JP6821441B2 - フッ素原子含有樹脂粒子の分散液、および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

フッ素原子含有樹脂粒子の分散液、および電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素原子含有樹脂粒子の分散液、および電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真装置において繰り返し使用される電子写真感光体には、高い耐摩耗性が求められる。
電子写真感光体の耐摩耗性を向上させるために、電子写真感光体の表面層には各種の対策が施されている。たとえば、特許文献1には、低摩擦化によって耐摩耗性を向上させるため、テトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を表面層用塗布液として用い、表面層を形成させる技術が開示されている。
フッ素原子含有樹脂粒子の分散液を調製する際には、分散性を高める目的で分散剤を併用する方法が知られている。その場合、分散剤としてフッ素原子を含有する(メタ)アクリル系ポリマーを用いることにより、分散性を向上させている。たとえば、特許文献2には、分散剤に特定構造のフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを用いることにより、分散性を向上させることが開示されている。
しかし、特許文献2の分散剤を用いた場合には、分散液の長期間保管を行った際、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性が低下してしまう。
特開平06−332219号公報 特開2009−104145号公報
そのため、フッ素原子含有樹脂粒子の分散液において、長期間保管を行った際のフッ素原子含有樹脂粒子の分散性の向上が求められている。
本発明の目的は、長期間保管したときに生じるフッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下が抑制されるフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を提供することにある。また、前記フッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層を形成した電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
上記課題の解決は、以下の本発明によって達成される。
本発明の1態様は、フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを含有するフッ素原子含有樹脂粒子の分散液であって、該分散剤が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含み、該分散液中の該3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、該分散液中の該フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とするフッ素原子含有樹脂粒子の分散液である。
また本発明の別の1態様は、前記フッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層を形成する電子写真感光体の製造方法である。
本発明によれば、長期間保管したときに生じるフッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下が抑制されるフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を提供することができる。また本発明は、前記フッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層を形成した電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。
〔フッ素原子含有樹脂粒子の分散液〕
本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液は、フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを含有するフッ素原子含有樹脂粒子の分散液であって、該分散剤が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含み、該分散液中の該3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、該分散液中の該フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散性が向上する理由を、本発明者らは以下のように考察している。
分散性の低下は、分散剤であるフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの劣化、すなわち、主鎖の炭素−炭素結合が切れることによって生じているものと推察される。本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液では、二重結合を有する3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを特定量含有することにより、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの劣化が抑制されると推察される。よって、本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液において、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下が抑制されているものと推察される。
本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液において、分散剤中のフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーおよび3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの比が重要となる。すなわち、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量はフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーに対して少なすぎても、多すぎてもフッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下が抑制されない。その理由を、本発明者らは以下のように考察している。
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーに対して少なすぎる場合、上記の劣化の抑制に対して十分な量ではないため、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下に対して、効果が得られなくなると推察される。一方、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーに対して多すぎる場合、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの二重結合が酸化された化合物の量が増えると推察される。前記酸化物は極性が増すため、フッ素原子含有樹脂粒子に吸着されやすくなる。そのため、フッ素原子含有樹脂粒子の粒径が大きくなり、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性が低下してしまうと推察される。
なお、フッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径は、300nm以下が好ましい。
本発明において用いられるフッ素原子含有樹脂粒子としては、テトラフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、ジクロロジフルオロエチレン樹脂からなる粒子、およびこれら樹脂の共重合体からなる粒子の中から1種または2種以上を適宜選択するのが好ましい。さらに、これらの中でもテトラフルオロエチレン樹脂からなる粒子であることが、分散性向上の観点から好ましい。
フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーは、さらに、分散性向上の観点から、下記式(1)および下記式(2)で表される繰り返し単位を有するフッ化アルキル基含有共重合体であることが、好ましい。
Figure 0006821441
式(1)および式(2)中、R、R、RおよびRは、それぞれ水素原子またはアルキル基を表す。XはOまたはNHを表す。Yは無置換または置換基としてハロゲン原子またはヒドロキシ基を有するアルキレン基を表す。k、lおよびmは、それぞれ1以上の整数を表す。Zは、無置換または置換基としてハロゲン原子を有するアルキレン基、S、O、またはNHを表す。p、r、s、およびtは、それぞれ0または1以上の整数を表す。qは、1以上7以下の整数を表す。
、R、RおよびRは、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー中の、式(1)で表される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位の比は、モル比で1:9〜9:1が好ましく、3:7〜7:3がさらに好ましい。
フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの平均分子量は10,000以上150,000以下が好ましく、20,000以上130,000以下がさらに好ましい。
本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液において、フッ素原子含有樹脂粒子に対する分散剤であるフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は2質量%以上が好ましく、4質量%以上がさらに好ましい。
また、本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、フッ素原子含有溶剤などを分散媒として含むことが好ましい。これらの中でも、分散性向上の観点からフッ素原子含有溶剤を含むことが好ましい。フッ素原子含有溶剤としては、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3,4,4,5−ノナフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロシクロヘキサン、1,1,2、2,3,3,4,4,5−ノナフルオロシクロヘキサン等が挙げられる。中でも1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンがフッ素原子含有樹脂粒子の分散性の向上の観点から特に好ましい。これら溶剤は、単独で、または2種類以上を組み合わせて分散媒として用いることができる。2種類以上の溶剤を組み合わせて分散媒として用いる場合、フッ素原子含有溶剤と他の溶剤との比は、質量比で2:8〜8:2が好ましく、3:7〜6:4がさらに好ましい。
本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液において、フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および分散媒の質量の和に対する、フッ素原子含有樹脂粒子および分散剤の質量の和は、50質量%以下であることが好ましい。
〔電子写真感光体〕
次に、本発明の分散液を用いて形成される電子写真感光体について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体の表面層が、本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層用塗布液を調製し、該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成された表面層であることを特徴とする電子写真感光体である。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上の感光層を有する。本発明の電子写真感光体の感光層は、機能分離した層が積層された積層型、複数の機能をあわせ持った1つの層からなる単層型、のどちらであってもよい。
感光層が順層の積層型である電子写真感光体は、図1に示すように、支持体101、該支持体101上に形成された電荷発生層102、該電荷発生層102上に形成された電荷輸送層103を少なくとも有する。この場合、電荷輸送層103が電子写真感光体の表面層となる。この電荷発生層および電荷輸送層からなる積層型の感光層を有する電子写真感光体は、例えば、電荷輸送層103上に形成された保護層104をさらに有する構成であってもよい。この場合、保護層104が電子写真感光体の表面層となる。本発明の電子写真感光体は、必要に応じて、支持体101と電荷発生層102との間に、導電層、および下引き層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、単層型の感光層を有する電子写真感光体であってもよい。この場合、感光層が積層型である電子写真感光体の場合と同様に、保護層を有さない構成である場合は、単層型の感光層が電子写真感光体の表面層となる。一方、電子写真感光体が保護層を有する構成である場合は、保護層が電子写真感光体の表面層となる。
以下に、本発明の電子写真感光体の各構成を示し、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。
〔支持体〕
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属または合金製の支持体が挙げられる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理した管を支持体として用いることもできる。また、金属製支持体、樹脂製支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの導電材料の薄膜を形成したものも、支持体として用いることができる。
支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂などに含浸させてなる支持体や、導電性樹脂製の支持体を用いることもできる。
〔導電層〕
本発明の電子写真感光体においては、支持体と後述する感光層または下引き層との間に、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
導電層中には導電性粒子を含む粉体が含有される。導電性粒子としては、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、などの金属や合金の粉体や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、ITOなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。導電性粒子は、導電性粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されていてもよい。また、干渉縞を抑制するために粗し粒子を含有させてもよい。
導電層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどが挙げられる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
〔下引き層(中間層)〕
本発明の電子写真感光体では、支持体または導電層と、後述する感光層との間に、下引き層(中間層)を設けてもよい。下引き層は、樹脂および溶剤を含有する下引き層用塗布液を支持体上、または導電層上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、にかわ、ゼラチンなどが挙げられる。
また、下引き層に上述の導電性粒子を含有させることもできる。
下引き層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.4〜20μmがより好ましい。
また、下引き層には、半導電性粒子、電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
〔電荷発生層〕
本発明の電子写真感光体では、支持体、導電層または下引き層上に電荷発生層が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、キノシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、フタロシアニン化合物、特にガリウムフタロシアニンが好ましい。さらには、高感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル化合物の重合体や共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルベンザール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。結着樹脂としては、これらを単独で、混合して、または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との割合は、電荷発生物質1質量部に対して、結着樹脂が0.3質量部以上4質量部以下であることが好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。また、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。
〔電荷輸送層〕
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。本発明の電子写真感光体において、電荷輸送層上に保護層が形成される場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。本発明の電子写真感光体において、電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、電荷輸送層の全質量に対して、電荷輸送物質が30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂などが挙げられる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
〔単層型感光層〕
本発明の電子写真感光体において、感光層が単層型感光層であり保護層を有する場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
一方、本発明の電子写真感光体において、感光層が単層型感光層であり保護層を有さない場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
なお、単層型感光層に用いられる結着樹脂、電荷発生物質および電荷輸送物質は、積層型感光層の電荷発生層や電荷輸送層に用いられるものと同じものを用いることができる。また、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
〔表面層〕
本発明の電子写真感光体の表面層は、結着樹脂やそのモノマー材料を本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液に溶解させて得られる表面層用塗布液を塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。なお、本発明の電子写真感光体が積層型感光層であり、保護層を有する場合は保護層が表面層であり、保護層を有さない場合は電荷輸送層が表面層である。
表面層に用いられる結着樹脂およびそのモノマー材料としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、およびこれらのモノマー材料などが挙げられる。
また、表面層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマー材料や高分子型の電荷輸送物質を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって表面層を形成してもよい。好ましくは、電荷輸送能を有するモノマー材料としての連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合または架橋させることによって硬化させた層を形成することである。連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質の連鎖重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。また、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質の電荷輸送物質部分としては、以下に示す電荷輸送物質を用いることができる。
さらに、表面層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤、導電性粒子、潤滑剤、重合反応開始剤や重合反応停止剤などの重合制御剤が挙げられる。
またさらに、表面層には、電荷輸送物質を添加することができる。電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物およびベンジジン化合物が好ましい。
表面層の耐久性の観点から、表面層用塗布液には、樹脂または連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質が含まれることが好ましい。また本発明の電子写真感光体の電位安定性の観点から、表面層用塗布液には、電荷輸送物質または連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質が含まれることが好ましい。
表面層用塗布液には、本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液に含まれる分散媒に加えて、さらにフッ素原子含有溶剤、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などを含んでもよい。これらの中でも、表面層用塗布液の塗膜が形成される、表面層の下層(積層型の場合、電荷輸送層または電荷発生層)を溶解しないという観点から、1−プロパノールや1−ブタノールなどのアルコール系溶剤が好ましい。
表面層の表面には、研磨シート、形状転写型部材、ガラスビーズ、ジルコニアビーズなどを用いて表面加工を施してもよい。また、表面層用塗布液の構成材料を使って表面に凹凸を形成させてもよい。
表面層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際は、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
本発明の電子写真感光体の各層の表面には、研磨シート、形状転写型部材、ガラスビーズ、ジルコニアビーズなどを用いて表面加工を施してもよい。また、各層の塗布液中の構成材料を利用して表面に凹凸を形成させてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、実施例中のフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーは特開2009−104145号公報を参考にして合成を行った。
〈実施例1〉
下記式(a−1)で示される構造単位および下記式(b−1)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−1)/(b−1)=1/1(モル比))1.28部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン36.6部、1−プロパノール36.6部、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部を混合し、溶解させた。その後、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製;平均粒径190nm)25.6部を加えた。次いで高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)にて40MPaの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。これをポリテトラフルオロエチレン製フィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で加圧ろ過し、分散液を調製した。
