JP2012078620A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性、耐傷性が良好でかつ画像ボケの発生が無く、高耐久性の電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該保護層が1分子中に7つ以上の重合性官能基を有し且つ1つ以上のフッ素原子で置換されていてもよいアシルオキシル基を有する重合性化合物の重合生成物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該保護層が1分子中に7つ以上の重合性官能基を有し且つ1つ以上のフッ素原子で置換されていてもよいアシルオキシル基を有する重合性化合物の重合生成物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は電子写真感光体に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターなどの電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真感光体に関する。
近年、電子写真感光体は有機光導電性物質を含有する有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料を開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いことなどが無機系の感光体に対して有利な点である。
一方、電子写真感光体(以下感光体とも言う)は帯電、露光、現像、転写、クリーニング等により、電気的あるいは機械的な外力を直接受けているため、画像形成が繰り返し行われても帯電安定性、電位保持性など安定して維持する耐久性が求められている。
特に近年デジタル化の流れの中で、高精細、高画質の画像への要求が高まり、溶解懸濁トナーや乳化重合凝集トナーなどの重合法による小粒径のトナーが主流になっており、これらの小粒径のトナーは感光体表面への付着力が大きく、感光体表面に付着した転写残トナーなどの残留トナーの除去が不十分となりやすい。ゴムブレードを用いたクリーニング(以後、ブレードクリーニングとも言う)方式では、トナーがブレードを通過する「トナーすり抜け」やブレードが反転する「ブレード捲れ」、あるいは感光体とブレードの擦過音の発生、いわゆる「ブレード鳴き」と言った現象が発生しやすい。上記「トナーすり抜け」を解決するためにはブレードの感光体への当接圧力を高くする必要があるが、繰り返し使用することにより、有機感光体の表面が摩耗し耐久性が不足するという問題が発生する。また帯電時に発生するオゾンや窒素酸化物による劣化に対しても十分な耐久性を有することが求められている。
このような経緯から感光体表面に保護層を設けて機械的強度を向上させる技術が提案されている。
具体的には、感光体保護層に一般に硬化性化合物と呼ばれる重合性化合物を使用し、塗布した後硬化反応を行うことで、クリーニングブレード等の摩擦による表面の摩耗や傷の発生に対して耐久性の高い感光体を作製する技術が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
また保護層の耐摩耗性を向上するため1分子中に3つ以上のラジカル重合性基を有する単量体を用いる技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
更にシリカなどの無機微粒子を保護層に分散させ、機械的強度を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献4参照)。
一方、電子写真感光体へのトナー付着防止機能や優れたクリーニング性、転写性を付与させるために電子写真感光体表面の低表面エネルギー化技術が提案されている。低表面エネルギー化技術としては、電子写真感光体の保護層に潤滑剤を添加する技術が提案されており、この潤滑剤として種々のフッ素樹脂やシリコーン化合物を添加する技術が開示されている(例えば特許文献5、6、7、8、9参照)。
また、バインダー樹脂構造中に長鎖アルキル基を導入することで、表面エネルギーを下げ、更に画質低下の原因となるイオン性化合物の付着を防止し、耐久性と画像特性の劣化を改善する技術が開示されている(例えば特許文献10参照)。
電子写真感光体(以下感光体ともいう)の表面の耐摩耗性及び耐傷性を向上し、耐久性を高めるためには、重合性化合物と表面処理金属酸化物とを架橋し表面保護層の硬度を上げることが有効である。表面保護層の硬度を上げ、更なる高耐久化を達成するためには、保護層の架橋密度を上げることが好ましく、架橋密度を上げ表面保護層の硬度を上げるためには、分子中に重合性官能基を多く有する多官能の重合性化合物の選択が有効であると考えられる。
しかし、1分子中に重合性官能基の数が増えるに従い、未反応の官能基が残ってしまい、その未反応の官能基が親水性基であると画像ボケを生じてしまい、高耐久化を達成することが出来ない。このように感光体の高耐久化のため、耐摩耗性及び耐傷性の向上と画像ボケの防止を両立することは極めて困難であった。
本発明は、上記課題を解決し、耐摩耗性、耐傷性が良好でかつ画像ボケの発生が無く、高耐久性の電子写真感光体を提供することを目的としている。
本発明の上記課題は以下の構成により解決される。
1.
