JP4877772B2 - 無端ベルトおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、転写ベルトを用いて印刷を行う画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真記録装置において、媒体を搬送し転写する手段の転写搬送ベルトまたはトナー画像を一時的に転写する手段の中間転写体として、半導電性ベルトを使用している。この半導電性ベルトに必要な特性としては、体積抵抗値のばらつきが少ないこと、環境変化に対し吸湿等に伴う寸法の変化が少ないこと、さらにはこれらの経年変化がないことが上げられる。
この特性を実現するためには、従来から、半導電性ベルトの材質は、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド(以下、「PAI」という)、ポリアリルサルホン、ポリエステル、アリレート樹脂またはこれらの2種以上の混合物であることに限定されていた。しかしながら、これらの材料による半導電性ベルトでは、熱的、機械的強度、特に引っ張り弾性率が十分でなく、また伸びも大きく、吸水率も大きいので、環境変化の影響を受けやすく、繰り返して使用する場合の耐久性にも問題があった。
この問題を解決するために、ポリベンゾイミダゾールに導電性付与剤としてカーボンブラックを含有させたもの、有機高分子材料に導電性付与剤としてフラーレンを含有させたもの、或いは有機高分子材料に導電性付与剤としてカーボンブラックを含有させポリパラキシリレンによりコーティングしたものが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−14543号公報
しかしながら、上記従来の技術では、無端ベルトの残留溶媒量の量によっては、温度、湿度等の環境の変動等により、無端ベルトに反りが発生したり、寸法が変化したりし波うち現象が発生し印刷画像品質に影響を与えるといった不具合が発生していた。そして、長期間使用した場合、十分に安定した印刷画像品質を得ることができなかった。
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、電子写真記録装置の転写ベルトとして使用される半導電性の無端ベルトであって、ポリイミドアミドを基材とし導電性付与剤としてカーボンブラックを配合し有機極性溶媒にて攪拌混合して生成し、前記溶媒の全体残留溶媒量が、0.1%以上、0.5%以下でつ内周面と外周面の残留溶媒量の差0.2以下となるようにした
以上の本発明によれば、以上のように構成したので、無用にコストを増加させることがなく、かつ長期に亘り高品位な印刷を実現することができる。
以下、本発明に係る実施例を、図面を用いて詳細に説明する。なお、図面に共通する要素には同一の符号を付す。
実施例1の無端ベルト駆動装置および画像形成装置は、全体残留溶媒量が0.5%以下、かつ表面と裏面の残量溶媒量の差が0.2以下のPAIを基材とした無端ベルトを使用するようにしたものである。
(構成)
実施例1の画像形成装置および無端ベルト駆動装置の構成を、図1の画像形成装置の構成図、図2の無端ベルト駆動装置の構成図、図3ないし図5の回転成型による無端ベルト製造装置の概略正面図を用いて以下詳細に説明する。
図1は、実施例1の画像形成装置の構成を示すものであり、感光ドラム11の表面上を帯電させる帯電ロール15と、感光ドラム11上に静電潜像を形成するLEDヘッド12と、感光ドラム11上の静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像する現像ユニット13と、トナー像を感光ドラム11から記録材へ転写する転写ロール16と、記録材2を担持する無端ベルト14、記録材2上のトナー像を定着する定着ユニット17と、無端ベルト14上に残留するトナーを除去するクリーニングブレード18を備える。
なお、トナーとしては、主構成組成としてスチレンーアクリル共重合体を用い、乳化重合法によりパラフィンワックスを9重量部の割合で内包し、平均粒径7μmで真球度0.95のものを使用している。本トナー材を使用することにより、転写効率向上、定着の離型剤レス及びドット再現性や解像度に優れた現像を行うことができるので、画像のシャープネスや高画像品質を得ることができ、詳細な画像品質の評価を行うことができる。
