JP6821441B2 - フッ素原子含有樹脂粒子の分散液、および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
電子写真感光体の耐摩耗性を向上させるために、電子写真感光体の表面層には各種の対策が施されている。たとえば、特許文献1には、低摩擦化によって耐摩耗性を向上させるため、テトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を表面層用塗布液として用い、表面層を形成させる技術が開示されている。
しかし、特許文献2の分散剤を用いた場合には、分散液の長期間保管を行った際、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性が低下してしまう。
本発明の1態様は、フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを含有するフッ素原子含有樹脂粒子の分散液であって、該分散剤が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含み、該分散液中の該3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、該分散液中の該フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とするフッ素原子含有樹脂粒子の分散液である。
本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液は、フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを含有するフッ素原子含有樹脂粒子の分散液であって、該分散剤が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含み、該分散液中の該3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、該分散液中の該フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とする。
分散性の低下は、分散剤であるフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの劣化、すなわち、主鎖の炭素−炭素結合が切れることによって生じているものと推察される。本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液では、二重結合を有する3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを特定量含有することにより、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの劣化が抑制されると推察される。よって、本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液において、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下が抑制されているものと推察される。
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーに対して少なすぎる場合、上記の劣化の抑制に対して十分な量ではないため、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性の低下に対して、効果が得られなくなると推察される。一方、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーに対して多すぎる場合、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの二重結合が酸化された化合物の量が増えると推察される。前記酸化物は極性が増すため、フッ素原子含有樹脂粒子に吸着されやすくなる。そのため、フッ素原子含有樹脂粒子の粒径が大きくなり、フッ素原子含有樹脂粒子の分散性が低下してしまうと推察される。
なお、フッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径は、300nm以下が好ましい。
R1、R2、R3およびR4は、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの平均分子量は10,000以上150,000以下が好ましく、20,000以上130,000以下がさらに好ましい。
次に、本発明の分散液を用いて形成される電子写真感光体について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体の表面層が、本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層用塗布液を調製し、該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成された表面層であることを特徴とする電子写真感光体である。
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有する導電性支持体が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属または合金製の支持体が挙げられる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理した管を支持体として用いることもできる。また、金属製支持体、樹脂製支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの導電材料の薄膜を形成したものも、支持体として用いることができる。
支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂などに含浸させてなる支持体や、導電性樹脂製の支持体を用いることもできる。
本発明の電子写真感光体においては、支持体と後述する感光層または下引き層との間に、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体では、支持体または導電層と、後述する感光層との間に、下引き層(中間層)を設けてもよい。下引き層は、樹脂および溶剤を含有する下引き層用塗布液を支持体上、または導電層上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
また、下引き層に上述の導電性粒子を含有させることもできる。
下引き層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.4〜20μmがより好ましい。
また、下引き層には、半導電性粒子、電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体では、支持体、導電層または下引き層上に電荷発生層が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。本発明の電子写真感光体において、電荷輸送層上に保護層が形成される場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
本発明の電子写真感光体において、感光層が単層型感光層であり保護層を有する場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
本発明の電子写真感光体の表面層は、結着樹脂やそのモノマー材料を本発明のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液に溶解させて得られる表面層用塗布液を塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。なお、本発明の電子写真感光体が積層型感光層であり、保護層を有する場合は保護層が表面層であり、保護層を有さない場合は電荷輸送層が表面層である。
表面層に用いられる結着樹脂およびそのモノマー材料としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、およびこれらのモノマー材料などが挙げられる。
またさらに、表面層には、電荷輸送物質を添加することができる。電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物およびベンジジン化合物が好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際は、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
下記式(a−1)で示される構造単位および下記式(b−1)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−1)/(b−1)=1/1(モル比))1.28部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン36.6部、1−プロパノール36.6部、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部を混合し、溶解させた。その後、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製;平均粒径190nm)25.6部を加えた。次いで高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)にて40MPaの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。これをポリテトラフルオロエチレン製フィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で加圧ろ過し、分散液を調製した。
実施例1において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表1で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
下記式(a−2)で示される構造単位および下記式(b−2)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−2)/(b−2)=1/1(モル比))1.28部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン32.9部、1−プロパノール40.2部、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部を混合し、溶解させた。その後、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製;平均粒径190nm)25.6部を加えた。次いで高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)にて40MPaの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。これをポリテトラフルオロエチレン製フィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で加圧ろ過し、分散液を調製した。
実施例6において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表1で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例6と同様にして分散液を調製した。
実施例6において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表1で示される添加量に変更し、さらにシクロペンタノン5.0部を添加して分散液を調製した以外は、実施例6と同様にして分散液を調製した。
実施例1において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表2で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
実施例6において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1−プロパノール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン、テトラフルオロエチレン樹脂粒子の添加量を、下記表2で示される添加量に変更して、分散液を調製した以外は、実施例6と同様にして分散液を調製した。
実施例11において、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロシクロヘキサンに変更して、分散液を調製した以外は、実施例11と同様にして分散液を調製した。
下記式(a−3)で示される構造単位および下記式(b−3)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−3)/(b−3)=1/1(モル比))1.34部、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロシクロヘキサン38.2部、1−プロパノール32.7部、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.134部を混合し、溶解させた。その後、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製;平均粒径190nm)27.7部を加えた。次いで高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)にて40MPaの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。これをポリテトラフルオロエチレン製フィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で加圧ろ過し、分散液を調製した。
実施例17において、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを、下記式(a−4)で示される構造単位および下記式(b−4)で示される構造単位を有するフッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー(共重合比(a−4)/(b−4)=1/1(モル比))に変更して分散液を調製した以外は、実施例17と同様にして分散液を調製した。
実施例1において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
実施例1において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部の代わりにシクロペンテン0.064部を加えたこと以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
実施例1において、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテン0.064部を0.448部にしたこと以外は、実施例1と同様にして分散液を調製した。
実施例1〜18、比較例1〜3の分散液の保管安定性の評価については、以下のとおりである。評価結果を表4に示す。
分散直後の分散液中のフッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径を、マルバーン社製の粒子径測定装置(商品名:ゼータサイザーナノS)を用いて測定した。さらに、それぞれの分散液を作製してから、23℃で2日間、1ヶ月間、および2ヶ月間、静置で保管した後に、同様にしてそれぞれの分散液中のフッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径を測定した。また、分散液を35℃で分散直後から1ヶ月間静置で保管し、さらに15℃で1ヶ月間静置で保管した後に、同様にして分散液中のフッ素原子含有樹脂粒子の平均粒径を測定した。
A:分散直後の平均粒径と比べて、平均粒径が20nm未満、変化した
B:分散直後の平均粒径と比べて、平均粒径が20以上40nm未満、変化した
C:分散直後の平均粒径と比べて、平均粒径が40nm以上、変化した
Aが最も保管安定性が良く、Cが最も保管安定性が悪い。
〈感光体例1〉
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、ブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)で示される化合物0.81部を加えた。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径3.0μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量5000Gyの条件で1.6秒間、シリンダーを回転させながら電子線を塗膜に照射し、塗膜を硬化させた。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で25秒間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から25秒間の加熱処理までの酸素濃度は18ppmであった。次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で15分間加熱処理を行い、膜厚が4.8μmである保護層を形成した。
感光体例1において、実施例1で製造した分散液45部を実施例6で製造した分散液45部に変更して保護層用塗布液を調製したこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
感光体例1において、下記のように保護層用塗布液を調製し、保護層を形成させたこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1で製造した分散液90.0部、下記式(H)で示される化合物40.8部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(製品名:Miramer M301、東洋ケミカルズ(株)製)11.1部、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.50部を、1−プロパノール22.2部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン22.2部を加えた。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)でろ過を行い、保護層用塗布液を調製した。
この塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して、得られた塗膜を5分間50℃で加熱処理を行った。その後、メタルハライドランプを用いて、照射強度:500mW/cm2の条件で塗膜に20秒間紫外線を照射し、塗膜が130℃になる条件で30分間加熱処理することによって、膜厚が4.8μmの保護層を形成した。
感光体例1において、下記のように保護層用塗布液を調製し、保護層を形成させたこと以外は、感光体例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
下記式(I−1)で表される化合物を80部、下記式(I−2)で表される化合物を20部、ベンゾグアナミン樹脂(ニカラックBL−60、三和ケミカル社製)4部をシクロペンタノン220部に加えた。その後、実施例17の分散液50部と、NACURE5225(キングインダストリー社製)0.1部加えることによって、表面保護層形成用塗布液を調製した。
この表面保護層形成用塗布液を電荷輸送層の上に塗布し155℃で35分乾燥し、膜厚5.5μmの表面保護層を形成した。
感光体例1〜5で作製した電子写真感光体を、23℃、湿度50%の環境において、キヤノン(株)製の電子写真装置(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のブラックステーションに装着し、画像比率5%の画像を5000枚出力した。1枚目と5000枚目に出力した画像を評価したところ、いずれも濃度ムラやスジ状の画像不良はみられず、良好な画像が得られた。
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 保護層
Claims (6)
- フッ素原子含有樹脂粒子、分散剤、および3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンを含有するフッ素原子含有樹脂粒子の分散液であって、該分散剤が、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーを含み、該分散液中の該3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1−シクロペンテンの含有量が、該分散液中の該フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して1.0質量%以上25.0質量%以下であることを特徴とするフッ素原子含有樹脂粒子の分散液。
- 前記フッ素原子含有樹脂粒子がテトラフルオロエチレン樹脂粒子である、請求項1に記載の分散液。
- 前記フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーが、下記式(1)および下記式(2)で表される繰り返し単位を有するフッ化アルキル基含有共重合体である、請求項1または2に記載の分散液。
- さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散液。
- 表面層を有する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフッ素原子含有樹脂粒子の分散液を用いて表面層用塗布液を調製する工程、および、該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および/または硬化させることによって該表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記表面層用塗布液を調製する工程が、前記フッ素原子含有樹脂粒子の分散液に対し、結着樹脂またはモノマー材料を混合する工程をさらに有する、請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
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