JP4875419B2 - 電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法及び中間転写ベルト - Google Patents

電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法及び中間転写ベルト Download PDF

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Description

本発明は、電子写真用中間転写ベルトに関する。
従来から、フルカラー用電子写真装置に用いられる中間転写ベルトとしては、結着樹脂にカーボンブラックを分散させることにより電気抵抗を所定の値に調整されたものが用いられている。中間転写ベルトにおいては、この抵抗の均一性が厳しく要求されている。抵抗がばらついていると、画像濃度むらや色むら、ちり等の画像品質に悪影響が出る。
中間転写ベルトの作製方法としては、熱可塑性樹脂を溶融、混練し、押し出し成型により所定膜厚のシームレスベルトとして作製する方法と、溶剤に溶解させた樹脂溶液を塗布、乾燥させることにより作製する方法がある。
近年は、中間転写ベルトが4連タンデム型のフルカラー複写機への搭載需要が高まり、薄膜で伸びのない高弾性率のものが好ましく選択されてきている。このようなベルトには、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が用いられている。このような材料系においては、後者の作製方法によって作製される。
このような作製方法において作製されるベルトの電気抵抗を均一にさせる手段としては、様々な提案がなされている(特許文献1〜7参照)。
これらは、カーボンブラックを樹脂溶液中に出来る限り均一に分散させるという方法であり、特許文献1〜6は使用するカーボンブラック自体の物性値を規定している物である。特許文献7は、カーボンブラックの表面をグラフト化することにより分散性を向上させた物である。しかしながら、これらの方法を用いても必ずしも十分な電気特性の均一性が得られない場合が生じている。
特開2000−338789号公報 特開2001−324880号公報 特開2001−152013号公報 特開2002−132061号公報 特開2002−148957号公報 特開2004−123774号公報 特開2000−355432号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決するものであり、電気抵抗の均一な中間転写ベルトを提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、
少なくとも溶媒とカーボンブラックと結着樹脂とを有する塗工液を塗布成形して作製する電子写真用シームレスベルトの該塗工液の製造方法において、
溶媒にカーボンブラックを分散してなるカーボン分散液を作製し、次いで該カーボン分散液に所定のカーボン添加量になるように結着樹脂を混合して塗工液を作製する工程からなり、
該工程において、該塗工液におけるカーボンブラックの体積平均粒径Mv2と、カーボン分散液におけるカーボンブラックの体積平均粒径Mv1が下記式(1)の関係を満たすように作製された塗工液を用いると、作製されるベルトの電気抵抗が均一なものとなることを見出し、本発明に到った。以下、本発明について具体的に説明する。
0.9≦Mv2/Mv1≦1.1 ・・・(1)
請求項1の発明は、少なくとも溶媒とカーボンブラックと結着樹脂とを有する塗工液を塗布成形して作製する電子写真用シームレスベルトの該塗工液の製造方法において、
溶媒にカーボンブラックを分散してなるカーボン分散液を作製する工程と、次いで該カーボン分散液に結着樹脂を混合して塗工液を作製する工程からなり、
前記カーボン分散液は、前記塗工液に含有される結着樹脂と同組成で、かつ、それ以下の分子量である樹脂を含有し、その固形分含有量が、前記カーボンブラック100質量部に対して、10〜100質量部であり、
該塗工液における前記カーボンブラックの体積平均粒径Mv2と、前記カーボン分散液における前記カーボンブラックの体積平均粒径Mv1が下記式(1)の関係であることを特徴とする電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法である。
0.9≦Mv2/Mv1≦1.1 ・・・(1)
請求項2の発明は、前記結着樹脂が、ポリアミック酸である電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法である。
請求項の発明は、請求項1の製造方法により作製される電子写真用シームレスベルトの塗工液である。
請求項の発明は、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に用いる中間転写ベルトであって、請求項の塗工液にて作製される電子写真用中間転写ベルトである。
請求項1の構成によれば、カーボンブラックを均一に分散させた分散液の均一性を維持したまま所定のカーボンブラック添加量に調整された塗工液を作製できる。
請求項2のポリアミック酸を結着樹脂とすることにより、本発明の塗工液にて作製される中間転写ベルトとして、高強度、高弾性率の良好なベルトを得ることが出来る。
請求項3の構成にすることにより、効果的に請求項1の関係式(1)を達成することができる。
請求項4は、均一なカーボン分散の塗工液が提供される。
請求項5は、電気抵抗が均一な中間転写ベルトが提供される。
本発明においては、カーボンブラックを均一に分散する分散液を作製する工程、次いで、該分散液に結着樹脂を所定のカーボンブラック添加量になるように混合調整する工程を有する。
以下には、まずカーボンブラックを分散する工程について説明する。
溶媒にカーボンブラックを投入し、ボールミル、ビーズミル、ペントシェーカー、高圧ジェットミル等の分散器にて、粉砕及び微分散させる。このとき、溶媒とカーボンブラックの材料の組合せにより好ましい組合せを選択することもできるが、結着樹脂の溶解性により溶媒の種類は限定される場合が多い。このため、カーボンブラックを分散させるための多くの手法が用いられる。
まず、カーボンブラック自体を酸化処理やカップリング剤などの反応性化合物により表面処理を施したものを使用する方法がある。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブなどがある。
また酸化処理においてもこれらのカーボンブラックを製造しているメーカーにて様々な用途向けに酸化処理グレードの異なる品種を取りそろえてある。表面処理としては、カーボンブラック表面の官能基に反応させる官能基を有するカップリング剤などの化合物を付与して、塩基性または酸性を制御するものである。しかしながらこの方法では、微細な粒径を作製することが困難であったり、分散液のカーボンブラック濃度を濃くすることが困難であり、コストがかかるという欠点がある。
汎用的には、溶液中に分散剤を添加する方法が多く用いられる。分散剤としては、例えばイオン性、非イオン性の界面活性剤や末端に酸や塩基の官能基を有する有機化合物や高分子化合物などがあり、市販される分散剤のなかから適宜適正な分散剤を選択することができる。
カーボン分散液に用いる溶媒としては、結着樹脂の溶解性により選択される。例えば、結着樹脂としてポリアミック酸を用いる場合は、後述のポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒を好ましく用いることができる。
本工程における分散においては、カーボンブラックの体積平均粒径を0.5μm以下に分散することが好ましい。より好ましくは、0.3μm以下が良い。このような粒径を得るために、適正な分散器の条件、分散剤の種類や量、結着樹脂の量などを適正に制御することにより得られる。
分散液に含有するカーボンブラックの濃度としては、5〜15質量%が好ましい。
次いで、上記分散液に結着樹脂を混合し塗工液を作製する工程について説明する。分散液と結着樹脂を混合する方法としては、一般的に使用される攪拌機にて攪拌することにより混合する。本発明においては、結着樹脂として特にポリアミック酸を好ましく使用する。この場合、溶液の粘度が1〜100Ps・s程度と高粘度の溶液であるため攪拌機としては、自公転遠心式攪拌機や3軸遊星方式の攪拌機など高粘度の攪拌に好適な攪拌機を使用することが望ましい。また、攪拌時には溶液中に多くの泡が発生するため攪拌後に脱泡し液中の泡を抜くことが好ましい。
カーボン分散液を混合する混合量は、最終的なベルトの電気抵抗値が107Ω・cm〜1012Ω・cmになるような量を添加する。この必要な量はカーボンブラックの種類や分散粒径などにより変わるため一概には言えないが、好ましくは、固形分全体(樹脂固形分とカーボンブラック)に対して、10〜20質量%程度の添加量が好ましい。10質量%以下ではばらつきやすく、20質量%以上では膜が脆くなり好ましくない。
本発明においては、この工程において作製される塗工液中のカーボンブラックの体積平均粒径Mv2が、カーボン分散液の時に得られているカーボンブラックの体積平均粒径Mv1との間に以下の関係式(1)が成り立つことが好ましい。
0.9≦Mv2/Mv1≦1.1 ・・・(1)
このような関係式が成り立つように作製された塗工液により作製されたベルトは、電気抵抗の均一性が良好なものが得られる。
式(1)の値が、1.1を超える場合は、分散液から塗工液を作製する際に、カーボンブラックのショック凝集が発生しており好ましくない。一方、0.9未満の場合には、カーボンブラックを分散させる状態が不十分な状態か含有している分散剤や樹脂によってカーボンブラック同士が凝集する形態をとっている分散液であり、たとえ塗工液での粒径が小さくなっても塗膜での分散状態は良くなく、抵抗の均一性が劣る物である。
上記式(1)を満たすための手段としては、適切な分散剤を選択したり、攪拌の強さや時間により制御することでも達成できる。本発明では、これに加え、特にカーボン分散液中に結着樹脂と同じ組成で、かつ、分子量がそれ以下である樹脂をあらかじめカーボンブラック100質量部に対して10〜100質量部含有させておくことにより達成される。カーボン分散液に用いる結着樹脂と同組成でかつそれ以下の分子量の樹脂を用いることにより、カーボン分散液に結着樹脂を混合する際のカーボンブラックの再凝集を防ぐことが出来、後工程の塗工液作製時における粒径変動が抑制され、これにより作製されたベルトの電気抵抗はばらつきのない均一な物が得られる。
結着樹脂として好ましい分子量は、数平均分子量で1万〜5万であり、カーボン分散液に用いる結着樹脂と同じ組成で、かつ、分子量がそれ以下である樹脂の分子量としては、3万以下が好ましい。結着樹脂とカーボン分散液に用いる樹脂の分子量は同じでも良い。
なお、本発明の目的を逸脱しない範囲で、分散剤の他にも、レベリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、カーボンブラック以外の他の導電剤など、一般に知られた添加剤を一種以上添加することもできる。
本発明に好ましく用いられる結着樹脂であるポリアミック酸について説明する。ポリアミック酸は、極性溶媒中で酸無水物化合物とジアミン化合物を重合してなるポリイミド樹脂の前駆体である。
以下、ポリイミドについて説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式(I)に示す。
Figure 0004875419
(式中、Ar1は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Ar2は少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。)
上記芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
次に、芳香族多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
上記芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物あるいは、その誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。この反応温度、反応時間を制御することにより、所定の分子量のものを作製することができる。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、芳香族多価カルボン酸無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
合成あるいは入手したポリアミック酸溶液と、前記カーボン分散液を混合して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行われる。
すなわち、ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、または化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要である。
イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行われているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フ−リエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフ−リエ変換赤外分光法(FT-IR法)は最も一般的な方法である。
フーリエ変換赤外分光法(FT-IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
イミド化率=[(A))/(B))]×100
この定義におけるイミド基のモル数は、FT-IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm-1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm-1との吸光度比
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm-1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm-1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm-1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm-1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm-1とアミド基の特性吸収1,670cm-1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
また、3000〜3300cm-1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
次に、前記ポリイミド前駆体を含む塗工液を用いてシームレスベルトを製造する方法について説明する。
本発明におけるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を含有する塗工液を用いて、シームレスベルトを製造する場合、概略次の工程を含むことにより達成できる。すなわち、当該塗工液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程(1)、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程(2)、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程(3)、形成された薄膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程(4)により製造することができる。
まず、支持体(成形用の型)として遠心成型を用いた場合を例として説明する。以下の説明は、一例であり条件などこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を円筒の内面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体のイミド化を行う。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように予め、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
次に、本発明における電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。
図1に示すベルト構成部である中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面あるいは内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510,クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト構成部である中間転写ベルト501は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明のシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図1において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つT静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、Y現像機231Yが現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のC現像機231Cを現像位置に移動させる。これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、Y,C、Mのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印可された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材503が設けられている。このトナーシール部材503は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材503は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2に示すような複数の感光体ドラムを一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK,21Y,21M,21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y),シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に坦持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング装置25の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、本発明におけるシームレスベルトは、上述したような中間転写ベルト501または22を装備した中間転写ベルト方式の画像形成装置に好適に適用できる他、該中間転写ベルト501または22の代りに転写搬送ベルトを装備した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。さらに、転写搬送ベルト方式の画像形成装置の場合においても、前記1感光体ドラム方式あるいは4感光体ドラム方式の何れにも適用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
以下の実施例におけるカーボンブラックの粒径測定は以下の様にして測定される。
装置;ナノトラッックUPA150(日機装社製)
測定パラメーター;粒子屈折率1.82、粒子比重1.86g/cm3
溶媒屈折率1.47、溶媒粘度1.63mPa・s
測定条件;サンプル液を溶媒にて200倍に希釈し、測定時間240secにて
測定した。
実施例1
[カーボン分散液の調製]