導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該保護層が1分子中に7つ以上の重合性官能基を有し且つ1つ以上のフッ素原子で置換されていてもよいアシルオキシル基を有する重合性化合物の重合生成物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
2.
前記重合性化合物が、下記一般式(1)または一般式(2)で表される少なくとも何れかであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
1.
導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該保護層が1分子中に7つ以上の重合性官能基を有し且つ1つ以上のフッ素原子で置換されていてもよいアシルオキシル基を有する重合性化合物の重合生成物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
2.
前記重合性化合物が、下記一般式(1)または一般式(2)で表される少なくとも何れかであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
(式中、R1〜R18は、アクリロイル基、メタクリロイル基、またはフッ素原子で置換されてもよいアシル基を表す。一般式(1)においては、R1〜R8のうち、7つ以上はアクリロイル基またはメタクリロイル基を表し、少なくとも1つ以上がフッ素原子で置換されてもよいアシル基を表す。一般式(2)においては、R9〜R18のうち、7つ以上はアクリロイル基またはメタクリロイル基を表し、少なくとも1つ以上がフッ素原子で置換されてもよいアシル基を表す。アシル基としてはフッ素原子で置換されてもよい炭素原子数1個から20個の直鎖または枝分かれしてもよい脂肪族アシル基を表す。)
3.
前記保護層が金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする前記1または前記2に記載の電子写真感光体。
4.
前記金属酸化物微粒子が、アルミナ微粒子、酸化スズ微粒子、酸化チタン微粒子の少なくとも何れかであることを特徴とする前記1から前記3の何れかに記載の電子写真感光体。
5.
前記金属酸化物微粒子がアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する表面処理剤で表面処理されたものであることを特徴とする前記1から前記4の何れかに記載の電子写真感光体。
3.
前記保護層が金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする前記1または前記2に記載の電子写真感光体。
4.
前記金属酸化物微粒子が、アルミナ微粒子、酸化スズ微粒子、酸化チタン微粒子の少なくとも何れかであることを特徴とする前記1から前記3の何れかに記載の電子写真感光体。
5.
前記金属酸化物微粒子がアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する表面処理剤で表面処理されたものであることを特徴とする前記1から前記4の何れかに記載の電子写真感光体。
本発明は以上の構成とすることによって、耐摩耗性、耐傷性に優れ、また高湿環境下においても画像ボケの発生のない高耐久の感光体を得ることが出来る。
以下本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
耐摩耗性、耐傷性に優れた保護層を形成するために、より多官能の重合性化合物を選択することが好ましい。これまで6官能までの重合性化合物は数多く検討されてきたが、7つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物は検討されてこなかった。7つ以上の重合性官能基を有する化合物を選択する場合、官能基密度の高いトリペンタエリスリトールやテトラペンタエリスリトール骨格を有する重合性化合物を選択すると、多官能であるために硬化後の硬度は増すが未反応の官能基も残存しやすく、この未反応の官能基の存在が画像ボケの原因となっていた。また、重合性官能基で置換しない未反応基が存在する場合は、トリペンタエリスリトールやテトラペンタエリスリトール骨格中の水酸基が残存してしまい、その水酸基が親水性を有するために大気中の水分の影響を受けやすく、それが画像ボケの原因となってしまう。
そこで、本発明では、より硬化度を高くする目的で、7つ以上の重合性官能基を有する重合性化合物を採用することにより、保護層の硬化膜の強度向上に加え、画像ボケを更に改善するために重合性化合物の未反応の水酸基を脂肪族カルボン酸やフッ素原子置換した脂肪族カルボン酸とエステル化することで疎水性を持たせることによって本発明の課題を解決するものである。また、ここで、重合性化合物にフッ素原子を導入する場合は、保護層の表面エネルギーを低下させ、クリーニング性を向上するとともに、帯電、露光等によって生じる窒素酸化物などのイオン性化合物の付着を防止することが可能となる。
本発明で使用される重合性化合物とは、1分子中に7つ以上の重合性官能基を有し且つ1つ以上のフッ素原子で置換されていてもよいアシルオキシル基を有する重合性化合物であって、好ましくは、下記一般式(1)若しくは下記一般式(2)で表される重合性化合物である。ここで重合性官能基としては、ラジカル重合性の官能基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基が特に好ましい。
式中、R1〜R18は、アクリロイル基、メタクリロイル基、またはフッ素原子で置換されてもよいアシル基を表す。一般式(1)においては、R1〜R8のうち、7つ以上はアクリロイル基またはメタクリロイル基を表し、少なくとも一つ以上がフッ素原子で置換されてもよいアシル基を表す。一般式(2)においては、R9〜R18のうち、7つ以上はアクリロイル基またはメタクリロイル基を表し、少なくとも一つ以上がフッ素原子で置換されてもよいアシル基を表す。アシル基としてはフッ素原子で置換されてもよい炭素原子数1個から20個の直鎖または枝分かれしてもよい脂肪族アシル基を表し、好ましくは炭素原子数1個から12個で有り、更に好ましくは、炭素原子数1個から7個の脂肪族アシル基を表す。
脂肪族アシル基は、1個以上のフッ素原子で置換されていることが好ましいが、多いほど、保護層の表面エネルギーが低下し、クリーニング性が向上するため好ましい。
本発明の重合性化合物の重合性官能基としては、ラジカル重合性の官能基であればよいが、アクリロイル基、メタクリロイル基であることが好ましい。
本発明で用いられる重合性化合物としては、例えば以下のものを例示することが出来るが、本発明に有効な重合性化合物はこれらに限定されるものではない。
ここで、Rは下記の構造式で表されるアクリロイル基、R′は下記構造式で表されるメタクリロイル基を表す。
〔金属酸化物微粒子〕
本発明の保護層には金属酸化物微粒子を添加することが出来る。本発明に係わる金属酸化物微粒子は、遷移金属も含めた金属酸化物粒子であればよく、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化スズ、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物微粒子が例示されるが、中でも、アルミナ(Al2O3)、酸化スズ(SnO2)、二酸化チタン(TiO2)の微粒子が好ましく、アルミナ、酸化スズが更に好ましい。
本発明の保護層には金属酸化物微粒子を添加することが出来る。本発明に係わる金属酸化物微粒子は、遷移金属も含めた金属酸化物粒子であればよく、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化スズ、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物微粒子が例示されるが、中でも、アルミナ(Al2O3)、酸化スズ(SnO2)、二酸化チタン(TiO2)の微粒子が好ましく、アルミナ、酸化スズが更に好ましい。
上記金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲が好ましい。特に好ましくは3〜100nmである。
