JP6060706B2 - 有機感光体および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に備えられる有機感光体および画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において用いられる感光体としては、無機感光体および有機感光体が知られている。ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得て、この潜像部を染料、顔料などの着色剤および樹脂材料などで構成されるトナーで現像し、可視化して画像を形成する画像形成プロセスである。
有機感光体は、無機感光体に比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在ではほとんどの感光体には有機感光体が用いられている。
このような感光体においては、その表面に保護層を形成することにより、性能を向上させてきた。これら保護層には、滑り性の観点からシリコーンオイルが添加されることがある。滑り性の付与は、クリーニング手段としてのブレードに対する鳴きの発生の抑制や、放電生成物や余分な滑剤の除去の役目を果たし、画像ボケやメモリなどの画像不良の発生の低減に貢献している。
例えば特許文献1および2には、保護層に添加されるシリコーンオイルとして直鎖状のものを用いることが開示されている。
しかしながら、保護層の形成材料として架橋型硬化樹脂を採用する場合においては、直鎖状のシリコーンオイルを含有させると、膜強度が低下し、高い耐久性が得られないという問題がある。
また、シリコーンオイルは、保護層に添加される量が多くなるに従って、機能を発現し、持続性も高くなる。しかしながら、シリコーンオイルは界面活性剤としての機能も有することから、保護層を形成するための塗布液中に多量にシリコーンオイルを添加すると塗布性が悪化することにより、はじきや塗布ムラなどが発生し、これに起因して、感光体の帯電性が不均一になったり、露光時の電位減衰が不均一になるという問題がある。
特開2011−170129号公報 特開2010−107696号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、長期間にわたって滑り性を維持し、また、高い膜強度を有する有機感光体およびこの有機感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に有機感光層が形成され、この有機感光層上に保護層が形成されてなる有機感光体において、
前記保護層は、下記一般式(1)で表わされる化合物と、当該化合物と共重合可能な重合性有機化合物との共重合体を含有し、
前記一般式(1)で表わされる化合物と前記重合性有機化合物との質量比が、1:10〜1:20であることを特徴とする。
〔一般式(1)中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基または単結合を示し、R1 はアクリロイル基またはメタクリロイル基を示し、R2 〜R7 は、各々、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示し、R8 〜R16は、各々、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示す。m、nおよびlは、各々、1以上の整数を示す。〕
本発明の有機感光体においては、前記重合性有機化合物が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものであることが好ましい。
本発明の有機感光体においては、前記保護層が金属酸化物微粒子を含有し、
前記金属酸化物微粒子が重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されてなるものであることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、有機感光体と、前記有機感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該有機感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備え、
前記有機感光体が上記の有機感光体であることを特徴とする。
本発明の有機感光体によれば、保護層が、上記一般式(1)で表わされる化合物(以下、「特定のシリコーン化合物」ともいう。)と、当該特定のシリコーン化合物と共重合可能な重合性有機化合物との共重合体により形成されていることにより、長期間にわたって滑り性を維持し、また、高い膜強度が得られる。
本発明の画像形成装置によれば、上記有機感光体を備えることにより、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
本発明の有機感光体の製造方法に用いられる円形スライドホッパー塗布装置の構成の一例を示す説明用断面図である。 図1に示す円形スライドホッパー塗布装置の斜視断面図である。 本発明の画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔有機感光体〕
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に、有機感光層および保護層がこの順に積層されてなるものであれば特に限定されないが、具体的には下記(1)および(2)の層構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生層および電荷輸送層、並びに保護層がこの順に積層されてなる層構成。
(2)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層、並びに保護層がこの順に積層されてなる層構成。
本発明において、有機感光体とは有機感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が有機化合物によって発現される有機感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とを高分子錯体で構成した感光体などを全て含むものとする。
〔保護層〕
本発明の有機感光体を構成する保護層は、有機感光層上に形成されるものであり、特定のシリコーン化合物と、当該特定のシリコーン化合物と共重合可能な重合性有機化合物とを共重合して得られる共重合体により構成されている。また、本発明に係る保護層には、必要に応じて、金属酸化物微粒子や滑剤粒子、酸化防止剤などの他の成分が含有されていてもよい。
本発明に係る保護層を構成する共重合体は、特定のシリコーン化合物と、当該特定のシリコーン化合物と共重合可能な重合性有機化合物とを共重合して得られたものであり、具体的には、紫外線や電子線などの活性線の照射により、重合性有機化合物の重合反応や重合性有機化合物と特定のシリコーン化合物との重合反応により、硬化して形成されて得られたものである。
(重合性有機化合物)
本発明において、特定のシリコーン化合物と共重合可能な重合性有機化合物は、保護層を構成する共重合体の主成分を形成するモノマー材料とされる。
本発明において、重合性有機化合物は、特定のシリコーン化合物と共重合可能であれば特に限定されないが、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。重合性有機化合物は、多官能モノマーを用いることが好ましく、単官能モノマーを併用することもできる。多官能モノマーは、重合性有機化合物中50〜100質量%の割合で用いることが好ましい。多官能モノマーとしては、具体的には、重合性官能基を2個以上有するものが挙げられる。
重合性有機化合物としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、重合性官能基としてアクリロイル基(CH2 =CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。
本発明においては、重合性有機化合物は単独で用いても、混合して用いてもよい。また、これらの重合性有機化合物は、モノマーを用いてもよいが、オリゴマー化して用いてもよい。
以下、重合性官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を2個以上有する重合性有機化合物の具体例を示す。
