JPH1124429A - 画像形成装置と同装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法 - Google Patents

画像形成装置と同装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法

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JPH1124429A
JPH1124429A JP9178725A JP17872597A JPH1124429A JP H1124429 A JPH1124429 A JP H1124429A JP 9178725 A JP9178725 A JP 9178725A JP 17872597 A JP17872597 A JP 17872597A JP H1124429 A JPH1124429 A JP H1124429A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写時にトナー飛散のない良質の画像が得ら
れ、かつ除電機構を必要とすることがなく、さらにはホ
ローキャラクタの発生を防止することが可能な画像形成
装置を提供する。 【解決手段】 本発明の画像形成装置は、像担持体1に
形成された静電潜像を現像装置4により可視化されたト
ナー像とし、一次転写された中間転写ベルト7上のトナ
ー像をバイアスロール10で記録媒体Pに二次転写す
る。中間転写ベルトは、ポリイミド樹脂等の機械特性に
優れた材料を構成成分とするヤング率 35000kg/cm2
以上の基材と、フッ素樹脂等の表面エネルギーの小さい
材料を構成成分として、体積抵抗率が1010〜1013Ω
cmの範囲にある表面層との少なくとも2層構造からな
る。中間転写ベルトが3層構造の場合は、中間層を弾性
材料で構成するか、または中間層を接着剤層として表面
層のヤング率が15000kg/cm2以下の材料で構成する
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機,
レーザプリンター,ファクシミリ,これらの複合OA機
器等の電子写真方式を利用した画像形成装置に関する。
より具体的には、像担持体に形成されたトナー像を一旦
中間転写ベルトに一次転写した後、これを用紙等の記録
媒体に転写して再生画像を得るようにした画像形成装置
および同装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した画像形成装置
は、無機または有機光導電性材料で構成された感光体か
らなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変
調したレーザ光等で静電潜像を形成した後、帯電したト
ナーにより静電潜像を現像して可視化されたトナー像と
する。そして、このトナー像を直接あるいは中間転写体
を介して、用紙等の記録媒体に転写することにより所要
の再生画像を得る。像担持体上に形成されたトナー像を
中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像
を記録媒体に二次転写する方式を採用した画像形成装置
は、例えば特開昭62−206567号公報に開示され
ている。中間転写体方式を採用した画像形成装置に用い
られるベルト材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)(特開平5−200904号公報,同
6−228335号公報)、ポリカーボネート(PC)
(特開平6−95521号公報)、ポリアルキレンテレ
フタレート(PAT)(特開平6−149081号公
報)、PATとPCとのブレンド材料(特開平6−14
9083号公報)、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE)とPCとのブレンド材料,ETF
EとPATとのブレンド材料,ETFEとPCとPAT
とのブレンド材料(特開平6−149079号公報)等
の熱可塑性樹脂にカーボンブラック等の導電剤を分散さ
せた導電性無端ベルトが提案されている。上記PVD
F,PC等の熱可塑性樹脂で構成された導電性材料は、
ヤング率が24000kg/cm2以下と機械特性に劣るため
に、ベルトにかかる駆動時の応力に対するベルトの変形
が大きく、中間転写ベルトに適用した場合に高品質の転
写画像が安定して得られず、また駆動時にベルト端部に
クラックが発生するためベルトの耐久性に劣るなどの問
題がある。
【0003】機械特性に優れた材料としては、熱硬化性
ポリイミド樹脂等を挙げることができる。例えば、特開
昭63−311263号公報には、カーボンブラック分
散のポリイミド樹脂からなるシームレスベルトが提案さ
れている。このシームレスベルトは、ポリイミド前駆体
であるポリアミド酸の溶液中に導電剤としてカーボンブ
ラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾
燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸
してポリイミドフィルムを形成し、更に適当な大きさに
切り出してエイドレスベルトとすることにより製造され
る。上記フィルム成形の一般的な方法は、カーボンブラ
ックを分散したポリマー溶液を円筒金型に注入して、例
えば110〜150℃に加熱しつつ1000〜2000 rpmの回
転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形によりフィ
ルム状に成膜する。得られたフィルムを半硬化した状態
で脱型して鉄芯に被せ、300〜450℃でイミド化反
応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化が行
われる。しかしながら、上記遠心成形法等の回転式成形
法では、成形および本硬化の工程において、溶媒の蒸発
が不均一になる場合にはフィルム表面に微小な凹凸が形
成される。そのため、このようなフィルムから製造され
る中間転写ベルトを用いて二次転写を行うと、微小な凹
凸に起因して、記録媒体に転写された画像に微小な転写
不良(白抜け)が発生する等の問題がある。一方、平滑
なフィルムを得ようとすると、溶媒の蒸発乾燥およびポ
リアミド酸の硬化を行う成形・硬化工程に長時間を要
し、ベルトの製造コストが嵩むことになる。
【0004】ここに、上記成形方法で形成されたカーボ
ンブラック分散のポリイミド樹脂フィルムの表面抵抗率
と体積抵抗率の関係を図11に示す。同図に示すよう
に、樹脂フィルムの表面抵抗率が1013Ω/□のときの
体積抵抗率は109.5Ωcm である。中間転写ベルトの表
面抵抗率が1013Ω/□より高くなりすぎると、像担持
体と中間転写体が離間する一次転写部のポストニップ部
で剥離放電が発生してしまい、放電発生部分が白抜けす
る放電抜けとなってしまう。したがって、上記樹脂フィ
ルム単層の中間転写ベルトを用いて白抜けを回避しよう
とすると、その体積抵抗率の可使用領域は109.5Ωcm
未満となる。その場合、中間転写ベルト自身の導電性に
より、像担持体から転写ベルトに転写された未定着トナ
ー像の電荷を保持する静電的な力が働かなくなるため、
トナー同士の静電的反撥力や画像エッジ付近のフリンジ
電界の力によって、画像周囲にトナーが飛散してしまい
(ブラーの発生)、ノイズの大きい画像が形成されると
いう問題が生じる。また、導電性金属酸化物分散のポリ
イミド樹脂フィルムの表面抵抗率と体積抵抗率の関係を
示す図12から、樹脂フィルムの表面抵抗率が1013Ω
/□のときの体積抵抗率は107.3Ωcm である。したが
って、導電剤として金属酸化物を用いた場合、上述の白
抜けとブラーの発生を同時に回避できる樹脂フィルムの
体積抵抗率領域は存在しない。
【0005】ポリイミド樹脂は機械特性に優れているた
め、バイアスロールにより中間転写ベルトを像担持体に
押圧した時、その押圧力によるベルトの変形が小さい。
このような状態で、電界を作用させてトナー像を静電的
に中間転写ベルトに転写すると、一次転写部においてバ
イアスロールによる押圧力の荷重が集中する。その結
果、トナー像が凝集し、電荷密度が高くなるため、トナ
ー層内部で放電が発生してトナーの極性を変化させるこ
とがある。このような要因によって、ライン画像が中抜
けするホローキャラクタの画質欠陥が発生するという問
題がある。この点は、バイアスロールにより用紙を介し
て中間転写ベルトがバックアップロールに押圧される二
次転写部においても、同様の問題がある。上記画質欠陥
を防止する対策として、例えば表面を弾性材料で構成し
たベルト材料が挙げられるが、シリコーンゴム等のゴム
材料を表面材料とする場合には、ゴム材料に粘着性があ
るため、二次転写時にトナー像が記録媒体に転写しない
という問題が発生する。
【0006】ホローキャラクタ等の画質欠陥の対策とし
て、我々は、機械特性に優れた基材と、フッ素系ゴム等
の弾性材料で構成された中間層と、フッ素樹脂等の表面
エネルギーの小さい材料で構成された表面層の3層構造
のベルト材料からなり、基材のみに導電剤を分散させた
中間転写ベルトを既に特許出願した(特願平8−236
011号)。しかし、弾性材料の体積抵抗率が1014Ω
cmより高くなると、一次転写における転写電界により中
間転写ベルト表面が帯電するために、除電機構が新たに
必要である。また、フッ素系樹脂に導電性フィラーを所
定の割合で配合して体積抵抗率を107〜1010Ωcm に
調整した導電性材料を表面層とする導電性プラスチック
ベルトが、特開平7−92825号公報に提案されてい
る。しかし、この公報に開示されたベルトは実質的に単
層の樹脂材料からなり、表面層の樹脂材料に弾性がない
ため、ライン画像が中抜けするホローキャラクタの画質
欠陥が発生するという問題がある。しかも、体積抵抗率
が109.5Ωcm より低いと、像担持体から中間転写体へ
の一次転写時にバイアスロールまたはコロトロン等の一
次転写装置によって与えられた電荷が、中間転写体自身
の導電性により帯電電荷が除去されてしまう。その結
果、前述のようにブラーが発生して、ノイズの大きい画
像が形成されるという問題がある。特に、多重転写画像
のように、単位面積当たりのトナー量の多い画像周りで
はこの現象が顕著に現れ、カラー画像形成装置にとって
致命的な欠陥となってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において、
機械特性に劣る熱可塑性樹脂で構成された導電性のベル
ト材料は、駆動時の応力に対するベルトの変形が大き
く、高品質の転写画像が安定して得られない。また、導
電性のポリイミド樹脂やフッ素系樹脂からなる単層構造
のベルト材料は、体積抵抗率の可使用領域が低すぎてブ
ラーが発生するという問題があり、導電剤非分散の弾性
体層を設けた中間転写ベルトは、体積抵抗率が高すぎる
ため除電機構が必要になるという欠点がある。一方、機
械特性に優れたポリイミド樹脂で構成されたベルト材料
は、転写部でのバイアスロールの押圧力によるベルトの
