JP6798154B2 - 無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット - Google Patents

無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット Download PDF

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Description

本発明は、無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニットに関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体等の像保持体上に電荷を形成し、画像信号を変調したレーザ光等で静電荷像を形成した後、帯電したトナーで静電荷像を現像して可視化したトナー像とする。そして、このトナー像を記録用紙等の転写材に、直接、又は中間転写体を介して静電的に転写することにより、目的とする画像を形成する。例えば、上記の像保持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、ポリアミドイミド樹脂は、溶媒に可溶であるため加工性に優れ、より低コストで中間転写ベルト等の無端ベルトが得られる。例えば、特許文献2〜5には、溶媒の残留量を規定したポリアミドイミド樹脂を用いた無端ベルトが開示されている(例えば、特許文献2〜5参照)。
特開昭62−206567号公報 特許第4042882号公報 特許第5062802号公報 特許第4877772号公報 特開2014−170048号公報
ポリアミドイミド樹脂を利用した無端ベルトとしては、残留溶媒を調整したポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトが提案されている。ところで、無端ベルトは、例えば、荷重を受けた状態で使用される場合がある。無端ベルトが荷重を受けた状態のままで保管されると、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が大きく、形状変化が大きいままとなることがあった。
そこで、本発明の課題は、溶媒を含むポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトにおいて、ポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.005質量部未満である場合、若しくは3質量部を超える場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される無端ベルトを提供することである。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
に係る発明は、
ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下であるポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトである。
に係る発明は、
前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下であるに記載の無端ベルトである。
に係る発明は、
前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である又はに記載の無端ベルトである。
に係る発明は、
前記溶媒群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群であるのいずれか1項に記載の無端ベルトである。
に係る発明は、
前記溶媒群Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであるのいずれか1項に記載の無端ベルトである。
に係る発明は、
前記ポリアミドイミド樹脂層が、さらに、導電性粒子を含有するのいずれか1項に記載の無端ベルトである。
に係る発明は、
のいずれか1項に記載の無端ベルトを備える画像形成装置である。
に係る発明は、
のいずれか1項に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニットである。
に係る発明によれば、溶媒を含むポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトにおいて、ポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.005質量部未満である場合、若しくは3質量部を超える場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が少ない無端ベルトが提供される。
に係るによれば、ポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.05質量部未満である場合、又は2質量部を超える場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化がより抑制される無端ベルトが提供される。
に係るによれば、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.1質量部未満である場合、又は1質量部を超える場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化がさらに抑制される無端ベルトが提供される。
に係る発明によれば、溶媒群Aの溶媒が、5−ジメチルアミノ−2−メチル−5−オキソ−ペンタン酸メチルである場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化がより抑制される無端ベルトが提供される。
に係る発明によれば、溶媒群Aの溶媒が、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、又は3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドである場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化がさらに抑制される無端ベルトが提供される。
に係る発明によれば、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.005質量部未満である場合、若しくは3質量部を超える場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される、導電性粒子を含有するポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトが提供される。
に係る発明によれば、溶媒を含むポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトにおいて、ポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.005質量部未満である場合、若しくは3質量部を超える場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される無端ベルトを備えた画像形成装置、又は無端ベルトユニットが提供される。
円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係る無端ベルトユニットを示す概略斜視図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<無端ベルト>
本実施形態に係る無端ベルトは、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒を含有するポリアミドイミド樹脂層を有する。そして、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下である。
電子写真方式の画像形成装置では、例えば、ポリイミド樹脂を利用した無端ベルトが用いられている。ポリイミド樹脂を利用した無端ベルトとして、例えば、中間転写ベルトに適用される場合がある。ポリイミド樹脂は、通常、ポリアミック酸の状態で溶媒に溶解させ、基材上に塗布し、加熱イミド化させる方法が採用されることが多い。加熱イミド化は、例えば、300℃以上の加熱温度で行うことがあり、生産性が低いものとなっていた。
一方、ポリアミドイミド樹脂は溶媒に可溶であるため加工性に優れ、ポリイミド樹脂と比べ、より低コストで中間転写ベルト等に適用し得る無端ベルトが得られる。ポリアミドイミド樹脂を利用した無端ベルトとしては、例えば、残留溶媒を調整したポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトが提案されている。
ところで、画像形成装置に用いられる無端ベルトは、例えば、転写装置(転写手段の一例)の中間転写ベルト以外にも、転写ベルト、用紙(記録媒体の一例)等の記録媒体搬送装置の搬送ベルトとしても用いられる。
転写装置および記録媒体搬送装置の無端ベルト(中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト)は、例えば、複数のロールによって、張力が掛かった状態で掛け渡されている。複数のロールによって張力が掛かった状態で掛け渡されている領域では、無端ベルトには、荷重を受けた状態となっている。そして、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されると、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が大きく、その変化した形状が、許容範囲まで戻ることなく、大きいままとなることがあった。特に、近年、画像形成装置の小型化に伴い、無端ベルトを掛け渡すロールの直径が小さくなっており、またロールの本数も少なくなっている。このために、ロールによって張力が掛かった状態で掛け渡されている領域では、曲率が大きくなり、従来より大きな荷重を受けた状態となることで、上記の現象の発生は、より顕著になる。
これに対して、本実施形態に係る無端ベルトは、上記構成により、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管された場合であっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
