JP7247756B2 - 中間転写ベルト及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルト及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は中間転写ベルト及び電子写真画像形成装置に関する。より詳しくは、本発明は、耐久性と転写性に優れ濃度ムラの少ない画像を形成することのできる中間転写ベルト及びその中間転写ベルトを具備する電子写真画像形成装置に関する。
中間転写ベルトを用いた電子写真画像形成装置は、静電気力を利用して各感光体上に形成したトナー像を順次中間転写ベルト上に重ね合わせ、さらに重ね合わせたトナー像を転写材に一括転写することができるので、カラー画像形成装置として広く用いられている。
中間転写ベルトには、転写性やクリーニング性など様々な性能が要求される。このうち、転写効率を向上させるため、中間転写ベルトに強誘電体を分散させる技術は従来から知られている。
例えば、特許文献1では、ポリイミド樹脂に強誘電性無機フィラーと導電性カーボンブラックを含有するベルトが開示されている。しかし、実施例に記載のベルトでは、十分な画質を得るためには誘電率が低く、強誘電体フィラーとカーボンブラックの組み合わせで、良好な画質が得られる誘電率と抵抗を得るためにはフィラーを多く添加する必要があり、このためベルトの強度が低下してしまうという問題があった。また、強誘電体フィラーが表面付近に存在するため、トナーとベルトの静電的付着力が大きくなり、転写を妨げる力となってしまう。
特許文献2では、強誘電体フィラーを含む中間転写ベルトが開示されている。しかしこの場合も、実施例に記載のベルトでは誘電率が低く、良質な画像品質は得られない。また、被覆層にフィラーを含有している場合、トナーと接触する面であるため、トナーの離型性が悪くなり好ましくない。
同様に、特許文献3では、ベルトの表面層に強誘電体フィラーと導電性フィラーを含んでいる中間転写体の技術が開示されているが、特許文献3では光学センサの計測を安定させることが目的であり、本発明とは技術的思想が異なる。
特開平8-176319号公報 特開平8-152759号公報 特開2018-12852号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、耐久性と転写性に優れ、濃度ムラの少ない画像を形成することのできる中間転写ベルトを提供することである。また、その中間転写ベルトを具備する電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、樹脂基材層に面状の導電体であるグラフェンと強誘電体フィラーとを含有させることにより、転写性と耐久性が良好で、かつ濃度ムラの少ない画像を形成することのできる中間転写ベルトを実現できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、
基材層と保護層とを有し、
前記基材層が、樹脂と強誘電体フィラーと面状の導電体とを含有することを特徴とする中間転写ベルト。
2.温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける比誘電率が、30~60の範囲内であることを特徴とする第1項記載の中間転写ベルト。
3.前記強誘電体フィラーの含有量が、前記基材層中の樹脂に対し10~30体積%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の中間転写ベルト。
4.前記面状の導電体が、グラフェンであることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
5.前記強誘電体フィラーが、少なくともチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
6.温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける前記保護層の比誘電率が、1~10の範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
7.前記面状の導電体の含有量が、前記基材層中の樹脂に対し4~10体積%の範囲内であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
8.前記面状の導電体の平均厚さが、0.4~15.0nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
9.前記面状の導電体の比表面積が、150~550m/gの範囲内であることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
10.第1項から第9項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルトを具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、耐久性と転写性に優れ濃度ムラの少ない画像を形成することのできる中間転写ベルトを提供することができる。また、その中間転写ベルトを具備する電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
