JP2008139824A - 感光体、感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

感光体、感光体カートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】植物油がキャリア液とされる液体現像に用いられた場合、撥水撥油性、耐傷性および防汚性が優れ、長寿命の感光体を提供する。
【解決手段】感光体の表面が、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有した含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆され、該表面保護層のフッ素原子含有率を8.5〜20質量%にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に使用される感光体、該感光体が組み込まれた感光体カートリッジ及び該感光体が組み込まれた画像形成装置に関する。
液体現像剤が用いられる電子写真方式は、サブミクロンサイズの微細トナー使用による高精細画質の実現、少量トナーでの充分な画像濃度の取得等の利点を有している。当該利点は、粉体トナーが用いられる電子写真方式により実現されない。
液体現像剤が用いられる画像形成装置の感光体は、導電性基板上に光導電層が形成された構造を有している。光導電層は、有機系材料、無機系材料又はアモルファスシリコン(a−Si)系材料から形成される。a−Si系材料から形成された光導電層の硬度は高く、従って、当該光導電層を有する感光体(a−Si感光体)の耐摩耗性は優れている。しかしながら、高湿度下でa−Si感光体を用いて現像を行うと、画像流れが発生していた。そこで、a−Si感光体の疎水性を高め、画像流れを防止するため、a−Si系材料から形成された光導電層の表面の、フッ素含有アモルファスシリコンカーバイド又はフッ素含有アモルファスカーボンからなる表面保護層による被覆が検討された(例えば、特許文献1参照)。a−Si系材料から形成された光導電層の表面の、熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分とする表面保護層による被覆も検討された(例えば、特許文献2参照)。表面保護層が設けられた上記a−Si感光体を用いて乾式現像を行うと、表面保護層に放電生成物が付着して画像流れが発生する。表面保護層が設けられた上記a−Si感光体を用いて湿式現像を行うと、表面保護層の非現像部に液体現像剤が付着し、カブリが発生していた。
感光体の非現像部への液体現像剤の付着を防止するため、a−Si感光体表面の、非晶質フッ素樹脂からなる離型層による被覆が検討された(例えば、特許文献3参照)。上記離型層の厚みは10nm以下であり、上記感光体が設けられた画像形成装置による印字の進行に伴い、非晶質フッ素樹脂由来の撥油性が発現しなくなり、感光体上での液体現像剤の接触角は低下した。つまり、感光体機能の長期間の維持は困難であった。
一方、有機系材料から形成された光導電層及び無機系材料から形成された光導電層の硬度は低く、従って、これらの光導電層を有する感光体の耐摩耗性は高くない。有機系材料から形成された光導電層を有する感光体(有機感光体)の耐用年数は数ケ月から半年という短さであり、有機感光体の長寿命化が課題となっている。更に、キャリア液が有機感光体の非画像部に付着して、地汚れと画像流れが発生したり、クリーニングトナー量が低減されず、液体現像剤の濃度管理が困難となるといった問題もあり、これらの問題の解決が課題となっている。
そこで、フッ素樹脂を含む表面保護層が形成された有機感光体と、アイソパー、シリコンオイル等がキャリア液とされる湿式現像剤との組合せが検討された(例えば、特許文献4、5参照)。更に、表面保護層に対するアイソパー等の溶媒の接触角(θ)が20°<θ<110°とされ、トナー転写性に優れ、かつ、画像流れが生じない有機感光体(例えば、特許文献6参照)、フッ素樹脂を含む表面保護層の接触角(θ)が30°以上とされ、転写率及びクリーニング性が高い有機感光体(例えば、特許文献7参照)が検討された。フッ素化されたオルガノポリシロキサンを含む表面保護層が形成された有機感光体も検討された(例えば、特許文献8参照)。樹脂が溶剤に溶解された溶液が有機感光体の表面に塗布され、樹脂を含む表面保護層が形成された上記有機感光体の塗膜強度は低く、後述される比較例から明らかなように、負荷試験として繰り返し清掃試験が行われると、表面保護層における接触角が低下し、撥水・撥油性能が低下するという問題がある。更に、フッ素樹脂の塗布に使用されるパーフルオロ溶剤の使用は、地球温暖化の観点から制限されている。
特開2001−13703号公報 特開平5−119502号公報 特開2002−278121号公報 特開平5−40357号公報 特開2002−278121号公報 特開2000−267447号公報 特開2002−351155号公報 特開平10−288872号公報
本発明が解決しようとする課題は、植物油がキャリア液とされる液体現像に用いられた場合、撥水撥油性、耐傷性および防汚性が優れ、長寿命の感光体の提供である。発明が解決しようとする別の課題は、当該感光体が組み込まれた感光体カートリッジ及び該感光体が組み込まれた画像形成装置の提供である。
本発明は、表面が、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有した含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆され、該表面保護層のフッ素原子含有率が8.5〜20質量%の感光体である。
本発明の好ましい実施形態では、上記フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが下記一般式(1)
Figure 2008139824
〔式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはヘテロ原子を有していてもよいアルキレン鎖又は下記一般式(2)
Figure 2008139824
〔式(2)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、Rf1はフッ素化アルキル基である。〕
で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
で表される。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記一般式(1)中のXが、下記一般式(3)
−(CH2p−Zq−(CH2r− (3)
〔式(3)中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Rf1がCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfが、Rf1と同一又は異なるCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Yが硫黄原子であり、Rf1の炭素数nが4、6又は8である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6又は8である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、下記一般式(4)
Rf−(CH2r−Z−H (4)
〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、RfはCn2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物又は下記一般式(5)
Figure 2008139824
〔式(5)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、RfとRf1は同一でも異なっていてもよいCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕で表される化合物(a2)とを、前記化合物(a1)1モルに対して、前記化合物(a2)を1.0〜(k−2)モル〔kは前記化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕の割合でマイケル付加反応させて得られる化合物である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記化合物(a2)が、前記一般式(4)で表される化合物〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である〕又は前記一般式(5)で表される化合物(但し、Yが硫黄原子であり、Rf及びRf1中の炭素数nが4、6又は8である。)である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が下記一般式(6)
Figure 2008139824
〔式(6)中、R1は水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子、炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数1〜12のアルキロール基であり、R2は(メタ)アクリロイル基である。〕で表される化合物(a1−1)、下記一般式(7)
Figure 2008139824
(式中、R2は(メタ)アクリロイル基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)又はリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が、前記一般式(6)〔但し、R1が炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−又は炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、R3が水素原子又は炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレートと脂環構造を有するイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記感光体の表面保護層上の大豆油の接触角が60°〜90°である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記感光体は液体現像システム用である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記感光体はアモルファスシリコン感光体である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記アモルファスシリコン感光体の表面保護層の厚みが0.2〜1.5μmである。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記感光体は有機感光体である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記有機感光体の有機感光層のバインダーがポリカーボネート樹脂であり、正帯電性である。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記有機感光体の表面保護層の厚みが0.1〜3μmである。
本発明の好ましい別の実施形態では、上記感光体の含フッ素光硬化性組成物がフッ素樹脂微粒子を含む。
本発明は、上記感光体が組み込まれた感光体カートリッジである。
本発明は、上記感光体と、上記感光体に形成された静電潜像を植物油をキャリア液とする正帯電性液体現像剤により現像する現像手段が組み込まれた画像形成装置である。
図1は、本発明の感光体11の基本構造の断面図である。導電性支持体1の上に感光層2が形成され、感光層2の上に表面保護層3が形成されている。
導電性支持体
導電性支持体1は、図1では筒状であるが、シート状であってもよい。アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス、鉄、真鍮などの金属、これらの金属酸化物等の導電性材料が、ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、ガラス等の絶縁性基板上に蒸着等により薄膜状に形成された導電性支持体が用いられる。
有機感光体
感光層2の具体例の1つは有機感光層である。有機感光層の具体例は、電荷発生層と電荷輸送層が順次積層された機能分離型積層感光体、単層型有機感光層である。単層型有機感光層は、導電性支持体上に電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤、バインダー等からなる塗布液が塗工されて得られる。電荷発生剤の具体例は、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料であり、好ましい電荷発生剤はフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料である。電荷輸送剤の具体例は、ヒドラゾン系、スチルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸送化合物である。増感剤の具体例は、電子輸送剤としても知られているパラジフェキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、クロラニルである。バインダーの具体例は、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂であり、好ましいバインダーはポリカーボネート樹脂である。
各成分の組成比は、バインダー40〜75質量%、電荷発生剤0.5〜20質量%、電荷輸送剤10〜50質量%、増感剤0.5〜30質量%であり、好ましくはバインダー45〜65質量%、電荷発生剤1〜20質量%、電荷輸送剤20〜40質量%、増感剤2〜25質量%である。各成分はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤と共にホモミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等の攪拌装置で粉砕・分散混合され、塗布液とされる。塗布液は、導電性支持体上にディップコート、リングコート、スプレーコート等により乾燥後の膜厚15〜40μm、好ましくは20〜35μmで塗布され、次いで、乾燥される。
a−Si感光体
a−Si系感光体の光導電層を構成する材料の具体例は、a−Si、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)、アモルファス酸化シリコン(a−SiO)、アモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)、アモルファス窒化シリコンカーバイド(a−SiCN)、アモルファス窒化酸化シリコン(a−SiNO)、アモルファス酸化シリコンカーバイド(a−SiCO)、アモルファス窒化酸化シリコンカーバイド(a−SiCNO)等のa−Si系又はa−Si合金系光導電材料である。これらの光導電材料による成膜形成方法の具体例は、グロ−放電分解法、スパッタリング法、蒸着法、ECR法、光CVD法、触媒CVD法である。成膜形成に当たって、ダングリングボンド終端用に水素(H)、フッ素(F)及び/又は塩素(Cl)を膜中に1〜40モル%含有させる。
周期律表第IIIa族元素(以下、IIIa族元素と略す)、第Va 族元素(以下、Va 族元素と略す)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)等の元素を膜中に含有させ、光導電層の電気的特性(暗導電率、光導電率等)、光学的バンドギャップなどの特性を調整することができる。膜中にC、N、O等の元素を含有させる場合、IIIa族元素の含有量は0.1〜20,000ppmであり、Va 族元素の含有量は0.1〜10,000ppmである。膜中にC、N、O等の元素を含有させないか又は微量含有させる場合、IIIa族元素の含有量は0.01〜200ppmであり、Va族元素の含有量は0.01〜100ppmである。IIIa族元素、Va 族元素、C、N、O等の元素濃度分布は、層厚方向にわたって勾配を設けてもよく、その場合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。IIIa族元素及びVa 族元素の望ましい具体例は、それぞれ、ホウ素(B)、リン(P)である。ホウ素及びリンは、共有結合性に優れ、半導体特性を敏感に変え、優れた光感度を与えることができる。
a−Si系光導電層は、微結晶シリコン(μc−Si)を含んでいてもよい。μc−Siの含有は、光導電層の暗導電率および光導電率を高め、光導電層の設計自由度が増す。μc−Siを含むa−Si系光導電層は、上記と同様の形成法で、成膜条件を変えることによって形成される。例えば、グロ−放電分解法によるμc−Si含有a−Si系光導電層の形成は、グロ−放電分解法によるμc−Si非含有a−Si系光導電層の形成よりも、基体温度および高周波電力が高めに設定され、希釈ガスとしての水素流量が大きくなる。また、μc−Si含有a−Si系光導電層に、上記不純物元素を添加できる。
