JP6798154B2 - 無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット - Google Patents
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Description
そこで、本発明の課題は、溶媒を含むポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトにおいて、ポリアミドイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.005質量部未満である場合、若しくは3質量部を超える場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が抑制される無端ベルトを提供することである。
ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下であるポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトである。
<2>に係る発明は、
前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下である<1>に記載の無端ベルトである。
<3>に係る発明は、
前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である<1>又は<2>に記載の無端ベルトである。
前記溶媒群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の無端ベルトである。
<5>に係る発明は、
前記溶媒群Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである<1>〜<4>のいずれか1項に記載の無端ベルトである。
前記ポリアミドイミド樹脂層が、さらに、導電性粒子を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の無端ベルトである。
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の無端ベルトを備える画像形成装置である。
<8>に係る発明は、
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニットである。
<3>に係るによれば、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層100質量部に対して0.1質量部未満である場合、又は1質量部を超える場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化がさらに抑制される無端ベルトが提供される。
<5>に係る発明によれば、溶媒群Aの溶媒が、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、又は3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドである場合に比べて、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されたときであっても、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化がさらに抑制される無端ベルトが提供される。
本実施形態に係る無端ベルトは、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒を含有するポリアミドイミド樹脂層を有する。そして、溶媒群Aの溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下である。
一方、ポリアミドイミド樹脂は溶媒に可溶であるため加工性に優れ、ポリイミド樹脂と比べ、より低コストで中間転写ベルト等に適用し得る無端ベルトが得られる。ポリアミドイミド樹脂を利用した無端ベルトとしては、例えば、残留溶媒を調整したポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルトが提案されている。
転写装置および記録媒体搬送装置の無端ベルト(中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト)は、例えば、複数のロールによって、張力が掛かった状態で掛け渡されている。複数のロールによって張力が掛かった状態で掛け渡されている領域では、無端ベルトには、荷重を受けた状態となっている。そして、無端ベルトが荷重を受けた状態で保管されると、無端ベルトの荷重を受けた部分において、形状変化が大きく、その変化した形状が、許容範囲まで戻ることなく、大きいままとなることがあった。特に、近年、画像形成装置の小型化に伴い、無端ベルトを掛け渡すロールの直径が小さくなっており、またロールの本数も少なくなっている。このために、ロールによって張力が掛かった状態で掛け渡されている領域では、曲率が大きくなり、従来より大きな荷重を受けた状態となることで、上記の現象の発生は、より顕著になる。
ここで、溶媒群Aの溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用は、溶媒群Aの溶媒を含まず、従来使用されている溶媒(N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなど)のみがポリアミドイミド樹脂に含まれている場合の両者の極性基の相互作用に比べると、より強く生じていると考えられる。特に、ポリアミドイミド樹脂に含有する溶媒が、γ−ブチロラクトンのみである場合、γ−ブチロラクトンの極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用が小さいことに加えて、γ−ブチロラクトンが開環分解しやすいことから、安定した相互作用が継続し難い。
このように、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有しているポリアミドイミド樹脂は、従来の溶媒の極性基とポリアミドイミド樹脂の極性基との相互作用よりも強いために、従来の溶媒のみを含有しているポリアミドイミド樹脂に比べて、可撓性が増大していると考えられる。
そのため、ポリアミドイミド樹脂が、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有していることで、安定したスタッキング構造を有していると考えられる。それにより、ポリアミドイミド樹脂に含有している溶媒群Aの溶媒は、保管中に揮発し難くなっている。
以下、本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層を得るためのポリアミドイミド樹脂について説明する。
