JP4146328B2 - シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置 - Google Patents

シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4146328B2
JP4146328B2 JP2003378688A JP2003378688A JP4146328B2 JP 4146328 B2 JP4146328 B2 JP 4146328B2 JP 2003378688 A JP2003378688 A JP 2003378688A JP 2003378688 A JP2003378688 A JP 2003378688A JP 4146328 B2 JP4146328 B2 JP 4146328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
cst
seamless belt
seamless
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003378688A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005139351A (ja
Inventor
淳 青戸
充 成瀬
泰男 平野
均 有田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2003378688A priority Critical patent/JP4146328B2/ja
Publication of JP2005139351A publication Critical patent/JP2005139351A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4146328B2 publication Critical patent/JP4146328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、シームレスベルトに関し、特にコピー・プリンター等の電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトに関するものである。
従来から、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体を含有する溶液を支持体(成型用の型:回転体やベルトなど)に塗布・流延して塗膜(薄膜)とした後、前駆体を加熱してイミド化を促進する過程で、薄膜の表面が、「ゆず肌や亀甲模様(以下、ゆず肌・亀甲模様と略す。)」を発生したり、あるいは溶液を塗布する際に、被塗工基板材料との馴染みが悪く、「はじき」による欠陥を生じることが知られている。
このような問題を改善するため、例えば、以下のような方法が提案されている。
ポリイミドまたはポリアミドイミドあるいはポリアミド酸溶液にフッ素系界面活性剤を添加することにより、ゆず肌を防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ポリイミド前駆体溶液にシロキサン単位を含む界面活性剤を含有させることによってはじきを防止することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。あるいは、フィラーを分散した耐熱性樹脂(ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂)溶液にフッ素系界面活性剤を含有させることによって、基板(四フッ化ポリエチレン製)等への塗工時におけるはじきを防止することが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。さらに、半導電性ポリイミド系無端ベルト(2層構造)を形成するため、カーボン等の導電性物質とポリイミド前駆体を含有した溶液に相溶化剤としてフッ素系界面活性剤を混合させることによって導電性物質の分散均一性を高めることが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
上記各提案によれば、ゆず肌・亀甲模様の発生を回避したり、はじきを抑制することができる。
しかし、無機充填剤を含む厚膜(例えば、50μm以上)の被膜を、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と無機充填剤と溶媒(例えば、N−メチルピロリドン)とを含有した溶液(塗工液)から形成(例えば、遠心成形法)する場合、塗工液の粘度を高くすると共に、固形分の含有濃度を高くすることが必要であり、上記従来技術によりある程度ゆず肌・亀甲模様の発生、あるいははじきを改善することはできるが、無機充填剤を分散する塗工液調製工程や、塗工液の塗布工程などで泡が発生しやすく、しかも発生した泡は抜けにくい。このため、被膜(塗膜)中に気泡が残存して欠陥を生じるという問題が発生する。
特公平5−8222号公報 特開2001−302913号公報 特開2001−123066号公報 特開平7−156287号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決するものであり、ゆず肌・亀甲模様など、表面に生ずる欠陥(表面性欠陥)を防止すると同時に、無機充填剤の分散が均一でかつ気泡の残存のない平滑で均質な膜状態のポリイミドまたはポリアミドイミド製シームレスベルトを提供する。更に、電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いられる当該シームレスベルトを提供すると共に、シームレスベルトの製造方法とそれに用いる塗工液、ならびにシームレスベルトを用いたベルト構成部(特には、中間転写ベルト)を装備した電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、無機充填材が分散されているポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体の有機極性溶媒溶液に、さらに、25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサン、もしくは25℃における動粘度が30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンを含有させた塗工液を用いることにより、支持体に塗布、流延して厚膜(例えば、50μm以上)の塗膜を成形(例えば、遠心成形)した場合でも上記課題が改善されることを見出し、本発明に到った。以下、本発明について具体的に説明する。
請求項1の発明は、塗工液を用いて成形された、無機充填材とポリイミドまたはポリアミドイミドとを含むシームレスベルトにおいて、
前記塗工液は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有することを特徴とするシームレスベルトである。
請求項2の発明は、前記ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンの含有量が塗工液の0.001〜0.5wt%であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルトである。
請求項3の発明は、前記シームレスベルトの膜厚が50μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のシームレスベルトである。
請求項4の発明は、像担持体上に形成されるトナー現像画像を転写して被記録媒体に画像形成する電子写真装置に装備されるベルト構成部用のシームレスベルトにおいて、
該ベルトは、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とするベルト構成部用のシームレスベルトである。
請求項5の発明は、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用のシームレスベルトにおいて、
前記ベルトは、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とするベルト構成部用のシームレスベルトである。
請求項6の発明は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有する塗工液を用いてシームレスベルトを製造することを特徴とするシームレスベルトの製造方法である。