より優れた電子写真特性を得るために、a−Si系光導電層と基体の間にキャリア注入阻止層を形成したり、光導電層の表面に表面層を形成できる。キャリア注入阻止層及び表面層は、上記a−Si系光導電材料により形成される。a−Si系光導電材料により形成されたキャリア注入阻止層及び表面層は、a−Si系光導電層とのマッチング性がよく、a−Si系光導電層形成時に使用された成膜装置によって、a−Si系光導電層形成に引き続き連続して成膜形成される。
a−Si系光導電材料により形成されたキャリア注入阻止層は、光導電層より多くのIIIa族元素及び/又はVa 族元素を含有し、キャリア注入阻止層の導電型が調整されている。a−Si系光導電材料により形成されたキャリア注入阻止層は、光導電層より多くのC、N、O等の元素を含有し、キャリア注入阻止層の抵抗は高い。a−Si系光導電材料により形成された表面層は、光導電層よりより多くのC、N、O等の元素を含有し、表面層の抵抗は高い。キャリア注入阻止層及び表面層の積層により、帯電能、光感度特性、耐久性、耐磨耗性及び耐環境性を高め、a−Si系光導電層の優れた電子写真特性をさらに向上させられる。
a−Si系光導電層の厚みは、5〜100μm、好適には15〜80μmである。また、キャリア注入阻止層の厚みは、0.1〜10μm、好適には0.3〜5μmである。表面層の厚みは、0.05〜5μm、好適には0.1〜2μmである。
表面保護層3が感光層2上に設けられる。表面保護層3は、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有した含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなり、表面保護層3のフッ素原子含有率は8.5〜20質量%である。表面保護層3は、植物油がキャリア液とされる液体現像剤に対する高い撥油性、耐傷性および防汚性を有しており、表面保護層3の塗膜強度は高い。従って、表面保護層3が形成された感光体の寿命は長い。
含フッ素光硬化性組成物
本発明で使用される含フッ素光硬化性組成物は、特開2005−171238号公報に記載された含フッ素光硬化性組成物を使用して形成される。以下、好ましい態様について説明する。
フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、上記一般式(1)、一般式(2)で表される末端にフッ素化アルキル基を有する官能基(A−1)と、2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−2)とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25質量%以上で分子量が500〜4000の(メタ)アクリレートである。
上記一般式(1)中のXは、下記一般式(3)
−(CH2p−Zq−(CH2r− (3)
〔式(3)中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖であり得る。
上記一般式(1)中のXは、上記一般式(2)で表される連結基〔但し、Rf1がCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕又は一上記般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕であり、且つ上記一般式(1)中のRfが、Rf1と同一又は異なるCn2n+1(nは1〜20の整数である。)であり得る。
上記一般式(1)中のXは、上記一般式(2)で表される連結基〔但し、Yが硫黄原子であり、Rf1の炭素数nが4、6又は8である。〕又は上記一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6又は8であり得る。
フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、下記一般式(4)
Rf−(CH2r−Z−H (4)
〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、RfはCn2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物又は下記一般式(5)
Figure 2008139824
〔式(5)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、RfとRf1は同一でも異なっていてもよいCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕で表される化合物(a2)とを、前記化合物(a1)1モルに対して、前記化合物(a2)を1.0〜(k−2)モル〔kは前記化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕の割合でマイケル付加反応させて得られる化合物であり得る。
化合物(a2)は、前記一般式(4)で表される化合物〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である〕又は前記一般式(5)で表される化合物(但し、Yが硫黄原子であり、Rf及びRf1中の炭素数nが4、6又は8である。)であり得る。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が下記一般式(6)
Figure 2008139824
〔式(6)中、R1は水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子、炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数1〜12のアルキロール基であり、R2は(メタ)アクリロイル基である。〕で表される化合物(a1−1)、下記一般式(7)
Figure 2008139824
(式中、R2は(メタ)アクリロイル基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)又はリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)であり得る。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が、前記一般式(6)〔但し、R1が炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−又は炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、R3が水素原子又は炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレートと脂環構造を有するイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであり得る。
本発明において、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基を総称する。フッ素化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基と、アルキル基中の一部の水素原子がフッ素原子で置換された基(例えば、HCF2CF2CF2CF2−等)との総称である。該フッ素化アルキル基中に酸素原子を含む基(例えば、CF3−(OCF2CF22−等)も本定義中に含まれる。
本発明で用いられるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、好ましくは、上記一般式(1)、一般式(2)で表される末端にフッ素化アルキル基を有する官能基(A−1)を含有する。
前記一般式(1)で表される構造は、エステル結合中のカルボニル炭素とフッ素化アルキル基との間にアルキレン鎖等が介在するため、加水分解による劣化が少なく、硬化物の性能の長期安定性に寄与する。該構造中のフッ素化アルキル基は分子の末端に存在し、架橋時に網目の一部として取り込まれず、更に表面張力低下能に大きく寄与する−CF3基を有する。このため、前記一般式(1)で示される化合物がコーティング材料として用いられた際、フッ素原子がコーティングの表面に効果的に配置され、フッ素原子由来の表面特性が効率よく発現される。
本発明で用いられるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、好ましくは、2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−2)を有する。硬化反応時の架橋点が1分子中に2個以上存在する場合、強固な三次元網目構造が形成される。
本発明で用いられるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)1分子中のフッ素原子含有率は、好ましくは25質量%以上である。フッ素原子含有率が25質量%未満である場合、十分な表面特性及び光学特性を発現させるために、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の使用量の増大、その他のフッ素原子含有率が高い反応性化合物及び/又は非反応性化合物の併用が必要となり、経済的に不利であるとともに、各成分の相溶性が十分に検討された詳細な配合比が決定されなければならなくなる。
本発明で用いられるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の好ましい分子量は500〜4000である。分子量が4000より大きい場合、架橋密度が低下し、力学特性が不足する。分子量が500より小さい場合、十分にフッ素原子が導入されない。
以上の条件を満たしたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の使用によって、フッ素原子由来の優れた表面特性及び光学特性を有し、架橋密度が高く、剛直な三次元網目構造が形成された、力学特性(機械的強度)及び耐加水分解性が高い硬化物が得られる。
フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の特に好ましいフッ素原子含有率は30〜65質量%であり、特に好ましい分子量は600〜3500である。
前記官能基(A−1)と前記2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−2)が、それぞれ独立に、同一又は異なる酸素原子を有し得る炭素原子数1〜5個のアルキレン鎖(A−3)を介して、4級炭素、シアヌレート環又はホスホリル基(A−4)に結合し、且つ、前記2個以上の(メタ)アクリロイル基中の少なくとも1個が、前記アルキレン鎖(A−3)を介して、前記官能基(A−1)が前記アルキレン鎖(A−3)を介して結合している4級炭素、シアヌレート環またはホスホリル基(A−4)に結合し、三次元網目構造が形成された場合、自由度の低い4級炭素、シアヌレート環又はホスホリル基が、架橋点同士が連結される部分に配置され、三次元網目構造が剛直になり、硬化物の力学特性が向上されるとともに、架橋点の近傍にフッ素化アルキル基が配置され、硬化物の光学特性向上される。従って、好ましいアルキレン鎖(A−3)は、炭素数1〜3のアルキレン鎖又は炭素数1〜3のオキシアルキレン鎖である。
硬化物の耐加水分解性の観点から、前記一般式(1)中の好ましいXは、下記一般式(3)
−(CH2)p−Zq−(CH2)r− (3)
〔式中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子または−NR−SO2−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0または1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖である。特に、前記一般式(1)中のXが前記一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又は−NR−SO2−(Rは水素原子または炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕、或いは、前記一般式(2)で表される連結基〔但し、Rf1が−CnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfがRf1と同一又は異なる−CnF2n+1(nは1〜20の整数である。)である化合物は、後述のマイケル付加反応によって製造可能である点から工業的生産に好適である。フッ素化アルキル基がパーフルオロアルキル基である場合、効果的にフッ素原子由来の性能が発現される。パーフルオロアルキル基以外のフッ素化アルキル基が用いられる場合は、必要に応じて配合される後述されるその他の成分とフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の相溶性が向上し、硬化物の柔軟強靭性と密着性が向上する。従って、必要とされる硬化物性能によって、フッ素化アルキル基の構造と種類が選択される。
前記一般式(3)中のZがNR(Rは水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子または−NR−SO2−(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)である、或いは前記一般式(2)中のYが硫黄原子であり、Rf1の炭素数nが4、6または8であり、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6または8である化合物が用いられる場合、表面特性、光学特性、力学特性が特に優れた硬化物が得られる。前記一般式(1)中の好ましいRは、原料の工業的入手容易性及びマイケル付加反応による製造可能性の観点から、水素原子又はメチル基である。
本発明で用いられるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の具体例は、下記一般式(I)〜(X)で表される化合物である。
Figure 2008139824
〔式(I)〜 (III)中、R1は水酸基、炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、又は炭素数1〜3のアルキロール基であり、R2は(メタ)アクリロイル基であり、mとnは同一でも異なっていても良い1〜4の整数であり、tは4、6または8であり、iは1または2であり、jは2または3であり、且つi+j=4である。〕
Figure 2008139824
〔式 (IV) 中、R1、R2は式(I)〜(III)中のそれと同じであり、R4は(メタ)アクリロイル基にHS(CH22t2t+1、またはHN(C37)(CH22t2t+1(式中tは4、6又は8を示す。)がマイケル付加した基である。〕
Figure 2008139824
〔式 (V)中、R2、R4は式(I) 〜(IV)中のそれと同じであり、mは1又は2であり、nは2又は3であり、且つm+n=4である。〕
Figure 2008139824
〔式(VI) 中、R2、R4は式(I) 〜(IV)中のそれと同じであり、pは1〜4の整数であり、qは2〜5の整数であり、rは0〜3の整数であり、且つp+q+r=6である。〕
Figure 2008139824
〔式 (VII)、(VIII)中、R2、R4は式(I) 〜(IV)中のそれと同じであり、wは1〜4の整数であり、w’は2〜5の整数であり、且つw+w’=6であり、yは1〜8の整数であり、y’は2〜9の整数であり、且つy+y’=10である。〕
Figure 2008139824
〔式(IX)中、R2、R4は式(I) 〜(IV)中のそれと同じである。〕
Figure 2008139824
〔式(X) 中、R2、R4は式(I) 〜(IV)中のそれと同じである。〕
前記フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の具体例は、下記の化合物である。なお、下記具体例はいずれもアクリレートであり、式中のアクリロイル基は何れもメタクリロイル基に変更可能である。更に、下記具体例は、前記一般式(1)中のRが水素原子の場合のみを記載しており、カルボニル炭素に結合するメチレン基中の水素原子の1つは何れもメチル基に変更可能である。
Figure 2008139824
Figure 2008139824
Figure 2008139824
Figure 2008139824
Figure 2008139824
フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の製造方法は、特に限定されない。当該製造方法の具体例は、3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物(a1)とフッ素化アルキル基と活性水素とを有する化合物とのマイケル付加反応、フッ素化アルキル基を有するアルキルカルボン酸と多価アルコールと(メタ)アクリル酸を含む原料に、ハイドロキノン等の重合禁止剤が添加され、塩酸、硫酸等の酸触媒の存在下で、80〜120℃で、縮合反応により生成された水分が除去されながら3〜10時間反応させる方法である。