ポリアミドイミド樹脂は、ポリアミドイミド樹脂の樹脂皮膜(成形体)を得る過程で、ポリアミドイミド樹脂を溶解している溶媒が揮発していく。そして、得られたポリアミドイミド樹脂中では、ポリアミドイミド樹脂に含まれる溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との間で相互作用が生じる。
ここで、溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用は、溶媒群Aの溶媒を含まず、従来使用されている溶媒(N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなど)のみがポリアミドイミド樹脂に含まれている場合の両者の極性基の相互作用に比べると、より強く生じていると考えられる。特に、ポリアミドイミド樹脂に含有する溶媒が、γ−ブチロラクトンのみである場合、γ−ブチロラクトンの極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用が小さいことに加えて、γ−ブチロラクトンが開環分解しやすいことから、安定した相互作用が継続し難い。
このように、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有しているポリアミドイミド樹脂は、従来の溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用よりも強いために、従来の溶媒のみを含有しているポリアミドイミド樹脂に比べて、可撓性が増大していると考えられる。
また、ポリアミドイミド樹脂中では、溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用により、ポリアミドイミド樹脂の分子鎖とポリアミドイミド樹脂に含まれる溶媒群Aの溶媒の分子とが、スタッキング(積み重ね)構造を形成すると考えられる。ポリアミドイミド樹脂中に含有する溶媒群Aの溶媒の量が少なすぎる場合は、溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用が少なくなる。一方で、溶媒群Aの溶媒の含有量が多すぎる場合は、ポリアミドイミド樹脂の分子鎖間の距離が大きくなる。
そのため、ポリアミドイミド樹脂が、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有していることで、安定したスタッキング構造を有していると考えられる。それにより、ポリアミドイミド樹脂に含有している溶媒群Aの溶媒は、保管中に揮発し難くなっている。
上記のように、本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層では、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有しているため、溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との間で、従来用いられる溶媒よりも、強く相互作用する。この作用によって、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管された場合であっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制されると考えられる。
なお、溶媒群Aの溶媒の極性基は、ウレア系溶媒の場合、ウレア基が該当、アルコキシ基含有アミド系溶媒の場合、アルコキシ基及びアミド基が該当、エステル基含有アミド系溶媒の場合、エステル基及びアミド基が該当する。また、ポリアミドイミド樹脂の極性基は、アミド基又はイミド基が該当する。
以上から、本実施形態に係る無端ベルトは、上記構成により、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管された場合であっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制されると推測される。
なお、本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層が、上記範囲の量で溶媒群Aの溶媒を含有していることにより、以下のような利点も有する。
溶媒群Aの溶媒の極性基が、ポリアミドイミド樹脂の極性基と、強く相互作用していることで、繰り返し画像を形成した場合において、溶媒群Aの溶媒の含有量低下が抑制される。そのため、本実施形態に係る無端ベルトは、繰り返し画像を形成した場合でも、従来の溶媒のみを含有するポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトの場合に比べ、無端ベルトの割れ、傷、反りなどの破損現象の発生も抑制され得る。
溶媒群Aの溶媒は、N−メチルピロリドンと同様に極性が高く、吸湿性を有する。しかしながら、本実施形態に係る無端ベルトは、溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基とが強く相互作用することで、溶媒およびポリアミドイミド樹脂双方の極性基が封鎖(ブロック)されるため、吸湿性が抑制されると考えられる。この理由で、本実施形態に係る無端ベルトは、繰り返し画像を形成した場合の電気抵抗値低下が抑制され、従来の溶媒のみを含有するポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトの場合に比べ、温度湿度の環境変化に対する電気特性の安定性も向上し得る。
繰り返し画像を形成した場合の電気抵抗値低下の別の要因として、電圧印加によるポリアミドイミド樹脂の絶縁破壊も考えられる。本実施形態に係る無端ベルトでは、溶媒群Aの極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基とが、強く相互作用することで、上記の安定したスタッキング構造を形成すると考えられるため、従来の溶媒のみを含有するポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトの場合に比べ、絶縁破壊耐性も向上し得る。
〔ポリアミドイミド樹脂〕
以下、本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層を得るためのポリアミドイミド樹脂について説明する。
まず、無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂を得るための原料について説明する。
ポリアミドイミド樹脂を得るための原料としては、一般に酸無水物基を有する3価のカルボン酸成分(トリカルボン酸成分)と、イソシアネート又はジアミンを使用することができる。3価のカルボン酸成分としては、屈曲性、貯蔵安定性およびコストの点でトリメリット酸無水物が好ましい。また、該トリメリット酸無水物と、その他のイソシアネート基又はアミノ基と反応する酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体を併用することができる。好ましい構造としては、以下の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
ここで、Rは水素、炭素数1以上10以下のアルキル基、フェニル基を示し、Xは−CH−、−CO−、−SO−、または−O−を示す。
また、これらの他に、必要に応じて、テトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−スルホニルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等)、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)などを併用することができる。
イソシアネートとしては、3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等を使用することができる。また、ジアミンとしては、前記イソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基が置換した化合物を使用することができる。
なお、これらの複数のイソシアネートを併用すると、印刷時の濃度ムラ低減の観点から好適である。
上記原料を用いてポリアミドイミド樹脂を形成する(重合反応を行う)際に用いる溶媒としては、溶媒群Aの溶媒を含む溶媒を用いることがよい。溶媒群Aの溶媒を含む溶媒とは、例えば、溶媒群Aの溶媒のみの溶媒、溶媒群Aの溶媒と溶媒群Aの溶媒以外の有機溶媒とを含む溶媒が挙げられる。
溶媒群Aの溶媒以外の有機溶媒を用いる場合、溶媒群Aの溶媒と溶媒群A以外の有機溶媒との比率に制限はないが、溶媒群Aの溶媒の比率を、30質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上)とすることがよい。溶媒群Aの溶媒の比率をこの範囲とすることで、ポリアミドイミド樹脂層に含む溶媒群Aの溶媒の含有量を、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下の範囲に制御し易くなる。
なお、溶媒群Aの溶媒、及び溶媒群Aの溶媒以外の有機溶媒の詳細については、後述する。
イソシアネート又はジアミンと、トリカルボン酸成分との配合割合としては、酸成分のカルボキシル基及び酸無水物基の総数に対するイソシアネート基又はアミノ基の総数比として、例えば、0.6以上1.4以下(好ましくは0.7以上1.3以下、より好ましくは0.8以上1.2以下)であることがよい。
ポリアミドイミド樹脂を形成する方法としては、例えば次の製造法を挙げることができる。
(1)イソシアネートを用いる場合、イソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(2)イソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(3)トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とイソシアネート成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
アミンを用いる場合も、上記に示したイソシアネートを用いた場合と同様の製造法で得ることができ、その他にアミンと、酸成分として三塩基酸無水物モノクロライドを低温で数時間反応させることにより得ることもできる。
