JP6318834B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、長寿命および画質安定性が求められている。画像形成装置において重要な機能部材である感光体は、感光層の減耗の程度で寿命が決定される。また、微小傷や減耗ムラの発生によっても、画質劣化を引き起こし、感光体を含む画像形成ユニットの交換が必要となる。
近年、感光体表面に、架橋型硬化樹脂による保護層を積層させることにより、耐摩耗性、耐傷性および環境安定性を向上させ、長寿命化を可能としている。
また、近年、感光体の帯電方式として、高画質化および装置の小型化に有利で、スコロトロン・コロトロン帯電方式に比べ、オゾンやNOxなどの酸化性ガスの発生量を低減することができる近接帯電方式が採用されている。ここで、近接帯電方式とは、帯電ローラなどよりなる帯電部材を感光体表面に接触または近接させて帯電させる帯電方式をいう。
しかしながら、架橋型硬化樹脂による保護層を有する感光体に対して近接帯電方式の帯電を行うと、感光体表面の劣化の速さの程度が表面研磨の速さの程度より大きく、付着する放電生成物によりトルクが上昇し、クリーニングブレードのメクレやチッピングなどに伴うクリーニング不良やトナーフィルミングを引き起こすという問題がある。
このクリーニング不良やトナーフィルミングの問題を解決するため、感光体の表面に潤滑剤(滑剤)を塗布して、当該感光体の表面上に滑剤皮膜を形成し、トナーの付着力を低減する方法が知られている。これにより、クリーニングブレードのトルクを低減することができ、クリーニング性が向上する。
しかしながら、近接帯電方式においては、帯電処理が繰り返し行われると、滑剤が劣化して吸水性物質に変質することにより、高温高湿環境下での像流れが促進されてしまう、という問題がある。
このような問題を解決するための手段として、クリーニング時には必要十分な滑剤量を確保しつつも、劣化した滑剤を除去するために、滑剤除去手段を設けることが提案されている。
例えば、特許文献1には、感光体の表面を摺擦するブラシ部材からなる滑剤除去手段を設けることが開示されている。また例えば、特許文献2には、粉体状の滑剤を除去するための、例えば非接触方式の静電クリーニング部材からなる滑剤除去手段を設けることが開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された滑剤除去手段によっては、感光体の表面上の滑剤皮膜を均質に除去する点に劣るため、像流れを十分に抑止することができず、また、次の画像形成プロセスにおいて帯電に供される感光体の表面における滑剤皮膜が、滑剤存在量のバラツキの大きなものとなってしまい、この滑剤存在量のバラツキが濃度差となって顕れ、従って形成される画像に画像ムラが発生してしまう、という問題がある。
また例えば、特許文献3および特許文献4には、感光体の表面に付着した異物を掻き取る掻き取りローラからなる滑剤除去手段が開示されている。
しかしながら、このような滑剤除去手段を用いた場合には、感光体の表面に付着した異物を掻き取る際に、異物と感光体との付着力よりも大きな掻き取り力を必要とする。そして、感光体における異物が付着していない箇所にも同様に力が加えられてしまう結果、感光体の表面に大きなストレスが加えられて感光体の表面が削り取られてしまうこととなるため、感光体の長寿命化を図ることができない、という問題がある。
特開2005−309311号公報 特開2008−122869号公報 特開2005−164726号公報 特開2002−278403号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、長寿命化が図られると共に、良好なトナークリーニング性を有しながら画像ムラや高温高湿環境下における像流れの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明の画像形成装置は、硬化樹脂による保護層を有する感光体と、前記感光体の表面を帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、前記帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段と、前記感光体上に形成されたトナー画像を転写する転写手段と、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段と、前記感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段と、前記滑剤を前記感光体の表面より除去する滑剤除去手段とを備える画像形成装置であって、
前記感光体は表面に滑剤の皮膜を有するものであり、
前記滑剤除去手段が、前記感光体の回転方向において前記クリーニング手段の上流側かつ前記転写手段の下流側に配置され、前記感光体の表面にある滑剤の皮膜を除去するものであり、かつ、前記感光体に接触するブラシ繊維体を有するブラシからなり、少なくとも前記感光体に接触するブラシ繊維体の表面が金属酸化物微粒子による層によって被覆されていることを特徴とする。

本発明の画像形成装置においては、前記金属酸化物微粒子の表面が、シランカップリング剤によって疎水化されていることが好ましい。
本発明の画像形成装置においては、前記感光体の保護層に、反応性有機基を有する化合物よりなる表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されていることが好ましい。
本発明の画像形成装置においては、前記感光体の保護層に、メラミン構造を有する化合物からなる有機微粒子が含有されていることが好ましい。
本発明の画像形成装置においては、前記金属酸化物微粒子が、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子の群から選択されるいずれか1つ以上からなることが好ましい。
本発明の画像形成装置においては、前記感光体の保護層が、ユニバーサル硬さが280N/mm2 以上600N/mm2 以下のものであることが好ましい。
本発明の画像形成装置によれば、その表面が金属酸化物による層によって被覆されたブラシ繊維体を有するブラシからなる滑剤除去手段が備えられているために、長寿命化が図られると共に、良好なトナークリーニング性を有しながら画像ムラや高温高湿環境下における像流れの発生を抑制することができる。
本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成装置の要部の構成の一例を示す説明用断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔画像形成装置〕
図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkと、中間転写体ユニット130と、給紙搬送手段150と、定着手段170とを有する。画像形成装置100の本体の上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkは、鉛直方向に並んで配置されている。画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkは、回転されるドラム状の感光体111Y、111M、111C、111Bkと、この外面領域において感光体の回転方向に沿って順次配置された、滑剤供給手段116Y、116M、116C、116Bkと、近接帯電方式の帯電手段113Y、113M、113C、113Bkと、露光手段115Y、115M、115C、115Bkと、現像手段117Y、117M、117C、117Bkと、滑剤除去手段114Y、114M、114C、114Bkと、クリーニング手段119Y、119M、119C、119Bkと、を有する。そして、感光体111Y、111M、111C、111Bk上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)のトナー画像がそれぞれ形成される構成とされている。画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkは、感光体111Y、111M、111C、111Bkに形成するトナー画像の色が異なる以外は同様に構成されるため、以下、画像形成ユニット110Yの例で説明する。
〔感光体〕
感光体111Yは、重合性化合物を含む組成物を重合反応により硬化して得られる架橋重合体を含有する保護層を表面層として有するドラム状のものである。この例の感光体111Yは、具体的には、導電性支持体上に、中間層を有し、この中間層上に、電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層がこの順に積層されてなる感光層が形成され、この感光層(電荷輸送層)上に表面層として保護層が形成された層構成を有している。なお、感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する単層構造の層構成を有するものであってもよい。
(保護層)
感光体111Yの保護層は、重合性化合物を含む組成物を重合反応により硬化して得られる架橋重合体よりなる硬化樹脂からなり、当該硬化樹脂中に、反応性有機基を有する化合物よりなる表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されてなることが好ましい。
(重合性化合物)
保護層を構成する硬化樹脂は、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を重合し、架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより得られる架橋重合体からなる。
重合性化合物としては、重合性官能基を2個以上有するものを用い、重合性官能基を1個有するものを併用することもできる。具体的には、重合性化合物としては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。
重合性化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、アクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。
本発明においては、重合性化合物は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの重合性化合物は、モノマーを用いてもよいが、オリゴマー化して用いてもよい。
以下、重合性化合物の具体例を示す。
Figure 0006318834
Figure 0006318834
ただし、上記の例示化合物M1〜M14を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
(金属酸化物微粒子)
保護層には、反応性有機基を有する化合物よりなる表面処理剤(以下、「反応性有機基含有表面処理剤」ともいう。)によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されている。この金属酸化物微粒子は、原料となる金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)が反応性有機基含有表面処理剤によって表面処理されることにより、未処理金属酸化物微粒子表面に反応性有機基が導入されたものである。
未処理金属酸化物微粒子としては、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化ジルコニウム、酸化錫、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどを用いることができるが、なかでも、硬度、導電性、光透過性の観点から、酸化錫が好ましい。
金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmであることが好ましく、より好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜40nmである。
本発明において、金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」((株)ニレコ製)を使用して数平均一次粒径を算出した。
反応性有機基含有表面処理剤としては、未処理金属酸化物微粒子の表面に存在するヒドロキシ基などと反応するものが好ましく、このような反応性有機基含有表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
また、反応性有機基含有表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤が好ましい。ラジカル重合性反応基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このようなラジカル重合性反応基は、本発明に係る重合性化合物とも反応して強固な保護層を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましい。
以下、反応性有機基含有表面処理剤の具体例を示す。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
反応性有機基含有表面処理剤としては、上記S−1からS−36に示すもの以外にも、ラジカル重合性の反応性有機基を有するシラン化合物を用いることができる。
反応性有機基含有表面処理剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
反応性有機基含有表面処理剤の使用量は、未処理金属酸化物微粒子100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
反応性有機基含有表面処理剤の未処理金属酸化物微粒子に対する処理方法としては、例えば、未処理金属酸化物微粒子と反応性有機基含有表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、未処理金属酸化物微粒子の再凝集を防止すると同時に未処理金属酸化物微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
表面処理装置としては、例えば湿式メディア分散型装置が挙げられる。この湿式メディア分散型装置は、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、未処理金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、未処理金属酸化物微粒子に表面処理を行う際に未処理金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば限定されず、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
保護層中の金属酸化物微粒子の含有割合は、硬化樹脂100質量部に対して20〜170質量部であることが好ましく、より好ましくは25〜130質量部である。保護層中の硬化樹脂を構成する架橋重合体は、後述する保護層形成用塗布液中に含まれる重合性化合物がすべて硬化反応することによって構成されるとみなしてよい。
(有機微粒子)
保護層には、メラミン構造を有する化合物からなる有機微粒子が含有されていてもよい。有機微粒子としては、例えば、メラミン構造を有する化合物と、金属酸化物とからなる複合粒子であってもよい。
メラミン構造を有する化合物としては、具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物や、メラミンと、ベンゾグアナミンと、ホルムアルデヒドとの共重縮合物などのメラミン樹脂などが挙げられる。
保護層にメラミン構造を有する化合物からなる有機微粒子が含有されていることにより、当該有機微粒子が低摩擦材料であるため、感光体表面に潤滑性が付与され、良好なクリーニング性を得ることができる。また、メラミン構造を有する化合物は硬化樹脂との相溶性が高いため、有機微粒子の硬化樹脂中での分散性が高く、さらには、有機微粒子の保護層からの脱離が少ないので、この有機微粒子が感光体表面に存在する状態で保持されることから、長期間にわたって良好なクリーニング性が得られる。
有機微粒子の数平均一次粒径は、100nm以上1500nm以下が好ましく、より好ましくは200nm以上1000nm以下である。
有機微粒子の数平均一次粒径が上記範囲内であることにより、保護層の光透過性を確保しながら良好なクリーニング性が得られる。
有機微粒子の数平均一次粒径が過小である場合においては、有機微粒子同士が凝集しやすいものとなり、良好なクリーニング性が得られないおそれがある。一方、有機微粒子の数平均一次粒径が過大である場合においては、光透過性が低いものとなると共に、沈降しやすいものとなるため、保護層の光透過性を確保することができず、良好なクリーニング性も得られないおそれがある。
本発明において、有機微粒子の数平均一次粒径は、以下のようにして測定される値である。
まず、測定サンプルとして感光体表面から保護層を含む感光層をナイフ等で切り出し、切断面が上向きになるよう任意のホルダに貼り付ける。
そして、測定サンプルを透過型電子顕微鏡により、観察、撮影された写真画像より算出する。顕微鏡の倍率を10000倍に設定して写真撮影を行い、写真画像上よりランダムに100個の微粒子を抽出して算出する。具体的には、画像解析処理により100個の微粒子の水平方向フェレ径を測定し平均値を算出し、これを数平均一次粒径とするものである。なお、前記画像解析処理は、例えば、透過型電子顕微鏡測定装置に内蔵されているプログラムを駆動させることにより自動的に行うことができる。本発明では、微粒子の粒径測定には、透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(日本電子(株)製)を用いた。
有機微粒子の屈折率は、保護層の光透過性を確保する観点から、例えば1.4〜1.8が好ましい。例えば、メラミン樹脂の屈折率は一般的な文献値として、1.6程度とされる。
有機微粒子は、硬化樹脂100質量部に対して5〜75質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。
有機微粒子の含有割合が上記範囲内であることにより、光透過性およびクリーニング性を確保することができる。
保護層には、硬化樹脂や金属酸化物微粒子、有機微粒子の他に、他の成分が含有されていてもよく、例えば各種の酸化防止剤を含有させることができ、各種の滑剤粒子を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
保護層は、重合性化合物や金属酸化物微粒子、有機微粒子、重合開始剤および必要に応じて他の成分を公知の溶媒に添加して塗布液を調製し、この塗布液を感光層(電荷輸送層)の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性化合物成分を重合反応させ、硬化させることにより形成することができる。
以上のような保護層は、重合性化合物間の反応などが進行することにより、架橋型硬化樹脂として形成される。
保護層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物および金属酸化物微粒子を溶解または分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層形成用の塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜は、乾燥しないで硬化処理を行ってもよいが、自然乾燥または熱乾燥を行った後、硬化処理を行うことが好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分間〜200分間であり、特に好ましくは5分間〜100分間である。
重合性化合物を反応させる方法としては、電子線開裂で反応させる方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応させる方法などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光重合開始剤および熱重合開始剤を併用することもできる。
重合性化合物を反応させる方法としては、光の照射時間や光の波長などを変化させることによって保護層のユニバーサル硬さを制御することができることから、光で反応させる方法を採用することが好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有する光重合促進剤を単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、またはホスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−アミノアルキルフェノン構造、または、アシルホスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
重合開始剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の添加割合は、重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。
架橋重合体は、重合性化合物を含む塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
保護層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、および活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
保護層のユニバーサル硬さは、280N/mm2 以上600N/mm2 以下であることが好ましく、より好ましくは500N/mm2 以上600N/mm2 以下である。
保護層のユニバーサル硬さが上記範囲内であることにより、感光体表面が高い耐摩耗性を有するものとなるため、後述する滑剤除去手段の擦過力を大きくすることができて劣化した滑剤皮膜を確実に除去することができ、その結果、劣化した滑剤皮膜の存在に起因して発生する像流れをより確実に抑制することができる。
本発明において、保護層のユニバーサル硬さは、超微小硬さ試験システム「フィッシャースコープH100」(フィッシャーインスツルメンツ社製)により測定される値である。
具体的には、「フィッシャースコープH100」により試験荷重下でダイヤモンド四角錐のビッカーズ圧子に荷重Fをかけて感光体表面を押し込んだときの、押し込み深さhおよび荷重Fから下記式(1)により求める。
式(1):HU(ユニバーサル硬さ)=F/(26.45×h2
なお、保護層のユニバーサル硬さは、保護層を形成する際の硬化処理条件(活性線の照射時間や活性線種)や重合性化合物の種類によって制御することができる。
保護層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
本発明の感光体においては、保護層以外の層は公知の種々のものを採用することができる。
〔帯電手段〕
帯電手段113Yは、感光体111Y表面に対して近接帯電方式による帯電を行う手段である。
ここで、近接帯電方式とは、感光体の表面近傍の微小な空隙で発生する近接放電を利用した帯電方式を指す。近接帯電方式には、具体的には、接触ローラ帯電方式、非接触ローラ帯電方式、ブラシ帯電方式などが含まれる。
この例の帯電手段113Yは、感光体111Yの表面に接触して配設された帯電ローラと、帯電ローラに電圧を印加する電源とからなる。
帯電ローラは、例えば、導電性支持体上に抵抗調整層が形成されてなるものである。
〔露光手段〕
露光手段115Yは、帯電手段113Yによって一様な電位を与えられた感光体111Y表面に、画像信号(イエローの画像信号)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。露光手段115Yは、感光体111Yの軸方向にアレイ状に発光素子が配列されたLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいはレーザー光学系などが用いられる。
〔現像手段〕
現像手段117Yは、感光体111Y表面にトナーを供給し、感光体111Y表面に形成された静電潜像を現像し、トナー画像を形成する手段である。この例の現像手段117Yは、具体的には、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置により構成される。
〔滑剤供給手段〕
滑剤供給手段116Yは、感光体111Yの表面に滑剤を供給する手段であって、この滑剤供給手段116Yにより、感光体111Y表面上に滑剤皮膜が形成される。
この画像形成装置においては、滑剤供給手段116Yは、感光体111Yの回転方向においてクリーニング手段119Yの下流側かつ帯電手段113Yの上流側に配置されている。
なお、この滑剤供給手段116Yの設置位置は、クリーニング手段119Yの下流側かつ帯電手段113Yの上流側に限定されるものではなく、例えば滑剤除去手段114Yの下流側かつクリーニング手段119Yの上流側などとすることもできる。
この例の滑剤供給手段116Yは、固形状の滑剤と、ブラシローラよりなる塗布部材とにより構成される。具体的には、滑剤供給手段116Yは、直方体形状を有する固形状の滑剤により構成された滑剤ストックと、感光体111Y表面に当接し、滑剤ストック表面を摺擦することにより掻き取った滑剤を感光体111Y表面に塗布するブラシローラと、滑剤ストックをブラシローラに押圧する加圧バネと、ブラシローラを回転駆動させる駆動機構(図示せず)とにより構成される。ブラシローラは、ブラシの先端が感光体111Y表面に当接している。また、ブラシローラは、感光体111Yの回転方向とは同回転で等速に回転駆動される。
ブラシローラとしては、例えば、基布に繊維の束をパイル糸として織り込んだパイル織り生地をリボン状生地にし、起毛した面を外側にして金属製シャフトの周囲に螺旋状に巻き付け、接着したものを用いることができる。この例のブラシローラは、例えばポリプロピレンなどの樹脂製のブラシ繊維が高密度に植設されてなる長尺の織布がローラ基体の周面に形成されてなるものである。
ブラシ毛は金属製シャフトに対し垂直方向に起毛させる、直毛タイプが塗布能力の観点から好ましい。ブラシ毛に用いる糸は、フィラメント糸が望ましく、材料としては、6−ナイロン、12−ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン等の合成樹脂が挙げられ、導電性を高める目的でカーボン、ニッケル等の金属を練り込んだものでもよい。ブラシ繊維の太さは例えば3〜7デニール、ブラシ繊維の毛長は2〜5mm、ブラシ繊維の電気抵抗率は1×1010Ω以下、ブラシ繊維のヤング率は4900〜9800N/mm2 、ブラシ繊維の植設密度(単位面積あたりのブラシ繊維数)は例えば5万〜20万本/平方インチ(50k〜200k本/inch2 )であることが好ましい。ブラシローラの感光体に対する食込み量は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。ブラシローラの回転速度は例えば感光体の周速比で0.3〜1.5とされ、感光体の回転方向と同じ方向の回転であっても、逆の方向の回転であってもよい。
加圧バネは、ブラシローラの感光体111Yに対する押圧力が例えば0.5〜1.0Nとなるよう、滑剤ストックを感光体111Yに近接する方向に押圧するものが用いられている。
滑剤供給手段116Yにおいては、感光体111Yの表面1cm2 当たりに対する塗布量が0.5×10-7〜1.5×10-7g/cm2 とされるよう、例えば滑剤ストックのブラシローラに対する押圧力およびブラシローラの回転速度が調整される。
滑剤としては、例えば、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、などの脂肪酸金属塩を用いることができる。これらの中でも、滑性および延展性の観点から、ステアリン酸亜鉛を用いることが好ましい。
