JP5459112B2 - 電子写真用中間転写方法、電子写真用中間転写システム、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また近年では、フルカラー電子写真装置において、感光体上に形成された4色の、あるいはそれ以上のトナー画像を、一旦中間転写ベルトに転写することにより、中間転写ベルト上にフルカラー画像を形成し、その後に紙などの転写媒体に一括転写する方式における中間転写ベルトにシームレスベルト部材が用いられている。
この残留トナーの除去には、クリーニングブレードのブレードエッジを中間転写ベルトの表面に押圧して、残留トナーを「擦り取る」ことが最も有効である。
しかし、中間転写ベルトには、トナー画像の転写に必要な電気的特性が与えられているが、長期にわたる画像形成を繰り返していくと、クリーニングブレードの圧接により、このような電気特性が損なわれ、中間転写ベルトの寿命を短命化する問題がある。その結果、クリーニング不良による異常画像が発生する。
そこで、本発明者らはフィルミングが生じている箇所とフィルミングが生じていない箇所の中間転写ベルトを電子顕微鏡で詳細に分析したところ、フィルミングが生じる箇所では中間転写ベルト上に金属石鹸が非常に少なく、金属石鹸の付着にムラがあることが分かった。また、一般的に金属石鹸は2分子で存在することが安定と言われている。
これらのことから、金属石鹸は存在するかどうかが重要であることが分かった。そのため、中間転写ベルトの線速が速い状態で高画質の画像形成を実現するためには、金属石鹸を中間転写ベルトの表面全面に被覆させることが重要であると考えられた。
本発明において、前記中間転写ベルトは表面に窒素を含有している。そのため、中間転写ベルト表面の窒素元素含有率の減少率から露出率を算出することができ、中間転写ベルト表面の金属石鹸の被覆率を100−(中間転写ベルト表面の露出率)で算出することができる。
本発明者らは、前記の算出方法を用いて評価を行った結果、中間転写ベルト表面の露出率が30%以下であると、いかなる画像形成を行った場合でも、充分に金属石鹸の塗布の効果が得られることを見出した。
前記電子写真用中間転写ベルトに金属石鹸を塗布する金属石鹸塗布工程を有し、
該金属石鹸塗布工程は、前記金属石鹸を塗布前の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率A(atm%)と、前記金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率B(atm%)と、から算出される中間転写ベルトの露出率(B/A)×100(%)が30%以下であることを特徴とする電子写真用中間転写方法である。
前記凸部は、高さ0.01μm以上1μm以下、幅0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写方法である。
前記金属石鹸を塗布前の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率A(atm%)と、前記金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率B(atm%)と、から算出される中間転写ベルトの露出率(B/A)×100(%)が30%以下であることを特徴とする電子写真用中間転写システムである。
前記凸部は、高さ0.01μm以上1μm以下、幅0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする上記(7)〜(9)のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写システムである。
本発明に係る電子写真用中間転写方法は、表面に窒素元素を含有した電子写真用中間転写ベルトを用いて中間転写を行う電子写真用中間転写方法であって、前記電子写真用中間転写ベルトに金属石鹸を塗布する金属石鹸塗布工程を有し、該金属石鹸塗布工程は、前記金属石鹸を塗布前の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率A(atm%)と、前記金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率B(atm%)と、から算出される中間転写ベルトの露出率(B/A)×100(%)が30%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子写真用中間転写システムは、表面に窒素元素を含有した電子写真用中間転写ベルトに金属石鹸を塗布する電子写真用中間転写システムであって、前記金属石鹸を塗布前の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率A(atm%)と、前記金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率B(atm%)と、から算出される中間転写ベルトの露出率(B/A)×100(%)が30%以下であることを特徴とする。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明で用いる電子写真用中間転写ベルトの態様としては、シームレスベルトであることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
シームレスベルトに用いる樹脂として、クリープ変形性や耐久性の点でポリイミド樹脂を用いた。ポリイミド樹脂は、熱可塑性タイプ、溶剤可溶タイプ、熱硬化タイプのいずれも使用可能である。これらの中でも特に、種種の材料を配合させる必要性、特に電気抵抗を調整するための抵抗調整剤を配合させるために、有機極性溶媒を用いたポリイミド前駆体を含む溶液(ポリイミドワニス)を塗布し、熱硬化させて成形する熱硬化タイプのものが好適である。
中間転写ベルト上に線状の凸部を作製する方法以下について説明する。
中間転写ベルト上に凸部を作製するには、ポリイミド樹脂を熱硬化させて成形する際に作製する方法、成形後の中間転写ベルト表面に作製する方法がある。
凸部で囲まれた面積を算出する時に計測する領域は、凸部の密度や形状によって選択されるものであるが、好ましくは200×200μm以上600×600μm以下である。計測する領域が200×200μm未満では凸部の局所的なムラが大きく影響し、信用のある数値とは言えない。計測する領域が600×600μmより大きいと、視野が広すぎるため、凸部で囲まれた領域の個々の面積を計測するのが困難になり、時間もかかりすぎる。
本発明に用いられるポリイミドは、まず一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行なわれ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式(I)に示す。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず前記多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、前記テトラカルボン酸二無水物と前記ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、前記多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と、前記ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