請求項7の発明は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程と、
さらに昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程と、
形成された薄膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
を含むことを特徴とするシームレスベルトの製造方法である。
請求項8の発明は、像担持体上に形成されるトナー現像画像を転写して被記録媒体に画像形成する、ベルト構成部を装備した電子写真装置において、
該ベルトは、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする電子写真装置である。
請求項9の発明は、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する、ベルト構成部を装備した電子写真装置において、
前記ベルト構成部は、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする電子写真装置である。
請求項10の発明は、無機充填材とポリイミドまたはポリアミドイミドとを含むシームレスベルト用の塗工液において、
前記塗工液は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有することを特徴とするシームレスベルト用の塗工液である。
請求項1の構成によれば、ゆず肌・亀甲模様などの表面性欠陥が防止されると共に、無機充填剤の分散が均一で、しかも気泡の残存がない平滑かつ均質な耐熱性の優れたシームレスベルトが提供される。そして、表面均一性に優れ、気泡などの欠陥がないため、機械的・電気的に過酷な繰返しハザードを受ける電子写真装置に装備される電子写真用駆動部材、すなわちベルト構成部用の耐久性に優れた部材として使用することが可能である。
請求項2の範囲に調整することにより、シームレスベルト形成の際に、ゆず肌や亀甲模様の発生を防止する効果が一層向上すると共に、塗工時におけるはじき現象の発生を防止し、また、液の流動模様や、熱風循環乾燥機による乾燥時の風紋模様の発現を抑制することができる。
請求項3の膜厚とすることにより、特に、電子写真装置に装備されるベルト構成部に要求される各種性能、例えば、機械的・電気的繰返しハザードに対する耐久性や物理的寸法の安定性が満たされ好適なものとなる。50μm以上の厚膜とした場合においても、本発明における塗工液は、請求項1および2に記載したような優れたシームレスベルトを提供することができる。
請求項4の電子写真装置に装備されるベルト構成部用として、本発明に係るシームレスベルトを適用することにより、機械的・電気的に過酷な繰返しハザードに対して耐久性を向上することが可能である。
請求項5の二次転写方式の電子写真装置に装備されるベルト構成部、特に中間転写ベルト用として、本発明に係るシームレスベルトを適用することにより、機械的・電気的に過酷な繰返しハザードに対して耐久性を向上することが可能である。
請求項6または7の製造方法によれば、厚膜(50μm以上)の場合でも、ゆず肌・亀甲模様などの表面性欠陥がなく、無機充填剤の分散も均一で、かつ気泡のない平滑で均質なシームレスベルトが提供される。
請求項8あるいは9の電子写真装置構成によれば、装備されるベルト構成部用として、本発明に係るシームレスベルトが用いられるため、耐久性が向上し、長期間に亘る画像形成においても、高品質の画像を安定して提供することができる。
請求項10の構成とした塗工液を用いることにより、50μm以上の厚膜とした場合でも、表面性欠陥(ゆず肌・亀甲模様など)がなく、無機充填剤の分散が均一化され、しかも気泡の残存のない平滑で均質なシームレスベルトを提供することが可能である。
前記のように、本発明における無機充填材とポリイミドまたはポリアミドイミドとを含むシームレスベルトの成形は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有する塗工液を用いて行われる。
以下、塗工液について説明する。
前述のように、単に無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、溶媒(例えば、N−メチルピロリドン)とを組成分として調製した塗工液を用いた場合には、薄膜形成(遠心成型等)時に塗膜表面にゆず肌や亀甲模様などの荒れが生じる。この荒れによって、無機充填剤の分散性に悪影響が生じ、不均一な分散になる。特に、無機充填剤が電気抵抗調整剤(略、抵抗調整剤)である場合、分散が不均一であると抵抗値も不均一となり、後に示す電子写真装置に装備されるベルト構成部用のシームレスベルト、例えば、中間転写ベルトのような像を形成するシームレスベルトでは異常画像の発生原因となる。また、このような荒れた表面状態のままで、前駆体をイミド化するために昇温加熱処理を行うと、微小なクラックが発生する。このような微小クラックが形成されると、例えば、電子写真装置に装備される駆動部材、すなわちベルト構成部用の部材に用いると、繰返し使用においてベルト亀裂の原因となり、耐久性に欠けたものとなる。
そこで本発明においては、厚膜(50μm以上)の塗膜形成の場合においても、表面の荒れ(ゆず肌・亀甲模様など)を生じず、無機充填剤の分散を均一とし、気泡の発生を抑制すると共に、クラック形成を防止するため、塗工液の組成分としてポリジメチルシロキサンもしくはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンの少なくともいずれかのシロキサン化合物を含有させることによって問題を解決するものである。
特に、25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは25℃における動粘度が30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンを含有させることによって、ゆず肌・亀甲模様の発生防止を一層向上すると共に、塗工時におけるはじき現象の発生を防止する。また、シロキサン化合物の有機極性溶媒(N−メチルピロリドン等)に対する溶解性を好適に維持し、塗工時における液の流動模様や、熱風循環乾燥機による乾燥時の風紋模様の発現を抑制することができる。さらに、無機充填剤の分散性を好適なものとし、良好な消泡性を保持するため、塗膜中に泡を抱き込む恐れがない。
なお、本発明に用いるシロキサン化合物以外の各種シリコンオイルやシリコン系界面活性剤の場合には、いずれも有機極性溶媒であるN−メチルピロリドン等への溶解性に難点があったり、泡切れが悪く好ましくない。
次に、本発明の塗工液の組成分として含有される無機充填材について説明する。
無機充填材としては、目的に応じた所望の特性とするため、必要により各種の材質や形態の材料が用いられる。なお、前記のように、無機充填材は、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体の有機極性溶媒溶液(本発明に用いるシロキサン化合物を含有)に分散された状態で塗工液を構成する。
無機充填材として補強材を用いる場合には、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスビーズ等から選ばれる一種以上を添加することができる。また、滑り性を付加あるいは改善する目的から固体潤滑剤を用いることができ、例えば、二硫化モリブデン、グラファイド、窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉等から選ばれる一種以上添加することもできる。
なお、本発明の目的を逸脱しない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤など、一般に知られた添加剤を一種以上添加することもできる。
本発明におけるシームレスベルト、特に、電子写真装置に装備されるベルト構成部(駆動部)用のシームレスベルト(電子写真用シームレスベルト)として用いる場合、塗工液の組成分として、用途に応じて各種の充填剤の添加が必要となるが、とりわけ機械強度の点から上述したような補強効果のある無機充填剤は欠かせない。
