JP2010128036A - 中間転写体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性、耐クリープ性、寸法安定性、耐久性、耐傷性に優れ、かつ難燃性を持ちながら一定の表面光沢度を維持し、像担持体や用紙等の記録媒体の表面性状によらず高い転写率及び転写性能を発現し、中抜けや濃度むら、色むらのような異常画像がなく、高品質な画像を提供する長寿命な画像形成装置の中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、少なくとも基層上にエポキシ−シリコーン共重合体を含むエポキシ−シリコーン層が積層されてなり、該エポキシ−シリコーン層は、難燃性化合物を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置及びこれに用いられる中間転写体に関し、詳しくは中間転写ドラム、ベルト等の中間転写体を介在させて一次、二次転写を行う中間転写方式の画像形成装置及びこれに用いられる中間転写体に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置においては、その装置内において様々な機能、用途でシームレスベルト部材が用いられている。例えば、定着ベルト、転写ベルト、紙搬送ベルトなどが挙げられる。
また、フルカラー画像形成装置においては、感光体(像担持体)上に形成された4色のトナー画像を、一旦中間転写ベルトに転写することにより、中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成し、その後に紙などの転写媒体(記録媒体)に一括転写する方式があり、これにはシームレスベルト部材である中間転写ベルトが用いられる。
中間転写ベルトは、複写機等の画像形成装置のフルカラー化が進み、需要が急増している。中間転写ベルトとしては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴムやエラストマーなどの材料が使用されている。
この中間転写ベルトを用いた中間転写方式においては、高速性を得るため、中間転写ベルトに対峙する各色の色現像装置を直列に配置したタンデム方式といわれる方式が主流となっている。
このタンデム方式に使用される中間転写ベルトは、走行中に変形による色重ねずれが生じず、繰返し使用に耐え得る高強度が要求され、また、難燃性も要求されるため、ポリイミドやポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられている。とりわけクリープ変形性や耐久性の点でポリイミド樹脂が好ましく用いられている。
ポリイミド樹脂による中間転写ベルトにおいては、高強度であるためその表面硬度も高いので、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。また、感光体や用紙などの転写部での接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写むらが発生することがある。
さらに近年、フルカラー電子写真を用いて様々な用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパーやエンボス紙や和紙やクラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと、用紙の凹凸状の濃淡むらや色調のむらが発生する。また、用紙と接触する中間転写ベルトにおいては用紙への追従性だけでなく耐摩耗性も必要となる。
さらに、ベルト表面の光沢度制御が必要となる。光沢度が低いと電子写真装置内の光反射を用いたセンサに不具合が生じる。このため、要求される光沢度を維持し、プリント出力数が増加するにつれ低下してはいけない。中間転写ベルトの光沢度が低下すると、中間転写ベルトの寿命の短縮につながる。
これらの問題を解決するために、比較的柔軟性のある層を基層上に積層した様々な中間転写ベルトが提案されている。
一方で、中間転写ベルトには高い難燃性が求められている。しかし上述したような比較的柔軟性のある層を基層上に積層した中間転写ベルトにおいては、難燃性が乏しくなる。そのため、一般的には難燃剤と呼ばれる物質を入れて難燃性を発現させるが、その副作用として光沢度が下がってしまう問題や、膜の本来の特性が損なわれてしまう問題があった。
そこで特許文献1では、基層上に弾性層を設け、その弾性層の厚みと基層の厚みの関係を規定することで、中抜け画像を低減しつつ、膜の破損のないものが提案されている。しかしながら、この技術において効果が発現するような弾性層の厚みを設ける場合、基層の膜厚も厚くなり、そのために基層としてはポリイミドのような弾性率の大きなものは使用できない。このため、クリープ変形や耐久性に問題がある。また難燃化については記載されていない。
特許文献2では、積層において基層と表面層の体積抵抗値を規定し、さらには表面層の材料の吸水率を規定することにより体積抵抗の環境安定性を付与することが提案されているが、使用する材料として特別なものではなく、その他物性についての言及もない。
特許文献3では、基層上に、該基層よりも曲げ弾性率が小さく、基層との密着性に優れたバインダー層を設け、その上に微粒子を付着させることによりバインダー層の柔軟性を損なうことなく良好な転写性・耐久性を実現できると共に安価なものが提案されている。しかしながら特許文献3に記載の発明では、微粒子の粒径の規定はあるものの、粒子の塗布状態を安定的に制御することが難しいという問題がある。また、難燃性については記載されていないうえに摩耗し易く耐摩耗性に劣る。
特許文献4では、基層にカーボンブラックを分散させた液状シリコーンゴムからなる表面層を積層する構成が提案されており、基層にはポリイミドやポリアミドイミドが好適に用いられること、表面層はトナー離型性と弾性、優れた表面性が得られることが記載されている。しかしながら、シリコーンゴムではポリイミドと接着性が悪いため接着層を設ける必要がある。また、カーボンブラックの分散性も良好ではないため抵抗がばらつきやすく生産安定性に劣っており、さらには難燃性についても記載されていない。
特許文献5では表面層の主成分に硬化メタアクリル樹脂または硬化アクリル樹脂を用いることが提案されている。しかし、特許文献5には光沢度制御についての記述がなく、難燃化についても記載されていない。
特許文献6ではポリエーテルスルホン樹脂の基層の上に中間層として弾性層を設け、前記中間層の上に表面層を設けることで用紙への追従性と耐摩耗性を向上させた中間転写ベルトが提案されている。この中間層を設けることにより追従性が向上し、用紙の凹凸状の濃淡むらや色調のむらは改善され、同時に表面層を設けることにより耐摩耗性が得られたと記述されている。しかし、特許文献6にも光沢度制御についての記述がなく、難燃化についても記載されていない。
特許文献7では、熱可塑性の基層上に、300℃以下で硬化する熱硬化樹脂を主成分とし、硬化剤が含有されてなるものが硬化されて形成された表層を積層する構成が提案されている。さらに、かかる構成に加えて中間層として弾性を付与する層を設けることによって感光体や記録媒体に対して広い幅で接触させることができ、高い転写効率を得ることが記載されている。またさらに表面層の耐擦傷性を向上させ光沢度低下を抑制することができることが記載されている。しかし、基層として熱可塑性樹脂を用いるため表面層の熱硬化時において変形や抵抗の変化が生じ、生産安定性に劣っていることに加え、難燃性についても記載されていない。
特開2001−100545号公報 特開2001−125388号公報 特開2004−354716号公報 特開2006−285048号公報 特開2007−316622号公報 特開2004−310016号公報 特開2005−266793号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決するものであり、耐摩耗性、耐クリープ性、寸法安定性、耐久性、耐傷性に優れ、かつ難燃性を持ちながら一定の表面光沢度を維持し、像担持体や用紙等の記録媒体の表面性状によらず高い転写率及び転写性能を発現し、中抜けや濃度むら、色むらのような異常画像がなく、高品質な画像を提供する長寿命な画像形成装置の中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、中間転写体として、基層上に積層する表面樹脂層として、難燃性化合物を分散したエポキシ−シリコーン共重合体を選択し、積層する構成とすることにより上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題を解決するために本発明に係る中間転写体及び画像形成装置は、具体的には下記(1)〜(8)に記載の技術的特徴を有する。
