JP4477219B2 - 中間転写体の製造方法、中間転写体、及び画像形成装置 - Google Patents

中間転写体の製造方法、中間転写体、及び画像形成装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等電子写真方式を用いた画像形成装置に用いる中間転写体の製造方法、該製造方法により得られた中間転写体及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を応用した画像形成装置は、無機又は有機光導電性感光体からなる潜像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザーや発光ダイオード光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、さらに中間転写体のトナー像を記録紙に二次転写する中間転写方式が知られている。
【0003】
前記中間転写方式を用いた画像形成装置に用いられる無端ベルトの材料としてはポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の熱可塑性樹脂からなる半導電性の無端ベルト等が提案されている。
【0004】
また、特許2560727号、特開平5−77252号公報等において、通常のカーボンブラックを導電性微粉末としてポリイミド樹脂に分散させた中間転写体が提案されている。通常のカーボンブラックを導電性微粉末としてポリイミド樹脂に分散させた場合には、温度や湿度の環境変化に対する電気抵抗値の変動は少ないが、カーボンブラックを均一に分散させることが難しいために電気抵抗値の面内バラツキが大きくなりやすい。さらに、抵抗値の電圧依存性が大きいため、転写部において、印加した電圧集中が起こり、転写電圧により電気抵抗値が低下する問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記、従来技術において、高画質の転写画像を得るために、中間転写体の電気抵抗値は所定の範囲に制御され、かつ中間転写体の面内バラツキ(抵抗値の最大値と最小値の差)が少なく、かつ印加電圧が変化しても中間転写体の電気抵抗値が大きく変化しないことが求められる。そして、また長期耐久試験において経時的な電気抵抗値の変動が少ないことが、高画質の転写画像を常に得るために必要である。
【0006】
また、従来技術において、通常のカーボンブラックを導電性微粉末としてポリイミド樹脂に分散させた場合、2次凝集が起こり、導電性の連鎖ができやすく電気抵抗値のばらつきが大きくなりやすい。そして、電気抵抗値の面内バラツキが大きいために、転写部において、印加した電圧の集中が起こり、印加電圧により電気抵抗値が低下する問題が生じた。具体的には、例えば、葉書などの中間転写体の幅より短い用紙を連続して、1000枚以上転写した後で、ハーフトーン(マゼンダ30%)の画像を転写すると用紙走行部が白抜けする問題が発生した。この白抜けする画像欠陥は、10℃15%RHの低温低湿環境下において特に顕著であった。用紙走行部が白抜けするのは、二次転写部での印加電圧によって、用紙剥離時に中間体と用紙との間での剥離放電が発生して、中間転写体の用紙走行部の表面抵抗率が、周辺部位より低下して、転写効率が、周辺部位より低下することが原因である。繰返しの電圧印加により、ベルトに含有されるカーボンブラックが酸化され、導電性が高くなり、抵抗低下するものと推測される。また、上記抵抗低下はベルトに含有されるカーボンブラックの分散性が悪いと、抵抗低下は大きい傾向にあった。このような抵抗低下は、中間転写体の寿命の短命化に繋がり、メンテナンスの手間とランニングコストを押し上げる結果に繋がるため好ましくない。
【0007】
本発明は、前記従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、駆動による変形が少なく、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない中間転写体を提供することにある。
また、本発明の目的は、長期間安定して高品質の転写画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上述のような中間転写体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1> 酸化処理カーボンブラックを有機極性溶媒中に分散させて酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記酸化処理カーボンブラック分散液に更に水を添加し水添加酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液に更にジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて第1のポリアミド酸溶液を調製する工程と、カーボンブラックを添加せずにジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させた第2のポリアミド酸溶液を調製する工程と、該第1のポリアミド酸溶液と該第2のポリアミド酸溶液を混ぜ合わせる工程と、を含むことを特徴とする、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体の製造方法である。
> 前記<1>に記載の中間転写体の製造方法において、前記第1のポリアミド酸溶液が、H−NMRにおけるT2緩和時間が100ms未満である水添加酸化処理カーボンブラック分散液に、ジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて作製されたことを特徴とする中間転写体の製造方法である。
【0009】