電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いる電子写真用シームレスベルト(電子写真用シームレスベルト)としては、例えば、中間転写ベルトや転写搬送ベルト、あるいは定着ベルトが挙げられる。定着ベルトとして使用する場合には、熱伝導性の高い無機充填剤の添加が必要とされ、一方、転写搬送ベルトや中間転写ベルトとして使用する場合には、電気抵抗を制御するための抵抗制御剤の添加が必要となる。
抵抗制御剤としては、カーボンブラック、黒鉛、あるいは、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属や、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粉末などが挙げられる。また、これらにイオン電導性抵抗制御剤として、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジル、アンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどを併用して用いてもよい。なお、本発明における抵抗制御剤は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
また、本発明のポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、N−メチルピロリドン等の有機極性溶媒とを組成分とした塗工液の場合には、上記抵抗制御剤のうち、カーボンブラックが好ましく用いられる。
一般に、カーボンブラックは粒子間の凝集力が高く、樹脂成分や溶剤との親和性が弱いため、均一に混合または分散することが非常に難しく何らかの対策を講じる必要がある。
例えば、カーボンブラックの表面官能基と、その官能基と反応性を有する有機化合物とを反応させて処理することにより、樹脂成分や溶剤との親和性が高まり、均一に混合または分散させることができるようになる。
上記有機化合物としては、酢酸ビニルや、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ブロモスチレン、p−クロロスチレン、p−スチレンスルフォン酸ナトリウム等のスチレン系化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル等のアクリル酸エステル化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル化合物、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ピペリルアクリルアミド等のN−置換アクリルアミド系化合物、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等の架橋性単量体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、カーボンブラックの分散性を向上させる方法として、カップリング剤でカーボンブラックを処理する方法(例えば、特開昭63−175869号公報、特開昭63−158566号公報、英国特許第1583564号明細書、英国特許第1583411号明細書参照。)があるが、本発明の塗工液においては、この方法では分散がまだ不完全であり、さらにコストが高いという問題がある。また、カーボンブラックの存在下で単量体成分をグラフト化する方法(例えば、特開昭64−6965号公報、西独特許第3102823号明細書参照。)もあるが、この方法ではグラフト効率が悪く、本発明の塗工液においては、グラフト化後のカーボンブラックの分散は不十分であった。
次に、本発明における塗工液の組成分であるポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体および当該前駆体の加熱処理(イミド化)により生成するポリイミドまたはポリアミドイミドについて詳しく説明する。
以下、ポリイミド、ポリアミドイミドの順に説明する。
<ポリイミド>
本発明に用いられるポリイミドは、一般的に知られている芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。すなわち、ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を持つため、酸無水物と芳香族ジアミンから、まず有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、またはポリアミド酸)を合成し、この段階で様々な方法で成型加工が行われ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとする。反応の概略を下記化学反応式(I)に示す。
Figure 0004146328
(式中、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Arは少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。)
上記芳香族多価カルボン酸無水物の具体例としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
次に、芳香族多価カルボン酸無水物と反応させる芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用される。
上記芳香族多価カルボン酸無水物成分とジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。下記にポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
なお、ポリアミック酸の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましい。溶媒は、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されないが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物あるいは、その誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体を有機溶媒に溶解または拡散させておき、この溶液中に前記ジアミンを添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物あるいはその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)は、上記のようにして合成したものを使用することが可能であるが、簡便には有機溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを入手して使用することもできる。
このような例としては、トレニース(東レ社製)、U−ワニス(宇部興産社製)、リカコート(新日本理化社製)、オプトマー(JSR社製)、SE812(日産化学社製)、CRC8000(住友ベークライト社製)等が代表的なものとして挙げられる。
合成あるいは入手したポリアミック酸溶液に、前記無機充填材を混合・分散し、さらに本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)を添加混合して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行われる。
すなわち、ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、または化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を200〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが必要である。
イミド化の進行状況(イミド化の程度)は、通常行われているイミド化率の測定手法により評価することができる。
このようなイミド化率の測定方法としては、例えば、9〜11ppm付近のアミド基に帰属される1Hと6〜9ppm付近の芳香環に帰属される1Hとの積分比から算出する核磁気共鳴分光法(NMR法)、フ−リエ変換赤外分光法(FT-IR法)、イミド閉環に伴う水分を定量する方法、カルボン酸中和滴定法など種々の方法が用いられているが、中でもフ−リエ変換赤外分光法(FT-IR法)は最も一般的な方法である。
フ−リエ変換赤外分光法(FT-IR法)では、イミド化率を、例えば、次のように定義する。
