JP6403477B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真感光体の製造方法に関する。
有機光導電性物質を含有する電子写真感光体の耐久性向上を目的として、感光層上にさらに保護層としての表面層を設けた電子写真感光体が用いられている。保護層を有する電子写真感光体の機能改良のため、保護層やその表面の材料や物性等を改良する技術が検討されている。
特許文献1には、電子線で硬化された硬化物を含有する保護層を設け、かつ保護層に潤滑剤を含有させる技術が記載されている。
また、保護層の添加剤として、表面の潤滑性、撥水性、耐摩耗性向上などの目的で、シリコーンオイルを含有させた電子写真感光体が多数検討されている。
特許文献2には、一定以上の硬度を有する架橋表面層にシリコーンオイルを分散状態で含有させることにより、耐摩耗性、耐傷性、クリーニング性を向上させる技術が記載されている。
特開2008−262232号公報 特開2005−107490号公報
しかしながら、高耐久性の硬化型表面層を有する電子写真感光体は、その耐摩耗性の高さから画像流れが生じやすいという問題がある。電子写真装置が置かれる環境の変化により、電子写真感光体表面に結露が発生することがあり、特に、耐摩耗性の高い電子写真感光体は結露時の画像流れを回復する時間が遅く、改善が求められている。
本発明の目的は、硬化型表面層を有する電子写真感光体において、結露時の画像流れを速やかに回復する電子写真感光体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らが検討した結果、表面層に特定分子量のジメチルシリコーンオイルを一定量以上含有させることで、硬化型表面層を有する電子写真感光体であっても、結露時の画像流れを速やかに回復させることが可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、表面層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
式(5)で示される正孔輸送性化合物、分子量650〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって前記表面層を形成する工程を有し、
該表面層用塗布液中の該ジメチルシリコーンオイルの含有量が、該表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
Figure 0006403477
(式(5)において、P は式(6)または(7)で示される基である。aは、2から4の整数を示す。Aは、正孔輸送性基を示す。また、a個のP は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0006403477
Figure 0006403477
本発明によれば、硬化型表面層を有する電子写真感光体であっても、結露時の画像流れを速やかに回復する電子写真感光体を提供することができる。
電子写真感光体の層構成を説明するための図である。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、
アクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物、分子量350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって前記表面層を形成する工程を有する。そして、該表面層用塗布液中の該ジメチルシリコーンオイルの含有量が、該表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上である。
本発明の電子写真感光体の製造方法では、分子量350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルを用いる。
分子量350〜800の鎖状のジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、末端にトリメチルシリル基を有し、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006403477
式(1)中、nは3〜8の整数である。
ジメチルシリコーンオイルの分子量が40,000以下の場合、分子量と粘度の関係は下記のWarrikの式を用いて計算することができる。
logηP/40℃=1.43logM−5.54
式中、Mは分子量、ηP/40℃は40℃における粘度(P=0.1×Pa・s)を示す。
上記より、本発明で用いられる分子量350〜800の鎖状ジメチルシリコーンオイルは、25℃における動粘度が2〜7mm/sとなるジメチルシリコーンオイルである。具体的には、たとえば下記式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006403477
また、これらは市販品としても入手することができる。たとえば、信越化学工業(株)社製「KF−96L」、「KF−96A」、東レ・ダウコーニング(株)社製「SH 200」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−451」、「TSF−400」等から適切なグレードのものを使用することができる。しかし、これらに限定されるものではない。
分子量350〜800の環状のジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、下記式(3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006403477
式(3)中、nは5〜11の整数である。
具体的には、たとえば下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006403477
これらのジメチルシリコーンオイルは、単独で用いてもよく、2種以上のものを混合してもよい。
上記のジメチルシリコーンオイルを表面層に含有させることにより、硬化型表面層を有する電子写真感光体において、結露時の画像流れを速やかに回復することができる。硬化型表面層とは、本発明では、表面層がアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物の硬化物(重合物)を含有することである。
電子写真感光体の結露現象は、外気温度が上昇するときに電子写真感光体表面の温度が外気より低い場合に、外気中の水分が電子写真感光体表面に吸着することで生じる。結露現象は、特に冬場など、倉庫に保管していた電子写真装置を暖かい設置場所に設置する際等に発生することが多く、画像流れの原因となる。硬化型表面層は耐摩耗性が高く、耐摩耗性の高い電子写真感光体を使用している場合は特に画像流れを回復する時間が遅い傾向にあり、速やかな回復が求められる。本発明の製造方法により電子写真感光体の表面層が結露時の画像流れ回復性に効果を奏する理由について、本発明者らは以下のように推察している。
鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルは、側鎖がメチル基で覆われているため撥水性が高い材料である。鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルが表面層に含有することにより、結露が発生しても電子写真感光体とクリーニングブレード等との摺擦で速やかに電子写真感光体の表面に吸着した水分が除去されることが可能になると考えられる。この撥水性効果を電子写真感光体の表面に付与するため、分子量350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルの含有量は、表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上とすることを本発明者らは見出した。
分子量が350より低い場合は、鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルのほぼ全量が表面層の形成過程で揮発してしまい、電子写真感光体の撥水性効果は発現しないと考えられる。一方、分子量が800より高い場合、鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルの分子量が高いほど電子写真感光体の表面に付与される潤滑性が大きくなり、クリーニングブレード等との摺擦による水分除去効果が低下してしまうと考えられる。
本発明において、分子量が350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルを使用することで、仮にその一部が表面層の形成過程で揮発した場合でも、表面層中に残存する上記ジメチルシリコーンオイルが存在する。且つこの残存するジメチルシリコーンオイルは高い潤滑性を電子写真感光体に付与しないため、電子写真感光体表面に適切な撥水性を発現させることができ、結露による画像流れが速やかに回復する。
上記の観点から、表面層用塗布液には、本発明の上記ジメチルシリコーンオイル以外のケイ素原子含有化合物を含有しないことが好ましい。
表面層用塗布液の塗膜の形成や電子写真特性に悪影響を与えない限り、本発明で用いられる上記鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルがより多く表面層中に存在することが好ましい。その観点から、同分子量でもより揮発性の高い環状ジメチルシリコーンオイルより、鎖状ジメチルシリコーンオイルが好ましい。また、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルの量は少なくとも表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上である。0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下である。
さらに、表面層の最表面における、X線光電子分光測定(以下、「XPS」と言う。)を用いて検知される、上記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、表面層の最表面における水素原子を除く全構成原子に対し、2.5原子%以上であることが好ましい。さらには4.8原子%以上であることが好ましく、15原子%以下であることが好ましい。特には、8原子%以下であることが好ましい。なお、水素原子はXPSにおいて測定感度がない。
なお、ジメチルシリコーンオイルの中で特に低分子量のものは沸点が低く、XPSの測定方法が真空中で測定する故に、実際は電子写真感光体表面にケイ素元素が存在していても、この手法では検出されない場合がある。表面層の最表面において、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素が2.5原子%以上の存在割合で検出されるには、まず一定以上の分子量を有することが必要である。そして、そのようなジメチルシリコーンオイルを、上記XPSで検出される範囲となる適切量で使用することが好ましい。この観点から、鎖状または環状のジメチルシリコーンオイルの分子量は、650〜800であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の製造方法に用いられるアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物は、下記式(5)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006403477
は下記式(6)または(7)で示される基である。aは、1から4の整数を示す。Aは、正孔輸送性基を示す。また、a個のPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006403477
Figure 0006403477
ここで、「Pは同一であっても異なっていてもよい」とは、例えばa=3の時に正孔輸送性基Aに直接結合する官能基Pは3つとも同じものでも、2つ同じで1つは違うものでもよいということを意味するものである。
また、AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加物(正孔輸送性化合物)は、下記式(8)、または下記式(9)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006403477
式(8)中、R、R及びRは、フェニル基、または、炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。
、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロビル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
Figure 0006403477
式(9)中、R、R、R及びRは、フェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。
、R、R及びRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
以下に、式(5)で示される化合物(アクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物)の好ましい例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006403477
本発明における電子写真感光体の好ましい層構成の概略を図1に示す。図1に示される電子写真感光体においては、支持体21上に形成された下引き層22、下引き層22上に形成された電荷発生層23、電荷発生層23上に形成された電荷輸送層24、電荷輸送層24上に形成された表面層(保護層)25が積層されている。
本発明で用いられる支持体としては、導電性支持体であることが好ましい。支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属または合金が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体や樹脂製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸して得られる支持体や、導電性樹脂を含有する支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状または板状等が挙げられるが、円筒状が最も一般的である。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と下引き層との間には、レーザー等の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料等を結着樹脂とともに分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。導電層用塗布液には、加熱、紫外線照射、放射線照射などにより硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させてなる導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート樹脂が挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレス等の金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ等の金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形態にしてもよい。
支持体又は導電層と電荷発生層との間には、支持体からの正孔注入性改良、電荷発生層の電気的破壊に対する保護などを目的として、バリア機能や接着機能を有する下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる下引き層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂、共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂あるいはポリエステル樹脂などが挙げられる。
下引き層には、さらに、金属酸化物粒子を含有させてもよい。金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。下引き層には、さらに、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。
次に電荷発生層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理することによって得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
電荷発生物質と、結着樹脂の質量比は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いる方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などが挙げられる。
次に、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層は、電荷発生層上に形成される。電荷輸送層は、熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層における電荷輸送物質と熱可塑性樹脂との割合は、熱可塑性樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、塗膜の乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子やシリコーン含有樹脂粒子などを含有させても良い。また、金属酸化物粒子や無機粒子を含有してもよい。
次に、表面層について説明する。本発明においては、前記の電荷輸送層上に保護層として表面層を設けることが好ましい。
本発明において、表面層は以下の材料を混合して調製した表面層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を硬化させることによって形成される。すなわち、アクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物、分子量350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して調製した表面層用塗布液を用いる。
表面層は、クリーニングブレードの安定性を向上させる目的のために、その表面に凹部または凸部形状を有することが好ましい。表面層の表面に凹部または凸部の形状を形成する方法としては、凸部または凹部を有する型部材を加圧接触させることによって、該凸部に対応する凹部形状または該凹部に対応する凸部形状を該表面層の表面に形成する方法が挙げられる。
表面層が電荷輸送層上に形成された保護層である場合、その膜厚は0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。更には0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。表面層用塗布液に用いられる溶剤は、下層の電荷輸送層を溶解しない溶剤を使用できるが、アルコール系溶剤を使用することが好ましい。
表面層用塗布液を塗布して塗膜を形成後、熱や紫外線、電子線によって塗膜を硬化させるが、膜の強度、電子写真感光体の耐久性を維持するためには、紫外線または電子線を塗膜に照射することによって塗膜を硬化して表面層を形成することが好ましい。さらに、本発明で用いられる上記鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルの揮発を抑えるため、塗膜形成時の加熱乾燥条件は、連続して10分以上乾燥を行う場合は100℃未満の温度で乾燥を行うことが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、リング塗布法、スピン塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布法のような公知の如何なる塗布方法も用いることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物粒子として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗率:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合した。これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロックイソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.4部を加えた。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3.0μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次にCuKα特性X線回折のブラック角2θ±0.2°の7.4°および28.2°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20部、下記式(10)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部およびシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度80℃で15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0006403477
次に、下記式(11)で示される化合物(電荷輸送物質)30部、下記式(12)で示される化合物(電荷輸送物質)60部、下記式(13)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部、下記式(14)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。なお、下記式(14)中、0.95および0.05は2つの構造単位の共重合比である。
Figure 0006403477
Figure 0006403477
Figure 0006403477
Figure 0006403477
次に、上記式(5−5)で示される化合物100部、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96L−5cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約650)0.5部、1−プロパノール300部を混合し、撹拌した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を大気中において6分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧150kV、ビーム電流3.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmで回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。引き続いて、窒素雰囲気下にて、塗膜が25℃から120℃になるまで20秒で昇温させ、塗膜の加熱処理を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの窒素雰囲気中の酸素濃度は15ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜が25℃になるまで自然冷却し、大気中において塗膜が90℃になる条件で15分間加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
このようにして、表面に凹部を形成する前の電子写真感光体(凹部形成前の電子写真感光体)を作製した。
次に、圧接形状転写加工装置に型部材を設置し、作製した凹部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。型部材は、弾性層(シリコンゴム)、金属層(ステンレス)、転写層(ニッケル)を具備するものを用いた。転写層が有する凹凸形状は、ランダム(誤差拡散法(Floyd&Steinberg法)による。)な凸部を平面に配置したものを用いた。凸部の形状は、径が50μm、高さが2μmのドーム型形状であり、この凸部の形状が転写層の表面全体に占める面積は10%であった。
加工時には、電子写真感光体および型部材の温度を制御し、電子写真感光体と加圧部材を押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させた。このようにして、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凹部を形成した。
このようにして、電子写真感光体を製造した。
<XPSによる最表面の元素分析>
電子写真感光体の最表面におけるケイ素元素の存在割合を、XPS(ESCA、X線光電子分光法)にて測定した。
なお、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルを含有させずに作製した電子写真感光体の最表面におけるケイ素元素の存在割合の値をブランクとした。また、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、その値(ブランクの値)を差し引いた値を用いた。
測定条件を以下に記載する。
使用装置:アルバック・ファイ社製 PHI5000 VersaProbeII
Scanning ESCA Microprobe
測定条件:
X線源:Al Ka1486.6eV(25W15kV)
ビーム径:100μm
角度:45°
Pass Energy:93.90eV
測定時は、まずSurvey分析により全元素範囲で定性分析を行った後、検出された元素に対してナロースキャンによる定量分析を行った。Si2pのスキャンスペクトルよりケイ素元素の含有比率(原子%)を求めた。
<結露時の回復性評価>