グラフェンと強誘電体フィラーを併用することで、導電体の添加量を減らせるだけでなく、強誘電体フィラーの添加量も減らすことができる。このため、少ない添加量でも所望の誘電率を確保でき、転写効率を上げることができるだけでなく、耐久性の低下を抑えることができる。これは、グラフェンが強誘電体同士を接続しているため、強誘電体フィラーが点在しているよりも誘電率が上がり、強誘電体フィラー同士が接続しているのと同様の効果が得られるためであると推測する。また、画像ムラを少なくすることができるのは、強誘電体フィラー同士が面状の導電体を介し接触するため、カーボンブラックを導電体として用いた場合の、球形粒子同士の点接触に比べて、強誘電体フィラーと導電体の接触が安定し、基材層中での電気物性のばらつきを少なくできるためであると推察している。
本発明と比較の中間転写ベルトの構成例を示す断面模式図 本発明の電子写真画像形成装置の構造を示す模式図 本発明の電子写真画像形成装置の構成を示すブロック図 本発明の電子写真画像形成装置の構成を示すブロック図 誘電率の測定方法を説明するための模式図
本発明の中間転写ベルトは、電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、基材層と保護層とを有し、前記基材層が、樹脂と強誘電体フィラーと面状の導電体とを含有することを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様(形態)に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける比誘電率が、30~60の範囲内であることが、中間転写ベルトの転写率が向上することから好ましい。
また、強誘電体フィラーの含有量が、前記基材層中の樹脂に対し10~30体積%の範囲内であることが、転写性向上の観点から好ましい。
さらに、本発明においては、面状の導電体が、グラフェンであることが好ましい。これにより、導電性を得る、カーボンブラック等一般に使われる導電体に比べて少ない添加量で導電性を得ることができるため、中間転写ベルトの強度低下が抑制されるため好ましい。
本発明の実施態様としては、強誘電体フィラーが、少なくともチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含有することが好ましい。フィラーの含有量が少なくても中間転写ベルトの誘電率を上げることができる。
また、温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける前記保護層の比誘電率が、1~10の範囲内であることが、トナー離型性が上がり、転写性が良くなることから好ましい。保護層の誘電率が低いことで、トナーベルト間の静電的付着力が小さくなるためであると考えられる。
さらに、本発明においては、面状の導電体の含有量が、基材層中の樹脂に対し4~10体積%の範囲内であることが好ましい。面状導電体を上記量添加することで、転写ベルトに適した導電性が得られる。
本発明の実施態様としては、分散性と導電性が良好になり、画像濃度が均一にすることができるため、面状の導電体の平均厚さが、0.4~15nmの範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明においては、面状の導電体の比表面積が、150~550m/gの範囲内であることが好ましい。これにより、画像濃度を均一にすることができる。
本発明の中間転写ベルトは、電子写真画像形成装置に好ましく具備され得る。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《中間転写ベルト》
本発明の中間転写ベルトは、電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、基材層と保護層とを有し、前記基材層が、樹脂と強誘電体フィラーと面状の導電体とを含有することを特徴とする。
本発明では、中間転写ベルトの強度低下を抑制しつつ、誘電性と導電性を兼ね備えた転写が良好な中間転写ベルトを得るために、樹脂基材層に強誘電体フィラーと面状の導電体を含有させる。
面状の導電体、例えばグラフェンは、導電性が高いためカーボンブラックに比べて導電体の添加量が減らせ、中間転写ベルトの強度低下を抑えられることが知られている。本発明では、面状の導電体と強誘電体フィラーを併用することで、導電体の添加量を減らせるだけでなく、強誘電体フィラーの添加量も減らすことができる。つまり少ない添加量でも所望の誘電率を確保できるので、強誘電体フィラーや導電体の添加による強度低下を抑制することができる。グラフェンを用いたとき、強誘電体フィラーの含有量を少なくできるのはグラフェンが強誘電体同士を接続しているため、強誘電体フィラーが点在しているよりも誘電率が上がり、強誘電体フィラー同士が接続しているのと同様の効果が得られるためであると推察される。
導電性と誘電性を一つの層で兼ね備えることは難しいが、本発明においては、基材層中に強誘電体フィラーと面状の導電体を併用することで達成できる。さらに、高誘電性の層上にトナーが担持されると、トナーの離型性が悪くなるため、本発明では、中間転写ベルトのトナーが担持される側に保護層を設け良好な転写性を得ている。
