そのために、本発明者らは、表面層に導電性粒子を添加することにより、電子写真用ベルトの体積抵抗率と表面抵抗率とのバランスを取ることを試みた。
しかしながら、表面層の表面抵抗率が極めて小さくなってしまい(具体的には、10Ω/□以下)、特許文献1に記載されている好ましい電気的特性を電子写真用ベルトに備えさせることができなかった。
したがって、本発明の目的は、耐屈曲性と表面の耐摩耗性に優れ、かつ、良好な電気的特性を備えた電子写真用ベルト、該電子写真用ベルトを有する電子写真装置および該電子写真用ベルトの製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、耐屈曲性と表面の耐摩耗性に優れ、かつ、良好な電気的特性を備えた中間転写ベルトを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、熱可塑性樹脂を含有しテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.30%以上である基層と、該基層上に塗布により形成された導電性粒子を含有する厚さ0.5μm以上3.0μm以下の樹脂硬化膜とを有し、該樹脂硬化膜の表面におけるテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.050%以下である電子写真用ベルトであって、体積抵抗率ρv[Ω・cm]および該樹脂硬化膜の表面における表面抵抗率ρs[Ω/□]が下記式(1)、(2)および(3)の関係をすべて満たしていることを特徴とする電子写真用ベルトである。
10≦ρv≦1010 ・・・(1)
10≦ρs≦1013 ・・・(2)
ρs/ρv≧10 ・・・(3)
また、本発明は、上記の電子写真用ベルトを有することを特徴とする電子写真装置である。
更に、本発明は、上記の電子写真用ベルトを製造する方法であって、
熱可塑性樹脂を用いて前記基層を形成する基層形成工程と、
該基層形成工程により形成された基層上に、前記樹脂硬化膜の原料であるモノマー/オリゴマー成分、導電性粒子および溶剤を含有する表面層形成用塗工液を塗布し、これを乾燥および硬化させることによって前記表面層を形成する表面層形成工程と
を有することを特徴とする電子写真用ベルトの製造方法である。
更にまた、本発明は、熱可塑性樹脂を含有しテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.30%以上である基層と、該基層上に塗布により形成された導電性粒子を含有する厚さ0.5μm以上3.0μm以下の樹脂硬化膜とを有し、該樹脂硬化膜の表面におけるテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.050%以下である中間転写ベルトであって、体積抵抗率ρv[Ω・cm]および該樹脂硬化膜の表面における表面抵抗率ρs[Ω/□]が下記式(1)、(2)および(3)の関係をすべて満たしていることを特徴とする中間転写ベルトである。
10≦ρv≦1010 ・・・(1)
10≦ρs≦1013 ・・・(2)
ρs/ρv≧10 ・・・(3)
本発明によれば、耐屈曲性と表面の耐摩耗性に優れ、かつ、良好な電気的特性を備えた電子写真用ベルト、該電子写真用ベルトを有する電子写真装置および該電子写真用ベルトの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、耐屈曲性と表面の耐摩耗性に優れ、かつ、良好な電気的特性を備えた中間転写ベルトを提供することができる。
(基本構成)
以下、本発明の電子写真用ベルトについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の電子写真用ベルトの概略断面図であり、15は熱可塑性樹脂を含有する基層であり、また、16は該基層上に塗布により形成された樹脂硬化膜である。そして、この電子写真用ベルトにおいて、その体積抵抗率をρv[Ω・cm]とし、表面抵抗率をρs[Ω/□]とすると、該ρvおよびρsは下記式(1)、(2)および(3)の関係をすべて満たすものである。
10≦ρv≦1010 ・・・(1)
10≦ρs≦1013 ・・・(2)
ρs/ρv≧10 ・・・(3)
上述したように、本発明者による本発明前の検討によれば、基層および該基層上に塗布により形成された樹脂硬化膜からなる厚さ3.0μm以下の表面層を有する電子写真用ベルトには、上記式(1)、(2)および(3)に示す関係をすべて満たすような電気的特性を持たせることができなかった。
