JP6368114B2 - 電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法に関する。
有機光導電性物質(以下、電荷発生物質ともいう)を含有する電子写真感光体の耐久性を向上させることを目的として、電子写真感光体表面の材料や物性等を改良する技術が検討されている。また、電子写真感光体の感光層上に保護層を設け、更なる耐久性向上をはかることも検討されている。
特許文献1には、感光層上に電子線で硬化された保護層を設け、かつ潤滑剤を含有させる技術が開示されている。
さらに、転写後の電子写真感光体上に残存するトナーのクリーニング性を向上する目的で、電子写真感光体の表面層に潤滑性物質を含有させる技術が検討されてきている。
特許文献2には、特定のシロキサン構造を側鎖に有するビニル重合体とバインダー樹脂とを電子写真感光体の表面に含有させることにより、持続的に摩擦係数を低減し、耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。
特開2008−262232号公報 特開2000−187346号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献1および2に記載の技術では、結露時の画像流れを改善する余地があることがわかった。
本発明の目的は、耐摩耗性の高い電子写真感光体において、結露時の画像流れを速やかに回復する電子写真感光体を提供することにある。
本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面層が、
アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物の重合物と、
下記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーと
を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
Figure 0006368114
(式(1)中、Zは二価の有機基であり、pは0または1である。)
Figure 0006368114
(式(2)中、Rは、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。Rは炭素数2から10のアルキレン基である。Rは炭素数1から10のアルキル基である。Xは、水素原子、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。qiは、0から3の整数である。)
さらに、本発明は、表面層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物、上記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマー、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および硬化させることによって前記表面層を形成する工程
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、耐摩耗性の高い電子写真感光体において、結露時の画像流れを速やかに回復する電子写真感光体を提供することができる。
本発明に係る電子写真感光体の層構成の一例を説明するための図である。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体に関する。そして、電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物の重合物と、下記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーとを含有することを特徴とする。
下記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーは、アクリルポリマーの主鎖に下記式(1)で示されるシロキサン構造をグラフト重合させた化合物である。
Figure 0006368114
式(1)中、Zは二価の有機基である。pは0または1である。Rは、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。Xは、下記式(2)で示されるシリルアルキル基である。
二価の有機基としては、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、エステル基含有二価有機基、エーテル基含有二価有機基、ケトン基含有二価有機基、アミド基含有二価有機基などが挙げられる。これらの中でも下記式(8)、(9)、または(10)で示される有機基が好ましい。
Figure 0006368114
Figure 0006368114
Figure 0006368114
式(8)および(9)中、R11は炭素数1から10のアルキレン基である。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、プロピレン基が好ましい。
式(10)中、R12は炭素数1から10のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。また、R13は炭素数1から10のアルキレン基である。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基が好ましい。rは0から4の整数であり、sは0または1である。
は、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基が好ましい。
式(1)中、Xは、下記式(2)で示されるシリルアルキル基である。
Figure 0006368114
式(2)中、Rは、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。Rは炭素数2から10のアルキレン基である。アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基、メチルエチレン基、へキシレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。Rは炭素数1から10のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。Xは、水素原子、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。qiは、0から3の整数である。
上記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーを表面層に含有させることにより、結露時の画像流れを速やかに回復することができる。電子写真感光体の結露は電子写真装置の保管、設置環境の急激な変化などにより発生する。このような環境の変化は、特に倉庫などに保管していた装置を設置場所に移動する際に起こりやすい。そのため、装置設置時の結露による画像流れを速やかに回復することが重要である。本願の表面層が結露時の画像流れを速やかに回復することができる詳細な理由は不明であるが、本発明者らは以下のように推定している。
式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーは、当該アクリルポリマーに含まれるシロキサン構造部分と正孔輸送性化合物が相溶し難いため、表面層用塗布液の塗膜時にシロキサン構造が表面に移行しやすい。そのため、表面層は高い撥水性を示す。また、このアクリルポリマーのシロキサン構造部分は、ポリジメチルシロキサンなどと比べると嵩高いシロキサン構造であるため、塗膜中でシロキサン構造が表面移行するとお互いの立体障害により分子運動が阻害されるため表面は滑りにくくなりやすい。そのため、表面層は、結露した水分が除去しやすい状態にあり、かつ、滑り難いことによりクリーニングブレードなどとの摺擦力が高く水分が除去されやすいと推測している。
更に、式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物とは硬化せずに表面に存在しやすいと考えられる。そのため、シロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーが結露による水分と一緒に除去されやすく、水分が効率的に除去されると考えられる。なお、例えば潤滑性物質の一つであるPTFEを添加した表面層を有する感光体は、摺擦性が大きく低下するため、場合によっては結露時の画像流れが回復しにくい場合があるものであった。
本発明に用いられる式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーは、例えば、下記式(11)示されるシロキサン構造を有する化合物とアクリレートとを重合することにより製造することができる。具体的な製造方法については特許第4082813号に開示されている。
Figure 0006368114
式(11)中、Yはラジカル重合可能な有機基である。Rは、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基が好ましい。
は、下記式(2)で示されるシリルアルキル基である。
Figure 0006368114
式(2)中、Rは炭素数2から10のアルキレン基である。アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基、メチルエチレン基、へキシレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基が好ましい。Rは炭素数1から10のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。Xは、水素原子、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。qiは、0から3の整数である。
以下に、式(11)で示されるシロキサン構造を有する化合物の好ましい例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006368114
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本発明の電子写真感光体に用いられるアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物は、下記式(3)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006368114
Aは正孔輸送性基を示す。Pは下記式(4)または(5)で示される基である。aは、1から4の整数を示す。また、Pは同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006368114
Figure 0006368114
ここで、「Pは同一であっても異なっていてもよい」とは、例えばa=3の時に正孔輸送性基Aに直接結合する官能基Pは3つとも同じものでも、2つ同じで1つは違うものでもよいということを意味するものである。
また、AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加物(正孔輸送性化合物)は、下記式(6)、または下記式(7)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006368114
式(6)中、R、R及びRは、それぞれ独立にフェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
Figure 0006368114
式(7)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、フェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
以下に、式(3)で示される正孔輸送性化合物の好ましい例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006368114
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電子写真感光体の好ましい構成の概略を図1に示す。図1に示される電子写真感光体においては、支持体21、支持体上に形成された下引き層22、下引き層上に形成された電荷発生層23、電荷発生層上に形成された電荷輸送層24、電荷輸送層上に形成された表面層25が積層されている。
本発明で用いられる支持体としては、導電性を有する材料からなる、導電性支持体であることが好ましい。支持体の材質としては、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属または合金が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体や樹脂製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子をプラスチックや紙に含浸してなる支持体や、導電性樹脂を含有する支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状または板状等が挙げられるが、円筒状が最も一般的である。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と下引き層の間には、レーザー光等の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料、抵抗調節顔料等を結着樹脂とともに分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。導電層用塗布液には、加熱、紫外線照射、放射線照射などにより硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させてなる導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル溶剤、アルコール溶剤、ケトン溶剤、芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以上30μm以下であることがより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂およびイソシアネート樹脂が挙げられる。
導電性顔料および抵抗調節顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレス等の金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ等の金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
支持体又は導電層と電荷発生層との間には、電荷発生層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの正孔注入性改良、電荷発生層の電気的破壊に対する保護などを目的として、バリア機能や接着機能を有する下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂、共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂あるいはポリエステル樹脂などが挙げられる。
下引き層には、さらに、金属酸化物粒子を含有させてもよく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。下引き層には、さらに、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。
次に電荷発生層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理することによって得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂の質量比は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。
分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いる方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素溶剤、芳香族化合物などが挙げられる。
次に、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層は、電荷発生層上に形成される。電荷輸送層は、熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送層における電荷輸送物質と熱可塑性樹脂との割合は、熱可塑性樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤などなどが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子やシリコーン含有樹脂粒子などを含有させても良い。また、金属酸化物粒子や無機粒子を含有してもよい。
次に、表面層について説明する。本発明においては、前記の電荷輸送層上に保護層として表面層を設けることが好ましい。
本発明において、表面層はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物の重合物と、上記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーとを含有する。
式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーの含有量は、前記正孔輸送性化合物の重合物に対して0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。上記範囲内であると、画像流れ回復効果が良好に発揮される。また、表面層用塗布液において、式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーの含有量は、前記正孔輸送性化合物に対して0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
表面層は、クリーニングブレードの安定性を向上させる目的のために、表面に凹部または凸部の形状を有することが好ましい。表面層の表面に凹部または凸部の形状を形成する方法としては、凸部または凹部を有する型部材を加圧接触させることによって、該凸部に対応する凹部または該凹部に対応する凸部を該表面層の表面に形成する方法が挙げられる。
表面層は、樹脂を有機溶剤に溶解させて得られる表面層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥、硬化させることによって形成することができる。
表面層が感光層(電荷発生層、電荷輸送層)上に形成された保護層である場合、その膜厚は0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。更には0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。表面層用塗布液に用いられる溶剤は、下層の電荷輸送層を溶解しない溶剤を使用でき、アルコール溶剤を使用することが好ましい。
表面層用塗布液を塗布して塗膜を形成後、熱や紫外線、電子線によって塗膜を硬化させるが、膜の強度、感光体の耐久性を維持するためには、紫外線または電子線を塗膜に照射することによって塗膜を硬化し表面層を形成することが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、リング塗布法、スピン塗布法、ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布法のような公知の如何なる塗布方法も用いることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合した。これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化バイエルウレタン(株)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.4部を加えた。これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部を加えた。さらに、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3.0μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次にCuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20部、下記式(12)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部およびシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度80℃で15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0006368114
次に、下記式(13)で示される化合物(電荷輸送物質)30部、下記式(14)で示される化合物(電荷輸送物質)60部、下記式(15)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部、下記式(16)で示されるポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0006368114
Figure 0006368114
Figure 0006368114
Figure 0006368114
次に、下記式(3−5)で示される化合物(本願の正孔輸送性化合物)100部、式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマー1.8部(FA4001CM、東レ・ダウコーニング株式会社製)、1−プロパノール300部を混合し、撹拌した。シロキサン変性アクリル化合物は容易に相溶した。その後ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を大気中において10分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧150kV、ビーム電流3.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmで回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。引き続いて、窒素雰囲気下にて、塗膜が25℃から125℃になるまで30秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は15ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜が25℃になるまで自然冷却し、大気中において塗膜が100℃になる条件で30分間加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
Figure 0006368114
このようにして、表面に凹部を形成する前の電子写真感光体(凹部形成前の電子写真感光体)を作製した。
次に、圧接形状転写加工装置に型部材を設置し、作製した凹部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。型部材は、弾性層(シリコーンゴム)、金属層(ステンレス)、転写層(ニッケル)のものを用いた。転写層が有する凹凸形状は、ランダム(誤差拡散法(Floyd&Steinberg法)による。)な凸部を平面に配置したものを用いた。凸形状は、径が50μm、高さが2μmのドーム型形状であり、この凸部形状が転写層の表面全体に占める面積は10%であった。
表面加工時には、電子写真感光体の表面の温度が110℃になるように電子写真感光体および型部材の温度を制御し、加圧部材で電子写真感光体と転写層とを押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させた。このようにして、電子写真感光体の表面(周面)の全面に凹部を形成した。
このようにして、電子写真感光体を製造した。
得られた電子写真感光体を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のブラックステーションに装着し、結露時の回復性評価を行った。
結露時の回復性評価は、まず電子写真感光体を装着した電子写真装置を5℃80%RHの環境下に24時間放置した。その後電子写真装置本体を25℃60%RHの環境下に移動し、電子写真感光体の表面を結露させた。電子写真装置本体を移動して2時間放置後、帯電工程の総放電電流量を150μAに設定し、電子写真装置内のカセットヒーターをOFFにした。その後画像比率5%のテストチャートを用いて連続画像形成を行ない、画像流れが回復するまでの時間を評価した。
結果を表1に示す。
(実施例2〜3)
式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーの添加量を表1に記載した量にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例4)
式(3−5)の化合物の代わりに、正孔輸送性化合物として下記式(3−9)で示される化合物100部を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 0006368114
(実施例5)
式(3−5)の化合物の代わりに、正孔輸送性化合物として下記式(3−12)で示される化合物100部を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 0006368114
(実施例6)
前記式(3−5)で示される化合物100部、式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマー1.8部(FA4002ID、東レ・ダウコーニング株式会社製)、光重合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン15部、光重合開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5部、1−プロパノール300部を混合し、溶解した。その後ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。
次に、この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜をメタルハライドランプにて1.20×10−5W/m の光強度で30秒間紫外線照射して光硬化を行った。その後120℃、1時間40分熱風乾燥して、膜厚5μmの表面層を形成した。
それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例7〜9)
式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーの添加量を表1に記載した量にした以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例10)
表面層に凹部を形成しなかったこと以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例11)
表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜をメタルハライドランプにて1.20×10−5W/m の光強度で30秒間紫外線照射して光硬化を行った。その後酸素濃度200ppmの雰囲気下で150℃1時間熱風乾燥して、膜厚5μmの表面層を形成した。
それ以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(実施例12)
表面層用塗布液に用いた1−プロパノール300部の代わりに、テトラヒドロフラン300部を用いた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(比較例1)
式(3−5)の化合物の代わりに、正孔輸送性化合物として下記式(3−4)で示される化合物を使用し、式(1)で示されるシロキサン構造を有するアクリルポリマーを添加しなかった。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 0006368114
(比較例2)
前記式(3−4)の化合物100部、ポリテトラフルオロエチレン粒子15部、及びポリテトラフルオロエチレン分散剤0.75部をn−プロピルアルコール300部に混合した後、分散処理を行った。それ以外は、比較例1と同様にして表面層用塗布液を調製した。
そして、それ以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
(比較例3)
ジメチルポリシロキサン1.8部(粘度20cp)を添加した以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行なった。
Figure 0006368114
評価の結果、実施例においては結露時の画像流れ回復性が良好な結果が得られたのに対し、比較例においては結露時の画像流れ回復性の低下が見られた。
21 支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 正孔輸送層
25 表面層

Claims (10)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体であって、
    該電子写真感光体の表面層が、
    アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物の重合物と、
    下記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーと
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006368114
    (式(1)中、Zは二価の有機基であり、pは0または1である。)
    Figure 0006368114
    (式(2)中、Rは、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。Rは炭素数2から10のアルキレン基である。Rは炭素数1から10のアルキル基である。Xは、水素原子、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。qiは、0から3の整数である。)
  2. 前記正孔輸送性化合物が、下記式(3)で示される化合物であり、
    Figure 0006368114
    (式(3)中、Aは正孔輸送性基を示す。Pは下記式(4)または(5)で示される基である。
    Figure 0006368114
    Figure 0006368114
    aは、1から4の整数を示す。また、Pは同一であっても異なっていてもよい。)
    該AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加物が、下記式(6)または下記式(7)で示される請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006368114
    (式(6)中、R、R及びRは、それぞれ独立にフェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。)
    Figure 0006368114
    (式(7)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、フェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。)
  3. 前記式(1)中、Zが下記式(8)、(9)、または(10)で示される二価の有機基である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006368114
    Figure 0006368114
    Figure 0006368114
    (式(8)および(9)中、R11は炭素数1から10のアルキレン基を示す。
    式(10)中、R12は炭素数1から10のアルキル基を示す。R13は炭素数1から10のアルキレン基を示す。rは0から4の整数であり、sは0または1である。)
  4. 前記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーの含有量が、前記正孔輸送性化合物の重合物に対して0.1質量%以上5質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 表面層を形成する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
    アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物、下記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマー、および溶剤を混合して表面層用塗布液を調製する工程、および
    該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥および硬化させることによって前記表面層を形成する工程
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006368114
    (式(1)中、Zは二価の有機基であり、pは0または1である。)
    Figure 0006368114
    (式(2)中、Rは、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。Rは炭素数2から10のアルキレン基である。Rは炭素数1から10のアルキル基である。Xは、水素原子、炭素数1から10のアルキル基、またはアリール基である。qiは、0から3の整数である。)
  6. 前記正孔輸送性化合物が、下記式(3)で示される化合物であり、
    Figure 0006368114
    (式(3)中、Aは正孔輸送性基を示す。Pは下記式(4)または(5)で示される基である。
    Figure 0006368114
    Figure 0006368114
    aは、1から4の整数を示す。また、Pは同一であっても異なっていてもよい。)
    該AのPとの結合部位を水素原子に置き換えた水素付加物が、下記式(6)または下記式(7)で示される請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006368114
    (式(6)中、R、R及びRは、それぞれ独立にフェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。)
    Figure 0006368114
    (式(7)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、フェニル基、または炭素数1から6のアルキル基で置換されたフェニル基を示す。)
  7. 前記式(1)中、Zが下記式(8)、(9)、または(10)で示される二価の有機基である請求項5または6に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006368114
    Figure 0006368114
    Figure 0006368114
    (式(8)および(9)中、R11は炭素数1から10のアルキレン基を示す。
    式(10)中、R12は炭素数1から10のアルキル基を示す。R13は炭素数1から10のアルキレン基を示す。rは0から4の整数であり、sは0または1である。)
  8. 前記溶剤が、アルコール溶剤を含有する請求項5〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 前記塗膜に電子線または紫外線を照射して、前記塗膜を乾燥および硬化させる請求項5〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  10. 前記表面層用塗布液において、前記式(1)で示されるシロキサン構造を側鎖に有するアクリルポリマーの含有量が、前記正孔輸送性化合物に対して0.1質量%以上5質量%以下である請求項5〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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