しかしながら最近では、上記(二)の方法の一種であるが、イミダゾールやキノリンなどのアミン類を触媒としてワニスに含有させることによって乾燥時におけるイミド化を促進させる方法がとられることも多い。ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要であるが、これによると、より低温でイミド化が促進され、機械的耐久性も向上するといわれている。しかし、これらの触媒は極少量であり、乾燥中に分解・昇華するものもあるが、不純物として残留するものもあり好ましくない。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)は最も一般的な方法である。
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
配合する材料としては、例えば抵抗調整剤、補強材、レベリング剤、界面活性剤、滑剤、酸化防止剤、触媒等を配合することができる。この中でも特に抵抗調整剤は重要である。
抵抗調整剤としては、ポリイミドの抵抗値を調整しうるものなら適用できる。例えば、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粉末などの充填材やポリエーテルアミドやポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどのような導電性高分子材料、また、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどのようなイオン導電性材料を用いてもよい。また、これらを併用することも可能である。なお、本発明における抵抗調整剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャネルブラック、などのものが使用できるが、これらの表面を酸化処理した酸化処理カーボンブラックが好ましい。
また、必要に応じて分散助剤を用いてもよい。さらには、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて表面処理したものでもよい。
ポリアミック酸溶液に抵抗調整剤を分散させる分散液作製工程、該工程により得られる分散液を所定の抵抗調整材の含有量に調整する塗布液作製工程、該工程により作製された塗布液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程、形成された薄膜を支持体から離型しシームレスベルトとすることにより製造される。
ここでは、抵抗制御剤としてカーボンブラックを分散させる方法を例として説明する。なお、一例でありこれに限定されるものではない。
該分散液にポリイミド前駆体溶液を混合することにより所定のカーボンブラック濃度になるように希釈する。このときの混合方法としては、遠心式攪拌機、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、遊星式攪拌機などを用いて行なうことができる。
必要に応じて、レベリング剤や触媒などの添加剤をこのときに添加することもできる。
また、攪拌後は真空脱泡機などを用いて脱泡することが好ましい。
前記中間転写ベルト上の線状の凸部作製方法で述べた通り、遠心成形用の型である金属製の円筒支持体外面上にスッパタリングで凹部を作製した後、型に離型剤を塗布し、所定膜厚のポリアミック酸を含む塗布液を塗布後、熱風乾燥機、IHヒーター、遠赤外線ヒーターなどにより塗膜を乾燥させる。乾燥においては、まず、80〜120℃程度の温度にて10〜60分間乾燥させ、その後、2〜5℃/分程度の昇温速度にて昇温させ、300〜400℃でイミド化焼成を行なう。
また、抵抗調整剤としてのカーボンブラックの含有量としては、5wt%以上25wt%以下が好ましい。カーボンブラックの含有量が少なすぎる(5wt%未満である)と抵抗値のばらつきを制御するのが難しく、また多すぎる(25wt%をこえる)と膜が脆く屈曲性に劣り耐久性に劣る。
さらに、中間転写ベルトの体積抵抗値として、106Ωcm以上1010Ωcm以下となることが好ましい。抵抗値は、低くすぎる(106Ωcm未満である)と転写時にトナーが非画像部に散り鮮明性が低下する。一方、高すぎる(1010Ωcmをこえる)と転写電界がうまく作用せず転写効率上、好ましくない。
次に、本発明で用いる潤滑剤である金属石鹸について説明する。
金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチュウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸基を有するものを用いることができる。
また、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸バリウム、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸バリウム、オレイン酸鉄、オレイン酸ニッケル、オレイン酸コバルト、オレイン酸銅、オレイン酸ストロンチュウム、オレイン酸カルシウム等のオレイン酸基を有するものを用いることができる。
さらに、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸バリウム、パルチミン酸鉛、パルチミン酸鉄、パルチミン酸ニッケル、パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸ストロンチュウム、パルチミン酸カルシウム等のパルチミン酸基を有するものを用いることができる。
以上列挙したものは有機系の固形金属石鹸となりやすく、トナーとの相性も良い。
尚、本発明で用いる金属石鹸は、窒素元素を含有しないものである。ただし、不純物として含有される程度のものであれば、窒素元素を含有してもよい。
本発明では、金属石鹸としてステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛との混合物を用いることが好ましい。一定量のパルミチン酸亜鉛とステアリン酸亜鉛とを混合することで、中間転写ベルトの線速が速くても、中間転写ベルト上へ金属石鹸が引き伸ばされ、中間転写ベルトを充分覆うことができるため好ましい。
また、その詳細については明らかではないものの、パルミチン酸亜鉛はステアリン酸亜鉛に比べて融点が低いため、パルミチン酸亜鉛が一定量以上含有していると、金属石鹸が引き伸ばされやすくなるため、中間転写ベルトの線速が速くても、金属石鹸は充分中間転写ベルトを被覆できるものと推察される。