この原因について、本発明者らは詳細な検討を行った結果、以下の知見を得ることができた。すなわち、基層上に塗布した、導電性粒子を含有する表面層形成用塗工液の薄い塗膜からの溶剤の蒸発に伴って、導電性粒子の多くが表面層の表面近傍に移行してしまうため、電子写真用ベルトの表面抵抗率が非常に低いものとなってしまっていた。
そこで、本発明者は、基層上に塗布した塗工液からの溶剤の蒸発速度を、導電性粒子の表面層の表面への移行を防ぐように制御した。その結果、該表面抵抗率の大幅な低下を抑えられること、および、上記式(1)、(2)および(3)のすべてを満たした電子写真用ベルトを得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の各構成要件について順次説明する。
(基層)
基層は、屈曲によっても表面に割れなどが生じない耐屈曲性に優れたものであることが好ましい。このような基層に用いることのできる材料としては、以下のような熱可塑性樹脂材料およびこれらの混合物、ならびに、該混合物により形成される熱可塑性エラストマーなどが挙げられる:ポリカーボネート,ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリメチルペンテン−1,ポリスチレン,ポリアミド,ポリサルフォン,ポリアリレート,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルサルフォン,ポリエーテルニトリル,熱可塑性ポリイミド系材料,ポリエーテルエーテルケトン,サーモトロピック液晶ポリマー,ポリアミド酸など。
上記のような材料から形成される耐屈曲性に優れた基層は、結果的に、例えばテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.30%以上の、表面の耐摩耗性が比較的低いものとなってしまうことが多い。
しかしながら、このような基層上に、後述する表面層を形成することによって、電子写真用ベルトとしての表面の耐摩耗性を改善することが可能である。
上記式(1)、(2)および(3)で示される式のすべてを満たす電子写真用ベルトであるために、基層の体積抵抗率は1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×10Ω・cm以上3.0×1010Ω・cm以下であることがより好ましい。また、同様に、基層の表面抵抗率は1.0×1010Ω/□以上1.0×1013Ω/□以下であることが好ましく、5.0×1011Ω/□以上3.0×1012Ω/□以下であることがより好ましい。
このような体積抵抗率、表面抵抗率を有する基層は、例えば、基層中に公知の導電性粒子やイオン導電剤を含有させることによって得ることができる。
また、基層には、機械的な補強や熱伝導性の付与などの目的で、有機物や無機物の少なくとも1種の微粉末を配合してもよい。有機物の微粉末としては、例えば、縮合型ポリイミド粉末、イオン導電剤などが使用できる。無機物の微粉末としては、例えば、カーボンブラック粉末、酸化マグネシウム粉末、フッ化マグネシウム粉末、酸化ケイ素粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化チタン粉末等の無機球状微粒子が使用できる。また、無機物の微粉末として、炭素繊維やガラス繊維などの繊維状粒子や、チタン酸カリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のウィスカー状粉末なども使用できる。このような微粉末の形状、粒径および含有量などは特に限定されるものではないが、基層の体積抵抗率や表面抵抗率が上記の好適範囲を逸脱しないようにすることが好ましい。ただし、これらの微粉末の配合量は、基層の耐屈曲性、強度および熱伝導率を考慮すると、総合量で結着樹脂に対して5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。また、基層の厚さは、電子写真用ベルトに必要な強度などを考慮すると、80μm以上150μm以下であることが好ましい。
(表面層)
表面層は、基層への密着性や厚さの均一性の観点から、基層上に塗布により形成された樹脂硬化膜からなる。そして、該表面層は、該電子写真用ベルトのテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量減少率が0.050%以下となるような優れた耐摩耗性を電子写真用ベルトの表面に与えるものである。