得られた電子写真感光体を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のブラックステーションに装着し、結露時の回復性評価を行った。
結露時の回復性評価は、まず電子写真感光体を装着した電子写真装置を温度5℃湿度80%RHの環境下に24時間放置した。その後電子写真装置を温度25℃湿度60%RHの環境下に移動し、電子写真感光体の表面を結露させた。電子写真装置を移動して2時間放置後、帯電工程の総放電電流量を150μAに設定し、電子写真装置内のカセットヒーターをOFFにした。その後画像比率5%のテストチャートを用いて連続画像形成を行ない、画像流れが回復するまでの時間を評価した。
結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で使用したジメチルシリコーンオイルの使用量を1.0部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例3)
実施例1で使用したジメチルシリコーンオイルを、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96A−6cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約700)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
参考例4)
実施例1で使用したジメチルシリコーンオイルを、下記式(2)で示される鎖状のジメチルシリコーンオイル(分子量:384)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、検出することができなかった。これは、記式(2)で示される鎖状のジメチルシリコーンオイルは分子量384と低分子量であり、上述の通りXPSの測定は真空中でおこなうため、真空時にこのジメチルシリコーンオイルがなくなってしまったと考えられる。
Figure 0006403477
参考例5)
参考例4で使用したジメチルシリコーンオイルの含有量を2.0部とした以外は、参考例4と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、参考例4と同様の理由により検出することができなかった。
参考例6)
参考例5において、電子線照射後の大気中における塗膜の加熱乾燥を、塗膜が100℃になる条件で15分間加熱処理を行ったとしたこと以外は、参考例5と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、参考例4と同様の理由により検出することができなかった。
(実施例7)
実施例1において、上記式(5−5)で示される化合物を、上記式(5−4)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例8)
実施例1において、上記式(5−5)で示される化合物を、上記式(5−9)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例9)
実施例1において、上記式(5−5)で示される化合物を、上記式(5−12)で示される化合物に変更し、鎖状のジメチルシリコーンオイルの含有量を0.6部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例10)
実施例1において、表面層を次のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
前記式(5−5)で示される化合物100部、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96L−5cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約650)、光重合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン15部、光重合開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5部、1−プロパノール300部を混合し、溶解した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
次に、この表面層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜をメタルハライドランプにて1.20×10−5W/m の光強度で30秒間紫外線照射して光硬化を行った。その後、90℃、1時間40分熱風乾燥して、膜厚5μmの表面層を形成した。
参考例11)
実施例1で使用した鎖状のジメチルシリコーンオイル0.5部を、下記式(4)で示される環状のジメチルシリコーンオイル(分子量:444)1.0部を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 0006403477
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、検出することができなかった。これは、上記式(4)で示される環状のジメチルシリコーンオイルは分子量444と低分子量であり、上述の通りXPSの測定は真空中でおこなうため、真空時にこのジメチルシリコーンオイルがなくなってしまったと考えられる。
(実施例12)
表面層に凹部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(比較例1)
実施例7で使用したジメチルシリコーンオイルの代わりに、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96−10cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約1000)を使用した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(比較例2)
比較例1で使用した鎖状のジメチルシリコーンオイルを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子15部及びポリテトラフルオロエチレン分散剤0.75部をn−プロピルアルコール300部に混合した後分散処理を行い、表面層用塗布液を調製した。
それ以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(比較例3)
比較例1で使用した鎖状のジメチルシリコーンオイルを使用しなかったこと以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 0006403477
評価の結果、実施例においては結露時の画像流れ回復性が良好な結果が得られた。
21 支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層

Claims (4)

  1. 表面層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
    該製造方法が、
    式(5)で示される正孔輸送性化合物、分子量650〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
    該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって前記表面層を形成する工程を有し、
    該表面層用塗布液中の該ジメチルシリコーンオイルの含有量が、該表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006403477
    (式(5)において、P は式(6)または(7)で示される基である。aは、2から4の整数を示す。Aは、正孔輸送性基を示す。また、a個のP は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0006403477
    Figure 0006403477
  2. 前記ジメチルシリコーンオイルが、鎖状のジメチルシリコーンオイルである請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記ジメチルシリコーンオイルの含有量が、前記表面層用塗布液の固形量に対して5質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記表面層用塗布液が、前記ジメチルシリコーンオイル以外のケイ素原子含有化合物を含まない請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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