図1は、本発明と比較の中間転写ベルトの構成例を示す断面模式図である。
図1(A)は、本発明の中間転写ベルトの構成の一例を示す断面模式図である。図1(A)では、中間転写ベルト1aは、樹脂を含有する基材層2aと保護層3aから構成されている。基材層2aは、強誘電体フィラー4a及び面状の導電体5aを含有している。
図1(B)は、比較の中間転写ベルトの構成の一例を示す断面模式図である。図1(B)では、基材層2aは、強誘電体フィラー4aと導電体としてカーボンブラック6aを含有している。
図1(C)は、比較の中間転写ベルトの構成の一例を示す断面模式図である。図1(C)では、基材層2aは、強誘電体フィラー4aが導電体7aで被覆された強誘電体フィラー8aを含有している。
図1(A)で示した、本発明の中間転写ベルトは、上述したように、面状の導電体5aと強誘電体フィラー4aを併用することで、導電体と強誘電体の添加量も減らすことができ、このため強度低下を抑制することができる。さらに、本発明の中間転写ベルトは、濃度ムラの少ない画像を形成することのできるという効果を有する。
これは、カーボンブラック等の球形粒子(図1(B))やカーボンナノチュ-ブのような線状のものに比べて、強誘電体フィラーと面状の導電体同士の接触点が増え(面接触する)、強誘電体フィラー同士が導電体を介し連結し、基材層中での電気物性のばらつきを少なくできるためであると推察している。
図1(B)で示した球形粒子のカーボンブラック6aの場合、強誘電体フィラー4aと面状の導電体5a同士を接触させ、電気物性のばらつきを少なくするためには添加量を多くしなければならない。
図1(C)で示した導電体で被覆した強誘電体フィラー8aの場合、強誘電体フィラー4aと導電体7aの接触面は増えるが、導電体で被覆した強誘電体フィラー8a間を接触させ、電気物性のばらつきを少なくするためには添加量を多くしなければならない。
中間転写ベルトの厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定し得るが、50~100μmの範囲内であることが好ましい。厚さが薄い程、トナーに働く電界強度は強くなるため、転写に必要となる電圧が低くなり、放電が抑制されて転写効率が向上する。このため100μm以下が好ましい。また、厚さが50μm以上であれば中間転写ベルトの強度を十分保つことができる。
また、中間転写ベルトの周波数1MHzにおける比誘電率は、温度23℃・湿度50%RHの環境下、30~60の範囲内であることが転写性の観点から好ましい。比誘電率が、30以上の場合は、転写電界を強くすることが容易であるため好ましい。一方で、比誘電率が60以下であれば、トナーと中間転写ベルトとの付着力が大きくなり、転写効率が下がってしまうことがないため好ましい。
中間転写ベルト中の強誘電体に用いる強誘電体の種類やその含有量を調整することにより、比誘電率を適切な値に調整することができ、上記の厚さの中間転写ベルトによって、トナーに働く電界強度を適切な値に制御することができる。
中間転写ベルトの電気抵抗値(体積抵抗率)は、10~1011Ω・cmの範囲内であることが好ましい。電気抵抗値は、導電体の含有量で制御することができる。
中間転写ベルトの形状は、無端構造の中間転写ベルトが、重畳による厚さ変化がなく、任意な部分をベルト回転の開始位置とすることができ、回転開始位置の制御機構を省略できる利点などを有し好ましい。
以下、本発明の中間転写ベルトの構成について説明する。
《基材層》
本発明に係る基材層は、樹脂と強誘電体フィラーと面状の導電体とを含有する。
[樹脂]
樹脂としては、様々なものを使用することができるが、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの強度と耐久性をもつスーパーエンジニアリングプラスチックが望ましい。
これらの中では、ポリイミド、ポリアミド及びポリアミドイミドが好ましい。中でもポリイミドは、耐熱性、耐屈曲性、柔軟性、寸法安定性等の特性に優れておりより好ましい。ポリイミドは、例えば、酸無水物とジアミン化合物からポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を合成し、当該ポリアミック酸を熱や触媒によってイミド化することにより得ることができる。
ポリイミドの合成に使用される酸無水物としては、特に制限されないが、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ポリイミドの合成に使用されるジアミン化合物としては、特に制限されないが、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、4,4′-ジアミノジフェニルメタン、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、3,4′-ジアミノジフェニルエーテル、3,3′-ジメチル-4,4′-ジアミノビフェニル、2,2′-ビス(トリフルオロメチル)-4,4′-ジアミノビフェニル、3,7-ジアミノ-ジメチルジベンゾチオフェン-5,5′-ジオキシド、4,4′-ジアミノベンゾフェノン、4,4′-ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、4,4′-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