このような樹脂硬化膜は、例えば、アクリルモノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなど)やアクリル樹脂のプレポリマーなどを含有する塗工液を基層上に塗布し、これを硬化させることによって得ることができる。そして、樹脂硬化膜の厚さは、電子写真用ベルトに所定の耐摩耗性を付与し、かつ、基層の屈曲に十分追従できるよう、本発明においては0.5μm以上3.0μm以下であり、好ましくは1.0μm以上3.0μm以下である。
(導電性粒子)
本発明においては、樹脂硬化膜からなる表面層に所定の抵抗率を付与するため、導電性粒子を添加する。導電性粒子としては、抵抗制御が可能であればどのようなものでも使用が可能であり、例えば、以下のものが挙げられる:
カーボンブラック,PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維および膨張化黒鉛粉砕品などの粉末,繊維またはフレーク状のカーボン系導電剤や,銀,ニッケル,銅,亜鉛,アルミニウム,ステンレスおよび鉄などの粉末,繊維またはフレーク状の金属系導電剤や,アンチモンドープ酸化スズ,スズドープ酸化インジウムおよびアルミニウムドープ酸化亜鉛などの微粒子状金属酸化物系導電剤など。
これらの中で、本発明においては、添加量が少量で済み、表面層の表面平滑性が得られる微粒子状金属酸化物系導電剤が好ましい。微粒子状金属酸化物の最表面には、SiOやAlなどの絶縁無機化合物で表面処理を施し、薄いシェルを形成させることがより好ましい。
(電気的特性)
本発明の電子写真用ベルトにおいて、その体積抵抗率をρv[Ω・cm]、表面抵抗率をρs[Ω/□]とすると、該ρvおよびρsは下記式(1)、(2)および(3)の関係をすべて満たすものである。
10≦ρv≦1010・・・(1)
10≦ρs≦1013・・・(2)
ρs/ρv≧10 ・・・(3)
基層上に塗布により形成された厚さ0.5μm以上3.0μm以下の樹脂硬化膜からなる表面層を有する電子写真用ベルトに、上記式(1)、(2)および(3)に示す関係をすべて満たすような電気的特性を備えさせるためには、表面層に導電性粒子を含有させることに加え、基層上に塗布した表面層形成用塗工液からの溶剤の蒸発速度を制御し、表面層形成時の乾燥過程における導電性粒子の表面層の表面近傍への移行(以下単に「表面移行」ともいう)を抑えることが必要である。
溶剤の蒸発速度の制御方法としては、例えば、高温低湿環境下、基層上に表面層形成用塗工液を塗布し、これを乾燥させた場合、溶剤を極めて速く蒸発させることができ、導電性粒子の表面移行を有効に抑えることができる。高温低湿環境下とは、具体的には35乃至45℃、5乃至20%RHの環境下である。また、該表面層形成用塗工液としては、例えば、アクリル系モノマー50質量%、導電性粒子12質量%およびメチルイソブチルケトン38質量%を含むもの例示することができる。
また、表面層形成用塗工液中の主溶剤としてメチルエチルケトンを用いた場合には、常温常湿環境下でもメチルエチルケトンが極めて早く蒸発するため、導電性粒子の表面移行を有効に抑えることができる。常温常湿環境下とは、具体的には20乃至30℃、30乃至50%RHの環境下である。
以上の結果、表面の耐摩耗性に優れ、かつ、電気的特性にも優れた、低コストの電子写真用ベルトを得ることができる。もちろん、乾燥時の温湿度環境と表面層形成用塗工液の組成の双方を調整することにより、導電性粒子の表面移行を抑えるようにしてもよい。
(表面層形成用塗工液)
表面層の形成に用いる表面層形成用塗工液は、電子写真用ベルトの表面の耐摩耗性の改善のためにアクリルモノマーやアクリルオリゴマーなどの樹脂硬化膜の原料を含有し、また、表面層の電気的特性を調整するための導電性粒子と、溶剤を基本組成として含有する。そして、上述したように、表面層形成用塗工液を基層上に塗布した後の導電性粒子の表面移行を抑えるために、表面層形成用塗工液はすみやかに乾燥するような組成とすることが好ましい。該溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、エタノールおよびイソブタノールなどが挙げられる。特に、基層上に塗布した表面層形成用塗工液を、高温低湿環境下でない環境下、例えば常温常圧環境下で乾燥(および硬化)させる場合には、上述したように、メチルエチルケトンを主溶剤として用いることが好ましい。
表面層形成用塗工液の組成は、基層上への塗工性や該塗工液の安定性を考慮すると、樹脂硬化膜の原料であるモノマーおよび/またはオリゴマー成分を該表面層形成用塗工液全質量に対して30乃至60質量%とし、導電性粒子を該表面層形成用塗工液全質量に対して10乃至20質量%とし、溶剤を該表面層形成用塗工液全質量に対して30乃至60質量%とすることが好ましい。