ただし、上記の例示化合物(M1)〜(M16)を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH2 =CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH2 =CCH3 CO−)を示す。
(特定のシリコーン化合物)
本発明において、特定のシリコーン化合物は、有機感光体表面における滑り性を付与する機能を有する。
特定のシリコーン化合物は、3つの分岐を有するものであり、かつ、重合性官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものである。
本発明において、保護層を構成する共重合体の形成材料として特定のシリコーン化合物が用いられることにより、この分岐構造のシリコーン化合物と重合性有機化合物との親和性が高まり、シリコーンオイルの含有量を大きくしても、塗布性が悪化することなく、はじきや塗布ムラなどが発生しない。また、特定のシリコーン化合物が重合性官能基を有することから、当該特定のシリコーン化合物と、重合性有機化合物としての多官能モノマーとが、架橋反応をすることによって編み目構造を形成し、膜強度が向上される。従って、本発明の有機感光体によれば、長期間にわたって滑り性を維持し、従って、ブレードに対する鳴きの発生や、画像ボケやメモリなどの画像不良の発生を低減し、また、高い膜強度を有するものとなる。
特定のシリコーン化合物においては、上記一般式(1)中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基または単結合を示す。
上記一般式(1)中、R1 はアクリロイル基またはメタクリロイル基を示す。
上記一般式(1)中、R2 〜R7 は、各々、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示し、特にメチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)中、R8 〜R16は、各々、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示し、特にメチル基であることが好ましい。
また、m、nおよびlは、各々、1以上の整数を示し、具体的には1以上10以下であることが好ましい。
特定のシリコーン化合物は、重量平均分子量(Mw)が500〜6,000であることが好ましく、より好ましくは500〜2,000である。
本発明において、特定のシリコーン化合物の重量平均分子量(Mw)は、東ソー製 高速GPC HLC8220を用いてポリスチレン換算にて算出される値である。
特定のシリコーン化合物としては、例えば市販品の「RTT−1011」、「UTT−1012」(以上、Gelest社製)などを用いることもできる。
特定のシリコーン化合物と重合性有機化合物との質量比は、1:5〜1:20であることが好ましく、より好ましくは1:10〜1:15である。
特定のシリコーン化合物と重合性有機化合物との質量比が上記範囲内であることにより、長期間にわたって滑り性を確実に維持することができる。
(金属酸化物微粒子)
本発明の有機感光体を構成する保護層には、金属酸化物微粒子が含有されていることが好ましい。金属酸化物微粒子が含有されていることにより、保護層の膜強度が十分に得られると共に電位安定性が得られる。
このような金属酸化物微粒子としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化チタン(チタニア)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどを用いることができるが、なかでも、電気特性の観点から、酸化錫が好ましい。
金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmであることが好ましく、より好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜40nmである。
本発明において、金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP(ソフトウエアバージョン Ver.1.32)」((株)ニレコ製)を使用して数平均一次粒径を算出した。
以上のような金属酸化物微粒子は、重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されてなるものであることが好ましい。このような金属酸化物微粒子は、原料となる金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)が、重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されることにより、未処理金属酸化物微粒子表面に重合性官能基が導入されたものである。
金属酸化物微粒子が重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されてなるものであることにより、表面処理によって導入された重合性官能基が重合性有機化合物や特定のシリコーン化合物と反応することによって、保護層の膜強度がより一層高いものとなる。
表面処理剤における重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。このような重合性官能基は、重合性官能基を有する重合性有機化合物や重合性官能基を有する特定のシリコーン化合物とも反応して高い膜強度の保護層を形成することができる。重合性官能基を有する表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合性官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
以下、表面処理剤の具体例として、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する表面処理剤を示す。
S−1:CH2 =CHSi(CH3 )(OCH3 2
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(OC2 5 )(OCH3 2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )(OCH3 2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(OCH3 3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OCH3 3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 5 )(OCH3 2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 5 3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 5 3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 5 3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(OC2 5 3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 2 (OCH3
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OCOCH3 2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(ONHCH3 2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH3 )(OC6 5 2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(C1021)(OCH3 2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 2 Si(CH2 6 5 )(OCH3 2