> 酸化処理カーボンブラックを有機極性溶媒中に分散させて酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記酸化処理カーボンブラック分散液に更に水を添加し水添加酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液に更にジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて酸化処理カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液を作製する工程と、を含むことを特徴とする、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体の製造方法である。
> 前記<>に記載の中間転写体の製造方法において、前記酸化処理カーボンブラックを分散させ且つ前記水を添加した後の前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液H−NMRにおけるT2緩和時間が100ms未満であることを特徴とする中間転写体の製造方法である。
【0010】
> 前記<1>から<>のいずれか1項に記載の中間転写体の製造方法によって製造されたことを特徴とする、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体である。
【0011】
> 前記<>に記載の中間転写体において、前記酸化処理カーボンブラックの含有率を18〜30wt%としたことを特徴とする中間転写体である。
> 前記<>又は<>に記載の中間転写体において、100Vと1000Vの電圧を印加した時の表面抵抗率の常用対数値の差が1.5(logΩ/□)以内であることを特徴とする中間転写体である。
> 前記<>又は<>に記載の中間転写体において、連続して10000回転写を繰り返した後における用紙走行部の表面抵抗率の変動幅が、常用対数値で1.0(logΩ/□)以内であることを特徴とする中間転写体である。
【0012】
> 前記<>から<>のいずれか1項に記載の中間転写体を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の中間転写体の製造方法は、酸化処理カーボンブラックを有機極性溶媒中に分散させて酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記酸化処理カーボンブラック分散液に更に水を添加し水添加酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液に更にジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて第1のポリアミド酸溶液を調製する工程と、カーボンブラックを添加せずにジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させた第2のポリアミド酸溶液を調製する工程と、該第1のポリアミド酸溶液と該第2のポリアミド酸溶液を混ぜ合わせる工程と、を含むことを特徴とし、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体を製造する(第1の本発明の製造方法)。
また、本発明の中間転写体の製造方法は、酸化処理カーボンブラックを有機極性溶媒中に分散させて酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記酸化処理カーボンブラック分散液に更に水を添加し水添加酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液に更にジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて酸化処理カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液を作製する工程と、を含むことを特徴とし、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体を製造する(第2の本発明の製造方法)。
尚、本発明の中間転写体は、上記第1又は第2の本発明の製造方法によって製造され、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有することを特徴とする。酸化処理カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、表面に酸素含有官能基(例えば、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等)を付与して得ることができるものである。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾン等と反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低温下でオゾン酸化する方法等により行うことができる。このようにして得られる酸化処理カーボンブラックは、一部に過剰な電流が流れ、繰返しの電圧印加による酸化の影響を受けにくく、さらに、その表面に付着する酸素含有官能基の効果で、ポリイミド樹脂中への分散性が高く、抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が起き難くなる。その結果、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない、用紙走行部が白く抜けること等の画質欠陥の発生が抑制された高画質を得ることができる中間転写体となる。
【0014】
本発明の中間転写体において、カーボンブラックは2種類以上含有してもよい。そのとき、これらのカーボンブラックは実質的に互いに導電性の異なるものであると好ましく、例えば酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いる。このように導電性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。このように2種類以上のカーボンブラックを含有させる場合も、少なくとも、そのうちの1種類に酸化処理カーボンブラックを使うことによって、両方のカーボンブラックの混合や分散を高めることができる。酸化処理カーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「プリンテックス150T」(pH4.5、揮発分10.0%)、同「スペシャルブラック350」(pH3.5、揮発分2.2%)、同「スペシャルブラック100」(pH3.3、揮発分2.2%)、同「スペシャルブラック250」(pH3.1、揮発分2.0%)、同「スペシャルブラック5」(pH3.0、揮発分15.0%)、同「スペシャルブラック4」(pH3.0、揮発分14.0%)、同「スペシャルブラック4A」(pH3.0、揮発分14.0%)、同「スペシャルブラック550」(pH2.8、揮発分2.5%)、同「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18.0%)、同「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20.0%)、同「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発分16.5%)、同「カラーブラックFW2V」(pH2.5、揮発分16.5%)、キャボット社製「MONARCH1000」(pH2.5、揮発分9.5%)、キャボット社製「MONARCH1300」(pH2.5、揮発分9.5%)、キャボット社製「MONARCH1400」(pH2.5、揮発分9.0%)、同「MOGUL-L」(pH2.5、揮発分5.0%)、同「REGAL400R」(pH4.0、揮発分3.5%)等が挙げられる。
【0015】
上記のような酸化処理カーボンブラックは、一般的なカーボンブラックに比べ、前述したように表面に存在する酸素含有官能基の効果により、ポリイミド樹脂中への分散性がよいため、導電性微粉末としての添加量を高くすることが好ましい。これにより、中間転写体中のカーボンブラックの量が多くなるため、上記電気抵抗値の面内バラツキを押えることができる等の酸化処理カーボンブラックを用いることの効果を最大限発揮することができる。本発明では、前記酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有することにより、中間転写体の表面抵抗率の面内バラツキを抑制するなど、酸化処理カーボンブラックの効果を発揮させている。この含有量が10wt%未満であると電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる。一方、30wt%を超えると所望の抵抗値が得られ難くなる。さらに、酸化処理カーボンブラックを18〜30wt%含有させることにより、その効果を最大限発揮させることができ、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性を顕著に向上させることができる。
【0016】
また、本発明の中間転写体はポリイミド樹脂を主成分とする。ポリイミド樹脂は、高ヤング率材料であることから、駆動時(支持ロール、クリーニングブレード等の応力)による変形が少ないので、色ズレ等の画像欠陥が生じにくい中間転写体となる。ポリイミド樹脂は、通常、略等モルのテトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、ジアミンとを溶媒中で重合反応させてポリアミド酸溶液として得られる。テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記の一般式(I)で示されるものが挙げられる。
【0017】
【化1】
Figure 0004477219
(一般式(I)中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせたもの、またはそれらの置換された基である。)
【0018】
テトラカルボン酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0019】
一方、ジアミンの具体例としては、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、1,5-ジアミノナフタレン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-ジメチル4,4’-ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2N(CH23O(CH22O(CH2)NH2、H2N(CH23S(CH23NH2、H2N(CH23N(CH32(CH23NH2等が挙げられる。
【0020】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点より有機極性溶媒が用いられる。有機極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、具体的には、例えば、これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単数または複数併用することができる。
【0021】
ここで、転写電圧による抵抗低下、及びこの抵抗低下による白抜けの発生について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、中間転写体の二次転写部の抵抗低下を説明する概要図である。図1に示すように、ベルト状の中間転写体101を介して支持ローラ102と転写ローラ103とにより形成される二次転写部(ニップ部)に、用紙(被転写体)104を通過させると同時に転写電圧を印加し二次転写が行われる。二次転写直後においては、ベルト状の中間転写体101表面(用紙側)はプラスに帯電、用紙104表面(中間転写体側)は、マイナスに帯電しているため、中間転写体101と用紙104との間で剥離放電が発生する。この放電現象によって、中間転写体101表面が変質して、新しい導電経路ができて抵抗が下がる。また、電界依存性が大きい場合、中間転写体101表面での電界集中を起こすことになり、中間転写体101表面が変質しやすいので、抵抗が低下する。
【0022】
図2は、ハーフトーンで白抜けが発生する状況を説明する概要図である。図2で示すように、1000枚連続コピー後(例えば10℃、15%RHの低温低湿環境下)の中間転写体200における用紙走行部201には、図1で示したような抵抗低下が起こる(図2中(a))。このような状態で、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーすると、非用紙走行部202よりも抵抗が低い用紙走行部201には印画されにくくなる(図2中(b))。この結果、白抜けの発生が起こる。この白抜けの発生を防ぐためには、用紙走行部201の表面抵抗率の変動幅が、常用対数値で1.0桁以下であると好ましい。
【0023】
本発明のカーボンブラックを分散したポリイミド樹脂製の中間転写体は、カーボンブラックを分散させたポリイミド前駆体を用いて、円筒状金型を用いて膜(層)形成後にイミド転化を行うことで得ることができる。本発明の中間転写体製造方法について説明する。
【0024】
本発明の中間転写体を製造するには、まず有機極性溶媒中に酸化処理カーボンブラックを分散させ、酸化処理カーボンブラック分散液を作製する。酸化処理カーボンブラックとして具体的には、SPECIAL BLACK4(Degussa社製、比表面積:180(m2/g)、DBP吸油量:280(cc/100g)、揮発分:14.0%)、SPECIAL BLACK250(Degussa社製、比表面積:40(m2/g)、DBP吸油量:48(cc/100g)、揮発分:2.0%)等が挙げられる。この時、酸化処理カーボンブラックと溶媒の親和性を高めるために分散剤を使用してもよい。該カーボンブラックを均一に分散させる方法は特に制限されないが、例えば、ボールミル或いは超音波等で分散させる方法が考えられる。この時、前記第1および第2の本発明の製造方法にも記載の通り、酸化処理カーボンブラック分散液中に水を添加すると、酸化処理カーボンブラックが均一に分散し、分散安定性が向上する。この時添加する水の量は、カーボンブラック分散液に対し0.1〜7重量%が好ましい。添加量が0.1重量%未満であると添加による効果が小さく、7重量%以上であると重合反応の際に、溶液粘度の上昇が起き難くなり重合反応の進行を妨げるため好ましくない。また、カーボンブラック分散液に水を添加、静置後、攪拌又は50℃以下で加温すると、より分散性がよくなる。
【0025】
このようにして得られた水添加酸化処理カーボンブラック分散液は、1H−NMRにおけるT2緩和時間が100ms未満であると好ましく、80ms未満であるとさらに好ましく用いられる。水素核スピン−スピン緩和時間(T2)はカーボンブラック分散液に存在する水素核の分子運動に由来する値であり、カーボンブラック微粒子の均一分散性、微粒子化の程度に関係するパラメータである。すなわちカーボンブラック微粒子が微細化して比表面積が増加するにつれて水素核スピン−スピン緩和時間T2が短くなり、逆に不充分な分散状態では水素核スピン−スピン緩和時間(T2)が長くなる。水添加酸化処理カーボンブラック分散液組成物における水素核スピン−スピン緩和時間(T2)は、水素核を測定核とし測定周波数25MHz、90°パルス幅2.0μsec.の条件で、温度30℃におけるカー・パーセル・メイブーン・ギル法(Carr−Purcell−Meiboom−Gill Method, 90°(x)−τ−[180°(y)−2τ]n…パルス系列)により測定して得られる。ここでτは90°パルスと180°パルスとの間の時間、nは180°(y)パルスの繰り返し回数を表す。水添加酸化処理カーボンブラック分散液の1H−NMRにおけるT2緩和時間が100ms以上であると、カーボンブラック微粒子の微細化が不充分、即ち、カーボンブラックの分散性が不充分となるので好ましくない。
【0026】
このようにして得た水添加酸化処理カーボンブラック分散液中に、上記ジアミン成分及び上記酸無水物成分を溶解・重合させてカーボンブラック分散したポリアミド酸溶液(第1のポリアミド酸溶液)を作製する。この際、モノマー濃度(溶媒中におけるジアミン成分と酸無水物成分の濃度)は種々の条件により設定されるが、5〜30重量%が好ましい。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は5〜10時間である。
【0027】
一方、本発明では、前記第1の本発明の製造方法にも記載の通り、抵抗調整用ポリアミド酸溶液として、カーボンブラックを添加していないポリアミド酸溶液(第2のポリアミド酸溶液)を準備する。この時の製造条件は、前記カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液の製造と同様に行う。
【0028】
次いで前記カーボンブラックを分散させたポリアミド酸溶液と、分散させていないポリアミド酸溶液を混合する。この時、互いのポリアミド酸溶液の溶液粘度が著しく異なると、混合の際に均一な混合が難しくなるため、ポリアミド酸溶液を作製する際に留意して製造する必要がある。この時の混合する方法は特に制限されないが、プラネタリーミキサー、ビーズミル、三本ロール等で混合する方法が挙げられる。このように混合することにより、最終的に中間転写体ベルトとしての表面抵抗率の微調整が可能になる利点がある。また、1度カーボンブラックをポリアミド酸溶液中に分散させた後で、分散させていないポリアミド酸溶液を混合する2段階の分散工程を経ることにより、中間転写ベルト中のカーボンブラックがより分散され、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性により効果を発揮する。このように、抵抗調整用のポリアミド酸溶液を混合する場合、カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液を調整する際には、ある程度表面抵抗率が低めに出るように添加量を調整しておく必要がある。
【0029】
続いて、前記ポリアミド酸溶液を筒状芯体の内周面や外周面に、浸漬方式、加熱遠心成形方式、塗布方式にてコートする方式等で筒状に展開して、その展開層を乾燥成膜する。具体的には、特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等に詳細が記載されている。また、シームレスベルト形成の際には、さらに芯体の離型処理や脱泡処理等の適宜な処理を施してもよい。展開層を乾燥成膜する際、イミド転化することによりポリイミド樹脂製のシームレスベルトを得ることができる。イミド転化は、成形物をイミド化反応が起こる温度で加熱処理すればよく、ポリイミド樹脂の種類にもよるが、例えば250〜400℃で加熱が行われる。
【0030】
このようにして得られる本発明の中間転写体は酸化処理カーボンブラックを含有するポリイミド樹脂からなり、表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)で、好ましくは11〜13(logΩ/□)である。この表面抵抗率が15(logΩ/□)より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体が剥離するポストニップ部で剥離放電が発生しやすくなり、放電が発生した部分は、白抜けする画像欠陥が発生することがある。一方、8(logΩ/□)未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生しやすくなるため画質の粒状性が悪化する問題が発生することがある。また、中間転写体の表面抵抗率を11〜13(logΩ/□)の範囲にすることによって、放電による白抜けや画質の粒状性悪化の防止が顕著になり、さらに良好な画像を得ることができる。従って、表面抵抗率を上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質が悪化する問題を防止することができる。なお、この表面抵抗率は、転写面における表面抵抗率を示す。
【0031】
本発明の中間転写体において、表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ等)を用い、JIS K6991に従い測定することができる。具体的には、例えば、図3に示す円形電極を用いて測定することができる。図3は、表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に中間転写体Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、中間転写体Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示す。D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式(2) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
【0032】
本発明の中間転写体は、該ベルトに100V及び1000Vの電圧を印加した時の表面抵抗率の常用対数値の差が1.5(logΩ/□)以内であり、より好ましくは1.0(logΩ/□)以内である。前記酸化処理カーボンブラックを10−30wt%の範囲にすることで、100V及び1000Vの電圧を印加した時の電気抵抗値の電界依存性を押えることができ、具体的には、表面抵抗率の常用対数値の差が1.5(logΩ/□)以内に押えることができるため、画像形成装置内での使いこなし汎用性を広げることができる。また、前記電界依存性を1.5(logΩ/□)以内にすることにより、転写時における中間転写体表面での電界集中を防ぐことができ、中間転写体の経時安定性を高めることができる。さらに、前記電界依存性を1.0(logΩ/□)以内にすることにより、中間転写体の経時安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0033】
また、本発明の中間転写体は、例えば、10℃15%RHの低温低湿環境下で、連続して10000回転写を繰り返した後の用紙走行部の表面抵抗率の変動幅が、常用対数値で1.0(logΩ/□)以内である。前記酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%の範囲にすることで、繰返しの電圧印加によるカーボンブラックの酸化が抑制され、更に、転写部における印加電圧の集中を防ぐことができるので、経時的な使用における中間転写体の用紙走行部の表面抵抗値が、周辺部位より低下することを抑えることができ、転写効率の低下や中間転写体の寿命の短命化を防ぐことができる。前述した、連続して10000回転写を繰り返した時の中間転写体の用紙走行部の表面抵抗率の変化は、具体的には、図4に示す模擬的な二次転写部を有する測定装置で測定することができる。測定装置は、図4に示すように、ベルト状の中間転写体401を介して支持ローラ402と転写ローラ403を備えており、用紙を挟まない状態での支持ローラ402と転写ローラ403の間の抵抗値は、1kVの印加電圧下で、70MΩから150MΩの範囲とする。測定は、転写ローラ403の表面にコピー用紙を巻き付け、実用的な値の転写電流が流れる電界、具体的には、2.4kV〜2.8kVの電界をかけて、ベルトを連続して10000回回転させ、回転前後の中間転写体の表面抵抗率を測定することによっておこなう。この中間転写体の用紙走行部の表面抵抗率の変化量の測定は、中間転写体の実用性を考慮して、より厳しい条件である低温低湿環境下(具体的には10℃15%RH)で測定することが好ましい。
【0034】
本発明の中間転写体の厚さは、ベルト形状で、特にシームレスベルトであると好ましい。このシームレスベルトの場合、ベルトの厚さはその使用目的に応じて適宜決定しうるが、一般的には強度や柔軟性等の機械的特性より、20〜500μm程度が好ましく、特に好ましくは50〜200μmである。
【0035】
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、前記本発明の中間転写体を備える。本発明の画像形成装置は、像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写手段を備え、該中間転写体として前記本発明の中間転写体を用いる中間転写方式の画像形成装置である。前記本発明の中間転写体を備えることで、長期間安定して、高画質の転写画像が得られる。
【0036】
本発明の画像形成装置としては、中間転写体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置が挙げられる。具体的には、図5に示すように、4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の現像器15を備えた各色毎の感光体9が中間転写体16に配置したタンデム式カラー画像形成装置であり、感光体9表面を均一に帯電する帯電ロール13(帯電装置)、感光体9表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置8(露光装置)、感光体9表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器15 (現像装置)、感光体9に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリナー14 (クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着する定着ロール2等、必要に応じて公知の方法で任意に備えることができるものである。
【0037】
像担持体、像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を定着する定着する手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。
【0038】
像担持体としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。前像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
【0039】
帯電手段としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
【0040】
露光手段としては、特に制限はなく、例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
【0041】
現像手段としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0042】
第一転写手段としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用することもできる。
【0043】
第二転写手段としては、前記第一転写手段として例示した転写ローラ等の接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。これらの中でも、前記第一転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ローラ等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写体を案内するローラの位置で転写ローラ等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写体から被転写体に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
【0044】
光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、該光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。
【0045】
定着手段としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0047】
(実施例1)
N−メチルー2ピロリドン(NMP)中に、乾燥した2種類の酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、比表面積:180(m2/g)、DBP吸油量:280(cc/100g)、揮発分:14.0%)とSPECIAL BLACK250(Degussa社製、比表面積:40(m2/g)、DBP吸油量:48(cc/100g)、揮発分:2.0%))を1.5対1の割合で、所定量ボールミルで6時間室温で混合した。このカーボンブラック分散NMP液に、純水を分散液に対し0.3wt%添加し、室温で24時間攪拌した。攪拌後のカーボンブラック分散NMP液に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を所定量溶解し、窒素雰囲気下において、室温で4時間攪拌しながら反応させ、カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)(第1のポリアミド酸溶液)を得た。カーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)の1H−NMRにおけるT2緩和時間は57msであった。
【0048】
別に用意したNMP中で、BPDAとPDAを(A)と同様に溶解、反応させ、ポリアミド酸溶液(B)(第2のポリアミド酸溶液)を得た。
【0049】
2種類のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液(A)とポリアミド酸溶液(B)を100対3の割合で混合し、プラネタリーミキサーを用いて、24時間攪拌した。
【0050】
2種類のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して400μmに塗布し、1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱、その後300℃まで2℃/分の昇温速度で昇温し、更に300℃で30分加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目的とする中間転写ベルト(中間転写体)を得た。このベルトの厚さは75μmであり、ポリイミドに対する全カーボンブラックは22wt%であった。
【0051】
(実施例2)
実施例1におけるカーボンブラックの種類と量を下記の通り変更した以外、実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
カーボンブラックとして、SPECIAL BLACK4を、ポリイミドに対し18wt%用いた。なお、この場合のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液の1H−NMRにおけるT2緩和時間は78msであった。
【0052】
(実施例3)
実施例1におけるカーボンブラックの種類と量を下記の通り変更した以外、実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
カーボンブラックとして、酸化処理カーボンブラックMA100(三菱化学社製、比表面積:114(m2/g)、DBP吸油量:100(cc/100g)、揮発分:1.5%)を、ポリイミドに対し16wt%用いた。なお、この場合のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液の1H−NMRにおけるT2緩和時間は85msであった。
【0053】
(実施例4)
2種類のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液にカーボンブラックを分散していないポリアミド酸溶液を混合する工程を除いて、実施例1と同様に中間転写体ベルトを作製した。このときの全カーボンブラックは、ポリイミドに対し22wt%となるようにした。
【0054】
(比較例1)
実施例1におけるカーボンブラックの比率と量を下記の通り変更した以外、実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
カーボンブラックとして、SPECIAL BLACK4とSPECIAL BLACK250を、2対1の割合で、ポリイミドに対し9wt%用いた。なお、この場合のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液の1H−NMRにおけるT2緩和時間は250msであった。
【0055】
(比較例2)
実施例1におけるカーボンブラックの種類と量を下記の通り変更した以外、実施例1と同様にして中間転写ベルトを得た。
カーボンブラックとして、SPECIAL BLACK250を、ポリイミドに対し35wt%用いた。なお、この場合のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液の1H−NMRにおけるT2緩和時間は122msであった。
【0056】
(評価)
実施例1〜4、比較例1、2で得られた中間転写体ベルトにおける、表面抵抗率、表面抵抗率の面内バラツキ、表面抵抗率の電界依存性、連続して10000回転写を繰り返した後の用紙走行部の表面抵抗率の変動幅を調べた。結果を表1に示す。
なお、各測定については以下に示す通りに行った。
―表面抵抗率―
本実施例における表面抵抗率の測定は、図4に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ:円柱状電極部Cの外径φ16mm、リング状電極部Dの内径φ30mm、外径φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧100V印加し、10秒後の電流値を求め算出した。なお、中間転写体ベルトを周方向に8分割、幅方向に3分割して、ベルト面内24点計測し、その平均値を該中間転写体の表面抵抗率とした。また、それらの最大値と最小値の対数値の差を、表面抵抗率の面内バラツキ(ΔR)とした。
【0057】
−表面抵抗率の電界依存性―
本実施例における表面抵抗率の電界依存性は、表面抵抗率を測定する時の印加電圧を100Vと1000Vにして計測し、表面抵抗率の対数値をとり、その差分を算出した。
【0058】
―連続して10000回転写を繰り返した後の用紙走行部の表面抵抗率の変動―本文中に示した測定装置を用い、10℃/15%RHの環境下で、2.6kVの電界をかけながら、中間転写ベルトを10000回回転させ、用紙走行部の表面抵抗率の変動を計測した。
【0059】
【表1】
Figure 0004477219
【0060】
表1から、実施例1、2の中間転写体ベルトは、表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)の範囲内で、表面抵抗率の面内バラツキ、表面抵抗率の電界依存性、および連続して10000回転写を繰り返した後の用紙走行部の表面抵抗率の変動幅は1.0logΩ/□以内にあり、画像形成装置に備えて画像を出力したときにも、ざらつき感の無い非常に良好な画像が得られ、実用に耐えるものであった。さらに、実施例3、4の中間転写体ベルトは、表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)の範囲内で、表面抵抗率の面内バラツキ、表面抵抗率の電界依存性は1.5logΩ/□以内に、連続して10000回転写を繰り返した後の用紙走行部の表面抵抗率の変動幅は1.0logΩ/□以内にあり、画像形成装置に備えて画像を出力したときにも良好な画像が得られ、実用に耐えるものであった。
【0061】
一方、比較例1、2の中間転写体ベルトは、表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)の範囲内であったが、表面抵抗率の面内バラツキ、表面抵抗率の電界依存性および連続して10000回転写を繰り返した後の用紙走行部の表面抵抗率の変動幅が大きく、画像形成装置に備えて画像を出力したときには、10000枚連続コピー後の用紙走行部分が白く抜ける問題が発生し、実使用に耐えられるものではなかった。