なお、この例の画像形成装置においては、滑剤の供給を、ブラシローラよりなる滑剤供給手段によって固体の滑剤を塗布する方法によって行う構成のものとして説明したが、滑剤の供給方法としては、これに限定されるものではなく、トナーに対して外部添加された微粉状の滑剤が、現像工程において形成される現像電界の作用により感光体に供給される方法が採用されてもよい。このとき、滑剤の数平均一次粒径は、例えば0.5〜20μmであることが好ましい。また、滑剤は、トナーの帯電性に影響を与えないよう、トナーに対して0.01〜0.3質量%の割合で添加されることが好ましい。トナーに対して外部添加される微粉状の滑剤としては、滑性、劈開性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ステアリン酸亜鉛などを用いることができる。
〔クリーニング手段〕
クリーニング手段119Yは、感光体111Y表面に残存したトナーを除去する手段である。この例のクリーニング手段119Yは、クリーニングブレードにより構成される。このクリーニングブレードは、図2に示すように、支持部材31と、この支持部材31上に接着層(図示せず)を介して支持されたブレード部材30とにより構成される。ブレード部材30は、その先端が、感光体111Y表面との当接部分における当該感光体111Yの回転方向と反対方向(カウンター方向)に向く状態で配置されている。
支持部材31としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミックなどから製造されたものが挙げられる。中でも、剛体の金属が好ましい。
ブレード部材30としては、例えば、ベース層とエッジ層とが積層されてなる多層構造のものを用いることができる。ベース層およびエッジ層は、それぞれポリウレタンにより構成されることが好ましい。ポリウレタンとしては、ポリオール、ポリイソシアネートおよび必要に応じて架橋剤を反応させて得られるものなどが挙げられる。
〔滑剤除去手段〕
滑剤除去手段114Yは、感光体111Y表面に付着した滑剤を除去する手段である。滑剤除去手段114Yは、感光体111Yの回転方向においてクリーニング手段119Yの上流側かつ転写手段113Yの下流側に配置されている。
滑剤除去手段114Yは、感光体111Yに接触するブラシ繊維体を有するブラシと、駆動機構とから構成されるものである。ブラシは、例えばローラ形状のブラシローラであることが好ましい。以下、ブラシがローラ形状のものであるとして説明する。
滑剤除去手段114Yを構成するブラシローラ21は、感光体111Yの表面に接触し、当該感光体111Yの表面を機械的に擦過する機械的作用によって滑剤を除去するものであり、具体的には、感光体111Y表面に当接し、感光体111Yの回転方向と同方向に回転して等速に回転駆動される。
〔ブラシローラ〕
滑剤除去手段114Yを構成するブラシローラ21は、例えば、縦糸および横糸を織り上げた基布に繊維の束からなるブラシ繊維体23をパイル糸として織り込んだパイル織り生地構造の長尺なブラシ体を、起毛した面を外側にして金属製シャフト25の周囲に螺旋状に巻き付け、接着してローラ形状とされたものであってもよく、複数のブラシ繊維体23が高密度に植設されてなる長尺の織布からなる植毛構造のブラシ体が、金属製シャフト25の周面に形成されてなるものであってもよい。
金属製シャフト25としては、従来公知の種々のものを用いることができる。また、金属製シャフト25の径は特に限定されず、従来のクリーニングブラシに用いられてきた技術を好適に適用することができる。金属製シャフト25は、感光体111Yに対して接地状態とされることが好ましい。
ブラシ繊維体23は、複数のフィラメント糸の束によって構成されたマルチフィラメント糸からなることが好ましく、ブラシ繊維体23の材料としては、6−ナイロン、12−ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロンなどの合成樹脂が挙げられ、導電性を高める目的でカーボン、ニッケルなどの金属が練り込まれたものであってもよい。
ブラシ繊維体23の太さは、3〜15デニールであることが好ましく、ブラシ繊維体23の毛長は、2〜5mmであることが好ましい。また、ブラシ体におけるブラシ繊維体23の植設密度は4万〜50万本/平方インチ(40k〜500kF/inch2 )の範囲に設定することによって、滑剤の除去に必要な剛性が確保されると共に、ブラシ繊維体23が疎である部分を形成させずに滑剤の除去ムラを引き起こさないようにすることができる。ブラシ繊維体23の電気抵抗率は1×107 Ω以下であることが好ましく、ブラシ繊維体23のヤング率は1500〜9800N/mm2 であることが好ましい。
ブラシ繊維体23の形状としては、例えば、直毛形状、ループ形状または先端が球状となった形状などが挙げられ、特に限定されるものではないが、金属酸化物処理を行う観点から、直毛形状を有するものであることが好ましい。
そして、本発明においては、ブラシ繊維体23の表面が、金属酸化物微粒子による層(以下、「金属酸化物層」ともいう。)によって被覆されている。
金属酸化物層は、少なくともブラシ繊維体23における感光体111Yに接触する領域の全面を被覆するよう形成されていればよく、ブラシ体を構成する基布およびブラシ繊維体23の全面を被覆するよう形成されていてもよく、さらに、金属製シャフト25の表面にも形成されていてもよい。
金属酸化物層を構成する金属酸化物微粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子などを用いることができ、これらを併用することもできる。
金属酸化物微粒子の表面は、シランカップリング剤によって疎水化されていることが好ましい。
以下に、シランカップリング剤の具体例を示す。
SS−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
SS−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
SS−3:CH2 =CHSiCl3
SS−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
SS−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
SS−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
SS−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
SS−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
SS−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
SS−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
SS−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
SS−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
SS−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
SS−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
SS−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
SS−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
SS−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
SS−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
SS−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
SS−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
SS−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
SS−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
SS−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
SS−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
SS−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
SS−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
SS−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
SS−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