また、表面処理剤としては、上記例示化合物(S−1)〜(S−36)に示すもの以外でも、重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。
表面処理剤は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
表面処理剤の処理量は、未処理金属酸化物微粒子100質量部に対して0.1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部である。
表面処理剤の未処理金属酸化物微粒子に対する処理方法としては、例えば、未処理金属酸化物微粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕する方法が挙げられる。この方法により、金属酸化物微粒子の再凝集を防止すると同時に未処理金属酸化物微粒子の表面処理が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化する。
表面処理装置としては、例えば湿式メディア分散型装置が挙げられる。この湿式メディア分散型装置は、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、未処理金属酸化物微粒子に表面処理を行う際に未処理金属酸化物微粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば限定されず、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、せん断、ズリ応力などにより凝集粒子の微粉砕、分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明においては0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁が好ましい。
本発明に係る保護層には、例えば各種の酸化防止剤や、各種の滑剤粒子などの他の成分を加えることもできる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
保護層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。
以下、保護層以外の有機感光体の構成につき、上記(1)の層構成である場合について説明する。
〔導電性支持体〕
本発明の有機感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明の有機感光体においては、導電性支持体と有機感光層の間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けるのが好ましい。
このような中間層は、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)および必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらのなかでもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
このような金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
これら金属酸化物粒子は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。
導電性粒子または金属酸化物粒子の含有割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜350質量部である。
中間層の層厚は、0.1〜15μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。
〔電荷発生層〕
本発明の有機感光体を構成する有機感光層における電荷発生層は、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのなかでも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して1〜600質量部であることが好ましく、よりに好ましくは50〜500質量部である。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性、含有割合などにより異なるが、0.01〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜3μmである。
〔電荷輸送層〕
本発明の有機感光体を構成する有機感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷(正孔)を輸送する物質として、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、よりに好ましくは20〜250質量部である。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性および含有割合などによって異なるが、5〜40μmであることが好ましく、よりに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどを添加してもよい。酸化防止剤については特開2000−305291号公報、電子導電剤は特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
以上のような有機感光体によれば、保護層が、特定のシリコーン化合物と当該特定のシリコーン化合物と共重合可能な重合性有機化合物との共重合体により形成されていることにより、長期間にわたって滑り性を維持し、また、高い耐久性を有する。
〔有機感光体の製造方法〕
本発明の有機感光体の製造方法としては、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程。
工程(2):導電性支持体上に形成された中間層の外周面に電荷発生層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程。
工程(3):中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程。
工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に、保護層形成用の塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を硬化処理することにより、保護層を形成する工程。
〔工程(1):中間層の形成〕
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて塗布液(以下、「中間層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子を分散させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液中に導電性粒子や金属酸化物粒子を分散する手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の形成工程において使用する溶媒としては、導電性微粒子や金属酸化物微粒子を良好に分散し、中間層用バインダー樹脂、特にポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数1〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用でき、好ましい効果を得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
中間層形成用塗布液中の中間層用バインダー樹脂の濃度は、中間層の層厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
〔工程(2):電荷発生層の形成〕
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して塗布液(以下、「電荷発生層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液中に電荷発生物質を分散する手段としては、例えば、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸t−ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔工程(3):電荷輸送層の形成〕