上記金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP」((株)ニレコ製)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出した。
〔表面処理剤〕
次に金属酸化物微粒子の表面処理に用いる表面処理剤について説明する。
次に金属酸化物微粒子の表面処理に用いる表面処理剤について説明する。
上記金属酸化物微粒子の表面処理に用いる表面処理剤としては、金属酸化物微粒子の表面に存在する水酸基等と反応性を有する表面処理剤であればよい。このような反応性を有する表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
S−1:CH2=CHSi(CH3)(OCH3)2
S−2:CH2=CHSi(OCH3)3
S−3:CH2=CHSiCl3
S−4:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OC2H5)(OCH3)2
S−7:CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9:CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10:CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11:CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17:CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19:CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20:CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21:CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22:CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23:CH2=CHSi(OCH3)3
S−24:CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25:CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26:CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27:CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28:CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29:CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−31:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)2(OCH3)
S−32:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCOCH3)2
S−33:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(ONHCH3)2
S−34:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OC6H5)2
S−35:CH2=CHCOO(CH2)2Si(C10H21)(OCH3)2
S−36:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH2C6H5)(OCH3)2
又、表面処理剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面処理剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
S−2:CH2=CHSi(OCH3)3
S−3:CH2=CHSiCl3
S−4:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OC2H5)(OCH3)2
S−7:CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9:CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10:CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11:CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17:CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19:CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20:CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21:CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22:CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23:CH2=CHSi(OCH3)3
S−24:CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25:CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26:CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27:CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28:CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29:CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−31:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)2(OCH3)
S−32:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCOCH3)2
S−33:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(ONHCH3)2
S−34:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OC6H5)2
S−35:CH2=CHCOO(CH2)2Si(C10H21)(OCH3)2
S−36:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH2C6H5)(OCH3)2
又、表面処理剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面処理剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記表面処理金属酸化物微粒子の量は、重合性化合物100質量部に対し、20〜400質量部が好ましく、50〜300質量部がより好ましい。
表面処理金属酸化物微粒子は20質量部以上にすることで保護層の電気抵抗が高くなりすぎず、残留電位の上昇やカブリの発生を防止でき、400質量部より少なくすることで成膜性が良好で、帯電能の低下やピンホールの発生を防止することができる。
また、本発明に係わる金属酸化物微粒子は、表面処理を施さなくても効果を示すが、アクリロイル基、またはメタクリロイル基などの反応性有機基を有する表面処理剤により表面処理された表面処理金属酸化物微粒子とすることにより、重合性化合物と架橋構造を形成することで重合性化合物との結合がより強固になり特に好ましい。
〔表面処理金属酸化物微粒子の作製〕