特に、マイケル付加反応は、余分な化合物を副生させず、後述されように温和な条件下で進行すると共に、分子中のフッ素原子含有率と(メタ)アクリロイル基の官能基数が容易に調整され、本発明の含フッ素光硬化性組成物に用いるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートを得る好ましい方法である。
以下、マイケル付加反応によるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの合成方法が詳述される。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)は、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有していれば特に制限されず、適宜選択される。好ましい当該加工物(a1)は、原料の入手容易性、温和な条件での速やかな反応の進行の観点から、下記一般式(6)
Figure 2008139824
〔式中、R1は水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子もしくは炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基または炭素数1〜12のアルキロール基であり、R2は(メタ)アクリロイル基である。〕で表される化合物(a1−1)、下記一般式(7)
Figure 2008139824
(式中、R2は(メタ)アクリロイル基であり、R3は、水素原子または炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)またはリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)である。
特に好ましい化合物は、前記一般式(6)〔但し、R1が炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、もしくは炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、R3が水素原子若しくは炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)と脂環構造を有するイソシアネート化合物(x2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物(a1)の具体例は、以下の如き化合物である。
3官能の(メタ)アクリレートの具体例は、エチレンオキシド(EO)変性グリセロールアクリレート(例えば、第一工業製薬(株)製ニューフロンティアGE3A)、プロピレンオキシド(PO)変性グリセロールトリアクリレート(例えば、荒川化学(株)製ビームセット720)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(例えば、第一工業製薬(株)製ニューフロンティアPET−3等)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMTPA)(例えば、第一工業製薬(株)製ニューフロンティアTMTP)、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、ダイセルUCB(株)製Ebecryl2047)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、日本化薬(株)製カヤラッドTHE―330)、(EO)或いは(PO)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、大日本インキ化学工業(株)製LUMICUREETA−300、第一工業製薬(株)製ニューフロンティアTMP−3P)、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート(例えば、日本化薬(株)製カヤラッドD−330)、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(例えば、日立化成(株)製ファンクリルFA−731A)、EO変性リン酸トリアクリレート(例えば、大阪有機化学(株)製ビスコート3A)である。
4官能の(メタ)アクリレートの具体例は、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)(例えば、大日本インキ化学工業(株)製LUMICUREDTA−400)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート(例えば、三菱レーヨン(株)製ダイヤビームUK−4154)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(例えば、新中村化学(株)製NKエステルA−TMMT)である。
5官能または6官能(メタ)アクリレートの具体例は、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート(例えば、化薬サートマー(株)製SR−399E)、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(例えば、日本化薬(株)製カヤラッドD−310)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(例えば、大日本インキ化学工業(株)製DAP−600)、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレートベース・多官能モノマー混合物(例えば、大日本インキ化学工業(株)製LUMICUREDPA−620)である。
これらは、単独で使用され得、(メタ)アクリロイル基数以外の構造を含む異なる複数の化合物と共に使用され得る。一般に市販されている前記化合物は、主成分となる目的化合物に対して(メタ)アクリロイル基数の異なる化合物が混合されている。使用に際しては、各種クロマトグラフィー、抽出等の精製方法で目的とする(メタ)アクリロイル基数の化合物が取り出され得るし、混合物が使用され得る。
本発明で用いられる前記化合物(a1)は、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)であり得る。前記ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)の製造方法は何ら制限されない。当該製造方法の具体例は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)とイソシアネート化合物との重付加反応である。当該反応は、無触媒で行われ得るが、反応効率の観点から、ウレタン化触媒等の反応助剤が使用され得る。前記ウレタン化触媒の具体例は、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。前記ウレタン化触媒の好ましい使用量は、原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)とイソシアネート化合物(x2)との総重量に対して0.01〜10質量%である。
水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)の具体例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート(例えば、日本油脂(株)製ブレンマーGAM)である。
イソシアネート化合物として、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物の何れもが用い得る。イソシアネート化合物の具体例は、トルエンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、アダマンチルジイソシアネートである。得られる硬化物のガラス転移温度の高さ、硬化物の耐擦傷性の観点から、好ましいイソシアネート化合物は、脂環構造を有するイソシアネート化合物である。脂環構造を有するイソシアネート化合物の具体例は、ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、アダマンチルジイソシアネートである。好ましいウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)と脂環構造を有するイソシアネート化合物(x2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。
次に、フッ素化アルキル基と活性水素とを有する化合物について説明する。
好ましい当該化合物は、原料の工業的入手の容易性、マイケル付加反応の容易性の点から、下記一般式(4)
Rf−(CH2)r−Z−H (4)
〔式中、rは0〜20の整数であり、Rfは−Cn2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子、又は−SO2−NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物、又は下記一般式(5)
Figure 2008139824
〔式中、Yは酸素原子、又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、RfとRf1は同一でも異なっていてもよい−Cn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕で表される化合物(a2)である。より温和な反応条件、得られる硬化物の物性の点から、前記一般式(4)中のZは、好ましくは、水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基を有する窒素原子、硫黄原子または−SO2−NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)である。Rf中の炭素数nは、好ましくは4、6又は8であるる。前記一般式(5)中のYは、好ましくは硫黄原子であり、Rf及びRf1中の炭素数nは、好ましくは4、6または8である。
一般式(4)または一般式(5)で表わされる含フッ素化合物が用いられて製造されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、必要に応じて併用されるその他の成分との相溶性、得られる硬化物の透明性とフッ素原子に由来する表面特性、光学特性の両立の観点から有利である。
一般式(4)で表わされる含フッ素化合物の具体例は、以下の化合物である。これらは単独でも、2種以上が混合されても使用され得る。
49 SO2 N(CH3 )H (a2−1)
49 SO2 N(C37 )H (a2−2)
49 CH2 CH2 N(C817)H (a2−3)
49 CH2 CH2 SH (a2−4)
613CH2 CH2 SO2 N(C817)H (a2−5)
613CH2 CH2 SH (a2−6)
613CH2 CH2 N(C49 )H (a2−7)
817CH2 CH2 SH (a2−8)
817CH2 N(C37 )H (a2−9)
919CH2 CH2 SH (a2−10)
1021CH2 CH2 CH2 N(C37 )H (a2−11)
1225CH2 CH2 SH (a2−12)
一般式(5)で表される含フッ素化合物の製造方法の具体例は、2−ヒドロキシコハク酸(以下、リンゴ酸と記す。)、2−メルカプトコハク酸(以下、チオリンゴ酸と記す。)にフッ素化アルキル基含有アルコールまたはフッ素化アルキル基含有メルカプタンを反応させてジエステル体とする方法である。一般式(5)で表される含フッ素化合物の具体例は、下記の化合物である。
Figure 2008139824
化合物(a1)と化合物(a2)との仕込み比は、得られる光硬化性組成物の目的とする物性により適宜調整される。当該仕込み比は、マイケル付加反応後に(メタ)アクリロイル基が2個以上残存する仕込み比であれば、なんら制限されない。化合物(a1)1モルに対する化合物(a2)の仕込み比は、得られる硬化物の表面特性、光学特性等のフッ素原子由来の効果が効率よく発現されるため、好ましくは[0.01〜(k−2)〔kは化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕]モルであり、更に好ましくは[0.1〜(k−2)]モルであり、特に好ましくは[1.0〜(k−2)]モルである。
化合物(a1)と化合物(a2)は、通常のマイケル付加反応に付される。フッ素原子含有に対する特別の配慮は特に必要ではなく、反応は無溶媒でも溶媒存在下でも実施される。溶媒は、化合物(a1)及び化合物(a2)の溶解性、沸点、使用される設備の観点から、適宜選択される。溶媒の具体例は、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKと略記する。)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略記する。)等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性化合物;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素類である。これらの化合物は、単独でも使用され得るし、2種以上混合されても使用され得る。好ましい溶媒は、エステル類、芳香族系炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エーテル類、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシドであり、特に好ましい溶媒は、エステル類、ケトン類、アルコール類、エーテル類である。
上記反応は、無触媒で行い得る。しかし、反応効率の面から、適宜、触媒等の反応助剤が使用される。反応助剤の具体例は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラート類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化リチウム等の金属水素化物類;ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラアンモニウムフルオライド等のアンモニウム塩;過酢酸等の過酸化物である。好ましい反応助剤は、金属アルコラート類、アミン類、アンモニウム塩であり、特に好ましい反応助剤はアミン類である。反応助剤の使用量は、特に制限されない。化合物(a1)1モルに対して使用される反応助剤の好ましい使用量は0.01〜50モル%であり、更に好ましい使用量は0.1〜20モル%である。
化合物(a1)及び化合物(a2)の種類により、熱が反応活性化エネルギー源として使用される。反応温度は0℃〜還流温度であり、好ましい反応温度は20〜100℃であり、特に好ましい反応温度は20〜70℃である。溶媒が反応時に使用される場合、溶質濃度は2〜90質量%であり、好ましい溶質濃度は20〜80質量%である。反応資材の投入順序は特に制限されない。得られた生成物は、抽出、カラムクロマトグラフィー等で精製され得るが、そのまま使用されてもよい。(メタ)アクリロイル基数が多い化合物(a1)が用いられた場合、化合物(a2)が付加される場所の制御は困難であり、付加された場所が異なる種々の化合物からなる混合物からなるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが得られる。この場合、単離・精製によって単一物質が取り出される必要はなく、マイケル付加反応の位置が異なる種々の化合物からなる混合物が使用される。
本発明で用いられるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、化合物(a1)と化合物(a2)とのマイケル付加反応により製造される。上記マイケル付加反応は、強酸触媒が必要とされる縮合反応より簡便且つ穏和な条件下で実施される。フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、市販品として入手され得るし、合成が容易である様々な多官能(メタ)アクリレートが出発原料とされて製造され得る。従って、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)を含有する光硬化性組成物の要求特性に応じて、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の構造、1分子中のフッ素原子含有率、(メタ)アクリロイル基数は適宜調整され得る。
本発明で用いる光重合開始剤(B)の具体例は、
B−1:ベンゾフェノン
B−2:アセトフェノン
B−3:ベンゾイン
B−4:ベンゾインエチルエーテル
B−5:ベンゾインイソブチルエーテル
B−6:ベンゾインジメチルケタール
B−7:アゾビスイソブチロニトリル
B−8:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
B−9:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