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂および電荷輸送物質を溶解させた塗布液(以下、「電荷輸送層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔工程(4):保護層の形成〕
保護層は、重合性有機化合物、特定のシリコーン化合物、および金属酸化物微粒子など必要に応じて他の成分を公知の溶媒に添加して塗布液(以下、「保護層形成用塗布液」ともいう。)を調製し、この保護層形成用塗布液を工程(3)により形成された電荷輸送層の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性有機化合物および特定のシリコーン化合物を重合反応させて硬化することにより形成することができる。
保護層は、塗布、乾燥、硬化の過程で、重合性有機化合物間の反応や、特定のシリコーン化合物と重合性有機化合物との反応、また、重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理され金属酸化物微粒子が含有される場合においては、重合性有機化合物と表面処理剤との反応、特定のシリコーン化合物と表面処理剤との反応などが進行することにより、架橋型硬化樹脂として形成される。
本発明においては、特定のシリコーン化合物は、保護層形成用塗布液中、重合性有機化合物100質量部に対して5〜20質量部の割合で添加されることが好ましい。本発明においては、特定のシリコーン化合物の添加量が上記範囲内であっても、保護層形成用塗布液を電荷輸送層上に塗布する際に、はじきや塗布ムラなどが生じず、良好な塗布性が得られる。そして、はじきや塗布ムラなどの抑制された保護層が形成されることにより、感光体の帯電性や露光時の電位減衰が均一なものとなる。
保護層の形成に用いられる溶媒としては、重合性有機化合物および特定のシリコーン化合物を溶解または分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
保護層形成用塗布液は、円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布することが好ましい。
以下、円形スライドホッパー塗布装置を用いて保護層形成用塗布液を塗布する方法について具体的に説明する。
図1に示すように、円形スライドホッパー塗布装置は、円筒状の基材251と、その周囲を取り囲むように設けられた環状の塗布ヘッド260と、塗布液Lを貯留する貯留タンク254とから構成される。
ここでいう基材251は、保護層形成用塗布液が塗布されるべき基材であり、例えば導電性支持体上に中間層および有機感光層が形成された状態のもの(保護層が形成されていないもの)である。
塗布ヘッド260には、基材251側に開口する塗布液流出口261を有する幅狭の塗布液分配スリット262が基材251の長手方向に垂直な方向に沿って環状の塗布ヘッド260の全周にわたって形成されている。この塗布液分配スリット262は、環状の塗布液分配室263に連通し、この塗布液分配室263は、貯留タンク254内の塗布液Lが圧送ポンプ255により供給管264を介して供給されるよう形成されている。
塗布液分配スリット262の塗布液流出口261の下側には、連続して下方に傾斜し基材251の外寸よりやや大なる寸法で終端をなすように形成されたスライド面265が形成されており、さらに、このスライド面265終端より下方に延びる唇状部(ビード;液溜まり部)266が形成されている。
このような円形スライドホッパー塗布装置においては、基材251を矢印方向に移動させる過程で、塗布液Lを塗布液分配スリット262から押し出し、スライド面265に沿って流下させると、スライド面265終端に至った塗布液Lは、そのスライド面265終端と、基材251の外周面との間にビードを形成した後、基材251表面に塗布されて塗膜Fが形成され、過剰な塗布液Lは排出口267から排出される。
このような円形スライドホッパー塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙(約2μm〜2mm)を持って配置されているため基材を傷つけることなく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。さらに性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬コーティング方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、例えば複合硫酸バリウム微粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
塗膜は、乾燥しないで硬化処理を行ってもよいが、自然乾燥または熱乾燥を行った後、硬化処理を行うことが好ましい。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などのよって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分間〜200分間であり、特に好ましくは5分間〜100分間である。
重合性有機化合物および特定のシリコーン化合物を反応させる方法としては、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法などが挙げられる。ラジカル重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光重合開始剤および熱重合開始剤を併用することもできる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、またはフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、または、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。
以下、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例を示す。
重合開始剤は1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の添加割合は、重合性有機化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。
硬化処理として塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間および分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより、硬化樹脂が生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
保護層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、および活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
〔画像形成装置〕
本発明の画像形成装置は、有機感光体と、有機感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該有機感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備え、有機感光体として本発明の有機感光体が用いられてなるものである。
