JP5854016B2 - 有機感光体およびその製造方法 - Google Patents
有機感光体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5854016B2 JP5854016B2 JP2013196396A JP2013196396A JP5854016B2 JP 5854016 B2 JP5854016 B2 JP 5854016B2 JP 2013196396 A JP2013196396 A JP 2013196396A JP 2013196396 A JP2013196396 A JP 2013196396A JP 5854016 B2 JP5854016 B2 JP 5854016B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- surface layer
- resin
- organic
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G5/00—Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
- G03G5/14—Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
- G03G5/147—Cover layers
- G03G5/14704—Cover layers comprising inorganic material
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G5/00—Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
- G03G5/14—Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
- G03G5/147—Cover layers
- G03G5/14708—Cover layers comprising organic material
- G03G5/14713—Macromolecular material
- G03G5/14717—Macromolecular material obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- G03G5/14734—Polymers comprising at least one carboxyl radical, e.g. polyacrylic acid, polycrotonic acid, polymaleic acid; Derivatives thereof, e.g. their esters, salts, anhydrides, nitriles, amides
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G5/00—Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
- G03G5/14—Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
- G03G5/147—Cover layers
- G03G5/14708—Cover layers comprising organic material
- G03G5/14713—Macromolecular material
- G03G5/14791—Macromolecular compounds characterised by their structure, e.g. block polymers, reticulated polymers, or by their chemical properties, e.g. by molecular weight or acidity
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
表面層は、通常、導電性支持体上に形成された有機感光層の表面に、適宜の溶媒に硬化樹脂を形成するための硬化性の重合性化合物や重合開始剤および必要に応じてその他の構成成分が溶解または分散されてなる塗布液を塗布し、得られた塗布膜を硬化処理することにより硬化樹脂を得、これにより、形成される。
そして、この酸素阻害を抑制するために、硬化処理を窒素などの不活性雰囲気下において行うことや、塗布液中にチオール化合物からなる連鎖移動剤を添加することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
当該表面層が、硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物と、反応性有機基を有する金属酸化物微粒子と、下記一般式(1)で表されるシラン化合物とを含有する組成物を硬化した層であることを特徴とする。
硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物と、シランカップリング剤によって表面処理された金属酸化物微粒子と、下記一般式(1)で表されるシラン化合物とを含有する組成物を、導電性支持体上に形成された有機感光層上に塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を硬化処理することにより表面層を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に有機感光層および硬化樹脂よりなる表面層が積層されてなるものである。具体的には下記(1)および(2)の層構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生層および電荷輸送層、並びに表面層がこの順に積層されてなる層構成。
(2)導電性支持体上に、中間層、有機感光層として電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層、並びに表面層がこの順に積層されてなる層構成。
表面層は、保護層であって、硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物と、シランカップリング剤によって表面処理された金属酸化物微粒子と、上記一般式(1)で表されるシラン化合物(以下、「特定のシラン化合物」ともいう。)とを含有する組成物を硬化処理することにより得られるものである。表面層には、必要に応じてや滑剤粒子、酸化防止剤あるいは硬化樹脂以外の樹脂がさらに含有されていてもよい。
特定のシラン化合物は、常温で液体状または固体状のものである。
特定のシラン化合物を表す一般式(1)において、R1 〜R3 は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基であり、R1 〜R3 の少なくとも1つ、好ましくは2つが炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。
特定のシラン化合物の含有割合が硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物100質量部に対して1質量部以上であることによって、連鎖移動剤としての作用を十分に得ることができ、硬化処理時の酸素阻害を十分に抑制することができる。また、硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物100質量部に対して30質量部以下であることによって、得られる表面層が膜密度(架橋率)の十分に高いものとなり、当該表面層が脆弱なものとなってしまうことが防止される。