すなわち、焼成段階(イミド化処理段階)でのイミド基のモル数を(A)とし、100%イミド化された場合(理論的)のイミド基のモル数を(B)とすると、次により表される。
イミド化率=[(A))/(B))]×100
この定義におけるイミド基のモル数は、FT-IR法により測定されるイミド基の特性吸収の吸光度比から求めることができる。例えば、代表的な特性吸収として、以下の吸光度比を用いてイミド化率を評価することができる。
(1)イミドの特性吸収の1つである725cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,015cm−1との吸光度比
(2)イミドの特性吸収の1つである1,380cm−1(イミド環C−N基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(3)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1(イミド環C=O基の変角振動帯)と、ベンゼン環の特性吸収1,500cm−1との吸光度比
(4)イミドの特性吸収の1つである1,720cm−1とアミド基の特性吸収1,670cm−1(アミド基N−H変角振動とC−N伸縮振動の間の相互作用)との吸光度比
また、3000〜3300cm-1にかけてのアミド基由来の多重吸収帯が消失していることを確認すればさらにイミド化完結の信頼性は高まる。
次に、ポリアミドイミドについて説明する。
<ポリアミドイミド>
ポリアミドイミドは、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミドとしては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、酸クロライド法(a):酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42ー15637号公報参照。)が知られている。あるいは別な方法として、イソシアネート法(b):酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44ー19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
(a)酸クロライド法
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記一般式(II)および一般式(III)に示す化合物を使用することができる。
Figure 0004146328
(式中、Xはハロゲン元素を示す。)
Figure 0004146328
(式中、Xはハロゲン元素を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−または−O−を示す。)
前記各式において、ハロゲン元素はクロライドが好ましく、誘導体の具体例を挙げると、テレフタル酸、イソフタル酸、4、4’ビフェニルジカルボン酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3、3’、4、4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3、3、’、4、4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1、4シクロヘキサンジカルボン酸、1、2シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドが挙げられる。
一方、ジアミンとしては特に限定されないが、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、および脂環族ジアミンのいずれも用いられるが、芳香族ジアミンが好ましく用いられる。
芳香族ジアミンとしては、 m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
酸クロライド法により本発明におけるポリアミドイミド(ポリアミドイミド樹脂)を得るためには、ポリイミド樹脂の製造の場合と同様に、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0〜30℃)で反応させ、ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)とする。
使用することのできる有機極性溶媒としては前記ポリイミドと同様であり、ホルムアミド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、ピロリドン系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール系溶媒(例えば、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、セロソルブ系溶媒(例えば、ブチルセロソルブ等)、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらを単独あるいは混合溶媒として用いるのが望ましく、ポリアミック酸を溶解するものであれば特に限定されない。特に好ましく用いられる溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンである。
上記により得たポリアミド・ポリアミック酸溶液に、前記無機充填材と、本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)とを混合して塗工液が調製される。塗工液が支持体(成形用の型)に塗布された後、加熱等の処理することにより、ポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行われる。
イミド化の方法としては、加熱処理により脱水閉環させる方法、および脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
(b)イソシアネート法
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、下記一般式(IV)あるいは下記一般式(V)で示す化合物を使用することができる。
Figure 0004146328
(式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示す。)
Figure 0004146328
(式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−または−O−を示す。)
上記一般式を有する誘導体は何れも使用することができるが、最も代表的には無水トリメリット酸が挙げられる。また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独または混合して用いることができる。
次に、本発明のポリアミドイミドの合成に用いられる一方の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3′−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。
これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネートおよび3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
上記各酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と、芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒に溶解調整して得られるポリアミドイミド前駆体を含む溶液に、前記無機充填材と、本発明におけるシロキサン化合物(ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン)とを混合して塗工液が調製される。塗工液を支持体に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化が行われる。この方法によるポリアミドイミドへの転化の際、概略ポリアミック酸を経由することなく(炭酸ガスを発生して)ポリアミドイミドを生成する。下記化学反応式(VI)に無水トリメリット酸と芳香族イソシアネートとを用いた場合のポリアミドイミド化の例を示す。
Figure 0004146328
(式中、Arは芳香族基を示す。)。