[強誘電体フィラー]
本発明に係る強誘電体フィラーは、強誘電体を含有している。本発明において強誘電体とは、誘電体の一種で、外部に電場がなくても電気双極子が整列しており、かつ双極子の方向が電場によって変化できる物質であり、具体的には、本発明において、強誘電体とは、温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける比誘電率が10以上である物質をいう。好ましくは、比誘電率は20以上、さらに好ましくは100以上である。誘電率が高い方が、本発明の効果発現の観点から好ましい。上限は、材料入手で制約される。
また、このように電気双極子モーメントが自発的に整列した状態を強誘電状態、この性質を強誘電性という。強誘電性をもつ物質のうち、本発明では生産工程での負荷や、経年使用時の安定性から、強誘電体セラミックスが望ましく、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム及びジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。また、強誘電体として、これらの固溶体を用いてもよい。
これらのうち、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム又はチタン酸ストロンチウムがより好ましい。さらに好ましくは、強誘電体フィラーが含有する強誘電体としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムであることが好ましい。
強誘電体フィラー中の強誘電体の含有量は95質量%以上であることが好ましく、不純物を除き、強誘電体からなることがより好ましい。
また、本発明で用いる強誘電体フィラーは、このような強誘電体の微粒子状態のものが好ましい。
強誘電体フィラーの平均粒子径は、100~900nmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡により撮像し、無作為に、50個の粒子を抽出して該粒子径を測定し、これを算術平均したものである。また、粒子の形状が球形でない場合には、長径と短径の平均値を個々の粒子の径として算出することができる。
本発明に係る強誘電体フィラーの含有量は、基材層中の樹脂に対し10~30体積%の範囲内であることが好ましい。含有量が10体積%以上であれば、中間転写ベルトの誘電率を上げる効果が大きく、転写性を上げることができる。また、添加量が30体積%以内であれば、保護層を設けてもトナーベルト間の付着力が大きくなることがないため、転写効率が良い。また、フィラーの添加量が多いことによる強度低下もないため耐久性が悪くなることがない。
[面状の導電体]
本発明において「面状」とは、板状及びシート状を包含し、高さ(厚さ)に対して長さ及び幅が相当に大きい形状、例えば長さ及び幅が、厚さの10倍以上、好ましくは100倍以上である形状を意味する。本発明に係る面状の導電体は、平均厚さが、0.4~15nmの範囲内であることが好ましい。また、面状の導電体の比表面積が、150~550m/gの範囲内であることが好ましい。
具体的には、本発明において面状の導電体は、グラフェンであることが好ましい。
(グラフェン)
グラフェンは、炭素原子の平面状の六角形格子構造からなるシート状の物質である。グラフェンは、平板状であり、通常単層である。グラフェンは、人工物であり、薄片状の粉体として入手できる。例えば化学気相蒸着(CVD)法で作製されうる。
本発明において、グラフェンは、完全に単層でなくてもよく、部分的に2層以上の部分を含んでいてもよい。このような理由から、平均厚さは15nm以下であることが好ましい。グラフェンの積層物は、例えば、層数が2以上であり、大きさは5~25μmであり、厚さは0.4~15nmの範囲内であることが好ましい。平均厚さが0.4nm以上あれば、凝集して分散性が難しくなることがなく、また、15nm以下であれば、十分な導電性が得られる。
グラフェンの比表面積は、150~550m/gの範囲内であることが好ましい。比表面積が150m/g以上あれば、面方向の抵抗が低くなり、また強度が低くなることがない。また比表面積が550m/g以下であれば、凝集しやすくなることがない。
面状の導電体の含有量は、基材層中の樹脂に対し4~10体積%の範囲内であることが好ましい。含有量が、基材層中の樹脂に対し4体積%以上であれば、電気抵抗が高くなり、放電ムラ等が発生することがない。また、基材層中の樹脂に対し10体積%以内であれば、電気抵抗が低くなり、転写チリ等の画像不良が発生することもない。また、フィラー含有量が増えることで中間転写ベルトの強度低下につながることもないため好ましい。
グラフェン及びその積層物には、市販品を用いることができる。
面状の導電体の大きさ及び平均厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定されうる。例えば、具体的には、平均厚さは、無作為に50個のグラフェンを透過型電子顕微鏡を用いて撮像し、算術平均して測定することができる。