変形が小さいので、トナー像が凝集してホローキャラク
タの画質欠陥を発生させるという問題がある。さらに、
シリコーンゴム等のゴム材料で表面を被覆したベルト材
料の場合には、ゴム材料に粘着性があるため、二次転写
時にトナー像が記録媒体に転写しないという問題が生じ
る。そこで、本発明の目的は、上述の問題点を解消しよ
うとするものであって、転写時にトナー飛散のない良質
の画像が得られ、かつ除電機構を必要とすることがな
く、しかも高品質の転写画像が安定して得られる画像形
成装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、二次転写性が良好であり、さらには駆動時の応力に
対するベルト材料の変形が小さいことに起因するホロー
キャラクタ等の画質欠陥の発生を防止することが可能な
画像形成装置および中間転写ベルトの製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題点
を解消すべく鋭意研究・検討を重ねてきたところ、機械
特性に優れた樹脂材料で構成された基材と、体積抵抗率
を特定の範囲に設定した表面層からなるベルト材料を中
間転写ベルトとして用いることによって、前者の主目的
が達成されることを見い出した。さらに、非粘着性で表
面エネルギーの小さい材料を表面層とし、またベルト材
料に応力の集中を回避する弾性を持たせるか、あるいは
表面層のヤング率を比較的小さくすることによって、更
に後者の目的が達成されることを見い出して、本発明を
なすに到ったものである。
【0009】すなわち、本発明の画像形成装置は、画像
情報に応じた静電潜像が形成される像担持体と、像担持
体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として
可視化する現像装置と、像担持体上に担持されたトナー
像が一次転写される中間転写ベルトと、中間転写ベルト
上の未定着トナー像を記録媒体に二次転写するバイアス
ロールとを備え、上記中間転写ベルトはその層構造が少
なくとも基材と表面層を有する複数層のベルト材料から
なり、基材は導電剤が分散された樹脂材料で構成され、
かつそのヤング率が35000kg/cm2 以上であ
り、さらに表面層の体積抵抗率が1010Ωcmより高く1
13Ωcm以下の範囲にあることを特徴とする。上記ベル
ト材料において、表面層が導電剤分散の表面エネルギー
の小さい材料で構成され、さらには基材と表面層の間に
弾性を有する中間層を介在させるか、あるいは表面層の
構成材料がゴム変性フッ素樹脂材料またはヤング率15
000kg/cm2 以下のフッ素樹脂材料であることが
好ましい。また、本発明の画像形成装置用中間転写ベル
トの製造方法は、導電剤分散の樹脂材料で構成されたヤ
ング率が35000kg/cm2 以上の基材上に、フッ
素系高分子材料およびカーボンブラックを含有する塗布
液をコーティングした後、250℃以上に加熱して、カ
ーボンブラック分散のフッ素ゴム材料で構成された中間
層と、体積抵抗率が1010Ωcmより高く1013Ωcm以下
の範囲にあるカーボンブラック分散のフッ素樹脂材料で
構成された表面層とを形成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、中間転写ベルト方式の画像形成装置であれ
ば、特に限定されるものではない。例えば、現像装置内
に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形
成装置や、感光体ドラム等の像担持体上に担持されたト
ナー像を中間転写ベルトに順次一次転写を繰り返すカラ
ー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持
体を中間転写ベルト上に直列に配置したタンデム型カラ
ー画像形成装置等に適用される。一例として、一次転写
を繰り返すカラー画像形成装置の概要を図1に示す。同
図において、感光体ドラムからなる像担持体1の周囲に
は、その回転方向に沿って順次、帯電器2、画像書込手
段3、現像装置4、一次転写器5、クリーニング装置6
等が配置されている。また、像担持体1表面に当接しな
がら該像担持体1と一次転写器5の間を矢印方向に走行
する中間転写ベルト7が、テンションロール8a,8
b,8cおよびバックアップロール9に張架されてい
る。バックアップロール9およびテンションロール8a
と対向する位置には、中間転写ベルト7を介して、それ
ぞれバイアスロール10およびベルトクリーナ11が配
置されている。一次転写器5が中間転写ベルト7を介し
て像担持体1に押圧する部位が一次転写部となり、像担
持体1と一次転写器5の間には一次転写電圧が印加され
る。バイアスロール10がバックアップロール9に押圧
する二次転写部において、バックアップロール9にはバ
イアスロール10に二次転写電圧を印加する電極部材1
2が押接している。
【0011】図1に示すカラー画像形成装置において、
矢印方向に回転する像担持体1表面が帯電器2で一様に
帯電された後、画像処理されたレーザ光等の画像書込手
段3により、第1色目の静電潜像が形成される。静電潜
像はその色に対応するトナーを収容した現像装置4によ
り可視化され、トナー像が形成される。このトナー像
は、一次転写部を通過する際に、一次転写器5によって
中間転写ベルト7上に静電的に一次転写される。以降同
様にして、第1色目のトナー像を担持した中間転写ベル
ト7上に、第2色目,第3色目,第4色目のトナー像が
順次重ね合わせられるように一次転写され、最終的にフ
ルカラー多重トナー像が得られる。上記現像装置4は、
各色の静電潜像に対応するトナーを収容した複数の現像
器41〜44を有する。すなわち、各現像器には、それぞ
れ黒(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の
各色トナーが収容されている。
【0012】上記多重トナー像は、二次転写部を通過す
る際に、給紙トレイ13から所定のタイミングで供給さ
れる記録媒体(以下、用紙Pで代表する)に静電的に一
括転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装
置14に搬送され定着処理された後、機外に排出され
る。一次転写後の像担持体1はクリーニング装置6等に
より残留トナーや電荷が除去され、二次転写後の中間転
写ベルト7はベルトクリーナ11により残留トナーが除
去され、次の画像形成プロセスに備える。フルカラー以
外の多色画像を形成する場合は、2個または3個の現像
器に多色画像に対応したトナーを収容することになる。
また、単色の静電潜像が形成されるよう画像処理された
画像書込手段3により、像担持体1上に静電潜像を形成
して、その色に対応するトナーのみを現像装置4に収容
した場合、図1に示す画像形成装置をモノカラー画像形
成装置に適用することができる。さらに、感光体ドラム
(1)を公知のベルト感光体に置き換えることもできる。
【0013】前記一次転写器5としては、コロトロン等
のコロナ転写器、転写ロール、転写ブレードなどが用い
られる。一次転写器5には1〜5kVの電圧が印加さ
れ、像担持体1と一次転写器5との間に発生する電界の
作用により、像担持体1に担持されたトナー像が中間転
写ベルト7に一次転写される。前記バックアップロール
9はバイアスロール10の対向電極を形成する。バック
アップロール9の層構造は、単層あるいは多層のいずれ
でもよい。例えば、単層構造の場合は、シリコーンゴ
ム,ウレタンゴム,EPDM(エチレンプロピレンジエ
ンゴム)等にカーボンブラック等の導電性微粉末が適量
配合されたロールで構成される。2層構造の場合は、体
積抵抗率を適宜調節した単層の場合のロールを下層とし
て、その外周面に例えばフッ素樹脂を被覆した導電性の
表面層から構成される。フッ素樹脂としては、FEP
(テトラフルオロエチレン(TFE)−ヘキサフルオロプ
ロピレン(HFP)共重合体),PFA(TFE−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が挙げられ
る。
【0014】転写電極を形成するバイアスロール10
は、像担持体1に担持されたトナー像が中間転写ベルト
7上に一次転写される間は転写ベルト7から離間してお
り、転写ベルト7に担持されたトナー像を用紙Pに二次
転写する時は、転写ベルト7に圧接してこれをバックア
ップロール9に押圧するように構成される。上記バイア
スロール10の層構造は、特に限定されるものではな
く、単層あるいは多層のいずれでもよい。例えば単層構
造の場合は、シリコーンゴム,ウレタンゴム,EPDM
等にカーボンブラック等の導電剤が適量配合されたロー
ルで構成される。2層構造の場合は、体積抵抗率を適宜
調節した単層の場合のロールを下層として、その外周面
に例えばフッ素樹脂を被覆した導電性の表面層から構成
される。フッ素樹脂としては、FEP,PFA等が挙げ
られる。また、下層を発泡体で構成して、下層と表面層
の間に適宜のゴム材料からなる中間層を介在させた3層
構造とすることもできる。このバイアスロール10は、
硬度がアスカーCで20〜45°の範囲にあることが好
ましい。電極部材12としては、電気良導性の部材であ
れば特に限定されるものではなく、例えばアルミニウ
ム,ステンレス鋼,銅等からなる金属ロール,導電性ゴ
ムロール,導電性ブラシ,金属プレート,導電性樹脂プ
レート等が用いられる。電極部材12からは、バックア
ップロール9を通じて−2〜−5kVの転写電圧がバイ
アスロール10に印加される。電極部材12に印加され
る電圧の極性は、トナーの帯電極性に応じて逆極性
(+)にしてもよい。以上の二次転写部において、電極
部材12は必ずしも必要な部材ではなく、例えばバック
アップロール9の導電性シャフトまたバイアスロール1
0に上記転写電圧を印加してもよい。
【0015】本発明において、前記中間転写ベルト7と
しては、ヤング率が所定の範囲にある基材と、体積抵抗
率が所定の範囲にある表面層を少なくとも有する複数層
のベルト材料からなる。複数層の例としては、図2に示
すように、基材7aおよび表面層7bの2層構造の他
に、基材7a,中間層7cおよび表面層7dの3層構造
等を挙げることができる。2層構造の場合、樹脂材料お
よび導電剤を構成成分とする機械特性に優れた基材7a
と、体積抵抗率が特定の範囲にあり、好ましくは表面エ
ネルギーが小さく弾性のある材料および導電剤を構成成
分とする表面層7bとから形成される。また、3層構造
の場合は、機械特性に優れた上記基材7aと、中間層7
cと、体積抵抗率が特定の範囲にある上記表面層7dか
ら形成される。基材を構成する樹脂材料としては、ポリ
エーテルスルホン、ポリエーテルケトン(ポリエーテル
エーテルケトンを含む)、ポリイミド等が挙げられる
が、入手のしやすさからポリイミドが好ましく用いられ
る。これらの樹脂は、機械特性に優れ、従来使用されて
きた熱可塑性樹脂と比較して、駆動時のベルトの変形が
小さいという特長がある。
【0016】ポリエーテルスルホンは、−Ar−で示さ
れる二価の芳香族炭化水素残基がそれぞれ1個以上のエ