図3は、本発明の画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、ドラム状の有機感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、ドラム状の有機感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、ドラム状の有機感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、ドラム状の有機感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。本発明の画像形成装置は、有機感光体1Y、1M、1C、1Bkとして、上記の本発明の有機感光体を用いる。本発明の有機感光体は、上記説明したように、長期間にわたって滑り性を維持し、高い膜強度を有するので、ブレードの鳴きの発生や、ブレードの摩耗を抑制することができる。また、有機感光体が長期間にわたって滑り性を維持することから、放電生成物や余分な滑剤の除去が十分に行われ、画像ボケやメモリなどの画像不良の発生を抑制することができる。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、有機感光体1Y、1M、1C、1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、有機感光体1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、有機感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である有機感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを配置し、有機感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも有機感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、有機感光体1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、有機感光体1Yにコロナ放電型の帯電器が用いられている。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた有機感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、有機感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブおよび有機感光体とこの現像スリーブとの間に直流および/または交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラと、この加熱ローラに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラとにより構成されてなる熱ローラ定着方式のものが挙げられる。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成される。
本発明の画像形成装置としては、上述の有機感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、およびクリーニング手段の少なくとも1つを有機感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シートなど)Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材などの有機感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、有機感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する有機感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。有機感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、およびクリーニング手段6bとから成る。
なお、図3に示す画像形成装置では、カラーのレーザプリンタを示したが、モノクローのレーザプリンタやコピーにも同様に適用可能である。また、露光光源もレーザー以外の光源、例えばLED光源を用いてもよい。
以上のような画像形成装置によれば、本発明の有機感光体が備えられていることにより、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記中「部」とは「質量部」を示す。
〔有機感光体の作製例1:実施例1〕
直径60mmのアルミニウム製の円筒体の表面を切削加工し、表面を細かく粗面にした導電性支持体〔1〕を用意した。
(中間層の形成)
下記組成の分散液を下記溶媒と同じ溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製) 1部
金属酸化物粒子:酸化チタン「SMT500SAS」(テイカ社製) 3部
溶媒:メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
中間層形成用塗布液〔1〕を用いて導電性支持体〔1〕上に、浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質:下記顔料(CG−1)20部、バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)10部、溶媒:酢酸t−ブチル700部、溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン300部を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液を調製〔1〕した。この電荷発生層形成塗布液〔1〕を中間層〔1〕上に浸漬コーティング法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
<顔料(CG−1)の合成>
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2部をo−ジクロロベンゼン200部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
次いで、粗チタニルフタロシアニンを5℃以下において濃硫酸250部中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5000部に注いだ。析出した結晶をろ過し、充分に水洗してウエットペースト品225部を得た。
このウエットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、ろ過、乾燥して無定形チタニルフタロシアニン24.8部(収率86%)を得た。
(2)(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン(CG−1)の合成
上記無定形チタニルフタロシアニン10.0部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をオルトクロロベンゼン(ODB)200部中に混合し60〜70℃で6.0時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG−1:10.3部を得た。顔料(CG−1)のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm-1付近のTi=O、630cm-1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混合物と推定される。
得られた顔料(CG−1)のBET比表面積を流動式比表面積自動測定装置(マイクロメトリックス・フローソープ型:島津製作所)で測定したところ、31.2m2 /gであった。
(電荷輸送層の形成)
電荷輸送物質:下記化合物A225部、バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)300部、酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)6部、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)1600部、溶媒:トルエン400部、シリコーンオイル「KF−50」(信越化学社製)1部を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を電荷発生層〔1〕の上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(保護層の形成)
(1)金属酸化物微粒子の作製