【0062】
このように、実施例1〜4の中間転写体ベルトは、転写電圧によるベルト抵抗変動が少なく、経時でのベルト変形などの問題が発生しないので、中間転写体を煩雑に交換する必要がなく、長期間安定して、高品質の転写画像を得られることがわかる。
【0063】
【発明の効果】
以上により、本発明によれば、駆動による変形が少なく、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない中間転写体を提供することができる。
また、本発明によれば、長期間安定して高品質の転写画像を得られる画像形成装置を提供することができる。
更に、本発明によれば、上述のような中間転写体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写体の二次転写部の抵抗低下を説明する概念図である。
【図2】 ハーフトーンで白抜けが発生する状況を説明する概念図である。
【図3】 表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図4】 転写電圧による中間転写体の経時的な抵抗変動を測定する装置を説明する概念図である。
【図5】 本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 トナーカートリッジ
2 定着ロール
3 バックアップロール
4 テンションロール
5 2次転写ロール
6 用紙経路
7 用紙トレイ
8 レーザー発生装置
9 感光体
10 1次転写ロール
11 駆動ロール
12 転写クリナー
13 帯電ロール
14 感光体クリナー
15 現像器
16 中間転写体
101 中間転写体
102 支持ローラ
103 転写ローラ
104 用紙
200 中間転写体
201 用紙走行部
202 非用紙走行部
401 中間転写体
402 支持ローラ
403 転写ローラ
404 用紙
A 第一電圧印加電極
B 板状絶縁体
C 円柱状電極部
D リング状電極部
T 中間転写体

Claims (9)

  1. 酸化処理カーボンブラックを有機極性溶媒中に分散させて酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、
    前記酸化処理カーボンブラック分散液に更に水を添加し水添加酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、
    前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液に更にジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて第1のポリアミド酸溶液を調製する工程と、
    カーボンブラックを添加せずにジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させた第2のポリアミド酸溶液を調製する工程と、
    該第1のポリアミド酸溶液と該第2のポリアミド酸溶液を混ぜ合わせる工程と、を含むことを特徴とする、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の中間転写体の製造方法において、前記第1のポリアミド酸溶液が、H−NMRにおけるT2緩和時間が100ms未満である水添加酸化処理カーボンブラック分散液に、ジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて作製されたことを特徴とする中間転写体の製造方法。
  3. 酸化処理カーボンブラックを有機極性溶媒中に分散させて酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、
    前記酸化処理カーボンブラック分散液に更に水を添加し水添加酸化処理カーボンブラック分散液を調製する工程と、
    前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液に更にジアミン成分と酸二無水物成分を溶解・重合させて酸化処理カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液を作製する工程と、を含むことを特徴とする、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体の製造方法。
  4. 請求項に記載の中間転写体の製造方法において、前記酸化処理カーボンブラックを分散させ且つ前記水を添加した後の前記水添加酸化処理カーボンブラック分散液H−NMRにおけるT2緩和時間が100ms未満であることを特徴とする中間転写体の製造方法。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の中間転写体の製造方法によって製造されたことを特徴とする、ポリイミド樹脂中に酸化処理カーボンブラックを10〜30wt%含有する中間転写体。
  6. 請求項に記載の中間転写体において、前記酸化処理カーボンブラックの含有率を18〜30wt%としたことを特徴とする中間転写体。
  7. 請求項又は請求項に記載の中間転写体において、100Vと1000Vの電圧を印加した時の表面抵抗率の常用対数値の差が1.5(logΩ/□)以内であることを特徴とする中間転写体。
  8. 請求項又は請求項に記載の中間転写体において、連続して10000回転写を繰り返した後における用紙走行部の表面抵抗率の変動幅が、常用対数値で1.0(logΩ/□)以内であることを特徴とする中間転写体。
  9. 請求項から請求項のいずれか1項に記載の中間転写体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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