である。必要に応じてアミン化合物、リン化合物などの光増感剤が添加され、重合がより迅速化され得る。B−1〜B−9は、単独でも使用され、B−1〜B−9の2種類以上が同時に併用されてもよい。
2種類以上の開始剤が、光源の種類、目的とされる硬化速度、硬化雰囲気、硬化構造により、併用され得る。
光硬化性組成物中に占める光重合開始剤(B)の好適な割合は、0.01〜10質量%であり、より好ましい割合は0.1〜7質量%である。
他の化合物が、要求される性能に応じて含フッ素光硬化性組成物に配合され得る。この場合、フッ素原子由来の性能である光学特性及び表面特性が発揮されながら、他の機能も付与される。
併用される好ましい他の化合物は、得られる硬化物の高ガラス転移点(耐熱性)、強度等の力学特性と経済性の観点から、非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)である。
非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)は、分子中にフッ素原子を含まずに、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基を含む化合物である。非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)の具体例は、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イシステアリル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アロニックスM−5700(東亞合成工業(株)製)、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングルコール(メタ)アクリレート、AR−200、MR−260、AR−200、AR−204、AR−208、MR−200、MR−204、MR−208(以上、大八化学(株)製)、ビスコート2000、ビスコート2308(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ライトエステルHOA−MS、ライトエステルHOMS(以上、共栄社化学(株)製)、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、FANCRYLFA−512A、FANCRYLFA−512M(以上、日立化成工業(株)製)である。これらの化合物は単独でも使用され得、2種以上の混合物も使用され得る。
好ましい化合物は、光硬化性組成物中の他の成分との相溶性が高く、且つ得られる硬化物の透明性、透光性を向上させる、エステル部置換基が環状構造を有する以下の化合物である。
C−1:ベンジル(メタ)アクリレート
C−2:シクロヘキシル(メタ)アクリレート
C−3:ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート
C−4:ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
C−5:イソボルニル(メタ)アクリレート
C−6:メトキシ化シクロデカリン(メタ)アクリレート
C−7:フェニル(メタ)アクリレート
C−8:FANCRYLFA−512A(日立化成工業株式会社製ジシクロペンテニルアクリレート)
C−9:FANCRYLFA−512M(日立化成工業株式会社製ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート)
C−10:アダマンチル(メタ)アクリレート
C−11:ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート
更に、非フッ素多官能性モノマー(D)も併用され得る。非フッ素多官能性モノマー(D)は、分子中にフッ素原子を含有せずに、2個以上の光重合性官能基を持つ化合物である。好ましい非フッ素多官能性モノマー(D)の具体例は、光硬化性組成物中の他の成分との相溶性と、得られる硬化物の透光性の点から、(メタ)アクリロイル基を含有する以下の化合物である。
D−1:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−2:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−3:トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−4:ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(数平均分子量:150〜1000)
D−5:プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−6:ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−7:トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−8:ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(数平均分子量:150〜1000)
D−9:ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
D−10:1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート
D−11:1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート
D−12:1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
D−13:ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
Figure 2008139824
D−16:ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
D−17:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
D−18:ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
D−19:ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
D−20:ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
D−21:トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート
D−22:ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート
D−23:ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
更に、上記以外の非フッ素多官能性モノマー(D)の具体例は、ネオマーNA−305、ネオマーBA−601、ネオマーTA−505、ネオマーTA−401、ネオマーPHA−405X、ネオマーTA705X、ネオマーEA400X、ネオマーEE401X、ネオマーEP405X、ネオマーHB601X、ネオマーHB605X(以上、三洋化成工業(株)製)、KAYARADHY−220、KAYARADHX−620、KAYARADD−310、KAYARADD−320、KAYARADD−330、KAYARADDPHA、KAYARADDPCA−20、KAYARADDPCA−30、KAYARADDPCA−60、KAYARADDPCA−120(以上、日本化薬(株)製)である。
1種又は2種以上の非フッ素多官能性モノマー(D)が使用され得る。
フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)以外の含フッ素(メタ)アクリレート(E)が、本発明の効果を損なわない範囲で本発明の光硬化性組成物に含有される。含フッ素(メタ)アクリレート(E)の具体例は、以下のとおりである。
E−1:CH2=CHCOOCH2CH2817
E−2:CH2=C(CH3)COOCH2CH2817
E−3:CH2=CHCOOCH2CH21225
E−4:CH2=C(CH3)COOCH2CH21225
E−5:CH2=CHCOOCH2CH21021
E−6:CH2=C(CH3)COOCH2CH21021
E−7:CH2=CHCOOCH2CH2613
E−8:CH2=C(CH3)COOCH2CH2613
E−9:CH2=CHCOOCH2CH249
E−10:CH2=CFCOOCH2CH2613
E−11:CH2=C(CH3)COOCH2CH22041
E−12:CH2=C(CH3)COOCH2CH2C4F9
E−13:CH2=C(CF3)COO(CH261021
E−14:CH2=C(CH3)COOCH2CF3
E−15:CH2=CHCOOCH2CF3
E−16:CH2=CHCOOCH2817
E−17:CH2=C(CH3)COOCH2817
E−18:CH2=C(CH3)COOCH22041
E−19:CH2=CHCOOCH22041
E−20:CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF32
E−21:CH2=C(CH3)COOCH2CFHCF3
E−22:CH2=CFCOOCH225
E−23:CH2=CHCOOCH2(CH26CF(CF32
E−24:CH2=C(CH3)COOCH2CF2CFHCF3
E−25:CH2=C(CH3)COOCH(C25)C1021
E−26:CH2=CHCOOCH2(CF22
E−27:CH2=C(CH3)COOCH2(CF22
E−28:CH2=CHCOOCH2(CF24
E−29:CH2=CHCOOCH2CF3
E−30:CH2=C(CH3)COO(CF24
E−31:CH2=CHCOOCH2(CF26
E−32:CH2=C(CH3)COOCH2(CF26
E−33:CH2=CHCOOCH2(CF28
E−34:CH2=C(CH3)COOCH2(CF28
E−35:CH2=CHCOOCH2(CF210
E−36:CH2=CHCOOCH2(CF212
E−37:CH2=CHCOOCH2(CF214
E−38:CH2=CHCOOCH2(CF218
E−39:CH2=CHCOOC(CH32(CF24
E−40:CH2=CHCOOCH2CH2(CF27
E−41:CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF27
E−42:CH2=C(CH3)COOC(CH32(CF26
E−43:CH2=CHCOOCH(CF3)C817
E−44:CH2=CHCOOCH225
E−45:CH2=CHCOO(CH22(CF28CF(CF32
含フッ素(メタ)アクリレート(E)は、得られる硬化物の屈折率を低下させる。次に述べるフッ素系重合体(F)が導入された場合、硬化物の透光性を低下させることなく、含フッ素光硬化性組成物の目的とされる塗布性及び成形作業性が得られる配合物粘度が容易に調整される。
フッ素系重合体(F)が、含フッ素光硬化性組成物の透明性の維持及び得られる硬化物の低屈折率性と機械的強度の向上のため、使用され得る。フッ素系重合体(F)の具体例は、含フッ素(メタ)アクリレート(E)の単独重合体、含フッ素(メタ)アクリレート(E)と1種類または2種類以上の非フッ素(メタ)アクリレート(C)とから成る共重合体である。
重合体(F)の製造方法は何ら制限されない。重合体(F)は、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更にエマルジョン重合法等によって、熱、光、電子線、放射線等の重合開始エネルギーが照射されて製造される。工業的に好ましい製造方法は、熱及び/または光が開始エネルギーとされるラジカル重合法である。
重合開始エネルギーが熱である場合、種々の熱重合開始剤が制限なく使用され得る。熱重合開始剤の具体例は、過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物;Mn(acac)3等の金属キレート化合物である。紫外線等の光が利用される場合、光重合開始剤(例えば前述のB−1〜B−9に示す化合物)が用いられる。必要に応じたアミン化合物、リン化合物等の光増感剤の添加により、重合が迅速化される。電子線または放射線によって重合体を得る場合、重合開始剤の添加は必要とされない。
ラジカル重合が行される場合、必要に応じて種々の連鎖移動剤が併用され、分子量が調整される。連鎖移動剤の具体例は、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコール酸、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
溶液重合が行される場合、溶剤は特に制限されない。溶剤の具体例は、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類;アセトン、MEK、MIBK、メチルアミルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類;プロピレングリコ−ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類;1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類;パーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類である。
フッ素系重合体(F)が共重合体である場合、モノマーの組み合わせにより、ブロック、交互、ランダムのシークエンスが決定される。更に、重合機構、開始剤、連鎖移動剤等の選択により、シークエンスが制御される。1種類又は2種類以上の単独重合体及び/又は共重合体が使用される。
フッ素系重合体(F)の分子量、分子量分布は特に制限されない。重合体(F)の分子量は2,000〜3,000,000であり、好ましい分子量は5,000〜2,000,000である。分子量の異なる2種類以上の重合体が、粘度、作業性、力学特性発現等の観点から組成物中に配合され得る。
フッ素系重合体(F)は、フッ素樹脂微粒子の形で組成物中に配合され得る。フッ素系重合体(F)は、組成物の撥油性を向上させ、耐久性に優れる撥油機能を発現する。
フッ素樹脂微粒子を構成するフッ素樹脂の具体例は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である。フッ素樹脂微粒子の粒径は0.01〜10μmであり、好ましい粒径は0.05〜2.0μmである。1種2種以上のフッ素樹脂微粒子が使用され得る。
フッ素樹脂微粒子は感光層における光感度を若干低下させる傾向にあるので、その含有量は表面保護層中10質量%以下、好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
含フッ素光硬化性組成物は、固形分濃度4質量%〜60質量%となるようにメチルセルソルブ等の有機溶剤により希釈されて塗布液とされた後、感光体ドラム等の導電性支持体上に浸漬塗工、リング塗工及び/又はスプレー塗工される。
本発明で使用される含フッ素光硬化性組成物は、導電性支持体上に層形成された後、光照射により重合硬化され、所望の硬化物層とされる。場合によっては、熱がエネルギー源として併用され得る。この時はアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドナフテン酸コバルトなどの重合開始剤が使用され得る。
光重合硬化時の光源は、特に制限されない。光源の具体例は、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀ランプ、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光を光源とする紫外線、走査型またはカーテン型電子加速器である。
紫外線の照射量は100mJ/cm2 〜500mJ/cm2であり 、紫外線の好ましい照射量は140mJ/cm2 〜350mJ/cm2 である。紫外線の照射時間は10秒〜60秒であり、紫外線の好ましい照射時間は15秒〜40秒である。
有機感光体の表面保護層の膜厚は0.1μm〜3μmであり、有機感光体の表面保護層の好ましい膜厚は0.15μm〜2.5μmである。当該膜厚が0.1μmより薄いと、有機感光体の撥油性機能が低下し、当該膜圧が3μmを越えると有機感光体の光減衰残留電位が高くなる。無機感光体の表面保護層の膜厚は0.2μm〜1.5μmである。
本発明で使用される含フッ素光硬化性組成物は、光硬化により、低屈折率、透明性等の光学特性と寸法安定性・強度などの力学特性、更にフッ素原子由来の表面特性を兼備し、加水分解といった化学的劣化を受け難く、耐湿熱性も良好であり、長期での前記性能を安定維持できる硬化物となる。
表面保護層におけるフッ素原子含有率は8.5質量%〜20質量%となるようには調整される。表面保護層におけるフッ素含有率が8.5質量%未満であると、表面保護層の強度が不足すると共に植物油に対する接触角が高くならない。
本発明の感光体の表面保護層の表面強度は高い。更に、表面保護層上の大豆油の接触角は60°〜90°とされ、非画像部へのキャリア液の付着が少ない。当該感光体が組み込まれた画像形成装置のクリーニングトナー量は少ない。