(電子写真装置)
次に、本発明の電子写真用ベルトの使用形態について説明する。
図2は、本発明の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして用いた電子写真装置の概略説明図である。
すなわち、図2において、1はドラム状の電子写真感光体(以下「感光ドラム」ともいう)であり、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。感光ドラム1は、回転過程において、一次帯電器2により所定の極性および所定の電位に帯電処理され、次いで不図示の像露光器からの露光3を受ける。S1は一次帯電器の電源である。このようにして、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロートナー像)に対応した静電潜像が形成される。
次に、その静電潜像が第1現像器41(イエローY現像器)により第1色であるイエロートナー像に現像される。このとき、第2、第3および第4の現像器、すなわち、マゼンタM現像器42、シアンC現像器43およびブラックBK現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用しない。よって、第1色のイエロートナー像は、マゼンタM現像器42、シアンC現像器43およびブラックBK現像器44による影響を受けない。
中間転写ベルト7は、ローラー群64、65および66に張架され、かつ、感光ドラム1に接するように配置され、矢印Bの方向に感光ドラム1と同じ周速度で回転駆動される。そして、感光ドラム1上に形成された第1色のイエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写ベルト7とのニップ部を通過する過程で、中間転写ベルト7の表面に一次転写される。
一次転写は、バイアス電源S4から一次転写ローラー62に印加される一次転写バイアス(トナーとは逆極性)によって形成される電界により行われる。
一次転写されずに感光ドラム1上に残留したイエロートナーは、クリーニング装置13でクリーニングされる。以下同様に、第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像および第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト上に重畳転写され、目的とするフルカラー画像に対応する合成カラートナー像が形成される。
中間転写ベルト7上に形成された合成フルカラートナー画像は、転写材Pに二次転写される。すなわち、転写材Pは、不図示のカセットから転写材供給ローラー10および転写材ガイド11を通過して中間転写ベルト7と二次転写ローラー63とのニップ部に供給される。同時に二次転写バイアスがバイアス電源S5から二次転写ローラー63に印加されることにより、転写材Pに中間転写ベルト7上の合成カラートナー画像が二次転写される。合成フルカラートナー画像が転写された転写材Pは定着器14へ導入され、合成カラートナー画像が転写材Pに定着される。
また、二次転写の際に転写材に転写されずに中間転写ベルト7上に残留したトナーは帯電装置8により帯電され、感光ドラム1と中間転写ベルト7とのニップ部で感光ドラム1に移り、クリーニング装置13により回収される。
図3は、各色のトナー画像を形成するための感光ドラム1が4つ搭載され、各感光ドラムが中間転写ベルト7と接するように配置されているものである。
また、図4および図5は、電子写真用ベルトを転写材搬送ベルト12に用いた電子写真装置の概略断面図である。図4において、転写材Pは、不図示のカセットから転写材供給ローラー10および転写材ガイド11を通過して転写材搬送ベルト12上に供給される。そして、転写材Pは、転写材搬送ベルト12に担持・搬送されて、感光ドラム1と転写材搬送ベルト12とのニップ部を通過し、そのときに感光ドラム1上に形成されたトナー画像が転写材P上に転写される。S3は転写バイアス印可手段の電源である。4色のトナー画像が重畳転写され、目的とするフルカラー画像に対応する合成カラートナー像が形成された転写材Pは定着器14へ導入され、合成カラートナー画像が転写材Pに定着される。
図5は、各色のトナー画像を形成するための感光ドラム1が4つ搭載され、各感光ドラムが転写材搬送ベルト12とニップを形成するように配置されている。転写材Pは、不図示のカセットから転写材供給ローラー10および転写材ガイド11を通過して転写材搬送ベルト12上に供給される。そして転写材Pは、転写材搬送ベルト12に担持され、順次搬送されて、各感光ドラム1と転写材搬送ベルトとのニップを通過し、そのときに感光ドラム上に形成された各色のトナー画像が転写材P上に重畳転写される。6は転写バイアス印可手段であり、S3はその電源である。4色のトナー画像が重畳転写され、目的とするフルカラー画像に対応する合成カラートナー画像が形成された転写材Pは定着器14へ導入され、合成フルカラートナー画像が転写材Pに定着される。
以下、実施例および比較例を用いて本発明についてより詳細に説明する。
なお、実施例および比較例において、体積抵抗率ρvおよび表面抵抗率ρsの測定方法は、以下の方法において行った。
すなわち、各実施例および比較例で作製した電子写真用ベルトから100mm×100mmの測定サンプルを切り出し、該測定サンプルを、あらかじめ、23℃/50%RHの環境に6時間放置後に測定を行った。
測定装置としては、高抵抗測定装置(商品名:ハイレスタUP(MCP−HT450)、三菱化学(株)製)を用いた。表面電極としては、リング状プローブ(商品名:URS(中心電極の直径:0.59cm;外側電極の内径:1.1cm;外側電極の外径:1.78cm);三菱化学(株)製)を用いた。
なお、体積抵抗率は、レジテーブルUFL(三菱化学(株)製)の金属面側に測定サンプルを載せて、リング状プローブの中心電極とレジテーブルUFLの金属面との間に100Vを印加し、10秒後の値を測定値とした。
また、表面抵抗率は、レジテーブルUFL(三菱化学(株)製)のポリアミド面側に測定サンプルを載せて、リング状プローブの中心電極と外側電極との間に100Vを印加し、10秒後の値を測定値とした。
また、実施例および比較例において、テーバー摩耗試験は、ASTM−D−1175(日本工業規格(JIS)のK7204(1999)に対応)に基づき、テーバー摩耗試験機(商品名:テーバーアブレーションテスター、安田精機(株)製)を用いて行った。摩耗輪としては、CS10Fを用い、荷重4.9N、500回転、60rpmの条件にて測定を行った。
(実施例1)
(i)基層の作製
厚さ50μm、体積抵抗率ρv=2.5×10[Ω・cm]、表面抵抗率ρs=1.8×1011[Ω/□]の、イオン導電剤を含有するポリフッ化ビニリデン樹脂からなるフィルムを押し出し成形によって作製した。このフィルムを用い、特開2002−326287号公報の実施例1に記載された方法にしたがって、厚さ100μmの円筒状無端ベルトを作製した。この円筒状無端ベルトを電子写真用ベルトの基層とした。この円筒状無端ベルトの体積抵抗率および表面抵抗率は、上記フィルムのそれらと同じであった。また、ベルトの表面(後述する表面層形成用塗工液の塗布面)のテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率は0.41%であった。
(ii)表面層形成用塗工液の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、導電性粒子としてのアンチモン酸亜鉛のイソプロピルアルコールゾル(商品名:セルナックス、日産化学(株)製)12質量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有するアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(商品名:デソライト;JSR(株)製)50質量部を混合した。その後、メチルイソブチルケトンを38質量部添加して紫外線硬化性樹脂組成物を得た。なお、得られた紫外線硬化性樹脂組成物の導電性粒子の分散安定性は良好であった。
(iii)電子写真用ベルトの作製
40℃/10%RHの環境下、上記(i)で作製した基層の表面に上記(ii)で得られた表面層形成用塗工液をディップコート法により塗布して表面層形成用塗工液の薄い塗膜を形成した。該塗膜を上記環境下で30秒間乾燥させた後、該塗膜にUV照射機(商品名:UE06/81−3、アイグラフィック(株)製、積算光量:1200mJ/cm)を用いて紫外線を照射し、該塗膜を硬化させ、厚さ1.0μmの樹脂硬化膜を形成した。該樹脂硬化膜が電子写真用ベルトの表面層となる。
こうして得られた本発明の電子写真用ベルトの表面層の表面(すなわち電子写真用ベルトの表面)の摩耗性をテーバー摩耗試験により評価した。その結果、この電子写真用ベルトの質量減少率は0%であった。
得られた電子写真用ベルトの体積抵抗率ρvおよび表面抵抗率ρsを抵抗測定器(商品名:ハイレスタ;三菱化学(株)製)を用いて測定したところ、以下のとおりであり、添加した導電性粒子の表面移行による電子写真用ベルトの表面抵抗率の大幅な低下を抑えられていた。
ρv=3.0×10[Ω・cm]
ρs=9.0×1011[Ω/□]
ρs/ρv=3.0×10
次に、上記電子写真用ベルトを転写材搬送ベルトとして使用した図5に示す構成の電子写真装置を用いて画像形成を行った。なお、転写材搬送ベルトの張架ローラーのうち、最小のローラーの直径は20mmであり、ローラーに巻き付いているベルトの最もきつい(最も小さい)内角は60°であった。
また、画像形成の条件を以下に示す。
電子写真感光体:有機感光体
暗部電位(非画像部電位):−700V
明部電位(画像部電位):−150V
現像剤:非磁性一成分トナー(4色とも)
転写電圧:1.5kV
プロセススピード:122mm/s
その結果、実施例1の電子写真用ベルトの体積抵抗値は十分低くなっていることにより、チャージアップの発生は生じなかった。さらに、該電子写真用ベルトの表面抵抗率が体積抵抗率と比較して大きな差を有していることにより、該転写材搬送ベルトに担持された転写材上のトナー像を構成しているトナーの飛び散りは発生せず、高精細な画像を得ることができた。
さらに、実施例1の電子写真用ベルトを転写材搬送ベルトとして装着した実施例1の電子写真装置においては、200000枚通紙後も電子写真用ベルトの転写材担持面に亀裂などの発生は認められなかった。
(比較例1)
表面層形成用塗工液の基層への塗布および乾燥を25℃/40%RHの環境下において行った以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトを作製した。
こうして作製した電子写真用ベルトの体積抵抗率ρvおよび表面抵抗率ρsはそれぞれ以下のとおりであり、実施例1の電子写真用ベルトと比較して表面抵抗率の低下が顕著であった。
ρv=2.6×10[Ω・cm]
ρs=7.5×10[Ω/□]
ρs/ρv=3×10−1
これは、比較例1においては、塗布環境を常温常湿環境としたため、基層上の表面層形成用塗工液の薄膜の乾燥過程における該薄膜からの溶剤の蒸発速度が遅くなり、導電性粒子が乾燥過程において、表面移行してしまったことによるものと考えられる。
次に、比較例1の電子写真用ベルトを、実施例1で用いたのと同様の電子写真装置の転写材搬送ベルトとして使用し、実施例1と同じ条件にて画像形成を行った。
その結果、転写材搬送ベルトに担持された転写材表面のトナー画像を構成するトナー像からのトナーの飛び散りが発生し、実施例1の画像と目視にて比較した結果、明らかに画質が劣っていた。
(実施例2)
表面層(樹脂硬化膜)の厚さを3.0μmとした以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトを作製し、実施例1と同様にして評価した。
実施例2の電子写真用ベルトの表面のテーバー摩耗試験後の質量減少率は0%であった。また、実施例2の電子写真用ベルトの体積抵抗率ρvおよび表面抵抗率ρsは、それぞれ以下のとおりであり、実施例1の電子写真用ベルトと同様、表面抵抗率の大幅な低下が抑えられていた。
ρv=6.5×10[Ω・cm]
ρs=1.5×1012[Ω/□]
ρs/ρv=2.3×10
次に、実施例2の電子写真用ベルトを、実施例1で用いたのと同様の電子写真装置の転写材搬送ベルトとして使用し、実施例1と同じ条件にて画像形成を行った。
その結果、実施例1と同様に、転写材搬送ベルトに担持された転写材表面のトナー画像を構成しているトナーの飛び散りは発生せず、高精細な電子写真画像を得ることができた。
また、実施例2の電子写真装置においては、200000枚通紙後も電子写真用ベルトの転写材担持面に亀裂などの発生は認められなかった。
(実施例3)
表面層形成用塗工液および該表面層形成用塗工液の基層上への塗布および乾燥条件を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真用ベルトを作製した。
(i)表面層形成用塗工液の調製
導電性粒子としてのアンチモン酸亜鉛のイソプロパノールゾル(商品名:セルナックス;日産化学(株)製)12質量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含有するアクリル系紫外線硬化型ハードコート材料(商品名:デソライト;JSR(株)製)を50質量部混合した。その後、メチルエチルケトン(MEK)を38質量部添加して紫外線硬化性樹脂組成物を得た。
(ii)電子写真用ベルトの作製
実施例1の(i)と同様の方法で作製した基層の表面に上記(i)で調製した表面層形成用塗工液を25℃/40%RHの環境下で塗布し、これを乾燥させた後、これに紫外線を照射して表面層(樹脂硬化膜)を形成し、実施例3の電子写真用ベルトを得た。
こうして作製した実施例3の電子写真用ベルトの表面の摩耗性をテーバー摩耗試験により評価した。その結果、該電子写真用ベルトの質量減少率は0%であった。
また、実施例3の電子写真用ベルトの体積抵抗率ρvおよび表面抵抗率ρsは、それぞれ以下のとおりであった。
ρv=3.8×10[Ω・cm]
ρs=5.0×1011[Ω/□]
ρs/ρv=1.3×10
上述のとおり、実施例3では、表面層形成用塗工液の主溶剤として、実施例1で用いたメチルイソブチルケトンに代えて、より沸点の低いメチルエチルケトンを用いた。これにより、基層上に塗布された表面層形成用塗工液の薄い塗膜は、比較例1における表面層形成用塗工液の塗布および乾燥条件と同じ25℃/40%RHの環境下においても速やかに乾燥した。その結果、表面層形成用塗工液の塗膜の乾燥過程における導電性粒子の表面移行が抑制され、比較例1で認められた電子写真用ベルトの表面抵抗率の大幅な上昇を有効に抑えることができた。
さらに、実施例3の電子写真用ベルトを、実施例1で用いたのと同様の電子写真装置の転写材搬送ベルトとして使用し、実施例1と同じ条件にて画像形成を行った。
その結果、実施例1と同様に、該転写材搬送ベルトに担持された転写材上のトナー像を構成しているトナーの飛び散りは発生せず、高精細な画像を得ることができた。
また、実施例3の電子写真装置においては、200000枚通紙後も転写材搬送ベルトの転写材担持面に亀裂などの発生は認められなかった。
(比較例2)
表面層(樹脂硬化膜)の厚さを1.0μmから10.0μmに変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真用ベルトを作製した。
比較例2の電子写真用ベルトの表面の耐摩耗性をテーバー摩耗試験により評価した。その結果、該電子写真用ベルトの質量減少率は0%であった。
比較例2の電子写真用ベルトの表面層(樹脂硬化膜)は厚さ10μmと厚いため、25℃/40%RHの環境下であっても、表面層形成用塗工液の薄膜中の導電性粒子が表面層(樹脂硬化膜)の表面近傍にまで移動できず、得られた電子写真用ベルトの体積抵抗率および表面抵抗率に関する限りにおいては、それぞれ以下のとおり、本発明の電子写真用ベルトに求められる電気的特性をすべて備えるものであった。
ρv=8.0×10[Ω・cm]
ρs=2.0×1012[Ω/□]
ρs/ρv=2.5×10
比較例2の電子写真用ベルトを、実施例1で用いたのと同様の電子写真装置の転写材搬送ベルトとして使用し、実施例1と同じ条件にて画像形成を行った。
その結果、500枚通紙後に転写材搬送ベルトの転写材担持面に亀裂の発生が認められた。つまり、表面層(樹脂硬化膜)を厚くしたことで、高硬度の表面層(樹脂硬化膜)の基層に対する屈曲追従性が失われ、電子写真装置におけるベルト耐久性能が低下してしまったことが確認できた。
Figure 0004831740
本発明の電子写真用ベルトの概略断面図である。 中間転写ベルトを有する電子写真装置の概略断面図である。 中間転写ベルトを有する電子写真装置の概略断面図である。 転写材搬送ベルトを有する電子写真装置の概略断面図である。 転写材搬送ベルトを有する電子写真装置の概略断面図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 一次帯電器
3 露光光
6 バイアス印加手段
7 中間転写ベルト
8 残留トナーの帯電装置
10 転写材供給ローラー
11 転写材ガイド
12 転写材搬送ベルト
13 クリーニング装置
14 定着器
41 現像器
42 現像器
43 現像器
44 現像器
62 一次転写バイアス印加手段
63 二次転写バイアス印加手段
64 ローラー
65 ローラー
66 ローラー
S1、S3、S4、S5 電源
P 転写材
15 基層
16 表面層(樹脂硬化膜)

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂を含有しテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.30%以上である基層と、該基層上に塗布により形成された導電性粒子を含有する厚さ0.5μm以上3.0μm以下の樹脂硬化膜とを有し、
    該樹脂硬化膜の表面におけるテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.050%以下である電子写真用ベルトであって、
    体積抵抗率ρv[Ω・cm]および該樹脂硬化膜の表面における表面抵抗率ρs[Ω/□]が下記式(1)、(2)および(3)の関係をすべて満たしていることを特徴とする電子写真用ベルト。
    10≦ρv≦1010 ・・・(1)
    10≦ρs≦1013 ・・・(2)
    ρs/ρv≧10 ・・・(3)
  2. 前記樹脂硬化膜が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび前記導電性粒子を含有する塗工液を前記基層上に塗布し、これを硬化させることにより形成された硬化膜である請求項1に記載の電子写真用ベルト。
  3. 前記基層に含有される熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデンまたはポリカーボネートである請求項1または2に記載の電子写真用ベルト。
  4. 前記樹脂硬化膜の厚さが、1.0μm以上3.0μm以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用ベルト。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトを有することを特徴とする電子写真装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトを製造する方法であって、
    熱可塑性樹脂を含む基層上に、前記樹脂硬化膜の原料であるモノマーおよび/またはオリゴマー成分、導電性粒子および溶剤を含有する表面層形成用塗工液を塗布し、これを乾燥および硬化させることによって前記表面層を形成する表面層形成工程を有することを特徴とする電子写真用ベルトの製造方法。
  7. 前記表面層形成用塗工液が、前記モノマーおよび/またはオリゴマー成分を30乃至60質量%、前記導電性粒子を10乃至20質量%、および、前記溶剤を30乃至60質量%含有する請求項6に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  8. 前記表面層形成工程を温度が35乃至45℃、湿度が5乃至20%RHの環境下において行う請求項6または7に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  9. 前記溶剤がメチルエチルケトンを含む請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  10. 前記モノマーおよびまたはオリゴマー成分がジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである請求項6乃至9のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
  11. 熱可塑性樹脂を含有しテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.30%以上である基層と、該基層上に塗布により形成された導電性粒子を含有する厚さ0.5μm以上3.0μm以下の樹脂硬化膜とを有し、
    該樹脂硬化膜の表面におけるテーバー摩耗試験(ASTM−D−1175、荷重4.9N、500回転)後の質量の減少率が0.050%以下である中間転写ベルトであって、
    体積抵抗率ρv[Ω・cm]および該樹脂硬化膜の表面における表面抵抗率ρs[Ω/□]が下記式(1)、(2)および(3)の関係をすべて満たしていることを特徴とする中間転写ベルト。
    10≦ρv≦1010 ・・・(1)
    10≦ρs≦1013 ・・・(2)
    ρs/ρv≧10 ・・・(3)
  12. 前記樹脂硬化膜が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび前記導電性粒子を含有する塗工液を前記基層上に塗布し、これを硬化させることにより形成された硬化膜である請求項11に記載の中間転写ベルト。
  13. 前記基層に含有される熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデンまたはポリカーボネートである請求項11または12に記載の中間転写ベルト。
  14. 前記樹脂硬化膜の厚さが、1.0μm以上3.0μm以下である請求項11乃至13のいずれか1項に記載の中間転写ベルト。
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