このようにして得られたポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、10000以上45000以下とすることが好ましい。数平均分子量が10000以上であると、成膜性が良好となり、耐屈曲性が向上し得る。また、45000以下であると、導電性粒子の分散性、無端ベルトとしての成形性、厚み精度等が向上し得る。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に制御される。
(溶媒群A)
次に、無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層に含有する溶媒の溶媒群Aについて説明する。溶媒群Aは、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群である。
本実施形態に係る無端ベルトは、無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒群Aの溶媒の量が、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下である。無端ベルトが荷重を受けた状態で保管された場合であっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される等の利点がより発揮される点で、溶媒群Aの溶媒の含有量は、0.05質量部以上2質量部以下が好ましく、0.1質量部以上1質量部以下がより好ましい。
なお、溶媒群Aから選択された少なくとも1種の溶媒の含有量は、溶媒群Aの溶媒の合計量である。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒群Aの溶媒の量を上記範囲に制御する方法としては、例えば、後述する無端ベルトの製造方法において、ポリアミドイミド樹脂組成物の塗膜を乾燥した後の乾燥皮膜を加熱する条件(加熱温度および加熱時間)を調整することによって制御する方法が挙げられる。
無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層に含有する溶媒(残留溶媒)は、測定対象となる無端ベルトのポリアミドイミド樹脂層から測定用試料を採取し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)などで測定することができる。具体的には、測定対象となる無端ベルトのポリアミドイミド樹脂層から測定用試料0.40mgを精確に秤量し、落下型の熱分解装置(フロンティアラボ社製:PY−2020D)を設置したガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所社製:GCMS QP−2010)により、下記の条件で測定を行う。
熱分解温度:400℃
ガスクロマト導入温度: 280℃
Inject方法: スプリット比1:50
カラム: フロンティアラボ社製 Ultra ALLOY−5 0.25μm、0.25μm ID、30m
ガスクロマト温度プログラム: 40℃⇒20℃/min⇒280℃−10min保持
マスレンジ: EI、m/z=29−600
以下、溶媒群Aの溶媒の詳細について説明する。
−ウレア系溶媒−
ウレア系溶媒とは、ウレア基(N−C(=O)−N)を有する溶媒である。具体的には、ウレア系溶媒は、「*−N(Ra)−C(=O)−N(Ra)−*」構造を有する溶媒がよい。ここで、Ra、及びRaは、各々独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はフェニルアルキル基を示す。2つのN原子の両末端*は、前記構造の他の原子団との結合部位を示す。ウレア系溶媒は、2つのN原子の両末端*同士が、例えば、アルキレン、−O−、−C(=O)−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を介して連結した環構造を有する溶媒であってもよい。
Ra、及びRaを示すアルキル基は、鎖状、分岐状、及び環状いずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基の具体例としては、炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基など)が挙げられる。
アルキル基の置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、水酸基、ケトン基、エステル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
ケトン基の具体例としては、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基などが挙げられる。エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、アセトキシ基などが挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、メチルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ基)、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
Ra、及びRaを示すフェニル基及びフェニルアルキル基のフェニル骨格には、置換基を有していてもよい。フェニル骨格の置換基としては、上記アルキル基の置換基と同じものが挙げられる。
なお、ウレア系溶媒が上記2つのN原子の両末端*が連結した環構造を有する場合、その環員数としては5または6がよい。
ウレア系溶媒としては、例えば、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジフェニル尿素、1,3−ジシクロへキシル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、2−イミダゾリジノン、プロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素などが挙げられる。
これらの中でも、ポリアミドイミド樹脂の樹脂皮膜(成形体)の割れの発生抑制、及び室温及び冷蔵での保管安定性の向上の点から、ウレア系溶媒としては、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が好ましく、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が最も好ましい。
−アルコキシ基アミド系溶媒、エステル基含有アミド系溶媒−
アルコキシ基含有アミド系溶媒は、アルコキシ基とアミド基とを有する溶媒である。一方、エステル基含有アミド系溶媒は、エステル基とアミド基とを有する溶媒である。アルコキシ基、エステル基としては、ウレア系溶媒で説明において、「Ra、及びRaを示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同様な基が挙げられる。なお、アルコキシ基含有アミド系溶媒がエステル基を有していてもよいし、エステル基含有アミド系溶媒はアルコキシ基を有していてもよい。
以下、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒の双方を「アルコキシ基又はエステル基含有アミド系溶媒」と称して説明する。
アルコキシ基又はエステル基含有アミド系溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、下記一般式(Am1)で示されるアミド系溶媒、下記一般式(Am2)で示されるアミド系溶媒等が好適に挙げられる。
(一般式(Am1)中、Rb、Rb、Rb、Rb、Rb、及びRbは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rbは、アルコキシ基、又はエステル基を示す。
Rb〜Rbを示すアルキル基は、ウレア系溶媒の説明で記載した「Ra、及びRaを示すアルキル基」と同義である。
Rbを示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶媒の説明において、「Ra、及びRaを示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
以下、一般式(Am1)で示されるアミド系溶媒の具体例を示すが、これらに限られるわけではない。
なお、一般式(Am1)で示されるアミド系溶媒の具体例において、Me=メチル基、Et=エチル基、nPr=n−プロピル基、nBu=n−ブチル基である。
(一般式(Am2)中、Rc、Rc、Rc、Rc、Rc、Rc、Rc、及びRcは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rcは、アルコキシ基、又はエステル基を示す。
Rc〜Rcを示すアルキル基は、ウレア系溶媒の説明で記載した「Ra、及びRaを示すアルキル基」と同義である。
Rcを示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶媒の説明において、「Ra、及びRaを示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
以下、一般式(Am2)で示されるアミド系溶媒の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
なお、一般式(Am2)で示されるアミド系溶媒の具体例において、Me=メチル基、Et=エチル基、nPr=n−プロピル基である。
これらの中でも、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管された場合であっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される等の利点がより発揮される点で、から、アルコキシ基又はエステル基含有アミド系溶媒としては、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例示化合物B−4)、3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例示化合物B−7)、5−ジメチルアミノ−2−メチル−5−オキソ−ペンタン酸メチル(例示化合物C−3)が好ましく、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例示化合物B−4)がより好ましい。