表面処理するに際し、金属酸化物微粒子100質量部に対し、表面処理剤を0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
表面処理するに際し、金属酸化物微粒子100質量部に対し、表面処理剤を0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
以下に、均一に表面処理剤で表面処理された金属酸化物微粒子を製造する表面処理方法について説明する。
即ち、金属酸化物微粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物微粒子を微細化すると同時に微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで均一に表面処理剤により表面処理された金属酸化物微粒子を得ることができる。
本発明において用いられる表面処理装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた攪拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、金属酸化物微粒子に表面処理を行う際に金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、たとえば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等が使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力等により微粉砕、分散が行われる。
上記サンドミルで用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料とした粉砕媒体が使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
以上のような湿式処理により、表面処理剤による表面処理により、反応性アクリロイル基、反応性メタクリロイル基と反応可能な反応性有機基を有する金属酸化物微粒子を得ることができる。
さらに、本発明に係わる保護層は、本発明の重合性化合物、金属酸化物微粒子とともに公知の樹脂を併用して形成することができる。公知の樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。
本発明にかかわる保護層には、これらの他に必要に応じて重合開始剤、フィラー、滑剤粒子等を含有させて形成してもよい。
〔重合開始剤〕
本発明では、重合性化合物を硬化反応させて保護層が形成されるが、電子線開裂反応を利用する方法や光や熱の存在下でラジカル重合開始剤を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明では、重合性化合物を硬化反応させて保護層が形成されるが、電子線開裂反応を利用する方法や光や熱の存在下でラジカル重合開始剤を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明で使用出来る重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュアー369:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく、更に好ましくはα−ヒドロキシアセトフェノン構造、或いはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し0.1〜40質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
〔滑剤粒子〕
また、保護層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂微粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
また、保護層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂微粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
〔溶媒〕
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔保護層の形成〕
保護層は、重合性化合物、表面処理金属酸化物微粒子、必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤等を添加して調製した塗布液を、公知の方法により感光層表面に塗布し、自然乾燥または熱乾燥を行い、その後硬化処理して作製することができる。保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。
保護層は、重合性化合物、表面処理金属酸化物微粒子、必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤等を添加して調製した塗布液を、公知の方法により感光層表面に塗布し、自然乾燥または熱乾燥を行い、その後硬化処理して作製することができる。保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。
本発明では、保護層の硬化は、塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線が好ましく、使い易さ等の見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LED等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cm2、好ましくは5〜15mJ/cm2である。光源の出力電圧は、好ましくは0.1〜5kWであり、特に好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5〜10Mrad)であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒〜10分が好ましく、硬化効率または作業効率の観点から1秒〜5分がより好ましいとされる。
本発明では、活性線の照射前後、及び、活性線を照射中に保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や保護層の膜厚などにより適宜選択することが可能である。また、乾燥温度は、室温〜180℃が好ましく、80℃〜140℃が特に好ましい。また、乾燥時間は、1分〜200分が好ましく、5分〜100分が特に好ましい。
〔感光体の層構成〕
本発明の感光体は、導電性支持体の上に、感光層、保護層を形成してなるものである。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた具体的な層構成として、たとえば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成(2)導電性支持体上に、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
本発明の感光体は、導電性支持体の上に、感光層、保護層を形成してなるものである。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた具体的な層構成として、たとえば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成(2)導電性支持体上に、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び、保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、保護層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
図1は、本発明の感光体の層構成の一例を示す模式図である。
図1において、1は導電性支持体、2は感光層、3は中間層、4は電荷発生層、5は電荷輸送層、6は保護層、7は表面処理金属酸化物微粒子を示す。
次に、本発明の感光体を構成する導電性支持体、中間層、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)について、及び、感光層を構成する部材について説明する。
〔導電性支持体〕
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層には抵抗調整の目的で各種導電性微粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物粒子。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物粒子を1種類もしくは2種類以上混合して用いることができる。2種類以上混合して用いる場合には、固溶体または融着の形態をとってもよい。この様な金属酸化物粒子は、数平均一次粒径が0.3μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。
中間層の形成に使用可能な溶媒としては、前述した導電性微粒子や金属酸化物粒子等の無機微粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダー樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。また、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、前記溶媒に対して以下の様な助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、たとえば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
塗布液形成時のバインダー樹脂濃度は、中間層の膜厚や塗布方式に合わせて適宜選択することができる。また、無機微粒子等を分散させたとき、バインダー樹脂に対する無機微粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機微粒子を20〜400質量部とすることが好ましく、50〜200質量部とすることがより好ましい。
無機微粒子の分散手段は、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、及び、ホモミキサー等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、中間層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
〔感光層〕
前述した様に、本発明の感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。この様に、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御し易いメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
前述した様に、本発明の感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。この様に、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御し易いメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に、感光層の具体例として機能分離型の負帯電感光体の感光層の各層について説明する。
〔電荷発生層〕
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッドやダイアンブルー等のアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料、フタロシアニン顔料等があり、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独もしくは公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、50〜500部がより好ましい。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましい。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
〔電荷輸送層〕
本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、公知の化合物を用いることが可能で、たとえば、以下の様なものが挙げられる。すなわち、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等。これらの化合物を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。
また、電荷輸送層用のバインダー樹脂は公知の樹脂を用いることが可能で、たとえば、以下の様なものがある。すなわち、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、さらに、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等のタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐磨耗性、帯電特性の視点から好ましいものである。
電荷輸送層は塗布法に代表される公知の方法で形成することが可能であり、たとえば、塗布法では、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を一定の膜厚で塗布後、乾燥処理することにより所望の電荷輸送層を形成することができる。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等が挙げられる。なお、電荷輸送層形成用の塗布液を作製する際に使用する溶媒は上記のものに限定されるものではない。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の混合比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましく、20〜100質量部とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質やバインダー樹脂の特性、及び、これらの混合比等により異なるが、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば特開2000−305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
また、本発明の感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、円形量規制型塗布法等が挙げられる。
円形量規制型塗布方法については、特開昭58−189061号公報に記載されている。
《画像形成装置》
本発明に係る画像形成装置について説明する。
本発明に係る画像形成装置について説明する。
本発明の効果を実現する画像形成装置は、
(1)少なくとも本発明の保護層を有する電子写真感光体、
(2)前述した電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、
(3)帯電手段により帯電された電子写真感光体表面に像露光を行い潜像形成を行う露光手段、
(4)露光手段により形成された潜像を顕像化してトナー画像を形成する現像手段、
(5)現像手段により電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を用紙等の転写媒体あるいは転写ベルト上に転写する転写手段、を有するものである。
(1)少なくとも本発明の保護層を有する電子写真感光体、
(2)前述した電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、
(3)帯電手段により帯電された電子写真感光体表面に像露光を行い潜像形成を行う露光手段、
(4)露光手段により形成された潜像を顕像化してトナー画像を形成する現像手段、
(5)現像手段により電子写真感光体表面に形成されたトナー画像を用紙等の転写媒体あるいは転写ベルト上に転写する転写手段、を有するものである。
尚、電子写真感光体を帯電させる帯電手段では非接触帯電装置を用いることが好ましい。非接触帯電装置としては、コロナ帯電装置、コロトロン帯電装置、スコロトロン帯電装置を挙げることができる。