ここで、ステアリン酸亜鉛に比べ、分子の長さが若干短いパルミチン酸亜鉛が一定量以上含有されると、分子層の高さが一定ではなくなり、低い部分と高い部分とが共存するようになる。すると次の分子が低い部分に入り込み、分子層を形成するようになる。そのため、結果的に2分子よりも厚い金属石鹸層を形成することができ、中間転写ベルトの保護効果が向上するものと推察される。当然、パルミチン酸亜鉛の量が多くなりすぎると、パルミチン酸亜鉛の2分子層が形成されやすくなり、金属石鹸の厚みは厚くはならない。そればかりか、パルミチン酸亜鉛は、ステアリン酸亜鉛よりも分子が小さいため、ステアリン酸亜鉛単独に比べても中間転写ベルトの保護効果は低下する。
尚、以下においてはステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛とからなる金属石鹸について例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
作製した金属石鹸ブロックは、金属、合金、プラスチック等の基材に接着剤等で貼り付けて用いられる。
次に、本発明における、金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の中間転写ベルト表面露出率の算出方法について説明する。
トナー及び紙が存在しない状態で金属石鹸を塗布する方法としては、画像形成装置でトナーと紙を入力しない状態で画像形成動作させる方法や、画像形成装置を用いるものと同じ中間転写ユニット単体をトナー及び紙を入力しない状態で動作させる方法などが例示できるが、本発明ではどちらの方法で塗布してもよい。
図1に本発明の実施形態における金属石鹸の塗布時間に対する中間転写ベルト表面露出率の推移を表すグラフを示す。金属石鹸は塗布開始後、急速に中間転写ベルト上に蓄積され、数分後には蓄積量がほぼ飽和し安定になる。本実施の形態では金属石鹸の蓄積量が安定し、測定データの再現性が得られるように蓄積量が安定するまでの時間として、余裕を持って金属石鹸を塗布開始後5分のデータを取ることとした。本発明の実施形態であれば、種々の画像形成装置においても、金属石鹸の蓄積量が安定するまでの時間は5分未満になる。
さらに、金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布後の中間転写ベルト表面の亜鉛元素の含有率を求めることで、前記中間転写ベルト上の付着物が金属石鹸であることを確かめることもできる。
中間転写ベルト表面の亜鉛元素含有率は金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布後の中間転写ベルト表面のXPS測定から得る。この亜鉛元素含有率は1.7atm%以上2.5以下atm%が望ましい。亜鉛元素含有率が1.7%未満であると、表面被覆率が70%以上であっても、表面付着物が金属石鹸以外の物質である可能性があり、金属石鹸が十分に表面に塗布されている確認が得られないため好ましくない。亜鉛元素含有率が2.5%より多いと、金属石鹸が100%表面を覆っていると考えても亜鉛の濃度が高すぎることから、金属石鹸自体が分解している可能性があり、金属石鹸が中間転写ベルト表面に上手く塗布されているという確認が得られないため好ましくない。
次に、本発明に係る画像形成装置における一実施の形態について説明する。
本実施の形態では、上述のシームレスベルトを備える電子写真用中間転写システムを用いる画像形成装置について、シームレスベルト周辺の要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
また、金属石鹸をシームレスベルト上に塗布する電子写真用中間転写システムを用いた画像形成装置において、トナーと用紙を供給せず、それ以外は通常の画像形成を行う場合と同様にして金属石鹸を、トナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布してもよい。また、金属石鹸を5分間塗布した後は、トナーと用紙を供給し、通常通りの画像形成を行う。
図2に示すベルト構成部である中間転写ユニット(500)は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト(501)などにより構成されている。この中間転写ベルト(501)の周りには、2次転写ユニット(600)の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ(605)、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード(504)、金属石鹸塗布手段の金属石鹸塗布部材である金属石鹸塗布ブラシ(505)などが対向するように配設されている。
図2において、帯電チャージャ(203)は、コロナ放電によって感光体ドラム(200)の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行なう。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム(200)の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像機(231K)の現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム(200)の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷のない部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
尚、感光体200の周辺には上述のものの他に、例えば図2に示すような、感光体200の電位を検出して露光後かつ現像前の帯電状態を検知する電位センサ204や、現像後かつ転写前の感光体200上の画像濃度を検出するトナー画像濃度センサ205を配置することが好ましい。
さらに、中間転写ベルト(501)の裏面に接触配置されてなる除電ローラ(70)と、アースローラ(80)と、を備えるものとしてもよい。除電ローラ(70)は導電性のローラであり、中間転写ベルト(501)の残留電荷の除電をするものである。アースローラ(80)は金属ローラであり、中間転写ベルト(501)の除電ローラ(70)による除電後の電位を0にするものである。これらにより中間転写ベルト(501)の残留電位が次の画像形成に影響を与えることがなくすことができる。
図3は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム(21BK),(21Y),(21M),(21C)を備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
この他、中間転写ベルト(22)の表面に対向して配置されてなる光学センサ(28)を備えるものとしてもよい。この光学センサ(28)は1次転写位置(感光体21と1次転写バイアスローラ23との対向位置)と、2次転写位置(2次転写バイアスローラ60と中間転写ベルト22との対抗位置)と、の間に配置されてなり、1次転写された所定のサンプル画像を検出することで、付着量やベルト走行位置の検知を行う。
さらに、中間転写ベルト(22)の裏面に接触配置されてなるバイアスローラ(70)を備えるものとしてもよい。バイアスローラ(70)は導電性のローラであり、中間転写ベルト(22)にバイアスをかけることで、1次転写バイアスローラ(23)の負担を軽減することができる。
XPS分析はAXIS/ULTRA、島津/KRATOS、X線源:Mono Al、分析領域:700×300μmで行った。
[中間転写ベルトAの作製]
まず、下記に示す各構成材料を混合し、φ1mmのジルコニアビーズを用いて、ビーズミル分散機にて5時間分散し、カーボン分散液を作製した。
・ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産製 固形分18重量%) 2重量部
・カーボンブラックSpecialblack4A(デグサ製) 8重量部
・N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学製) 90重量部
・上記カーボンブラック分散液 50重量部
・ポリイミド溶液U−ワニスA(宇部興産製 ;固形分18wt%) 50重量部
・ポリエーテル変性シリコンFZ2105(東レダウコーニング製) 0.01重量部
次に、離型剤をその内壁に施した外径100mm、長さ300mmのドラム状金属筒を型として用い、50rpm(回/分)で金属筒を回転させながら、上記塗工液を金属筒の内面に均一に流し込んで塗布した。ドラム状金属筒の内面にはスパッタリングにより高さ0.01μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整した。塗布量としては最終的な膜厚が70μmになるような液量の条件とした。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度3℃/分で100℃まで昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、昇温速度2℃/分で310℃まで昇温して60分加熱処理(焼成)した。加熱を停止した後、常温まで徐冷した。
これにより表面上に高さ0.01μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトAを得た。
ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛(一次粒径:0.18μm)を下記に示す割合になるように秤量し、145℃に加熱して溶融し、成型型に溶融した金属石鹸を流し込み、冷却することで、40mm×8mm×長さ350mmの金属石鹸ブロックを作製した(溶融成型で作製しているため、圧縮の度合は100%)。この潤滑ブロックを金属石鹸用の基材に接着剤で貼り付けて、金属石鹸Aを得た。
・ステアリン酸亜鉛 45重量比
・パルミチン酸亜鉛 55重量比
得られた中間転写ベルトAの表面をXPSで測定し、窒素元素の含有率を得た。その後、中間転写ベルトAと金属石鹸Aを図2に記載の画像形成装置に装備し、トナーと紙を供給せず、電子写真用中間転写システムとして、金属石鹸を5分間塗布した中間転写ベルトAを作製した。尚、金属石鹸は20gf/cmでブラシに付勢され、ブラシを回転して金属石鹸を微粉化し、中間転写ベルトAに供給され、ブレードで引き伸ばされて塗布されている。
しかる後に、金属石鹸を塗布した中間転写ベルトAを取り出し、中間転写ベルトAの表面をXPSで測定し窒素元素及び亜鉛元素含有率を得た。窒素元素含有減少率から中間転写ベルトA表面の露出率を算出した。
次に、上記の評価で異常画像が見られなかった場合は、画像形成の線速を450mm/秒に上げて、画像濃度が7%のテストチャートを、23℃、45%の環境で5枚ずつ、合計30000枚画像形成し、出力された各画を評価した。
[中間転写ベルトBの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.02μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.02μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトBを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトBを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトCの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトCを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトCを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトDの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ高さ1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトDを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトDを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトEの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅0.5μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ高さ0.1μm、幅0.5μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトEを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトEを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトFの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅2μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅2μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトFを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトFを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトGの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅5μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅5μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトGを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトGを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトHの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が1000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が1000μm2である中間転写ベルトHを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトHを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトIの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が15000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が15000μm2である中間転写ベルトIを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトIを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトJの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が30000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が30000μm2である中間転写ベルトJを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトJを用いる以外は同様の方法で行った。
中間転写ベルトとしては実施例3に記載の中間転写ベルトCを用いた。
[金属石鹸Bの作製]
実施例1に記載の金属石鹸Aと、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の割合以外は同様に作製する。ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛を下記に示す割合にして、金属石鹸Bを得た。
・ステアリン酸亜鉛 72.5重量比
・パルミチン酸亜鉛 27.5重量比
評価方法は実施例1に記載の金属石鹸Aの代わりに金属石鹸Bを用い、中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトCを用いる以外は同様の方法で行った。
中間転写ベルトとしては実施例3に記載の中間転写ベルトCを用いた。
[金属石鹸Cの作製]
実施例1に記載の金属石鹸Aと、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の割合以外は同様に作製する。ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛を下記に示す割合にして、金属石鹸Cを得た。
・ステアリン酸亜鉛 70重量比
・パルミチン酸亜鉛 30重量比
評価方法は実施例1に記載の金属石鹸Aの代わりに金属石鹸Cを用い、中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトCを用いる以外は同様の方法で行った。
中間転写ベルトとしては実施例3に記載の中間転写ベルトCを用いた。
[金属石鹸Dの作製]
実施例1に記載の金属石鹸Aと、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の割合以外は同様に作製する。ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛を下記に示す割合にして、金属石鹸Dを得た。
・ステアリン酸亜鉛 40重量比
・パルミチン酸亜鉛 60重量比
評価方法は実施例1に記載の金属石鹸Aの代わりに金属石鹸Dを用い、中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトCを用いる以外は同様の方法で行った。
実施例3に記載の評価方法の画像形成装置(図2)を画像形成装置(図3)に変える以外は同様の方法で行った。
実施例11に記載の評価方法の画像形成装置(図2)を画像形成装置(図3)に変える以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトKの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.005μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.005μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトKを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトKを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトLの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ1.5μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ1.5μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトLを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトLを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトMの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅0.4μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅0.4μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトMを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトMを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトNの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅6μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が3000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅6μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が3000μm2である中間転写ベルトNを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトNを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトOの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が900μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が900μm2である中間転写ベルトOを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトOを用いる以外は同様の方法で行った。