また、クリーニングブレード18としては、ウレタンゴム等の弾性材からなるブレード方式を採用し、ゴム硬度JISA83°、厚さ1.5mmのウレタンゴムにより、線圧4.3g/mmになるように設定している。ブレード方式を採用することにより残留トナーや異物等の除去性が向上し、高画像品質に寄与するとともに、構成が簡単かつコンパクトで低コストとなる。ゴム材料としては、ウレタンゴムとすることにより高硬度でしかも弾性に富み、耐磨耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性等を高くすることができる。
また、無端ベルト14は、図2に示したように、図示しない張架手段により、例えば、張架力6Kg±10%(5.4Kg〜6.6Kg)程度の大きさで張架され、駆動ロール19によって回転し、無端ベルト14端部に当接して従動してベルトの蛇行を防止するためのフランジ状のガイド部材(以下、「フランジ31」という)が備えられている。
なお、前記フランジ31は、自ら駆動させる構成としてもよいし、必要に応じて他の回転手段に付加させるようにしてもよい。また、無端ベルト14端部の両側に付加させるようにしてもよいし、図示しないベルト支持部材に付加させるようにしてもよい。
図3は、一例としての回転成型による無端ベルト製造装置の断面図であり、図4はその側面図を示す。同図に示したように、円筒状の成型金型201は、回転ローラ202a、202bおよび従動ローラ203により支えられ回転させられ、成型金型201の内壁にベルト原料注入部204から注入されたベルト原料は、外側ヒータ205により加熱されながら、成型金型201の内壁に層を形成し、無端ベルト14が作成される。
なお、無端ベルト製造装置としては、加熱効率、熱伝導率を向上するために、図5の断面図および図6の側面図に示したように成型金型201の内側にもヒータ206を設けるような構成としてもよい。
ベルト原料としては素材としてPAIを使用し、導電性発現のためにカーボンブラックを適量配合し、これらを溶かして混合する溶媒としてのN−メチルピロリドン(以下、「NMP」という)の溶液中にて攪拌混合して生成する。そして、回転ローラ202a、202bにより成型金型201を回転させ、その内壁に設けたベルト原料注入部204によりスプレー塗布して、所定の厚さの無端ベルト14を形成し、適宜・温度、時間を設定し例えば膜厚100±10μm、口径φ198mmの寸法に成型した後、230±0.5mmの幅長に切断する。
前記素材となるPAIの構造は、アミド基と1個または2個のイミド基とが有機基を介して結合され、1つの単位となって繰り返された高分子である。この有機基が脂肪族であるか芳香族であるかによって、脂肪族PAIか、芳香族PAIに分類されるが、耐久性や機械的特性の観点からは芳香族PAIが好ましい。一般に、イミド基、アミド基が結合する有機基が1つまたは2つのベンゼン環のことを芳香族という。
前記素材となるPAIは、完全にイミド閉環したものでもイミド閉環しないアミド酸の段階のものであっても良いが、少なくとも50%以上、好ましくは70%以上がイミド化されているものを使用するのがよい。その理由としては、アミド酸段階のものが多いと、得られるフィルムの表面が滑らかにならず、また電気抵抗においてバラツキが発生しやすくなるためである。
逆に、イミド化率を上げ過ぎると、一定の荷重を長期間かけ続けたときでも変形しない耐久性、すなわち耐クリープ性が低下するので、若干未閉環のアミド酸を共在させておいた方がよい。
なお、無端ベルト14の材料としては、以上説明したPAIには限定されないが、耐久性や機械的特性よりベルト駆動時の張力変形が所定範囲である材料が望ましく、また蛇行防止手段との摺動を繰り返し受けることによる端部磨耗、端部オレ、ワレ等のダメージを受けにくい材料とするのがよい。
例えば、PAIと同様、ヤング率が2000MPa以上、好ましくは3000MPa以上あるポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂及びこれらを主体とした混合物を用いてもよい。