次に、前記ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体を含む塗工液を用いてシームレスベルトを製造する方法について説明する。
すなわち、本発明における、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、N−メチルピロリドンと、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有する塗工液を用いて、シームレスベルトを製造する場合、概略次の工程を含むことにより達成できる。すなわち、当該塗工液を支持体(成形用の型)に塗布・流延する工程(1)、支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程(2)、昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程(3)、形成された薄膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程(4)により製造することができる。
なお、本発明の塗工液として、必要に応じて前記ポリイミド前駆体とポリアミドイミド前駆体との両方を含む溶液として使用することもできる。
まず、支持体(成形用の型)として遠心成型を用いた場合を例として説明する。以下の説明は、一例であり条件などこれに限定されるものではない。
遠心成型は円筒状の回転体から構成されるものであり、この円筒状の回転体をゆっくりと回転させながら塗工液を円筒の内面全体に均一になるように塗布・流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が得られたところで常温に戻し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、300℃〜400℃程度の高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体のイミド化あるいはポリアミドイミド化を行う。イミド化等が完了後、徐冷して薄膜を型から剥離する。このようにしてシームレスベルトが形成される。なお、型には、剥離しやすいように予め、離型剤または離型層を形成しておくことが好ましい。
次に、本発明における電子写真装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であってこれに限定されるものではない。
図1の模式図に、ベルト構成部等を装備した電子写真装置の要部概略構成を示す。
図1に示すベルト構成部である中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面あるいは内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510,クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。
このベルト構成部である中間転写ベルト501は、通常、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明のシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。
図1において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にY画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるY画像データの読み取りが始まり、そのY画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にY静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つT静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、Y現像機231Yが現像位置にセットされ、Y静電潜像がYトナーで現像される。以後、Y静電潜像領域の現像を続けるが、Y静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のC現像機231Cを現像位置に移動させる。これもやはり次のC静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、C及びMの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Yの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、Y,C、Mのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。
そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印可された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材503が設けられている。このトナーシール部材503は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材503は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(M)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図2に示すような複数の感光体ドラムを一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。
図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム921BK,921Y,921M,921Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体910は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部912、画像形成部913、給紙部914、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y),シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部912に送信する。画像書込部912は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部913の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)921BK、921M、921Y、921Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部913は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体921BK、921M、921Y、921Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体921BK、921M、921Y、921Cの周囲には、帯電装置、上記書込部912からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置920BK、920M、920Y、920C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ923BK、923M、923Y、923C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置920BK、920M、920Y、920Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト922は、各感光体921BK、921M、921Y、921Cと、各1次転写バイアスローラ923BK、923M、923Y、923Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部914から給紙された後、レジストローラ916を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト950に坦持される。