JP2005084169A - ポリイミドフィルム、及びこれを有する転写ロール、転写搬送ベルト、中間転写体、並びにこれらを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくともポリイミド前駆体を含む塗布液により製造されたポリイミドフィルムであって、前記塗布液を塗布する基材に対して、前記塗布液の着滴直後の接触角と、1分後の接触角との比が、0.65以下となることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置用ポリイミドフィルム、該ポリイミドフィルムを用いた転写ロール、転写搬送ベルト、及び中間転写体、並びにこれらを備えた電子写真方式の画像形成装置。
【選択図】 なし
Description
また、EPDMからなる弾性層を設けた転写ロールを使用した場合、用紙が転写ロールを通過した後、像担持体上の残トナーが転写ロールを汚染し、次の用紙が転写ロールを通過する際に用紙裏面を汚してしまうという問題が発生する。この問題の解決には、クリーニングブレードの設置が提案されている。しかし、EPDMやウレタンゴム等の摩擦係数の大きいゴム材料を表面層に使用した場合には、ブレードの摺擦によって転写ロールが損傷したり、また、回転トルクが増大したりする問題が発生した。
これに対して、硬質で平滑な転写ロールのクリーニング方法として、金属ブレードを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)が、PFA等のフッ素樹脂のような柔らかい表面の転写ロールでは磨耗が激しく使用できない。
へこみの発生を抑制したポリイミドフィルムを用いた転写ロール、転写搬送ベルト、中間転写体、及びこれらを備えた電子写真方式の画像形成装置を用いると、画質が向上する。
本発明は、ポリイミド前駆体を含む塗布液を塗布した際、塗布する基材に対して、前記塗布液の着滴直後の接触角と、1分後の接触角との比が、0.65以下となることを特徴とするポリイミドフィルムである。種々の基材に対し、特定の接触角となるように調整することで、基材側に起因しない全てのへこみ現象の問題を解決した。これにより、基材の種類が異なる場合であっても、塗布液を着滴したときの接触角を測定することのみで、表面の凹部の発生を抑えたポリイミドフィルムを効率よく得ることが可能となった。
本発明のメカニズムは明らかになっていないが、以下のように推測する。表面の凹部の発生は、塗布液を基材に塗着した際の、塗液内に巻き込まれた泡や、局所的に生じた表面張力の差などが原因であると推測した。この原因に対し、基材に対し特定の接触角となる塗布液を用いることで、一旦表面に発生した凹部がレベリングされ、乾燥完了時までには凹部が消滅しているものと思われる。
さらに、鋭意研究の結果、本発明者らは、塗布液着滴直後の接触角と、1分後の接触角との比が、0.65以下であることが、課題解決に極めて重要であることを見出した。より好ましくは、該接触角の比が、0.55以下である。
本発明のポリイミドを成膜する時にベナードセル(柚子肌)が発生する場合、界面活性剤の添加が効果的である。界面活性剤の種類としては特に制限がなく、シリコーン系、フッ素系等多種多様のものが使用できるが、選択するに当り、溶媒との相溶性があること、濡れ性が著しく低下しないこと等の項目で問題が発生しない材料を選択することが好ましい。したがって、本発明にかかる特定の接触角となるように、界面活性剤の添加量を調整すれば、界面活性剤の種類を限定することなく使用することが可能である。但し、前述のように、溶媒との相溶性・濡れ性等を考慮する必要があり、用いる界面活性剤の種類が制限される場合もある。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、加熱或いは適当な触媒によりイミド化する部分を有するポリアミド酸溶液である。ポリイミド樹脂は、主鎖に環状イミド構造を持ったポリマーであれば、芳香族ポリイミドでも、脂環式ポリイミドでもよい。より具体的なポリイミド樹脂材料としては、例えば、ポリピロメリット酸イミド系のポリイミド樹脂材料、ポリビフィニルテトラカルボン酸イミド酸系樹脂材料等の熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂ポリイミド前駆体は、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体と芳香族ジアミンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることによって得られる。
本発明のポリイミドフィルムを電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写ベルト、転写搬送ベルト、これらの基材、転写ロールや帯電ロールの表面層、などに使用する場合、半導電性フィルムであることが好ましい。所望の電気抵抗のフィルムは、カーボンブラック等の導電剤を混合させる等の方法で得られる。
具体的には、酸性カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。
この揮発成分は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、発生する有機揮発成分(カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等)の割合により求めることができる。
本発明の転写ロールは、その表面に前記塗布液から形成されたポリイミドフィルムが設けられていることを特徴とする。該ポリイミドフィルムが設けられているロールは転写ロールに限らず、帯電ロール等としても使用可能である。また、該塗布液に導電剤を添加すると、半導電性転写ロールとすることができる。
本発明の中間転写体は、前記塗布液から形成されたポリイミドフィルムが設けられていることを特徴とする。また、前記半導電性ポリイミドフィルム表面に複数層の機能層を有するものであってもよい。また、該塗布液にカーボンブラック等の導電剤を添加すると、半導電性の中間転写体とすることができる。
本発明の転写搬送ベルトは前記塗布液から形成されたポリイミドフィルムが設けられていることを特徴とする。また、前記ポリイミドフィルム表面に複数層の機能層を有するものであってもよい。また、該塗布液にカーボンブラック等の導電剤を添加すると、半導電性の転写搬送ベルトとすることができる。
本発明の画像形成装置は電子写真方式であり、本発明のポリイミドフィルムを表面に有した転写ロール、帯電ロール、本発明のポリイミドフィルム単層、若しくは表層に複数の機能層を有した転写搬送ベルト又は中間転写体を、当該画像形成装置に組み込むものである。
○ ; へこみ未発生
× ; 塗膜面内に疎らで、滑らかなへこみ発生
×× ; 塗膜面内一面に、くっきりとしたへこみが発生
実施例1と同様、塗着直後には、へこみが多発しているが、乾燥する前に5分間放置して様子を観察していると回復した。乾燥後も回復状態を維持した。
実施例1と同様、塗着直後には、へこみが多発しているが、乾燥する前に5分間放置の放置の間に、徐々にへこみが回復し、完全にへこみが消滅した。乾燥後も回復状態を維持した。
塗布液は、界面活性剤濃度以外は実施例1と同条件で調整した。界面活性剤濃度を250ppm、1,000ppm、5,000ppm、10,000ppmとした塗布液を用いてポリイミドフィルムを作製した。へこみ評価も実施例1と同条件で行った。
上記条件で行った評価結果を表1に示した。塗着直後は界面活性剤濃度に関わらずへこみが塗膜一面に発生したが、10,000ppmのみ塗着直後から5分の間にへこみの回復が見られた。しかし、完全にレベリングされるまでには達しなかった。
2 中間転写体ベルト
3 記録媒体
4 帯電装置
5 ブラック用現像器
6 イエロー用現像器
7 マジェンタ用現像器
8 シアン用現像器
9 転写用コロナ放電器
10 転写ロール
11 フィードローラ
12 トレイ
14 搬送ベルト
15 定着器
16 ベルトクリーナ
17 ベルト位置センサ
21 駆動ローラ
22 バックアップローラ
23 テンションローラ
24 從動ローラ
25 クリーニングブレード
26 金属ローラ
30 芯金
32 下地層
34 表面層
36 転写ロール
Claims (12)
- 少なくともポリイミド前駆体を含む塗布液により製造されたポリイミドフィルムであって、前記塗布液を塗布する基材に対して、前記塗布液の着滴直後の接触角と、1分後の接触角との比が、0.65以下となることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置に用いられるポリイミドフィルム。
- 前記塗布液が導電剤を含み、前記ポリイミドフィルムが半導電性であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム。
- 前記塗布液の着滴直後の接触角と、1分後の接触角との比が、0.55以下となることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミドフィルム。
- 前記塗布液が、熱可塑性ポリイミドを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
- 前記塗布液が、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
- 前記塗布液が、前記界面活性剤を0.005質量%以上0.05質量%以下含有することを特徴とする請求項5に記載のポリイミドフィルム。
- トナー像を被記録体に転写するための転写ロールであって、表面が、請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミドフイルムで形成されてなることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置に用いられる転写ロール。
- 少なくとも画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像手段と、前記トナー像を被記録体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置であって、前記転写手段が、請求項7に記載の転写ロールを有することを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
- 被記録体を搬送しつつ、トナー像を記録紙に転写するための転写搬送ベルトであって、請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミドフイルムを有してなることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置に用いられる転写搬送ベルト。
- 少なくとも画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像手段と、被記録体を搬送しつつ、前記トナー像を転写する転写搬送手段と、を備える画像形成装置であって、前記転写搬送手段が、請求項9に記載の転写搬送ベルトを有することを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
- 像担持体上に形成されたトナー画像が一次転写される中間転写体であって、請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミドフイルムを有してなることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写体。
- 画像情報に応じた静電潜像を形成する像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像手段と、前記像担持体に担持されたトナー像を中間転写体上に転写する中間転写手段と、前記中間転写体上のトナー像を被記録体に転写する転写手段と、を備える画像形成装置であって、前記中間転写体が、請求項11に記載の中間転写体であることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
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2003
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