表面保護層の表面抵抗率は、25℃で1×1013Ω・cm〜5.0×1015Ω・cmである。
本発明で使用される液体現像剤は、植物油がキャリア液とされ、塩基性処理顔料、酸性高分子分散剤等が分散させられた、正帯電性液体現像剤である。
キャリア液として使用可能な植物油の具体例は、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、とうもろこし油、綿実油、菜種油、紅花油、あまに油である。
着色剤である無機顔料の具体例は、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、プリンテックスG、プリンテックスV、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(デグサ社製)、三菱#44、#30、MA−11、MA−100(三菱カーボン社製)、ラーベン30、ラーベン40、コンダクテックスSC(コロンビアカーボン社製)、リーガル400、660、800、ブラックパールL(キャボット社製)である。更に、無機顔料の他の具体例は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素等の無機白色顔料である。
有機顔料の具体例は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、パーマネントレッド4R、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、チオインジゴレッドである。
上記顔料が、メチルエチルケトン、水、オレイン酸の存在下で、下記樹脂と塩基性高分子分散剤とにより処理されて、塩基性処理顔料が得られる。塩基性高分子分散剤の具体例は、味の素ファインテクノ(株)製アジスパーPB−822、川研ファインケミカル(株)製ヒノアクト7000、AVECIA(株)製SOLSPER32000である。顔料処理に使用される樹脂の具体例は、ポリエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、エチレン・メタクリル酸共重合体またはエチレン・アクリル酸エステル共重合体である。上記樹脂の1種もしくは2種以上が使用される。
塩基性処理顔料は、液体現像剤に対して8〜50質量%、好ましくは10〜40質量%の割合で含有される。
塩基性処理顔料の作製に使用されるオレイン酸は、室温で液状の高級不飽和脂肪酸であり、液体現像剤の粘度調整剤、電荷制御剤、処理顔料調製の溶媒として使用される。オレイン酸は、液体現像剤に対して5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%の割合で含有される。
酸性高分子分散剤が、塩基性顔料の液体現像剤中での分散性の向上のため、添加される。酸性高分子分散剤の具体例は、味の素ファインテクノ(株)製アジスパーPA111、川研ファインケミカル(株)製KF−10000、アルファ化研(株)製アルファレジンSA−300である。酸性高分子分散剤は、液体現像剤に対して0.1〜1質量%、好ましくは0.2〜0.5質量%の割合で含有される。
本発明の液体現像剤は、必要に応じて電荷制御剤を含有し得る。荷電制御剤の具体例は、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラメトキシチタン、チタニルアセチルアセテート等のチタンキレート;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシジルメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等のチタネートカップリング剤である。
本発明で使用される液体現像剤は、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤を含有し得る。
本発明で使用される液体現像剤は、キャリア液中に塩基性処理顔料、酸性高分子分散剤等の原料が、アトライター、サンドミル、ボールミル、振動ミル等の分散機で分散される。本発明で使用される液体現像剤中の着色微粒子の好ましい一次粒子径は、個数平均粒径として1μm以下である。
本発明で使用される液体現像剤のトナー濃度は5〜40質量%であり、液体現像剤の粘度(25℃)は50mPa・s〜1000mPa・s、である。液体現像剤の電気抵抗は25℃で1×1010Ω・cm〜5×1014Ω・cmである。本発明で使用される液体現像剤は、高濃度、高粘度で、かつ、室温では不揮発性である。
図2は、本発明の感光体が組み込まれた感光体カートリッジの1実施形態を示す図である。
感光体カートリッジの画像形成部10には、帯電装置12、現像装置20、感光体スクイーズ装置15、像担持体クリーニング装置の一例としての感光体ドラムクリーニングブレード14が、像担持体の一例としての感光体ドラム11の外周の回転方向に沿って、配置されている。中間転写部40が、感光体スクイーズ装置15と感光体ドラムクリーニングブレード14の間に配置されている。
現像装置20では、現像部材クリーニン装置の一例としての現像ローラクリーニングブレード22、現像剤供給装置30が、現像部材の一例としての現像ローラ21の外周に配置されている。
現像剤供給装置30は、液体現像剤容器31、撹拌装置の一例としての撹拌スクリュー32、現像剤供給部材の一例としてのアニロクスローラ33、規制部材の一例としての規制ブレード34を有している。液体現像剤、攪拌スクリュー32、アニロクスローラ33、規制ブレード34が、液体現像剤容器31の中に収容されている。感光体ドラム11と対向する中間転写部40の位置には、一次転写部50の一次転写ローラ51が、中間転写体の一例としての中間転写ベルト41を介して配置されている。
感光体ドラム11の幅は、現像ローラ21の幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる。感光体ドラム11は、図示されない駆動手段により、図2では時計回りの方向に回転される。
帯電装置12は、感光体ドラム11と現像ローラ21とのニップ部より感光体ドラム11の回転方向の上流側に配置され、感光体ドラム11をコロナ放電によって暗中にて約600Vに一様に帯電させる。帯電装置12の具体例は、コロナ放電帯電装置、感光体ドラム11に接触せしめた帯電ローラに所定の帯電バイアスを印可する方式の帯電装置である。
感光体ドラムクリーニングブレード14は感光体ドラム11の表面に当接し、一次転写部を通過した後の感光体ドラム11の主にキャリア液からなる残留現像剤を掻き取り除去し、感光体ドラム11の表面を初期化する。
現像装置20では、現像ローラ21、現像ローラクリーニングブレード22及び現像剤供給装置30が配設されている。現像剤供給装置30は、液体現像剤容器31、撹拌スクリュー32、アニロクスローラ33及び規制ブレード34を有している。液体現像剤、攪拌スクリュー32、アニロクスローラ33及び規制ブレード34は、液体現像剤容器31の中に収容されている。
攪拌スクリュー32は、タンク内の液体現像剤中に浸るように配設され、図示されない駆動手段によって回転駆動せしめられる。現像装置20が現像動作に入ると、撹拌スクリュー32が回転し、現像剤容器31内の液体現像剤が攪拌せしめられる。そして、液体現像剤のトナー濃度と粘度が均一化される。
アニロクスローラ33は、円筒状の部材であり、感光体ドラム11の回転方向と同じ方向に回転する。液体現像剤がアニロクスローラ33の表面に担持され易いように、微細且つ一様に螺旋状の溝による凹凸面がアニロクスローラ33の表面に形成されている。溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmである。液体現像剤が、アニロクスローラ33により、現像剤容器31から現像ローラ21へと供給される。
規制ブレード34は、りん青銅等のばね材の先端にゴム片を貼り付けたブレードやステンレス等の金属で形成されている。規制ブレード34は、回転するアニロクスローラ33に当接し、アニロクスローラ33上の液体現像剤を掻き取る。そして、アニロクスローラ33上の液体現像剤の量が、複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量され、現像ローラ21に供給される液体現像剤の量が調整される。アニロクスローラ33の回転方向は、感光体ドラム11の回転方向の逆の方向であっても良く、その際の規制ブレード34は、回転方向に対応して配置される。
現像ローラ21は、円筒状の部材であり、感光体ドラム11の回転方向の逆の方向に回転する。ウレタンゴム等からなる導電性弾性層が現像ローラ21の外周部に設けられている。現像ローラ21は、アニロクスローラ33から供給された液体現像剤により感光体ドラム11上の静電潜像を現像する。
現像ローラクリーニングブレード22は、金属又はゴムで構成されている。現像ローラクリーニングブレード22は、現像ローラ21が感光体ドラム11と当接する現像ニップ部より現像ローラ21の回転方向の下流側に配置され、現像ローラ21に残存する液体現像剤を掻き落として除去する。除去された液体現像剤は、帰還部を経由して現像剤容器31に貯留される。本実施形態では、現像ローラクリーニングブレード22が現像部材クリーニング装置として例示されているが、現像部材クリーニング装置は、ローラであり得る。
感光体スクイーズ装置15は、スクイーズローラ16及びスクイーズローラクリーナ17を有している。スクイーズローラ16は、感光体ドラム11と現像ローラ21との当接部(ニップ部)より感光体ドラム11の回転方向下流側に設置されている。そして、スクイーズローラ16は、感光体ドラム11と逆方向に回転され、感光体ドラム11上のトナーと分離したキャリア液を除去する。
好適なスクイーズローラ16は、金属製芯金の表面に導電性ウレタンゴム等の弾性部材とフッ素樹脂製表層が配された弾性ローラである。スクイーズローラクリーナ17は、ゴム等の弾性体からなり、スクイーズローラ16の表面に当接され、スクイーズローラ16に残留するキャリア液を掻き落として除去する。本実施形態では、スクイーズローラクリーナ17がスクイーズローラクリーニング装置として例示されているが、スクイーズローラクリーニング装置は、ローラであり得る。
一次転写部50では、一次転写ローラ51と感光体ドラム11が、中間転写ベルト41を挟んで対向配置されている。感光体ドラム11と中間転写ベルト41の当接位置が一次転写位置とされ、現像された感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト41上に転写され、トナー像が形成される。
図3は、本発明の感光体カートリッジが組み込まれた画像形成装置の1実施形態であるタンデムプリンタを示す図である。当該タンデムプリンタでは、図2に示される画像形成部10及び現像装置20が4つ並べられており、画像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤により形成される。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kにおいては、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kが、帯電装置12Y,12M,12C,12Kにより一様に帯電させられる。入力された画像信号に基づいて変調されたレーザ光が、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等の光学系を有する露光装置13Y,13M,13C,13Kからの露光Lにより照射される。そして、静電潜像が、帯電された感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成される。
現像装置20Y,20M,20C,20Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤により感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成された静電潜像を現像する。
まず、現像装置20Y、20M、20C、20Kが現像動作に入ると、撹拌スクリュー32Y,32M,32C,32Kが回転し、現像剤容器31Y,31M,31C,31K内の液体現像剤が攪拌せしめられ、液体現像剤のトナー濃度と粘度が均一化される。
次に、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kは、図示されない駆動手段によって回転駆動させられ、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kに付着した液体現像剤が汲み上げられる。規制ブレード34Y,34M,34C,34Kは、回転するアニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kに当接し、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33K上の液体現像剤が掻き取られ、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33K上の液体現像剤の量が、複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。規制ブレード34Y,34M,34C,34Kにより掻き取られた液体現像剤は、重力によって現像剤容器31Y,31M,31C,31Kに落下し、規制ブレード34Y,34M,34C,34Kにより掻き取られなかった液体現像剤は、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kの表面の凹凸の溝内に収容され、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに圧接され、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面に塗布される。
現像ローラ21Y,21M,21C,21Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kと等速に回転しながら、これに接触して現像ニップを形成している。この現像ニップには、図示されない電源からトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加され、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kとの電位差によって現像電界が形成される。具体的には、現像ニップでは、現像ローラ21Y,21M,21C,21K、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部及び静電潜像が、それぞれトナーと同極性の電位を帯び、その値が感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部、現像ローラ21Y,21M,21C,21K、静電潜像の順に低くなっている。
このため、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部と現像ローラ21Y,21M,21C,21Kとの間では、トナーが、より低い電位を有する現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに向けて静電的に移動されるような電界が形成される。現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像との間では、トナーが、より低い電位を有する感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像に向けて移動されるような電界が形成される。
上記される現像電界が形成される現像ニップでは、上記現像剤薄層中のトナーが、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部との間で、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面に向けて電気泳動されて集結させられるとともに、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像との間で、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像に向けて電気泳動され、トナーが感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kに付着する。そして、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
現像ニップを通過した後の現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの残留液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレード22Y,22M,22C,22Kの現像ローラ21Y,21M,21C,21K表面への当接により、掻き取り除去される。そして、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面は初期化される。除去された残留現像剤は、帰還部を経由して現像剤容器31Y,31M,31C,31Kに戻る。