(1):像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、少なくとも基層上にエポキシ−シリコーン共重合体を含むエポキシ−シリコーン層が積層されてなり、該エポキシ−シリコーン層は、難燃性化合物を含有することを特徴とする、中間転写体である。
上記(1)に記載の発明によれば、基層の上に、表層として難燃性化合物を含有したエポキシ−シリコーン共重合体を含む層を設けることにより、高い難燃性を保持し、かつ転写部で接触する像担持体や記録媒体の表面への追従性が良好で、像担持体や記録媒体の表面性状に依らず良好な転写が行われる中間転写体とすることができる。
(2):前記難燃性化合物の含有量がエポキシ−シリコーン共重合体100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とする、上記(1)に記載の中間転写体である。
上記(2)に記載の発明によれば、エポキシ−シリコーン共重合体の樹脂強度、物理的性質を損なうことなく、良好な転写を行うことができる中間転写体とすることができる。
(3):前記難燃性化合物の粒子径が10μm以下であることを特徴とする、上記(1)に記載の中間転写体である。
上記(3)に記載の発明によれば、エポキシ−シリコーン共重合体の光沢度を高い値で維持すること(低下を抑制すること)ができる。
(4):前記難燃性化合物が窒素系化合物であることを特徴とする、上記(1)に記載の中間転写体である。
(5):前記難燃性化合物が塩素系化合物であることを特徴とする、上記(1)に記載の中間転写体である。
上記(4)、(5)に記載の発明によれば、より少ない難燃性化合物の含有量で高い難燃性を有し、かつ光沢度の高い中間転写体とすることができる。
(6):シームレスベルトであることを特徴とする、上記(1)に記載の中間転写体である。
上記(6)に記載の発明によれば、画像を効率よく紙に転写することが可能な中間転写体とすることができる。
(7):潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を有してなり、前記中間転写体が上記(1)に記載の中間転写体であることを特徴とする、画像形成装置である。
上記(7)に記載の発明によれば、前記中間転写体を用いているので、長期に亘って異常画像が発生しない高品質な画像形成が可能な画像形成装置とすることができる。なお、本発明における中間転写体は、タンデム方式の画像形成装置だけに限定されるものではない。その他、例えば、転写ドラム方式や転写ロール方式であっても適用可能である。
(8):画像形成装置がフルカラー画像形成装置であり、各色に対応した複数の像担持体を直列に配置してなり、該複数の潜像担持体は、それぞれ各色に対応した現像手段を有することを特徴とする、上記(7)に記載の画像形成装置である。
上記(8)に記載の発明によれば、品質を維持したまま、より高速化に適応したフルカラー画像形成に好適な画像形成装置とすることができる。
本発明によれば、高い難燃性を保持し、かつ転写部で接触する像担持体や記録媒体の表面への追従性が良好で、像担持体や記録媒体の表面性状に依らず良好な転写が行われる中間転写体を提供することができる。
また本発明によれば、長期に亘って異常画像が発生しない高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
《中間転写体》
本発明に係る中間転写体は、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、前記中間転写体は、少なくとも基層上にエポキシ−シリコーン共重合体を含むエポキシ−シリコーン層が積層されてなり、該エポキシ−シリコーン層は、難燃性化合物を含有することを特徴とする。
次に、本発明に係る中間転写体についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
[基層]
基層に用いる樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ABSやPVdF、ETFE等のフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、エステル系、オレフィン系、アミド系、ジエン系、シリコーン系等の熱可塑性エラストマー、エポキシ系、フェノール系、ウレタン系、イミド系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂、その他、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化エチレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムなどのものが使用される。
この中で、まず基層としては装置内での変形がなく、機械強度の耐久性に優れ、また、難燃性の面でフッ素系樹脂、イミド系樹脂が好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂が適用される。
本発明では、基層の上には後述するエポキシ−シリコーン層が積層されてなる。
さらに、本発明ではエポキシ−シリコーン層の上に表面層を積層しても良い。表面層としても前述した一般的な各樹脂が適用できるが、トナーの離型性や耐摩耗性などの観点からフッ素系、シリコーン系樹脂が好ましい。
まず、基層および表面層に好適に用いられるポリイミド樹脂について説明する。
ポリイミド樹脂による中間転写ベルト(中間転写体)の場合、有機極性溶媒を用いたポリイミド前駆体からなる溶液を塗布液とし、該塗布液を型に塗布することによって成型されるものが好ましく用いられる。
塗工液の組成分であるポリイミド前駆体の加熱処理(イミド化)により生成するポリイミドについて詳しく説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、まず一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式に示す。
Figure 2010128036
(式中、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。)
上記芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。また、エチレンテトラカルボン酸二無水物やシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物のような他の(非芳香族系の)多価カルボン酸無水物を、本発明の目的を損なわない範囲(50モル%未満の範囲)で、併用することができる。
次に、前記多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
上記多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物あるいは、その誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず前記多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、前記多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と、前記ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明では、ポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
合成あるいは入手したポリアミック酸溶液に、後述する充填材を混合・分散し、さらにシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)を添加混合して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行なわれる。
すなわち、ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、または化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