また、面状の導電体の比表面積の測定は、JIS Z8830に基づきガス吸着による粉体の比表面積測定方法(BET法)によって行うことができる。
《弾性層》
弾性層は、必要により、基材層の外周面上に形成されうる、弾性層は、ゴム材料で構成されることが好ましい。弾性層の厚さは、例えば50~400μmの範囲内である。ゴム材料の例には、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)及びニトリルゴム(NBR)などのゴム弾性を有する樹脂が含まれる。上記ゴム材料は、クロロプレンゴム又はニトリルブタジエンゴムを含むことが、中間転写ベルトの電気抵抗を制御する観点から好ましい。
《保護層》
保護層は、基材の外周面上、又は弾性層の外周面上に形成される。強誘電体を含有する基材層とともに、誘電率の低い保護層を設けることにより、トナーと中間転写ベルト間の静電的付着力が小さくなり、トナー離型性が上がり、転写性を良くすることができる。
このため、温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける前記保護層の比誘電率が、1~10の範囲内であることが好ましい。
保護層の比誘電率の調整は、保護層中の強誘電体の含有量を調節すること等によって行うことができる。強誘電体として、基材層で記載した強誘電体フィラーを用いることができる。例えば、強誘電体フィラーとして、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム又はチタン酸ストロンチウムを用いることができる。
保護層には、多官能アクリレート、ポリウレタンアクリレートの紫外線等の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させた硬化物、アルコキシシランを硬化させた硬化物など硬化性化合物の硬化物、ポリイミド等の多官能アクリレート、ポリウレタンアクリレートの紫外線等の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させた硬化物、アルコキシシランを硬化させた硬化物など硬化性化合物の硬化物、ポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック系の樹脂等を用いることができる。
《中間転写ベルトの製造方法》
次に、基材層と保護層とからなる中間転写ベルトの製造方法について説明する。なお、以下の製造方法は例示であり、中間転写ベルトを製造できる任意の方法を用いることできる。
まず、ポリイミドの前駆体である、ポリイミドワニスの樹脂に対し、所定量のグラフェンと強誘電体フィラーのチタン酸バリウムを所定量添加してミキサーを用いて混合する基材層形成用塗布液を調製する。
ステンレス製の円筒状金型を、円筒軸を中心に回転させながら、ディスペンスノズルを軸方向に移動させつつ当該ノズルから基材層形成用塗布液を吐出し、金型の外周面上にらせん状に塗布し塗膜を形成する。次いで、円筒形状金型を回転させながら、例えば100℃で1時間加熱することにより大部分の溶媒を揮発させ、その後、250℃で1時間加熱することにより、無端ベルト状の基材層を形成することができる。
次に、保護層を形成する。保護層を形成するには、まず、アルコキシシランを加水分解し、ゾル液(塗布液)を調製する。このとき使用する溶媒としては、アルコキシド及び有機成分を均一に分散、溶解できる溶媒であれば特に限定されることなく、このとき例えば、メタノール、エタノール等の各種アルコールの他、アセトン、トルエン、キシレン等が挙げられる。なお、前記アルコキシシランの加水分解反応を促進させるために、塩酸、リン酸、酢酸等の触媒を適宜使用してもよい。表面に塗布したゾル液は、脱水乾燥して最終的に保護層とする。前記脱水乾燥は、自然乾燥によって行ってもよいが、通常は、加熱処理によって行う。前記加熱処理の条件は、所定範囲の硬さを有する保護層を形成することができるのであれば特に限定されず、通常60~450℃×20秒~7時間で設定できる。塗布工程は、1回だけでなく、複数回行ってもよい。すなわち、保護層は、1コートからなるものであってもよいし、複数コートからなるものであってもよい。
なお、上記方法で作製した中間転写ベルトを作製してもよいし、さらに、基材層と保護層の間に弾性層を有する3層からなる中間転写ベルトを作製してもよい。
《電子写真画像形成装置》
次に、本発明の中間転写ベルトを備える電子写真画像形成装置について説明する。本発明の電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置ともいう。)は、例えば、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する感光体としての感光体ドラム83Y、83M、83C、83Kが、中間転写ベルトの走行方向に直列配置されたタンデム方式の画像形成装置である。