溶媒としては、無端ベルト14を製造する際に混合する材料に合わせて決定するのがよいが、有機極性溶媒が一般に用いられ、特に、N、N−ジメチルアセトアミド類が有用であり、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジエチルホルムアミド、N、N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、前述のNMPやピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等を用いるのがよい。これらは単独で用いてもよいし、併用して使用しても差し支えない。
また、カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等があげられ、これらも単独で使用してもよいし、複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。これらのカーボンブラックの種類は、目的とする導電性により選択されるが、一般には、チャンネルブラック、ファーネスブラックが多く用いられている。なお、用途によっては、酸化処理、グラフト処理等の酸化劣化を防止したものや、溶媒への分散性を向上させたものを用いるとよい。
カーボンブラックの含有量については、その目的と添加するカーボンブラックの種類により決定されるが、機械的強度等を考慮すると、ベルト組成樹脂固形分に対し3〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%とするのがよい。
ところで、無端ベルト駆動装置の軸径としては、コストや装置の小型化のために、直径φ25mm程度とするのがよいが、直径φ10〜50mmの範囲の軸径としてもよい。また、ベルトを張架する手段として、6Kg±10%の力で張架するように説明したが、これには限らない。無端ベルト14を張架する力も、使用するベルト材料やベルト駆動により適宜選択されるものであり、ベルトに対し2〜8Kg±10%の範囲で決定すればよい。
(動作)
(印刷動作)
以上の構成により、実施例1の画像形成装置は以下のように動作する。まず、印刷動作として、図1下側に配置された給紙ユニット10より供給された記録材2が、無端ベルト14により感光ドラム11まで搬送される。そして、帯電ロール15により表面を帯電された感光ドラム11は、LEDヘッド12により静電潜像が形成され、現像ユニット13により感光ドラム11上にトナーが供給され、静電潜像が現像され可視像となる。
感光ドラム11上の可視像は、転写ロール16により記録材へ転写され、記録材2を担持する無端ベルト14により順次転写される。以上の動作が各色(Y色、M色、C色、K色)行われた後、転写された記録材2は定着ユニット17に送られ、定着され、排出スタッカ28に排出される。そして、記録材2を分離した後の無端ベルト14は、無端ベルト14上に残留したトナーやその他の異物を除去するクリーニングブレード18により清掃される。
(印刷画像の評価)
次に、印刷画像の評価方法について説明する。まず、無端ベルト14としては、図3および図4に示した無端ベルト製造装置により成型温度、時間を調整し、残留溶媒量がそれぞれ異なる図11のNo.1〜No.7の無端ベルト14を製造し、これらを用いて印刷画像の評価をした。
記録材2としてはPPC用紙を用い、一般に印刷画像への影響が顕著となる高温多湿の温度30℃、湿度85%RH雰囲気下で行った。印字パターンは、アルファベットを任意に並べ、記録材2の全面に印字した0.5%デューティのもので、3P/J(A4用紙、縦方向に3枚連続印刷し、7秒休止)で行なった。
残留溶媒の測定機器として、ヒューレットパッカード社製HP6890GC−MSを使用し、カラムとしてはHP−5MSを用いた。測定方法としては、内部標準法を用い、内部標準としてジメチルアセトアミド(以下、「DMA」という)を使用し、ベルト抽出物の溶媒ピーク、本評価では成型に使用した溶媒であるNMPのクロマトグラムのピーク面積と、内部標準であるDMAのピーク面積から抽出量を求め、単位重量、すなわち1グラム当りの残留溶媒量を求めた。
図9は、搬送方向から見た無端ベルト14端部の概略断面図である。金型面102及び空気面101の残留溶媒量の測定は、複数点、各々の表層から深さ方向20±10μmを削り出して測定し平均値を求めた。また、無端ベルト14の全体残留溶媒量は、ベルトの全体の深さに亘って複数点測定し平均値を求めた。
以上の印刷画像の評価方法により、無端ベルト14の残留溶媒量に対する印刷画像の評価結果を図11に示す。同図の判定「○」は画像不具合がなくかつ装置トラブルがないことを示し、「×」は印刷画像不具合または装置トラブルがあったことを示している。なお、図11の画像品質欄の「初期」とは、新しく製造された無端ベルト14を用いて1ページ目に印字したときの画像品質のことをいう。また、「−」は、印刷画像の評価を行う6万枚の通紙完了前に無端ベルト14の破断等が発生し評価を行うことができなかったことを示している。
図11の評価結果より、まず、全体残留溶媒量が0.5%より大きく0.6%のとき(No.1)は、6万枚通紙後、ベルトと接触する部材との汚染による白抜けが発生していることが分かる。また、No.3、No.6のように、全体残留溶媒量が0.5%以下であっても金型面102と空気面101の残留溶媒量の差が0.2以上の場合では、1万5千枚〜2万5千枚程度で反りが発生しベルト破断が発生していることが分かる。
逆に、全体残留溶媒量が0.5%以下で、かつ金型面102と空気面101の残量溶媒量の差が0.2以下であれば、長期間に亘り、画像品質の劣化や装置トラブルがなく正常な印刷を行うことができることが分かる。
ここで、No.1のように全体残留溶媒量が多いと局所的に残留溶媒が揮発したり移動したりして、不均一な寸法変化が局部的に発生し、無端ベルト14が反ったり、波うったうねりが生じながら移動するため、搬送されている記録材2が浮いたり、移動したりすることにより、印刷画像に乱れが生じる。また、無端ベルト14と接触する部材に対して不可逆な汚染が発生し、その結果として印刷画像の品質を劣化させる。
以上のような画像の乱れを抑制するには、全体残留溶媒量を少なくすればするほど良いが、全体残留溶媒量を少なくするためには、非常に高精度な設備が必要であり成型時間も長時間となり、結果として無端ベルト14が非常に高価なものとなってしまう。
従って、全体残留溶媒量の基準値として0.5%を設定し、全体残留溶媒量が0.5%以下となるように、ベルト製造時の乾燥および焼成型等における成型温度および時間を調整して製造するようにした。なお、実験によれば、全体残留溶媒量を0.1%より少なくするためには、成型時間が非常に長くなり、図5および図6の内側ヒータ206を設けた無端ベルト製造装置を用いても、数時間以上の時間を要することが分かった。
また、前述のように、全体残留溶媒量が0.5%以下であっても金型面102と空気面101の残留溶媒量の差が0.2以上の場合には、図10に示したように、反った状態になる場合がある。この現象は、製造時間を短くして無端ベルトのコストを低減するために、成型温度を上げて成型時間を短縮した場合に、より顕著となる。
すなわち、溶媒は、空気面側101から蒸発していくが、無端ベルト14の内部の溶媒は金型面102から空気面101へ徐々に移動して行くので、成型後の無端ベルト14においては、金型面102の方が残留溶媒量が多く、空気面101方向に行くに従って次第に減少する傾向がある。従って、成型温度を上げて成型時間を短くすると、この濃度勾配が顕著となるのである。
このような残留溶媒量の濃度勾配の顕著な無端ベルト14が、高温または高温高湿状態に置かれると、金型面102の残留溶媒が僅かながら揮発し、その分収縮し、図10のように無端ベルト14の端部の空気面側101が金型面側102に反る。そして、このように反った状態で、印刷動作が行われた場合、無端ベルト14の端部に振幅の大きな繰り返し屈曲が発生し、早期に屈曲疲労により破断を生じる不具合を引き起こす。
以上の不具合を防止するために、金型面102と空気面101の残量溶媒量の差が0.2以下となるように、無端ベルト製造時の乾燥、焼成型等の成型温度および時間などを適宜調整し製造するようにする。なお、実験によれば、金型面102と空気面101の残量溶媒量の差を0.1より少なくするためには、成型時間が非常に長くなり、図5および図6の内側ヒータ206を設けた無端ベルト製造装置を用いても、数時間以上の時間を要することが分かった。
以上の説明では、図2の無端ベルトを用いた図1の画像形成装置を例として説明したが、各色ごとに転写ロール16を設けて転写するのではなく、図7に示したように現像により可視化されたトナー像を直接担持する中間転写ベルトを用いた画像形成装置であっても同様に適用することができる。この場合の無端ベルト駆動装置は、図8に示したような構成となるが、同様に残留溶媒量を調整することにより長期に亘り高品位の印刷を実現することができる。
(実施例1の効果)
以上のように実施例1の無端ベルト製造装置および画像形成装置によれば、PAI基材のベルトであって、全体残留溶媒量を0.5%以下、かつ表面と裏面の残量溶媒量の差が0.2以下の無端ベルトを使用するようにしたので、無用にコストを増加させることがなく、かつ長期に亘り高品位の印刷を実現することができる。
実施例2の無端ベルト駆動装置および画像形成装置は、PAIを基材としたベルトであって、所定の時間、高温多湿環境に放置した後の寸法変化率が0.1%以下となる無端ベルトを使用するようにした。
(構成)
実施例2の無端ベルト駆動装置および画像形成装置の構成は、実施例1と同様であるので簡略化のためにその説明を省略する。実施例2のベルトの材料としては実施例1と同様にPAIを基材とし、高温多湿環境放置後の内周長の増加率が異なるベルトを生成するために、例えば、イミド化率を45%から70%の範囲で変化させ、導電性発現のためにカーボンブラックを適量配合しNMP溶液中にて撹拝混合し、回転成型により膜厚100±10μm、口径φ198mmの寸法に成型した後、230±0.5mmの幅長に切断して生成した。
(動作)
実施例2の画像形成装置の全体の印刷動作は、実施例1の動作と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
(印刷画像の評価)
印刷画像の評価は、前述のように、PAI基材のイミド化率を調整し、図12に示したように、ベルト内周長の寸法変化率が0.02%程度から0.13%程度となるNo.1〜No.6の無端ベルト14を生成して行った。
ここで、前記ベルト内周長の寸法変化率とは、温度23℃、湿度50%RH雰囲気下の室温環境で、約10Kgの張架力で自社製測定用軸に張架しベルト移動方向の内周長を測定した後、ベルト駆動装置に6±10%(5.4Kg〜6.6Kgの範囲で)の張架力でベルトを張架し、温度70℃、湿度90%RH環境下にて96時間放置し、その後、同様に張架したまま前記室温環境に戻し、24時間後の内周長を測定し、その変化を百分率にて算出したものである。また、印刷画像品質の評価方法は、前記実施例1と同様に行った。
図12は、以上のように、ベルトの寸法変化率の異なるベルトにより、実施例1と同様に印字を行い、その評価結果を示したものである。判定「○」は印刷画像に不具合がなくかつ装置トラブルがない場合を示し、「×」は印刷画像の劣化や装置トラブルがあったことを示している。
図12の評価結果より、ベルトの寸法変化率が0.1%超であるNo.5のベルトでは、ベルトに軽微なうねりが発生しており、初期の印刷では画像品質は良好であるが、6万枚通紙後、文字擦れが発生している。また、同様にベルトの寸法変化率が0.1%超であるNo.6のベルトでは、ベルトに波うちが発生しており、初期の印刷の時点から文字擦れが発生しており、ベルトの波うちが原因と思われるジャムも発生している。
以上の評価結果より、長期間、安定して高品位な印刷画像を得るためには、No.1〜No.4のベルトとする必要があり、ベルトの寸法変化率は、最低限0.1%以下である必要があることが分かる。この寸法変化率を実現するイミド化率としては55%以上となる。
前述の文字擦れは、搬送されている記録材2が浮いたり移動したりして印刷画像に乱れが生じるために発生する。この乱れを防止するためには、寸法変化率は、小さいほど好ましいが、寸法変化率を0とするには、ベルト材料の調整を高精度に行う必要があり、製造設備が非常に高価なものとなり、その結果、ベルトの単価が高いものとなり、一般の画像形成装置のベルトとして使用することはできない。
以上により、ベルトの寸法変化率が0.1%以下となるように、イミド化率等を適宜調整し製造するようにする。なお、実験によれば、ベルトの寸法変化率を0.02%より小さくするためには、イミド化率の調整のほか成型温度や時間などを極めて高精度に調整する必要があり、生成することは可能であるが、非常にコストの高いベルトとなることが分かった。
以上の説明ではイミド化率を変え、ベルトの寸法変化率を調整して製造するように説明したが、ベルトの寸法変化率が0.1%以下となるようにできれば、残留溶媒率を成型温度やその時間により調整するようにしてもよいし、他の調整方法によってもよい。
(実施例2の効果)
以上のように実施例2の画像形成装置によれば、PAI基材の無端ベルトであって、高温多湿環境に所定時間放置後のベルトの寸法変化率が0.1%以下の無端ベルトを使用するようにしたので、無用にコストを増加させることがなく、かつ長期に亘り高品位の印刷を実現することができる。
実施例3の無端ベルト駆動装置および画像形成装置は、PAIを基材としたベルトであって、高温多湿の環境に所定の時間放置した後の電気抵抗値の変化率が3倍以下の無端ベルトを使用するようにしたものである。
(構成)
実施例3の無端ベルト駆動装置および画像形成装置の構成は、実施例1と同様であるので簡略化のためにその説明を省略する。ベルトの材料としては、実施例1と同様にPAIを基材とし、高温多湿環境に所定の時間放置後の電気抵抗値のばらつきが異なるベルトを生成するために、例えば、イミド化率を45%から70%の範囲で調整し、導電性発現のためにカーボンブラックを適量配合しNMP溶液中にて撹拝混合し、回転成型により膜厚100±10μm、口径φ198mmの寸法に成型した後、230±0.5mmの幅長に切断して生成した。
(動作)
実施例3の画像形成装置の全体の印刷動作は、実施例1の動作と同様であるので、簡略化のためにその詳細な説明は省略する。
(印刷画像の評価)
印刷画像の評価は、前述のようにPAI基材のイミド化率を調整して電気抵抗値のばらつきを調整し、図13に示したように、高温多湿の環境に放置する前の最大値/最小値の比率が1.0から2.3となるNo.1〜No.6の無端ベルト14を生成して行った。また、評価した印字データや画像評価の基準は実施例2と同様である。
電気抵抗値の測定は、測定器として三菱化成株式会社製のハイレスタIP(「ハイレスタ」は、三菱化成株式会社の登録商標)を用い、プローブはUR−100を用い、温度23℃、湿度50%RH雰囲気下の室温環境で測定し、温度70℃、湿度90%RH環境下に96時間放置後に同様に行った。測定箇所は、ベルト端部から30±5mmの箇所とベルト中央部にプローブのほぼ中心を置き、周方向にほぼ等間隔に計30点測定し、最大値と最小値を求め、最大値/最小値の比率を求めた。
図13は、以上のように、ベルトの電気抵抗値のばらつきが異なるベルトにより、実施例1と同様に印字を行い、その評価結果を示したものである。判定「○」は印刷画像に不具合がなくかつ装置トラブルがない場合を示し、「×」は印刷画像の劣化や装置トラブルがあったことを示している。
図13の評価結果より、放置前の電気抵抗値のばらつきが1.7倍超であるNo.5、No.6のベルトでは、初期の印刷では画像品質は良好であるが、6万枚通紙後、文字ぼやけが発生している。このNo.5、No.6のベルトでは、ベルト駆動装置に張架された状態で70℃、湿度90%で96時間放置後の電気抵抗値のばらつきは、3倍超となっている。
以上の評価結果より、長期に亘り高品位の印刷画像を得るためには、No.1〜No.4のベルトを使用する必要があり、放置前のベルトの電気抵抗値のばらつきが1.7倍以下で、高温多湿の環境に所定の時間放置後の電気抵抗値のばらつきが、3倍以下である必要があることが分かる。この電気抵抗値のばらつきを実現するイミド化率としては55%以上である。
前述の文字ぼやけは、ベルトに電気抵抗値のばらつきにより転写の際の転写電流値が変化し転写むらが生ずるために発生する。従って、この転写むらを防止するためには電気抵抗値のばらつきを小さくすればするほどよいが、電気抵抗値のばらつきを0とするためには、高精度で高額な設備を要し、結果的に無端ベルトの単価が非常に高くなり、一般の画像形成装置にこれを使用することはできない。