Figure 0006821441
〈実施例2〜5〉
実施例1において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表1で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
〈実施例6〉
下記式(a−2)で示される構造単位および下記式(b−2)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−2)/(b−2)=1/1(モル比))1.28部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン32.9部、1−プロパノール40.2部、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部を混合し、溶解させた。その後、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製;平均粒径190nm)25.6部を加えた。次いで高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)にて40MPaの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。これをポリテトラフルオロエチレン製フィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で加圧ろ過し、分散液を調製した。
Figure 0006821441
〈実施例7〜9〉
実施例6において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表1で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例6と同様にして分散液を調製した。
〈実施例10〉
実施例6において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表1で示される添加量に変更し、さらにシクロペンタノン5.0部を添加して分散液を調製した以外は、実施例6と同様にして分散液を調製した。
〈実施例11、12〉
実施例1において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表2で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
〈実施例13、14〉
実施例6において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表2で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例6と同様にして分散液を調製した。
〈実施例15、16〉
実施例11において、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロシクロヘキサンに変更して、分散液を調製した以外は、実施例11と同様にして分散液を調製した。
〈実施例17〉
下記式(a−3)で示される構造単位および下記式(b−3)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−3)/(b−3)=1/1(モル比))1.34部、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロシクロヘキサン38.2部、1−プロパノール32.7部、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.134部を混合し、溶解させた。その後、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製;平均粒径190nm)27.7部を加えた。次いで高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)にて40MPaの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。これをポリテトラフルオロエチレン製フィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で加圧ろ過し、分散液を調製した。
Figure 0006821441
〈実施例18〉
実施例17において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを、下記式(a−4)で示される構造単位および下記式(b−4)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−4)/(b−4)=1/1(モル比))に変更して分散液を調製した以外は、実施例17と同様にして分散液を調製した。
Figure 0006821441
〈比較例1〉
実施例1において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
〈比較例2〉
実施例1において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部の代わりにシクロペンテン0.064部を加えたこと以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
〈比較例3〉
実施例1において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部を0.448部にしたこと以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
Figure 0006821441
Figure 0006821441
Figure 0006821441
(評価方法)
実施例1〜18、比較例1〜3の分散液の保管安定性の評価については、以下のとおりである。評価結果を表4に示す。
(分散液の保管安定性の評価)
分散直後の分散液中のフッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径を、マルバーン社製の粒子径測定装置(商品名:ゼータサイザーナノS)を用いて測定した。さらに、それぞれの分散液を作製してから、23℃で2日間、1ヶ月間、および2ヶ月間、静置で保管した後に、同様にしてそれぞれの分散液中のフッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径を測定した。また、分散液を35℃で分散直後から1ヶ月間静置で保管し、さらに15℃で1ヶ月間静置で保管した後に、同様にして分散液中のフッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径を測定した。
それぞれ求めた平均粒径に対して、下記のように保管安定性を評価した。
A:分散直後の平均粒径と比べて、平均粒径が20nm未満、変化した
B:分散直後の平均粒径と比べて、平均粒径が20以上40nm未満、変化した
C:分散直後の平均粒径と比べて、平均粒径が40nm以上、変化した
Aが最も保管安定性が良く、Cが最も保管安定性が悪い。
Figure 0006821441
<電子写真感光体の製造方法>
〈感光体例1〉
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)で示される化合物0.81部を加えた。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径3.0μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、および下記構造式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。その後、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置にて23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理し、分散処理後、酢酸エチル100部を加えて、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.21μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0006821441
次に、下記構造式(B)で示される化合物30部(電荷輸送物質)、下記構造式(C)で示される化合物60部(電荷輸送物質)、下記構造式(D)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部、下記構造式(E)で示されるポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0006821441
Figure 0006821441
次に、下記式(F)で示される化合物51.9部、1−プロパノール22.2部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン22.2部を、実施例1で製造した分散液90.0部に加え、混合した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)でろ過を行い、保護層用塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して、得られた塗膜を5分間50℃で加熱処理を行った。
乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量5000Gyの条件で1.6秒間、シリンダーを回転させながら電子線を塗膜に照射し、塗膜を硬化させた。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で25秒間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から25秒間の加熱処理までの酸素濃度は18ppmであった。次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で15分間加熱処理を行い、膜厚が4.8μmである保護層を形成した。
Figure 0006821441
このようにして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層をこの順に有する電子写真感光体を製造した。
〈感光体例2〉
感光体例1において、下記式(F)で示される化合物を下記式(G)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製したこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006821441
〈感光体例3〉
感光体例1において、実施例1で製造した分散液45部を実施例6で製造した分散液45部に変更して保護層用塗布液を調製したこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈感光体例4〉
感光体例1において、下記のように保護層用塗布液を調製し、保護層を形成させたこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1で製造した分散液90.0部、下記式(H)で示される化合物40.8部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(製品名:Miramer M301、東洋ケミカルズ(株)製)11.1部、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.50部を、1−プロパノール22.2部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン22.2部を加えた。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)でろ過を行い、保護層用塗布液を調製した。
この塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して、得られた塗膜を5分間50℃で加熱処理を行った。その後、メタルハライドランプを用いて、照射強度:500mW/cmの条件で塗膜に20秒間紫外線を照射し、塗膜が130℃になる条件で30分間加熱処理することによって、膜厚が4.8μmの保護層を形成した。
Figure 0006821441
〈感光体例5〉
感光体例1において、下記のように保護層用塗布液を調製し、保護層を形成させたこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
下記式(I−1)で表される化合物を80部、下記式(I−2)で表される化合物を20部、ベンゾグアナミン樹脂(ニカラックBL−60、三和ケミカル社製)4部をシクロペンタノン220部に加えた。その後、実施例17の分散液50部と、NACURE5225(キングインダストリー社製)0.1部加えることによって、表面保護層形成用塗布液を調製した。
この表面保護層形成用塗布液を電荷輸送層の上に塗布し155℃で35分乾燥し、膜厚5.5μmの表面保護層を形成した。
Figure 0006821441
<画像評価>
感光体例1〜5で作製した電子写真感光体を、23℃、湿度50%の環境において、キヤノン(株)製の電子写真装置(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のブラックステーションに装着し、画像比率5%の画像を5000枚出力した。1枚目と5000枚目に出力した画像を評価したところ、いずれも濃度ムラやスジ状の画像不良はみられず、良好な画像が得られた。
101 支持体
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 保護層

Claims (6)

  1. フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを含有するフッ素原子含有樹脂粒子の分散液であって、該分散剤が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含み、該分散液中の該3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、該分散液中の該フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とするフッ素原子含有樹脂粒子の分散液。
  2. 前記フッ素原子含有樹脂粒子がテトラフルオロエチレン樹脂粒子である、請求項1に記載の分散液。
  3. 前記フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーが、下記式(1)および下記式(2)で表される繰り返し単位を有するフッ化アルキル基含有共重合体である、請求項1または2に記載の分散液。
    Figure 0006821441
    (式(1)および式(2)中、R、R、RおよびRは、それぞれ水素原子またはアルキル基を表す。XはOまたはNHを表す。Yは無置換または置換基としてハロゲン原子またはヒドロキシ基を有するアルキレン基を表す。k、lおよびmは、それぞれ1以上の整数を表す。Zは、無置換または置換基としてハロゲン原子を有するアルキレン基、S、O、またはNHを表す。p、rおよびs、tは、それぞれ0または1以上の整数を表す。qは、1以上7以下の整数を表す。)
  4. さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散液。
  5. 表面層を有する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層用塗布液を調製する工程、および、該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および/または硬化させることによって該表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記表面層用塗布液を調製する工程が、前記フッ素原子含有樹脂粒子の分散液に対し、結着樹脂またはモノマー材料を混合する工程をさらに有する、請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
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