そして、中間転写ベルト922と転写搬送ベルト950とが接触するところで、上記中間転写ベルト922上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ960により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト950により定着装置915に搬送され、この定着装置915により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト922上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置925によって中間転写ベルト922から除去される。このベルトクリーニング装置925の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト922に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト922に常時接触して、中間転写ベルト922に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト922のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、本発明におけるシームレスベルトは、上述したような中間転写ベルト501または922を装備した中間転写ベルト方式の画像形成装置に好適に適用できる他、該中間転写ベルト501または922の代りに転写搬送ベルトを装備した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。さらに、転写搬送ベルト方式の画像形成装置の場合においても、前記1感光体ドラム方式あるいは4感光体ドラム方式の何れにも適用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
実施例1
[塗工液の調製]
まず、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの各等モルをN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応させ、ポリアミック酸溶液を得た。この溶液に、ビーズミルによってN−メチルピロリドン中に微粉砕分散したカーボンブラック(キャボット製BP−L)分散液を混合し調製した。
得られたカーボンブラック分散ポリアミック酸溶液は、ポリアミック酸固形分13wt%、カーボンブラック3wt%、N−メチルピロリドン84wt%であった。
さらに、25℃における動粘度が1cStであるポリジメチルシロキサン(トーレダウコーニングシリコーン製SH200)を、上記カーボンブラック分散ポリアミック酸溶液に0.01wt%添加し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
[シームレスベルトの作製]
次に、内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を500rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、120℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、350℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚90μmのシームレスベルトを得た。
[シームレスベルトの内面性状評価]
製作したシームレスベルトの内面の表面状態をマイクロスコープ(キーエンス製VH−8000)により観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例2
実施例1における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の動粘度を1cStから5cStとする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例3
実施例1における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の動粘度を1cStから10cStとする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例4
実施例1における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の動粘度を1cStから20cStとする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例1
実施例1における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の動粘度を1cStから0.65cStとする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例2
実施例1における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の動粘度を1cStから30cStとする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例5
実施例1における塗工液に添加したポリジメチルシロキサン(SH200)に変えて、アルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン(SZ2105(25℃における動粘度50cSt):日本ユニカー製)とする以外は、実施例1同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例6
実施例1における塗工液に添加したポリジメチルシロキサン(SH200)に変えて、アルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン(L−7602(25℃における動粘度100cSt):日本ユニカー製)とする以外は、実施例1同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例3
実施例1における塗工液に添加したポリジメチルシロキサン(SH200)に変えて、アルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン(L−77(20cSt):日本ユニカー製)とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例4
実施例1における塗工液に添加したポリジメチルシロキサン(SH200)に変えて、アルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン(L−722(130cSt):日本ユニカー製)とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合
実施例7
実施例2における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の添加量を0.001wt%とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例8
実施例2における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の添加量を0.1wt%とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例9
実施例2における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の添加量を0.5wt%とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例5
実施例2における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の添加量を0.0005wt%とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例6
実施例2における塗工液に添加するポリジメチルシロキサン(SH200)の添加量を1wt%とする以外は、実施例1と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例1と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
実施例10
[塗工液の調製]