まず、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる数平均分子量15,000のポリアミック酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分20%)10重量部に、カーボンブラック(デグサ製Specialblack4)を10重量部、N−メチル−2−ピロリドンを80重量部を混合し、ビーズミルにて分散を行い、体積平均粒径(Mv1)0.221μmのカーボン分散液を得た。
[塗工液の調製]
本分散液に、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる数平均分子量40,000のポリアミック酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分18%)を3軸遊星式攪拌機にて均一に混合し、固形分全体に対するカーボンブラックの添加量17%の塗工液を得た。
この塗工液のカーボンブラックの体積平均粒径(Mv2)は、0.230μmであった。
[ベルトの作製]
内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、120℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、330℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚80μmのシームレスベルトを得た。
[表面抵抗の均一性評価]
シームレスベルトの内面と外面の表面抵抗値を各10点測定し、最大値と最小値の対数の差により評価した。差が0.5以下であれば良好であると言える。
測定器は、ハイレスタ(三菱化学製)による500V印加10秒後の値とした。
実施例2〜4
実施例1におけるカーボン分散液の調整において、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる数平均分子量15,000のポリアミック酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分20%)10重量部を、5重量部、25重量部、50重量部とする他は同じとした。(樹脂固形分として、カーボンブラック100重量部に対して、10、50、100重量部となる。)
このようにして得られた各分散液のカーボンブラックの体積平均粒径(Mv1)は、それぞれ、0.200μm、0.232μm、0.250μmであった。
これらの分散液を実施例1と同様にして作製した塗工液のカーボンブラックの体積平均粒径(Mv2)はそれぞれ、0.216μm、0.236μm、0.234μmであった。
これらの塗工液を用いて実施例1と同様にしてシームレスベルトを作製した。
比較例1〜2
実施例1におけるカーボン分散液の調整において、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる数平均分子量15,000のポリアミック酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分20%)10重量部を、3重量部、70重量部とする他は同じとした。(樹脂固形分として、カーボンブラック100重量部に対して、6、140重量部となる。)
このようにして得られた各分散液のカーボンブラックの体積平均粒径(Mv1)は、それぞれ、0.212μm、0.285μmであった。
これらの分散液を実施例1と同様にして作製した塗工液のカーボンブラックの体積平均粒径(Mv2)はそれぞれ、0.251μm、0.235μmであった。
これらの塗工液を用いて実施例1と同様にしてシームレスベルトを作製した。
結果を、表1に示す。
Figure 0004875419
以上の結果から、本発明の構成とすることによって、電気特性の均一なベルトを得ることが出来、当ベルトをフルカラー電子写真用中間転写ベルトとして使用することによって高品質フルカラー画像を提供することができる。
本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に用いられるシームレスベルトと装置を説明するための要部模式図である。 本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に配備される1つの中間転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムが並設されている一構成例を示す要部模式図である。
符号の説明
P 転写紙
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
600 2次転写ユニット
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
802 2次転写電源
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ

Claims (4)

  1. 少なくとも溶媒とカーボンブラックと結着樹脂とを有する塗工液を塗布成形して作製する電子写真用シームレスベルトの該塗工液の製造方法において、
    溶媒にカーボンブラックを分散してなるカーボン分散液を作製する工程と、次いで該カーボン分散液に結着樹脂を混合して塗工液を作製する工程からなり、
    前記カーボン分散液は、前記塗工液に含有される結着樹脂と同組成で、かつ、それ以下の分子量である樹脂を含有し、その固形分含有量が、前記カーボンブラック100質量部に対して、10〜100質量部であり、
    該塗工液における前記カーボンブラックの体積平均粒径Mv2と、前記カーボン分散液における前記カーボンブラックの体積平均粒径Mv1が下記式(1)の関係であることを特徴とする電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法。
    0.9≦Mv2/Mv1≦1.1 ・・・(1)
  2. 前記結着樹脂が、ポリアミック酸であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法。
  3. 少なくとも溶媒とカーボンブラックと結着樹脂とを有する塗工液を塗布成形して作製する電子写真用シームレスベルトの該塗工液が、請求項1に記載の製造方法にて製造されることを特徴とする電子写真用シームレスベルトの塗工液。
  4. 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に用いる中間転写ベルトであって、該中間転写ベルトは、請求項に記載の塗工液にて作製されることを特徴とする中間転写ベルト。
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