SS−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
SS−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
SS−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
SS−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
SS−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
SS−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
SS−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
SS−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
SS−37:CH3C(CH3 )(CH2Si(OCH3 3
SS−38:CH3C(CH3 )(CH2Si(OC3
疎水化された金属酸化物微粒子によって金属酸化物層を形成した場合、ブラシ繊維体23の疎水化度は、5%以上であることが好ましい。
ブラシ繊維体23の疎水化度は、メタノール滴定法により測定される、メタノールに対する濡れ性の尺度(%)によって示されるものである。
ブラシ繊維体23の疎水化度は、具体的には、式:疎水化度={a/(a+50)}×100によって求められる。式中、aは、50mlの蒸留水に添加した0.1gのブラシ繊維体23を完全に濡らすために必要なメタノールの量(ml)を表す。
上記のような、表面が金属酸化物層によって被覆されたブラシ繊維体23を有するブラシローラ21からなる滑剤除去手段114Yが備えられた本発明の画像形成装置によれば、長寿命化が図られると共に、良好なトナークリーニング性を有しながら画像ムラや高温高湿環境下における像流れの発生を抑制することができる。
これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、基本的に、感光体111Yが硬化樹脂による保護層を有するものであるために、長寿命化が図られる。また、ブラシローラ21によって感光体111Yの表面が研磨されることによって、劣化した滑剤皮膜が除去されて常に新しい滑剤皮膜を形成させることができ、従って、良好なトナークリーニング性が確保される。さらに、ブラシ繊維体23が金属酸化物層によって被覆されていることによって、感光体111Yの表面の研磨効率が制御されて、クリーニング時には必要十分な滑剤量が確保されつつも、感光体111Y上に形成されてしまう滑剤皮膜における劣化層を、高い均一性で除去することができ、その結果、高温高湿環境下で近接帯電方式による帯電が行われても、滑剤の劣化に起因する像流れや滑剤の存在量のバラツキに起因する画像ムラなどの画像不良を引き起こすことが抑制される。なお、金属酸化物層が形成されていないブラシローラを用いた場合には、滑剤皮膜を均質なものとする点に劣るため、像流れや画像ムラを十分に抑制することができない。
また、表面が疎水化処理された金属酸化物微粒子による金属酸化物層が形成されたブラシローラ21によれば、感光体111Yの表面の研磨効率を安定的に向上させることができる。
〔ブラシローラの製造方法〕
本発明に係るブラシローラの製造方法は、ブラシ繊維体23を有するブラシ体を作製する工程と、ブラシ体の全面に金属メッキを施して金属酸化物層を形成する工程とを含む。
金属酸化物層を形成する工程は、ローラ形状に組み立てる前のブラシ体に対して行うことに限定されず、ブラシ体をローラ形状に組み立てた後に行ってもよい。
ブラシ体の作製工程は、従来公知の種々の方法により行うことができる。
ブラシ体に対する金属酸化物処理方法としては、例えば以下のように行うことができる。
(1)脱脂・親水化処理
この脱脂・親水化処理は、ブラシ繊維体23の表面の残存油脂を除去し、濡れ性の向上のために行う。脱脂・親水化処理は、具体的には、ブラシ体を脱脂液に浸漬することによって行われる。脱脂液としては、特に限定されず、例えば、界面活性剤を主成分とするものを用いることができる。浸漬温度、浸漬時間は特に限定されず、例えば、浸漬温度は50℃〜70℃、浸漬時間は3〜5分間とすることができる。浸漬後は、ブラシ繊維体23の表面などに残存する界面活性剤を除去するために、湯洗浄および水洗処理を行うことが好ましい。
(2)粗化処理
脱脂・親水化処理の後に、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩によってブラシ繊維体23の表面の粗化処理(ソフトエッチング)を行うことが好ましい。この粗化処理において、その処理温度、処理時間は特に限定されず、例えば、処理温度は20℃〜30℃、処理時間は1〜3分間とすることができる。粗化処理後は、ブラシ繊維体23の表面などに残存する過硫酸塩を除去するために、水洗処理を行うことが好ましい。さらに、残存するナトリウム化合物などの塩を除去するために、塩酸や硫酸などの酸によって酸中和処理を行ってもよい。
(3)プリディップ
次に、ブラシ体をプリディップ液に浸漬させる。プリディップ液としては、特に限定されず、例えば「PD−301」(日立化成工業社製)などの市販品を用いることができる。浸漬温度、浸漬時間は特に限定されず、浸漬温度は20〜30℃、浸漬時間は1〜2分間とすることができる。
(4)金属酸化物処理
そして、ブラシ繊維体23を金属酸化物微粒子によってコーティングするために、オルトケイ酸テトラエチル溶液などの金属酸化物の反応溶液に浸漬させる。浸漬温度は90〜110℃、浸漬時間は50〜70分間とすることができる。また、残存する金属酸化物の反応溶液の回収・除去を目的として、超音波下での水洗処理および通常の水洗処理を行ってもよい。このときの処理温度、処理時間は適宜必要に応じて設定され得る。
ブラシ繊維体23に対する金属酸化物の使用割合は、当該ブラシ繊維体23の少なくとも感光体111Yに接触される領域の全面が金属酸化物層によって被覆されるだけの量を使用すればよく、具体的には、ブラシ繊維体23の総重量に対して例えば3〜8%とすることができる。
ブラシ繊維体23に対して金属酸化物微粒子が付着して金属酸化物層が形成されたことは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することができる。
(5)乾燥処理
金属酸化物処理後、乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。乾燥温度は例えば70〜90℃、乾燥時間は例えば10〜30分間とすることができる。
以上、滑剤除去手段がローラ形状のブラシローラからなるものとして説明したが、滑剤除去手段を構成するブラシは、平板状ブラシであってもよい。
ブラシローラ21の感光体111Yに対する食い込み量は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。また、ブラシローラ21の回転速度は、例えば感光体111Yとの速度比で0.3〜1.5とされ、感光体111Yの回転方向と同じ方向の回転であっても、逆の方向の回転であってもよい。
〔転写手段〕
中間転写体ユニット130は、無端ベルト状の中間転写体131と、当該中間転写体131を介して感光体111Y、111M、111C、111Bkと当接して配置された一次転写ローラ133Y、133M、133C、133Bkと、当該中間転写体131のクリーニング手段135とを有する。
転写手段を構成する一次転写ローラ133Y、133M、133C、133Bkは、感光体111Y、111M、111C、111Bk上に形成されたトナー画像を中間転写体131に転写する手段である。
この画像形成装置100においては、感光体111Y、111M、111C、111Bk上に形成されたトナー画像を一次転写ローラ(一次転写手段)133Y、133M、133C、133Bkによって中間転写体131に転写し、中間転写体131上に転写された各トナー画像を二次転写ローラ(二次転写手段)217によって転写材Pに転写する中間転写方式が採用されているが、感光体上に形成されたトナー画像を転写手段によって直接転写材に転写する直接転写方式が採用されてもよい。
中間転写体131は、複数のローラ137A、137B、137C、137Dにより巻回され、回動可能に支持されている。
この画像形成装置100において、感光体111Y、現像手段117Y、クリーニング手段119Y、滑剤除去手段114Yおよび滑剤供給手段116Yなどは、一体的に結合され、装置本体に着脱自在に構成されたプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)であってもよい。あるいは、帯電手段113Y、露光手段115Y、現像手段117Y、滑剤除去手段114Y、滑剤供給手段116Y、一次転写ローラ133Yおよびクリーニング手段119Yからなる群から選ばれる一以上の部材と、感光体111Yとが一体的に構成されたプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)であってもよい。