なお、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管された場合であっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される等の利点がより発揮される点で、有機溶媒である溶媒群Aは、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群であることが好ましい。同様の点で、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンがより好ましい。
なお、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、1分子中にアミド基の窒素原子を2つ有している。そのため、例えば、従来の溶媒として用いられる、1分子中にアミド基の窒素原子を1つしか有さないN−メチルピロリドンに比べて、ポリアミドイミド樹脂との相互作用が生じやすくなる。さらに、1,3−ジメチルイミダゾリジノンは環状構造であり立体配座が安定しているため、例えば、非環状であるテトラメチル尿素と比べて、ポリアミドイミド樹脂との相互作用が生じやすくなり、より好適な溶媒であると推測される。
−溶媒群Aの溶媒の沸点−
溶媒群Aの溶媒(上記特定の溶媒群Aの各溶媒)の沸点は、例えば、100℃以上350℃以下が好ましく、120℃以上300℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下が更に好ましい。
溶媒群Aの溶媒の沸点が100℃以上であると、ポリアミドイミド樹脂層に含有する溶媒が、無端ベルトの使用中に低減していくことが抑制される。
一方、溶媒群Aの溶媒の沸点を350℃以下(特に250℃以下)にすると、無端ベルト作製後のポリアミドイミド樹脂層中に含有する溶媒群Aの溶媒の量が、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下の範囲に制御され易くなる。
−溶媒群A以外の有機溶媒−
溶媒は、溶媒群A以外の有機溶媒を含有してもよい。溶媒群A以外の有機溶媒としては、特に制限はなく、公知の溶媒(例えば、溶媒群Aの溶媒以外の非プロトン性極性溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒など)が挙げられる。
溶媒群A以外の有機溶媒は、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの等の溶媒群Aの溶媒以外の非プロトン性極性溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、酢酸nペンチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
(導電性粒子)
本実施形態に係る無端ベルトは、必要に応じて、導電性付与のために添加される導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子としては、導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)のものが挙げられ、使用目的により選択される。
導電性粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子、カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。2種以上を組み合わせて用いる場合には、単に混合しても良いし、固溶体や融着の形にしても良い。
なお、導電性粒子の平均粒径としては、0.3μm以下(好ましくは0.1μm以下)であることがよい。平均粒径が過度に大きいと、分散不良を生じ、画像欠陥を生じる場合がある。
また、上記金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、またはこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアミドイミド樹脂に対する分散性に優れ、より安定した貯蔵安定性(例えば3日以上の放置でも安定した分散状態を保つ)が得られ、しかも、付与される電気抵抗のムラが抑制され得る等の理由から、カーボンブラックが好ましく用いられる。
カーボンブラックとしては市販品を用いてもよい。例えば、具体的には、ファーネスブラックとしては、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「SpecialBlack550」、「SpecialBlack350」、「SpecialBlack250」、「SpecialBlack100」、「Printex35」、「Printex25」;三菱化学社製の「MA7」、「MA77」、「MA8」、「MA11」、「MA100」、「MA100R」、「MA220」、「MA230」;キャボット社製の「MONARCH1300」、「MONARCH1100」、「MONARCH1000」、「MONARCH900」、「MONARCH880」、「MONARCH800」、「MONARCH700」、「MOGULL」、「REGAL400R」、「VULCANXC−72R」等が挙げられる。
また、チャンネルブラックとしては、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「ColorBlackFW200」、「ColorBlackFW2」、「ColorBlackFW2V」、「ColorBlackFW1」、「ColorBlackFW18」、「SpecialBlack6」、「ColorBlackS170」、「ColorBlackS160」、「SpecialBlack5」、「SpecialBlack4」、「SpecialBlack4A」、「Printex150T」、「PrintexU」、「PrintexV」、「Printex140U」、「Printex140V」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、本実施形態の無端ベルトにおける表面抵抗率の常用対数値の差をより低くし得る点で、酸化処理されたカーボンブラックであることが好ましい。
ここで、酸化処理されたカーボンブラックのpH値としては、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が発生し難くなる。
カーボンブラックを2種以上用いる場合、それらは実質的に、互いに導電性の異なるものが好ましい。そのようなカーボンブラックについては、例えば酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いることができる。2種類以上の導電粉を含有させることによって混合性や分散性を高められる効果が得られやすい。
ここで、導電性の異なる2種類以上の導電粉を添加する場合には、例えば、高い導電性を発現する導電粉を優先的に添加した後、導電率の低い導電粉を添加して表面抵抗率を調整してもよい。
また、使用するカーボンブラックを精製することができる。精製とは、製造工程で混入した不純物、例えば残余の酸化剤、処理剤や副生成物等の不純物、その他の無機不純物や有機不純物を除去することである。
精製を行う方法としては、例えば、不活性ガスや真空中で500℃以上1000℃以下程度にする高温加熱処理、二硫化炭素やトルエン等の有機溶媒処理、水スラリーのミキシング(攪拌)や有機酸水溶液中のミキシング処理等の各処理によって不純物を除去する方法を採用し得る。粉体の加熱処理は、製造工程上の取り扱い点、エネルギーの消費が大きい点から、有機溶媒による処理や水を主体とした処理が精製方法として好ましい。精製方法は、特に、水を主体とした処理が好ましい。なお、精製に用いる水は、特に不純物が混入することを抑制するため、例えば、イオン交換水、超純水、蒸留水、及び限外濾過水を使用することが好ましい。
また、本実施形態に係る無端ベルトにおいて、ポリアミドイミド樹脂に半導電性を付与する観点から、各種ポリマーをグラフトしたカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックは、カーボンブラック表面の官能基と反応し得る反応性基を有し、カーボンブラック表面との親和性が良好なセグメントと、その他のセグメントとを有する共重合体をグラフトしたカーボンブラックが好ましい。このようなグラフト化カーボンブラックについては、例えば、特開平10−120935号公報に詳細が記載されている。また、カーボンブラックを均一に混合・分散する観点より、親水性ポリマーをグラフトしたカーボンブラックが好ましい。当該親水性ポリマーとしては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリドン)等が挙げられる。また、当該カーボンブラックとしては、親水性ポリマーをカーボンブラックにグラフトする際、カーボンブラック表面との親和性が良好なセグメントを介在させたもの(ブロック共重合体等)でもよい。
上記カーボンブラックの含有量としては、樹脂固形分に対して10質量%以上30質量%以下(好ましくは18質量%以上30質量%以下)であることがよい。含有量がこの範囲であると、予め定められた表面抵抗率が得られ易く、半導電性ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制し得る。特に、カーボンブラックを18質量%以上30質量%以下の範囲で含有させることにより、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性をより向上させ得る。
本実施形態の無端ベルトは、ポリアミドイミド樹脂中の導電性粒子の分散性を向上させる点で、必要に応じて、高分子分散剤を含んでいてもよい。高分子分散剤としては、導電性粒子をポリアミドイミド樹脂中により良好に分散させる観点から、分子構造中に窒素原子を有する高分子分散剤が好適である。この高分子分散剤としては、具体的には、例えば、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリドン)等を挙げることができ、中でも、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピペリドン)が挙げられる。これらの高分子分散剤は、1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の配合量としては、導電性粒子の分散性等の点で、導電性粒子10質量部に対し、0.01質量部以上3.0質量部以下(好ましくは0.05質量部以上2質量部以下)であることがよい。