しかしながら最近では、(2)の方法の一種であるが、イミダゾールやキノリンなどのアミン類を触媒としてワニスに含有させることによって乾燥時におけるイミド化を促進させる方法がとられることも多い。ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要であるが、これによると、より低温でイミド化が促進され、機械的耐久性も向上すると言われている。しかし、これらの触媒は極少量であり、乾燥中に分解・昇華するものもあるが、不純物として残留するものもあり好ましくない。
イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行なわれているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
Figure 2010128036
この定義におけるイミド基のモル数は、FT−IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、下記(1)〜(4)の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比。
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比。
また、3000〜3300cm−1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
本 発明においては、前記のようなポリイミド前駆体溶液だけでなく、あらかじめイミド化されており、かつ有機極性溶媒に可溶であるいわゆる溶剤可溶ポリイミドを用いることもできる。
このようなものとしては、リカコート(新日本理化)、ブロック共重合ポリイミド(ピーアイ技研)等がある。
また、塗布液では、上記ポリイミドのみならず、必要に応じて他の樹脂成分を含有しても良い。また、レベリング剤、滑剤、酸化防止剤、触媒等の種々の添加剤を用いても良い。
次に、塗工液の組成分として含有される充填材について説明する。充填材としては、有機、無機の一般的なものが使用可能である。
中間転写ベルトとして用いる場合には充填材として抵抗調整機能を有する抵抗調整剤を用いる。抵抗調整剤は、中間転写ベルトを所定の抵抗値に調整する必要上、添加が欠かせない。
抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粉末などが挙げられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどを用いてもよい。また導電性高分子であるポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いても良い。なお、本発明に用いられる抵抗制御剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本発明においては、上記抵抗制御剤のうち、カーボンブラックが好ましく用いられる。 カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッキェンブラック、チャネルブラックなどのものが使用できるが、これらの表面を酸化処理した酸化処理カーボンブラックが好ましい。
また、必要に応じて分散助剤を用いても良い。さらには、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて表面処理したものでも良い。
次に、前記ポリイミド前駆体を含む塗工液を用いて中間転写ベルトを製造する方法について説明する。
必要に応じて抵抗調整剤を分散させる工程、該工程により作製された塗布液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、形成された薄膜を支持体から離型し中間転写ベルトとすることにより製造される。
抵抗調整剤を分散させる工程では、ポリイミド前駆体溶液に直接抵抗制御剤を分散・混合させる方法またはあらかじめ溶媒に抵抗制御剤を分散させてからポリイミド前駆体溶液と混合させる方法がある。
ここでは、抵抗制御剤としてカーボンブラクを分散させる方法を例として説明する。なお、一例でありこれに限定されるものではない。
N−メチル−2−ピロリドンにカーボンブラックとポリイミド前駆体少量を混合し、ジルコニアビーズを用いて、ボールミルやペイントシェーカー、ビーズミル等にて所定時間分散させる。ある程度の粒径に分散された後、取り出した液を分散液とする。該分散液にポリイミド前駆体溶液を混合することにより所定のカーボンブラック濃度になるように希釈する。
このときの混合方法としては、遠心式攪拌機、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、遊星式攪拌機などを用いて行なうことができる。
必要に応じて、レベリング剤や触媒などの添加剤をこのときに添加することもできる。また、攪拌後は真空脱泡機などを用いて脱泡することが好ましい。
次に、上記作製の塗布液を塗布する工程について説明する。
支持体に製膜する方法としては、遠心成形、ロールコート、ブレードコート、リングコート、ディッピング、スプレーコート、ディスペンサーコート、ダイコートなどがある。ポリイミドの中間転写ベルトの製膜方法としては、遠心成形法がよく用いられるが、支持体の内面に製膜するため、その表面に層を積層する場合、製膜後、一旦脱型し、別の型に移し別のコーティング方法にて表面層を形成する必要があり、工程が煩雑になる。このため、本発明の場合、支持体の外面に塗布し、基層、表層と順次積層可能な工法として、ロールコート、ディスペンサーコート、リングコート、ダイコートが好ましい。
上記方法にてあらかじめ離型剤を塗布した金属製の円筒支持体外面に所定膜厚にポリアミック酸からなる塗布液を塗布後、熱風乾燥機、IHヒーター、遠赤外線ヒーターなどにより塗膜を乾燥させる。乾燥においては、まず、80〜120℃程度の温度にて10〜60分間乾燥させ、その後、2〜5℃/分程度の昇温速度にて昇温させ、300〜400℃でイミド化焼成を行う。その後、充分冷却した後に表面層の塗布を実施する。なお、基層と表面層は必ずしも同様の工法で成形する必要はない。
[エポキシ−シリコーン層]
次に、エポキシ−シリコーン層について説明する。
本発明におけるエポキシ−シリコーン層は、エポキシ−シリコーン共重合体を含み、前記基層上に積層されてなる。また、エポキシ−シリコーン層は、難燃性化合物を含有する。
このエポキシ−シリコーン層は単層(最表面層)であってもよく、単層の中間層もしくは複数層からなる中間層の中の一部を構成し、さらに最表面層を有する構成であってもよい。
<エポキシーシリコーン共重合体>
また、エポキシ−シリコーン層は、エポキシーシリコーン共重合体を用いることが好ましい。
エポキシ−シリコーン共重合体は、適度な柔軟性を有するため中間転写ベルトの屈曲においても亀裂を生じることがない。また像担持体や記録媒体の表面へ充分に追従することができる。
さらに、液状であるため基層と同様な工法にて製造することが可能であり、連続生産に好適である。また、必要に応じて溶媒などにて粘度の調整も可能であり、種種の添加材料の配合も容易である。
エポキシーシリコーン共重合体は、エポキシ部とシリコーン部のブロックコポリマーを架橋硬化させることにより形成する。
当ブロックコポリマーは、ビスフェノールA型ジ−グリシジルエーテル、ビスフェノールF型−ジ−グリシジルエーテルのような一般的なエポキシ部位のエポキシ基に反応する反応基を有するシロキサンユニットを交互に共重合させ、末端がエポキシ基のものである。
この導入するシリコーン部位を導入することにより先に述べた柔軟性を付与された層を得ることができる。シリコーン量が多い方が柔軟性が増すが、導入するシリコーンの量としては、40〜60wt%が好ましい。40wt%以下では硬く柔軟性に劣り、60wt%以上では膜強度が低く実使用耐久に耐えられない。
このコポリマーに、エポキシ樹脂用の汎用の触媒、硬化剤を用いて熱硬化することによりポリマー化する。加熱温度としては、120℃〜250℃程度の加熱を要する。このため一般的な熱可塑性樹脂を用いる場合、本エポキシ−シリコーン層の加熱時に熱変形(収縮)を発生する場合があるため耐熱性の高いものを選択する必要がある。このような樹脂を用いる場合、高い温度で溶融成形させる必要があり生産上好ましくない。従って、本発明における基層にはポリイミドを好適に用いる。
エポキシーシリコーン共重合体の硬化剤としては、酸無水物化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物が好適に用いられる。
酸無水物化合物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコースビスアンヒドロトリメリート、グリセリンビス(アンヒドロトリメトリート)モノアセテート、ドデセニル無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ無水物、無水クロレンド酸などがある。