プロセスカートリッジ200は、筐体201と、それに収容された感光体111Y、111M、111C、111Bk、帯電手段113Y、113M、113C、113Bk、現像手段117Y、117M、117C、117Bk、滑剤供給手段116Y、116M、116C、116Bk、クリーニング手段119Y、119M、119C、119Bkおよび滑剤除去手段114Y、114M、114C、114Bkと、中間転写体ユニット130と、を有する。また、装置本体には、プロセスカートリッジ200を装置本体内にガイドする手段として支持レール203L、203Rが設けられている。それにより、プロセスカートリッジ200を装置本体に着脱可能となっている。これらのプロセスカートリッジ200は、装置本体に着脱自在に構成された単一の画像形成ユニットとなりうる。
給紙搬送手段150は、給紙カセット211内の転写材Pを、複数の中間ローラ213A、213B、213C、213Dおよびレジストローラ215を経て、二次転写ローラ217に搬送可能に設けられている。
定着手段170は、二次転写ローラ217により転写されたカラー画像を定着処理する。排紙ローラ219は、定着処理された転写材Pを挟持して、排紙トレイ221上に載置可能に設けられている。
このように構成された画像形成装置100では、画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Bkによりトナー画像を形成する。具体的には、まず、滑剤供給手段116Y、116M、116C、116Bkにより感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面に滑剤を供給する。その後、帯電手段113Y、113M、113C、113Bkにより感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面に放電して負に帯電させる。次いで、露光手段115Y、115M、115C、115Bkで、感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面を画像信号に基づいて露光し、静電潜像を形成する。次いで、現像手段117Y、117M、117C、117Bkで、感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面にトナーを付与して現像し、トナー画像を形成する。
次いで、一次転写ローラ(一次転写手段)133Y、133M、133C、133Bkを、回動する中間転写体131と当接させる。それにより、感光体111Y、111M、111C、111Bk上にそれぞれ形成した各色のトナー画像を、回動する中間転写体131上に逐次転写させて、カラー画像を転写する(一次転写する)。画像形成処理中、一次転写ローラ133Bkは、常時、感光体111Bkに当接する。一方、他の一次転写ローラ133Y、133M、133Cは、カラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体111Y、111M、111Cに当接する。
そして、一次転写ローラ133Y、133M、133C、133Bkと中間転写体131とを分離させた後、感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面に残存したトナーを、クリーニング手段119Y、119M、119C、119Bkで除去する。次いで、感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面に付着した滑剤を、滑剤除去手段114Y、114M、114C、114Bkで除去する。その後、次の画像形成プロセスに備えて、滑剤供給手段116Y、116M、116C、116Bkにより感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面に滑剤を供給し、必要に応じて感光体111Y、111M、111C、111Bkの表面を除電手段(不図示)によって除電した後、帯電手段113Y、113M、113C、113Bkにより負に帯電させる。このように、画像形成装置100においては、画像形成プロセス毎に、感光体111表面上において、帯電される前に帯電履歴のある滑剤が除去されるように構成されている。
一方、給紙カセット211内に収容された転写材P(例えば普通紙、透明シートなどの最終画像を担持する支持体)を、給紙搬送手段150で給紙し、複数の中間ローラ213A、213B、213C、213D、レジストローラ215を経て二次転写ローラ(二次転写手段)217に搬送する。そして、二次転写ローラ217を回動する中間転写体131と当接させて、転写材P上にカラー画像を一括して転写する(二次転写する)。二次転写ローラ217は、転写材P上に二次転写を行うときのみ、中間転写体131と当接する。その後、カラー画像が一括転写された転写材Pを、中間転写体131の曲率が高い部位で分離する。
このようにしてカラー画像が一括して転写された転写材Pを、定着手段170で定着処理した後、排紙ローラ219で挟持して装置外の排紙トレイ221上に載置する。また、カラー画像が一括転写された転写材Pを中間転写体131から分離した後、クリーニング手段135で中間転写体131上の残存トナーを除去する。
〔トナー〕
本発明の画像形成装置において使用されるトナーとしては、特に限定されないが、結着樹脂および着色剤が含有されるトナー粒子よりなり、当該トナー粒子には、所望により離型剤などの他の成分が含有されていてもよい。
トナーを構成するトナー粒子は、高画質化を企図する観点からすれば、その体積平均粒径が2〜8μmであることが好ましい。
上記のトナーを製造する方法としては、特に制約されないが、例えば、通常の粉砕法や、分散媒中で作成する湿式溶融球形化法や、懸濁重合、分散重合、乳化重合凝集法等の既知の重合法などが挙げられる。
また、トナー粒子には、外添剤として、平均粒径10〜300nm程度のシリカおよびチタニア等の無機微粒子、0.2〜3μm程度の研磨剤を適宜量、外部添加することができる。
トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライトが好ましい。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成装置は、近接帯電方式による帯電を行う電子写真方式の画像形成方法に用いることができる。画像形成方法は、具体的には、感光体の表面に近接帯電方式による帯電を行う近接帯電工程と、近接帯電工程により帯電された感光体を露光する露光工程と、露光工程により露光された感光体にトナーを供給してトナー画像を形成する現像工程と、感光体上に形成されたトナー画像を転写する転写工程と、感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給工程と、滑剤を感光体の表面より除去する滑剤除去工程と、感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング工程とを有する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記中「部」とは「質量部」を示す。
〔感光体の作製例1〕
以下に示すように、導電性支持体上に、中間層と、電荷発生層および電荷輸送層よりなる有機感光層とがこの順に積層され、この有機感光層上に表面層として保護層が形成された層構成の感光体〔1〕を作製した。
直径60mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体〔1〕を用意した。
(a)中間層の形成
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1部
金属酸化物微粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3部
溶媒:メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
中間層形成用塗布液〔1〕を用いて導電性支持体〔1〕上に、浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(b)電荷発生層の形成
電荷発生物質:下記顔料(CG−1)20部、バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)10部、溶媒:酢酸t−ブチル700部、溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン300部を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。この電荷発生層形成塗布液〔1〕を中間層〔1〕上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
<顔料(CG−1)の合成>
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2質量部をo−ジクロロベンゼン200質量部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、粗チタニルフタロシアニンを5℃以下において濃硫酸250質量部中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5000質量部に注いだ。析出した結晶をろ過し、充分に水洗してウエットペースト品225質量部を得た。
このウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、ろ過、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン24.8質量部(収率86%)を得た。
(2)(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン(CG−1)の合成
上記無定形チタニルフタロシアニン10.0質量部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトクロロベンゼン(ODB)200質量部中に混合し60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG−1:10.3質量部を得た。顔料(CG−1)のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm-1付近のTi=O、630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混合物と推定される。
得られた顔料(CG−1)のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ、31.2m2 /gであった。
(c)電荷輸送層の形成
電荷輸送物質:下記化合物A225部、バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300部、酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)6部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1600部、溶媒:トルエン400部、シリコーンオイル「KF−50」(信越化学社製)1部を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を電荷発生層〔1〕の上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
Figure 0006318834
(d)保護層の形成
(1)金属酸化物微粒子の作製
酸化錫(CIKナノテック社製、数平均一次粒径:20nm、体積抵抗率:1.05×105 (Ω・cm))100質量部、表面処理剤として上記例示化合物(S−15)30質量部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部の混合液を、ジルコニアビーズとともにサンドミルに入れ、約40℃で、回転速度1500rpmで撹拌し、さらに、上記処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、ラジカル重合性官能基を有する化合物による酸化錫の表面処理を終了し、表面処理済み酸化錫を得た。これを金属酸化物微粒子〔1〕とする。上記のラジカル重合性官能基を有する化合物による表面処理により、酸化錫の粒子表面は上記例示化合物(S−15)により被覆されていた。
(2)硬化処理
重合性化合物:上記例示化合物(M1)100質量部、金属酸化物微粒子〔1〕150質量部、溶媒:sec−ブタノール510質量部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)0.3質量部を遮光下で混合して硬化用組成物を得、これを分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、重合開始剤:「イルガキュアー379」(BASFジャパン社製)12.5質量部を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。この保護層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成した。その後、この塗膜を室温で15分間乾燥し、キセノンランプを用いて窒素気流下において、光源と塗膜との間の離間距離を10mmとして、ランプ出力1kWで紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚3.0μmの保護層〔1〕を形成し感光体〔1〕を作製した。この感光体〔1〕における保護層のユニバーサル硬さは240N/mm2 であった。
〔感光体の作製例2〕
感光体の作製例1において、硬化用組成物にフィラー:「エポスターS6」(日本触媒社製)20質量部を加え、さらに、紫外線の照射強度を2kWに変更したことの他は同様にして、感光体〔2〕を作製した。この感光体〔2〕における保護層のユニバーサル硬さは280N/mm2 であった。
〔感光体の作製例3〕
感光体の作製例1において、硬化用組成物にフィラー:「エポスターMS」(日本触媒社製)20質量部を加え、さらに、紫外線の照射強度を2kWに変更したことの他は同様にして、感光体〔3〕を作製した。この感光体〔3〕における保護層のユニバーサル硬さは280N/mm2 であった。
〔感光体の作製例4〕
感光体の作製例1において、硬化用組成物において、重合開始剤として「イルガキュアー379」の代わりに「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)を用い、さらに、紫外線の照射強度を3kWに変更したことの他は同様にして、感光体〔4〕を作製した。この感光体〔4〕における保護層のユニバーサル硬さは400N/mm2 であった。
〔感光体の作製例5〕
感光体の作製例1において、硬化用組成物にフィラー:「エポスターS6」(日本触媒社製)20質量部を加え、重合開始剤として「イルガキュアー379」の代わりに「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)を用い、さらに、紫外線の照射強度を3kWに変更すると共に紫外線の照射時間を2分間に変更したことの他は同様にして、感光体〔5〕を作製した。この感光体〔5〕における保護層のユニバーサル硬さは550N/mm2 であった。
〔感光体の作製例6〕
感光体の作製例1において、重合開始剤として「イルガキュアー379」12.5質量部の代わりに「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)10.0質量部を用いたことの他は同様にして、感光体〔6〕を作製した。この感光体〔6〕における保護層のユニバーサル硬さは200N/mm2 であった。
〔感光体の作製例7〕
感光体の作製例1において、硬化用組成物にフィラー:「エポスターS6」(日本触媒社製)20質量部を加え、重合開始剤として「イルガキュアー379」の代わりに「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)を用い、さらに、紫外線の照射強度を2kWに変更したことの他は同様にして、感光体〔7〕を作製した。この感光体〔7〕における保護層のユニバーサル硬さは240N/mm2 であった。
〔感光体の作製例8〕
感光体の作製例1において、重合開始剤として「イルガキュアー379」の代わりに「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)を用いたことの他は同様にして、感光体〔8〕を作製した。この感光体〔8〕における保護層のユニバーサル硬さは180N/mm2 であった。
〔ブラシローラの作製例1〕
縦糸および横糸を織り上げた織布よりなる基布と、その基布の横糸にパイル糸(ブラシ繊維体)をW字状に絡ませるようにパイル織りに織り込んだブラシ体を用いた。
ブラシ繊維体は、ナイロン繊維からなるマルチフィラメント糸からなり、その断面形状が円形状の直毛糸を用いた。ブラシ繊維体の繊維径は30μm、繊度は6dtex、ブラシ密度は110kF/inch(10%)、ブラシ繊維体の長さ(付け根部分から先端までの距離)は5mmとした。また、基布にNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)からなるバッキング層(厚さ0.1mm)を形成させた。また、縦糸および横糸としては、ポリエステル繊維からなるものを用いた。
上記のブラシ体に対して、以下の通りに金属酸化物処理を施した。
まず、ブラシ繊維体の表面の残存油脂を除去し、濡れ性を向上させるために、当該ブラシ体を脱脂液「CLC−601」(日立化成工業(株)製)中に浸漬させた。この脱脂液の濃度は50ml/l、液温は60℃、浸漬時間は4分間とした。
さらに、ブラシ繊維体に残存する脱脂液を除去するために、湯洗浄および水洗処理を行った。湯洗浄時の湯浴の温度は50℃、処理時間は1分間とした。また、水洗処理時の水浴の温度は常温、処理時間は3分間とした。
次に、過硫酸ナトリウムを用いてブラシ繊維体の表面の粗化処理(ソフトエッチング)を行った。処理温度は25℃、処理時間は2分間とした。更に、残存する過硫酸ナトリウムの回収・除去を目的として、回収水洗および流水洗を続けて行った。処理時間はそれぞれ1分間とした。続いて、残存するナトリウム化合物を除去するために、硫酸で酸中和処理を行った。このときの硫酸の温度は25℃、処理時間は1分間とした。残存する硫酸の回収・除去を目的として、回収水洗および流水洗を続けて行った。処理時間はそれぞれ1分間とした。
次に、ブラシ体をプリディップ液「PD−301」(日立化成工業(株)製)、濃度250g/l)に浸漬させた。浸漬時間は2分間、プリディップ液の液温は25℃とした。
さらに、金属酸化物層を形成するために、オルトケイ酸テトラエチル溶液に浸漬させた。浸漬温度は100℃、浸漬時間は60分間とした。その後、乾燥させ、さらに、残存する反応液を回収・除去するために、超音波下で15秒間回収水洗を行い、流水洗を1分間行った。最後に、あらかた水分を拭き取った後、乾燥温度80℃、乾燥時間20分間でブラシ体を乾燥させた。この金属酸化物層を形成したブラシ体を、金属酸化物層含有ブラシ体〔1〕とする。
この金属酸化物層含有ブラシ体〔1〕を外径6mmの金属製シャフト(SUM22)に巻き付けて接着することにより、ブラシローラ〔1〕を作製した。
〔ブラシローラの作製例2〕
ブラシローラ作製例1において、金属酸化物層含有ブラシ体〔1〕を、表面処理剤:上記例示化合物(SS−15)30質量部およびトルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300質量部を混合した混合液に、回転速度100rpmで回転させた状態で15分間浸漬した。この混合液の温度は40℃に保った。この混合液から取り出した後、120℃で3時間乾燥することによって、表面処理剤による表面処理を終了し、これにより、ブラシローラ〔2〕を得た。
〔ブラシローラの作製例3〕
ブラシローラ作製例2において、表面処理剤として上記例示化合物(SS−37)を用いたこと以外は同様にして、ブラシローラ〔3〕を得た。
〔ブラシローラの作製例4〕
ブラシローラ作製例1において、オルトケイ酸テトラエチル溶液の代わりにアルミニウムイソプロポキシドのn−ヘキサン溶液を用いたこと以外は同様にして、ブラシローラ〔4〕を得た。
〔ブラシローラの作製例5〕
ブラシローラ作製例3において、オルトケイ酸テトラエチル溶液の代わりにアルミニウムイソプロポキシドのn−ヘキサン溶液を用いたこと以外は同様にして、ブラシローラ〔5〕を得た。
〔ブラシローラの作製例6〕
ブラシローラ作製例1において、オルトケイ酸テトラエチル溶液の代わりにオルトチタン酸テトラエチル溶液を用いたこと以外は同様にして、ブラシローラ〔6〕を得た。
〔ブラシローラの作製例7〕
ブラシローラ作製例3において、オルトケイ酸テトラエチル溶液の代わりにオルトチタン酸テトラエチル溶液を用いたこと以外は同様にして、ブラシローラ〔7〕を得た。
〔ブラシローラの作製例8〕
ブラシローラ作製例1において、プリディップ液に浸漬させる処理、および、金属酸化物層を形成するためのオルトケイ酸テトラエチル溶液に浸漬させる処理を行わなかったこと以外は同様にして、ブラシローラ〔8〕を得た。
<実施例1:画像形成装置の作製例1>
画像形成装置「bizhub C353」(コニカミノルタ社製)に感光体〔1〕を搭載し、画像形成ユニットを帯電ローラによる帯電が行われるように改造した。また、クリーニング手段の上流側にブラシローラ〔1〕を下記条件で設置すると共に、クリーニング手段の下流側かつ帯電手段の上流側に下記仕様の滑剤供給手段を配置した。これを画像形成装置〔1〕とする。
−滑剤除去手段の設置条件−
ブラシローラ〔1〕は感光体に対し、食込み量0.8mmとなるよう設置し、感光体の回転方向とは同方向に周速比0.6で回転させた。また、ブラシローラは金属製シャフトを介して接地させた。
−滑剤供給手段の仕様−
滑剤供給手段には、滑剤ストックと直毛タイプのブラシローラよりなる塗布部材とにより構成された装置を使用した。このブラシローラは、フィラメント糸として炭素含有ナイロン繊維「SA−7」(東レ社製)を用い、ブラシ繊維の太さ3デニール、ブラシ繊維の植設密度120kF/inch2 、ブラシ繊維の毛長3.0mmのリボン状生地を外径6mmの金属製シャフト(SUM22)に螺旋状に巻き付け形成したものである。
−滑剤供給手段の設置条件−
ブラシローラは感光体に対し、食込み量1mmとなるよう設置し、感光体の回転方向とは逆方向に周速比0.6で回転させた。また、ブラシローラは金属製シャフトを介して接地させた。滑剤ストックのブラシローラに対する押圧力は2N/m2 とした。滑剤の種類はステアリン酸亜鉛とした。
<実施例2〜8、比較例3>
実施例1の画像形成装置の作製例1において、表1に記載された感光体およびブラシローラを設置したことの他は同様にして、画像形成装置〔2〕〜〔8〕、〔11〕を作製した。
<比較例2、3>
実施例1の画像形成装置の作製例1において、ブラシローラ〔1〕を設置せず、表1に記載された感光体を設置したことの他は同様にして、画像形成装置〔9〕、〔10〕を作製した。
上記の画像形成装置〔1〕〜〔11〕を用いて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)像流れの評価
高温高湿環境(温度30℃、湿度85%RH)で、印字率5%相当の文字チャートを2000枚連続で印字し、続けてハーフトーン画像1枚を印字した後に電源を切り、8時間放置した後に電源を入れ、A3ハーフトーン画像を20枚連続で印字した。
像流れは、ハーフトーン画像が放置前に印字したハーフトーン画像のレベルに回復したときの枚数によって評価した。本発明においては、7枚目以内に回復した場合を合格と評価した。なお、7枚目を基準としているのは、通常装置を立ち上げたときに実施される画像安定化での感光体の回転数がA3用紙7枚目印字相当であるため、7枚目以内であれば1枚目の印字から像流れによる画像劣化は発現しないと考えられるからである。
(2)感光体の減耗量の評価
印字率5%相当の文字チャートを100,000枚印字した後に、感光体の保護層の膜厚を測定し、保護層の減耗量を算出した。膜厚の測定は渦電流式膜厚測定機「フィッシャースコープMMS PC」(フィッシャーインストルメンツ社製)用いた。本発明においては、保護層の減耗量が1.0μm以内である場合を合格と評価した。
Figure 0006318834
21 ブラシローラ
23 ブラシ繊維体
25 金属製シャフト
30 ブレード部材
31 支持部材
100 画像形成装置
110Y、110M、110C、110Bk 画像形成ユニット
111Y、111M、111C、111Bk 感光体
113Y、113M、113C、113Bk 帯電手段
114Y、114M、114C、114Bk 滑剤除去手段
115Y、115M、115C、115Bk 露光手段
116Y、116M、116C、116Bk 滑剤供給手段
117Y、117M、117C、117Bk 現像手段
119Y、119M、119C、119Bk クリーニング手段
130 中間転写体ユニット
131 中間転写体
133Y、133M、133C、133Bk 一次転写ローラ(転写手段)
135 クリーニング手段
137A、137B、137C、137D ローラ
150 給紙搬送手段
170 定着手段
200 プロセスカートリッジ
201 筐体
203R、203L 支持レール
211 給紙カセット
213A、213B、213C、213D 中間ローラ
215 レジストローラ
217 二次転写ローラ(転写手段)
219 排紙ローラ
221 排紙トレイ
P 転写材
SC 原稿画像読み取り装置

Claims (6)

  1. 硬化樹脂による保護層を有する感光体と、前記感光体の表面を帯電させる近接帯電方式の帯電手段と、前記帯電手段により帯電された感光体を露光する露光手段と、前記露光手段により露光された感光体にトナーを供給してトナー画像を形成する現像手段と、前記感光体上に形成されたトナー画像を転写する転写手段と、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給手段と、前記感光体の表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段と、前記滑剤を前記感光体の表面より除去する滑剤除去手段とを備える画像形成装置であって、
    前記感光体は表面に滑剤の皮膜を有するものであり、
    前記滑剤除去手段が、前記感光体の回転方向において前記クリーニング手段の上流側かつ前記転写手段の下流側に配置され、前記感光体の表面にある滑剤の皮膜を除去するものであり、かつ、前記感光体に接触するブラシ繊維体を有するブラシからなり、少なくとも前記感光体に接触するブラシ繊維体の表面が金属酸化物微粒子による層によって被覆されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記金属酸化物微粒子の表面が、シランカップリング剤によって疎水化されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体の保護層に、反応性有機基を有する化合物よりなる表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体の保護層に、メラミン構造を有する化合物からなる有機微粒子が含有されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記金属酸化物微粒子が、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子の群から選択されるいずれか1つ以上からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体の保護層が、ユニバーサル硬さが280N/mm2 以上600N/mm2 以下のものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
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