酸化錫(数平均一次粒子径:20nm)100部、表面処理剤として例示化合物(S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH)30部、トルエン/イソプロピルアルコール=1/1(質量比)の混合溶媒300部の混合液を、ジルコニアビーズとともにサンドミルに入れ約40℃で、回転速度1500rpmで撹拌し、さらに、上記処理混合物を取り出し、ヘンシェルミキサーに投入して回転速度1500rpmで15分間撹拌した後、120℃で3時間乾燥することによって、重合性官能基を有する化合物による酸化錫の表面処理を終了し、表面処理済み酸化錫を得た。これを金属酸化物微粒子〔1〕とする。上記の重合性官能基を有する表面処理により、酸化錫の粒子表面はS−15の化合物により被覆されていた。
(2)保護層の形成
金属酸化物微粒子〔1〕80部、重合性有機化合物:上記例示化合物(M1)100部、シリコーンオイル:「RTT−1011」(Gelest社製)、重合開始剤:「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製)10部、溶媒:2−ブタノール320部、溶媒:テトラヒドロフラン80部を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層形成用塗布液〔1〕を調製した。この保護層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成し、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚3.0μmの保護層〔1〕を形成し有機感光体〔1〕を作製した。
〔有機感光体の作製例2〜5:実施例2、参考例1,2および比較例1〕
有機感光体の作製例1における保護層の形成において、用いるシリコーンオイルの種類と添加量を表1に従って変更したことの他は同様にして、有機感光体2〜5を作製した。
〔評価1〕
(1)塗布性の評価
実施例1〜2、参考例1,2および比較例1において、保護層の形成における保護層形成用塗布液の塗布性を下記評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A:直径0.3mm以上の凸または凹状欠陥が存在しない。(良好)
B:直径0.3mm〜1mmの凸または凹欠陥が1個〜2個存在する。(実用上問題なし)
C:直径0.3mm〜1mmの凸または凹欠陥が3個以上存在する、または、直径1mm以上の凸または凹状欠陥が1個以上存在する。(実用上問題あり)
〔評価2〜4〕
基本的に図3に示す画像形成装置の構成と同様の評価機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社製)に、有機感光体〔1〕〜〔5〕をそれぞれ搭載し評価を行った。評価機「bizhub PRO C6501」の露光光源としては、波長780nmの半導体レーザーを用いた。
温度30℃、湿度85%の高温高湿環境下で、画像比率6%の文字画像をA4横送りで各300,000枚両面連続プリントを行う耐久試験を実施し、形成される画像の画質(画像ボケ、メモリ)および有機感光体の接触角の評価を行った。
(2)画像ボケの評価
上記耐久試験後に、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3上質紙にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)と6dot格子画像を各1枚プリントした。プリントした画像の状態を観察し以下の評価を行った。
A:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし。(良好)
B:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる。(実用上問題なし)
C:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生。(実用上問題有り)
(3)メモリの評価
耐久試験後に、通紙方向に対して左半分がベタ黒画像部、右半分がベタ白画像部の画像をA4の上質紙上に、横送りで10枚連続してプリントし、続いて、均一なハーフトーン画像をプリントし、このプリントされたハーフトーン画像中にベタ黒画像部とベタ白画像部の履歴が現れているか否かを、当該ハーフトーン画像中のベタ黒画像部に対応する領域の反射濃度と、当該ハーフトーン画像中のベタ白画像部に対応する領域の反射濃度との差(ΔID)を算出し、下記の評価基準に従って評価した。
反射濃度は、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。
−評価基準−
A:ΔIDが0.05以下(良好)
B:ΔIDが0.05より大きく0.10以下(実用上問題なし)
C:ΔIDが0.10より大きい(実用上問題あり)
(4)接触角の評価
接触角は、水を使用して協和界面化学株式会社製、全自動接触角「CA−W」を用いて測定した。耐久試験前後の接触角が、80°以上であれば、実用可能と評価した。

1,1Y、1M、1C、1Bk 有機感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6,6Y、6M、6C、6Bk、6b クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
8 筐体
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
21 給紙搬送手段
20 給紙カセット
22A、22B、22C、22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
70 無端ベルト状中間転写体
71、72、73、74 ローラ
82L、82R 支持レール
P 転写材
251 基材
254 貯留タンク
255 圧送ポンプ
260 塗布ヘッド
261 塗布液流出口
262 塗布液分配スリット
263 塗布液分配室
264 供給管
265 スライド面
266 唇状部
267 排出口
L 塗布液
F 塗膜

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に有機感光層が形成され、この有機感光層上に保護層が形成されてなる有機感光体において、
    前記保護層は、下記一般式(1)で表わされる化合物と、当該化合物と共重合可能な重合性有機化合物との共重合体を含有し、
    前記一般式(1)で表わされる化合物と前記重合性有機化合物との質量比が、1:10〜1:20であることを特徴とする有機感光体。

    〔一般式(1)中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基または単結合を示し、R1 はアクリロイル基またはメタクリロイル基を示し、R2 〜R7 は、各々、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示し、R8 〜R16は、各々、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を示す。m、nおよびlは、各々、1以上の整数を示す。〕
  2. 前記重合性有機化合物が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記保護層が金属酸化物微粒子を含有し、
    前記金属酸化物微粒子が重合性官能基を有する表面処理剤によって表面処理されてなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機感光体。
  4. 有機感光体と、前記有機感光体の表面を帯電させる帯電手段と、当該有機感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記転写材に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備え、
    前記有機感光体が請求項1〜請求項3のいずれかに記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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