JP6403477B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、電子線で硬化された硬化物を含有する保護層を設け、かつ保護層に潤滑剤を含有させる技術が記載されている。
また、保護層の添加剤として、表面の潤滑性、撥水性、耐摩耗性向上などの目的で、シリコーンオイルを含有させた電子写真感光体が多数検討されている。
特許文献2には、一定以上の硬度を有する架橋表面層にシリコーンオイルを分散状態で含有させることにより、耐摩耗性、耐傷性、クリーニング性を向上させる技術が記載されている。
該製造方法が、
式(5)で示される正孔輸送性化合物、分子量650〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって前記表面層を形成する工程を有し、
該表面層用塗布液中の該ジメチルシリコーンオイルの含有量が、該表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明の電子写真感光体の製造方法は、
アクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物、分子量350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって前記表面層を形成する工程を有する。そして、該表面層用塗布液中の該ジメチルシリコーンオイルの含有量が、該表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上である。
分子量350〜800の鎖状のジメチルシリコーンオイルとしては、例えば、末端にトリメチルシリル基を有し、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
logηP/40℃=1.43logM−5.54
式中、Mは分子量、ηP/40℃は40℃における粘度(P=0.1×Pa・s)を示す。
さらに、表面層の最表面における、X線光電子分光測定(以下、「XPS」と言う。)を用いて検知される、上記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、表面層の最表面における水素原子を除く全構成原子に対し、2.5原子%以上であることが好ましい。さらには4.8原子%以上であることが好ましく、15原子%以下であることが好ましい。特には、8原子%以下であることが好ましい。なお、水素原子はXPSにおいて測定感度がない。
なお、ジメチルシリコーンオイルの中で特に低分子量のものは沸点が低く、XPSの測定方法が真空中で測定する故に、実際は電子写真感光体表面にケイ素元素が存在していても、この手法では検出されない場合がある。表面層の最表面において、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素が2.5原子%以上の存在割合で検出されるには、まず一定以上の分子量を有することが必要である。そして、そのようなジメチルシリコーンオイルを、上記XPSで検出される範囲となる適切量で使用することが好ましい。この観点から、鎖状または環状のジメチルシリコーンオイルの分子量は、650〜800であることが好ましい。
R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロビル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
R4、R5、R6及びR7はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料等を結着樹脂とともに分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。導電層用塗布液には、加熱、紫外線照射、放射線照射などにより硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させてなる導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート樹脂が挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレス等の金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ等の金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形態にしてもよい。
下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる下引き層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂、共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂あるいはポリエステル樹脂などが挙げられる。
下引き層には、さらに、金属酸化物粒子を含有させてもよい。金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。下引き層には、さらに、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
電荷発生物質と、結着樹脂の質量比は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いる方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層における電荷輸送物質と熱可塑性樹脂との割合は、熱可塑性樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、塗膜の乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子やシリコーン含有樹脂粒子などを含有させても良い。また、金属酸化物粒子や無機粒子を含有してもよい。
本発明において、表面層は以下の材料を混合して調製した表面層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を硬化させることによって形成される。すなわち、アクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物、分子量350〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して調製した表面層用塗布液を用いる。
表面層は、クリーニングブレードの安定性を向上させる目的のために、その表面に凹部または凸部形状を有することが好ましい。表面層の表面に凹部または凸部の形状を形成する方法としては、凸部または凹部を有する型部材を加圧接触させることによって、該凸部に対応する凹部形状または該凹部に対応する凸部形状を該表面層の表面に形成する方法が挙げられる。
表面層が電荷輸送層上に形成された保護層である場合、その膜厚は0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。更には0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。表面層用塗布液に用いられる溶剤は、下層の電荷輸送層を溶解しない溶剤を使用できるが、アルコール系溶剤を使用することが好ましい。
表面層用塗布液を塗布して塗膜を形成後、熱や紫外線、電子線によって塗膜を硬化させるが、膜の強度、電子写真感光体の耐久性を維持するためには、紫外線または電子線を塗膜に照射することによって塗膜を硬化して表面層を形成することが好ましい。さらに、本発明で用いられる上記鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイルの揮発を抑えるため、塗膜形成時の加熱乾燥条件は、連続して10分以上乾燥を行う場合は100℃未満の温度で乾燥を行うことが好ましい。
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロックイソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.4部を加えた。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3.0μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を大気中において6分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧150kV、ビーム電流3.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmで回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。引き続いて、窒素雰囲気下にて、塗膜が25℃から120℃になるまで20秒で昇温させ、塗膜の加熱処理を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの窒素雰囲気中の酸素濃度は15ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜が25℃になるまで自然冷却し、大気中において塗膜が90℃になる条件で15分間加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
このようにして、表面に凹部を形成する前の電子写真感光体(凹部形成前の電子写真感光体)を作製した。
加工時には、電子写真感光体および型部材の温度を制御し、電子写真感光体と加圧部材を押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させた。このようにして、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凹部を形成した。
このようにして、電子写真感光体を製造した。
電子写真感光体の最表面におけるケイ素元素の存在割合を、XPS(ESCA、X線光電子分光法)にて測定した。
なお、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルを含有させずに作製した電子写真感光体の最表面におけるケイ素元素の存在割合の値をブランクとした。また、本発明で用いられるジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、その値(ブランクの値)を差し引いた値を用いた。
使用装置:アルバック・ファイ社製 PHI5000 VersaProbeII
Scanning ESCA Microprobe
測定条件:
X線源:Al Ka1486.6eV(25W15kV)
ビーム径:100μm
角度:45°
Pass Energy:93.90eV
得られた電子写真感光体を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のブラックステーションに装着し、結露時の回復性評価を行った。
結露時の回復性評価は、まず電子写真感光体を装着した電子写真装置を温度5℃湿度80%RHの環境下に24時間放置した。その後電子写真装置を温度25℃湿度60%RHの環境下に移動し、電子写真感光体の表面を結露させた。電子写真装置を移動して2時間放置後、帯電工程の総放電電流量を150μAに設定し、電子写真装置内のカセットヒーターをOFFにした。その後画像比率5%のテストチャートを用いて連続画像形成を行ない、画像流れが回復するまでの時間を評価した。
結果を表1に示す。
実施例1で使用したジメチルシリコーンオイルの使用量を1.0部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
実施例1で使用したジメチルシリコーンオイルを、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96A−6cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約700)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
実施例1で使用したジメチルシリコーンオイルを、下記式(2)で示される鎖状のジメチルシリコーンオイル(分子量:384)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、検出することができなかった。これは、下記式(2)で示される鎖状のジメチルシリコーンオイルは分子量384と低分子量であり、上述の通りXPSの測定は真空中でおこなうため、真空時にこのジメチルシリコーンオイルがなくなってしまったと考えられる。
参考例4で使用したジメチルシリコーンオイルの含有量を2.0部とした以外は、参考例4と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、参考例4と同様の理由により検出することができなかった。
参考例5において、電子線照射後の大気中における塗膜の加熱乾燥を、塗膜が100℃になる条件で15分間加熱処理を行ったとしたこと以外は、参考例5と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
なお、電子写真感光体の最表面におけるX線光電子分光測定を用いて検知される、前記ジメチルシリコーンオイルに由来するケイ素元素の存在割合は、参考例4と同様の理由により検出することができなかった。
実施例1において、上記式(5−5)で示される化合物を、上記式(5−4)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
実施例1において、上記式(5−5)で示される化合物を、上記式(5−9)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
実施例1において、上記式(5−5)で示される化合物を、上記式(5−12)で示される化合物に変更し、鎖状のジメチルシリコーンオイルの含有量を0.6部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
実施例1において、表面層を次のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
前記式(5−5)で示される化合物100部、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96L−5cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約650)、光重合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン15部、光重合開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5部、1−プロパノール300部を混合し、溶解した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
次に、この表面層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜をメタルハライドランプにて1.20×10−5W/m2 の光強度で30秒間紫外線照射して光硬化を行った。その後、90℃、1時間40分熱風乾燥して、膜厚5μmの表面層を形成した。
実施例1で使用した鎖状のジメチルシリコーンオイル0.5部を、下記式(4)で示される環状のジメチルシリコーンオイル(分子量:444)1.0部を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
表面層に凹部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
実施例7で使用したジメチルシリコーンオイルの代わりに、鎖状のジメチルシリコーンオイル(商品名:KF−96−10cs、信越化学工業(株)社製)(分子量:約1000)を使用した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
比較例1で使用した鎖状のジメチルシリコーンオイルを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子15部及びポリテトラフルオロエチレン分散剤0.75部をn−プロピルアルコール300部に混合した後分散処理を行い、表面層用塗布液を調製した。
それ以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
比較例1で使用した鎖状のジメチルシリコーンオイルを使用しなかったこと以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層
Claims (4)
- 表面層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
式(5)で示される正孔輸送性化合物、分子量650〜800の鎖状もしくは環状のジメチルシリコーンオイル、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって前記表面層を形成する工程を有し、
該表面層用塗布液中の該ジメチルシリコーンオイルの含有量が、該表面層用塗布液の固形量に対して0.5質量%以上であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記ジメチルシリコーンオイルが、鎖状のジメチルシリコーンオイルである請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記ジメチルシリコーンオイルの含有量が、前記表面層用塗布液の固形量に対して5質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記表面層用塗布液が、前記ジメチルシリコーンオイル以外のケイ素原子含有化合物を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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