この画像形成装置1は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)11とROM(Read Only Memory)12やRAM(Random Access Memory)13等のメモリなどで構成される制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成される記憶部20と、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成されるネットワークI/F部30と、タッチパネルなどで構成される表示操作部40と、ADF(Auto Document Feeder)とスキャナーなどで構成される画像読取部50と、RIP(Raster Image Processor)などで構成される画像処理部60と、搬送部70と、画像形成部80などを含み、搬送部70から搬送される用紙を処理する画像形成部80に、本実施形態の中間転写ベルトが含まれる。
搬送部70は、図2に示すように、給紙装置71、搬送機構72、排紙装置73などで構成される。給紙装置71に収容されている用紙は、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構72により画像形成部80に搬送される。このとき、レジストローラーが配設されたレジスト部により、給紙された用紙の傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部80によって画像が形成された用紙は、排紙ローラーを備えた排紙装置73により機外の排紙トレイに排紙される。
画像形成部80は、図2及び図4に示すように、異なる色成分Y、M、C、Kに対応して設けられた、露光装置81(81Y、81M、81C、81K)、現像装置82(82Y、82M、82C、82K)、感光体ドラム83(83Y、83M、83C、83K)、帯電装置84(84Y、84M、84C、84K)、クリーニング装置85(85Y、85M、85C、85K)、一次転写ローラー86(86Y、86M、86C、86K)、中間転写ユニット87、定着装置88などで構成される。以下、各要素について概説する。なお、以下の説明では、必要に応じて、Y、M、C、Kを除いた符号を使用する。
各色成分Y、M、C、Kの感光体ドラム83は、アルミ材よりなる円筒状の金属基体の外周面上に、保護層としてのオーバーコート層を設けた有機感光体層(OPC)が形成された像担持体である。感光体ドラム83は、接地された状態で中間転写ベルトに従動して図2における反時計方向に回転される。
各色成分Y、M、C、Kの帯電装置84は、スコロトロン式であって、その長手方向を感光体ドラム83の回転軸方向に沿わせた状態で、対応する感光体ドラム83に近接配設されており、トナーと同極性のコロナ放電によって、当該感光体ドラム83の表面に一様な電位を与える。
各色成分Y、M、C、Kの露光装置81は、例えばポリゴンミラーなどによって感光体ドラム83の回転軸と平行に走査を行い、一様に帯電された対応する感光体ドラム83の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる。
各色成分Y、M、C、Kの現像装置82は、対応する色成分の小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤を収容しており、トナーを感光体ドラム83の表面に搬送して、当該感光体ドラム83に担持された静電潜像をトナーにより顕像化する。
各色成分Y、M、C、Kの一次転写ローラー86は、本実施形態の中間転写ベルトを感光体ドラム83に圧接し、対応する感光体ドラム83に形成された各色トナー像を順次重ねて中間転写ベルトに一次転写する。
各色成分Y、M、C、Kのクリーニング装置85は、一次転写後に対応する感光体ドラム83上に残留した残留トナーを回収する。また、クリーニング装置85の感光体ドラム83の回転方向下流側には図示しない潤滑剤の塗布機構が隣接状態で設けられており、対応する感光体ドラム83の感光面に潤滑剤の塗布を行っている。
中間転写ユニット87は、被転写体となる無端状の中間転写ベルト87aと支持ローラー87bと二次転写ローラー87cと中間転写クリーニング部87dなどを備え、複数の支持ローラー87bに中間転写ベルト87aが張架されて構成される。一次転写ローラー86Y、86M、86C、86Kによって各色トナー像が一次転写された中間転写ベルト87aが、二次転写ローラー87cによって用紙に圧接されると、中間転写ベルト87aと二次転写ローラー87cとの間の転写電圧に基づいてトナーに働く電界によって、用紙にトナー像が二次転写され、定着装置88に送られる。中間転写クリーニング部87dは、中間転写ベルト87aの表面に摺接されるベルトクリーニングブレードを有する。二次転写後に中間転写ベルト87aの表面に残存する転写残トナーは、ベルトクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
定着装置88は、熱源となる加熱ローラー88aと定着ローラー88bとこれらに掛け渡された定着ベルト88cと加圧ローラー88dなどを備え、定着ベルト88cを介して定着ローラー88bに加圧ローラー88dが圧接されており、当該圧接部がニップ部を構成している。そして、加熱ローラー88aで加熱された定着ベルト88cと各ローラーとによりニップ部を通過する用紙を加熱加圧し、用紙に形成された未定着のトナー像を定着させる。