以上により、高温多湿の環境に放置する前の電気抵抗値のばらつきが1.7倍以下で、高温多湿状態にて長時間放置した後でも電気抵抗値のばらつきが3倍以下となるようにイミド化率を調整して製造するようにする。
なお、以上の説明ではイミド化率を変え、ベルトの寸法変化率を調整して製造するように説明したが、高温多湿の環境に所定時間放置後のベルトの電気抵抗のばらつきが3倍以下となるようにできれば、残留溶媒率を成型温度やその時間により調整するようにしてもよいし、他の調整方法によってもよい。
(実施例3の効果)
以上のように実施例3の画像形成装置によれば、PAIを基材とし高温多湿の環境に所定時間放置後の電気抵抗値の変化率が3倍以下の無端ベルトを使用するようにしたので、無用にコストを増加させることがなく、かつ長期に亘り高品位の印刷を実現することができる。
本発明は、無端ベルトを使用した電子写真プリンタ等の画像形成装置に広く用いることができる。
実施例1の画像形成装置の構成図(側面図)である。 実施例1の無端ベルト駆動装置の構成図である。 無端ベルト製造装置の構成図(断面図)である。 無端ベルト製造装置の構成図(側面図)である。 変形例の無端ベルト回転成型の構成図(側面図)である。 無端ベルト製造装置の構成図(側面図)である。 変形例の画像形成装置の構成図(側面図)である。 変形例の無端ベルト駆動装置の構成図である。 実施例1の無端ベルト端部の概略断面図である。 実施例1の無端ベルト端部の概略断面図である。 実施例1のベルトの残留溶媒量に対する評価結果を説明する図である。 実施例2のベルトの寸法変化率に対する評価結果を説明する図である。 実施例3のベルトの放置後の電気抵抗値変化に対する評価結果を説明する図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 記録材
11 感光ドラム
12 LEDヘッド
13 現像ユニット
14 無端ベルト
16 転写ロール
18 クリーニングベルト
19 駆動ロール
31 ガイド部材(フランジ)
201 成型金型
202 回転ローラ
203 従動ローラ
204 ベルト原料注入部
205 外側ヒータ
206 内側ヒータ

Claims (8)

  1. 電子写真記録装置の転写ベルトとして使用される半導電性の無端ベルトであって、
    ポリイミドアミドを基材とし導電性付与剤としてカーボンブラックを配合し有機極性溶媒にて攪拌混合して生成し、
    前記溶媒の全体残留溶媒量が、0.1%以上、0.5%以下でつ内周面と外周面の残留溶媒量の差0.2以下となるようにしたことを特徴とする無端ベルト。
  2. 前記無端ベルトの内周面と外周面の残留溶媒量の差は、0.1%以上であることを特徴とする請求項1記載の無端ベルト。
  3. 前記基材は、イミド化率を50%以上としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無端ベルト。
  4. 記無端ベルトは、前記基材のイミド化率を55%以上とし、温度70℃、湿度90%RH、96時間放置後のベルト搬送方向の内周長の寸法変化率0.1%以下としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無端ベルト。
  5. 記無端ベルトは、前記基材のイミド化率を70%以下とし、温度70℃、湿度90%RH、96時間放置後のベルト搬送方向の内周長の寸法変化率0.02%以上としたことを特徴とする請求項4記載の無端ベルト。
  6. 前記無端ベルトは、前記基材のイミド化率を55%以上とし、温度70℃、湿度90%RH、96時間放置後のベルト電気抵抗値の最大と最小の比が3倍以下となるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無端ベルト。
  7. 前記無端ベルトは、回転成型を用いて製造されることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか記載の無端ベル
  8. 請求項1ないし請求項7いずれか記載の無端ベルトを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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