JP5609141B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
1.導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該表面層が、ラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイルと反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子の反応生成物を含有した表面層であることを特徴とする電子写真感光体。
2.前記シリコーンオイルの官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
3.前記シリコーンオイルの官能基当量が150g/mol以上15,000g/mol以下であることを特徴とする前記1または2に記載の電子写真感光体。
4.前記金属酸化物微粒子がアルミナ微粒子または酸化スズ微粒子であることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
5.前記金属酸化物微粒子がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物で表面処理されたものであることを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
6.前記表面層が、ラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイルと反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子に加えて、重合性モノマーの反応生成物を含有した表面層であることを特徴とする前記1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
7.前記重合性モノマーがラジカル重合性化合物であることを特徴とする前記6に記載の電子写真感光体。
8.前記重合性モノマーの官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記6または7に記載の電子写真感光体。
本発明で使用されるラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイル(以下、反応性シリコーンオイルともいう)としては、1つ以上のラジカル重合性官能基を有し、且つジメチルシロキサン構造を繰返し単位として有するものが好ましい。このラジカル重合性官能基としては、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、硬化速度及び相溶性の観点から特にメタクリロイルオキシ基が好ましい。更にメタクリロイルオキシ基の数としては、架橋密度の向上を目的として、1官能のものよりは2官能以上のものが良好に使用でき、反応性シリコーンオイルの両末端ジアクリレート体が良好な特性を示す。また反応性シリコーンオイルの分子量としては、20000以下が好ましく、より好ましくは、10000以下である。分子量が20000を超えると、相溶性が低下し、架橋膜表面の表面平滑性が劣る。更に、反応性シリコーンオイルの25℃における粘度としては、30mPa・s以下が好ましく、より好ましくは、20mPa・s以下である。粘度が30mPa・sを超えると反応性シリコーンオイルの添加量が多い場合に、表面形成用塗工液の粘度が高くなり、塗膜形成時の扱いが難しくなるばかりでなく、塗膜に針で突いたような小さな穴や泡状の小さな膨れといった塗膜欠陥を生じる原因となり、塗膜表面の平滑性が損なわれる。本発明の粘度測定には、TV−208(株)トキメック社製回転粘度計)及び恒温槽を用いて、コーンローター回転数1.0rpm及び25℃の条件下で測定を行っているが、これと同等の性能を有するいかなる装置で測定された値でも良い。ラジカル重合性官能基を有する反応性シリコーンオイルの具体例としてラジカル重合性官能基が1つ及び2つのものをそれぞれ一般式(1)、(2)に示す。
一般式(1)、(2)においては、ラジカル重合性官能基がポリシロキサン構造の端部に位置しているが、本発明においてはラジカル重合性官能基の位置は端部に限定されず、シロキサン構造の側鎖部分に置換したものについても有効に使用することが出来る。
本発明に係わる反応性化合物(以下反応性表面処理剤ともいう)によって表面処理された金属酸化物微粒子に用いられる金属酸化物は、遷移金属も含めた金属酸化物であればよく、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、アルミナ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンの微粒子が好ましく、更に好ましい金属酸化物は、アルミナ、酸化スズである。
次に金属酸化物微粒子の表面処理に用いる反応性化合物(以下反応性表面処理剤ともいう)について、記載する。
S−2:CH2=CHSi(OCH3)3
S−3:CH2=CHSiCl3
S−4:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OC2H5)(OCH3)2
S−7:CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9:CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10:CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11:CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17:CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19:CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20:CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21:CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22:CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23:CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−24:CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−25:CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−26:CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−27:CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−28:CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−29:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−30:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)2(OCH3)
S−31:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCOCH3)2
S−32:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(ONHCH3)2
S−33:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OC6H5)2
S−34:CH2=CHCOO(CH2)2Si(C10H21)(OCH3)2
S−35:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH2C6H5)(OCH3)2
又、反応性表面処理剤としては、前記S−1からS−35以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。
表面処理するに際し、金属酸化物微粒子100質量部に対し、反応性表面処理剤を0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
本発明で用いられる重合性モノマーとしては、ラジカル重合性モノマーが好ましく、これらのラジカル重合性モノマーの中でもアクリロイルオキシ基、またはメタクリロイルオキシ基を有する重合性モノマーが好ましい。
アクリロイルオキシ基 : CH2=CHCOO−
メタクリロイルオキシ基 : CH2=CCH3COO−
本発明に用いられる重合性モノマーの具体例を以下に示すが、本発明に用いられる重合性モノマーはこれらに限定されるものではない。
本発明では、ラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイルと反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子や必要に応じて用いる重合性モノマーとを硬化反応させて表面層が形成されるが、電子線開裂反応を利用する方法や光や熱の存在下でラジカル重合開始剤を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
また、表面層に各種の滑剤粒子を含有させることも可能である。例えば、フッ素原子含有樹脂微粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
表面層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面層は、反応性シリコーンオイル、表面処理済み金属酸化物微粒子、必要に応じて重合性モノマー、公知の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤等を添加して調製した塗布液を、浸漬塗布法、円形量規制型塗布法、スプレー塗布法等により塗布形成することができる。ここでは円形量規制型塗布法が好ましい。表面層は感光層表面に塗布し、自然乾燥または熱乾燥を行い、その後光、または電子線を照射して硬化反応させて作製することができる。
本発明の感光体は、導電性支持体の上に、感光層、表面層を形成してなるものである。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、表面層を含めた具体的な層構成として、たとえば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層、及び、表面層を順次積層した層構成(2)導電性支持体上に、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、表面層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、及び、表面層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する単層、及び、表面層を順次積層した層構成
本発明の感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
前述した様に、本発明の感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に付与した単層構造の他に、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。この様に、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御し易いメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
下記の様に本発明の電子写真感光体を作製した。
(金属酸化物微粒子1の調製)
数平均一次粒径20nmの「酸化スズ(SnO2)粒子」100質量部、表面処理剤として「例示化合物S−4」30質量部、メチルエチルケトン1000質量部を湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合、その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥し「金属酸化物微粒子1」を調製した。
金属酸化物微粒子1の調製において、例示化合物S−4を「例示化合物S−28」20質量部に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子2」を調製した。
金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径20nmの酸化スズを数平均一次粒径30nmの「アルミナ(Al2O3)粒子」に例示化合物S−4を「例示化合物S−6」20質量部に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子3」を調製した。
金属酸化物微粒子1の調製において、例示化合物S−4を「例示化合物S−7」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子4」を調製した。
金属酸化物微粒子1の調製において、例示化合物S−4を「例示化合物S−6」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子5」を調製した。
金属酸化物微粒子1の調製において、例示化合物S−4を「例示化合物S−15」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子6」を調製した。
金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径20nmの酸化スズ粒子を数平均一次粒径30nmの「酸化チタン(TiO2)粒子」に例示化合物S−4を「例示化合物S−29」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子7」を調製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径20nmの酸化スズを数平均一次粒径40nmの「シリカ(SiO2)粒子」に例示化合物S−4を「例示化合物S−28」20質量部に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子8」を調製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径20nmの酸化スズを数平均一次粒径30nmの「アルミナ粒子」に例示化合物S−4を「例示化合物S−7」20質量部に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子9」を調製した。
表面処理金属酸化物微粒子1の調製において、数平均一次粒径20nmの酸化スズを数平均一次粒径30nmの「アルミナ(Al2O3)粒子」に例示化合物S−4を「例示化合物S−5」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子10」とした。
表面処理金属酸化物微粒子1の調整において、例示化合物S−4を「例示化合物S−6」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子11」を調整した。
表面処理酸化物微粒子1の調整において、数平均一次粒径20nmの酸化スズを数平均一次粒径30nmの「酸化チタン(TiO2)粒子」に例示化合物S−4を「例示化合物S−27」に変更した以外は同様にして「金属酸化物微粒子12」を調整した。
(導電性支持体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を準備した。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
下記組成を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
この電荷発生層塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布、乾燥して、乾燥膜厚0.3μmの「電荷発生層」を形成した。
下記組成を混合、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(Irganox1010:チバ・ジャパン社製) 6質量部
THF 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1質量部
この電荷輸送層塗布液を前記電荷発生層の上に円形量規制型塗布機を用いて塗布し、乾燥して乾燥膜厚20μmの「電荷輸送層」を形成した。
下記組成を溶解、分散して表面層塗布液を調製した。
重合性モノマー(例示化合物42) 100質量部
反応性シリコーンオイル
(メタクリル変性両末端型、官能基当量3,900:信越化学工業社製)
3.0質量部
重合開始剤(イルガキュアー819:チバ・ジャパン社製) 7.5質量部
2−ブチルアルコール 100質量部
この表面層塗布液を上記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置を用いて塗布し、表面層を形成した。形成した表面層を乾燥後、メタルハライドランプを用いて窒素気流下、光源から感光体表面までの距離を100mmに設置し、ランプ出力4kWで紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの「表面層」を形成し、「感光体1」を作製した。
感光体1の表面層の作製で用いた重合性モノマー、金属酸化物微粒子、及びシリコーンオイルの種類と添加量を表1のように変更した以外は、同様にして「感光体2〜14」を作製した。なお、感光体4と感光体8では重合性モノマーとして、本発明のSR9099(3官能メタクリレートエステル:サートマー社製)を用いた。
感光体1の表面層の作製で用いたシリコーンオイルを添加しない以外は同様にして「感光体15」を作製した。
感光体1の表面層の作製で用いた金属酸化物微粒子を添加しない以外は同様にして「感光体16」を作製した。
評価は以下のように行った。
(画像ボケの評価と判定基準)
本発明の電子写真感光体をコニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製[bizhub PRO C6500」(波長780nmのレーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデム方式カラー複合機)に搭載し、(30℃、80%RH)でイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)各色印字面積率5%のA4版画像をA4版中性紙に2.5万枚の印刷を行い、印刷終了後60秒で実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ印字可能状態になった後直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3版全面の6dot格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
◎:ハーフトーン、格子画像とも画像ボケ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
△:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の帯状濃度低下が認められる(実用化可能)×:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)
(耐久性評価)
上記の評価の後、(30℃、80%RH)でイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)各色印字率5%のA4版画像をA4版中性紙に100万枚印字後に再度同様に画像ボケの評価を行った。
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 表面層
7 表面処理済み金属酸化物微粒子
Claims (8)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層と表面層とを順次積層して成る電子写真感光体において、該表面層が、ラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイルと反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子の反応生成物を含有した表面層であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記シリコーンオイルの官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記シリコーンオイルの官能基当量が150g/mol以上15,000g/mol以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物微粒子がアルミナ微粒子または酸化スズ微粒子であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物微粒子がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層が、ラジカル重合性の官能基を有するシリコーンオイルと反応性化合物によって表面処理された金属酸化物微粒子に加えて、重合性モノマーの反応生成物を含有した表面層であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性モノマーがラジカル重合性化合物であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性モノマーの官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真感光体。
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