そして、定着装置88によりトナー像が定着された用紙は、排紙ローラーを備えた排紙装置73により機外の排紙トレイに排紙される。
なお、図2及び図4は、本発明の電子写真画像形成装置1の一例であり、本発明の中間転写ベルト87aを利用できる限りにおいて、その構造や構成は適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[中間転写ベルトの作製]
〈中間転写ベルト1の作製〉
(基材層1の作製)
ポリイミドワニス「ユピア-AT(U-ワニス-A)」(宇部興産社製)の樹脂の固形分に対し、グラフェンA(島貿易株式会社製)12体積%とチタン酸アルミニウム40体積%を添加してミキサーを用いて混合する基材層形成用塗布液を調製した。
ステンレス製の円筒状金型を、円筒軸を中心に回転させながら、ディスペンスノズルを軸方向に移動させつつ当該ノズルから基材層形成用塗布液を吐出して金型の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成した。次いで、円筒形状金型を回転させながら100℃で1時間加熱することにより大部分の溶媒を揮発させ、その後、250℃で1時間加熱することにより、無端ベルト状の基材層1を形成した。形成された基材層1の厚さは65μmであった。
(保護層1の作製)
以下に示す保護層形成用塗布液を調製し、これを以下のようにして、基材層の外周面に塗布して保護層を形成して中間転写ベルト1を製造した。
(保護層形成用塗布液)
テトラエトキシシラン90g、トリエチルエトキシシラン10g及びブタノール100gを溶解し、さらに、強誘電体フィラーとしてチタン酸アルミニウムを保護層に対して15体積%となるように添加して保護層形成用塗布液を調製した。
次いで、前記で得られた無端ベルト状の基材層を円筒状の金型の外周面上に設置し、保護層形成用塗布液が溜まった液槽を外周面上で移動させることで、保護層形成用塗布液を基材層の外表面に塗布した。そして、空気雰囲気下、100℃で60分間焼成し、厚さ1.8μmの保護層が形成された、基材層と保護層とからなる中間転写ベルト1を製造した。
〈中間転写ベルト2~20の作製〉
中間転写ベルト1の作製において、基材層に含まれる、強誘電体フィラーと導電体のそれぞれ種類と含有量及び保護層に含まれる強誘電体フィラーと導電体のそれぞれ種類と含有量を表Iに示したように変えて、その他は中間転写ベルト1と同様にして、基材層と保護層とからなる中間転写ベルト2~14及び中間転写ベルト16~20を作製した。
なお、中間転写ベルト15の作製においては、表Iに示す基材層からなる中間転写ベルトとし、保護層を設けなかった。表Iの強誘電体フィラーの種類の欄の「-」は、層に強誘電体フィラーを添加しなかったことを表す。以下に用いた材料を示す。
(強誘電体フィラー)
チタン酸アルミニウム:「AlTiO」(CeramTec社製) チタン酸バリウム:「BT05シリーズ」(堺化学工業社製)
チタン酸カルシウム:共立マテリアル(株)製
チタン酸ストロンチウム:「誘電体粉末(グレード分類無し)」(堺化学工業社製)
(導電体)
グラフェンA:グラフェン G-13 イーエムジャパン株式会社製(平均厚さ60nm 比表面積15m2/g)
グラフェンB:グラフェン G-11 イーエムジャパン株式会社製(平均厚さ8nm 比表面積100m2/g)
グラフェンC:グラフェン G10 イーエムジャパン株式会社製(平均厚さ1.6nm 比表面積510m2/g)
グラフェンD:グラフェン G12 イーエムジャパン株式会社製(平均厚さ12nm 比表面積80m2/g)
〈比誘電率〉
上記作製した各中間転写ベルト、及び別途保護層だけを単独に作製して、中間転写ベルト1~20、及び中間転写ベルト15を除き、対応する保護層のみの試料を用いて誘電率の測定を行った。図5に示すように、中間転写ベルト試料87aの両面にスパッタ等で抵抗が1桁Ωの薄膜電極201を形成し、10mmφの型で切り抜いて測定試料を作製し、インピーダンスアナライザー「1260/1296」(Solartron Analytical社製)を用いて、周波数1MHzの条件で、温度23℃・湿度50%RHの環境下、電極接触法にて、誘電率(F/m)を測定し、比誘電率に換算した。
〈グラフェン〉
グラフェンの平均厚さと比表面積は以下のようにして測定した。
平均厚さ:無作為に50個のグラフェンを透過型電子顕微鏡を用いて撮像し、算術平均をした。
比表面積:JIS Z8830に基づきガス吸着による粉体の比表面積測定方法(BET法)によって測定した。
[中間転写ベルトの評価]
上記作製した中間転写ベルト1~14に対して、転写性、耐久性及び画像ムラの評価を行った。
〈転写性〉
温度20℃、湿度50%RHの環境下、評価機としてbizhub PRESS C1100(コニカミノルタ(株)製)を用い凹凸紙を用いた転写性評価にて画質の優劣を比較した。
凹凸紙としてレザック66 302g/m用紙を用い、シアン単層ベタ、及びシアンとマゼンタの二層ベタが印字される画像チャートを出力した後、凹部に対し、トナーの転写状態を以下の基準でランク1から5までランク付けした。ランク3以上が合格である。
5:完全に転写できている。
4:2層部が数点抜けている。単色部は問題なし。
3:2層部がまばらに抜けている。単色部は問題なし。
2:単色部がまばらに抜けている。
1:単色部が完全に抜けている。
〈耐久性評価〉
温度20℃、湿度50%RHの環境下、評価機としてbizhub PRESS C1100(コニカミノルタ(株)製)を用い、通紙耐久テストを行い、ベルトの破損状況を比較した。
上記、条件にて、通紙耐久2000000枚を行い、1000000枚通紙時と2000000枚通紙時のベルトの破損状況を比較し、以下の評価基準でランク付けを行った。〇以上が合格である。
◎:2000000枚耐久にて、割れなし
○:1000000枚耐久にて、割れなし、2000000枚耐久にて、割れを確認
△:1000000枚耐久にて、端部に破損を確認
×:1000000枚耐久にて、端部に加え中央部に破損を確認
〈濃度ムラ評価〉
温度20℃、湿度50%RHの環境下、評価機としてbizhub PRESS C1100を用い、コニカミノルタ株式会社製CFペーパー(A3、坪量80g/m)にブルーのハーフベタ画像を出力した。出力画像をランダムに10点 分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて濃度測定をし、濃度の最小値と最大値から、以下のように評価基準を設け評価した。△以上を合格とした。
◎:最小値と最大値の濃度差≦0.1
〇:0.1<最小値と最大値の濃度差≦0.3
△:0.3<最小値と最大値の濃度差≦0.5
×:0.5<最小値と最大値の濃度差
Figure 0007247756000001
表Iから、本発明の中間転写ベルトは、転写性と耐久性に優れ、さらに濃度ムラが少ないことが分かる。
1a 中間転写ベルト
2a 基材層
3a 保護層
4a 強誘電体フィラー
5a 面状の導電体
6a カーボンブラック
7a 導電体
8a 導電体で被覆された強誘電体フィラー
1 電子写真画像形成装置
10 制御部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
20 記憶部
30 ネットワークI/F部
40 表示操作部
50 画像読取部
60 画像処理部
70 搬送部
71 給紙装置
72 搬送機構
73 排紙装置
80 画像形成部
81、81Y、81M、81C、81K 露光装置
82、82Y、82M、82C、82K 現像装置
83、83Y、83M、83C、83K 感光体ドラム
84、84Y、84M、84C、84K 帯電装置
85、85Y、85M、85C、85K クリーニング装置
86、86Y、86M、86C、86K 一次転写ローラー
87 中間転写ユニット
87a 中間転写ベルト
87b 支持ローラー
87c 二次転写ローラー
87d 中間転写クリーニング部
88 定着装置
88a 加熱ローラー
88b 定着ローラー
88c 定着ベルト
88d 加圧ローラー
201 薄膜電極

Claims (10)

  1. 電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、
    基材層と保護層とを有し、
    前記基材層が、樹脂と強誘電体フィラーと面状の導電体とを含有することを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける比誘電率が、30~60の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の中間転写ベルト。
  3. 前記強誘電体フィラーの含有量が、前記基材層中の樹脂に対し10~30体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写ベルト。
  4. 前記面状の導電体が、グラフェンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  5. 前記強誘電体フィラーが、少なくともチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸カルシウムを含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  6. 温度23℃・湿度50%RHの環境下、周波数1MHzにおける前記保護層の比誘電率が、1~10の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  7. 前記面状の導電体の含有量が、前記基材層中の樹脂に対し4~10体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  8. 前記面状の導電体の平均厚さが、0.4~15.0nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  9. 前記面状の導電体の比表面積が、150~550m/gの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の中間転写ベルトを具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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