まず、トリメリット酸無水物と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの等モルをN−メチルピロリドン溶媒中で150℃にて重合反応させ、ポリアミドイミド溶液を得た。この溶液に、ビーズミルによってN−メチルピロリドン中に微粉砕分散したカーボンブラック(キャボット製BP−L)分散液を混合し調製した。得られたカーボンブラック分散ポリアミドイミド溶液は、ポリアミドイミド固形分15wt%、カーボンブラック7wt%、N−メチルピロリドン78wt%であった。
さらに、25℃における動粘度が5cStであるポリジメチルシロキサン(トーレダウコーニングシリコーン製SH200)を、上記カーボンブラック分散ポリアミック酸溶液に0.01wt%添加し、よく攪拌混合して塗工液を調製した。
[シームレスベルトの作製]
次に、実施例1と同様に内径100mm、長さ300mmの内面を鏡面仕上げした金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記塗工液を円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を500rpmに上げ、熱風循環乾燥機に投入して、120℃まで徐々に昇温して30分加熱した。その後回転を停止し、高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、250℃まで昇温して30分加熱処理(焼成)した。
所定時間処理して加熱を停止した後、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から剥離し、膜厚85μmのシームレスベルトを得た。
[シームレスベルトの内面性状評価]
実施例1同様に、製作したシームレスベルトの内面の表面状態をマイクロスコープ(キーエンス製VH−8000)により観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例7
実施例10における塗工液に添加したポリジメチルシロキサン(SH200)に代えて、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK331:ビックケミー製)とする以外は、実施例10と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例10と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
比較例8
実施例10における塗工液に添加したポリジメチルシロキサン(SH200)に代えて、
フッ素系界面活性剤(FC430:住友スリーエム製)とする以外は、実施例10と同様にして塗工液を調製した。得られた塗工液を用いて実施例1と同じようにしてシームレスベルトを作製し、その内面の表面状態を実施例10と同様に観察した。結果を下記表1に示す。併せて、塗工液に添加したシロキサン化合物の種類、粘度(25℃における動粘度)、添加量を記載する。
Figure 0004146328
以上の結果から、本発明の構成とすることによって、良好な性状のベルトを得ることができ電子写真用部材に用いても耐久性のある高品質、高安定なシームレスベルトが提供できる。
前記で製作したシームレスベルトのうち、実施例1、10、比較例1、2、4、7のシームレスベルトを用いて、前記図2に示した電子写真装置に装備されるベルト構成部の中間転写ベルトとして配備し、連続1万枚のコピー出力を実施した。
その結果、実施例1、10の各転写シームレスベルトは機能上の問題もなく、また出力画像も終始良好であった。一方、比較例1、4、7の各転写シームレスベルトは、裏面にクラックが入り一部が破損した。また、比較例2の転写シームレスベルトは1万枚出力時には抵抗が不均一に低下する場所が発生し、出力画像が、滲んだ状態の解像度の低い、品質の悪い画像となった。
本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に用いられるシームレスベルトと装置を説明するための要部模式図である。 本発明に係る電子写真装置のベルト構成部に配備される1つの中間転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムが並設されている一構成例を示す要部模式図である。
符号の説明
P 転写紙
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
503 トナーシール部材
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
600 2次転写ユニット
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
802 2次転写電源
910 プリンタ本体
912 画像書込部
913 画像形成部
914 給紙部
915 定着装置
916 レジストローラ
920BK、920M、920Y、920C 現像装置
921BK、921M、921Y、921C 感光体
922 中間転写ベルト
923BK、923M、923Y、923C 1次転写バイアスローラ
925 ベルトクリーニング装置
950 転写搬送ベルト
960 2次転写バイアスローラ

Claims (10)

  1. 塗工液を用いて成形された、無機充填材とポリイミドまたはポリアミドイミドとを含むシームレスベルトにおいて、
    前記塗工液は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有することを特徴とするシームレスベルト。
  2. 前記ポリジメチルシロキサンまたはアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンの含有量が塗工液の0.001〜0.5wt%であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルト。
  3. 前記シームレスベルトの膜厚が50μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のシームレスベルト。
  4. 像担持体上に形成されるトナー現像画像を転写して被記録媒体に画像形成する電子写真装置に装備されるベルト構成部用のシームレスベルトにおいて、
    該ベルトは、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とするベルト構成部用のシームレスベルト。
  5. 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する電子写真装置に装備されるベルト構成部用のシームレスベルトにおいて、
    前記ベルトは、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とするベルト構成部用のシームレスベルト。
  6. 無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有する塗工液を用いてシームレスベルトを製造することを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
  7. 無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有する塗工液を支持体に塗布・流延する工程と、
    支持体に塗布・流延された塗膜中の溶媒を加熱により除去する工程と、
    さらに昇温加熱して塗膜中に含まれる前駆体のイミド化を促進する工程と、
    形成された薄膜を支持体から離型し、シームレスベルトとする工程と、
    を含むことを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
  8. 像担持体上に形成されるトナー現像画像を転写して被記録媒体に画像形成する、ベルト構成部を装備した電子写真装置において、
    該ベルトは、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする電子写真装置。
  9. 像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、該一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する、ベルト構成部を装備した電子写真装置において、