アミン系化合物としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、メタフェニレンジアミン、ジアミノフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ポリアミド樹脂、イミダゾール系化合物等がある。特にイミダゾール系化合物は好適に用いられ、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、イミダゾールシラン等がある。
フェノール系化合物としては、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂が好適に用いられる。その他、フェノール変性ポリイミドなども用いることができる。これら硬化剤は、単独のみならず組み合わせて使用することができる。
これら硬化剤のうち、液状のものは液状樹脂への混合が容易であり好適に用いられる。固形のものでも溶媒に溶解させてから混合する方法にて配合することも可能である。
また配合量は、エポキシ−シリコーン共重合体のエポキシ当量と反応基当量が合致するように算出された量を配合する。
この樹脂にも、基層と同様に必要に応じて種種の添加剤を配合することができる。
特に、抵抗調整剤の配合について説明する。抵抗調整剤としては前述と同様のものが適用できる。特に、カーボンブラックは好適に用いられる。エポキシ−シリコーン共重合体は、カーボンブラックに対する分散性が良く、抵抗値のばらつきの小さいものが得られやすい。
樹脂への抵抗調整剤及びブロックポリマーの配合においては、直接混合する方法と溶剤に溶解または分散させた後に混合する方法があるが、特にカーボンブラックのような顔料や固形物の場合には後者の方法で混合する方が好ましい。
次に、得られた塗布液を前述した同様の工法から好適に選ばれる工法を用いてポリイミドからなる基層上に所定膜厚になるように塗布を行う。最終的な膜厚としては、好ましい転写性能を発現させるために、50〜300μm程度にすることが好ましい。薄すぎると感光体や転写媒体の表面性状に対する追従性が十分でなく、また、厚すぎるとベルトの張架ローラの曲率部で駆動時に膜に割れが生じやすくなるため好ましくない。
塗布後は、乾燥機にて加熱硬化させる。加熱温度は、使用する架橋剤の種類にて適正な温度に設定されるが、おおむね120℃〜250℃程度の温度域で硬化させることが好ましい。乾燥後は冷却して、金型から脱型し、シームレスベルトを得る。
なお、前述の説明では基層及び表面層の2層構成であるが、必ずしも本構成に限定されるものではなく、必要に応じて複数層に積層しても良い。また、前述の説明ではシームレスベルトについて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、有端のベルトをつなぎ合わせた形状としても良く、ベルト状以外の形状としても良く、従来公知の中間転写体の形状とすることができる。
<難燃性化合物>
本発明に用いる難燃性化合物は、有機系難燃剤、無機系難燃剤どちらも使用することができる。有機系難燃剤としては、例えばハロゲン系化合物、リン系化合物、メラミン系化合物、ホウ素系化合物、シリコーン系化合物が挙げられ、無機系難燃剤としては、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩化合物などが挙げられる。
ハロゲン系難燃剤の具体的例としては、例えばペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、1,2−ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモ無水フタル酸、臭素化(アルキル)フェノール、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリエチレン、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ペンタブロモベンジルアクリレート、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ビス(トリブロモフェノキシエタン)などの臭素系や、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ナフタレン、塩素化ポリフェニル、パークロロペンタシクロデカン、テトラクロロフタリックアンヒドライド、無水クロルエンド酸、ヘキサクロロエタン、ヘキサクロロシクロヘキサン、テトラクロロ無水フタル酸、ペンタクロロベンゼンなどの塩素系が挙げられる。
リン系難燃剤の具体例としては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリアリルホスフェート、トリ(ヒドロキシフェニル)ホスフェート、ジエチルビス(ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、ジブチルヒドロオキシメチルホスフォネート、ジ(ブトキシ)ホスフィニル・プロピルアミド、ジメチルメチルホスフォネート、リン酸グアニジン、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリスβ−クロロプロピルホスフェート、ポリブロモスチレン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、赤リンなどがあげられる。
窒素系難燃剤の具体例としては、例えば硫酸アンモニウム、メラミン、硫酸メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラム、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、メラミンシアヌレート、シアヌレート、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、メラミンホスフェートなどが挙げられる。
ホウ素系難燃剤の具体例としては、例えばホウ酸、ホウ砂、ほう素酸亜鉛、メタほう素酸亜鉛、メタほう酸バリウムなどが挙げられる。
シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、シルセスキオキサンなどが挙げられる。
金属の具体例としては、例えばアルミニウム、鉄、亜鉛、ニッケル、銅、モリブデンチタン、マンガン、コバルト、ビスマス、クロム、タングステン、スズなどが挙げられる。
金属酸化物の具体例としては、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデンなどが挙げられる。
金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、ヒドロキシスズ酸亜鉛などが挙げられる。
金属炭酸塩化合物としては、例えば炭酸コバルト、炭酸チタン、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸鉄などが挙げられる。
これらの難燃性化合物は単独でも使用しても良いし、必要に応じて2種類以上組み合わせて配合しても良い。
上記難燃性化合物の中でも窒素系難燃剤(窒素系化合物)、もしくは塩素系難燃剤(塩素系化合物)がエポキシ−シリコーン共重合体との組み合わせで高い難燃性を発揮するが、その中でも硫酸メラミン、硫酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、塩素化ポリエチレンが好ましく、硫酸メラミン、メラミンシアヌレート、塩素化ポリエチレンを使うことがより好ましい。
硫酸メラミン、硫酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、塩素化ポリエチレンは、粒子の微細化がしやすく、かつ少ない配合量で難燃化し、光沢度も高い値にできる点で好適に用いることができる。
この際、分散溶媒には特に制限は無いが、エポキシ−シリコーン共重合体との相溶性の面からアルコール系、ケトン系が好ましい。また、粒子の微細化を効率的に行うために、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などの分散剤を適宜使用しても良い。