スクイーズローラ16Y,16M,16C,16Kは、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kと逆方向に回転され、感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上のトナーと分離したキャリア液を除去する。
スクイーズローラクリーナ17Y,17M,17C,17Kは、スクイーズローラ16Y,16M,16C,16Kの表面に当接され、スクイーズローラ16Y,16M,16C,16K上のキャリア液を掻き落として除去する。
次に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kとが中間転写ベルト41を挟んで対向配置される一次転写部50Y,50M,50C,50Kにおいて、トナーの帯電特性と逆極性が、一次転写ローラ51Y,51M,51C,51Kに印加される。そして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kとの当接位置が一次転写位置とされ、トナーは、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上から中間転写ベルト41に一次転写され、各色の顕像トナー像の中間転写ベルト41への一次転写が順次重ねて行われ、フルカラーのトナー像が形成される。
キャリア液のみが、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kに残る。一次転写後の、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上のキャリア液は、一次転写部50Y,50M,50C,50Kより感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの回転方向の下流側において、感光体ドラムクリーニングブレード14Y,14M,14C,14Kにより掻き取られる。
一次転写部50Y,50M,50C,50Kで中間転写ベルト41上に一次転写されたトナー画像は、二次転写ユニット60へと進み、中間転写ベルト41を介した駆動ローラ42と二次転写ローラ61とのニップ部に進入する。二次転写ユニット60において、二次転写ローラ61と駆動ローラ42は、逆極性に印加されており、中間転写ベルト41上に形成された単色又はフルカラーのトナー像は、記録媒体搬送部70において、搬送される用紙、フィルム、布等の転写材としての記録媒体Pに転写される。
二次転写ユニット60では、記録媒体Pが、中間転写ベルト41上に色重ねされたトナー画像が二次転写部位に到達するタイミングに合せて供給され、該トナー画像が記録媒体Pに二次転写される。ジャムなどの記録媒体Pの供給トラブルが発生した場合、トナー画像が、記録媒体Pが介在しない状態で二次転写ローラ61に接して転写され、記録媒体Pの裏面汚れが引き起こされる。
二次転写ローラ61は、繊維質などによって表面が平滑でない記録媒体Pの表面に倣って二次転写が起きるように、表面に弾性体が被覆された弾性ローラで構成される。二次転写ローラクリーニングブレード62は、二次転写ローラ61に転写された液体現像剤(キャリア液内に分散したトナー)を除去する手段であり、二次転写ローラ61から液体現像剤を回収する。プールされた液体現像剤は、混色状態のものであり、紙粉等の異物を含み得る。
中間転写ベルト41は、二次転写ユニット60を通過後、従動ローラ43へと進む。ジャムなどの記録媒体Pの供給トラブルが発生した場合、全てのトナー画像が二次転写ローラ61に転写されて回収されず、一部は中間転写ベルト41上に残る。中間転写ベルト41上のトナー像は、通常の二次転写行程で100%二次転写されて記録媒体Pに移行せず、数パーセントの二次転写残りが発生する。不要なトナー像は、次の画像形成のために中間転写ベルト41に当接するように配置された中間転写体クリーニング装置の一例としての中間転写ベルトクリーニングブレード44によりクリーニングされる。その後、中間転写ベルト41は、再び、一次転写部50Y,50M,50C,50Kへと向かう。
なお、中間転写部40は、中間転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43及び中間転写ベルトクリーニングブレード44からなり、二次転写ユニット60は、二次転写ローラ61及び二次転写ローラクリーニングブレード62からなる。
記録媒体搬送部70では、給紙カセット71内に積層された紙等の一枚の記録媒体Pが給紙ローラ72で分離され、記録媒体Pの斜行と送給タイミングを補正するゲ−トローラ73等を経て二次転写ユニット60に給送される。二次転写ユニット60では、フルカラー画像が記録媒体Pに二次転写される。二次転写された記録媒体Pは、内部から加熱するヒートローラ81と外部にゴム等の弾性部材を備えた加圧ローラ82で構成された定着装置80を通過する。フルカラー画像中の熱可塑性樹脂が溶融され、記録媒体Pへ加圧定着され、所望の画像が得られる。画像が定着された記録媒体Pは、排紙ローラ74によりプリンタ本体から排紙される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
後述される各実施例で使用されるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの合成例は、以下のとおりである。
合成例1
水分離管を具備した500ml四つ口フラスコに、トリメチロールプロパン33.5g、3−パーフルオロオクチルプロピオン酸(東ソー・エフテック(株)製)123.0g、トルエン50g、シクロヘキサン50gを投入し、次いで、濃硫酸2.5gを加え、12時間共沸脱水を行った。4.5gの水が生成されたことを確認した後、一旦25℃に冷却し、アクリル酸45.0g、ハイドロキノン0.4gを加え、空気を吹き込みながら更に共沸脱水を行った。9.0gの水が生成されたことを確認した後、25℃に冷却した。反応液にトルエンを150g加え、25%水酸化ナトリウム水溶液30gで中和洗浄後、さらに20質量%の食塩水40gで3回洗浄を行った。減圧下、トルエン及びシクロヘキサンを留去して微黄色液体170gを得た。当該微黄色液体をトルエン150mlに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行った。次いで減圧下、酸素を吹き込みながらウォータバス温度50℃以下でトルエンを留去することで前記構造式(ii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−1)を得た。
合成例2
200ml反応フラスコにジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート15.7g(0.03モル)、トリエチルアミン2g、酢酸エチル10gを投入し、撹拌下パーフルオロオクチルエチルメルカプタン28.8g(0.06モル)を徐々に加えた(反応温度は35℃まで上昇した)。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、酢酸エチル60gを加えた後、1規定塩酸100mlで有機層を洗浄した。更に水100mlで2回洗浄した後、有機層を分取した。50℃以下の条件で反応溶媒を、エバポレーターを用いて減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(xviii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−2)を得た。
合成例3
200ml反応フラスコにトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成(株)製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)、トリエチルアミン1.0g、酢酸エチル15gを加え、次いで、室温でパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)を撹拌しながら滴下した(反応温度は35℃まで上昇した)。投入後、さらに50℃で3時間撹拌し、50℃以下で減圧下、酢酸エチル、トリエチルアミンを留去することで下記構造式(xxvi)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−3)を得た。
合成例4
合成例3において、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成(株)製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)の代わりに、EO変性リン酸トリアクリレート15.1g(0.05モル)を、パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)の代わりに、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン24.0g(0.05モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、構造式(xxx)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(化合物A−4)を得た。
合成したフッ素化アルキル基含有アクリレートの性状を表1に示す。
Figure 2008139824
フッ素化合物からなる表面保護層の形成
各試料が塗布され、次いで乾燥されて形成された表面保護層のフッ素原子含有率の測定法は、以下のとおりである。まず、3ミリメートル角程度のサンプルが、表面保護層から切削される。次に、カーボンテープが電子顕微鏡の試料ステージ上に張られ、サンプルがカーボンテープの上に乗せられる。サンプルが電子顕微鏡内に移動され、電子顕微鏡内が真空ポンプにより真空状態(5.0×10-8mmHg)とされると同時に冷却装置も始動される(冷却水温度5℃)。電子顕微鏡内が真空状態になった後、X線の相対感度が良好になるように5.0kVの加速電圧が印加され、試料の電子像がモニターに映る範囲までステージが移動される。その後、X線スペクトルが、エネルギー分散型X線分析装置E-MAX ENERUGY EX-220((株)堀場製作所製)により解析され、フッ素元素量が測定された。
表面保護層の形成1
フッ素樹脂((株)フロロテクノロジー製5010、試料1)のパーフルオロ溶剤溶液(固形分濃度0.1質量%)が、厚さ168μmのPETフィルム上にスピンコートされた後、120℃、20分で乾燥され、厚さ0.3μmのフッ素樹脂からなる表面保護層が形成された。
表面保護層の形成2
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素樹脂((株)フロロテクノロジー製5040、試料2)のパーフルオロ溶剤溶液(固形分濃度1質量%)が使用された以外は、上記と同様にしてフッ素樹脂からなる表面保護層が形成された。
表面保護層の形成3
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素系シリコーンオイル(信越化学(株)製FL−5、試料3)が使用された以外は、上記と同様にしてフッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層が形成された。当該フッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層は乾燥加熱により固化されていなかったが、後述される接触角の測定が実施された。
表面保護層の形成4
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素系シリコーンオイル(信越化学(株)製X−22−821、試料4)が使用された以外は、上記と同様にしてフッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層が形成された。当該フッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層は乾燥加熱により固化されていなかったが、後述される接触角の測定が実施された。
表面保護層の形成5
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素系シリコーンオイル(信越化学(株)製X−22−822、試料5)が使用された以外は、上記と同様にしてフッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層が形成された。当該フッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層は乾燥加熱により固化されていなかったが、後述される接触角の測定が実施された。
表面保護層の形成6
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素系シリコーンオイル(信越化学(株)製FL−100、試料6)が使用された以外は、上記と同様にしてフッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層が形成された。当該フッ素系シリコーンオイルからなる表面保護層は乾燥加熱により固化されていなかったが、後述される接触角の測定が実施された。
表面保護層の形成7
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素樹脂(大日本インキ化学(株)製MCF−350SF、試料7)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)が使用された以外は、上記と同様にしてフッ素樹脂からなる表面保護層が形成された。
表面保護層の形成8
表面保護層の形成1で使用されたフッ素樹脂溶液に代えて、フッ素系表面改質剤(大日本インキ化学(株)製F−482、試料8)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)を使用した以外は、上記と同様にしてフッ素樹脂からなる表面保護層が形成された。
表面保護層の形成9
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−1)70質量部
ネオペンチルグリコールジアクリレート30質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.4質量部
からなる組成物(試料9)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)が、厚さ168μmのPETフィルム上にスピスンコートされた後、ベルトコンベア上に置かれ、2.5m/minの移動速度でUV照射装置(入江(株)製トスキュア401、照射量160mJ/cm2 )を通され、試料9を含む塗布液が紫外線硬化され、厚さ2μmの含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層が形成された。得られた表面保護層のフッ素原子含有率は19.6質量%であった。
表面保護層の形成10
表面保護層の形成9で使用された組成物が、下記組成物(試料10)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)に代えられた以外は上記と同様にして、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層が形成された。得られた表面保護層のフッ素原子含有率は15.5質量%であった。
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−2)60質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート40質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン4質量部
表面保護層の形成11
表面保護層の形成9で使用された組成物が、下記組成物(試料11)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)に代えられた以外は上記と同様にして、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層が形成された。得られた表面保護層のフッ素原子含有率は8.8質量%であった。
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−3)50質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート50質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン4質量部
表面保護層の形成12