なお、これらの複数のイソシアネートを併用すると、印刷時の濃度ムラ低減の観点から好適である。
溶媒群Aの溶媒以外の有機溶媒を用いる場合、溶媒群Aの溶媒と溶媒群A以外の有機溶媒との比率に制限はないが、溶媒群Aの溶媒の比率を、30質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上)とすることがよい。溶媒群Aの溶媒の比率をこの範囲とすることで、ポリアミドイミド樹脂層に含む溶媒群Aの溶媒の含有量を、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下の範囲に制御し易くなる。
なお、溶媒群Aの溶媒、及び溶媒群Aの溶媒以外の有機溶媒の詳細については、後述する。
(1)イソシアネートを用いる場合、イソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(2)イソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(3)トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とイソシアネート成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に制御される。
次に、無端ベルトを構成するポリアミドイミド樹脂層に含有する溶媒の溶媒群Aについて説明する。溶媒群Aは、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群である。
なお、溶媒群Aから選択された少なくとも1種の溶媒の含有量は、溶媒群Aの溶媒の合計量である。
ガスクロマト導入温度: 280℃
Inject方法: スプリット比1:50
カラム: フロンティアラボ社製 Ultra ALLOY−5 0.25μm、0.25μm ID、30m
ガスクロマト温度プログラム: 40℃⇒20℃/min⇒280℃−10min保持
マスレンジ: EI、m/z=29−600
ウレア系溶媒とは、ウレア基(N−C(=O)−N)を有する溶媒である。具体的には、ウレア系溶媒は、「*−N(Ra1)−C(=O)−N(Ra2)−*」構造を有する溶媒がよい。ここで、Ra1、及びRa2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はフェニルアルキル基を示す。2つのN原子の両末端*は、前記構造の他の原子団との結合部位を示す。ウレア系溶媒は、2つのN原子の両末端*同士が、例えば、アルキレン、−O−、−C(=O)−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を介して連結した環構造を有する溶媒であってもよい。
アルキル基の置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、水酸基、ケトン基、エステル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
ケトン基の具体例としては、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基などが挙げられる。エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、アセトキシ基などが挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、メチルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ基)、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
これらの中でも、ポリアミドイミド樹脂の樹脂皮膜(成形体)の割れの発生抑制、及び室温及び冷蔵での保管安定性の向上の点から、ウレア系溶媒としては、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が好ましく、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が最も好ましい。
アルコキシ基含有アミド系溶媒は、アルコキシ基とアミド基とを有する溶媒である。一方、エステル基含有アミド系溶媒は、エステル基とアミド基とを有する溶媒である。アルコキシ基、エステル基としては、ウレア系溶媒で説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同様な基が挙げられる。なお、アルコキシ基含有アミド系溶媒がエステル基を有していてもよいし、エステル基含有アミド系溶媒はアルコキシ基を有していてもよい。
Rb1〜Rb6を示すアルキル基は、ウレア系溶媒の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rb7を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶媒の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
Rc1〜Rc8を示すアルキル基は、ウレア系溶媒の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rc9を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶媒の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
なお、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、1分子中にアミド基の窒素原子を2つ有している。そのため、例えば、従来の溶媒として用いられる、1分子中にアミド基の窒素原子を1つしか有さないN−メチルピロリドンに比べて、ポリアミドイミド樹脂との相互作用が生じやすくなる。さらに、1,3−ジメチルイミダゾリジノンは環状構造であり立体配座が安定しているため、例えば、非環状であるテトラメチル尿素と比べて、ポリアミドイミド樹脂との相互作用が生じやすくなり、より好適な溶媒であると推測される。
溶媒群Aの溶媒(上記特定の溶媒群Aの各溶媒)の沸点は、例えば、100℃以上350℃以下が好ましく、120℃以上300℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下が更に好ましい。
溶媒群Aの溶媒の沸点が100℃以上であると、ポリアミドイミド樹脂層に含有する溶媒が、無端ベルトの使用中に低減していくことが抑制される。
一方、溶媒群Aの溶媒の沸点を350℃以下(特に250℃以下)にすると、無端ベルト作製後のポリアミドイミド樹脂層中に含有する溶媒群Aの溶媒の量が、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下の範囲に制御され易くなる。
溶媒は、溶媒群A以外の有機溶媒を含有してもよい。溶媒群A以外の有機溶媒としては、特に制限はなく、公知の溶媒(例えば、溶媒群Aの溶媒以外の非プロトン性極性溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒など)が挙げられる。
溶媒群A以外の有機溶媒は、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの等の溶媒群Aの溶媒以外の非プロトン性極性溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、酢酸nペンチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
本実施形態に係る無端ベルトは、必要に応じて、導電性付与のために添加される導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子としては、導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)のものが挙げられ、使用目的により選択される。
導電性粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子、カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。2種以上を組み合わせて用いる場合には、単に混合しても良いし、固溶体や融着の形にしても良い。
なお、導電性粒子の平均粒径としては、0.3μm以下(好ましくは0.1μm以下)であることがよい。平均粒径が過度に大きいと、分散不良を生じ、画像欠陥を生じる場合がある。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
また、チャンネルブラックとしては、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「ColorBlackFW200」、「ColorBlackFW2」、「ColorBlackFW2V」、「ColorBlackFW1」、「ColorBlackFW18」、「SpecialBlack6」、「ColorBlackS170」、「ColorBlackS160」、「SpecialBlack5」、「SpecialBlack4」、「SpecialBlack4A」、「Printex150T」、「PrintexU」、「PrintexV」、「Printex140U」、「Printex140V」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
ここで、酸化処理されたカーボンブラックのpH値としては、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が発生し難くなる。
ここで、導電性の異なる2種類以上の導電粉を添加する場合には、例えば、高い導電性を発現する導電粉を優先的に添加した後、導電率の低い導電粉を添加して表面抵抗率を調整してもよい。
精製を行う方法としては、例えば、不活性ガスや真空中で500℃以上1000℃以下程度にする高温加熱処理、二硫化炭素やトルエン等の有機溶媒処理、水スラリーのミキシング(攪拌)や有機酸水溶液中のミキシング処理等の各処理によって不純物を除去する方法を採用し得る。粉体の加熱処理は、製造工程上の取り扱い点、エネルギーの消費が大きい点から、有機溶媒による処理や水を主体とした処理が精製方法として好ましい。精製方法は、特に、水を主体とした処理が好ましい。なお、精製に用いる水は、特に不純物が混入することを抑制するため、例えば、イオン交換水、超純水、蒸留水、及び限外濾過水を使用することが好ましい。
本実施形態に係る無端ベルトは、電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとして利用し得る。電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト等が挙げられる。なお、本実施形態に係る無端ベルトは、画像形成装置用の無端ベルト以外にも、例えば、搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト等のベルト状部材にも利用し得る。
次に、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法について説明する。
無端ベルトの製造方法としては、例えば、円筒状の基材(金型)上に、ポリアミドイミド樹脂組成物を塗布して塗膜を形成する工程と、基材上に形成された塗膜を乾燥させる工程と、乾燥した塗膜を加熱して樹脂皮膜を形成する加熱工程と、基材上に形成された樹脂皮膜を基材から剥離する工程と、を有する方法が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
円筒状の基材の表面に形成されたポリアミドイミド樹脂組成物による塗膜は、基材を回転させながら加熱して溶媒を揮発させる。そして、回転させなくても組成物が垂れ流れない状態になるまで塗膜を乾燥させて、乾燥皮膜を形成する。乾燥皮膜中の溶媒含有量は、乾燥皮膜の全質量に対して、50質量%以下(好ましくは、30質量%以下)であることがよい。
なお、乾燥条件としては、例えば、50℃以上180℃以下(好ましくは60℃以上150℃以下)の範囲の乾燥温度で15分間以上60分間以下(好ましくは20分間以上40分間以下)の範囲の乾燥時間とすることがより好ましい。
更に高い温度で加熱することにより、ポリアミドイミド樹脂の乾燥皮膜は、更に溶媒が揮発させて、ポリアミドイミド樹脂を含む樹脂皮膜(成形体)が形成される。この加熱条件としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度(好ましくはTgよりも10℃以上50℃以下高い温度)で加熱することがよい。また、加熱時間は、例えば、20分以上120分以下(好ましくは40分以上90分以下)とすることがよい。
なお、溶媒群Aの溶媒の含有量を、ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下に制御する点で、加熱温度は、溶媒群Aの溶媒の沸点以上の温度とすることがよい。加熱時間は、溶媒群Aの溶媒の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
以上の工程を経ることによって、本実施形態に係る無端ベルトが得られる。
一般に、設計自由度の大きいベルト形状の中間転写体を用い、感光体と一次転写ロールとをオフセットさせて配置することで、一次転写時の感光体表面電位への影響を少なくすることができる。特に高速印刷を行なう画像形成装置では、短時間の電場印加となり、ベルト抵抗の立ちあがりの差が強調されて画質上の濃度ムラになる場合がある。そして、このときの電気抵抗は、表面抵抗と関係がある。
中間転写ベルトにおいては、ベルト表面抵抗率の立ちあがりを小さくする、つまり電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差(以下、「表面抵抗率の常用対数値差」という場合がある。)として、絶対値で1.0(LogΩ/□)以下(好ましくは、0.7(LogΩ/□)以下、より好ましくは、0.05(LogΩ/□)以下)の値を有することがよい。このような範囲とすることにより、高速機で発生する濃度ムラを抑えると共に、高速印刷以外の印刷速度にも対応でき、装置の適用範囲の広い中間転写ベルトとなり得る。
尚、表面抵抗率の常用対数値差は、上述したカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの分散方法により、制御することができる。
図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、測定対象Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。本実施形態においては、電圧V(V)の印加10sec後及び30msec後の電流I(A)を測定する。
式(1)ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
使用電極:円形電極(三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)。
測定環境:22℃/55%RH。
電圧:100V。
中間転写ベルトは、体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることがよい。前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像保持体から中間転写ベルト16に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなることがある。そのため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、一次転写での転写電界で中間転写ベルトの表面が帯電する場合がある。
なお、前記の体積抵抗率の常用対数値は、上述してカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの添加量により制御することができる。
円形電極は、第一電圧印加電極Aと表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、測定対象Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、測定対象Tの厚さを示す。
式(2)ρv=πd2/4t×(V/I)
中間転写ベルト16は、ヤング率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上がより好ましい。
式(3)E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、ΔS=F/(w×t)で表され、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、Δa=ΔL/Lで表され、例えば、以下のようにして測定される。
中間転写ベルト16は、総厚みが0.05mm以上0.5mm以下(好ましくは、0.06mm以上0.30mm以下、より好ましくは、0.06mm以上0.15mm以下)であることがよい。ベルトの総厚みが0.05mm以上0.5mm以下の範囲であると、中間転写ベルト16としての機械的強度を確保し、かつ、ロール屈曲部での変形によって、ベルト表面の応力が集中することによるひび割れの発生が抑制され得る。
中間転写ベルト16は、バイアスローラの押圧力によって中間転写ベルト16の転写面の変形が起こり、転写面の硬度が、ライン画像の中抜け(ホロキャラクター)に影響するため、転写面の硬度が、表面微小硬度で30以下(好ましくは、25以下)であることがよい。
式(4)DH≡αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
測定条件は、以下の通りである。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の無端ベルトを有する。無端ベルトが、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等のベルトに適用される場合、本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、以下に示す画像形成装置が挙げられる。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像を本実施形態に係る無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、とを備えるものが挙げられる。
なお、転写手段は、後述する無端ベルトユニットを有していてもよい。
図2は、本実施形態の無端ベルトが適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。図2に示す画像形成装置100は、4つのトナーカートリッジ1、1対の定着ロール2(定着手段の一例)、バックアップロール(背面ロール)3、テンションロール(張架ロール)4、二次転写ロール5(二次転写手段の一例)、用紙経路6、用紙トレイ7、レーザ発生装置8(静電荷像形成手段の一例)、4つの感光体9(像保持体の一例)、4つの一次転写ロール10(一次転写手段の一例)、駆動ロール11、中間転写体クリーニング装置12、4つの帯電ロール13(帯電手段の一例)、感光体クリーニング装置14、現像器15(現像手段の一例)、中間転写ベルト16(中間転写体の一例)等を主要な構成部材として含んでなる。なお、図2に示す画像形成装置100において、本実施形態に係る無端ベルトは、トナー像の重ね合わせ手段およびトナー像の転写手段として機能する中間転写ベルト16として用いられる。
また、クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
本実施形態に係る無端ベルトユニットとしては、本実施形態に係る無端ベルトと、無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えるものが挙げられる。
図3は、本実施形態に係る無端ベルトユニットを示す概略斜視図である。
本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、図3に示すように、上記本実施形態に係る無端ベルト30を備えており、例えば、無端ベルト30は対向して配置された駆動ロール131および従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、無端ベルト30を中間転写体として適用させる場合、無端ベルト30を支持するロールとして、感光体(像保持体)表面のトナー像を無端ベルト30上に1次転写させるためのロールと、無端ベルト30上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に二次転写させるためのロールが配置されていてもよい。
なお、無端ベルト30を支持するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。上記構成の無端ベルトユニット130は、装置に組み込まれて使用され、駆動ロール131、従動ロール132の回転に伴って無端ベルト30も支持した状態で回転する。
−ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)の作製−
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物192.13g(1.0モル)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.25g(1.0モル)、テトラメチル尿素1420gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させた。
得られたポリアミドイミド樹脂のGPC測定による数平均分子量は2.6万であった。
その後、テトラメチル尿素で希釈して粘度を20Pa・sに調整し、ステンレス製20μmメッシュでろ過を行った後、減圧下(0.02MPa)で12時間脱泡を行い、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)を得た。
使用する溶媒を表1及び表2に示すものに変更する以外はポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)の作製と同様にして、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−2)〜(A−9)および比較例用のポリアミドイミド樹脂組成物(A−1C)〜(A−7C)を得た。なお、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1C)〜(A−3C)及び(A−6C)の溶媒群Aの沸点欄に記載の沸点は、溶媒群A以外の溶媒の沸点を示す。
−無端ベルト(A−1)の作製−
外径168mm、長さ500mmのステンレス製円筒状金型(基材)の外周面にシリコーン系離型剤(信越化学工業(株)製、商品名:KS−700)を塗布・乾燥処理(離型剤処理)を行った。
離型剤処理を施した円筒状金型を周方向に回転させながら、フローコート(螺旋塗布)法により、ポリアミドイミド樹脂組成物(A−1)を塗布した。塗布後、円筒状金型を2分間回転してレベリングを行った。
塗布された円筒状金型を乾燥炉中で回転させながら60℃で30分間乾燥して乾燥皮膜を形成した後、250℃で60分間加熱して樹脂皮膜を形成した。その後、室温(25℃)まで冷却し、樹脂皮膜を円筒状金型から脱型することで無端ベルト(A−1)を得た。ベルトの厚さは80μmであった。
−無端ベルト(A−2)〜(A−19)および(A−1C)〜(A−7C)の作製−
実施例A1の加熱温度および加熱時間(250℃で60分間)を表1および表2に示す条件に変更する以外は実施例A1と同様にして、無端ベルト(A−2)〜(A−19)および比較例用の無端ベルト(A−1C)〜(A−7C)を得た。
得られた無端ベルト(A−1)〜(A−19)および(A−1C)〜(A−7C)について、以下の評価を行った。
既述の方法により、溶媒の残留溶媒量(含有量)をGC−MSで測定した。
無端ベルトの内側に直径5mmのシャフトを入れ、一方のシャフトに5kgの荷重をかけて吊り下げた状態で、温度60℃、湿度90%の条件で1週間保管した。その後、さらに温度15℃、湿度20%の条件で1週間保管した。その後、シャフト及び荷重を取り除いた直後および24時間後の形状変化(たわみ)を計測し、無端ベルトの全面を観察し、下記の基準で評価した。
−評価基準−
A+: 形状変化が観察されない
A: 3mm未満のたわみが観察される
B: 3mm以上6mm未満のたわみが観察される
C: 6mm以上のたわみが観察される
−ポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)の作製−
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物192.13g(1.0モル)とナフタレン−2,6−ジイソシアネート105.10g(0.5モル) 、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート125.16g(0.5モル)、テトラメチル尿素1340gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させて、不揮発分濃度が20質量%のポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)を得た。得られたポリアミドイミド樹脂のGPC測定による数平均分子量は2.4万であった。
使用する溶媒を表3及び表4に示すものに変更する以外はポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)の作製と同様にして、ポリアミドイミド樹脂組成物(B−2)〜(B−9)および比較例用のポリアミドイミド樹脂組成物(B−1C)〜(B−7C)を得た。なお、ポリアミドイミド樹脂組成物(B−1C)〜(B−3C)及び(B−6C)の溶媒群Aの沸点欄に記載の沸点は、溶媒群A以外の溶媒の沸点を示す。
−中間転写用無端ベルト(B−1)の作製−
ポリアミドイミド樹脂組成物(B−1)500質量部(不揮発分100質量部)に、乾燥した18質量部の酸化処理カーボンブラック(商品名 SPECAL BLACK 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)と、同じく乾燥した18質量部の酸化処理カーボンブラック(商品名 SPECAL BLACK 250、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を加え、湿式ジェトミル分散機(ジーナス製: Geanus PY)で分散処理(150MPa、5pass)し、カーボンブラック分散ポリアミドイミド樹脂組成物を得た。この組成物をステンレス製20μmメッシュでろ過を行い、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた後、減圧下(0.02MPa)で12時間脱泡を行い、最終的な塗布液を作製した。
この塗布液を使用して、実施例A1と同様の方法で無端ベルトを作製した。これを中間転写用無端ベルト(B−1)とする。ベルトの厚さは80μmであった。
−中間転写用無端ベルト(B−2)〜(B−26)および(B−1C)〜(B−7C)の作製−
既述の方法により、溶媒の残留溶媒量(含有量)をGC−MSで測定した。
得られた中間転写用無端ベルトを、富士ゼロックス社製DocuCentreColor2220改造機(プロセス速度: 250mm/sec、一次転写電流: 35μAに改造)に組み込み、高温高湿環境下(32℃、85%RH)で、富士ゼロックス社製C2紙に、ブラック色の画像濃度50%ハーフトーン画像を10万枚形成した。その後、低温低湿環境下(20℃、30%RH)で同様に10万枚形成した。
印刷試験を開始する前と後の中間転写用無端ベルトについて、既述の方法を基に、下記の測定条件で、JIS K6911(1995年)に従って表面抵抗率の常用対数値(logΩ/□)を測定した。なお、無端ベルトを周方向に8分割、幅方向に5分割して、無端ベルト面内の40点について計測し、その平均値を表面抵抗率の常用対数値とした。
測定環境:22℃/55%RH
電圧:100V
印刷試験前の表面抵抗率の常用対数値:X0(logΩ/□)
印刷試験後の表面抵抗率の常用対数値:X1(logΩ/□)
式:表面抵抗率の常用対数値の変化率(%)=(|X0−X1|/X0)×100
A: 変化率が1%以上3%未満である
B: 変化率が3%以上5%未満である
C: 変化率が5%以上である
印刷試験後の各中間転写用無端ベルトについて、以下の基準で無端ベルト破損の評価を行った。
−評価基準−
A+: 割れ・傷・反りのいずれも観察されない
A: 割れ・傷は観察されないが、3mm未満のたわみが観察される
B: 割れは観察されないが、傷または3mm以上6mm未満のたわみが観察される
C: 割れ、傷または6mm以上のたわみが観察される
画像形成試験後に、20℃、50%RHの環境下で、画像形成装置内での用紙の進行方向に対して垂直に沿う方向にわたって形成された文字チャートの画像を1枚印刷した。この文字チャートの画像形成領域を、ベルト回転軸方向に対して端部(両端から25%ずつで合計50%の領域)および中央部50%(両端を除く中央の領域)に分けて、各々の領域における画像(文字のかすれ)を評価した。
−評価基準−
A+: 全ての範囲において、文字のかすれが全く観察されない
A: 3%未満の領域で文字のかすれが見られる
B: 3%以上20%未満の領域で文字のかすれが見られる
C: 20%以上の領域で文字のかすれが見られる
・PAI: ポリアミドイミド樹脂
・TMU: テトラメチル尿素
・TEU: テトラエチル尿素
・DMPU: N,N’−ジメチルプロピレン尿素
・DMI: 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
・B−4: 例示化合物B−4 (3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
・B−7: 例示化合物B−7 (3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
・C−3: 例示化合物C−3 (5−ジメチルアミノ−2−メチル−5−オキソ−ペンタン酸メチル)
・DMAc: N,N−ジメチルアセトアミド
・GBL: γ−ブチロラクトン
・PGMEA: プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
・CPN: シクロペンタノン
・DMSO: ジメチルスルホキシド
2 定着ロール、
3 バックアップロール、
4 テンションロール、
5 二次転写ロール、
6 用紙経路、
7 用紙トレイ、
8 レーザ発生装置(静電荷像形成手段の一例)、
9 感光体(像保持体の一例)、
10 一次転写ロール(一次転写手段の一例)、
11 駆動ロール、
12 中間転写体クリーニング装置、
13 帯電ロール(帯電手段の一例)、
14 感光体クリーニング装置、
15 現像器(現像手段の一例)、
16 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
Claims (8)
- ウレア系溶媒、下記一般式(Am1)で示されるアミド系溶媒、及び、下記一般式(Am2)で示されるアミド系溶媒から選ばれる少なくとも1種であるアルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒の含有量がポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.005質量部以上3質量部以下であるポリアミドイミド樹脂層を有する無端ベルト。
(一般式(Am1)中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、及びRb6は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rb7は、アルコキシ基を示す。)
(一般式(Am2)中、Rc1、Rc2、Rc3、Rc4、Rc5、Rc6、Rc7、及びRc8は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rc9は、アルコキシ基を示す。) - 前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下である請求項1に記載の無端ベルト。
- 前記溶媒群Aの溶媒の含有量が、前記ポリアミドイミド樹脂層全体100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の無端ベルト。
- 前記溶媒群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルト。
- 前記溶媒群Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無端ベルト。
- 前記ポリアミドイミド樹脂層が、さらに、導電性粒子を含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の無端ベルト。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の無端ベルトを備える画像形成装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニット。
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