上記難燃性化合物を樹脂への配合においては、直接混合する方法と溶剤に溶解または分散させた後に混合する方法があるが、難燃性化合物の一次粒子径が大きい場合、本発明の効果が充分に発揮されないので、所定の粒子径に粉砕、もしくは分散する必要がある。本発明では、難燃性化合物の粒子径は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下である。
粉砕工程においてはその方法は特に制限されないが、大型ミキサー等を用いて力学的に粉砕する、もしくはボールミル、ロールミル、サンドミルなどの一般的に使用される分散機で分散する方法が挙げられる。これらの中でも高速型のサンドミルが好ましく、例えばスーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)などを使用すると、より短時間で粒子を小粒径化できる。
ここで、微粒子化した難燃性化合物の粒子径を測定するには、分散溶媒で希釈したサンプルを粒度分析計(例えば、日機装株式会社製、マイクロトラックUPA)により、測定することができる。
微粒子化した難燃性化合物は、求められる難燃性に応じて配合量を適宜選択することができるが、好ましくは樹脂100重量部に対して1〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部である。配合量が100部より多くなると、膜の光沢度が失われ、実使用耐久に耐えられない。逆に配合量が1部より少なくなると、充分な難燃性が発揮できなくなるため好ましくない。
本発明では、難燃性化合物配合フィルムの難燃性は、UL94−VTM試験(薄手材料垂直燃焼試験)に準拠して評価することができる。
《画像形成装置》
本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を有してなり、前記中間転写体が上述の中間転写体であることを特徴とする。
また本発明に係る画像形成装置は、フルカラー画像形成装置であり、各色に対応した複数の像担持体を直列に配置してなり、該複数の潜像担持体は、それぞれ各色に対応した現像手段を有することを特徴とする。
次に、本発明に係る画像形成装置、並びにこれに装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。図1に示すベルト構成部である中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、転写手段である2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト(501)の外周面あるいは内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト(501)の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード(504)の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト(501)の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ(514)は、中間転写ベルト(501)が架け渡されている1次転写バイアスローラ(507)とベルト駆動ローラ(508)との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト(501)は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ(507)、ベルト駆動ローラ(508)、ベルトテンションローラ(509)、2次転写対向ローラ(510),クリーニング対向ローラ(511)、及びフィードバック電流検知ローラ(512)に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ(507)以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ(507)には、定電流または定電圧制御された1次転写電源(801)により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト(501)は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ(508)により、矢印方向に駆動される。このベルト構成部である中間転写ベルト501は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造の本発明のシームレスベルトが用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、像担持体である感光体ドラム(200)上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ(605)は、2次転写対向ローラ(510)に張架された部分の中間転写ベルト(501)との間に記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源(802)によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ(610)は、2次転写バイアスローラ(605)と2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙(P)を送り込む。また、2次転写バイアスローラ(605)には、クリーニング手段であるクリーニングブレード(608)が当接している。該クリーニングブレード(608)は、2次転写バイアスローラ(605)の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム(200)は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム(200)上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト(501)はベルト駆動ローラ(508)によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ(507)に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト(501)上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図1において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光Lによるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、現像手段であるBk現像器(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷のない部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム(200)上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム(200)と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト(501)のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム(200)の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム(200)の再使用に備えて、感光体クリーニング装置(201)で清掃される。この感光体ドラム(200)側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム(200)の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つ(T)静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット(230)の回転動作が行われ、Y現像機(231Y)が現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機(231K)の場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のC現像機(231C)を現像位置に移動させる。これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム(200)上に順次形成されたBk、Y,C、Mのトナー像は、中間転写ベルト(501)上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト(501)上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙(P)が転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ(610)のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ(510)に張架された中間転写ベルト(501)と2次転写バイアスローラ(605)によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト(501)上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙(P)の先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ(610)が駆動されて、転写紙ガイド板(601)に沿って転写紙(P)が搬送され、転写紙(P)とトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙(P)が2次転写部を通過すると、2次転写電源(802)によって2次転写バイアスローラ(605)に印可された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト(501)上の4色重ねトナー像が転写紙(P)上に一括転写(2次転写)される。この転写紙としては従来、比較的平滑である普通紙が用いられているが、近年、リサイクルペーパーなど比較的表面性の粗い紙も用いられる。さらには、写真画像などをコート紙やエンボス紙のような多種多様な紙を用いて印刷することが多くなってきている。特に、エンボス加工紙のような表面に凹凸や模様がある用紙を用いる場合、その凹凸によってトナー像がうまく転写できない問題が発生する。従来のようなポリイミドによる中間転写ベルトでは、この凹凸形状に追従できないため、凹部へトナーが転写せず転写むらが発生する。この現象は特に2色以上が重なる色の部分では模様上に色調が異なる色むら画像となってしまう。本発明の中間転写体である中間転写ベルトを用いることで、用紙の凹凸によるむらを発生させることがない良好な転写が実現できる。
この転写紙(P)は、転写紙ガイド板(601)に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ(606)との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置(210)により定着装置(270)に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙(P)は、定着装置(270)の定着ローラ(271)、(272)のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置(270)は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム(200)の表面は、感光体クリーニング装置(201)でクリーニングされ、上記除電ランプ(202)で均一に除電される。また、転写紙(P)にトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード(504)によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード(504)は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード(504)の上記中間転写ベルト(501)の移動方向上流側には、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材(503)が設けられている。このトナーシール部材(503)は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード(504)から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙(P)の搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材(503)は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード(504)とともに、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト(501)のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)により削り取られた潤滑剤(506)が塗布される。該潤滑剤(506)は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ(505)に接触するように配設されている。この潤滑剤塗布機構は、転写性能又はクリーニング性能を長期的に良好な状態に維持するためのものであるが、中間転写ベルトの性能によって必要がない場合には敢えて当機能を使用しなくても良い。また、この中間転写ベルト(501)のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト(501)のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ(505)及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト(501)のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム(200)への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト(501)は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード(504)でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット(230)の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード(504)を中間転写ベルト(501)に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2に示すような複数の感光体ドラム(像担持体)を一つの中間転写ベルト(中間転写体)に沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK),(21Y),(21M),(21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体(10)は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部(12)、画像形成部(13)、給紙部(14)、から構成されている。
画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y),シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部(12)に送信する。画像書込部(12)は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(13)の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)に各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部(13)は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)を備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)の周囲には、帯電装置、上記書込部(12)からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像手段である現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置(20BK)、(20M)、(20Y)、(20C)には、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト(22)は、各感光体(21BK)、(21M)、(21Y)、(21C)と、各1次転写バイアスローラ(23BK)、(23M)、(23Y)、(23C)との間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙(P)は、給紙部(14)から給紙された後、レジストローラ(16)を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト(50)に坦持される。