〔無端ベルトの使用例〕
本実施形態に係る無端ベルトは、電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとして利用し得る。電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト等が挙げられる。なお、本実施形態に係る無端ベルトは、画像形成装置用の無端ベルト以外にも、例えば、搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト等のベルト状部材にも利用し得る。
〔無端ベルトの製造方法〕
次に、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法について説明する。
無端ベルトの製造方法としては、例えば、円筒状の基材(金型)上に、ポリアミドイミド樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する工程と、基材上に形成された塗膜を乾燥させる工程と、乾燥した塗膜を加熱して樹脂皮膜を形成する加熱工程と、基材上に形成された樹脂皮膜を基材から剥離する工程と、を有する方法が挙げられる。
まず、ポリアミドイミド樹脂組成物を準備する。ポリアミドイミド樹脂組成物としては、ポリアミドイミド樹脂を前述の溶媒群Aの溶媒を含む溶媒に溶解した組成物を調製する。ポリアミドイミド樹脂としては、前述の種々の組み合せのものを用いればよい。また、ポリアミドイミド樹脂は、酸とアミンを混合してできたポリアミドイミド樹脂前駆体、酸とアミン又はイソシアネートを混合して塗液作製中、又は塗膜形成中に共重合してもよい。また、ポリアミドイミド樹脂を2種以上混合して用いてもよい。
ポリアミドイミド樹脂組成物に、目的に応じて、前述のカーボンブラック等の導電性粒子を分散させてもよい。また、必要に応じて、前述の高分子分散剤を用いてもよい。導電性粒子をポリアミドイミド樹脂組成物中に分散する方法としては、例えば、セラミックビーズ、ボール等のメディアの衝突力を利用して粉砕するメディアミル、高圧でオリフィスを通過させ高せん断力をかけるとともに衝突させたときの衝撃力を利用する湿式ジェットミル、ホモジナイザ等の一般的に用いられる分散方法が挙げられる。
次に、円筒状の基材の表面(内面又は外面)に、調製したポリアミドイミド樹脂組成物を塗布する。円筒状の基材としては、例えば、アルミニウムおよびステンレス等の円筒状の金属製基材が好適に用いられる。金属製の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、他の素材の基材を用いてもよい。また、基材の表面にガラスコート、セラミックコート等を設けてもよく、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤によって剥離性を付与してもよい。
ここで、ポリアミドイミド樹脂組成物を精度よく塗布するには、塗布する前に、ポリアミドイミド樹脂組成物を脱泡する工程を実施することがよい。ポリアミドイミド樹脂組成物を脱泡することで、塗布時の泡かみ及び塗膜の欠陥発生が抑制される。
ポリアミドイミド樹脂組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
円筒状の基材の表面にポリアミドイミド樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂組成物をノズルから吐出させながら、回転する円筒金型を回転軸方向に移動させることによって、円筒金型の外周面に組成物を塗布する方法や、円筒金型をポリアミドイミド樹脂組成物に浸漬して引き上げる浸漬環状塗布法、ポリアミドイミド樹脂組成物を円筒金型内周面に軸方向に流し込む方法等が挙げられる。
円筒状の基材の表面にポリアミドイミド樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、形成した塗膜を乾燥させる。
円筒状の基材の表面に形成されたポリアミドイミド樹脂組成物による塗膜は、基材を回転させながら加熱して溶媒を揮発させる。そして、回転させなくても組成物が垂れ流れない状態になるまで塗膜を乾燥させて、乾燥皮膜を形成する。乾燥皮膜中の溶媒含有量は、乾燥皮膜の全質量に対して、50質量%以下(好ましくは、30質量%以下)であることがよい。
なお、乾燥条件としては、例えば、50℃以上180℃以下(好ましくは60℃以上150℃以下)の範囲の乾燥温度で15分間以上60分間以下(好ましくは20分間以上40分間以下)の範囲の乾燥時間とすることがより好ましい。
基材上に乾燥皮膜を形成させた後、形成された乾燥皮膜を更に高い温度で加熱する。
更に高い温度で加熱することにより、ポリアミドイミド樹脂の乾燥皮膜は、更に溶媒が揮発させて、ポリアミドイミド樹脂を含む樹脂皮膜(成形体)が形成される。この加熱条件としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度(好ましくはTgよりも10℃以上50℃以下高い温度)で加熱することがよい。また、加熱時間は、例えば、20分以上120分以下(好ましくは40分以上90分以下)とすることがよい。
なお、溶媒群Aの溶媒の含有量を、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下に制御する点で、加熱温度は、溶媒群Aの溶媒の沸点以上の温度とすることがよい。加熱時間は、溶媒群Aの溶媒の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
得られたポリアミドイミド樹脂を含む樹脂皮膜を、円筒金型と樹脂皮膜との間隙に空気を吹き込む等の公知の方法によって剥離する。
以上の工程を経ることによって、本実施形態に係る無端ベルトが得られる。
次に、本実施形態に係る無端ベルトを、中間転写ベルトに適用した場合の各種物性の好適な範囲、及びその測定方法について述べる。
(表面抵抗率)
一般に、設計自由度の大きいベルト形状の中間転写体を用い、感光体と一次転写ロールとをオフセットさせて配置することで、一次転写時の感光体表面電位への影響を少なくすることができる。特に高速印刷を行なう画像形成装置では、短時間の電場印加となり、ベルト抵抗の立ちあがりの差が強調されて画質上の濃度ムラになる場合がある。そして、このときの電気抵抗は、表面抵抗と関係がある。
中間転写ベルトにおいては、ベルト表面抵抗率の立ちあがりを小さくする、つまり電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差(以下、「表面抵抗率の常用対数値差」という場合がある。)として、絶対値で1.0(LogΩ/□)以下(好ましくは、0.7(LogΩ/□)以下、より好ましくは、0.05(LogΩ/□)以下)の値を有することがよい。このような範囲とすることにより、高速機で発生する濃度ムラを抑えると共に、高速印刷以外の印刷速度にも対応でき、装置の適用範囲の広い中間転写ベルトとなり得る。
尚、表面抵抗率の常用対数値差は、上述したカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの分散方法により、制御することができる。
また、中間転写ベルトの、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値としては、9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下(好ましくは、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下)であることがよい。電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が13(LogΩ/□)を超えると、二次転写時に記録媒体と中間転写ベルトとが静電吸着し、記録媒体の剥離ができなくなる場合がある。一方、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が9(LogΩ/□)未満であると、中間転写ベルトに一次転写されたトナー像の保持力が不足し画質の粒状性や像乱れが発生する場合がある。尚、前記電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値は、上述したカーボンブラックの種類や、カーボンブラックの添加量を選定することにより制御することができる。
表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製、ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定することができる。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図1は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。
図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、測定対象Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。本実施形態においては、電圧V(V)の印加10sec後及び30msec後の電流I(A)を測定する。
式(1)ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
表面抵抗率の測定条件として、より具体的には、以下の条件である。
使用電極:円形電極(三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)。
測定環境:22℃/55%RH。
電圧:100V。
(体積抵抗率)
中間転写ベルトは、体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることがよい。前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像保持体から中間転写ベルト16に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなることがある。そのため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、一次転写での転写電界で中間転写ベルトの表面が帯電する場合がある。
なお、前記の体積抵抗率の常用対数値は、上述してカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの添加量により制御することができる。
本実施形態において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定することができる。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定できる。
円形電極は、第一電圧印加電極Aと表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、測定対象Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、測定対象Tの厚さを示す。
式(2)ρv=πd/4t×(V/I)
(ヤング率)
中間転写ベルト16は、ヤング率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上がより好ましい。
ヤング率Eは、単位断面積にかかる力ΔSと単位長さでの伸びΔaを測定することにより下記式(3)より算出することができる。
式(3)E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、ΔS=F/(w×t)で表され、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、Δa=ΔL/Lで表され、例えば、以下のようにして測定される。
まず、測定対象Tを80mm×5mmに切り出す。10回のヤング率の測定を行ない、平均値を測定データとする。測定機は、アイコーエンジニアリング社製引張試験機MODEL−1605Nを使用し、測定条件は22℃、55%RH環境で引張り速度を20mm/minで行う。尚、ベルト断面積算出に必要なベルト膜厚は、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eにより5回測定した平均値を使用する。
(厚み)
中間転写ベルト16は、総厚みが0.05mm以上0.5mm以下(好ましくは、0.06mm以上0.30mm以下、より好ましくは、0.06mm以上0.15mm以下)であることがよい。ベルトの総厚みが0.05mm以上0.5mm以下の範囲であると、中間転写ベルト16としての機械的強度を確保し、かつ、ロール屈曲部での変形によって、ベルト表面の応力が集中することによるひび割れの発生が抑制され得る。
(表面微小硬度)
中間転写ベルト16は、バイアスローラの押圧力によって中間転写ベルト16の転写面の変形が起こり、転写面の硬度が、ライン画像の中抜け(ホロキャラクター)に影響するため、転写面の硬度が、表面微小硬度で30以下(好ましくは、25以下)であることがよい。
前記表面微小硬度とは、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。試験荷重P(mN)、圧子の試料への侵入量(押し込み深さ)D(μm)としたとき、表面微小硬度DHは下記式(4)で定義される。
式(4)DH≡αP/D
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
なお、中間転写ベルトの表面微小硬度は、下記の方法によって求められる。中間転写ベルトを5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子版に固定する。この試料の表面の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(島津製作所社製)を用いて測定する。
測定条件は、以下の通りである。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
中間転写ベルトは、例えば、高速印刷可能な画像形成装置に適用しうる。印刷の速度は、画像形成装置内に使用される各部材、つまり、装置内でトナー像を像保持体、中間転写ベルト、記録媒体へと転写し、印刷を行うことに係わる各部材の搬送速度が相俟って決定される。中間転写ベルトは、これらの各部材の搬送速度が200mm/sec以上のような速度となる場合にも、濃度ムラ、斑点状欠陥を低減し得る。搬送速度が200mm/sec未満であっても良好に画像形成できる。
また、感光体から中間転写ベルトへの一次転写が最終画像の品質を決定しうる。一次転写の転写効率や転写時点の像乱れが抑制される点で、転写電流値が高いことが望ましい。上記、中間転写ベルトの搬送速度が200mm/sec以上の場合、一次転写電流値は25μA以上であることが好ましく、30μA以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態に係る無端ベルトは、後述するカラー画像を形成し得る画像形成装置の他、様々な態様の画像形成装置に用いることができ、例えば、電子写真複写機、レーザプリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の画像形成装置に用いることが可能である。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の無端ベルトを有する。無端ベルトが、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等のベルトに適用される場合、本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、以下に示す画像形成装置が挙げられる。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像を本実施形態に係る無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、とを備えるものが挙げられる。
なお、転写手段は、後述する無端ベルトユニットを有していてもよい。
具体的には、本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、転写手段が中間転写体と、像保持体に形成されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、中間転写体に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備え、当該中間転写体として上記本実施形態に係る無端ベルトを備える構成が挙げられる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、転写手段が記録媒体を搬送するための記録媒体搬送体(記録媒体搬送ベルト)と、像保持体に形成されたトナー画像を記録媒体搬送体により搬送された記録媒体に転写するための転写手段と、を備え、当該記録媒体搬送体として上記本実施形態に係る無端ベルトを備える構成であってもよい。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について詳細に説明する。
図2は、本実施形態の無端ベルトが適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。図2に示す画像形成装置100は、4つのトナーカートリッジ1、1対の定着ロール2(定着手段の一例)、バックアップロール(背面ロール)3、テンションロール(張架ロール)4、二次転写ロール5(二次転写手段の一例)、用紙経路6、用紙トレイ7、レーザ発生装置8(静電荷像形成手段の一例)、4つの感光体9(像保持体の一例)、4つの一次転写ロール10(一次転写手段の一例)、駆動ロール11、中間転写体クリーニング装置12、4つの帯電ロール13(帯電手段の一例)、感光体クリーニング装置14、現像器15(現像手段の一例)、中間転写ベルト16(中間転写体の一例)等を主要な構成部材として含んでなる。なお、図2に示す画像形成装置100において、本実施形態に係る無端ベルトは、トナー像の重ね合わせ手段およびトナー像の転写手段として機能する中間転写ベルト16として用いられる。
次に、図2に示す画像形成装置100の構成について順次説明する。まず、感光体9の周囲には、反時計回りに帯電ロール13、現像器15、中間転写ベルト16を介して配置された一次転写ロール10、感光体クリーニング装置14が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器15に現像剤を補充するトナーカートリッジ1がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体9に対して、帯電ロール13と現像器15との間の感光体9表面に画像情報に応じたレーザ光を照射することができるレーザ発生装置8が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置100内において、水平に沿う方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体9と一次転写ロール10とのニップ部を通過するように中間転写ベルト16が設けられている。中間転写ベルト16は、その内周側に以下の順序で反時計回りに設けられた、バックアップロール3、テンションロール4、および駆動ロール11により張架されている。なお、4つの一次転写ロール10は、テンションロール4と駆動ロール11との間に位置する。また、中間転写ベルト16を介して駆動ロール11の反対側には中間転写ベルト16の外周面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置12が駆動ロール11に対して圧接するように設けられている。
また、中間転写ベルト16を介してバックアップロール3の反対側には用紙トレイ7から用紙経路6を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト16の外周面に形成されたトナー像を転写するための二次転写ロール5が、バックアップロール3に対して圧接するように設けられている。バックアップロール3と駆動ロール11との間の中間転写ベルト16の外周面には、この外周面を除電するための除電ロール(図示せず)が設けられている。