表面保護層の形成9で使用された組成物が、下記組成物(試料12)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)に代えられた以外は上記と同様にして、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層が形成された。得られた表面保護層のフッ素原子含有率は11.2質量%であった。
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−4)50質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート50質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン4質量部
表面保護層の形成13
表面保護層の形成9で使用された組成物が、下記組成物(試料13)のテトラヒドロフラン溶液(固形分濃度5質量%)に代えられた以外は上記と同様にして、含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層が形成された。得られた表面保護層のフッ素原子含有率は8.3質量%であった。
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−3)45質量部
フッ素樹脂微粒子(ダイキン工業社製「ルブロンL5F」、一次粒子径0.2μm)5質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート50質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン4質量部
表面保護層が形成されたPETフィルムが3cm四方に切り出されて測定試料として用いられた。測定試料上の流動パラフィン(関東化学(株)製、比重0.875)の接触角と大豆油(日清オイリオグループ(株)製)の接触角が、接触角測定装置(協和界面科学(株)製DropMasterDM700)により、25℃、湿度53%の環境下で測定された。測定時の液滴量は1μLであり、100ms値と5900ms値が求められた。測定結果が表2に示されている。
Figure 2008139824
フッ素樹脂(試料1、2及び7)から形成された表面保護層、フッ素系表面改質剤(試料8)から形成された表面保護層及びフッ素化アルキル基含有アクリレートを含む組成物(試料9〜13)から形成された表面保護層が、優れた撥油性を有していた。
そこで、大豆油が、試料1、2及び7〜13から形成された表面保護層のそれぞれに滴下され、接触角が測定され、次いで、これらの試料の表面がBEMCOT(旭化成せんい(株)製)で油皮膜が残らないように清掃されてから再度接触角を測定する工程が5回繰り返された。5回目の測定値が表3に示されている。
Figure 2008139824
フッ素化アルキル基含有アクリレートを含む組成物(試料9〜13)から形成された表面保護層は、清掃の影響をほとんど受けず、当該表面保護層の撥油性は清掃によりほとんど低下しなかった。
本発明で使用される液体現像剤の製造方法は、以下のとおりである。
塩基性処理顔料の調製
ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製プラスディックDL−90)と塩基性高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製、アジスパーPB−822)が8対2(質量比)の割合で混合された混合物が、シアン顔料(フタロシニン系顔料、Pigment Blue 15:3)と共に、シアン顔料:混合物(質量比)=35:65の割合で、メチルエチルケトン中でビーズミルにより混練された後、混練物に水が添加されて固形物が析出させられ、固形物が脱溶剤、乾燥、微粉化され、塩基性処理顔料が得られた。
シアン液体現像剤の調製
大豆油(日清オイリオ(株)製、トリグリセライド中のオレイン酸成分量23.3質量%)150g
オレイン酸(関東化学(株)製)50g
酸性分散剤(味の素ファインテクノ(株)製、アジスパーPA111)0.11g
上記で調製された塩基性処理顔料35g
上記成分からなる組成物と直径3ミリのジルコニアボール450gが、容量500mlのステンレス容器に投入され、攪拌機(トルネードSM型プロペラ攪拌羽根)により、回転数504ppmで24時間分散混合され、着色剤分散液であるシアン液体現像剤が作製された。
得られたシアン液体現像剤のトナー濃度14.9質量%、粘度(25℃)は990mPa・s、電気抵抗(25℃)は3.5×1012Ω・cmであり、一次粒子径(個数平均粒径)1.1μmの着色微粒子を含有していた。
フッ素化合物から形成された表面保護層で被覆されたITO電極へのシアン着色微粒子の付着性評価
ITO電極に試料2の表面保護層(大豆油の接触角100ms値が57.9°)、試料6の表面保護層(大豆油の接触角100ms値が47.9°)、試料7の表面保護層(大豆油の接触角100ms値が84.8°)、試料12の表面保護層(大豆油の接触角100ms値が63.9°)をそれぞれ形成し、撥油性ITO電極を得た。次いで、シアン液体現像液の25℃における撥油性ITO電極への付着性を図4に示す電気泳動実験装置を用いて測定した。
図4(A)は、測定セルを示す斜視図であり、図4(B)は、電極部を説明する斜視図である。測定セル1’は、ガラス、合成樹脂等の電気絶縁性部材からなる容器2’内に陽極側電極部3’および陰極側電極部4’が設置されている。また、陽極側電極部3’に設けた陽極端子5’には、電流供給装置(図示せず)に結合された給電用の陽極側リード線6’が接続されており、陰極側電極部4’に設けた陰極端子7’には、電流供給装置(図示されず)に結合された陰極側リード線8’が接続されている。陽極側電極部3’および陰極側電極部4’は、その上部に両電極部を所定の間隔を設けて保持するための保持部材取付溝9’が設けられており、保持部材の取り付けによって測定中に両者が所定の間隔に保持される。また、陽極電極部3’および陰極電極部4’の下部には、顔料分散液が円滑に供給されるように、流通溝10’が設けられている。
図4(B)に陽極電極部を示して説明するが、陰極電極部も同様の構造および部材から形成されている。陽極電極部3’は、ポリアセタール樹脂(POM)のような、耐油、および耐溶剤性が大きな樹脂に陽極係合用突起11’を設けた成形体が用いられる。陽極係合用突起11’には、陽極12’が対極との間隔を一定に保持する絶縁性部材からなるスペーサ13’とともに取り付けられている。陽極12’は、透明なガラス板上に、電流を印加した場合に印加電流によって溶出等をしないITO透明導電膜14’を形成した電極である。透明ガラス板上にITO透明導電膜を形成したものを用いることによって、所定の時間の通電による電気泳動の後に、陽極電極部から取り外した陽極上に析出した顔料の光学的な観察および測定を容易に行うことが可能となる。
撥油性ITO電極を陰極、表面に何も塗布されていないITO電極を陽極とし、300Vの直流電圧を電気泳動実験装置に10秒間印加し、正帯電したシアン着色微粒子を電気泳動させ、撥油性ITO電極に付着させた。ITO電極を測定セルから取外し、次いで、それぞれの電極上に付着したシアン着色微粒子を転写紙(富士ゼロックスオフィスサプライ(株)製J紙)上に押圧して転写し、着色ベタ像を得た。得られた着色ベタ像の濃度を1日放置後に反射濃度計(X-Rite社製モデル520型分光濃度計)を用いて、反射濃度として測定した。撥油性(接触角が大きくなるほど、撥油性機能が高いと判断した)は、転写紙上の着色ベタ像の反射濃度(OD値)が低いほど高いと考えた。測定した反射濃度(OD値)と接触角の関係を図5に示す。大豆油がキャリア液とされる液体現像剤は、大豆油の接触角が60°以上になる皮膜にはほとんど付着しないことが確認された。
実施例1
試料9のイソプロピルアルコール溶液(固形分5質量%)が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた感光体ドラム(京セラ(株)製、Φ40)に1回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率19.6質量%、膜厚0.1μmの表面保護層が形成された正帯電a−Si感光体ドラムが作製された。
実施例2
試料10のイソプロピルアルコール溶液(固形分5質量%)が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた感光体ドラム(京セラ(株)製、Φ40)に2回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率15.5質量%、膜厚1μmの表面保護層が形成された正帯電a−Si感光体ドラムが作製された。
実施例3
試料11のイソプロピルアルコール溶液(固形分6質量%)が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた感光体ドラム(京セラ(株)製、Φ40)に2回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率8.8質量%、膜厚1.5μmの表面保護層が形成された正帯電a−Si感光体ドラムが作製された。
実施例4
試料12のイソプロピルアルコール溶液(固形分8質量%)が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた感光体ドラム(京セラ(株)製、Φ40)に1回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率11.2質量%、膜厚0.2μmの表面保護層が形成された正帯電a−Si感光体ドラムが作製された。
実施例5
試料9のイソプロピルアルコール溶液(固形分10質量%)が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた感光体ドラム(京セラ(株)製、Φ40)に3回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率19.6質量%、膜厚2μmの表面保護層が形成された正帯電a−Si感光体ドラムが作製された。
正帯電a−Si感光体ドラム(実施例1〜5)及び表面保護層が形成されていない正帯電a−Si感光体ドラム(比較例1)の半減衰露光量及び光減衰残留電位(露光量1μJ/cm2後の電位)を、以下に記載される光減衰曲線に基づいて求めた。
ドラムテスター(QEA社製PDT−2000LTM)を用い、プロセススピードを206m/min、印加電圧を5.2kV、表面電位を600Vに設定し、帯電露光を行って光減衰曲線を描いた。
結果が表4に示されている。表4には、正帯電a−Si感光体ドラム上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角の5900ms値も示されている。
Figure 2008139824
含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆されたa−Si感光体ドラムの光感度は少し低かった。しかしながら、表面保護層の厚みが0.1〜1.5μmであるa−Si感光体ドラムは、実用上問題がない光感度を有していた。一方、表面保護層の厚みが0.1μmのa−Si感光体ドラム上の植物油の接触角は、表面保護層の厚みが0.2〜1.5μmであるa−Si感光体ドラム上の植物油の接触角より小さかった。更に、a−Si感光体ドラムの表面保護層上の菜種油、ヒマワリ油又はサフラワー油の接触角は、a−Si感光体ドラムの表面保護層上の大豆油の接触角と同様の値を示した。
正帯電用有機感光体ドラムの作製
下記成分からなる組成物が、ペイントコンディショナー中で10時間分散混合され、塗布液が調製された。
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製TS−2020)21質量部
無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業(株)製)2質量部
ヒドラゾン化合物(アナン(株)製)10質量部
3,5−ジメチル−3′,5′−ジ(t)ブチル−4,4′−ジフェノキノン5質量部
トルエン180質量部
得られた感光層形成用塗布液が、Φ40mmのアルミ素管にリングコート法で塗工され、次いで乾燥され、膜厚20μmの感光層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
実施例6
シリカ(日本アエロジル(株)製OX−50)が、固形分濃度5質量%となるように、試料9のメチルセルソルブ溶液に添加され、全体の固形分が15質量%となる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに3回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率19.6質量%、膜厚4μm、表面抵抗3.6×1013Ω・cmの表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
実施例7
試料10のメチルセルソルブ溶液(固形分濃度5質量%)からなる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに2回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率15.5質量%、膜厚1μm、表面抵抗1.1×1015Ω・cmの表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
実施例8
シリカ(日本アエロジル(株)製OX−50)が、固形分濃度5質量%となるように、試料11のメチルセルソルブ溶液に添加され、全体の固形分が10質量%となる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに4回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率8.8質量%、膜厚2μm、表面抵抗2.8×1015Ω・cmの表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
実施例9
試料13のメチルセルソルブ溶液(固形分濃度5質量%)からなる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに4回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率8.3質量%、膜厚2μm、表面抵抗2.6×1015Ω・cmの表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
実施例10
試料12のメチルセルソルブ溶液(固形分濃度5質量%)からなる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに1回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率11.2質量%、膜厚0.1μm、表面抵抗1.6×1015Ω・cmの表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
実施例11
シリカ(日本アエロジル(株)製OX−50)が、固形分濃度5質量%となるように、試料9のメチルセルソルブ溶液に添加され、全体の固形分が10質量%となる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに4回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられた有機感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率18.7質量%、膜厚3μm、表面抵抗3.1×1013Ω・cmの表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
有機感光体ドラム(実施例6〜11)及び表面保護層が形成されていない有機感光体ドラム(比較例2)の半減衰露光量及び光減衰残留電位(露光量1μJ/cm2後の電位)を、光減衰曲線に基づいて求めた。
結果が表5に示されている。表5には、有機感光体ドラム上の菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油の接触角の5900ms値も示されている。
Figure 2008139824
含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆された有機感光体ドラムの光感度は少し低かった。しかしながら、表面保護層の厚みが0.1〜3μmである有機感光体ドラムは、実用上問題がない光感度を有していた。更に、有機感光体ドラムの表面保護層上の菜種油、ヒマワリ油又はサフラワー油の接触角は、有機感光体ドラムの表面保護層上の大豆油の接触角と同様の値を示した。
比較例3
下記成分からなる組成物(試料14)が調製された。
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−3)25質量部
ネオペンチルグリコールジアクリレート75質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.2質量部
シリカ(日本アエロジル(株)製OX−50)が、固形分濃度5質量%となるように、試料14のメチルセルソルブ溶液に添加され、全体の固形分が15質量%となる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた上記a−Si感光体ドラムに3回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられたa−Si感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率5.8質量%の表面保護層が形成されたa−Si感光体ドラムが作製された。
比較例4
下記成分からなる組成物(試料15)が調製された。
表1に記載されたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−1)70質量部
ネオペンチルグリコールジアクリレート30質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン4質量部
シリカ(日本アエロジル(株)製OX−50)が、固形分濃度5質量%となるように、試料15のメチルセルソルブ溶液に添加され、全体の固形分が15質量%となる塗布液が調製された。当該塗布液が、旭サナック(株)製スプレー塗装機により、120rpmで回転させられた上記a−Si感光体ドラムに3回塗布された。次いで、照射量160mJ/cm2の紫外線が、円筒チューブ回転乾燥用紫外線照射装置(日本文化精工(株)製NPT453)により、120rpmで回転させられたa−Si感光体ドラムに照射され、塗布液が20秒乾燥され、フッ素原子含有率25.6質量%の表面保護層が形成されたa−Si感光体ドラムが作製された。
比較例5
比較例3で使用されたa−Si感光体ドラムに代えて、有機感光体ドラムが使用される以外は比較例3と同一の操作が行われ、フッ素原子含有率5.8質量%の表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
比較例6
比較例4で使用されたa−Si感光体ドラムに代えて、有機感光体ドラムが使用される以外は比較例4と同一の操作が行われ、フッ素原子含有率25.6質量%の表面保護層が形成された有機感光体ドラムが作製された。
マゼンタ、イエローおよびブラック液体現像剤の調製
上述されるシアン液体現像剤の調製において、フタロシアニン顔料の代わりに、マゼンタのPigment Red 57:1、イエローのPigment Yellow 74、カーボンブラック(粒子径40nm、窒素吸着比表面積55m2 /g)が使用されて、それぞれ塩基性処理顔料が作製され、次いで、各塩基性処理顔料が使用され、各色の液体現像剤が調製された。
a−Si感光体ドラムが組み込まれた液体現像方式タンデムプリンタによる印字試験
上記で調製された各色の液体現像剤(キャリア液は大豆油又は流動パラフィン)が、実施例1〜4、比較例1、3、4のa−Si感光体ドラムが組み込まれた図3に示される液体現像方式タンデムプリンタの現像容器に貯蔵され、各色5%の色画像を含む印字パターンが用いられ、印字試験(記録媒体1000枚)が行われた。各感光体からクリーニングされた液体現像剤の量が、表6に示されている。
印字試験は下記の条件下で行われた。
プロセス速度:206m/min
印加電圧:6kV
現像バイアス:350V
現像ローラ上のトナー層厚:10μm
1次転写電圧:650V
2次転写電圧:1.1kV
記録媒体:三菱製紙(株)製EP−L微塗工81.4gsm
定着ローラ温度:120℃
Figure 2008139824
実施例1〜4のa−Si感光体ドラムに付着した液体現像剤の量は、表面保護層が形成されていない比較例1のa−Si感光体ドラム、フッ素原子含有率が8.5質量%未満の表面保護層が形成されている比較例3のa−Si感光体ドラムに付着した液体現像剤の量よりもかなり少なかった。従って、液体現像剤は、含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなり、フッ素原子含有率が8.5質量%以上の表面保護層が形成されているa−Si感光体ドラムの非画像部に付着しがたいと考えられる。
実施例1〜4のa−Si感光体ドラムが組み込まれたタンデムプリンタにより印刷された1枚目と2枚目の印刷物のカブリが、反射濃度計(X-Rite社製、モデル520型分光濃度計)により測定された。1枚目の印刷物の反射濃度、2枚目の印刷物の反射濃度は共に、転写体の反射濃度である0.11を示し、カブリは確認されなかった。一方、表面保護層が形成されていない比較例1のa−Si感光体ドラムが設けられたタンデムプリンタにより印刷された印刷物のカブリ部の反射濃度は0.19を示し、カブリが確認された。
一方、比較例3のa−Si感光体ドラムが組み込まれたタンデムプリンタにより印刷された1枚目と5枚目の印刷物の反射濃度は、それぞれ、0.09、0.12であったが、6枚目の印刷物の反射濃度は0.19であり、カブリが確認された。従って、フッ素原子含有率が8.5質量%未満の表面保護層が形成されているa−Si感光体ドラムの非画像部の撥油性は十分ではなかった。
画像流れが、比較例4のa−Si感光体ドラムが組み込まれたタンデムプリンタにより印刷された1枚目の印刷物に確認され、1000枚目の印刷物にも確認された。フッ素原子含有率が20質量%より大きい表面保護層が形成されているa−Si感光体ドラムの撥油効果が高すぎ、当該a−Si感光体ドラムは、画像流れを発生させた。
有機感光体ドラムが組み込まれた液体現像方式タンデムプリンタによる印字試験
上記で調製された各色の液体現像剤(キャリア液は大豆油)が、実施例6〜11、比較例2、5、6の有機感光体ドラムが組み込まれた図3に示される液体現像方式タンデムプリンタの現像容器に貯蔵され、各色5%の色画像を含む印字パターンが用いられ、印字試験(記録媒体1000枚)が行われた。各感光体からクリーニングされた液体現像剤の量が、表7に示されている。
印字試験は下記の条件下で行われた。
プロセス速度:206m/min
印加電圧:5.5kV
現像バイアス:350V
現像ローラ上のトナー層厚:10μm
1次転写電圧:650V
2次転写電圧:1.1kV
記録媒体:三菱製紙(株)製EP−L微塗工81.4gsm
定着ローラ温度:120℃
Figure 2008139824
実施例6〜11の有機感光体ドラムに付着した液体現像剤の量は、表面保護層が形成されていない比較例2の有機感光体ドラム、フッ素原子含有率が8.5質量%未満の表面保護層が形成されている比較例5の有機感光体ドラムに付着した液体現像剤の量よりもかなり少なかった。従って、液体現像剤は、含フッ素紫外線硬化性組成物の硬化物からなり、フッ素原子含有率が8.5質量%以上の表面保護層が形成されている有機感光体ドラムの非画像部に付着しがたいと考えられる。更に、実施例8の有機感光体ドラムと実施例9の有機感光体ドラムの対比から、フッ素樹脂微粒子を含有する実施例9の有機感光体ドラムは撥油性に優れ、クリーニングトナー量をより減少させると確認された。
一方、比較例5の有機感光体ドラムが組み込まれたタンデムプリンタにより印刷された1枚目と5枚目の印刷物の反射濃度は、それぞれ、0.09、0.12であったが、6枚目の印刷物の反射濃度は0.19であり、カブリが確認された。従って、フッ素原子含有率が8.5質量%未満の表面保護層が形成されている有機感光体ドラムの非画像部の撥油性は十分ではなかった。
画像流れが、比較例6の有機感光体ドラムが組み込まれたタンデムプリンタにより印刷された1枚目の印刷物に確認され、1000枚目の印刷物にも確認された。フッ素原子含有率が20質量%より大きい表面保護層が形成されている有機感光体ドラムの撥油効果が高すぎ、当該有機感光体ドラムは、画像流れを発生させた。
感光体の基本構造の断面図 感光体カートリッジを示す図 タンデムプリンタを示す図 撥油性ITO電極へのシアン着色微粒子の付着性測定に使用されるセルを説明する図 撥油性ITO電極に付着したシアン着色微粒子の濃度と接触角の相関図
符号の説明
1…導電性支持体、2…感光層、3…表面保護層、10,10Y,10M,10C,10K…画像形成部、11,11Y,11M,11C,11K…感光体ドラム、12,12Y,12M,12C,12K…帯電装置、13…露光装置、14,14Y,14M,14C,14K…感光体ドラムクリーニングブレード、15,15Y,15M,15C,15K…感光体スクイーズ装置、16,16Y,16M,16C,16K…スクイーズローラ、17,17Y,17M,17C,17K…スクイーズローラクリーナ、20,20Y,20M,20C,20K…現像装置、21,21Y,21M,21C,21K…現像ローラ、22,22Y,22M,22C,22K…現像ローラクリーニングブレード、30,30Y,30M,30C,30K…現像剤供給装置、31,31Y,31M,31C,31K…液体現像剤容器、32,32Y,32M,32C,32K…撹拌スクリュー、33,33Y,33M,33C,33K…アニロクスローラ、34,34Y,34M,34C,34K…規制ブレード、36,36Y,36M,36C,36K…汲上ローラ、40…中間転写部、41…中間転写ベルト、42…駆動ローラ、43…従動ローラ、44…中間転写ベルトクリーニングブレード、50,50Y,50M,50C,50K…一次転写部、51,51Y,51M,51C,51K…一次転写ローラ、60…二次転写ユニット(二次転写装置)、61…二次転写ローラ、62…二次転写ローラクリーニングブレード、70…記録媒体搬送部、71…給紙カセット、72…給紙ローラ、73…ゲートローラ、74…排紙ローラ、80…定着装置、81…ヒートローラ、82…加圧ローラ、L…露光、P…記録媒体、1’…測定セル、2’…容器、3’…陽極側電極部、4’…陰極側電極部、5’…陽極端子、6’…陽極側リード線、7’…陰極端子、8’…陰極側リード線、9’…保持部材取付溝、10’…流通溝、11’…陽極係合用突起、12’…陽極、13’…スペーサ、14’…透明導電膜

Claims (19)

  1. 表面が、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有した含フッ素光硬化性組成物の硬化物からなる表面保護層で被覆され、該表面保護層のフッ素原子含有率が8.5〜20質量%である、感光体。
  2. フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが下記一般式(1)
    Figure 2008139824
    〔式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはヘテロ原子を有していてもよいアルキレン鎖又は下記一般式(2)
    Figure 2008139824
    〔式(2)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、Rf1はフッ素化アルキル基である。〕
    で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
    で表される、請求項1に記載された感光体。
  3. 一般式(1)中のXが、下記一般式(3)
    −(CH2p−Zq−(CH2r− (3)
    〔式(3)中、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕で表されるアルキレン鎖である、請求項2に記載された感光体。
  4. 一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Rf1がCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfが、Rf1と同一又は異なるCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である、請求項2又は3に記載された感光体。
  5. 一般式(1)中のXが、一般式(2)で表される連結基〔但し、Yが硫黄原子であり、Rf1の炭素数nが4、6又は8である。〕又は一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6又は8である、請求項2又は3に記載された感光体。
  6. フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、下記一般式(4)
    Rf−(CH2r−Z−H (4)
    〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、RfはCn2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)、酸素原子、硫黄原子又はNR−SO2(Rは水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕で表される化合物又は下記一般式(5)
    Figure 2008139824
    〔式(5)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、RfとRf1は同一でも異なっていてもよいCn2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕で表される化合物(a2)とを、前記化合物(a1)1モルに対して、前記化合物(a2)を1.0〜(k−2)モル〔kは前記化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕の割合でマイケル付加反応させて得られる化合物である、請求項2に記載された感光体。
  7. 化合物(a2)が、前記一般式(4)で表される化合物〔但し、ZはNR(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。)、硫黄原子又はNR−SO2(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である〕又は前記一般式(5)で表される化合物(但し、Yが硫黄原子であり、Rf及びRf1中の炭素数nが4、6又は8である。)である、請求項6に記載された感光体。
  8. 3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が下記一般式(6)
    Figure 2008139824
    〔式(6)中、R1は水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子、炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数1〜12のアルキロール基であり、R2は(メタ)アクリロイル基である。〕で表される化合物(a1−1)、下記一般式(7)
    Figure 2008139824
    (式中、R2は(メタ)アクリロイル基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)又はリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)である、請求項6又は7に記載された感光体。
  9. 3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が、前記一般式(6)〔但し、R1が炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH2=CHCO2CH2−、CH2=C(CH3)CO2CH2−又は炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、R3が水素原子又は炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレートと脂環構造を有するイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである、請求項6〜8のいずれかに記載された感光体。
  10. 表面保護層上の大豆油の接触角が60°〜90°である、請求項1〜9のいずれかに記載された感光体。
  11. 液体現像システム用である、請求項1〜10のいずれかに記載された感光体。
  12. アモルファスシリコン感光体である、請求項1〜11のいずれかに記載された感光体。
  13. 表面保護層の厚みが0.2〜1.5μmである、請求項12に記載された感光体。
  14. 有機感光体である、請求項1〜11のいずれかに記載された感光体。
  15. 有機感光層のバインダーがポリカーボネート樹脂であり、正帯電性である、請求項14に記載された感光体。
  16. 表面保護層の厚みが0.1〜3μmである、請求項14又は15に記載された感光体。
  17. 含フッ素光硬化性組成物がフッ素樹脂微粒子を含む、請求項1〜16のいずれかに記載された感光体。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載された感光体が組み込まれた、感光体カートリッジ。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載された感光体と、該感光体に形成された静電潜像を植物油をキャリア液とする正帯電性液体現像剤により現像する現像手段が組み込まれた、画像形成装置。
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