そして、中間転写ベルト(22)と転写搬送ベルト(50)とが接触するところで、上記中間転写ベルト(22)上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ(60)により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙(P)上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙(P)は、転写搬送ベルト(50)により定着装置(15)に搬送され、この定着装置(15)により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト(22)上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置(25)によって中間転写ベルト(22)から除去される。このベルトクリーニング装置(25)の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト(22)に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト(22)に常時接触して、中間転写ベルト(22)に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト(22)のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、本発明におけるシームレスベルトは、上述したような中間転写ベルト(501)または(22)を装備した中間転写ベルト方式の画像形成装置に好適に適用できる他、該中間転写ベルト(501)または(22)の代りに転写搬送ベルトを装備した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。さらに、転写搬送ベルト方式の画像形成装置の場合においても、前記1感光体ドラム方式あるいは4感光体ドラム方式の何れにも適用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これら実施例によって制限されるものではない。また、難燃性試験については、各実施例、比較例において難燃性フィルムの効果を明確にする目的で、試験フィルムとして長さ200mm、幅50mm、厚さ0.240mmの試験片を切り出し、難燃性テスト用に5片を作成した。その他条件、及び評価については、UL94−VTM試験(薄手材料垂直燃焼試験)に準拠して行った。
[実施例1]
[基層用塗布液の調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
<基層用分散液構成材料>
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産社;固形分18%) 2重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ社) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学社) 88重量部
上記分散液を用いて、下記の構成材料を混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、塗布液を得た。
<基層用塗布液構成材料>
上記カーボンブラック分散液 50重量部
ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産社;固形分18wt%) 50重量部
ポリエーテル変性シリコーンFZ2105(東レダウコーニング社) 0.01重量部
[シームレスベルトの作製]
次に、外径100mm、長さ300mmの外面を鏡面仕上げした上に離型剤を施した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒外面に均一にディスペンサーを用いて流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が60μmになるような液量の条件とした。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度3℃/分で100℃まで昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度2℃/分で310℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。加熱を停止した後、常温まで徐冷した。
[表層用塗布液Aの調製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて6時間分散し、表層用カーボン分散液Aを作製した。
<表層用カーボン分散液A構成材料>
エポキシ−シリコーン共重合体;
ALBIFLEX348(シリコーン60wt% Nanoresins社) 1重量部
カーボンブラックSpecialblack4(デグサ社) 10重量部
N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学社) 89重量部
[表層(エポキシ−シリコーン層)用難燃剤分散液Aの調製]
続いて、下記に示す各構成材料を混合し、φ0.3mmのジルコニアビーズを用いて、それぞれサンドミル分散機にて5時間分散し、難燃剤分散液Aを作製した。
<表層用難燃剤分散液A構成材料>
硫酸メラミン;アピノン−901(堺化学工業社) 15重量部
エポキシ−シリコーン共重合体;
ALBIFLEX348(シリコーン60wt% Nanoresins社) 1重量部
1−ブタノール 82重量部
このとき、硫酸メラミンの体積平均粒径は0.322μmであった。
次に、上記表層用カーボン分散液A、及び表層用難燃剤分散液Aを用いて、それぞれの構成材料の固形分の重量比が以下となるように混合し、遠心式攪拌脱泡機にて、混合、脱泡し、表層用塗布液Aを得た。
<表層用塗布液Aの材料構成>
上記表層用カーボンブラック分散液A 35.4重量部
ALBIFLEX348(シリコーン60wt% Nanoresins社) 26重量部
メチルテトラヒドロ無水フタル酸;
HN−2000(日立化成工業社) 4.2重量部
上記表層用難燃剤分散液A 34.4重量部
(樹脂に対し固形分で20部配合)
[基層上への表層Aの作製]
先に作製したポリイミド基層上に、上記表層塗布液Aを同様に外面に均一にディスペンサーを用いて流延して塗布した。塗布量としては最終的な膜厚が240μmになるような液量の条件とした。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度2℃/分で120℃まで昇温して30分加熱した。引き続き、昇温速度2℃/分で250℃まで昇温して120分加熱処理した。加熱を停止した後、常温まで徐冷し、充分に冷却後、脱型し、シームレスベルトAを得た。
[比較例1]
実施例1において、表層用難燃剤分散液Aを使用しなかった以外は実施例1と同様の方法でシームレスベルトBを得た。
[実施例2]
実施例1において作製した表層用難燃剤分散液Aを使い、表層用塗布液Aへの配合量を変え、樹脂に対し120部の配合となるように添加した以外は実施例1と同様の方法でシームレスベルトCを得た。
[実施例3]
実施例1の表層用難燃剤分散液Aの分散時間を30分に変えた以外は同様の方法にして分散を行い、表層用難燃剤分散液Dを作製した。このときの硫酸メラミンの体積平均粒径は23.5μmであった。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトDを得た。
[実施例4]
実施例1の表層用難燃剤分散液A中の硫酸メラミンからメラミンシアヌレート(STABIACE MC−5F;堺化学社製)に、溶媒を1−ブタノールからメチルイソブチルケトンに変えた以外は実施例1と同様の方法で分散を行い、表層用難燃剤分散液Eを作製した。このときのメラミンシアヌレートの体積平均粒径は0.214μmであった。次に実施例1と同様の混合比で混合し、表層用塗布液Eを作製した。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトEを得た。