図2は、本発明の実施形態のひとつを示すカラー画像形成装置の一例を説明する断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Y(以下、単にクリーニング手段6Y、あるいは、クリーニングブレード6Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例)
本発明の重合性化合物の合成については、公知の合成方法によって行うことができる。例示化合物M−1、M−11の合成方法を例として以下に記載する。
本発明の重合性化合物の合成については、公知の合成方法によって行うことができる。例示化合物M−1、M−11の合成方法を例として以下に記載する。
(M−1の合成)
反応器にトリペンタエリスリトール100g、アクリル酸181g、酢酸18g、シクロヘキサン91g、濃硫酸8.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.2gを仕込み、空気を10ml/分で吹き込みながら、80℃〜90℃で8時間反応した。反応終了後、反応混合物にトルエン530gを添加し、得られた有機層を25質量%の水酸化ナトリウム水溶液、次いで10質量%の硫酸ナトリウム水溶液により洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.2gを添加して濃縮し、乾燥してトリペンタエリスリトールヘプタアクリレート183gを得た。得られたトリペンタエリスリトール酢酸エステルヘプタアクリレートは、通常トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、トリペンタエリスリトールジ酢酸エステルヘキサアクリレート等の混合物として得られるが、各々を分留によりわけることができる。
反応器にトリペンタエリスリトール100g、アクリル酸181g、酢酸18g、シクロヘキサン91g、濃硫酸8.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.2gを仕込み、空気を10ml/分で吹き込みながら、80℃〜90℃で8時間反応した。反応終了後、反応混合物にトルエン530gを添加し、得られた有機層を25質量%の水酸化ナトリウム水溶液、次いで10質量%の硫酸ナトリウム水溶液により洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.2gを添加して濃縮し、乾燥してトリペンタエリスリトールヘプタアクリレート183gを得た。得られたトリペンタエリスリトール酢酸エステルヘプタアクリレートは、通常トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、トリペンタエリスリトールジ酢酸エステルヘキサアクリレート等の混合物として得られるが、各々を分留によりわけることができる。
(M−11の合成)
反応器にテトラペンタエリスリトール100g、アクリル酸106g、ペルフルオロカプリル酸153g、シクロヘキサン91g、濃硫酸8.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.2gを仕込み、空気を10ml/分で吹き込みながら、80℃〜90℃で8時間反応した。反応終了後、反応混合物にトルエン530gを添加し、得られた有機層を25質量%の水酸化ナトリウム水溶液、次いで10質量%の硫酸ナトリウム水溶液により洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.2gを添加して濃縮し、乾燥して132gを得た。得られたテトラペンタエリスリトールジペルフルオロカプリル酸エステルオクタアクリレートは、通常テトラペンタエリスリトールモノペルフルオロカプリル酸エステルノナアクリレート等の混合物として得られるが、各々を分留により分けることができる。
反応器にテトラペンタエリスリトール100g、アクリル酸106g、ペルフルオロカプリル酸153g、シクロヘキサン91g、濃硫酸8.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.2gを仕込み、空気を10ml/分で吹き込みながら、80℃〜90℃で8時間反応した。反応終了後、反応混合物にトルエン530gを添加し、得られた有機層を25質量%の水酸化ナトリウム水溶液、次いで10質量%の硫酸ナトリウム水溶液により洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)0.2gを添加して濃縮し、乾燥して132gを得た。得られたテトラペンタエリスリトールジペルフルオロカプリル酸エステルオクタアクリレートは、通常テトラペンタエリスリトールモノペルフルオロカプリル酸エステルノナアクリレート等の混合物として得られるが、各々を分留により分けることができる。
〔表面処理金属酸化物の作製〕
(表面処理金属酸化物微粒子1の作製)
金属酸化物微粒子として数平均一次粒径20nmの「酸化スズ」100質量部、表面処理剤として「例示化合物S−13」30質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し「表面処理金属酸化物微粒子1」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子1の作製)
金属酸化物微粒子として数平均一次粒径20nmの「酸化スズ」100質量部、表面処理剤として「例示化合物S−13」30質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し「表面処理金属酸化物微粒子1」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子2の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤として「例示化合物S−7」を用いた他は同様にして、「表面処理金属酸化物微粒子2」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤として「例示化合物S−7」を用いた他は同様にして、「表面処理金属酸化物微粒子2」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子3の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒径30nmの「アルミナ」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−13」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子3」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒径30nmの「アルミナ」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−13」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子3」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子4の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤を「例示化合物S−28」に変更した他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子4」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤を「例示化合物S−28」に変更した他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子4」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子5の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤を「例示化合物S−29」に変更した他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子5」