硬化樹脂を形成するためのラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが挙げられる。これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、モノマーの状態で用いてもよいが、オリゴマー化したものを用いてもよい。
また、ラジカル重合性化合物は、2種以上を組み合わせて用いることができるが、この場合においても、アクリロイル基またはメタクリロイル基を3つ以上有する化合物を50質量%以上用いることが好ましい。
表面層には、シランカップリング剤によって表面処理された金属酸化物微粒子が含有されている。この金属酸化物微粒子は、原料となる金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)がシランカップリング剤によって表面処理されることにより、未処理金属酸化物微粒子の表面に反応性有機基が導入されたものである。
S−2:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−3:CH2 =CHSiCl3
S−4:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−5:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−6:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OC2 H5 )(OCH3 )2
S−7:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−8:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−9:CH2 =CHCOO(CH2 )2 SiCl3
S−10:CH2 =CHCOO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−11:CH2 =CHCOO(CH2 )3 SiCl3
S−12:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−13:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3
S−14:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )(OCH3 )2
S−15:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OCH3 )3
S−16:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(CH3 )Cl2
S−17:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 SiCl3
S−18:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(CH3 )Cl2
S−19:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 SiCl3
S−20:CH2 =CHSi(C2 H5 )(OCH3 )2
S−21:CH2 =C(CH3 )Si(OCH3 )3
S−22:CH2 =C(CH3 )Si(OC2 H5 )3
S−23:CH2 =CHSi(OCH3 )3
S−24:CH2 =C(CH3 )Si(CH3 )(OCH3 )2
S−25:CH2 =CHSi(CH3 )Cl2
S−26:CH2 =CHCOOSi(OCH3 )3
S−27:CH2 =CHCOOSi(OC2 H5 )3
S−28:CH2 =C(CH3 )COOSi(OCH3 )3
S−29:CH2 =C(CH3 )COOSi(OC2 H5 )3
S−30:CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3
S−31:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )2 (OCH3 )
S−32:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OCOCH3 )2
S−33:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(ONHCH3 )2
S−34:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH3 )(OC6 H5 )2
S−35:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(C10H21)(OCH3 )2
S−36:CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(CH2 C6 H5 )(OCH3 )2
感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
感光体においては、導電性支持体と有機感光層の間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けるのが好ましい。
このような金属酸化物粒子の平均粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
感光体を構成する有機感光層における電荷発生層は、電荷発生物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
感光体を構成する有機感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
本発明の感光体の製造方法は、上記のような感光体を製造する方法であって、硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物と、シランカップリング剤によって表面処理された金属酸化物微粒子と、特定のシラン化合物とを含有する組成物(表面層形成用塗布液)を、導電性支持体上に形成された有機感光層上に塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を硬化処理することにより表面層を形成する工程を有する方法である。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程。
工程(2):導電性支持体上に形成された中間層の外周面に電荷発生層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程。
工程(3):中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程。
工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に表面層形成用塗布液を塗布、乾燥し、活性線照射などにより硬化処理を行うことにより表面層を形成する工程。
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて中間層形成用塗布液を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子を分散させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂および電荷輸送物質を溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の膜厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
表面層は、硬化樹脂を形成するラジカル重合性化合物、重合開始剤、金属酸化物微粒子、および必要に応じて滑剤粒子、酸化防止剤あるいは硬化樹脂以外の樹脂を公知の溶媒に添加して表面層形成用塗布液を調製し、この表面層形成用塗布液を有機感光層(電荷輸送層)の外周面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜に光などのエネルギー線を照射して硬化処理を行うことにより、形成される。
硬化処理が行われることにより、塗布膜を乾燥する過程および硬化処理の過程で、金属酸化物微粒子の表面に導入された反応性有機基間の反応、当該反応性有機基とラジカル重合性化合物との反応、ラジカル重合性化合物間の反応などが進行することにより、架橋型の硬化樹脂が得られる。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(「イルガキュアー819」:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有する光重合促進剤を単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2 、好ましくは5〜100mJ/cm2 である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
特定のシラン化合物を含有する組成物の硬化処理によって得られた表面層が、偏摩耗の発生が低減されることは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、表面層の偏摩耗を抑制するためには、当該表面層に硬度が高いこと、および、硬度のバラツキが小さいことが必要とされる。
そして、本発明の有機感光体によれば、
(1)表面層に金属酸化物微粒子が含有されていることによって基本的に高い硬度が得られる。
(2)また、特定のシラン化合物の連鎖移動剤としての作用によって、表面層形成用塗布液中の溶存酸素による重合阻害を十分に低減させることができるものと推察され、その結果、硬化反応が十分に進行して表面層に高い硬度が得られると共に、当該表面層における硬度のバラツキが抑制されるものと考えられる。
(3)さらに、特定のシラン化合物におけるアルキル基部位が金属酸化物微粒子を局所的に覆うことにより、金属酸化物微粒子間に生じる静電反発、疎水−疎水反発などの粒子間力やラジカル重合性化合物の相互作用などに加えて、新たに立体反発が生じることによって、表面層形成用塗布液における当該金属酸化物微粒子の凝集を抑制することができて塗布膜において金属酸化物微粒子の良好な分散性が得られるものと推察され、その結果、表面層における硬度のバラツキがさらに抑制されるものと考えられる。
本発明の有機感光体は、モノクロの画像形成装置やフルカラーの画像形成装置など電子写真方式の公知の種々の画像形成装置において用いることができる。
本発明の製造方法により得られる有機感光体が用いられる画像形成装置は、例えば、有機感光体上に均一な帯電電位を付与する帯電手段と、均一な帯電電位が付与された有機感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像に顕像化する現像手段と、トナー像を転写材上に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを有するものである。
(1)導電性支持体の作製
ドラム状のアルミニウム支持体(外径100mm、長さ360mm)の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体〔1〕を作製した。
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式により10時間の分散を行い、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・バインダー樹脂:ポリアミド樹脂「X1010」(ダイセル・エボニック社製)
1質量部
・溶媒:エタノール 20質量部
・金属酸化物微粒子:数平均一次粒径0.035μmの酸化チタン微粒子「SMT500SAS」(テイカ社製) 1.1質量部
上記導電性支持体〔1〕上に、この中間層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を110℃で20分間乾燥し、層厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(電荷発生層形成工程)
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて、10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの) 20質量部
・バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製)
10質量部
・溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
・溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
上記中間層〔1〕の上に、この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法によりで塗布して塗布膜を形成し、層厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷輸送物質:下記式(A)に示す化合物 150質量部
・バインダー樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製)
300質量部
・溶媒:トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000質量部
・酸化防止剤:「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 6質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
上記電荷発生層〔1〕上に、この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を120℃で70分間乾燥し、層厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
下記ラジカル重合性化合物、溶媒および金属酸化物微粒子を遮光下で、分散機としてサンドミルを用いて10時間分散した後、下記の光重合開始剤を加え、遮光下で混合、撹拌して溶解させて、表面層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・ラジカル重合性化合物:トリメチロールプロパントリメタクリレート 100質量部
・溶媒:sec−ブタノール 315質量部
・溶媒:テトラヒドロフラン 15質量部
・金属酸化物微粒子:表面処理剤(CH2 =C(CH3 )COO(CH2 )2 Si(OCH3 )3 )によって表面処理された数平均一次粒径20nmの酸化スズ微粒子 150質量部
・光重合開始剤:「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製) 12質量部
・シラン化合物:トリエチルシラン 1質量部
この表面層形成用塗布液〔1〕を上記電荷輸送層〔1〕上に、円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗布膜を形成した。この塗布膜を室温で20分間乾燥した後、窒素流量が13.5L/minの窒素気流下において、光源としてキセノンランプを用い、当該光源と塗布膜の表面との離間距離を5mmとして、ランプ出力4kWで波長365nmの光(強度:4000mW/cm2 、塗布膜における光の照射強度:1800mW/cm2 )を18秒間照射することにより、層厚3.5μmの表面層〔1〕を形成して有機感光体を作製した。これを感光体〔1〕とする。
感光体の作製例1において、表面層形成工程で使用するシラン化合物の種類と添加量を表1に記載の通りに変更したことの他は同様にして、有機感光体を作製した。これを感光体〔2〕〜〔9〕とする。
感光体の作製例1において、トリエチルシランの添加を行わなかった他は同様にして、有機感光体を作製した。これを感光体〔10〕とする。
温度30℃、湿度80%RHの条件で、A4サイズの中性紙上にBk印字率5.0%のA4画像を100万枚の印刷を行う耐刷試験の前後の保護層の膜厚をそれぞれ測定し、膜厚の減耗量を算出して膜厚の減耗量のバラツキ評価した。
保護層の膜厚は、均一膜厚部分(塗布の先端部及び後端部の膜厚変動部分の膜厚プロフィールを除く)を軸方向に5mm、周方向に120°おきに測定し、周方向の測定値の平均値を保護層の軸方向の膜厚プロフィールとする。そして、軸方向における膜厚プロフィールの最大値と最小値の差分を膜厚バラツキ量とした。膜厚の測定器としては、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いた。
本発明においては、膜厚プロフィールの最大値と最小値の差分が0.60μm未満であれば実用上問題ないと判断される。
温度30℃、湿度80%RHの条件で、A4サイズの中性紙上にBk印字率5.0%のA4画像を100万枚の印刷を行う耐刷試験後、温度10℃、湿度20%RHの条件で、A3中性紙全面にモノクロのハーフトーン画像(マクベス濃度計で平均相対反射濃度0.4)を複写し、A3紙面(縦297mm×横420mm)の隅から横方向180mmの位置で縦方向の端から33mm間隔の計8点をそれぞれa1、a2、・・・a8とし、隅から横方向195mmの位置で縦方向の端から33mm間隔の計8点を同様にb1、b2、・・・b8とし、マクベス濃度計にて各点の反射濃度を測定した。これらの16点の測定値の公差(最大値と最小値の差)を算出し、下記評価基準に従って評価した。なお、測定値の公差が小さい程、面内画像濃度ムラが抑制されていると考えられる。
本発明においては、公差が0.04未満であれば実用上問題ないと判断される。
温度30℃、湿度80%RHの条件で、A4サイズの中性紙上にBk印字率5.0%のA4画像を100万枚の印刷を行う耐刷試験後、直ぐに画像形成装置の主電源を切った。主電源を切った12時間後に主電源を入れ印刷可能状態になった後、直ちにA3サイズの中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)と、全面6dot格子画像とを印字した。印字画像の状態を目視により観察し以下評価基準により評価した。
−評価基準−
A:ハーフトーン画像および格子画像共に画像ボケ発生なし(良好)
B:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
C:画像ボケによる格子画像の欠損もしくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)
Claims (6)
- 前記シラン化合物が、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシランまたはメチルフェニルシランであることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 前記組成物が、前記シラン化合物を、前記ラジカル重合性化合物100質量部に対して1〜30質量部含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機感光体。
- 導電性支持体上に有機感光層および硬化樹脂よりなる表面層が積層されてなる有機感光体を製造する方法であって、
硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物と、シランカップリング剤によって表面処理された金属酸化物微粒子と、下記一般式(1)で表されるシラン化合物とを含有する組成物を、導電性支持体上に形成された有機感光層上に塗布して塗布膜を形成し、当該塗布膜を硬化処理することにより表面層を形成する工程を有することを特徴とする有機感光体の製造方法。
- 前記シラン化合物が、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシランまたはメチルフェニルシランであることを特徴とする請求項4に記載の有機感光体の製造方法。
- 前記シラン化合物の含有割合が、前記表面層を構成する硬化樹脂を形成すべきラジカル重合性化合物100質量部に対して1〜30質量部であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の有機感光体の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013196396A JP5854016B2 (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | 有機感光体およびその製造方法 |
US14/488,759 US9316934B2 (en) | 2013-09-24 | 2014-09-17 | Organic photoreceptor and production process thereof |
CN201410490494.6A CN104460252B (zh) | 2013-09-24 | 2014-09-23 | 有机感光体及其制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013196396A JP5854016B2 (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | 有機感光体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015064398A JP2015064398A (ja) | 2015-04-09 |
JP5854016B2 true JP5854016B2 (ja) | 2016-02-09 |
Family
ID=52691243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013196396A Expired - Fee Related JP5854016B2 (ja) | 2013-09-24 | 2013-09-24 | 有機感光体およびその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9316934B2 (ja) |
JP (1) | JP5854016B2 (ja) |
CN (1) | CN104460252B (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7484451B2 (ja) * | 2020-06-08 | 2024-05-16 | コニカミノルタ株式会社 | 有機感光体、電子写真画像形成装置及び有機感光体の製造方法 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6004710A (en) * | 1997-02-12 | 1999-12-21 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
US6448301B1 (en) * | 2000-09-08 | 2002-09-10 | 3M Innovative Properties Company | Crosslinkable polymeric compositions and use thereof |
US7674847B2 (en) * | 2003-02-21 | 2010-03-09 | Promerus Llc | Vinyl addition polycyclic olefin polymers prepared with non-olefinic chain transfer agents and uses thereof |
JP2006143969A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | プロピレンと共役ジエンとの共重合体の製造方法 |
JP2008139824A (ja) * | 2006-10-25 | 2008-06-19 | Seiko Epson Corp | 感光体、感光体カートリッジ及び画像形成装置 |
JP2010197462A (ja) * | 2009-02-23 | 2010-09-09 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 電子写真感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
JP5540779B2 (ja) * | 2010-03-08 | 2014-07-02 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成方法及び画像形成装置 |
JP2011186120A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
KR101454131B1 (ko) * | 2010-08-09 | 2014-10-22 | 캐논 가부시끼가이샤 | 대전 부재, 그 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치 |
JP5659692B2 (ja) * | 2010-10-22 | 2015-01-28 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP5957968B2 (ja) * | 2012-03-05 | 2016-07-27 | 株式会社リコー | 電子写真感光体及び画像形成装置 |
JP5857804B2 (ja) * | 2012-03-07 | 2016-02-10 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置およびプロセスカートリッジ |
-
2013
- 2013-09-24 JP JP2013196396A patent/JP5854016B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2014
- 2014-09-17 US US14/488,759 patent/US9316934B2/en active Active
- 2014-09-23 CN CN201410490494.6A patent/CN104460252B/zh active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015064398A (ja) | 2015-04-09 |
CN104460252A (zh) | 2015-03-25 |
US9316934B2 (en) | 2016-04-19 |
CN104460252B (zh) | 2018-12-21 |
US20150086915A1 (en) | 2015-03-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6146432B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP5609141B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2012123238A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2018185381A (ja) | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 | |
JP5968585B2 (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
JP5644562B2 (ja) | 有機感光体の製造方法 | |
JP6024688B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP6447254B2 (ja) | 電子写真感光体及び電子写真画像形成装置 | |
JP6390565B2 (ja) | 電子写真画像形成装置 | |
JP5854016B2 (ja) | 有機感光体およびその製造方法 | |
JP2012078620A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2012173511A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP5609534B2 (ja) | 有機感光体 | |
JP2012098500A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2014145891A (ja) | 有機感光体および画像形成装置 | |
JP5772217B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2014059411A (ja) | 電子写真感光体ならびにこれを用いた画像形成装置および画像形成方法 | |
JP2013088489A (ja) | 電子写真有機感光体の製造方法 | |
JP2010008753A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP6561488B2 (ja) | 電子写真感光体と電子写真画像形成装置 | |
JP2018194799A (ja) | 電子写真感光体 | |
JP2014063001A (ja) | 電子写真有機感光体の製造方法 | |
JP7302266B2 (ja) | 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び電子写真感光体の製造方法 | |
JP5765214B2 (ja) | 電子写真有機感光体の製造方法 | |
JP2012042777A (ja) | 電子写真画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150811 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151009 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151110 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151123 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5854016 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |