JP7413863B2 - 中間転写体及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中間転写体及び電子写真画像形成装置に関し、特に、凹凸紙などにおける転写性が良好で、抵抗変動による画質低下を抑制し、かつ、耐久性に優れた中間転写体及び電子写真画像形成装置に関する。
中間転写ベルト(中間転写体)の電気抵抗は低すぎると転写チリといった画像不良が発生し、高すぎるとゴースト等の画像不良が発生する。そのため、中間転写ベルトの抵抗を制御することは転写性の良好な画質を得るために重要である。
比較的粉体抵抗が小さい導電材を樹脂に分散した中間転写ベルトがあるが(例えば、特許文献1参照。)、このような中間転写ベルトは電気抵抗のムラや、長期使用によって電気抵抗が変動するといった問題があった。
特許文献2では、樹脂中にカーボンブラックを高充填させることで、電気抵抗のムラや、電気的ストレスによる抵抗変化を抑制する技術が開示されている。
一方で、中間転写ベルトの誘電率(静電容量)が画質に与える影響についても示されている。例えば、特許文献3では、中間転写体に強誘電体を添加し誘電率(静電容量)を大きくすることで、転写性を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、誘電率(静電容量)の高い中間転写ベルトは、中間転写ベルトとトナー間の鏡像力が大きくなり、二次転写に不利に働くほか、電荷が中間転写ベルト内に残留することによる画像不良につながる。そのため、誘電率(静電容量)には適切な範囲が存在する。
抵抗と誘電率(静電容量)のどちらも考えたときに、特許文献2に開示されている技術のようにカーボンブラックが高充填されているものは、誘電率(静電容量)が高くなりすぎて、凹凸紙などの転写が厳しいメディアに対して良好な転写性を得ることができない。また、静電容量や抵抗を所望の値にするために、フィラーを添加すると機械強度が低下し、耐久性が悪くなるといった問題がある。
特開2015-127111号公報 特開2008-76518号公報 特開平8-152759号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、凹凸紙などにおける転写性が良好で、抵抗変動による画質低下を抑制し、かつ、耐久性に優れた中間転写体及び電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、基材層中に導電体と強誘電体を含有し、表面抵抗率及び静電容量を特定範囲とすることで、凹凸紙などにおける転写性が良好で、抵抗変動による画質低下を抑制し、かつ、耐久性に優れた中間転写体及び電子写真画像形成装置を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも基材層を有する電子写真用の中間転写体であって、
前記基材層中に導電体と強誘電体が含有され、
画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面とし、かつ表面抵抗率をρsとしたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.02以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が3×10~3×1012[Ω/sq.]、静電容量が6.5×10-10~1.0×10-8[F/cm]の範囲内であることを特徴とする中間転写体。
2.前記導電体が、カーボンブラックであることを特徴とする第1項に記載の中間転写体。
3.破断伸度が、20%以上100%未満であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の中間転写体。
4.前記強誘電体の結晶格子の3次元構造をa軸、b軸及びc軸としたときの、c軸とa軸の格子定数の比の値(c/a)が、1.005以上であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
5.前記基材層が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
6.前記導電体の粉体の体積抵抗率が、10-3~10Ω・cmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
7.前記導電体の前記基材層における含有量が、5~15体積%の範囲内であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
8.前記強誘電体の前記基材層における含有量が、5~30体積%の範囲内であることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
9.中間転写体の厚さが、50~100μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
10.前記強誘電体が、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム又はチタン酸ストロンチウムの少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
11.画像を形成する側の面の表面抵抗率が6×10~3×1010の範囲内であり、静電容量が9.5×10-10~9.5×10-9[F/cm]の範囲内であることを特徴とする第1項から第10項までのいずれか一項に記載の中間転写体。
12.第1項から第11項までのいずれか一項に記載の中間転写体を具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、凹凸紙などにおける転写性が良好で、抵抗変動による画質低下を抑制し、かつ、耐久性に優れた中間転写体及び電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
中間転写体の静電容量を高くすると、中間転写体にかかる電圧は小さくなり、トナーに分配される電圧が大きくなるため、転写効率が上がる。従来の中間転写体に強誘電体を添加することで、静電容量を向上させた中間転写体を作製し評価したが、転写性は向上しなかった。これは、静電容量が高くなりすぎると、中間転写体とトナー間の鏡像力が大きくなり、転写に不利に働くほか、電荷が中間転写体内に残留し、画像不良が発生するためであると考えられる。
そこで、本発明者は検討した結果、転写性が良好となる抵抗と静電容量の範囲を見いだした。
また、導電体の添加量と静電容量に関係があることが分かった。導電体は抵抗のパーコレーション閾値よりも低い領域では、添加量が多いほど静電容量が高くなる。これは、樹脂部分の厚みが薄くなることで、静電容量が高くなるためであると考えられる。
そこで、転写良好な抵抗と静電容量を満たすためには、高抵抗カーボンブラック(例えば、粉体の体積抵抗率が3~30Ω・cm)や低抵抗カーボンブラック(例えば、粉体の体積抵抗率が10-3~10Ω・cm)のみを用いるだけでは達成できず、低抵抗カーボンブラックとチタン酸バリウム等の強誘電体の組み合わせが有効であることが分かった。
低抵抗カーボンブラックを用いると、所望の抵抗を得るために必要な添加量が少なくなるため、高抵抗カーボンブラックを用いるよりも静電容量を下げることができる。
低抵抗カーボンブラックを用いると、通電による抵抗変動が問題となっていたが、それは、導電体の添加量が少なく樹脂比率が高いため、通電により樹脂部が炭化することが原因であると考えられる。
本発明の中間転写体は、カーボンブラック等の導電体とチタン酸バリウム等の強誘電体が高充填されているため、樹脂比率が低くなり樹脂の劣化が起こりづらく、抵抗変動は問題とならない。
以上より、本発明の中間転写体では、基材層中に導電体と強誘電体を含有し、画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面としたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.02以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が3×10~3×1012[Ω/sq.]、静電容量が6.5×10-10~1.0×10-8[F/cm]の範囲内とすることにより、転写性が良好で、抵抗変動による画質低下を抑制し、かつ、耐久性が向上する。
なお、図1は、導電体(低抵抗カーボンブラック、高抵抗カーボンブラック、これら以外の導電体)及び強誘電体(チタン酸バリウム)の含有量と、抵抗及び静電容量の関係を示した図である。図1に示されるように、前記したとおり低抵抗カーボンブラックとチタン酸バリウム等の強誘電体の組み合わせが、本発明の効果を得る点で有効であることが分かる。
導電体及び強誘電体の含有量と、抵抗及び静電容量の関係を示した図 本発明の中間転写体の層構成の一例を示す概念断面図 本発明の画像形成装置の構造を示す模式図 本発明の画像形成装置の構成を示すブロック図 本発明の画像形成装置の構成を示すブロック図 静電容量の測定方法を説明するための模式図
本発明の中間転写体は、少なくとも基材層を有する電子写真用の中間転写体であって、前記基材層中に導電体と強誘電体が含有され、画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面とし、かつ表面抵抗率をρsとしたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.02以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が3×10~3×1012[Ω/sq.]、静電容量が6.5×10-10~1.0×10-8[F/cm]の範囲内であることを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記導電体が、カーボンブラックであることが、中間転写体に導電性を持たせることができ、またハンドリングの容易さの点で好ましい。
破断伸度が、20%以上100%未満であることが、機械強度及び耐久性に優れる点で好ましい。
前記強誘電体の結晶格子の3次元構造をa軸、b軸及びc軸としたときの、c軸とa軸の格子定数の比の値(c/a)が、1.005以上であることが、強誘電体粒子の粒径を小さくしても添加量を増やすことなく所望の誘電率を得ることができる点で好ましい。
前記基材層が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれることが、強度と耐久性に優れる点で好ましい。
前記導電体の粉体の体積抵抗率が、10-3~10Ω・cmの範囲内であることが、所望の抵抗を得るために必要な添加量が少なくなるため、静電容量を下げることができる点で好ましい。
前記導電体の前記基材層における含有量が、5~15体積%の範囲内であることが、基材層表面にトナーの汚染が発生することがなく、また、基材層の強度に優れトナーの帯電量の低下が見られないため好ましい。
前記強誘電体の前記基材層における含有量が、5~30体積%の範囲内であることが、機械的強度及び転写性をより向上させることができる点で好ましい。
中間転写体の厚さが、50~100μmの範囲内であることが、機械的強度及び転写性をより向上させることができる点で好ましい。
前記強誘電体が、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム又はチタン酸ストロンチウムの少なくとも1種の化合物を含有することが、転写性を向上させることができる点で好ましい。
画像を形成する側の面の表面抵抗率が6×10~3×1010の範囲内であり、静電容量が9.5×10-10~9.5×10-9[F/cm]の範囲内であることが、本発明の効果発現の点で好ましい。
本発明の中間転写体は、電子写真画像形成装置に好適に用いられる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明の中間転写体の概要]
本発明の中間転写体は、少なくとも基材層を有する電子写真用の中間転写体であって、前記基材層中に導電体と強誘電体が含有され、画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面とし、かつ表面抵抗率をρsとしたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.02以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が3×10~3×1012[Ω/sq.]、静電容量が6.5×10-10~1.0×10-8[F/cm]の範囲内であることを特徴とする。
<静電容量>
本発明の中間転写体は、静電容量が6.5×10-10~1.0×10-8[F/cm]の範囲内である。より好ましくは、9.5×10-10~9.5×10-9[F/cm]の範囲内であることが、転写性向上の点で好ましい。
前記静電容量は以下のようにして測定することができる。
図6に示すように、中間転写体87aの表面にスパッタ等で抵抗が1桁Ωの薄膜電極201を形成し、10mmφの型で切り抜いて測定試料を作製し、インピーダンスアナライザー(Solartron Analytical社 12608W型)を用いて、交流インピーダンス測定モードで1Hz~1MHZまで電極接触法にて、比誘電率を測定する。その後、ZView等価回路解析ソフトウェア(東陽テクニカ製)を用いて等価回路解析(instant fit)から静電容量を得る。
<表面抵抗率>
中間転写体の画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面としたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.02以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が3×10~3×1012[Ω/sq.]の範囲内である。より好ましくは、耐久後の転写性向上の点で、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.01以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が6×10~3×1010[Ω/sq.]の範囲内である。
前記表面抵抗率は以下のようにして測定することができる。
株式会社三菱化学ケミカルアナリテック製「ハイレスタ-IP」を用い、プローブにはHRSプローブを用いて測定する。表面抵抗率は測定時の電圧を500Vとし、測定開始から10秒後の値を測定値とする。
静電容量や、基材層の表面の表面抵抗率及び|1-logρs(表)/logρs(裏)|の値を前記した範囲とするための手段としては、例えば、後述するように導電体の粉体の体積抵抗率、導電体及び強誘電体の含有量、強誘電体の種類や誘電率を制御することによって行う。
<破断伸度>
本発明の中間転写体の破断伸度は、20%以上100%未満であることが機械強度及び耐久性の点で好ましく、30~60%の範囲内であることが特に好ましい。
測定方法は、JIS K 7127に基づき中間転写体の引張破断強度を測定する。試験片は、1B型試験片形状にシート状成形品を切り出して、5mm/分の速度で測定する。
前記破断伸度を前記範囲とするためには、例えば、後述するように導電体であるカーボンブラックの揮発成分を8質量%以下とすることや、低抵抗な導電材を用いて添加量を減らすこと等が挙げられる。
[中間転写体の層構成]
図2は、本発明の中間転写体の層構成の一例を示す概念断面図である。
本発明の中間転写体1aは、少なくとも基材層2aを有する。中間転写体1aは、基材層2aのみで構成された単層構造であってもよいが、必要に応じて、前記基材層2a上に弾性層3a又は表面層4aなどの層をこの順で有する構成とすることもできる。
中間転写体の厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定し得るが、50~100μmの範囲内であることが好ましい。厚さが薄い程、転写に必要となる電圧が低くなり、放電が抑制されて転写効率が向上するため、100μm以下が好ましい。また、厚さが50μm以上であれば中間転写体の強度を十分保つことができる。
中間転写体の形状は、無端構造の中間転写体が、重畳による厚さ変化がなく、任意な部分を中間転写体の回転の開始位置とすることができ、回転開始位置の制御機構を省略できる利点などを有し好ましい。
中間転写体の電気抵抗値(体積抵抗率)は、105~1011Ω・cmの範囲内であることが好ましい。電気抵抗値は、後述する導電体の含有量で制御することができる。
なお、前記体積抵抗率は、前記表面抵抗率の測定方法において、測定時の電圧を10Vとし、同様にして測定開始から10秒後の値を測定値とする。
<基材層>
本発明に係る基材層は、導電体及び強誘電体が含有されている。
特に、基材層は、樹脂に強誘電体と導電体を均一に混合分散した状態で含有することが好ましい。すなわち、基材層が、当該基材層を構成する成分で均一に分散され、単層を構成していることが好ましい。
ここで、「均一に分散」とは、基材層を走査型電子顕微鏡で観察撮影した写真において、層内に強誘電体のみが充填された領域と導電体のみが充填された領域の界面が見えないことをいう。ただし、本発明の効果を損なわない範囲で、部分的に強誘電体や導電体の凝集体があっても構わない。
具体的な確認方法としては、基材層を走査型電子顕微鏡を用いて倍率3000倍で観察撮影した写真において、層内に界面が見えるか否かで、単層か否かを確認する。ここでいう界面とは、層内に強誘電体が分散されている領域と導電体が分散されている領域が分かれており、それらの領域の境目のことを示す。ただし、数個の粒子が集まった凝集体は、前述した誘電体又は導電体が分散されている領域とは異なり、単層を構成しているものとみなす。
(強誘電体)
本発明において強誘電体とは、誘電体の一種で、外部に電場がなくても電気双極子が整列しており、かつ双極子の方向が電場によって変化できる物質であり、具体的には、本発明において、強誘電体とは、温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数が1MHzにおける比誘電率が15以上である物質をいう。好ましくは、比誘電率は20以上、さらに好ましくは100以上である。誘電率が高い方が、本発明の効果発現の観点から好ましい。上限は、材料入手で制約される。
また、このように電気双極子モーメントが自発的に整列した状態を強誘電状態、この性質を強誘電性という。強誘電性をもつ物質のうち、本発明では生産工程での負荷や、経年使用時の安定性から、強誘電体としては強誘電体セラミックスが望ましく、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが挙げられる。また、強誘電体として、これらの固溶体を用いても良い。
これらのうち、本発明に係る強誘電体としては、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム又はチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも1種の化合物を含有することが、転写性を向上させることができる点で好ましく、特にチタン酸バリウムを含有することが好ましい。
チタン酸バリウムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、特許第6368246号の段落0033~0044等に記載の方法などにより製造することができる。
具体的には、バリウム及びチタン水酸化物含有水溶液を調製し、当該水溶液を高温高圧条件にて水熱反応を行う。
水熱反応の温度は200℃以上、好ましくは200~450℃、より好ましくは250~400℃、かつ全圧力が2MPa以上、好ましくは2~50MPa、より好ましくは10~40MPaで、通常0.1分以上、好ましくは0.1~1時間、より好ましくは0.1~30分、反応させるとよい。
このような高温高圧条件下で水熱反応させて、後述する比の値(c/a)や平均一次粒径等の粒子形態の制御を行う。その後、ろ過、水洗した後、乾燥、解砕することにより、チタン酸バリウム粒子が得られる。
本発明に係る強誘電体の比の値(c/a)や平均一次粒径を後述する範囲とするための手段としては、バリウム及びチタン水酸化物を含有する水溶液における原料の種類、Ba/Ti比、アルカリ量、反応スケール、反応温度、反応圧力及び反応時間等を制御することによって行うことができる。
なお、チタン酸ストロンチウムやチタン酸カルシウムの製造方法も特に限定されず、前記したチタン酸バリウムと同様の方法で製造することができる。
(強誘電体粒子の平均一次粒径)
前記強誘電体の粒子(「強誘電体粒子」ともいう。)の平均一次粒径が、300nm以下であることが、残留分極を小さくできる点で好ましい。平均一次粒径の下限値は30nmであり、より好ましくは50nmであり、最適範囲は90~110nmの範囲内である。
強誘電体粒子の平均一次粒径の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)(日立ハイテク社製)を用いて、無作為に200個以上の粒子を計測し、その平均値を求めた。また、粒子の形状が球形でない場合には、長径と短径の平均値を個々の粒子の径として算出することができる。
なお、本発明において、強誘電体粒子とは強誘電体の微粒子状態のものをいう。
(c軸とa軸の格子定数の比の値(c/a))
強誘電体粒子の結晶格子の3次元軸をa軸、b軸及びc軸としたときの、c軸とa軸の格子定数の比の値(c/a)が、1.005以上であることが好ましく、1.009以上であることがより好ましい。1.005以上とすることで、強誘電体粒子の粒径を小さくしても添加量を増やすことなく所望の誘電率を得ることができ、かつ、残留分極を小さくすることができる。前記比の値の上限値としては1.010が現実的である。
前記比の値(c/a)は、以下のように算出する。
《X線回折(XRD)》
ブルカーAXS社製X線回折装置(D8 ADVANCE/V)にて測定し、定性分析、又はリートベルト解析による定量分析から、格子定数(前記比の値(c/a))を求める。
また、前記強誘電体は、基材層全体に対して5~30体積%の範囲内で含有することが好ましい。5体積%以上であると、中間転写体の高誘電化効果、すなわち転写性向上効果がある。30体積%以下であると、必要な機械的強度を有することができる。
(導電体)
本発明に係る基材層は、前記強誘電体に加えて、導電体を含有する。
本発明において、導電体は、導電性を有する物質であれば特に限定されない。具体的に、本発明に用いられる導電体(導電剤)としては、公知の電子導電性物質、イオン導電性物質を用いることができるが、導電体が、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト又はグラフェンであることが好ましく、カーボンブラックであることが中間転写体に導電性を持たせることができる点、ハンドリングの容易さの点でより好ましい。
本発明に用いられる導電体の含有量としては、基材層全体に対して、5~15体積%の範囲内で含有することが好ましく、より好ましくは1~10体積%の範囲内である。5体積%以上であると、基材層表面にトナーの汚染が発生することがなく、15体積%以下であると、基材層の強度やトナーの帯電量の低下が認められず良好である。
また、前記導電体の粉体の体積抵抗率が、10-3~10Ω・cmの範囲内であることが、所望の体積抵抗率を得るために必要な添加量が少なくなるため、静電容量を下げることができる点で好ましい。より好ましくは、10-2~10-1Ω・cmの範囲内である。
前記粉体の体積抵抗率は、MCP-PD51型(ダイアンスツルメンツ社製)を使用し、抵抗率測定時に5MPaの加圧を行って測定する。
導電体の粉体の体積抵抗率を前記範囲とするためには、導電体をファーネス法で製造する場合、原料油の量で導電体の粒径を制御することができ、粒径の制御によって抵抗を制御することができる。
(カーボンブラック)
前記導電体のうちカーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。より少量の混合で所望の導電率を得るのに有効なものとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックとオイルファーネスブラックが挙げられる。なお、ケッチェンブラックとは、コンタクティブファーネス系のカーボンブラックである。
カーボンブラックの平均一次粒径は、10~50nmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、分散性及び導電性を制御しやすい。
平均一次粒径の測定はフォトンカウンティング方式を用いたFPAR-1000(大塚電子社製)の方法によって測定することができる。
カーボンブラックは、揮発分が8質量%以下であることが、機械強度の低下抑制の点で好ましい。より好ましくは1.6質量%以下である。
前記揮発分とは、カーボンブラックを950℃で7分間加熱した際の揮発(減量)分である。一般に表面官能基が多いほど、揮発する成分は多くなる。
(カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブ(以下、CNTと略記する。)とは、グラファイト六角網平面を筒状に丸めた状態の構造をもつ欠陥の無い単層、又はそれらが入れ子状に積層した多層のチューブ状物質である。本発明の中間転写体に含有されるCNTの平均管径は、10~150nmの範囲内であることが好ましく、CNTの長さは、5~12μmの範囲内であることが好ましい。CNTの直径及び長さを上記範囲にすることにより、中間転写体に適切な導電性を付与することができる。
このCNTは、必要に応じて官能基を共有結合させてもよい。例えば、CNTを強酸処理することによって表面にカルボン酸が導入された酸化CNTを生成し、酸化CNTを塩化チオニルと反応させた後、アルキルアルコールなどと反応させることにより、有機溶媒に溶解する化学装飾CNTを生成することができる。このような化学装飾CNTを用いることにより、樹脂にCNTを均一に分散させることができる。また、樹脂にCNTを分散させた状態で外部から電界を印加することにより、CNTを所望の方向に配向することができ、中間転写体の誘電率を向上させることができる。
上記平均管系及び上記長さは、中間転写体の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から求めることが可能であり、CNTの切断(粉砕)や2種以上のCNTの混合などによって調整することが可能である。
(グラファイト)
本発明に用いられるグラファイトとしては、天然物、人造合成物のいずれも使用可能である。好ましいグラファイトの粒子径に関しては、グラファイトの形状が鱗片状であること、またトナー担持体製造時における分散工程時に形状が変化すること等により一義的に規定することは困難であるが、長軸方向(ヘキ壊面方向)の幅として100μm以下であることが好ましい。測定方法としては、試料を直接顕微鏡で観察し測定する。
(グラフェン)
グラフェンは、炭素原子の平面状の六角形格子構造からなるシート状の物質である。グラフェンシートは、平板状のグラフェンであり、通常、単層である。グラフェンシートは、人工物であり、薄片状の粉体として入手できる。例えば化学気相蒸着(CVD)法で作製されうる。
グラフェンシートは、完全に単層でなくてもよく、部分的に2層以上の部分を含んでいてもよい。このような理由から、グラフェンシートは、例えば層数が2未満である。また、大きさは2μm未満であり、厚さは2nm以下であることが好ましい。グラフェンシートの積層物は、例えば、層数が2以上であり、大きさは5~25μmであり、厚さは12nm以下であることが好ましい。
グラフェンシート及びその積層物には、市販品を用いることができる。グラフェンシート及びその積層物の層数、大きさ及び厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定されうる。
(樹脂)
本発明に係る樹脂としては、様々なものを使用することができるが、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)などの強度と耐久性をもつスーパーエンジニアリングプラスチックが望ましい。
これらの中では、ポリイミド、ポリアミド及びポリアミドイミドが好ましい。中でもポリイミドは、耐熱性、耐屈曲性、柔軟性、寸法安定性等の特性に優れておりより好ましい。ポリイミドは、例えば、酸無水物とジアミン化合物からポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を合成し、当該ポリアミック酸を熱や触媒によってイミド化することにより得られる。
ポリイミドの合成に使用される酸無水物としては、特に制限されないが、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ポリイミドの合成に使用されるジアミン化合物としては、特に制限されないが、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、4,4′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、3,4′-ジアミノジフェニルエーテル、3,3′-ジメチル-4,4′-ジアミノビフェニ
ル、2,2′-ビス(トリフルオロメチル)-4,4′-ジアミノビフェニル、3,7-ジアミノ-ジメチルジベンゾチオフェン-5,5′-ジオキシド、4,4′-ジアミノベンゾフェノン、4,4′-ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、4,4′-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明に係る樹脂は、基材層全体に対して、50~95体積%の範囲内で含有することが好ましい。50体積%以上であると、必要な機械的強度を有することができる。95体積%以下であると、強誘電体や導電体を含有するスペースを確保することができる。
<弾性層>
本発明に係る弾性層は、必要により、基材の外周面上に形成されうる、所期の導電性と弾性を有する層である。
弾性層は、ゴム材料で構成される。弾性層の厚さは、例えば50~400μm内であることが好ましい。
ゴム材料の例には、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)及びアクリルニトリルゴム(NBR)などのゴム弾性を有する樹脂が含まれる。上記ゴム材料は、クロロプレンゴム又はニトリルブタジエンゴムを含むことが、中間転写体の電気抵抗を制御する観点から好ましい。
<表面層>
必要により、表面層(表層)は、基材の外周面上、又は弾性層の外周面上に形成されうる層であり、転写性向上効果を有する。
前記表面層が、金属酸化物微粒子(A)と、屈折率nDが1.6~1.8の範囲にある(メタ)アクリレートモノマー(B)、及び、当該(メタ)アクリレートモノマー(B)以外の多官能(メタ)アクリレート(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物とを含有する表面層形成用塗布液の塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化することによって得られることが好ましい。これにより中間転写体の耐久性を改善することができる。
[中間転写体の製造方法]
次に、本発明に係る基材層を備えた中間転写体の製造方法について説明する。なお、以下の製造方法は例示であり、中間転写体を製造できる任意の方法を用いることができる。
まず、強誘電体を溶媒中に分散させた分散液Aを調製する。また、導電体を溶媒中に分散させた分散液Bも調製する。ここで、分散液A及び分散液Bともに、誘電率や機械物性に影響を与えない程度に分散剤を用いても良い。
調製した分散液A及び分散液Bをポリイミドワニス「ユピア-AT(U-ワニス-A)」(宇部興産社製)の樹脂と混合・分散させる。このとき、強誘電体及び導電体の含有量が好ましい範囲となるように適宜調製する。混合・分散操作はミキサー等を用いて行うことができる。なお、分散液A及び分散液Bを調製せずに、強誘電体と導電体をともにポリイミドワニスに混合・分散させてもよい。
前記混合・分散操作により、基材層形成用塗布液を調製することができる。
次に、ステンレス製の円筒状金型を、円筒軸を中心に回転させながら、ディスペンスノズルを軸方向に移動させつつ当該ノズルから基材層形成用塗布液を吐出して、金型の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成する。
次に、円筒状金型を回転させながら例えば130℃で1時間加熱することによって大部分の溶媒を揮発させ、その後、例えば350℃で1時間加熱することにより、無端ベルト状の基材層を形成することができる。そして、この基材層を加工して、樹脂全体に強誘電体及び/又は導電体が分散された中間転写体が得られる。
なお、上記方法で作製した基材層のみを用いて中間転写体を作製してもよいし、弾性層及び表面層を基材層に貼り合わせて中間転写体を作製してもよい。弾性層や表面層の形成方法は公知の方法を用いて良く、特に限定されない。
[電子写真画像形成装置]
次に、本発明の中間転写体を備える電子写真画像形成装置について説明する。
本発明の電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置ともいう。)は、例えば、図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する感光体としての感光体ドラム83Y、83M、83C、83Kが、中間転写体の走行方向に直列配置されたタンデム方式の画像形成装置である。
この画像形成装置1は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)11とROM(Read Only Memory)12やRAM(Random Access Memory)13等のメモリなどで構成される制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成される記憶部20と、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成されるネットワークI/F部30と、タッチパネルなどで構成される表示操作部40と、ADF(Auto Document Feeder)とスキャナーなどで構成される画像読取部50と、RIP(Raster Image Processor)などで構成される画像処理部60と、搬送部70と、画像形成部80などを含み、搬送部70から搬送される用紙を処理する画像形成部80に、本実施形態の中間転写体が含まれる。
搬送部70は、図3に示すように、給紙装置71、搬送機構72、排紙装置73などで構成される。給紙装置71に収容されている用紙は、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構72により画像形成部80に搬送される。このとき、レジストローラーが配設されたレジスト部により、給紙された用紙の傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部80によって画像が形成された用紙は、排紙ローラーを備えた排紙装置73により機外の排紙トレイに排紙される。
画像形成部80は、図3及び図5に示すように、異なる色成分Y、M、C、Kに対応して設けられた、露光装置81(81Y、81M、81C、81K)、現像装置82(82Y、82M、82C、82K)、感光体ドラム83(83Y、83M、83C、83K)、帯電装置84(84Y、84M、84C、84K)、クリーニング装置85(85Y、85M、85C、85K)、一次転写ローラー86(86Y、86M、86C、86K)、中間転写ユニット87、定着装置88などで構成される。以下、各要素について概説する。なお、以下の説明では、必要に応じて、Y、M、C、Kを除いた符号を使用する。
各色成分Y、M、C、Kの感光体ドラム83は、アルミ材よりなる円筒状の金属基体の外周面上に、保護層としてのオーバーコート層を設けた有機感光体層(OPC)が形成された像担持体である。感光体ドラム83は、接地された状態で中間転写体に従動して図3における反時計方向に回転される。
各色成分Y、M、C、Kの帯電装置84は、スコロトロン式であって、その長手方向を感光体ドラム83の回転軸方向に沿わせた状態で、対応する感光体ドラム83に近接配設されており、トナーと同極性のコロナ放電によって、当該感光体ドラム83の表面に一様な電位を与える。
各色成分Y、M、C、Kの露光装置81は、例えばポリゴンミラーなどによって感光体ドラム83の回転軸と平行に走査を行い、一様に帯電された対応する感光体ドラム83の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる。
各色成分Y、M、C、Kの現像装置82は、対応する色成分の小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤を収容しており、トナーを感光体ドラム83の表面に搬送して、当該感光体ドラム83に担持された静電潜像をトナーにより顕像化する。
各色成分Y、M、C、Kの一次転写ローラー86は、本実施形態の中間転写体を感光体ドラム83に圧接し、対応する感光体ドラム83に形成された各色トナー像を順次重ねて中間転写体に一次転写する。
各色成分Y、M、C、Kのクリーニング装置85は、一次転写後に対応する感光体ドラム83上に残留した残留トナーを回収する。また、クリーニング装置85の感光体ドラム83の回転方向下流側には図示しない潤滑剤の塗布機構が隣接状態で設けられており、対応する感光体ドラム83の感光面に潤滑剤の塗布を行っている。
中間転写ユニット87は、被転写体となる無端状の中間転写体87aと支持ローラー87bと二次転写ローラー87cと中間転写クリーニング部87dなどを備え、複数の支持ローラー87bに中間転写体87aが張架されて構成される。一次転写ローラー86Y、86M、86C、86Kによって各色トナー像が一次転写された中間転写体87aが、二次転写ローラー87cによって用紙に圧接されると、中間転写体87aと二次転写ローラー87cとの間の転写電圧に基づいてトナーに働く電界によって、用紙にトナー像が二次転写され、定着装置88に送られる。中間転写クリーニング部87dは、中間転写体87aの表面に摺接されるベルトクリーニングブレードを有する。二次転写後に中間転写体87aの表面に残存する転写残トナーは、ベルトクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
定着装置88は、熱源となる加熱ローラー88aと定着ローラー88bとこれらに掛け渡された定着ベルト88cと加圧ローラー88dなどを備え、定着ベルト88cを介して定着ローラー88bに加圧ローラー88dが圧接されており、当該圧接部がニップ部を構成している。そして、加熱ローラー88aで加熱された定着ベルト88cと各ローラーとによりニップ部を通過する用紙を加熱加圧し、用紙に形成された未定着のトナー像を定着させる。
そして、定着装置88によりトナー像が定着された用紙は、排紙ローラーを備えた排紙装置73により機外の排紙トレイに排紙される。
なお、図3及び図5は、本発明の画像形成装置1の一例であり、本発明の中間転写体87aを利用できる限りにおいて、その構造や構成は適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
[チタン酸バリウム粒子の合成]
特許第6368246号の段落0033~0044等を参考にして、チタン塩水溶液としてチタン水酸化物含有水溶液、バリウム塩水溶液として硝酸バリウム水溶液、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いて、Ti量が10mol、Ba量が10mol、アルカリ量が60mol[中和度=アルカリ量/(4×Ti量+2×Ba量)=1.0]となるように原料を準備した。
次に、原料タンク内で、室温、大気下にてチタン水酸化物含有水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加後、硝酸バリウム水溶液を添加して、反応前駆体である無定形のバリウム及びチタン水酸化物を含有する水溶液を調製した。調製後の反応前駆体のpH値は13.2であった。調製した反応前駆体を連続式水熱反応装置により温度400℃、圧力25MPa、滞留時間0.4minにて水熱反応を行い、その後、ろ過、水洗及び乾燥してチタン酸バリウム粒子を得た。
得られたチタン酸バリウム粒子は、X線回折及び平均一次粒径を前記した方法により評価した。X線回折法によりリートベルト解析したところ、前記比の値(c/a)が1.009で、平均一次粒径が100nmのチタン酸バリウム粒子であった。
また、前記チタン酸バリウム粒子の合成において、水熱反応の温度、圧力及び滞留時間を適宜変更して、下記表I、表IIに示すような前記比の値(c/a)を有する各チタン酸バリウム粒子を合成した。
[チタン酸ストロンチウム粒子の合成]
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH8.8とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.7まで中和し、ろ別し水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85mol/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0として解膠処理を行った。このメタチタン酸をTiO換算に比して0.63mol採取し、3Lの反応容器に投入した。
次いで、SrO/TiOモル比が1.14になるよう塩化ストロンチウム水溶液を0.71mol添加した後、TiO濃度を0.28mol/Lに調製した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、5N水酸化ナトリウム水溶液290mLを16時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ別後、120℃の大気中で8時間乾燥して、チタン酸ストロンチウム粒子を得た。
得られたチタン酸ストロンチウム粒子は、X線回折及び平均一次粒径を前記した方法により評価した。X線回折法によりリートベルト解析したところ、前記比の値(c/a)が1.005で、平均一次粒径が100nmのチタン酸ストロンチウム粒子であった。
[チタン酸カルシウム粒子の合成]
特開2010-42995を参考にして以下のように合成した。
具体的には、四塩化チタン(株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ製)に水を加え、四塩化チタン濃度が0.25mol/Lになるように調整し、還流冷却器つきの反応器に投入。塩素イオンの逸出を抑制し、酸性に保ちながら沸点付近まで加熱。その温度で60分間保持し、四塩化チタンを加水分解し、酸化チタンゾルを得た。
水酸化カルシウム(富士フイルム和光純薬(株)製)29.6gと前記ゾルを電気透析装置により塩素を500ppmになるまで除去した後、沈降濃縮して得た酸化チタン濃度15質量%のゾル213gに、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド10質量%水溶液(昭和電工株式会社製)860gを加え、還流冷却管付き反応器で少量の窒素を流して、撹拌しながら煮沸するまで加熱した。撹拌しながら煮沸を4時間維持。撹拌しながら加熱を停止し、50度以下に空冷した後、真空ろ過して得られたケーキを300℃で5時間乾燥して、乾燥粉末を得た。
得られたチタン酸カルシウム粒子は、X線回折及び平均一次粒径を前記した方法により評価した。X線回折法によりリートベルト解析したところ、前記比の値(c/a)が1.005で、平均一次粒径が100nmのチタン酸カルシウム粒子であった。
[中間転写体1の作製]
上記で合成したチタン酸バリウム粒子(平均粒径:100nm、c/a比:1.009((平均))を溶媒(N-メチル-2-ピロリドン)中に分散させた分散液Aと、カーボンブラック「MA11」(三菱ケミカル社製)を溶媒(N-メチル-2-ピロリドン)中に分散させた分散液Bを調製した。
分散液A及びBをポリイミドワニス「ユピア-AT(U-ワニス-A)」(宇部興産社製)に、塗布液全体に対して、チタン酸バリウム10体積%、カーボンブラック5体積%となるように添加し、ミキサーを用いて混合して基材層形成用塗布液を調製した。
次に、ステンレス製の円筒状金型を、円筒軸を中心に回転させながら、ディスペンスノズルを軸方向に移動させつつ当該ノズルから基材層形成用塗布液を吐出して、金型の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成した。
次に、円筒状金型を回転させながら100℃で1時間加熱することによって大部分の溶媒を揮発させ、その後、360℃で1時間加熱することにより、無端ベルト状の基材層を形成した。
上記方法で形成された基材層の厚さは60μmであった。そして、この基材層を加工して、樹脂全体にチタン酸バリウム及びカーボンブラックが分散された中間転写体1を作製した。
なお、用いたカーボンブラックの粉体の体積抵抗率について、前記した方法により測定し、その値を下記表に示した。
[中間転写体2~4、6、8及び13の作製]
前記中間転写体1の作製において、導電体と強誘電体の含有量や中間転写体の厚さを下記表のとおりに変更して各中間転写体を作製した。また、中間転写体2、4の作製では導電体にカーボンブラック「MA7」(三菱ケミカル社製)、中間転写体6、8の作製では導電体にカーボンブラック「TOKABLAC#4500」(東海カーボン社製)を用いた。
[中間転写体5の作製]
前記中間転写体1の作製において、導電体にCNT「S40」(島貿易社製)を用い、その含有量を下記表のとおりに変更した以外は同様にして作製した。
[中間転写体7、9及び10の作製]
前記中間転写体1の作製において、中間転写体7、9の作製では、導電体にカーボンブラック「TOKABLAC#4500」(東海カーボン社製)を、中間転写体10の作製では導電体にカーボンブラック「TOKABLAC#4400」(東海カーボン社製)用い、導電体、チタン酸バリウムの含有量を下記表のとおりに変更し、かつ、用いたチタン酸バリウム粒子を下記のものとした以外は同様にして作製した。
中間転写体7及び9の作製で用いたチタン酸バリウム粒子は、平均粒径が100nmで、c/a比が1.005(平均)、中間転写体10の作製で用いたチタン酸バリウム粒子は、平均粒径が100nmで、c/a比が1.004(平均)であった。
[中間転写体11の作製]
前記中間転写体1の作製において、導電体に「PRINTEX 150T」(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)(カーボンブラックの揮発分が10質量%)を用いた以外は同様にして作製した。
なお、「PRINTEX 150T」以外の、その他のカーボンブラックの揮発分は1.6質量%である。
[中間転写体12の作製]
中間転写体1の作製における分散液Aを、塗布液全体に対してチタン酸バリウムが10体積%、中間転写体1の作製と同様にして作製した分散液Bをカーボンブラックが塗布液全体に対して5体積%となるようにし、弾性材料であるアクリロニトリルブタジエンゴム「Nipol(登録商標)1041」(NBR)(日本ゼオン社製)38.5体積%と、弾性材料であるポリクロロプレン「デンカクロロプレンDCR(登録商標)-66」(デンカ社製)4体積%と、Al 3体積%と、TiO 1体積%と、SiO 3体積%と、架橋剤である硫黄10体積%とを、固形分濃度が20質量%となるよう、トルエン中に溶解、分散させることにより、弾性層形成用塗布液を調製した。
次に、ステンレス製の円筒状金型を、円筒軸を中心に回転させながら、ディスペンスノズルを軸方向に移動させつつ当該ノズルから基材層形成用塗布液を吐出して、金型の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成した。
次いで、円筒状金型を回転させながら50℃で1時間加熱することにより大部分の溶媒を揮発させ、その後、170℃で20分間加熱することで熱架橋処理を行うことにより、弾性層を形成した。形成された弾性層の厚さは200μmであった。
さらに、円筒状金型上に形成したベルト状積層体における弾性層側の最表面の周速が570~590mm/秒となるよう、円筒状金型を、円筒軸を中心に回転させながら、弾性層側の最表面に対して紫外線照射処理を行った。紫外線照射処理は、紫外線照射機「UB031-2A/BM」(水銀ランプ形式)」(アイグラフィックス株式会社製)を用いて、照射強度120mW/cm、照射時間30秒、光源と弾性層の最表面との距離40mm、の各条件で行った。
[中間転写体14の作製]
前記中間転写体1の作製において、強誘電体に上記で合成したチタン酸ストロンチウム(平均粒径100nm、c/a比:1.005)を用いる以外は同様にして作製した。
[中間転写体15の作製]
前記中間転写体1の作製において、強誘電体に上記で合成したチタン酸カルシウム(平均粒径:100nm、c/a比:1.005)を用いる以外は同様にして作製した。
[中間転写体16の作製]
前記中間転写体1の作製において、ポリイミド樹脂をポリアミドイミド樹脂「バイロマックスHR-11NN(固形分15質量%)」(東洋紡株式会社製)に変更し、溶媒を揮発させた後の加熱温度を250℃とした以外は同様にして作製した。
[中間転写体17の作製]
前記中間転写体1の作製において、ポリイミド樹脂をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂(VICTREX PEEK 450G ビクトレックス社製)に変更した基材層形成用塗布液を380℃で8時間乾燥し、直径150mm、リップ幅1mmの6条スパイラル型環状ダイス付き40mm径の押出機により溶融し、上記基材層形成用塗布液の溶融物を、上記環状ダイスと同一軸線上に支持棒を介して配置されている外径239mmの冷却マンドレルの外表面に接触させて冷却固化させて筒状の成形体を作製した。この成形体の筒の内側に配置されている中子と、当該筒の外側に配置されているロールとによって上記成形体を円筒形に保持した状態で引っ張りつつ、360mmの長さで切断し、基材層を有する無端状の中間転写体17を得た。
[中間転写体18の作製]
前記中間転写体17の作製において、ポリエーテルエーテルケトン樹脂をポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)(トレリナ E2180 東レ株式会社製)に変更し、乾燥温度を130℃として作製した以外は同様にして作製した。
[中間転写体19~24の作製]
前記中間転写体1の作製において、中間転写体の厚さ、強誘電体及び導電体の含有量等を下記表のとおりに変更した以外は同様にして作製した。
[中間転写体25の作製]
中間転写体1の作製において、強誘電体と導電体の含有量を下記表のとおりにした以外は同様にして作製した。
[中間転写体26の作製]
中間転写体11の作製において、強誘電体を含有させないこと以外は同様にして作製した。
[中間転写体27の作製]
中間転写体1の作製において、強誘電体にチタン酸バリウム粒子(平均粒径:100nm、c/a比:1.006(平均))を用い、強誘電体の含有量を下記表のとおりにした以外は同様にして作製した。
[中間転写体28の作製]
中間転写体12の作製において強誘電体にチタン酸バリウム粒子(平均粒径:100nm、c/a比:1.006(平均))を用い、強誘電体の含有量を下記表のとおりにした以外は同様にして作製した。
<表面抵抗率の測定>
上記で作製した各中間転写体について、以下のとおり表面抵抗率を測定した。
三菱化学ケミカルアナリテック社製「ハイレスタ-IP」を用い、プローブにはHRSプローブを用いて測定した。表面抵抗率は測定時の電圧を500Vとし、測定開始から10秒後の値を測定値とした。
また、画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面としたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|の値を算出した。
<静電容量>
上記で作製した各中間転写体について、以下のとおり静電容量を算出した。
図6に示すように、中間転写体87aの表面にスパッタ等で抵抗が1桁Ωの薄膜電極201を形成し、10mmφの型で切り抜いて測定試料を作製し、インピーダンスアナライザー(Solartron Analytical社 12608W型)を用いて、交流インピーダンス測定モードで1Hz~1MHZまで電極接触法にて、比誘電率を測定した。その後、ZView等価回路解析ソフトウェア(東陽テクニカ製)を用いて等価回路解析(instant fit)から静電容量を得た。
<破断伸度の測定>
上記で作製した各中間転写体について、以下のとおり破断伸度を測定した。
JIS K 7127に基づき中間転写体の引張破断強度を測定した。試験片は、1B型試験片形状にシート状成形品を切り出して、5mm/分の速度で測定した。
[評価]
上記で作製した各中間転写体について、初期の転写性、耐久後の転写性及び耐久性の評価を行った。
<初期の転写性>
温度20℃、湿度50%RHの環境下、評価機としてbizhub PRESS C1100(コニカミノルタ社製)を用い凹凸紙を用いた転写性評価にて画質の優劣を比較した。
凹凸紙としてレザック66 302g/m用紙を用い、シアン単層ベタ、及びシアンとマゼンタの二層ベタが印字される画像チャートを出力した後、凹部に対し、トナーの転写状態を以下の基準でランク1から5までランク付けした。ランク3~5を合格とした。
5:完全に転写できている。
4:2層部が数点抜けている。単色部は問題なし。
3:2層部がまばらに抜けている。単色部は問題なし。
2:単色部がまばらに抜けている。
1:単色部が完全に抜けている。
<耐久後の転写性>
温度20℃、湿度50%RHの環境下、評価機として「bizhub PRESS C1100」(コニカミノルタ社製)を用い凹凸紙(レザック66 302g/m用紙)を用いて、500kp通紙した後、前記した初期の転写性評価と同様の評価を行った。
<耐久性>
温度20℃、湿度50%RHの環境下、評価機として「bizhub PRESS C1100」(コニカミノルタ社製)を用い凹凸紙(レザック66 302g/m用紙)を用いて、通紙耐久2000K枚を行い、1000K枚通紙時と2000K枚通紙時のベルトの破損状況を比較した。◎、○及び△を実用上問題ないとした。
◎:2000K枚耐久にて、割れなし。
○:1000K枚耐久にて、割れなし。
△:1000K枚耐久にて、端部に破損を確認。
×:1000K枚耐久にて、端部に加え中央部に破損を確認。
Figure 0007413863000001
Figure 0007413863000002
Figure 0007413863000003
前記結果に示されるように、本発明の中間転写体は、比較例の中間転写体に比べて、初期及び耐久後の転写性が良好で、また耐久性に優れていることが認められる。
1a 中間転写体
2a 基材層
3a 弾性層
4a 表面層
1 画像形成装置
10 制御部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
20 記憶部
30 ネットワークI/F部
40 表示操作部
50 画像読取部
60 画像処理部
70 搬送部
71 給紙装置
72 搬送機構
73 排紙装置
80 画像形成部
81、81Y、81M、81C、81K 露光装置
82、82Y、82M、82C、82K 現像装置
83、83Y、83M、83C、83K 感光体ドラム
84、84Y、84M、84C、84K 帯電装置
85、85Y、85M、85C、85K クリーニング装置
86、86Y、86M、86C、86K 一次転写ローラー
87 中間転写ユニット
87a 中間転写体
87b 支持ローラー
87c 二次転写ローラー
87d 中間転写クリーニング部
88 定着装置
88a 加熱ローラー
88b 定着ローラー
88c 定着ベルト
88d 加圧ローラー
201 薄膜電極

Claims (12)

  1. 少なくとも基材層を有する電子写真用の中間転写体であって、
    前記基材層中に導電体と強誘電体が含有され、
    画像を形成する側の面を表面とし、反対側の面を裏面とし、かつ表面抵抗率をρsとしたとき、|1-logρs(表)/logρs(裏)|が0.02以内であり、前記基材層の表面の表面抵抗率が3×10~3×1012[Ω/sq.]、静電容量が6.5×10-10~1.0×10-8[F/cm]の範囲内であることを特徴とする中間転写体。
  2. 前記導電体が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 破断伸度が、20%以上100%未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写体。
  4. 前記強誘電体の結晶格子の3次元構造をa軸、b軸及びc軸としたときの、c軸とa軸の格子定数の比の値(c/a)が、1.005以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  5. 前記基材層が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  6. 前記導電体の粉体の体積抵抗率が、10-3~10Ω・cmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  7. 前記導電体の前記基材層における含有量が、5~15体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  8. 前記強誘電体の前記基材層における含有量が、5~30体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  9. 中間転写体の厚さが、50~100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  10. 前記強誘電体が、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム又はチタン酸ストロンチウムの少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  11. 画像を形成する側の面の表面抵抗率が6×10~3×1010の範囲内であり、静電容量が9.5×10-10~9.5×10-9[F/cm]の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の中間転写体。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の中間転写体を具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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