更に、画像形成装置100の底部には記録用紙をストックする用紙トレイ7が設けられ、用紙トレイ7から用紙経路6を経由して二次転写部を構成するバックアップロール3と二次転写ロール5との圧接部を通過するように供給することができる。この圧接部を通過した記録用紙はさらに1対の定着ロール2の圧接部を通過するように不図示の搬送手段により搬送可能であり、最終的に画像形成装置100外へと排出することができる。
次に、図2に示す画像形成装置100を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニット毎に行なわれ、帯電ロール13により反時計方向に回転する感光体9表面を帯電した後に、レーザ発生装置8(露光装置)により帯電された感光体9表面に潜像を形成し、次に、この潜像を現像器15から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、一次転写ロール10と感光体9との圧接部に運ばれたトナー像を矢印X方向に回転する中間転写ベルト16の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体9は、その表面に付着したトナーやゴミ等が感光体クリーニング装置14によりクリーニングされ、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写ベルト16の外周面上に順次重ね合わされた状態で、二次転写部に運ばれ二次転写ロール5により、用紙トレイ7から用紙経路6を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着部を構成する1対の定着ロール2の圧接部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、画像形成装置100外へと排出される。
二次転写部を通過した中間転写ベルト16は、矢印X方向に更に進み、図示しない除電ロールにより外周面が除電された後、さらに、中間転写体クリーニング装置12により外周面がクリーニングされた後に次のトナー像の転写に備える。
感光体9(像保持体の一例)としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。画像の安定性から有機系のものが好ましい。前記像保持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成形後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像保持体を用いることも可能である。
帯電ロール13(帯電手段の一例)としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、電子写真感光体に対し、直流電流を印加してもよく、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
レーザ発生装置8(露光装置)(静電荷像形成手段の一例)としては、特に制限はなく、感光体9の表面に、例えば、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、又はこれらの光源からポリゴンミラーを介して、定められた像様に露光しうる光学系機器等が挙げられる。
現像器15(現像手段の一例)としては、目的に応じて選択すればよい。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触又は非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
一次転写ロール10(一次転写手段の一例)としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用してもよい。
二次転写ロール5(二次転写手段の一例)としては、接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。これらの中でも、一次転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ロール等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写ベルト16を案内するローラの位置で転写ロール等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写ベルト16から被転写体(用紙)に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
定着ロール2(定着手段の一例)としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
また、クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
更に、光除電手段を設置することも好適である。光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、例えば、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。
<無端ベルトユニット>
本実施形態に係る無端ベルトユニットとしては、本実施形態に係る無端ベルトと、無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えるものが挙げられる。
例えば、本実施形態に係る無端ベルトユニットの一例として、図3に示す無端ベルトユニットであってもよい。
図3は、本実施形態に係る無端ベルトユニットを示す概略斜視図である。
本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、図3に示すように、上記本実施形態に係る無端ベルト30を備えており、例えば、無端ベルト30は対向して配置された駆動ロール131および従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、無端ベルト30を中間転写体として適用させる場合、無端ベルト30を支持するロールとして、感光体(像保持体)表面のトナー像を無端ベルト30上に1次転写させるためのロールと、無端ベルト30上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に二次転写させるためのロールが配置されていてもよい。
なお、無端ベルト30を支持するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。上記構成の無端ベルトユニット130は、装置に組み込まれて使用され、駆動ロール131、従動ロール132の回転に伴って無端ベルト30も支持した状態で回転する。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<合成例A>
−ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)の作製−
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物192.13g(1.0モル)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.25g(1.0モル)、テトラメチル尿素1420gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させた。
得られたポリアミドイミド樹脂のGPC測定による数平均分子量は2.6万であった。
その後、テトラメチル尿素で希釈して粘度を20Pa・sに調整し、ステンレス製20μmメッシュでろ過を行った後、減圧下(0.02MPa)で12時間脱泡を行い、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)を得た。
−ポリアミドイミド樹脂組成物(A−2)〜(A−9)、(A−1C)〜(A−7C)の作製−
使用する溶媒を表1及び表2に示すものに変更する以外はポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)の作製と同様にして、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−2)〜(A−9)および比較例用のポリアミドイミド樹脂組成物(A−1C)〜(A−7C)を得た。なお、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1C)〜(A−3C)及び(A−6C)の溶媒群Aの沸点欄に記載の沸点は、溶媒群A以外の溶媒の沸点を示す。
<実施例A1>
−無端ベルト(A−1)の作製−
外径168mm、長さ500mmのステンレス製円筒状金型(基材)の外周面にシリコーン系離型剤(信越化学工業(株)製、商品名:KS−700)を塗布・乾燥処理(離型剤処理)を行った。
離型剤処理を施した円筒状金型を周方向に回転させながら、フローコート(螺旋塗布)法により、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)を塗布した。塗布後、円筒状金型を2分間回転してレベリングを行った。
塗布された円筒状金型を乾燥炉中で回転させながら60℃で30分間乾燥して乾燥皮膜を形成した後、250℃で60分間加熱して樹脂皮膜を形成した。その後、室温(25℃)まで冷却し、樹脂皮膜を円筒状金型から脱型することで無端ベルト(A−1)を得た。ベルトの厚さは80μmであった。
<実施例A2〜A19および比較例A1〜A7>
−無端ベルト(A−2)〜(A−19)および(A−1C)〜(A−7C)の作製−
実施例A1の加熱温度および加熱時間(250℃で60分間)を表1および表2に示す条件に変更する以外は実施例A1と同様にして、無端ベルト(A−2)〜(A−19)および比較例用の無端ベルト(A−1C)〜(A−7C)を得た。
得られた無端ベルト(A−1)〜(A−19)および(A−1C)〜(A−7C)について、以下の評価を行った。
−残留溶媒量の測定−
既述の方法により、溶媒の残留溶媒量(含有量)をGC−MSで測定した。
−ベルトの保管安定性−
無端ベルトの内側に直径5mmのシャフトを入れ、一方のシャフトに5kgの荷重をかけて吊り下げた状態で、温度60℃、湿度90%の条件で1週間保管した。その後、さらに温度15℃、湿度20%の条件で1週間保管した。その後、シャフト及び荷重を取り除いた直後および24時間後の形状変化(たわみ)を計測し、無端ベルトの全面を観察し、下記の基準で評価した。
−評価基準−
A+: 形状変化が観察されない
A: 3mm未満のたわみが観察される
B: 3mm以上6mm未満のたわみが観察される
C: 6mm以上のたわみが観察される
<合成例B>
−ポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)の作製−
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物192.13g(1.0モル)とナフタレン−2,6−ジイソシアネート105.10g(0.5モル) 、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート125.16g(0.5モル)、テトラメチル尿素1340gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させて、不揮発分濃度が20質量%のポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)を得た。得られたポリアミドイミド樹脂のGPC測定による数平均分子量は2.4万であった。
−ポリアミドイミド樹脂組成物(B−2)〜(B−9)、(B−1C)〜(B−7C)の作製−
使用する溶媒を表3及び表4に示すものに変更する以外はポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)の作製と同様にして、ポリアミドイミド樹脂組成物(B−2)〜(B−9)および比較例用のポリアミドイミド樹脂組成物(B−1C)〜(B−7C)を得た。なお、ポリアミドイミド樹脂組成物(B−1C)〜(B−3C)及び(B−6C)の溶媒群Aの沸点欄に記載の沸点は、溶媒群A以外の溶媒の沸点を示す。
<実施例B1>
−中間転写用無端ベルト(B−1)の作製−
ポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)500質量部(不揮発分100質量部)に、乾燥した18質量部の酸化処理カーボンブラック(商品名 SPECAL BLACK 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)と、同じく乾燥した18質量部の酸化処理カーボンブラック(商品名 SPECAL BLACK 250、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を加え、湿式ジェトミル分散機(ジーナス製: Geanus PY)で分散処理(150MPa、5pass)し、カーボンブラック分散ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。この組成物をステンレス製20μmメッシュでろ過を行い、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた後、減圧下(0.02MPa)で12時間脱泡を行い、最終的な塗布液を作製した。
この塗布液を使用して、実施例A1と同様の方法で無端ベルトを作製した。これを中間転写用無端ベルト(B−1)とする。ベルトの厚さは80μmであった。
<実施例B2〜B26および比較例B1〜B7>
−中間転写用無端ベルト(B−2)〜(B−26)および(B−1C)〜(B−7C)の作製−
実施例B1の加熱温度、加熱時間(250℃で60分間)を表3および表4に示す条件に変更する以外は実施例B1と同様にして、中間転写用無端ベルト(B−2)〜(B−26)および比較例用の中間転写用無端ベルト(B−1C)〜(B−7C)を得た。
得られた中間転写用無端ベルト(B−1)〜(B−26)および比較例用の中間転写用無端ベルト(B−1C)〜(B−7C)について、以下の評価を行った。
−残留溶媒量の測定−
既述の方法により、溶媒の残留溶媒量(含有量)をGC−MSで測定した。
−画像形成試験−
得られた中間転写用無端ベルトを、富士ゼロックス社製DocuCentreColor2220改造機(プロセス速度: 250mm/sec、一次転写電流: 35μAに改造)に組み込み、高温高湿環境下(32℃、85%RH)で、富士ゼロックス社製C2紙に、ブラック色の画像濃度50%ハーフトーン画像を10万枚形成した。その後、低温低湿環境下(20℃、30%RH)で同様に10万枚形成した。
−無端ベルトの表面抵抗率の常用対数値の変化率−
印刷試験を開始する前と後の中間転写用無端ベルトについて、既述の方法を基に、下記の測定条件で、JIS K6911(1995年)に従って表面抵抗率の常用対数値(logΩ/□)を測定した。なお、無端ベルトを周方向に8分割、幅方向に5分割して、無端ベルト面内の40点について計測し、その平均値を表面抵抗率の常用対数値とした。
使用電極: 円形電極(三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ: 円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)
測定環境:22℃/55%RH
電圧:100V
下記式から、表面抵抗率の常用対数値の変化率を算出し、下記の基準に基づいて評価した。
印刷試験前の表面抵抗率の常用対数値:X(logΩ/□)
印刷試験後の表面抵抗率の常用対数値:X(logΩ/□)
式:表面抵抗率の常用対数値の変化率(%)=(|X−X|/X)×100
A+: 変化率が1%未満である
A: 変化率が1%以上3%未満である
B: 変化率が3%以上5%未満である
C: 変化率が5%以上である
−無端ベルト破損(割れ・傷・たわみ)評価−
印刷試験後の各中間転写用無端ベルトについて、以下の基準で無端ベルト破損の評価を行った。
−評価基準−
A+: 割れ・傷・反りのいずれも観察されない
A: 割れ・傷は観察されないが、3mm未満のたわみが観察される
B: 割れは観察されないが、傷または3mm以上6mm未満のたわみが観察される
C: 割れ、傷または6mm以上のたわみが観察される
−画像(文字のかすれ)評価−
画像形成試験後に、20℃、50%RHの環境下で、画像形成装置内での用紙の進行方向に対して垂直に沿う方向にわたって形成された文字チャートの画像を1枚印刷した。この文字チャートの画像形成領域を、ベルト回転軸方向に対して端部(両端から25%ずつで合計50%の領域)および中央部50%(両端を除く中央の領域)に分けて、各々の領域における画像(文字のかすれ)を評価した。
−評価基準−
A+: 全ての範囲において、文字のかすれが全く観察されない
A: 3%未満の領域で文字のかすれが見られる
B: 3%以上20%未満の領域で文字のかすれが見られる
C: 20%以上の領域で文字のかすれが見られる
表1〜表4中の略号は、以下のとおりである。
・PAI: ポリアミドイミド樹脂
・TMU: テトラメチル尿素
・TEU: テトラエチル尿素
・DMPU: N,N’−ジメチルプロピレン尿素
・DMI: 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
・B−4: 例示化合物B−4 (3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
・B−7: 例示化合物B−7 (3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
・C−3: 例示化合物C−3 (5−ジメチルアミノ−2−メチル−5−オキソ−ペンタン酸メチル)
・NMP: N−メチルピロリドン
・DMAc: N,N−ジメチルアセトアミド
・GBL: γ−ブチロラクトン
・PGMEA: プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
・CPN: シクロペンタノン
・DMSO: ジメチルスルホキシド
1 トナーカートリッジ、
2 定着ロール、
3 バックアップロール、
4 テンションロール、
5 二次転写ロール、
6 用紙経路、
7 用紙トレイ、
8 レーザ発生装置(静電荷像形成手段の一例)、
9 感光体(像保持体の一例)、
10 一次転写ロール(一次転写手段の一例)、
11 駆動ロール、
12 中間転写体クリーニング装置、
13 帯電ロール(帯電手段の一例)、
14 感光体クリーニング装置、
15 現像器(現像手段の一例)、
16 中間転写ベルト(中間転写体の一例)

Claims (8)

  1. ウレア系溶媒、下記一般式(Am1)で示されるアミド系溶媒、及び、下記一般式(Am2)で示されるアミド系溶媒から選ばれる少なくとも1種であるアルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下であるポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルト。

    (一般式(Am1)中、Rb、Rb、Rb、Rb、Rb、及びRbは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rbは、アルコキシ基を示す。)

    (一般式(Am2)中、Rc、Rc、Rc、Rc、Rc、Rc、Rc、及びRcは、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rcは、アルコキシ基を示す。)
  2. 前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下である請求項1に記載の無端ベルト。
  3. 前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の無端ベルト。
  4. 前記溶媒群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  5. 前記溶媒群Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  6. 前記ポリアミドイミド樹脂層が、さらに、導電性粒子を含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の無端ベルト。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の無端ベルトを備える画像形成装置。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニット。
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