    前記ベルト構成部は、請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルトであることを特徴とする電子写真装置。
  10. 無機充填材とポリイミドまたはポリアミドイミドとを含むシームレスベルト用の塗工液において、
    前記塗工液は、無機充填材と、ポリイミド前駆体またはポリアミドイミド前駆体と、有機極性溶媒と、各25℃における動粘度が1cSt以上、20cSt以下であるポリジメチルシロキサンもしくは30cSt以上、100cSt以下であるアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサンとを含有することを特徴とするシームレスベルト用の塗工液。



JP2003378688A 2003-11-07 2003-11-07 シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置 Expired - Fee Related JP4146328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003378688A JP4146328B2 (ja) 2003-11-07 2003-11-07 シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003378688A JP4146328B2 (ja) 2003-11-07 2003-11-07 シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005139351A JP2005139351A (ja) 2005-06-02
JP4146328B2 true JP4146328B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=34688990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003378688A Expired - Fee Related JP4146328B2 (ja) 2003-11-07 2003-11-07 シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4146328B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4561369B2 (ja) * 2005-01-12 2010-10-13 東海ゴム工業株式会社 電子写真機器用無端ベルト
JP4525377B2 (ja) * 2005-02-15 2010-08-18 東海ゴム工業株式会社 電子写真機器用無端ベルト
JP4622584B2 (ja) * 2005-03-01 2011-02-02 東海ゴム工業株式会社 電子写真機器用無端ベルトおよびその製法
JP4863653B2 (ja) * 2005-06-14 2012-01-25 株式会社リコー 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト及び電子写真装置
JP5060802B2 (ja) * 2007-03-06 2012-10-31 東海ゴム工業株式会社 電子写真機器用無端ベルトおよびその製法
JP4972460B2 (ja) * 2007-05-23 2012-07-11 株式会社リコー 電子写真用シームレスベルト及び製造方法
US8545989B2 (en) * 2011-06-03 2013-10-01 Xerox Corporation Poly(amic acid amideimide) tertiary amine intermediate transfer members

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4042882B2 (ja) * 1999-04-30 2008-02-06 信越ポリマー株式会社 シームレスベルト
JP2001152013A (ja) * 1999-11-26 2001-06-05 Gunze Ltd 熱安定性半導電ポリアミド酸組成物及びその使用
JP2001302913A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Unitika Ltd ポリイミド前駆体溶液及びそれから得られるポリイミド被膜
US6512015B1 (en) * 2000-06-30 2003-01-28 Dow Corning Corporation Silicone foam control compositions
JP4277520B2 (ja) * 2002-05-20 2009-06-10 富士ゼロックス株式会社 無端ベルト、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005139351A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6064680B2 (ja) 中間転写ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置
JP5476853B2 (ja) シームレスベルトおよびそれを用いた電子写真装置
JP2007164029A (ja) 中間転写体及びその製造方法、並びに画像形成装置
JP4146328B2 (ja) シームレスベルト、その製造方法と塗工液、電子写真装置
JP2009025625A (ja) 電子写真用シームレスベルト、中間転写ベルト並びにそれを用いた画像形成装置及びフルカラー画像形成装置
JP2008292616A (ja) 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、電子写真装置
JP4875419B2 (ja) 電子写真用シームレスベルトの塗工液の製造方法及び中間転写ベルト
JP2007121619A (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP5065577B2 (ja) シームレスベルトの形成方法、シームレスベルトおよび電子写真装置
JP2006251415A (ja) 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト、画像形成装置、及び画像形成方法
JP4370191B2 (ja) シームレスベルト、該ベルトの製造方法、それを用いた電子写真装置並びに塗工液
JP2010066430A (ja) 中間転写体及び画像形成装置
JP4480074B2 (ja) 電子写真用等のシームレスベルトその製造方法と塗工液、電子写真装置
JP4863653B2 (ja) 電子写真用シームレスベルトとその製造方法、中間転写ベルト及び電子写真装置
JP4949663B2 (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP5073245B2 (ja) 抵抗制御剤含有ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸系組成物からなる電子写真用部材及び電子写真装置
JP2006171573A (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP5413725B2 (ja) 中間転写体の製造方法、及びそれを用いた画像形成装置
JP5418026B2 (ja) 電子写真用シームレスベルト及びそれを用いた電子写真装置
JP5604922B2 (ja) 中間転写ベルトの製造方法、該製造方法により得られた中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
JP4911987B2 (ja) シームレスベルト及びそれを用いた画像形成装置
JP5472582B2 (ja) 電子写真用中間転写ベルト及び電子写真装置
JP5152617B2 (ja) 電気抵抗組成物、電子写真装置用部材及び電子写真装置
JP5472588B2 (ja) 電子写真用ベルトとその製造方法及び電子写真装置
JP6079275B2 (ja) 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4146328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees