JP6070597B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、感光体の回転方向においてクリーニング手段の上流側に潤滑剤供給手段が配置され、クリーニング手段の下流側であって帯電手段の上流側に、非接触の静電ローラによって粉体の潤滑剤を除去する潤滑剤除去手段を配置する構成の画像形成装置が記載されている。しかしながら、この画像形成装置においては、帯電手段による帯電前に潤滑剤が十分に積層されていないため、帯電手段による帯電により感光体の表面が劣化し、感光体表面の抵抗を高く維持することができず、高温高湿環境下において像流れが発生するという問題がある。
回転する前記感光体の外面領域において当該感光体の回転方向に沿って、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段、前記感光体の表面を帯電ローラにより帯電させる帯電手段、前記帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段、前記露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段、前記感光体上に形成されたトナー画像を転写する転写手段、前記感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段、および、前記感光体の表面に付着した滑剤を除去する滑剤除去手段が順次配置されてなり、
前記保護層は、酸化錫からなる金属酸化物微粒子を含有するものであり、
前記滑剤除去手段が、シャフトの周面に繊維を設けてなるブラシローラを有するものであり、当該ブラシローラの前記感光体に対する食込み量が0.5mm〜1.2mmであることを特徴とする。
図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkと、給紙搬送手段150と、定着手段170とを有する。画像形成装置100の本体の上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
感光体111Yは、架橋重合体を含有する保護層を表面層として有するドラム状のものである。この例の感光体111Yは、具体的には、導電性支持体上に、中間層を有し、この中間層上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層がこの順に積層されてなる感光層が形成され、この感光層(電荷輸送層)上に表面層として保護層が形成された層構成を有している。なお、感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する単層構造の層構成を有するものであってもよい。
保護層を構成する架橋重合体は、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を重合し、架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより得られる架橋型硬化樹脂である。重合性化合物としては、重合性官能基を2個以上有するものを用い、重合性官能基を1個有するものを併用することもできる。具体的には、重合性化合物としては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。
保護層には、膜強度および導電性の観点から、金属酸化物微粒子が含有されていてもよい。また、この金属酸化物微粒子は、表面処理剤によって表面処理されたものであることが好ましい。
また、表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護層を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OC2 H5 )(OCH3 )2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 )2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 )3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 H5 )(OCH3 )2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 )3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 H5 )3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 )2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 )3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 H5 )3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 )3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 H5 )3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )2 (OCH3 )
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCOCH3 )2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(ONHCH3 )2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OC6 H5 )2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(C10H21)(OCH3 )2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH2 C6 H5 )(OCH3 )2
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有する光重合促進剤を単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
保護層のユニバーサル硬さが上記範囲内であることにより、感光体表面が高い耐摩耗性を有するものとなるため、後述する滑剤除去手段の擦過力を大きくすることができ、滑剤除去能が向上する。そのため、滑剤存在比率Bの値が小さくなるので、滑剤の入れ替わり率が高くなり、劣化した滑剤に伴う像流れの発生をより確実に抑制することができる。
具体的には、「フィッシャースコープH100」により試験荷重下でダイヤモンド四角錐のビッカーズ圧子に荷重Fをかけて感光体表面を押し込んだときの、押し込み深さhおよび荷重Fから下記式(1)により求める。
式(1):HU(ユニバーサル硬さ)=F/(26.45×h2 )
滑剤供給手段116Yは、感光体111Yの表面に滑剤を供給する手段である。滑剤供給手段116Yにより、感光体111Y表面上に滑剤の皮膜が形成される。滑剤供給手段116Yは、感光体111Yの回転方向において滑剤除去手段114Yの下流側かつ帯電手段113Yの上流側に配置されている。
この例の滑剤供給手段116Yは、固形状の滑剤と、ブラシローラよりなる塗布部材とにより構成される。具体的には、滑剤供給手段116Yは、図2に示すように、筐体20と、この筐体20内に収容された、直方体形状を有する固形状の滑剤により構成された滑剤ストック22と、感光体111Y表面に当接し、滑剤ストック22表面を摺擦することにより掻き取った滑剤を感光体111Y表面に塗布するブラシローラ21と、滑剤ストック22をブラシローラ21に押圧する加圧バネ23と、ブラシローラ21を回転駆動させる駆動機構(図示せず)とにより構成される。ブラシローラ21は、ブラシの先端が感光体111Y表面に当接している。また、ブラシローラ21は、感光体111Yの回転方向とは逆回転で等速に回転駆動される。
ブラシ毛は金属製シャフトに対し垂直方向に起毛させる、直毛タイプが塗布能力の観点から好ましい。ブラシ毛に用いる糸は、フィラメント糸が望ましく、材料としては、6−ナイロン、12−ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン等の合成樹脂が挙げられ、導電性を高める目的でカーボン、ニッケル等の金属を練り込んだものでもよい。ブラシ繊維の太さは例えば3〜7デニール、ブラシ繊維の毛長は2〜5mm、ブラシ繊維の電気抵抗率は1×1010Ω以下、ブラシ繊維のヤング率は4900〜9800N/mm2 、ブラシ繊維の植設密度(単位面積あたりのブラシ繊維数)は例えば5万〜20万本/平方インチ(50k〜200k本/inch2 )が好ましい。ブラシローラ21の感光体に対する食込み量は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。ブラシローラの回転速度は例えば感光体の周速比で0.3〜1.5とされ、感光体の回転方向と同じ方向の回転であっても、逆の方向の回転であってもよい。
帯電手段113Yは、感光体111Y表面に対して帯電ローラにより帯電を行う手段である。この例の帯電手段113Yは、感光体111Yの表面に接触して配設された帯電ローラと、帯電ローラに電圧を印加する電源とからなる。
本発明において、帯電手段は、帯電ローラを感光体の表面に接触または近接した状態で帯電させる近接帯電方式による。
弾性層11bの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
抵抗制御層11cの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
表面層11dの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値である。
帯電バイアス電圧は、例えば−2.5〜−1.5kV程度とすることができる。
露光手段115Yは、帯電手段113Yによって一様な電位を与えられた感光体111Y表面に、画像信号(イエローの画像信号)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。露光手段115Yは、感光体111Yの軸方向にアレイ状に発光素子が配列されたLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいはレーザー光学系などが用いられる。
現像手段117Yは、感光体111Y表面にトナーを供給し、感光体111Y表面に形成された静電潜像を現像し、トナー画像を形成する手段である。この例の現像手段117Yは、具体的には、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置により構成される。
転写手段を構成する一次転写ローラ133Yは、感光体111Y上に形成されたトナー画像を無端ベルト状の中間転写体131に転写する手段である。一次転写ローラ133Yは、中間転写体131と当接して配置されている。
クリーニング手段119Yは、感光体111Y表面に残存したトナーを除去する手段である。この例のクリーニング手段119Yは、クリーニングブレードにより構成される。このクリーニングブレードは、図2に示すように、支持部材31と、この支持部材31上に接着層(図示せず)を介して支持されたブレード部材30とにより構成される。ブレード部材30は、その先端が、感光体111Y表面との当接部分における当該感光体111Yの回転方向と反対方向(カウンター方向)に向く状態で配置されている。
滑剤除去手段114Yは、感光体111Y表面に付着した滑剤を除去する手段である。滑剤除去手段114Yは、感光体111Yの回転方向においてクリーニング手段119Yの下流側かつ滑剤供給手段116Yの上流側に配置されている。
滑剤除去手段114Yは、除去部材が感光体111Y表面に接触し、機械的作用によって滑剤を除去する手段であることが好ましい。ここで、機械的作用によって滑剤を除去するとは、感光体の表面を機械的に擦過するなどによって滑剤を除去するこという。滑剤除去手段としては、ブラシローラや発泡ローラなどの除去部材を用いることができ、除去能力および耐久性の観点からブラシローラが好ましい。この例の滑剤除去手段114Yは、具体的には、感光体111Y表面に当接し、感光体111Yの回転方向とは逆回転で等速に回転駆動されるブラシローラよりなる除去部材と、駆動機構とにより構成される。
ブラシ毛は金属製シャフトに対し垂直方向に起毛させる、直毛タイプが除去能力の観点から好ましい。ブラシ毛に用いる糸は、フィラメント糸が望ましく、材料としては、6−ナイロン、12−ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン等の合成樹脂が挙げられ、導電性を高める目的でカーボン、ニッケル等の金属を練り込んだものでもよい。ブラシ繊維の太さは3〜15デニールが好ましく、ブラシ繊維の毛長は2〜5mmが好ましい。また、ブラシ繊維の植設密度を4万〜50万本/平方インチ(40k〜500kF/inch2 )の範囲で設定することで、除去に必要な剛性を確保すると共に、ブラシ毛に疎な部分を作らず滑剤の除去ムラを引き起こさないようにすることができる。ブラシ繊維の電気抵抗率は1×107 Ω以下であることが好ましく、ブラシ繊維のヤング率は1500〜9800N/mm2 であることが好ましい。ブラシローラの感光体に対する食込み量は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。ブラシローラの回転速度は例えば感光体速度比で0.3〜1.5とされ、感光体の回転方向と同じ方向の回転であっても、逆の方向の回転であってもよい。
式(1):A≧8B
式(2):A≧1.7
上記式(1)および式(2)をいずれも満たすことにより、帯電手段113Yによる帯電前においては、感光体111Y表面に滑剤が十分に存在するため、感光体111Y表面の劣化を防止することができ、感光体111Y表面の抵抗を高く維持することができるので高温高湿環境下での像流れの発生をより確実に抑制することができ、また、クリーニング手段119Yによるトナーの除去前においては、感光体111Y表面に滑剤が十分に存在するため、良好なトナークリーニング性が確実に得られる。さらに、クリーニング手段119Yによるトナーの除去後においては、劣化した滑剤が感光体111Y表面から除去されているため、滑剤の劣化に伴う像流れの発生をより確実に抑制することができる。
また、滑剤存在比率Bの測定では、回転する感光体111Yにおいて、滑剤除去手段114Yの下流側であって滑剤供給手段116Yの上流側の感光体111Y表面上の任意の箇所を選択することができる。
滑剤存在比率Aは、1.7atm%以上とされ、より好ましくは2.0〜2.5atm%である。また、A/Bは、8以上とされ、より好ましくは20〜30である。
具体的には、高温高湿環境(温度30℃、湿度80%RH)下において、2000枚印刷した後の感光体から保護層のみ5mm角で切り取り、これを測定サンプルとする。X線光電子分光装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、選択元素を下記測定条件にて定量分析し、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いて表面元素濃度を算出する。検出される金属の測定量を代替量として取り扱う。
−測定条件
X線:Alモノクロ線源
加速:12kV、6mA
分解能:50eV
ビーム系:400μm
ステップサイズ:0.1eV
中間転写体131上には、当該中間転写体上に残存したトナーを除去するクリーニング手段135が配置されている。
本発明の画像形成装置において使用されるトナーとしては、特に限定されないが、結着樹脂および着色剤が含有されるトナー粒子よりなり、当該トナー粒子には、所望により離型剤などの他の成分が含有されていてもよい。
トナーを構成するトナー粒子は、高画質化を企図する観点からすれば、その体積平均粒径が2〜8μmであることが好ましい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライトが好ましい。
直径60mmのアルミニウム製の円筒体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体〔1〕を用意した。
下記組成の分散液を下記溶媒と同じ溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1部
金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3部
溶媒:メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
中間層形成用塗布液〔1〕を用いて導電性支持体〔1〕上に、浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
電荷発生物質:下記顔料(CG−1)20部、バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)10部、溶媒:酢酸t−ブチル700部、溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン300部を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。この電荷発生層形成塗布液〔1〕を中間層〔1〕上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2部をo−ジクロロベンゼン200部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、粗チタニルフタロシアニンを5℃以下において濃硫酸250部中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5000部に注いだ。析出した結晶をろ過し、充分に水洗してウエットペースト品225部を得た。
このウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、ろ過、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン24.8部(収率86%)を得た。
上記無定形チタニルフタロシアニン10.0部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトクロロベンゼン(ODB)200部中に混合し60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG−1:10.3部を得た。顔料(CG−1)のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm-1付近のTi=O、630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混合物と推定される。
得られた顔料(CG−1)のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ、31.2m2 /gであった。
電荷輸送物質:下記化合物A225部、バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300部、酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)6部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1600部、溶媒:トルエン400部、シリコーンオイル「KF−50」(信越化学社製)1部を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を電荷発生層〔1〕の上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(1)金属酸化物微粒子の作製
酸化錫(CIKナノテック社製、数平均一次粒径:20nm)100部、表面処理剤として上記例示化合物(S−13)30部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300部の混合液を、ジルコニアビーズとともにサンドミルに入れ約40℃で、回転速度1500rpmで撹拌し、さらに、上記処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、ラジカル重合性官能基を有する化合物による酸化錫の表面処理を終了し、表面処理済み酸化錫を得た。これを金属酸化物微粒子〔1〕とする。上記のラジカル重合性官能基を有する化合物による表面処理により、酸化錫の粒子表面は上記例示化合物(S−13)により被覆されていた。
金属酸化物微粒子〔1〕100部、重合性化合物:上記例示化合物(M1)100部、溶媒:sec−ブタノール320部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)80部を遮光下で混合し、分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、重合開始剤:「イルガキュアー」(BASFジャパン社製)10部を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。この保護層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成した。その後、この塗膜を室温で15分間乾燥し、キセノンランプを用いて窒素気流下において、光源と塗膜との間の離間距離を10mmとして、ランプ出力1kWで紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚3.0μmの保護層〔1〕を形成し感光体〔1〕を作製した。この感光体〔1〕における保護層のユニバーサル硬さは200N/mm2 であった。
感光体の作製例1の保護層の形成において、重合性化合物として上記例示化合物(M1)を上記例示化合物(M2)に変更したことの他は同様にして感光体〔2〕を作製した。この感光体〔2〕における保護層のユニバーサル硬さは300N/mm2 であった。
感光体の作製例1の保護層の形成において、重合性化合物として上記例示化合物(M1)を上記例示化合物(M11)に変更したことの他は同様にして感光体〔3〕を作製した。この感光体〔3〕における保護層のユニバーサル硬さは550N/mm2 以であった。
画像形成装置「bizhub C353」(コニカミノルタ社製)に感光体〔1〕を搭載し、画像形成ユニットを帯電ローラによる帯電が行われるように改造した。また、クリーニング手段の下流側に下記仕様の滑剤除去手段を設置すると共に、滑剤除去手段の下流側かつ帯電手段の上流側に下記仕様の滑剤供給手段を配置した。具体的には、図2に示す配置となるように改造した。この評価機を用いて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
滑剤除去手段には、直毛タイプのブラシローラよりなる除去部材を使用した。このブラシローラは、フィラメント糸として炭素含有ナイロン繊維「SA−7」(東レ社製)を用い、ブラシ繊維の太さ10デニール、ブラシ繊維の植設密度75kF/inch2 、ブラシ繊維の毛長3.0mmのリボン状生地を外径6mmの金属製シャフト(SUM22)に螺旋状に巻き付け形成したものである。また、ブラシローラは感光体に対し、食込み量0.8mmとなるよう設置し、感光体の回転方向とは逆方向に周速比0.6で回転させた。また、ブラシローラは金属製シャフトを介して接地させた。
滑剤供給手段には、図2に示すような、滑剤ストックと直毛タイプのブラシローラよりなる塗布部材とにより構成された装置を使用した。このブラシローラは、フィラメント糸として炭素含有ナイロン繊維「SA−7」(東レ社製)を用い、ブラシ繊維の太さ3デニール、ブラシ繊維の植設密度120kF/inch2 、ブラシ繊維の毛長3.0mmのリボン状生地を外径6mmの金属製シャフト(SUM22)に螺旋状に巻き付け形成したものである。また、ブラシローラは感光体に対し、食込み量1mmとなるよう設置し、感光体の回転方向とは逆方向に周速比0.6で回転させた。また、ブラシローラは金属製シャフトを介して接地させた。滑剤ストックのブラシローラに対する押圧力は2N/mとした。滑剤の種類はステアリン酸亜鉛とした。
高温高湿環境(温度30℃、湿度85%RH)で、印字率5%相当の文字チャートを2000枚連続で印字した後に電源を切り、8時間放置した後に電源を入れ、A3ハーフトーン画像を20枚連続で印字した。
像流れは、ハーフトーン画像が放置前のレベルに回復したときの枚数によって評価した。1枚目以内に回復した場合を「A」、3枚目以内に回復した場合を「B」、7枚目以内に回復した場合を「C」、20枚目以内に回復した場合を「D」、21枚目以降に回復した場合を「E」と評価した。20枚目以内に回復したものを合格とする。
常温常湿環境(温度25℃、湿度50%RH)で、印字率5%相当の文字チャートを100,000枚印字した後に、感光体の保護層の膜厚を測定した。膜厚の測定は膜厚測定機「フィッシャースコープMMS PC」(フィッシャーインストルメンツ社製)を用いた。保護層の減耗量が、0.3μm以内である場合を「A」、0.3μmより大きく0.6μm以内である場合を「B」、0.6μmより大きく1.0μm以内である場合を「C」、1.0μmより大きい場合を「D」と評価した。
低温低湿環境(温度10℃、湿度15%RH)で、上記(2)減耗量評価後の感光体およびクリーニングブレードを用いてトナークリーニング性を確認した。クリーニング性の測定には画像形成装置「bizhub C6500」ベースの外部駆動機を用い、クリーニングブレードを当接線圧15N/m,実効当接角11°と設定した感光体ユニットを用意し、駆動させた状態で感光体1周分(94mm)にトナー量1g/m2 の全面帯を出力、帯が1周分クリーニングブレードを通過した後のトナー拭き残し発生有無にて判断した。全面で拭き残しが無い場合を「A」、ブレードチッピング部のみで拭き残しが発生した場合を「B」、面上で拭き残しが発生した場合を「C」と評価した。
実施例1において、感光体〔1〕を感光体〔2〕に変更し、また、滑剤除去手段におけるブラシローラの感光体に対する食い込み量を1.0mmに設定したことの他は同様にして、上記の評価を行った。
実施例1において、滑剤除去手段におけるブラシローラの感光体に対する食い込み量を0.5mmに設定したことの他は同様にして、上記の評価を行った。
実施例1において、感光体〔1〕を感光体〔3〕に変更し、また、滑剤除去手段におけるブラシローラの感光体に対する食い込み量を1.2mmに設定したことの他は同様にして、上記の評価を行った。
実施例1において、図4に示す配置、具体的には、クリーニング手段(119)の上流側に滑剤供給手段(116)を配置し、クリーニング手段(119)の下流側かつ帯電手段(113)の上流側に滑剤除去手段(114)を配置し、また、滑剤除去手段におけるブラシローラの感光体に対する食込み量を0.25mmに設定し、感光体の回転方向と同じ方向に周速比1.2に回転させたことの他は同様にして、上記の評価を行った。
なお、この構成において、表1に示す滑剤存在比率Aは、図4に示すように、滑剤除去手段(114)による滑剤の除去後であって帯電手段(113)による帯電前の感光体表面の単位面積当たりの滑剤存在比率を示す。
一方、比較例1においては、高温高湿環境下において像流れの発生を十分に抑制することができないことが確認された。これは、帯電手段による帯電前において、滑剤除去手段により感光体表面から滑剤が除去され、感光体表面の劣化を抑制することができないからと考えられる。
11a 芯金
11b 弾性層
11c 抵抗制御層
11d 表面層
11e 押圧バネ
20 筐体
21 ブラシローラ
22 滑剤ストック
23 加圧バネ
30 ブレード部材
31 支持部材
100 画像形成装置
110Y、110M、110C、110Bk 画像形成ユニット
111Y、111M、111C、111Bk 感光体
113Y、113M、113C、113Bk 帯電手段
114Y、114M、114C、114Bk 滑剤除去手段
115Y、115M、115C、115Bk 露光手段
116Y、116M、116C、116Bk 滑剤供給手段
117Y、117M、117C、117Bk 現像手段
118Y 均しブレード
119Y、119M、119C、119Bk クリーニング手段
131 中間転写体
133Y、133M、133C、133Bk 一次転写ローラ(転写手段)
135 クリーニング手段
137A、137B、137C、137D ローラ
150 給紙搬送手段
170 定着手段
200 プロセスカートリッジ
201 筐体
203R、203L 支持レール
211 給紙カセット
213A、213B、213C、213D 中間ローラ
215 レジストローラ
217 二次転写ローラ(転写手段)
219 排紙ローラ
221 排紙トレイ
P 転写材
SC 原稿画像読み取り装置
S1 電源
Claims (4)
- 架橋重合体を含有する保護層を表面層として有する感光体を備え、
回転する前記感光体の外面領域において当該感光体の回転方向に沿って、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段、前記感光体の表面を帯電ローラにより帯電させる帯電手段、前記帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段、前記露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段、前記感光体上に形成されたトナー画像を転写する転写手段、前記感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段、および、前記感光体の表面に付着した滑剤を除去する滑剤除去手段が順次配置されてなり、
前記保護層は、酸化錫からなる金属酸化物微粒子を含有するものであり、
前記滑剤除去手段が、シャフトの周面に繊維を設けてなるブラシローラを有するものであり、当該ブラシローラの前記感光体に対する食込み量が0.5mm〜1.2mmであることを特徴とする画像形成装置。 - 前記滑剤供給手段による滑剤の供給後であって前記帯電手段による帯電前の感光体の表面の単位面積当たりの滑剤存在比率をA(atm%)、前記滑剤除去手段による滑剤の除去後であって前記滑剤供給手段による滑剤の供給前の感光体の表面の単位面積当たりの滑剤存在比率をB(atm%)としたとき、A≧8B、かつ、A≧1.7を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記感光体における保護層が、ユニバーサル硬さが280N/mm2 以上600N/mm2 以下のものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記滑剤が、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
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