ーテル基(−O−)およびスルホニル基(−SO2 −)
を介して結合するか、あるいは二価のジベンゾフラン残
基の一方にスルホニル基が結合した繰り返し単位を有す
るポリマーである。Arとしては、ベンゼン,ビフェニ
ル,ナフタレン,ターフェニルまたはアルキレン基,硫
黄原子もしくはカルボニル基を介して結合した2個のベ
ンゼン等が挙げられる。ポリエーテルケトンは、同じく
−Ar−で示される二価の芳香族炭化水素残基がそれぞ
れ1個以上のエーテル基(−O−)およびカルボニル基
(−CO−)を介して結合した繰り返し単位を有するポ
リマーである。Arとしては、ベンゼン,ビフェニル,
ナフタレンまたはアルキレン基もしくはアミド基を介し
て結合した2個のベンゼン等が挙げられる。
【0017】ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸二
無水物とジアミンまたはジイソシアネートとをモノマー
成分として縮重合により合成されたポリマーである。ポ
リイミドのテトラカルボン酸成分としては、ピロメリッ
ト酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン
酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、
2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,
3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン
酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸、アゾベンゼン−3,3′,4,4′−テト
ラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)
メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタ
ン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
【0018】ジアミン成分としては、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノト
ルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノ
クロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリ
レンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−
ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、
2,4′−ジアミノビフェニル、ベンジジン、3,3′−
ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジ
ン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル(オキシ−p,p′−ジア
ニリン;ODA)、4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノアゾ
ベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、β,
β−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられ
る。前記ジイソシアネート成分としては、上記したジア
ミン成分におけるアミノ基がイソシアネート基に置換し
た化合物等が挙げられる。これらポリイミドの市販品と
しては、例えばODAをジアミン成分とするピロメリッ
ト酸系ポリイミド(カプトンHA:デュポン社製)や、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸系ポ
リイミド(ユーピレックスS:宇部興産(株)製)、3,
3′−ジアミノベンゾフェノンをジアミン成分とする
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
系熱可塑性ポリイミド( LARC−TPI:三井東圧化学工業
(株)製)等が挙げられる。
【0019】基材に分散させる導電剤としては、カーボ
ンブラック,グラファイト等の導電性炭素系物質、アル
ミニウム,銅合金等の金属または合金、更には酸化錫,
酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化インジウム,チタン酸
カリウム,酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(AT
O),酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等
の導電性金属酸化物、下記の一般式で表される電解質な
どの1種または2種以上の微粉末が用いられる。上記金
属酸化物は、硫酸バリウム,炭酸カルシウム,ケイ酸マ
グネシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものであっても
よい。なお、後述の表面層(7b,7d)および中間層
(7c)に分散される導電剤は、上記したようなものを用
いることができる。 Xn M (式中、Xは、フッ素,塩素,チオシアン酸,過塩素
酸,テトラフルオロ硼酸,ヘキサフルオロリン酸,トリ
フルオロメタンスルホン酸,トリフルオロ酢酸,オクタ
デカンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等のア
ニオン成分を示し、Mは、リチウム,ナトリウム,カリ
ウム等のアルカリ金属、マグネシウム,カルシウム,バ
リウム等のアルカリ土金属、第四級アンモニウムなどの
カチオン成分を示す。また、nは上記Mの原子価に応じ
て1または2の整数を意味する。) これらの導電剤の中でも、価格および環境安定性の点で
カーボンブラックが好ましい。さらに分散性の観点か
ら、三井金属(株)製の平均粒子径が0.1μmの酸化錫
系複合酸化物(製品名:UF),0.3μmの亜鉛系酸
化物(パストランType−II),平均粒子径が0.4μm
の硫酸バリウム表面に錫系酸化物を被覆したもの(パス
トランType−IV)、0.2μmのATO,0.2μmの
ITO等の平均粒子径が1μm以下の金属酸化物も好適
に用いられる。
【0020】導電性金属酸化物はシラン系カップリング
剤で表面処理することが好ましい。表面処理された金属
酸化物は、基材を構成する樹脂との相溶性が向上するた
め、その分散が均一になり、基材の抵抗値のバラツキが
抑制される。シラン系カップリング剤としては、ビニル
トリクロロシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン,γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン,N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。基材の体
積抵抗率は108〜1010Ωcm の範囲にあることが好ま
しく、導電剤の選択や配合量の調整等により、上記範囲
に調整することができる。
【0021】ところで、ベルト駆動時の負荷によるベル
トの伸び・縮み(変位量)は、ベルト材料のヤング率に
逆比例することが知られている。すなわち、ベルト材料
のヤング率とベルト駆動時の負荷によるベルトの変位量
との関係は、下記の式(1)で表すことができる。 Δl = α・P・l/(t・w・E) (1) Δl:ベルトの変位量(μm) α:係数 P:負荷(N) l:2本のテンションロール間のベルトの長さ(mm) t:ベルトの厚さ(mm) w:ベルト幅(mm) E:ベルト材料のヤング率(N/mm2) PC,PVDF等の従来使用されてきた熱可塑性樹脂材
料は、カーボンブラックを分散したときのヤング率が24
000kg/cm2以下である。これに対して、本発明にお
いては、基材のヤング率を35000kg/cm2以上と大き
くしたので、ベルト駆動時の外乱(負荷変動)が同一の
場合、ベルトの伸び・縮みが従来より30%以上も少な
くなる。したがって、例えば基材より上層の表面層また
は中間層を弾性材料で構成することによって、高品質の
転写画像が安定して得られる。ベルト駆動時の外乱によ
るベルトの変位量を少なくして、良質の転写画像を得る
ためには、基材の厚みは50μm以上であることが好ま
しい。また、基材が厚くなりすぎると、ベルト表面の変
形が大きくなり、カラー画像を形成する場合、多重トナ
ー像の位置がずれて色ズレが発生するようになるので、
基材の厚みは50〜150μm、特に70〜100μm
の範囲にあることが好ましい。
【0022】本発明において、ベルト材料が2層構造の
場合、表面層は表面エネルギーの小さい材料、すなわち
水の濡れ性で表示したときの水滴との接触角が90°以
上の導電剤分散の材料で構成されることが好ましい。
「水の濡れ性」とは、表面層を構成する材料を試験片と
して用い、この試験片平面と水滴との接触角を尺度とし
て表示される。図3に示すように、試験片表面に水滴を
おくと、試験片の表面張力γs ,液体/試験片間の界面
張力γi ,液体の表面張力γl が釣り合って、ある一定
の形を形成する。この時、液滴が小さく重力の影響を無
視できれば、ヤング(Young )の式(2)が成り立つ。 γs = γi + γlcosθ (2) そして、本発明における「表面エネルギーの小さい材
料」とは、上記接触角θが90°以上の材料を意味す
る。
【0023】さらに、表面エネルギーについて、「濡
れ」という観点から説明を付け加えておく。濡れとは、
マクロな視点からみると、固体と気体の接触面が自発的
に固体と液体の接触面に置き換わる現象であり、系の自
由エネルギーの減少を伴う。また、ミクロな視点からみ
れば、液体の分子間引力すなわち凝集力よりも、固体と
液体の間の分子間引力(付着力)が大きいときにみられ
る現象である。自由エネルギーの変化は、既に濡れが起
こっている固体と液体が接触している系から出発し、固
体と液体を引き離すのに必要な仕事の符号(±)を逆に
したものであることが知られている。上記仕事Wは下記
の式(3)で表される。 W = γsg + γlg − γsl (3) ここで、γsg,γlg,γslは、それぞれ固体/気体間、
液体/気体間、固体/液体間の界面自由エネルギーであ
り、前記式(2)中の γs,γl ,γi とそれぞれ同義で
ある。上記式(3)から明らかなように、自由エネルギー
の変化は、固体の表面自由エネルギーと固体/液体間の
界面自由エネルギーを含むが、両者共に直接には実測で
きないので、固体と液滴との接触角が利用される。すな
わち、上記したγsg,γlg,γslと接触角θとの間に
は、前記したヤング(Young )の式が成立する。 cosθ = (γsg − γsl)/γlg (2′) そこで、本発明では、表面層を構成する材料の表面エネ
ルギーを該表面層平面と水滴との接触角θで表示するこ