[中間転写ベルトPの作製]
実施例1に記載の中間転写ベルトAと、表面上の凸部の形状以外は同様の方法で作製した。成型型内面に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凹部を作製し、前記凹部で囲まれた面積が35000μm2になるように調整し、表面上に高さ0.1μm、幅1μmの線状の凸部が存在し、前記凸部で囲まれた面積が35000μm2である中間転写ベルトPを得た。
金属石鹸としては実施例1に記載の金属石鹸Aを用い、評価方法も実施例1に記載の中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトPを用いる以外は同様の方法で行った。
中間転写ベルトとしては実施例3に記載の中間転写ベルトCを用いた。
[金属石鹸Eの作製]
ステアリン酸亜鉛(一次粒径:0.18μm)を145℃に加熱して溶融し、成型型に溶融した金属石鹸を流し込み、冷却することで、40mm×8mm×長さ350mmの金属石鹸ブロックを作製した(溶融成型で作製しているため、圧縮の度合は100%)。この潤滑ブロックを金属石鹸用の基材に接着剤で貼り付けて、金属石鹸Eを得た。
評価方法は実施例1に記載の金属石鹸Aの代わりに金属石鹸Eを用い、中間転写ベルトAの代わりに中間転写ベルトCを用いる以外は同様の方法で行った。
P 転写紙
L 露光手段
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271 定着ローラ
272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 金属石鹸塗布ブラシ
506 金属石鹸
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
(図3について)
P 転写紙
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK 現像装置
20M 現像装置
20Y 現像装置
20C 現像装置
21BK 感光体
21M 感光体
21Y 感光体
21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK 1次転写バイアスローラ
23M 1次転写バイアスローラ
23Y 1次転写バイアスローラ
23C 1次転写バイアスローラ
24 ベルト駆動ローラ
25 ベルトクリーニング装置
26 ベルト従動ローラ
27 除電手段
28 光学センサ
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 バイアスローラ
Claims (12)
- 表面に窒素元素を含有した電子写真用中間転写ベルトを用いて中間転写を行う電子写真用中間転写方法であって、
前記電子写真用中間転写ベルトに金属石鹸を塗布する金属石鹸塗布工程を有し、
該金属石鹸塗布工程は、前記金属石鹸を塗布前の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率A(atm%)と、前記金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率B(atm%)と、から算出される中間転写ベルトの露出率(B/A)×100(%)が30%以下であることを特徴とする電子写真用中間転写方法。 - 前記金属石鹸は、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用中間転写方法。
- 前記ステアリン酸亜鉛と前記パルミチン酸亜鉛との混合の割合は、重量比で73:27以上45:55以下あることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用中間転写方法。
- 前記中間転写ベルトは、表面に線状の凸部を有し、
前記凸部は、高さ0.01μm以上1μm以下、幅0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写方法。 - 前記中間転写ベルトにおける画像形成領域は、線状の凸部により囲まれ、複数の小領域分割されてなり、且つ当該分割された小領域の個々の面積が1000μm2以上30000μm2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写方法を備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成方法。
- 表面に窒素元素を含有した電子写真用中間転写ベルトに金属石鹸を塗布する電子写真用中間転写システムであって、
前記金属石鹸を塗布前の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率A(atm%)と、前記金属石鹸をトナー及び紙が存在しない状態で5分間塗布した後の前記中間転写ベルト表面をXPSで測定して得られる窒素元素の含有率B(atm%)と、から算出される中間転写ベルトの露出率(B/A)×100(%)が30%以下であることを特徴とする電子写真用中間転写システム。 - 前記金属石鹸は、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛との混合物であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真用中間転写システム。
- 前記ステアリン酸亜鉛と前記パルミチン酸亜鉛との混合の割合は、73:27〜45:55重量比であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真用中間転写システム。
- 前記中間転写ベルトは、表面に線状の凸部を有し、
前記凸部は、高さ0.01μm以上1μm以下、幅0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写システム。 - 前記中間転写ベルトにおける画像形成領域は、線状の凸部により囲まれ、複数の小領域分割されてなり、且つ当該分割された小領域の個々の面積が1000μm2以上30000μm2以下であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写システム。
- 請求項7乃至11のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写システムを備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
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