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤を「例示化合物S−29」に変更した他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子5」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子6の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤を「例示化合物S−10」に変更した他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子6」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤を「例示化合物S−10」に変更した他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子6」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子7の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒子径6nmの「二酸化チタン」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−29」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子7」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒子径6nmの「二酸化チタン」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−29」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子7」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子8の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒子径40nmの「シリカ」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−4」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子8」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒子径40nmの「シリカ」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−4」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子8」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子9の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒径30nmの「アルミナ」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−30」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子9」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒径30nmの「アルミナ」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−30」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子9」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子10の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤として「例示化合物S−5」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子10」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、表面処理剤として「例示化合物S−5」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子10」を作製した。
(表面処理金属酸化物微粒子11の作製)
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒径30nmの「アルミナ」を用い、表面処理剤として例示化合物「S−7」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子11」を作製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の作製において、金属酸化物微粒子として数平均一次粒径30nmの「アルミナ」を用い、表面処理剤として例示化合物「S−7」を用いた他は同様にして「表面処理金属酸化物微粒子11」を作製した。
(感光体の作製)
〈感光体1の作製〉
(導電性支持体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を準備した。
〈感光体1の作製〉
(導電性支持体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を準備した。
〈中間層の形成〉
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂(CM8000:東レ社製) 1質量部
酸化チタン(SMT500SAS:テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
酸化チタン(SMT500SAS:テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を前記導電性支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布、乾燥して「中間層」を形成した。
〈電荷発生層の形成〉
下記組成を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
下記組成を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20質量部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
この電荷発生層塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布、乾燥して、乾燥膜厚0.3μmの「電荷発生層」を形成した。
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
この電荷発生層塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布、乾燥して、乾燥膜厚0.3μmの「電荷発生層」を形成した。
〈電荷輸送層の形成〉
下記組成を混合、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
下記組成を混合、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 225質量部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製) 6質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1質量部
この電荷輸送層塗布液を前記電荷発生層の上に円形量規制型塗布機を用いて塗布し、乾燥して乾燥膜厚20μmの「電荷輸送層」を形成した。
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:BASFジャパン社製) 6質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1質量部
この電荷輸送層塗布液を前記電荷発生層の上に円形量規制型塗布機を用いて塗布し、乾燥して乾燥膜厚20μmの「電荷輸送層」を形成した。
〈保護層の形成〉
下記組成を溶解、分散して保護層塗布液を調製した。
下記組成を溶解、分散して保護層塗布液を調製した。
表面処理金属酸化物微粒子1 100質量部
重合性化合物(M−1) 100質量部
重合開始剤(イルガキュアー369:BASFジャパン社製) 15質量部
1−プロピルアルコール 500質量部
この保護層塗布液を上記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置を用いて塗布し、保護層を形成した。
重合性化合物(M−1) 100質量部
重合開始剤(イルガキュアー369:BASFジャパン社製) 15質量部
1−プロピルアルコール 500質量部
この保護層塗布液を上記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置を用いて塗布し、保護層を形成した。
形成した保護層を乾燥後、メタルハライドランプを用いて窒素気流下、光源から感光体表面までの距離を100mmに設置し、ランプ出力4kWで紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの「保護層」を形成し、「感光体1」を作製した。
(感光体2〜16の作製)
感光体1の保護層の作製で用いた重合性化合物、表面処理金属酸化物微粒子の種類と添加量を表1のように変更した以外は、同様にして「感光体2〜16」を作製した。
感光体1の保護層の作製で用いた重合性化合物、表面処理金属酸化物微粒子の種類と添加量を表1のように変更した以外は、同様にして「感光体2〜16」を作製した。
なお、感光体13の作製においては、表面処理金属酸化物微粒子を添加しなかった。感光体15においては、重合性化合物として、6官能の下記化合物M−13(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートの混合物)を用いた。感光体16においては、重合性化合物を添加しなかった。感光体15と感光体16は比較用感光体とした。
ここで、Rは、アクリロイル基を表す。
(評価と判定基準)
以上のようにして作製した実施例の感光体1〜14及び比較例の感光体15、16について、以下のように評価を行った。
以上のようにして作製した実施例の感光体1〜14及び比較例の感光体15、16について、以下のように評価を行った。
基本的に図2の構成を有する市販のフルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製;600dpi、780nmの半導体レーザの露光光を使用)を用いて評価した。尚、上記フルカラー複合機は画像形成ユニットを4組有しているので、それぞれの画像形成ユニットの感光体を同一種類の感光体(例えば、感光体1の場合は、4本の感光体1を用意して)で統一して、評価を行った。各評価は、30℃80%RHの条件で、YMCBk各色印字率2.5%のA4画像を中性紙のA4紙に50万枚の画出し耐刷試験を行い、その後、下記の個別の環境条件下で評価した。
(画像ボケ)
環境条件30℃、80%RHでの50万枚の画出し耐刷試験後に、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
環境条件30℃、80%RHでの50万枚の画出し耐刷試験後に、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)。
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)。
(耐傷性)
前記耐刷試験後、その後、A3紙全面にハーフトーン画像の画出しを行い下記評価を行った。
前記耐刷試験後、その後、A3紙全面にハーフトーン画像の画出しを行い下記評価を行った。
◎:感光体表面に目視でみられる目立った傷の発生はなく、ハーフトーン画像にも感光体傷に対応する画像不良の発生は見あたらない(良好)
○;感光体表面に目視で、軽微な傷の発生があるが、ハーフトーン画像には感光体傷に対応する画像不良の発生は見あたらない(実用上問題なし)
×;感光体表面に目視で、明確に傷の発生があり、ハーフトーン画像にも該傷に対応する画像不良の発生が認められる(実用上問題有り)
(感光体の減耗量)
前記環境条件30℃、80%RHでの50万枚の画出し耐刷試験の前後の膜厚差で評価した。感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとの両端3cmは除く)をランダムに10箇所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、耐刷試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
○;感光体表面に目視で、軽微な傷の発生があるが、ハーフトーン画像には感光体傷に対応する画像不良の発生は見あたらない(実用上問題なし)
×;感光体表面に目視で、明確に傷の発生があり、ハーフトーン画像にも該傷に対応する画像不良の発生が認められる(実用上問題有り)
(感光体の減耗量)
前記環境条件30℃、80%RHでの50万枚の画出し耐刷試験の前後の膜厚差で評価した。感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとの両端3cmは除く)をランダムに10箇所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、耐刷試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
◎:減耗量が0.7μm以下(良好)
○:減耗量が0.7μmより大きく2μm以下(実用上問題なし)
×:減耗量が2μmより大きい(実用上問題有り)
○:減耗量が0.7μmより大きく2μm以下(実用上問題なし)
×:減耗量が2μmより大きい(実用上問題有り)
以上の結果から明らかなように本発明の感光体1〜14は、比較例の感光体15、16に比べて、画像ボケ、耐傷性、耐摩耗性とも優れた特性を有している。
1 導電性支持体
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 保護層
7 表面処理金属酸化物微粒子
1Y、1M、1C、1Bk 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 像露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 保護層
7 表面処理金属酸化物微粒子
1Y、1M、1C、1Bk 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 像露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
Claims (5)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該保護層が1分子中に7つ以上の重合性官能基を有し且つ1つ以上のフッ素原子で置換されていてもよいアシルオキシル基を有する重合性化合物の重合生成物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記重合性化合物が、下記一般式(1)または一般式(2)で表される少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物微粒子が、アルミナ微粒子、酸化スズ微粒子、酸化チタン微粒子の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物微粒子がアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する表面処理剤で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
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- 2010-10-04 JP JP2010224568A patent/JP2012078620A/ja active Pending
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