とにした。
【0024】かかる材料としては、導電剤を分散したフ
ッ素系高分子材料が好適である。フッ素系高分子材料
は、表面エネルギーが小さいので、ベルト表面にトナー
が付着し難いという特性を有するので、ベルト材料から
用紙への二次転写が容易になるだけでなく、トナー固着
によるホローキャラクタも発生し難くなる。上記高分子
材料としては、各種ゴム材料で変性されたフッ素樹脂が
好ましく用いられる。ゴム変性されたフッ素樹脂は、非
粘着性で弾性を有するので、ニップの荷重によるホロー
キャラクタの発生を防止することができる。そのため、
良質の画像を得ることができる。フッ素樹脂としては、
TFE樹脂,PFVD,ETFE,FEP,PFA等が
挙げられる。フッ素樹脂を変性するゴム材料としては、
特に限定されるものではないが、ウレタンゴムやフッ素
ゴムが好適に用いられる。例えば、ウレタンゴムを用い
た場合、ポリウレタンのソフトセグメントによってベル
ト材料に弾性が付与される。また、導電剤としては、価
格の点でカーボンブラックが好適に用いられる。このよ
うな導電剤分散のゴム変性フッ素樹脂は、水滴との上記
接触角θが90°以上である材料が用いられる。ゴム変
性フッ素樹脂の市販品としては、ウレタンゴムおよびT
FE樹脂を含有する水エマルジョン塗料(エムラロン3
45,JYL−601)にカーボンブラックを分散させ
た日本アチソン(株)製のエムラロン345ESD,JY
L−601ESD、フッ素ゴムおよびFEPを含有する
水エマルジョン塗料(ダイエルラテックスGLS−21
3)にカーボンブラックを分散させたダイキン工業(株)
製のダイエルラテックスNF−915等が挙げられる。
【0025】ベルト材料の表面層は、その体積抵抗率が
1010Ωcmより高く1013Ωcm以下(これは、1010Ω
cmを含まないが、以下便宜上1010〜1013Ωcmとす
る)の範囲にある。好ましくは、1010.3〜1012Ωcm
の範囲である。この体積抵抗率は、基材の場合と同様
に、導電剤の選択や配合量の調整等により、上記範囲に
容易に調整することができる。体積抵抗率が1010Ωcm
以下 特に109.5Ωcm以下になると、像担持体から中間
転写ベルトへのトナー像の一次転写時に、一次転写器に
よって付与された電荷が中間転写ベルト自身の導電性に
より帯電電荷が除去されてしまう。その結果、像担持体
から中間転写ベルトに転写された未定着トナー像の電荷
を保持する静電的な力が働かなくなるため、トナー同士
の静電的反撥力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力に
よって、画像周囲にトナーが飛散してしまい(ブラーの
発生)、ノイズの大きい画像が形成されるようになる。
一方、体積抵抗率が1013Ωcmより高い特に1014Ωcm
以上になると、一次転写時の転写電界により中間転写ベ
ルト表面が帯電するため、除電機構が必要となる。ベル
ト材料の層構造が2層の場合、ホローキャラクタの発生
を防止するためには、表面層の厚みはトナー平均粒径の
3倍以上あることが好ましい。ここに、トナー平均粒径
とはその体積平均粒子径を意味し、通常3〜13μmの
範囲にあるトナーが使用される。一例として、体積平均
粒子径7μmのトナーを使用した場合、表面層の厚みは
21μm以上であることが好適となる。また、表面層が
厚くなりすぎると、テンションロール(8a〜8c;9)
部位でのベルト表面とベルト裏面の変形量の差異が大き
くなるので、表面層の厚みは一般に80μm以下に設定
される。より好ましい厚みの範囲を示すと30〜65μ
mである。
【0026】薄膜の表面層は、通常、導電剤が分散され
たフッ素系高分子材料含有の塗布液を基材上にコーティ
ングした後、加熱することにより形成される。基材は、
遠心成形法等で成形された円筒状フィルムを適当な幅に
切削するか、あるいはキャスティング法で成形されたシ
ート状フィルムを適当な長さと幅に切削した後、シート
両端部を接着剤で接合して、予めシームレスベルトとす
ることが好ましい。塗布法としては、刷毛塗り,ディピ
ング法,スプレー法,ロールコータ法等を採用すること
ができる。また、基材上に形成された塗膜は100〜1
80℃で5〜35分間加熱することにより、フッ素系高
分子材料が硬化される。この加熱条件は、温度が高いほ
ど、加熱時間を短くすることができるが、表面層の体積
抵抗率が高くなる傾向にあるので、温度を低く設定した
ときと比較して導電剤の配合量を多少多くする必要があ
る。
【0027】次に、本発明の中間転写ベルトが3層構造
のベルト材料からなる場合について説明する。3層構造
のベルト材料は、前述したように、基材7a上に中間層
7cと表面層7dが被覆されている。基材7aは、前記
2層構造のベルト材料の場合と同様であり、ヤング率3
5000kg/cm2 以上の導電剤が分散された樹脂材
料で構成される。中間層7cは、導電剤分散もしくは非
分散の弾性材料または接着剤で構成される。また、表面
層7dは、中間層7cの構成材料に応じて、構成材料や
厚みの範囲が異なってもよいが、表面エネルギーが小さ
い導電剤分散の材料で構成されることが好ましく、体積
抵抗率が1010〜1013Ωcmの範囲にある点は2層構造
における表面層7bと同様である。中間層7cと表面層
7dの好ましい材料の組合せとしては、i)中間層が導
電剤分散の弾性材料で構成され、表面層が導電剤分散の
フッ素系高分子材料で構成されたもの、ii)中間層が導
電剤分散または非分散の弾性材料で構成され、表面層が
導電剤分散のゴム変性フッ素樹脂材料で構成されたも
の、iii)中間層が接着剤で構成され、表面層がヤング率
15000kg/cm2 以下でかつ表面エネルギーの小
さい導電剤分散の材料で構成されたもの等が挙げられ
る。
【0028】上記組合せi)において、中間層は、バイ
アスロールの押圧力による応力の集中を回避するため
に、導電剤分散の弾性材料で構成される。この弾性材料
は、特に限定されるものではなく、任意のゴム材料を用
いることができる。その具体例としては、イソプレンゴ
ム,クロロプレンゴム,ブチルゴム,エピクロルヒドリ
ン系ゴム,ノルボルネンゴム,フッ素ゴム,シリコーン
ゴム,ウレタンゴム,アクリルゴム,EPDM,SBR
(スチレン−ブタジエンゴム),NBR(アクリロニト
リル−ブタジエンゴム),スチレン−ブタジエン−スチ
レンゴム等の1種または2種以上が用いられる。中間層
は、通常塗布法により形成されるので、フッ素ゴム,シ
リコーンゴム等の耐熱性のある弾性材料が好ましく用い
られる。フッ素ゴムとしては、TFEゴム,PVDF,
ポリクロロトリフルオロエチレン,PFA,ETFE,
FEP,VDF−トリフルオロエチレン共重合体,VD
F−HFP共重合体,PFA−HFP共重合体等が挙げ
られる。また、シリコーンゴムとしては、硬度(JIS
A)20〜60°の1液タイプのRTV(室温硬化:
room temperature vulcanizing)型が好ましく用いられ
る。この中間層の厚みは、2層構造の表面層(7b)の場
合と同じ理由により、トナー平均粒径の3倍〜80μm
の範囲にあることが好ましい。
【0029】表面層は導電剤分散の前記したようなフッ
素系高分子材料で構成される。その厚みは30μm以下
であることが好ましい。特に、中間層をフッ素ゴムで構
成するときは、導電剤分散のフッ素樹脂変性フッ素ゴム
を用いることにより、中間層と表面層を1つの加熱工程
で形成することが可能である。その形成法としては、カ
ーボンブラックを分散させたフッ素樹脂変性フッ素ゴム
含有の水エマルジョン塗料(例えば前記ダイエルラテッ
クスNF−915)を基材上にコーティングした後、2
50℃以上好ましくは250〜300℃で10〜30分
間加熱する方法が挙げられる。この方法において、フッ
素系高分子材料の塗膜層表面に樹脂層が形成され、かつ
その内部側にゴム材料層が形成されるのは、フッ素樹脂
の表面エネルギーが非常に小さいため、樹脂材料とゴム
材料が相分離することに起因する。その傾向は加熱温度
が高い程著しい。一方、基材および中間層の劣化をでき
るだけ抑制するためには、より低温で硬化させることが
好ましく、表面層と中間層の形成は上記温度範囲で実施
される。フッ素樹脂材料としては、融点が300℃以下
のFEP(mp:275℃),ETFE(mp:270
℃)等が好適である。上記方法により形成されるフッ素
樹脂は硬度が高いので、表面層の厚みは中間層の弾性を
損なわないよう5μm以下であることが好ましい。その
下限値は、中間層を構成する弾性材料によるベルト表面
の粘着性を防止できればよく、通常1μm程度である。
そして、上記方法によれば、厚みが上記範囲にある表面
層と中間層を同時に形成することが可能である。
【0030】前記組合せii)において、中間層は導電剤
分散または非分散の弾性材料で構成される。弾性材料と
しては、組合せi)において例示したようなゴム材料が
用いられるが、例えばエピクロルヒドリン系ゴム,NB
R,塩素化ポリエチレン等の極性の高いゴム材料を用い
るときは、導電剤を必ずしも分散させる必要はない。す
なわち、中間層の体積抵抗率は、下限値が基材より高い
109〜1013Ωcm の範囲にあることが好ましい。体積
抵抗率がこの範囲から外れると、中間転写ベルトの体積
抵抗率が適正な範囲から逸脱してしまうため、2層構造
の表面層(7b)の場合と同じ理由により、前述のブラー
の発生や除電機構が必要となるという不具合が生じる。
この中間層の体積抵抗率については、前記組合せi)に
おいても同様である。また、表面層は導電剤分散の前記
ゴム変性フッ素樹脂材料で構成される。この表面層(7
d)は上記表面層(7b)と同様にして形成することがで
きる。中間層の厚みは、前述と同じ理由により、トナー
平均粒径の3倍〜80μmの範囲にあることが好まし
い。表面層の厚みは5〜35μmの範囲にあることが好
ましい。厚みが5μm未満であると、中間転写ベルトが
像担持体および用紙を介してバイアスロールと圧接およ
び回転を長期にわたって繰り返すことから、表面層が摩
耗し中間層が露出する恐れがあるだけでなく、コーティ
ング法により塗膜を形成したときに膜厚にバラツキが生
じることがある。一方、厚みが35μmより厚くなる
と、コーティング法による塗膜形成時に液ダレが生じ
て、平滑かつ均一な塗膜を安定して形成することが困難
になる。いずれにしても、表面層の形成法としてコーテ
ィング法を採用することが困難となる。
【0031】上記中間層を構成するゴム材料としては、
先に例示したようなものが挙げられるが、中でも互いに
相溶性のないブレンドゴム材料が好適に用いられる。こ
こで、物質の分子間力を表す指標として、下記の式
(4)で示される溶解度パラメータ(solubility param
eter;SP値)δが挙げられる。このSP値は大きいほ
ど極性が高く、その差が小さいほど相溶性があり、差が
大きいほど相溶性のないことが知られている。 δ2 = δ2 d+δ2 p′+δ2 h (4) (式中、δ2d,δ2p′,δ2h は、それぞれ分散力,極
性効果および水素結合に基づくSP値である。) 上記SP値(δ)はまた、凝集エネルギーをE(cal=4.
1868J)、分子容をVm(cm3)とすると、下記の
式(5)で示すことができる。 δ = (E/Vm)1/2[J1/2/cm2/3] (5)
【0032】SP値の高いゴム材料としては、ウレタン
ゴム(SP値:10),アクリルゴム(9.5),塩素
化ポリイソプレンゴム(9.35),NBR(9.3
1),クロロプレンゴム(8.71)等が挙げられる。
また、SP値の低いゴム材料としては、シリコーンゴム
(SP値:7.45),ブチルゴム(7.85),EP
DM(8.0),水素添加ポリブタジエンゴム(8.0
8)等が挙げられる。これらのゴム材料のうち、ポリマ
ー主鎖の側鎖置換基や共重合成分の比率が異なる場合
は、同系のゴム材料でもSP値に幅がある。例えばNB
Rを例にとると、極性の大きいシアノ基を有するアクリ
ロニトリル含量が18%(重量)でSP値は8.71で
あり、同様に20%で9.25,25%で上記した9.
31,30%で9.68,39%で10.39である。
一般に、SP値の高い材料は導電剤と親和性があり、S
P値の低い材料は導電剤との親和性が乏しい。中間層を
構成するブレンド材料としては、SP値の差が1.0以
上好ましくは1.3以上ある少なくとも2種以上のゴム
材料が特に好適である。かかるブレンドゴム材料の好ま
しい組合せとしてはNBRとEPDMを挙げることがで
きる。その組成比(重量)は2:8〜7:3の範囲にあ
ることが好ましい。
【0033】非相溶系のブレンドゴム材料にカーボンブ
ラック等の導電剤を分散させると、図4に示すように、
ゴム材料のブレンド比率の高い海相と同比率の低い島相
との界面に導電剤が密に凝集して、不均一に分散した状
態の導電性ゴム相が形成される。この導電性ゴム相は、
導電剤が密に凝集した部分が導電に寄与するので、安定
した導電路を形成することができる。しかも、導電剤の
配合量を少なくすることができるので、ゴム相の硬度の
上昇を抑制することができる。導電剤としてのカーボン
ブラックは、これを添加したゴム組成物中において連鎖
状に結合する性質があり、かかる連鎖結合の長さに応じ
てゴム組成物の抵抗値が異なったものになる。この連鎖
結合が長ければ、中間層の導電性は向上しその抵抗値は
低下する。一方、連鎖結合が短かければ、中間層の導電
性は低下しその抵抗値は高くなる。すなわち、長い連鎖
結合を形成するカーボンブラックを添加した場合は、短
い連鎖結合を形成するカーボンブラックを同量添加した
場合と比較して、中間転写ベルトの抵抗値が大きく変化
することになるので、表面特性等の特性が異なるカーボ
ンブラックを併用することが好ましい。上記連鎖結合の
長さは、カーボンブラックの個々の粒子の粒径や表面活
性度に依存しているが、これを示す指標の1つとして、
ASTM D2414-6TTに定義されたDBP(ジブ
チルフタレート)吸油性がある。このDBP吸油性は、
カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(m
l)が多いか少ないかで表される。このDBP吸油性の
高いすなわち吸油量の多いカーボンブラックほど、長い
連鎖結合を形成するものとされている。
【0034】中間層の形成に際し、DBP吸油性の高い
カーボンブラックのみをブレンドゴムに添加して、中間
層の抵抗値を調整しようとすると、添加量の僅かな増減
でも抵抗値が大きく変化することになる。そのため、カ
ーボンブラックの添加量および分散状態を厳密に規定し
なくては、所定の抵抗値を中間層に付与することができ
ない。一方、DBP吸油性の低いカーボンブラックのみ
を添加して、中間層の抵抗値を調整しようすれば、DB
P吸油性の高いカーボンブラックのみを添加した場合よ
りも、カーボンブラックがゴム組成物中に略均一に分散
するので、添加量の増減に伴う抵抗値の変化の割合は小
さくなる。しかし、所定の抵抗値を中間層に付与するた
めには、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを添
加する場合よりも、多量のカーボンブラックを添加する
必要がある。その結果、ゴム組成物中のカーボンブラッ
クの配合割合が高まることから、ゴム組成物をバンバリ
ーミキサー,ニーダー等で混練する際に高粘度となるた
め加工が困難になる。したがって、DBP吸油性の高い
カーボンブラックと吸油性の低いカーボンブラックのD
BP吸油性の異なる2種以上を併用することが好まし
い。
【0035】前記ブレンドゴム材料に添加されるカーボ
ンブラックは、DBP吸油性に差があるものであればよ
いが、かかる差があまりに小さいと、1種類のカーボン
ブラックを添加した場合と同じような結果を生じること
になる。したがって、カーボンブラックとしては、ある
程度DBP吸油量に差のあるものが好ましく、DBP吸
油性の高いカーボンブラックの吸油量が250ml/100g
以上であり、吸油性の低いカーボンブラックの吸油量が
100ml/100g以下であることが好ましい。具体的に
は、吸油性の高いカーボンブラックとしては、例えば吸
油量447ml/100gのHS−500(旭カーボン(株)
製)、吸油量360ml/100gのケッチェンブラック(ラ
イオンアグゾ(株)製)、吸油量288ml/100gの粒状ア
セチレンブラック(電気化学(株)製)、吸油量265ml
/100gのバルカンXC−72(キャボット社製)等のア
セチレンブラックなどが挙げられる。また、吸油性の低
いカーボンブラックとしては、例えば吸油量28ml/10
0gのアサヒサーマルFT、吸油量35ml/100gのアサヒ
サーマルMT(旭カーボン(株)製)等のサーマルブラッ
クなどが挙げられる。
【0036】例えば、DBP吸油性の高いアセチレンブ
ラックと吸油性の低いサーマルブラックの混合物を用い
て、中間層の抵抗値を調整する場合、その混合割合は重
量比で1:1〜10の範囲にあり、1:2〜5の範囲に
あることがが好ましい。アセチレンブラックに対するサ
ーマルブラックの割合が1より少ないと、抵抗値のバラ
ツキが大きいだけでなく、前者の添加量の増減により、
中間転写ベルトの抵抗値が大きく変化する。サーマルブ
ラックの割合が10より多いと、前述したように、混練
時のゴム組成物が高粘度となるため中間層の成形加工が
困難となるだけでなく、中間層の硬度も高くなる。この
ように、DBP吸油性の異なるカーボンブラックの混合
割合とゴム材料に対する配合量を調整することによっ
て、中間転写ベルトの抵抗値の急激な変化を抑制するこ
とができる。同時に、吸油性の低いカーボンブラック単
独の場合と比較して、少量の添加量で抵抗値のバラツキ
の小さい中間層を形成することが可能となる。したがっ
て、中間層の構成材料として、2種以上の非相溶系のブ
レンドゴムとDBP吸油性の異なる2種以上のカーボン
ブラックを用いることにより、ゴム相界面にカーボンブ
ラックが密に凝集して、中間層全体に安定した導電路が
形成されるので、中間層ならびに中間転写ベルトの抵抗
値のバラツキを大幅に低下させることが可能となる。
【0037】前記組合せiii)において、中間層は接着剤
で構成される。接着剤は、特に限定されるものではない
が、テンションロール(8a〜8c;9)部位でのベルト
表面と裏面の変形量の差異が緩和されるよう、強度が高
く柔軟性のあるものを主成分とするが好ましい。具体的
には、1液性または2液性のシリコーン系弾性接着剤,
ウレタン系弾性接着剤や、シート状ホットメルト型のシ
リコーン系接着剤,シラン変性ポリイミド系接着剤等が
用いられる。シリコーン系およびウレタン系接着剤は、
各種成分または官能基で変性されていてもよい。これら
の接着剤は、単独あるいはエポキシ系接着剤等の強度の
高い接着剤と併用することができる。これらの市販品と
しては、特殊変性シリコーン(サイレックス100:コ
ニシ(株)製),特殊変性シリル基含有ポリマー(スーパ
ーX No.8008:セメダイン(株)製)等の1液性弾性
接着剤、特殊変性シリコーンを主成分とするエポキシ樹
脂との混合接着剤(MOS7,MOS1010:コニシ
(株)製)等の2液性弾性接着剤、特殊変性シリコーンを
主成分とするエポキシ樹脂との混合接着剤(ステイステ
ィック473:テクノアルファ(株)製),ポリウレタン
系接着剤(サーモライト6501:ダイセルヒュルス社
製)等のシート状ホットメルト型接着剤が挙げられる。
中間層を構成する接着剤の厚みは5〜25μmの範囲に
あることが好ましい。厚みが5μm未満であると、接着
剤層を均一に介在させることが困難である。一方、厚み
が25μmより厚くなると、接着剤は一般に絶縁体であ
るため中間転写ベルトの抵抗が必要以上に高くなる。
【0038】表面層は、ヤング率が15000kg/c
2 以下でかつ表面エネルギーの小さい導電剤分散の材
料で構成される。かかる材料としては、体積抵抗率10
10〜1013Ωcmの範囲におけるヤング率が11900k
g/cm2 程度のETFE,6300kg/cm2 程度
のPFA等が挙げられる。これらの材料はヤング率が比
較的小さくかつ表面エネルギーが小さいので、応力の集
中による前述のホローキャラクタの発生を防止すること
ができる。表面層の厚みは、2層構造の表面層(7b)の
場合と同じ理由により、50〜150μmの範囲にある
ことが好ましい。表面エネルギーの小さい表面層を基材
に接着する際には、コロナ放電処理を施して、表面層の
酸化によるカルボニル基を導入することで、表面を活性
化処理することが望ましい。あるいは、水酸化ナトリウ
ム等の塩基性水溶液中に15分〜1時間程度浸漬するア
ルカリ液等による表面洗浄処理などを施して、表面層裏
面の接着性を高めることが望ましい。なお、組合せiii)
の場合、必ずしも接着剤層(中間層)を介在させる必要
はなく、例えば未硬化の表面層材料シートを基材に押圧
させた状態で加熱硬化して、両層を直接接着することも
できる。
【0039】中間転写ベルト全体の厚みは、基本的には
各層の厚みの和となるが、一般に65〜250μmの範
囲にあり、特に100〜200μmの範囲にあることが
好ましい。全体の厚みが65μmより薄くなると、ホロ
ーキャラクタが発生するようになる。一方、厚みが25
0μmを越えると、テンションロール部位でのベルト表
面とベルト裏面の変形量の差異が大きくなり、転写ズレ
を生じるようになる。また、中間転写ベルトの体積抵抗
率は、109.5〜1014Ωcm の範囲にあることが好まし
い。体積抵抗率が上記範囲から逸脱すると、表面層(7
b,7d)と同じ理由により、電荷の保持が困難となり
前述のブラーが発生したり、一次転写電圧でベルトが帯
電するので除電機構が必要となる。以上のように、本発
明における中間転写ベルトは、基材がヤング率3500
0kg/cm2 以上の導電剤分散樹脂材料で構成され、
表面層の体積抵抗率が1010〜1013Ωcmの範囲にあ
る。したがって、駆動時の応力に対するベルトの変形が
小さいので、高品質の転写画像が安定して得られるだけ
でなく、転写時にブラーの発生がなく、しかも除電機構
を必要とすることもない。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (画像形成装置)図5は本発明の画像形成装置として中
間転写ベルトを備えたデジタルカラー複写機の全体図で
ある。図5において、プラテン21上に載置した原稿
(図示せず)の下面に沿って移動する原稿照明用ランプ
22から出射して、原稿で反射した光を移動ミラーユニ
ット23、レンズ24、固定ミラー25を介して画像読
取部のCCDに収束させる。CCDは、多数の光電変換
素子とレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の
フィルタとにより、上記原稿画像を各色毎の電気信号に
変換する。この電気信号は画像処理回路26に入力さ
れ、画像処理回路26は各色毎に入力された原稿画像読
取信号をデジタル信号に変換して記憶する画像メモリを
有している。光書込制御装置27は、上記画像処理回路
26の画像データを所定のタイミングで読み出して、光
ビーム書込装置28に出力する。光ビーム書込装置28
は、矢印方向Aに回転する感光体ドラムからなる像担持
体1に各色に対応した静電潜像を書き込む。これらの番
号21〜28から前記画像書込手段3が構成される。
【0041】像担持体1の周囲には、その表面を一様に
帯電させる帯電器2、像担持体1に書き込まれた静電潜
像を各色のトナー像に現像する現像装置4、各色のトナ
ー像を前記中間転写ベルト7に転写する一次転写ロール
5、クリーニングブレードおよび除電器を有するクリー
ニング装置6が配置されている。上記現像装置4は、
K,Y,M,Cの各色トナーを収容した現像器を有し、
それぞれ各色のトナーで上記静電潜像を現像して可視化
する。上記中間転写ベルト7は、テンションロール8
a,8b,8cおよびバックアップロール9に張架さ
れ、像担持体1表面に当接しながらその接線方向に走行
する。未定着トナー像を担持する転写ベルト7の表面側
には、バックアップロール9およびテンションロール8
aに対向して、それぞれ前記バイアスロール10および
ベルトクリーナ11が配置されている。バックアップロ
ール9には、トナーと同極性の二次転写電圧が印加され
る電極ロール12が押接している。また、バイアスロー
ル10とベルトクリーナ11の間には、二次転写された
トナー像を担持する用紙Pを転写ベルト7から剥がす剥
離爪29が配置されている。上記バイアスロール10表
面には、ポリウレタンで成形されたクリーニングブレー
ド30が常時当接していて、転写工程等で付着したトナ
ー粒子や紙粉等の異物が除去される。
【0042】画像形成装置U本体の下部には抽出自在の
給紙トレイ13が設けられ、その上方にピックアップロ
ーラ31が配置されている。このピックアップローラ3
1の下流側には、用紙Pの重送を防止する一対のフィー
ドロール32、用紙搬送ロール33、用紙Pを案内する
ガイド部材34およびレジストロール35が順次配置さ
れている。前記二次転写部の下流側には、順次、二次転
写されたトナー像を担持した用紙Pを搬送する搬送ベル
ト36、用紙P上の未定着トナー像を定着処理する定着
装置14、定着画像が形成された用紙Pを機外に排出す
る一対の排出ロール37、および排出された用紙Pを載
置する排紙トレイ38が配置されている。
【0043】(画像形成装置の作用)矢印A方向に回転
する像担持体1は、帯電器2により表面が所定の電位に
帯電され、光ビーム書込装置28により静電潜像が書き
込まれる。像担持体1上の静電潜像は現像装置4により
未定着トナー像に現像される。このトナー像の形成は、
最初に第1色目のトナー像が形成され、以降像担持体1
が1回転する毎に、第2色目から第4色目までのトナー
像が形成される。本実施例では、K,Y,M,C色のト
ナー像が順次形成されるようになっている。像担持体1
の表面は、前記トナー像が中間転写ベルト7に転写され
た後、クリーニング装置6により残留トナーおよび電荷
が除去される。ここで、前記光書込制御装置27では、
最初に第1色目のK色に画像処理されたデジタル信号を
読出して光ビーム書込装置28に出力する。この書込装
置28は像担持体1表面にK色に対応した静電潜像を書
き込む。K色に対応した静電潜像は現像装置4内の現像
器KによりK色の可視化されたトナー像に現像され、一
次転写部へ移動する。一次転写部において、中間転写ベ
ルト7の裏面側に配置された一次転写ロール5からトナ
ー像にその帯電極性とは逆極性の電界を作用させること
により、一次転写部に到達したK色のトナー像を静電的
に転写ベルト7に吸着させつつ、転写ベルト7の矢印B
方向の走行で一次転写させる。
【0044】中間転写ベルト7は、Kトナー像を吸着担
持したまま像担持体1と同一周期で走行する。1色目の
Kトナー像の転写が終了すると、転写ベルト7における
Kトナー像の転写開始位置が一次転写部に到達する迄
に、光書込制御装置27からの出力によりブルー(B)の
フィルタで色分解された光像に対応する静電潜像の書込
が開始される。そして、Kトナー像を担持した転写ベル
ト7の上記転写開始位置が一次転写部に到達すると、一
次転写ロール5によって2色目のYトナー像の転写が行
われる。続いて、グリーン(G),レッド(R)のフィルタ
で色分解された光像に対応する静電潜像が現像器M,C
により可視化され、Mトナー像およびCトナー像の転写
が上記Yトナー像の転写と同様に行われる。このようし
て、各色に重ね合わされた多重トナー像が中間転写ベル
ト7上に形成される。この各色のトナー像が転写ベルト
7上に一次転写されるまでは、転写ベルト7の表面側に
配置された前記バイアスロール10,剥離爪29および
ベルトクリーナ11は、転写ベルト7から離間した退避
位置に保持されている。
【0045】一方、給紙トレイ13に収容された用紙P
は、ピックアップローラ31により所定のタイミングで
1枚ずつ取り出されて、一対のフィードロール32、用
紙搬送ロール33により給紙され、一対のレジストロー
ル35で一旦停止される。用紙Pは、その後中間転写ベ
ルト7上に転写された各色(K,Y,M,C)の多重ト
ナー像が二次転写部に移動してくるのと同期して、レジ
ストロール35から二次転写部に搬送される。二次転写
部において、バイアスロール10は中間転写ベルト7を
介してバックアップロール9に圧接した状態にある。そ
して、搬送されてきた用紙Pは、ロール9,10間の圧
接搬送および転写ベルト7の走行によって二次転写部を
通過する。この際、トナー像の帯電極性と同極性の転写
電圧を電極ロール12に印加することにより、転写ベル
ト7に吸着担持されていた多重トナー像が転写ベルト7
表面から用紙Pに二次転写される。
【0046】以上フルカラー画像の転写について述べて
きたが、単色画像を形成する場合は、中間転写ベルト7
上に一次転写された例えばK色のトナー像が二次転写部
に移動してきた時、直ちにトナー像は用紙Pに転写され
る。複数色の画像を形成する場合は、所望の色相を選択
して、それらの色に重ね合わされた多色トナー像が二次
転写部に移動してきた時、トナー像を用紙Pに転写すれ
ばよい。上述のようにして、トナー像が所望の色相に転
写された用紙Pは、剥離爪29の作動により剥離され、
搬送ベルト36に載置されて定着装置14に搬送され
る。この定着装置14において、未定着トナー像を固定
して永久画像に定着処理した後、用紙Pは一対の排出ロ
ール37により排紙トレイ38に排出される。二次転写
が完了すると、中間転写ベルト7は、二次転写部の下流
側に設けられたベルトクリーナ11によりクリーニング
され、次の転写に備える。
【0047】(中間転写ベルトの製造) 実施例1 樹脂成分100重量部に対して18重量部のカーボンブ
ラックをポリイミドワニス(前記ユーピレックスSを樹
脂成分としてN−メチルピロリドンを溶媒とする耐熱皮
膜用ポリイミドワニス;Uワニス−S:宇部興産(株)
製)に添加して、ミキサーで充分に混合した。得られた
製膜原液を直径168mm,高さ500mmのステンレ
ススチール製円筒金型に注入し、120℃の熱風で12
0分間乾燥させながら遠心形成した。次いで、半硬化状
態で脱型した円筒状フィルムを鉄芯に被せ、30分かけ
て120℃から350℃に昇温して溶媒を蒸発させた
後、更に450℃で20分間加熱して、ポリアミド酸を
脱水縮合させる本硬化を行った。得られた80μm厚の
カーボンブラック分散ポリイミドフィルムを320mm
幅に切削して、シームレスベルト基材(7a)を形成し
た。次に、カーボンブラックを固形分換算で6重量%分
散させたウレタンゴムおよびTFE樹脂を含有する水エ
マルジョン塗料(前記エムラロンJYL−601ES
D)を上記ベルト基材(7a)表面にスプレーコーティン
グ法で塗布した後、150℃で10分間加熱して50μ
m厚(トナー体積平均粒子径の約7倍)の表面層(7
b)を形成した。この表面層(7b)は、カーボンブラッ
ク分散のウレタンゴム変性TFE樹脂からなる。その体
積抵抗率は1011.2Ωcmであり、水滴との接触角θは9
0°であった。また、製造された中間転写ベルト(7)の
表面抵抗率は1012.1Ω/□であり、体積抵抗率は10
11.0Ωcmであった。なお、実施例および比較例と図6〜
図12における体積抵抗率と表面抵抗率の測定は、抵抗
計(ハイレスターIPのHRプローブ:三菱油化(株)
製)を用い、100Vの電圧を印加してから30秒後の
電流値を読みとって求めた。
【0048】実施例2 導電性金属酸化物として、酸化錫系導電剤で被覆された
平均粒子径0.4μmの硫酸バリウム(前記パストラン
Type−IV)をγ−アミノプロピルトリエトキシシランで
表面処理したものを用いた。この導電性金属酸化物を実
施例1で用いたポリイミドワニスの樹脂成分100重量
部に対して37重量部添加して、ミキサーで充分に混合
した。得られた製膜原液をステンレススチール製シート
上に厚さ300μmに均一に流延し、120℃の雰囲気
で120分乾燥させた後、更に150℃で30分、20
0℃で30分、250℃で60分、350℃で30分、
420℃で30分と段階的に昇温して、80μm厚のポ
リイミドシートを得た。得られたポリイミドシートを長
さ540mm,幅320mmに切削した後、シートの一
端部10mmにシラン変性ポリイミド樹脂からなる耐熱
性接着剤(UPA−8322;宇部興産(株)製)を塗布
し、両端部を重ね合わせて接合した。その後、実施例1
と同様にして表面層を形成した。製造された2層構造の
中間転写ベルトの表面抵抗率は1012.0Ω/□であり、
体積抵抗率は1010.5Ωcmであった。
【0049】実施例3 カーボンブラックを6重量%分散させたFEP含有のフ
ッ素ゴム系塗料(前記ダイエルラテックスNF−91
5)を実施例1と同様の基材(7a)表面にスプレーコー
ティング法で塗布した後、300℃で30分間加熱し
て、50μm厚のカーボンブラック分散のコート層を形
成した。このコート層は、表面にFEP樹脂が硬化した
2μm厚の表面層(7d)と48μm厚のフッ素ゴム系中
間層(7c)からなる。なお、表面層(7d)の体積抵抗率
は1012.0Ωcmであり、水滴との接触角θは100°で
あった。また、中間転写ベルト(7)の表面抵抗率は10
11.9Ω/□であり、体積抵抗率は1012.0Ωcmであっ
た。 実施例4 製膜原液を厚さ200μmに均一に流延した以外は、実
施例2と同様にして、厚さが50μmの導電性金属酸化
物分散ポリイミド製シームレスベルト基材を得た。その
後、実施例3と同様にして表面層を形成した。製造され
た3層構造の中間転写ベルトの表面抵抗率は1011.9Ω
/□であり、体積抵抗率は1011.8Ωcmであった。
【0050】実施例5 カーボンブラック分散ポリイミドフィルム(7a)上に、
2種類のカーボンブラックが分散した非相溶系ゴム層
(7c)と、カーボンブラック分散ウレタンゴム変性TF
E樹脂層(7d)を被覆した3層構造の中間転写ベルトを
下記の方法により製造した。NBRとEPDMを重量比
で4:6にブレンドしたゴム材料(NE40;日本合成
ゴム(株)製)100重量部に対してアセチレンブラック
(前記粒状アセチレンブラック)を7重量部およびサー
マルブラック(前記アサヒサーマルFT)を20重量部
の割合で配合して混練した。なお、NBR(SP値:
9.3)とEPDM(8.0)のSP値の差は1.3で
ある。上記混練物をシート状に加工して、これを実施例
1と同様のカーボンブラック分散ポリイミドフィルム基
材上に圧接した。このシート状物を加硫缶内で温度15
0℃,圧力5.5kg/cm2の加圧下に60分間加熱して、
ブレンドゴム材料を加硫した。このようにして、中間層
として2種のカーボンブラックが分散した40μm厚の
非相溶系ゴム材料で被覆されたポリイミドフィルムを得
た。次に、実施例1で用いた水エマルジョン塗料を上記
中間層表面にスプレーコーティング法で塗布した後、1
50℃で10分間加熱して10μm厚の表面層を形成し
た。この表面層の体積抵抗率は1011.2Ωcmであり、水
滴との接触角θは90°であった。また、中間転写ベル
トの表面抵抗率は1012.0Ω/□であり、体積抵抗率は
1011.2Ωcmであった。
【0051】実施例6 カーボンブラック分散ポリイミドフィルム(7a)と、接
着剤層(7c)と、カーボンブラック分散ETFE樹脂層
(7d)との3層構造の中間転写ベルトを下記の方法によ
り製造した。樹脂100重量部に対しカーボンブラック
を9重量部の割合で配合して、体積抵抗率1011.5Ωc
m,水滴との接触角θ100°のETFE樹脂を表面層
として用いた。このカーボンブラック分散ETFE樹脂
を100μm厚のシートに成形した後、接着性を高める
ために、コロナ放電処理装置(コロナトリーターP100
0:巴工業(株)製)を用いて、処理強度150W・min/
2で樹脂シート表面をコロナ放電処理した。次に、シ
リコーンを主成分とするエポキシ樹脂混合のシート状ホ
ットメルト型特殊変性接着剤(前記ステイスティック4
73)を介して、上記樹脂シートの放電処理面と実施例
1と同様のカーボンブラック分散ポリイミドフィルムと
を圧接した状態で150℃で120分間加熱して、上記
フィルムと樹脂シートとを接着させた。接着剤層の厚み
は20μmであり、製造された中間転写ベルトの表面抵
抗率は1012.5Ω/□であり、体積抵抗率は1011.5Ω
cmであった。
【0052】比較例1 実施例1と同様にして、表面抵抗率が1011.8Ω/□で
体積抵抗率が108.9Ωcmのカーボンブラック分散ポリ
イミド製シームレスベルトを製造した。 比較例2 実施例2と同様にして、表面抵抗率が1012.5Ω/□で
体積抵抗率が107.3Ωcmの導電性金属酸化物分散ポリ
イミド製シームレスベルトを製造した。 比較例3 押出成形法により、150μm厚のカーボンブラック分
散熱可塑性PC(ポリカーボネート)樹脂製シームレス
ベルトを製造した。このPC樹脂ベルトの表面抵抗率は
1011.9Ω/□であり、体積抵抗率は1012.5Ωcmであ
る。 比較例4 押出成形法により、150μm厚のカーボンブラック分
散熱可塑性ETFE樹脂製シームレスベルトを製造し
た。このETFE樹脂ベルトの表面抵抗率は10 11.5Ω
/□であり、体積抵抗率は109.0Ωcm である。
【0053】以上のような中間転写ベルト材料の層構成
と表面抵抗率および体積抵抗率をまとめて下記の表1に
示す。
【表1】
【0054】(中間転写ベルト材料の機械特性試験)実
施例1〜6で製造された中間転写ベルト材料における基
材、および比較例1〜4で製造された中間転写ベルト材
料の引張強度およびヤング率(引張弾性率)をJIS
K 7127に準拠して測定した。すなわち、引張強度
は、5×40mmの短冊試験片を用い、引張速度200
mm/分で測定した。また、ヤング率は、25×250
mmの短冊試験片を用い、引張速度20mm/分で測定
した。 (画質評価試験)実施例および比較例の各中間転写ベル
トを図5に示す前述の画像形成装置に装着し、コピーテ
ストを行って得られた画質の状態を下記の基準に従って
目視により評価した。これらの測定結果および評価結果
を表面層の体積抵抗率および前記接触角θと併せて下記
の表2に示す。 ホローキャラクタの評価 ◎ : ホローキャラクタの発生なし 〇 : ホローキャラクタの発生僅かにあり × : ホローキャラクタの発生あり ブラーの評価 〇 : ブラーの発生なし × : ブラーの発生あり
【0055】
【表2】
【0056】表2に示す各実施例の中間転写ベルトは、
基材のヤング率が大きいにもかかわらず、前記接触角θ
が90°以上と表面層の表面エネルギーが小さく、しか
も表面層または中間層に弾性を持たせているかあるいは
表面層のヤング率が比較的小さいので、ホローキャラク
タが発生するようことはなかった。また、ベルト材料の
表面抵抗率および表面層の体積抵抗率が適正な範囲にあ
るので、ブラーが発生するようこともなかった。一方、
本発明における基材をベルト材料とする単層構造の比較
例1,2では、ヤング率が62000kg/cm2と大きいた
め、駆動時の応力に対するベルトの変形は小さいもの
の、ホローキャラクタが発生した。同時に、表面エネル
ギーが大きいためトナーが用紙へ移行し難いだけでな
く、体積抵抗率が適正な範囲より低いためブラーが発生
した。また、接触角θが75°と表面エネルギーの大き
いPC樹脂をベルト材料とする比較例3でも、トナーが
用紙へ移行し難いために、ホローキャラクタの発生がみ
られた。接触角θが100°と表面エネルギーの小さい
ETFE樹脂をベルト材料とする比較例4では、ホロー
キャラクタ僅かにありのレベルであるが、体積抵抗率が
適正な範囲より低いためブラーが発生した。さらに、比
較例3,4では、ヤング率が24000kg/cm2または12
000kg/cm2と小さいので、駆動時の応力に対するベ
ルトの変形が大きく、得られた画像に色ズレがみられ
た。
【0057】(カーボンブラック分散ウレタンゴム変性
TFE樹脂の体積抵抗率)図6は、実施例1,2,5で
用いた水エマルジョン塗料(エムラロンJYL−601
ESD)において、ウレタンゴム変性TFE樹脂100
重量部に対するカーボンブラックの配合量を変化させた
ときの同配合量と表面層形成材料の体積抵抗率の関係を
示す。図6に示すように、表面層の体積抵抗率を1010
〜1013Ωcmの領域内で調整するには、ウレタンゴム変
性TFE樹脂100重量部に対してカーボンブラックを
約4〜9重量部の範囲で配合すればよいことが分かる。 (カーボンブラック分散フッ素系高分子材料の体積抵抗
率)図7は、実施例3,4で用いたFEP含有のフッ素
ゴム系塗料(ダイエルラテックスNF−915)におい
て、固形分中のカーボンブラックの含有量を変化させた
ときの同含有量(重量%)とコート層形成材料の体積抵
抗率の関係を示す。図7に示すように、表面層の体積抵
抗率を1010〜1013Ωcmの領域内で調整するには、カ
ーボンブラックを約4〜9重量%の範囲で配合すればよ
いことが分かる。
【0058】(カーボンブラック分散ブレンドゴム材料
の体積抵抗率)図8は、実施例5の中間層において、非
相溶系ブレンドゴム材料(NE40)100重量部に対
して、DBP吸油性の異なるサーマルブラック20重量
部とアセチレンブラックを4〜10重量部の範囲で併用
したときのアセチレンブラックの配合量とカーボンブラ
ック分散ブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を示す。
図8に示すように、サーマルブラックを併用した場合、
アセチレンブラックの配合量を変化させても、非相溶系
ブレンドゴム材料の体積抵抗率の変化は小さい。したが
って、かかる材料で中間層を構成することによって、体
積抵抗率の安定した中間転写ベルトを得ることが可能で
ある。参考例として、上記ブレンドゴム材料100重量
部に対するカーボンブラックの配合量を変化させたとき
の同配合量とカーボンブラック分散ブレンドゴム材料の
体積抵抗率の関係を図9に示す。カーボンブラックとし
ては、前記ケッチェンブラックを用いた。DBP吸油性
の高いケッチェンブラック単独を上記ゴム材料に配合し
た場合、その配合量の変化に対するゴム材料の抵抗率の
変化が大きく、弾性を有する中間層を形成する際には、
DBP吸油性の異なる2種以上のカーボンブラックを併
用することが好ましい。
【0059】(カーボンブラック分散ETFE樹脂の体
積抵抗率)図10は、実施例6の表面層において、ET
FE樹脂100重量部に対するカーボンブラックの配合
量を変化させたときの同配合量とカーボンブラック分散
ETFE樹脂の体積抵抗率の関係を示す。図10に示す
ように、表面層の体積抵抗率を1010〜1013Ωcmの領
域内で調整するには、ETFE樹脂100重量部に対し
てカーボンブラックを約8〜12重量部の範囲で配合す
ればよいことが分かる。 (導電剤分散ポリイミド樹脂材料の表面抵抗率と体積抵
抗率の関係)前述の図11は、ポリイミド樹脂に分散さ
れるカーボンブラックの配合量を変化させたときのポリ
イミド樹脂フィルムの表面抵抗率と体積抵抗率の関係を
示すもので、上記樹脂フィルムは実施例1と同様の方法
により製造した。また、図12は、ポリイミド樹脂に分
散される前記シラン系カップリング剤で表面処理された
導電性金属酸化物の配合量を変化させたときのポリイミ
ド樹脂シートの表面抵抗率と体積抵抗率の関係を示すも
ので、上記樹脂シートは実施例2と同様の方法により製
造した。
【0060】
【発明の効果】本発明における中間転写ベルトは、基材
のヤング率が大きいので、駆動時の応力に対するベルト
の変形が小さく、高品質の転写画像が安定して得られ
る。しかも、表面層の体積抵抗率が適正な範囲にあるの
で、転写時にブラーの発生がないだけてなく、除電機構
を必要とすることもない。また、中間転写ベルトの表面
層を表面エネルギーの小さい非粘着性の材料で構成した
場合は、中間転写ベルト上のトナー像部分が記録媒体へ
二次転写されないという転写不良の恐れがなく、ホロー
キャラクタの発生を抑制することもできる。さらに、中
間層または表面層を弾性材料で構成したり、表面層のヤ
ング率を比較的小さくした場合は、中間転写ベルトがバ
イアスロールの押圧力に追随して変形するため、ホロー
キャラクタの発生による画質欠陥の発生がない。一方、
本発明の中間転写ベルトの製造方法によれば、カーボン
ブラック含有のフッ素系高分子材料から一工程で、中間
層と表面層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 主要構成部材を備えた中間転写ベルト方式の
画像形成装置の概略図である。
【図2】 本発明における中間転写ベルトの断面構造を
示す説明図である。
【図3】 表面エネルギーの尺度となる接触角を説明す
るための試験片表面と水滴との断面図である。
【図4】 導電剤の分散状態の概要を示す本発明におけ
る中間層の断面図である。
【図5】 本発明の一実施例として示す画像形成装置の
全体図である。
【図6】 カーボンブラックの配合量と同カーボンブラ
ック分散ウレタンゴム変性フッ素樹脂の体積抵抗率の関
係を示す。
【図7】 カーボンブラックの含有量と同カーボンブラ
ック分散フッ素系高分子材料の体積抵抗率の関係を示
す。
【図8】 サーマルブラックを併用したアセチレンブラ
ックの配合量とかかる2種のカーボンブラックを分散さ
せた非相溶系ブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を示
す。
【図9】 1種のカーボンブラックを非相溶系ブレンド
ゴム材料に配合したときのその配合量とカーボンブラッ
ク分散ブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を示す。
【図10】 カーボンブラックの配合量と同カーボンブ
ラック分散ETFE樹脂の体積抵抗率の関係を示す。
【図11】 カーボンブラック分散ポリイミド樹脂材料
の表面抵抗率と体積抵抗率の関係を示す。
【図12】 導電性金属酸化物分散ポリイミド樹脂材料
の表面抵抗率と体積抵抗率の関係を示す。
【符号の説明】
U…画像形成装置、P…用紙(記録媒体)、1…像担持
体、4…現像装置、7…中間転写ベルト、7a…基材、
7b,7d…表面層、7c…中間層、10…バイアスロ
ール。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に応じた静電潜像が形成される
    像担持体と、像担持体に形成された静電潜像をトナーに
    よりトナー像として可視化する現像装置と、像担持体上
    に担持されたトナー像が一次転写される中間転写ベルト
    と、中間転写ベルト上の未定着トナー像を記録媒体に二
    次転写するバイアスロールとを備え、上記中間転写ベル
    トはその層構造が少なくとも基材と表面層を有する複数
    層のベルト材料からなり、基材は導電剤が分散された樹
    脂材料で構成され、かつそのヤング率が35000kg
    /cm2 以上であり、さらに表面層の体積抵抗率が10
    10Ωcmより高く1013Ωcm以下の範囲にあることを特徴
    とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記表面層は、水の濡れ性で表示した場
    合の水滴との接触角が90°以上の導電剤分散の材料で
    構成される請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記材料がフッ素系高分子材料で構成さ
    れる請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 中間転写ベルトは、前記基材と、導電剤
    分散のゴム変性フッ素樹脂材料で構成された表面層の2
    層構造のベルト材料からなる請求項1記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ゴム変性フッ素樹脂材料が、カーボ
    ンブラックを分散したウレタンゴム変性フッ素樹脂材料
    である請求項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記基材の厚みが50μm以上であり、
    表面層の厚みがトナー平均粒径の3倍以上である請求項
    4記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記基材が、カーボンブラック分散のポ
    リイミド樹脂材料で構成される請求項4〜6のいずれか
    に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記基材が、導電性金属酸化物分散のポ
    リイミド樹脂材料で構成される請求項4〜6のいずれか
    に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 中間転写ベルトは、前記基材と、導電剤
    分散の弾性材料で構成された中間層と、導電剤分散のフ
    ッ素系高分子材料で構成された表面層の3層構造のベル
    ト材料からなる請求項1記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記基材の厚みが50μm以上であ
    り、中間層の厚みがトナー平均粒径の3倍以上であり、
    表面層の厚みが5μm以下である請求項9記載の画像形
    成装置。
  11. 【請求項11】 中間転写ベルトは、前記基材と、弾性
    材料を構成成分とする中間層と、導電剤分散のゴム変性
    フッ素樹脂材料で構成された表面層の3層構造のベルト
    材料からなる請求項1記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記表面層がカーボンブラック分散の
    ウレタンゴム変性フッ素樹脂材料で構成され、かつ基材
    の厚みが50μm以上であり、中間層の厚みがトナー平
    均粒径の3倍以上であり、表面層の厚みが5μm以上で
    ある請求項11記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記中間層が、カーボンブラックを分
    散した非相溶系のブレンドゴム材料で構成される請求項
    11または12記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記ブレンドゴム材料は、溶解度パラ
    メータの差が1.0以上ある少なくとも2種のゴム材料
    からなる請求項13記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記ブレンドゴム材料が、NBRとE
    PDMの混合物からなる請求項14記載の画像形成装
    置。
  16. 【請求項16】 前記カーボンブラックとして、特性の
    異なる2種以上が併用される請求項13〜15のいずれ
    かに記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記カーボンブラックは互いにDBP
    吸油性が異なる請求項16記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記カーボンブラックとして、DBP
    吸油性の高いアセチレンブラックとDBP吸油性の低い
    サーマルブラックの混合物が用いられる請求項17記載
    の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 中間転写ベルトは、前記基材と、接着
    剤で構成された中間層と、ヤング率が15000kg/
    cm2 以下である表面層の3層構造のベルト材料からな
    る請求項2記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記中間層が弾性を有する接着剤で構
    成され、表面層がカーボンブラック分散のフッ素樹脂材
    料で構成される請求項19記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記接着剤がシート状のシリコーン変
    性エポキシ樹脂系接着剤であり、フッ素樹脂材料がエチ
    レン−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂である請求
    項20記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記基材が、カーボンブラック分散の
    ポリイミド樹脂材料で構成される請求項9〜21のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記基材が、導電性金属酸化物分散の
    ポリイミド樹脂材料で構成される請求項9〜21のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 導電剤分散の樹脂材料で構成されたヤ
    ング率が35000kg/cm2 以上の基材上に、フッ
    素系高分子材料およびカーボンブラックを含有する塗布
    液をコーティングした後、250℃以上に加熱して、カ
    ーボンブラック分散のフッ素ゴム材料で構成された中間
    層と、体積抵抗率が1010Ωcmより高く1013Ωcm以下
    の範囲にあるカーボンブラック分散のフッ素樹脂材料で
    構成された表面層とを形成することを特徴とする3層構
    造の画像形成装置用中間転写ベルトの製造方法。
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