[実施例5]
実施例4の表層用難燃剤分散液Dの分散時間を30分に変えた以外は同様の方法にして分散を行い、表層用難燃剤分散液Fを作製した。このときのメラミンシアヌレートの体積平均粒径は10.9μmであった。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトFを得た。
[実施例6]
実施例1の表層用難燃剤分散液A中の硫酸メラミンを塩素化ポリエチレン(エラスレン401;昭和電工社製)に、溶媒を1−ブタノールからメチルイソブチルケトンに変えた以外は実施例1と同様の方法で分散を行い、表層用難燃剤分散液Gを作製した。このときの塩素化ポリエチレンの体積平均粒径は0.537μmであった。次に実施例1と同様の混合比で混合し、表層用塗布液Gを作製した。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトGを得た。
[実施例7]
実施例6において作製した表層用難燃剤分散液Iを使い、表層用塗布液Gへの配合量を変え、樹脂に対し120部の配合となるように添加した以外は実施例1と同様の方法でシームレスベルトHを得た。
[実施例8]
実施例6の表層用難燃剤分散液Gの分散時間を30分に変えた以外は同様の方法にして分散を行い、表層用難燃剤分散液Iを作製した。このときの塩素化ポリエチレンの体積平均粒径は27.9μmであった。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトIを得た。
[実施例9]
実施例1の表層用難燃剤分散液A中の硫酸メラミンをポリジブロモスチレン(Great Lakes pdbs−80(ケムチュラ・ジャパン社製))に変えた以外は実施例1と同様の方法で分散を行い、表層用難燃剤分散液Jを作製した。このときのGreat Lakes pdbs−80の体積平均粒径は0.298μmであった。次に実施例1と同様の混合比で混合し、表層用塗布液Jを作製した。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトJを得た。
[実施例10]
実施例1の表層用難燃剤分散液A中の硫酸メラミンを水酸化マグネシウム(MGZ−5;堺化学工業社製)に変えた以外は実施例1と同様の方法で分散を行い、表層用難燃剤分散液Kを作製した。このときのMGZ−5の体積平均粒径は0.134μmであった。次に実施例1と同様の混合比で混合し、表層用塗布液Kを作製した。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトKを得た。
[実施例11]
実施例1の表層用難燃剤分散液A中の硫酸メラミンを縮合リン酸エステル(アデカスタブFP−700;アデカ社製)に、溶媒を1−ブタノールからメチルイソブチルケトンに変えた以外は実施例1と同様の方法で分散を行い、表層用難燃剤分散液Lを作製した。このときのアデカスタブFP−700の体積平均粒径は0.456μmであった。次に実施例1と同様の混合比で混合し、表層用塗布液Lを作製した。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトLを得た。
[実施例12]
実施例1の表層用難燃剤分散液A中の硫酸メラミンからホウ酸亜鉛(アルカネックスFRC−500;水澤化学工業社製)に、溶媒を1−ブタノールから1−オクタノールに変えた以外は実施例1と同様の方法で分散を行い、表層用難燃剤分散液Mを作製した。このときのアルカネックスFRC−500の体積平均粒径は3.24μmであった。次に実施例1と同様の混合比で混合し、表層用塗布液Mを作製した。その後は実施例1と同様の方法でシームレスベルトMを得た。
実施例1〜12、比較例1の各シームレスベルトサンプル(A〜M)のUL94−VTM試験を行った結果を表1示す。
Figure 2010128036
また、実施例1〜12、比較例1の各シームレスベルトサンプル(A〜M)を図2に記載の中間転写ベルトとして装備し、シアンとマゼンタの2色からなる青色ベタ画像をプリントした。用紙としては、さざなみ紙FC和紙(株式会社リコー製)を用いた。当用紙は、和紙風に模様があり、平滑度が5の表面性があらい紙である。当用紙にプリントされた青色ベタ画像を観察し、色の均一性を評価した。
その後、各シームレスベルトを取り出して表面の20°光沢度を測定し、再び中間転写ベルトとして装備し、連続1万枚プリント出力を行なった。その後、シームレスベルトを取り出してもう一度表面の20°光沢度を測定した。用紙はTYPE6200(株式会社リコー製)を用いた。光沢度測定には光沢度計PG−1(日本電色工業(株))を用いた。測定面積は10.0×10.6mmである。結果を表2に示す。
なお、ベタ画像観察の評価指標は、◎がベタ濃度が均一で、○が凹部に濃度がやや薄い、×凹部が完全に抜けているとした。
Figure 2010128036
必要とされるベルト表面の20°光沢度が60〜200の範囲で、表2の結果より、実施例1〜12の中間転写ベルトは1万枚のプリント後も高い光沢度を維持していることがわかる。比較例1の中間転写ベルトは、初期時は高い光沢度であるが、プリント出力後は光沢度が大きく低下しており、耐久性に劣っている。また表1より、同じ難燃材料でも配合部数が多いほど難燃性は上がるが、光沢度が下がり、凹部への転写が悪くなる。また、同じ配合部数でも粒子径が小さいほど難燃性は向上し、光沢度も高くなる。
このように、難燃性化合物の粒子径と配合部数を調整することによって、難燃性を確保しながら、かつ高い光沢度を維持し、像担持体や用紙等の記録媒体の表面性状によらず高い転写性能を発現し、中抜けや濃度むら、色むらのような異常画像がなく、高品質なフルカラー画像を長期に渡って実現することができる。
本発明に係る画像形成装置、並びにこれに用いられる中間転写体における一実施の形態の構成を説明するための要部模式図である。 本発明に係る画像形成装置、並びにこれに用いられる中間転写体におけるその他の実施の形態の構成を説明するための要部模式図である。
符号の説明
(図1)
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図2)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ

Claims (8)

  1. 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、
    前記中間転写体は、少なくとも基層上にエポキシ−シリコーン共重合体を含むエポキシ−シリコーン層が積層されてなり、
    該エポキシ−シリコーン層は、難燃性化合物を含有することを特徴とする、中間転写体。
  2. 前記難燃性化合物の含有量がエポキシ−シリコーン共重合体100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記難燃性化合物の粒子径が10μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の中間転写体。
  4. 前記難燃性化合物が窒素系化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の中間転写体。
  5. 前記難燃性化合物が塩素系化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の中間転写体。
  6. シームレスベルトであることを特徴とする、請求項1に記載の中間転写体。
  7. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、
    該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、
    該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、
    該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を有してなり、
    前記中間転写体が請求項1に記載の中間転写体であることを特徴とする、画像形成装置。
  8. 画像形成装置がフルカラー画像形成装置であり、
    各色に対応した複数の像担持体を直列に配置してなり、
    該複数の潜像担持体は、それぞれ各色に対応した現像手段を有することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
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