JPH05119502A - 電子写真感光体及びその製造方法並びにこれを用いた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法並びにこれを用いた電子写真装置

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JPH05119502A
JPH05119502A JP24706791A JP24706791A JPH05119502A JP H05119502 A JPH05119502 A JP H05119502A JP 24706791 A JP24706791 A JP 24706791A JP 24706791 A JP24706791 A JP 24706791A JP H05119502 A JPH05119502 A JP H05119502A
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JP
Japan
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protective layer
general formula
photoconductive layer
chemical
electrophotographic
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Application number
JP24706791A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kihara
康夫 木原
Mitsuyoshi Shirai
光義 白井
Shunichi Hayashi
林  俊一
Toshihiko Sugimoto
俊彦 杉本
Koutarou Kusaka
皋太郎 草鹿
Noritoshi Ishikawa
文紀 石川
Akira Sato
佐藤  明
Kunihiro Tamahashi
邦裕 玉橋
Katsu Tamura
克 田村
Masatoshi Wakagi
政利 若木
Masanobu Hanazono
雅信 華園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、光導電層上に熱硬化型含フッ素ポ
リイミドを主成分とする保護層を設けることにより、コ
ロナ帯電繰返し後の耐湿性に優れ、且つ耐摩耗性、クリ
ーニング性にも優れる表面保護層を設けた電子写真感光
体を提供することを目的とする。又、本発明の他の目的
は上記感光体の好適な製造方法及び上記感光体を搭載し
てなる電子写真装置を提供することにある。 【構成】 本発明は、光導電層と、該光導電層の支持体
とを具備する電子写真感光体において、上記光導電層上
に、熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分とする保護層
を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体及びそ
の製造方法並びにこれを用いた電子写真装置に関し、特
に高湿下で繰返し印刷しても良好な画像を形成すること
のできる長寿命、高信頼性の電子写真感光体及びその製
造方法並びにこれを用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体としては、従来からS
e、CdS、As2Se2などの無機光導電材もしくはフタロ
シアニン系顔料に代表されるような有機光導電材が用い
られている。これらの材料は電子写真特性には優れた特
性を有するものの、機械的特性においては硬度が小さ
く、耐摩耗性に劣るなどの欠点を有している。
【0003】これに対しアモルファスシリコン感光体は
硬度が高く耐摩耗性が優れていることから長寿命の電子
写真感光体として期待されている。しかしながらアモル
ファスシリコン感光体には耐湿性に劣るという欠点があ
る。このため、a−SiC:H、a−SiN:Hなどを感
光体表面の保護層として設けることが一般的になってい
るが、未だ十分な特性が得られていない。
【0004】また、電子写真の印字プロセスにおいて
は、コロナ放電による帯電プロセスが存在するため、印
字プロセスの繰返しにより、感光体表面の保護層が酸化
し、耐湿性が劣化し、画像流れが生じるという欠点があ
る。このような感光体の欠点を克服するため、以下に述
べる技術的手段が講じられている。
【0005】即ち、このような耐湿性の劣化を防止する
ために、感光体表面の保護層として、例えば特願昭61
−22361号明細書に記載されているようにa−C:
H:F膜を形成したり、或いは特開昭55−84941
号公報、同55−142352号公報、同55−708
48号公報に開示されているように熱硬化性樹脂膜或い
は熱可塑性樹脂膜を設ける方法が提案されている。
【0006】又、特開昭57−165848号公報に記
載されているように、絶縁性樹脂中に無機絶縁物を分散
させるもの、更に、特開昭56−99347号公報或い
は特開昭57−165848号公報に開示されているよ
うに、樹脂中に潤滑剤とアルミナなどの研磨剤とを分
散、含有させたもの、などが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記電子写真
感光体表面の保護層としてはその要求される特性、即
ち、耐コロナ性、紙やクリーニングブラシなどに対する
耐摩耗性、クリーニング性とが必ずしも満足しないとい
う問題があり、特にフッ素系材料を感光体表面の保護層
に用いる場合には、耐湿性が向上するものの不十分であ
り、また耐摩耗性及びクリーニング性が著しく劣化する
という欠点があった。
【0008】又、上記従来技術では、特にアモルファス
シリコン感光体を搭載する電子写真感光体(a−Si:
H感光体)表面の保護層として要求される耐湿性、耐摩
耗性及びクリーニング性の各々の特性を十分に満足する
には至らず、このため印字プロセス繰返し後に特に高湿
下で画像流れが発生する、アモルファスシリコン感光体
(a−Si:H感光体)の欠点を十分に克服できないという
課題があった。
【0009】本発明の目的は、光導電層上に熱硬化型含
フッ素ポリイミドを主成分とする保護層を設けることに
より、コロナ帯電繰返し後の耐湿性に優れ、且つ耐摩耗
性、クリーニング性にも優れる表面保護層を設けた電子
写真感光体を提供することにある。
【0010】又、本発明の他の目的は上記感光体の好適
な製造方法及び上記感光体を使用してなる電子写真装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、電子写真感光体表面に熱硬化型含フッ素
ポリイミドを主成分とする保護層を設けたものである。
【0012】即ち、本発明は、光導電層と、該光導電層
の支持体とを具備する電子写真感光体において、上記光
導電層上に、熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分とす
る保護層を設けたことを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる光導電層を形成するための光導電体の材料と
しては特に限定されるものではなく、例えばアモルファ
スシリコン、金属又は非金属のフタロシアニン、セレン
等の公知のものでもよいが、特に、アモルファスシリコ
ン、アモルファスカーボン、アモルファスシリコンカー
バイド、アモルファスシリコンナイトライドから選ばれ
た少なくとも一種からなるものが好ましい。
【0014】本発明の電子写真感光体は上記光導電層と
この光導電層の支持体を具備するが、この支持体として
は公知のものが挙げられる。
【0015】そして、本発明においては、上記光導電層
上に、熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分とする保護
層を設けた点に最も大きな特徴を有する。
【0016】本発明において、「熱硬化型含フッ素ポリ
イミドを主成分とする」とは、全体が熱硬化型含フッ素
ポリイミドで形成されている場合は勿論、通常のポリイ
ミドが、全体の70重量%以下、好ましくは全体の30
重量%以下含むことを意味し、通常のポリイミドの割合
が70重量%を超えると電子写真感光体としての種々の
特性が低下するので望ましくない。
【0017】又、本発明において、光導電層上の保護層
として、特に優れた特性のものを得るには、以下に述べ
る特定構造の熱硬化型含フッ素ポリイミドを用いるのが
望ましい。
【0018】即ち、本発明に用いられる熱硬化型含フッ
素ポリイミドが、一般式Iで示されるビスマレイミド又
はその混合物に、一般式IIで示されるジアミン又はそ
の混合物を含有させてなり、且つ上記一般式I・II中
のAr1、Ar2、Ar3又はAr4のうちの少なくとも一つ
は、結合する水素原子の一部もしくは全部がフッ素原子
に置換されているものである。
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】(但し、Ar1とAr3は二価の芳香族基であ
り、またAr2とAr4は四価の芳香族基を示し、a及びbは
0又は1以上の整数であり、DとD'は二価の不飽和結
合を有する有機基であって、同一であっても異なってい
てもよい。)
【0022】これらのうち、特に、上記一般式I中のA
r1及び一般式II中のAr3が、一般式III
【0023】
【化16】
【0024】で示され、しかも該一般式III中におい
て、Rf1が単結合又はパーフルオロアルキレン基、−O
−であり、X及びYが同一又は異なるアルキル基、フッ
化アルキル基から選ばれた少なくとも一種であり、nが
0又は1、mが0〜4の整数、lが0〜4の整数であるも
のが、硬度等の機械的特性や感光体や無機分散剤に対す
る密着性等の特性が一層向上するするので望ましい。
【0025】更に、本発明においては、上記一般式I・
IIにおいて、一般式I中のAr2及び一般式II中のA
r4が、
【0026】
【化17】
【0027】であり、しかも該一般式において、Rf2
単結合、又はパーフルオロアルキレン基、
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】 又は
【0030】
【化20】
【0031】から選ばれた一種であるものが、耐コロナ
性や耐湿性を良くし、電子写真感光体とした場合には、
印字の鮮明度等の特性が一層向上するするので望まし
い。
【0032】また、本発明で用いられる熱硬化型含フッ
素ポリイミドにおいて、上記一般式I中のAr1及び一般
式II中のAr3が、一般式III
【0033】
【化21】
【0034】で示され、特に、一般式IIIで示される
含フッ素芳香族基が、
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】
【0039】
【化26】 又は
【0040】
【化27】
【0041】から選ばれたものが、耐コロナ性や耐湿性
を向上させる他、印字の鮮明度の耐久性を増す等の理由
より望ましい。
【0042】この場合において、一般式I中のa及び一
般式II中のbは、0又は1以上の整数、特に好ましく
はその少なくとも一方が1以上の整数であるものが推奨
される。
【0043】つまり、一般式Iで示されるビスマレイミ
ド又はその混合物(A)及び一般式IIで示されるジア
ミン又はその混合物(B)からなる混合物の硬化物の強
度、耐摩耗性、耐湿性、クリーニング性の点からa又はb
のうちその少なくとも一方が1以上の整数、更に好まし
くはa及びbが共に1以上の整数であることが望ましい。
【0044】本発明において、上記一般式Iで示される
ビスマレイミド又はその混合物(A)と、上記一般式I
Iで示されるジアミン又はその混合物(B)の配合割合
は、重量比にしてAとBの比率が100対0〜5対9
5、好ましくは95対5〜10対90、更に好ましくは
90対10〜20対80であるものが望ましい。
【0045】ジアミン(B)の割合が余りに多いとき、
末端アミノ基が未反応物として残存する場合があるから
であり、これにより可橈性が悪く脆くなったり、耐摩耗
性が劣るからである。又、ジアミン(B)が余りにも少
ない場合には、ビスマレイミド(A)の分子量にもよる
が、例えば(A)の分子量が比較的小さい場合、同様に
可橈性が悪くなり、脆く、耐摩耗性が劣るからであり、
又も用いられるAr3、Ar4の種類にもよるが、(A)
の分子量が大きい場合ジアミン(B)は無くても良い場
合があるが、一般に、成形加工時の加熱温度や加熱時間
をかなり長くしなければ充分な硬化物がなされないため
であり、作業性や加工性が悪く、又、電気的特性、体積
抵抗が悪くなったりして印字特性に悪影響を与えるから
である。
【0046】本発明において、一般式Iで示されるビス
マレイミド又はその混合物とはアミン成分を2種以上又
は酸成分を2種以上使用して得られたビスマレイミドで
も良いし、更に2種以上のビスマレイミドの混合物でも
良いという意味であり、又、一般式IIで示されるジア
ミン又はその混合物とは同様にアミン成分を2種以上、
又は酸成分を2種以上使用して得られたジアミンでも良
いし、更に2種以上のジアミンの混合物でも良いという
意味である。
【0047】本発明において、光導電層上に熱硬化型含
フッ素ポリイミド樹脂組成物からなる保護層を形成する
に当たり、当該熱硬化型含フッ素ポリイミド樹脂組成物
の固形分濃度1〜50重量%の塗布液を得、この塗布液
を光導電層上に塗工して、温度100〜350℃で1分
〜48時間程度加熱すればよいが、用いられる熱硬化型
含フッ素ポリイミド樹脂組成物の種類に応じて、特にこ
の条件に限られるものではない。
【0048】又、本発明において、光導電層上に熱硬化
型含フッ素ポリイミド樹脂組成物からなる保護層を形成
するに当たり、上記一般式Iで示されるビスマレイミド
又はその混合物(A)と、上記一般式IIで示されるジ
アミン又はその混合物(B)(この混合段階で反応が生
じるので、本発明ではこれを含めてプレポリマーとい
う。)を所定の配合割合で配合して固形分濃度1〜50
重量%の塗布液を得、この塗布液を光導電層上に塗工し
て、温度100〜350℃で1分〜48時間程度加熱す
ればよいが、用いられる上記の(A)及び(B)の種類
に応じて、特にこの条件に限られるものではない。
【0049】この場合、予め、上記の(A)と(B)を
所定の配合割合で配合し、これを50〜200℃、好ま
しくは100〜170℃で、数分〜10時間、好ましく
は10分〜3時間の条件下でプレポリマー化(予備反
応)し、次に、この溶液を大量の水中に投入して樹脂を
沈殿させ、濾過、水洗した後、減圧乾燥を行い、かくし
て得られた粉末を溶剤に溶解して、1〜50重量%の塗
布液を得、これを光導電層上に塗工して、50〜350
℃、1分〜48時間、好ましくは段階的温度にて、例え
ば50℃で30分、150℃で30分、200℃で1時
間、300℃で1時間の条件下、加熱、硬化して保護層
を得ても良いのである。
【0050】濃度が余り低いと、塗布液が流れやすくな
ったり、乾燥時の皮膜の均一性が損なわれやすくなるの
で好ましくないのであり、一方、濃度が余り高いと、粘
度が高くなり塗工が困難且つ皮膜形成性が悪くなるから
であるからである。
【0051】上記の熱硬化型含フッ素ポリイミド樹脂組
成物には、短時間の加熱によりその硬化を完了させる目
的で、重合開始剤を上記の(A)及び(B)の樹脂分1
00重量部に対し、0.01〜20重量部を添加しても
よい。
【0052】重合開始剤の濃度が、余り少ないと硬化促
進の効果がなく、一方、余り多いと、反応が均一に進ま
なくなるだけでなく、不純物として残存する等のため
に、耐コロナ性、吸湿性が悪くなるなど印字特性に悪影
響を与えるからである。
【0053】このような重合開始剤としては、ベンゾイ
ルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、カプリリル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド、アセチルパー
オキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘ
キサノンパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ベン
ゾピナコール、ビス(1−ヒドロキシシクロヘキシルパ
ーオキシド)、ヒドロキシヘプチルパーオキシド、第3
級ブチルハイドロパーオキシド、p−メンタンハイドロ
パーオキシド、第3級ブチルパーベンゾエート、第3級
ブチルパーアセテート、第3級ブチルパーオクトエー
ト、第3級ブチルパーオキシイソブチレート及びジ−第
3級ブチルパーフタレート等の有機過酸化物が有用であ
り、その1種又は2種以上を用いることができる。
【0054】また、一般式Iで示されるビスマレイミド
のアニオン重合触媒として、三級アミン類、三級アミン
塩類、四級アンモニウム塩類、及びイミダゾール類等の
塩基性触媒、ルイス酸アミン錯体触媒が用いられる。
【0055】この三級アミン類としては、ピリジン、2
−クロロピリジン、2,4,6−コリジン、2,6−ジク
ロロピリジン、α,β,γ−ピリコン、4−フェニルプロ
ピルピリジン、2−プロピルピリジン、2,6−ルチジ
ン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、3,4−ルチ
ジンなどのピリジン類、トリエチルアミン、トリ−n−
ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ベンジルジ
メチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリ
スジメチルアミノメチルフェノール、トリエチレンジア
ミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミ
ン、テトラメチルグアニジン、ヘプタメチルイソグアニ
ド等の脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N,N',N'−テトラメチルジアミノジフェニル
メタン、N,N,N',N'−テトラメチル−m−フェニレン
ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−p−フェニレ
ンジアミン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等の芳香
族系第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7及びその酸
錯体等が挙げられる。
【0056】上記三級アミン塩類としては、上記三級ア
ミン類とトリアセテート又はトリベンゾエート等との塩
類が挙げられる。
【0057】上記四級アンモニウム塩類としては、テト
ラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、トリメチル
セチルアンモニウムクロライド、トリメチルセチルアン
モニウムブロマイド、トリエチルセチルアンモニウムク
ロライド、トリエチルセチルアンモニウムブロマイド、
テトラエチルアンモニウムアイオダイド等が挙げられ
る。
【0058】上記イミダゾール類としては、2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダ
ゾール、2−イソプロピルイミダゾール或いはそれらの
アジン誘導体、トリメリット酸誘導体及びニトリルエチ
ル誘導体等が挙げられる。
【0059】上記ルイス酸アミン錯体としては、B
3、ZnCl2、AlCl3、SiCl4、SnCl4、FeCl3
のルイス酸とモノエチルアミン、n−ヘキシルアミン、
ベンジルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ピペリ
ジン等のアミン化合物の錯体が挙げられる。
【0060】これらの塩基性触媒は1種又は2種以上を
用いることができる。更に、一般式Iで示されるビスマ
レイミドにおける二重結合へのポリアミンのマイケル付
加反応の酸性触媒としては、ブレンステッド酸及びルイ
ス酸が用いられる。
【0061】このブレンステッド酸としては、フェノー
ル、クレゾール、フルオロフェノール、クロロフェノー
ル、アミノフェノール、ニトロフェノール、2,4−ジ
ニトロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノール、
ベンゼンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の
フェノール類、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、アジピン酸、デカ
ン二酸、トリデカン二酸、ペンタデカン二酸等の脂肪族
カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フルオロ安息香
酸、フタル酸、サリチル酸、2,2−ビス(4−カルボキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族カルボン酸
等が挙げられる。
【0062】ここで用いられる溶剤としては、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルム
アミド、N−メチルホルムアミド、ジエチルスルホオキ
シド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ヘキサメチルフォスホルアミ
ド、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチルホルホ
ン及びジメチルテトラメチレンスルホン等があり、又、
フェノール系溶剤群としては、フェノール、クレゾール
及びキシレノール等がある。以上のものについては、単
独又は2種以上を混合して使用される。
【0063】更に、前述の溶媒以外に、必要であれば、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
の溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリル、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、クロロホル
ム、ジオキサン、メタノールのような他の種類の有機溶
媒を使用することもできる。
【0064】かくして、光導電層上、つまり電子写真感
光体表面に保護層が形成されるが、この保護層を形成す
る樹脂は絶縁物であるため膜厚が厚くなると、耐摩耗性
は向上するが感光体の残留電位が増加する。従って、使
用される熱硬化型含フッ素ポリイミドの種類により最適
膜厚は異なるが、おおよそ0.1〜1.0μm以下であ
ることが望ましい。
【0065】電子写真感光体表面の保護層の硬度や抵抗
は、後述する無機絶縁物が分散、含有されている樹脂に
よって決定される。従って樹脂として高抵抗且つ高硬度
のものを用いることが望ましい。一般に、表面抵抗で1
12Ω以上、モース硬度2〜4のものを用いることが望
ましい。
【0066】ところで、本発明において、上記一般式I
で示されるビスマレイミドは、上記一般式IIで示され
るジアミンに不飽和ジカルボン酸無水物を脱水反応させ
て得ることができる。この不飽和ジカルボン酸無水物と
しては、以下のものが挙げられる。
【0067】即ち、(a)無水マレイン酸又はその誘導
体、例えば無水マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸ジ
イソプロピル、ジクロロ無水マレイン酸などが挙げられ
る。 (b)テトラヒドロ無水フタル酸又はその誘導体、例えば
テトラヒドロ無水フタル例えばメチルなどが挙げられ
る。 (c)無水ナジック酸又はその誘導体、例えばメチル無水
ナジック酸、オキシ無水ナジック酸、ジメトキシ無水ナ
ジック酸、ヘキサクロロ無水ナジック酸などが挙げられ
る。 これらの不飽和ジカルボン酸無水物は1種又は2種以上
を用いることができる。
【0068】上記一般式IIで示されるジアミンと不飽
和ジカルボン酸無水物の脱水反応は以下のようにして行
われる。
【0069】即ち、反応装置に、上記一般式IIで示さ
れるジアミンと不飽和ジカルボン酸(無水物)を添加
し、約5〜60℃の反応温度で1〜180分間撹拌しな
がら反応させて、一般式IVで示される末端不飽和アミ
ド酸イミドオリゴマーを製造し、次に、上記により得ら
れた不飽和アミド酸を脱水環化させてイミドを生成させ
るが、この反応には、例えば米国特許第3,018,29
0号明細書、同第3,018,292号明細書及び同第
3,127,414号号明細書等に記載された既知の方法
を使用することができる。
【0070】一般式IVで示される不飽和アミド酸から
の脱水にあたっては、アミド酸基1モルに対し1.05
〜1.5モルの量で第三級アミン(例えばトリエチルア
ミン)を添加し、更に触媒として、アミド酸基1モルに
対し0.05〜0.5モルの酢酸ニッケルの存在下に、
アセトンを溶媒として反応させることが適当である。 一般式IV
【0071】
【化28】
【0072】(式中、Ar1、Ar2及びaは上記一般式
Iに示すものと同じである。)
【0073】上記一般式IIで示されるジアミンは、後
述するジアミン成分(xモル)とテトラカルボン酸又はそ
の誘導体からなる酸成分(yモル)のモル比において、オ
リゴマーの末端がアミンになることと、適当な重合度の
オリゴマーを合成することなどの観点より、1<x/y≦
4、好ましくは1<x<y≦1.5であるように調整して
有機溶媒中で脱水反応させて得ることができる。この場
合、得られたジアミンの固有粘度が0.05〜1.0(d
l/g)とするのが、以下に述べる理由より好ましい。
【0074】即ち、固有粘度が1.0を超えると、粘度
が高くなり過ぎ、作業性が悪くなる上、末端アミンと不
飽和ジカルボン酸無水物から合成される一般式Iのビス
マレイミドの不飽和基が十分に反応することが困難にな
り、しかも、所要の耐水性や耐溶剤性更に強度が得られ
ないので好ましくない。
【0075】一方、固有粘度が0.05未満になると硬
化物の可とう性、電気的特性が悪くなるので好ましくな
い。
【0076】この固有粘度とは、次の式で計算されるも
のであり、式中の粘度は毛細管粘度計により測定される
ものである。
【0077】
【式1】
【0078】ここで用いられるジアミン成分のうち、フ
ッ素を有しないものとしては、例えば2,2−ジメチル
プロピレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレン
ジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、
4,4'−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチル
ヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジア
ミン、2,17−エイコサデシレンジアミン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12
−ジアミノオクタデカン、ジアミノプロピルテトラメチ
レンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エ
タン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジ
アミンなどの脂肪族ジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、2,4
−ジアミノトルエン、4,4'−ジアミノジフェニルプロ
パン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジ
ン、3,3'−ジメチルベンジジン、3,3'−ジメトキシ
ベンジジン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミ
ノジフェニル、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4'−ジアミノジフェニルケトン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルエーテル、1,4−ジアミノナフタレン、1,
5−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−te
rt−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−tert−ブ
チルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−△−ア
ミノ−フェニル)ベンゼン、ビス(p−1,1−ジメチル−
tert−アミノベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−
2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミ
ン、ビス(4−アミノフェニル)d,d'−p−キシレンジア
ミン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スル
ホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパンなどが挙げられるのであり、本発明ではこ
れらのジアミンをジイソシアネートに変性したものを用
いてもよい。
【0079】また、含フッ素ジアミン成分としては、上
記ジアミン成分のうち、アルキル基やアルキレン基を有
するジアミンのアルキル基やアルキレン鎖中の水素原子
を総てフッ素原子に置換せしめたものが用いられる。例
えば、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパ
ン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,
5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビ
ス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−
メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどの2核体
の含フッ素芳香族ジアミンや、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−アミノ
フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス[4−(2−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチル
フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェ
ニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(3−
アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]オクタフ
ルオロブタン、1,5−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]デカフルオロペンタン、1,5−ビス[4−
(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェ
ニル]ヘキサフルオロペンタンなどの4核体の含フッ素
芳香族ジアミンが挙げられる。
【0080】これらの含フッ素芳香族ジアミンのうち、
耐湿性、耐クリーニング性の点から、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2−(3−アミノ−4−メチルフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパンを用いることが好ましい。
【0081】上記ジアミン成分はジイソシアネートに置
き換えて用いてもよく、また二種以上を併用してもよ
い。
【0082】一方、上記ジアミン成分と反応させるテト
ラカルボン酸又はその誘導体からなる酸成分のうち、フ
ッ素を有しないものとしては、例えばブタンテトラカル
ボン酸、エチレンテトラカルボン酸、プロパンテトラカ
ルボン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペン
タンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン
酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−
メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸な
どの脂肪族テトラカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカ
ルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸、3,3',4,4'−ジフェニルテトラカルボン酸、1,
3,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2',3,
3'−ジフェニルテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル、デカハイドロナフタレン−1,4,5,
8−テトラカルボン酸、4,8−ジメチル−1,2,3,
5,6,7−ヘキサハイドロナフタレン−1,2,5,6−
テトラカルボン酸、2,6−ジクロロナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸、2,7−ジクロロナフタ
レン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,3,6,7−
テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボ
ン酸、2,3,4,5−ピロリジンテトラカルボン酸、2,
3,5,6−ピラジンテトラカルボン酸、チオフェンテト
ラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンなどの芳香族
テトラカルボン酸が挙げられるのであり、これらの酸二
無水物、酸ハロゲン化物、モノエステル化物、ジエステ
ル化物がその誘導体として用いられる。
【0083】また、含フッ素テトラカルボン酸又はその
誘導体としては、上記テトラカルボン酸のうち、アルキ
レン基を有するテトラカルボン酸のアルキル基やアルキ
レン鎖中の水素原子を総てフッ素原子に置換せしめたも
のが用いられる。例えば、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ジフルオロメタン、1,3−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)オクタフルオロブタ
ン、1,5−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)デカフ
ルオロペンタン、1,6−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ドデカフルオロヘキサン、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−(3,4
−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパンなどの含フッ素芳香族テトラカルボン酸及びその
誘導体が挙げられ、耐湿性、耐クリーニング性の点か
ら、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン及びこれらの酸二無水
物、酸ハロゲン化物、モノエステル化物、ジエステル化
物などが好適である。
【0084】本発明で用いられる、一般式IIで示され
るジアミンを製造する際に使用される有機極性溶媒は、
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)、N−メチルカプロラクタムなどのアミド系溶媒、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホルアミ
ド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメ
チルテトラメチレンスルホンなどの硫黄原子を含有する
溶媒、クレゾール、フェノールなどのフェノール系溶
媒、ピリジン、エチレングリコール、テトラメチル尿素
などのその他の溶媒を挙げることができる。
【0085】前述の反応に使用する有機極性溶媒を使用
できると共に、更に、ジオキサン、メチルエチルケトン
(MEK)、モノグライム、ジグライムなどの酸素原子
を分子内に有する有機極性溶媒を好適に挙げることがで
きる。
【0086】更に、ここで用いられる有機極性溶媒は、
前述の溶媒と共に、必要であれば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素系の溶媒、ソルベン
トナフサ、ベンゾニトリル、アセトン、メタノールのよ
うな他の種類の有機溶媒を併用することもできる。
【0087】この一般式IIで示されるジアミンは、酸
成分とジアミン成分を前述の有機極性溶媒中で、約10
0℃以下、特に80℃以下の反応温度で反応させて、
「アミド−酸結合を有するオリゴマー」を生成し、次い
で、そのアミド−酸オリゴマー(アミック酸オリゴマー
ともいう)を、約0〜140℃の低温でイミド化剤を添
加する方法によるか、或いは140〜250℃の高温に
加熱する方法によるかして、脱水・環化させて、得るこ
とができる。
【0088】この特に好ましい製法は、酸成分とジアミ
ン成分とを前述のアミド系の有機極性溶媒中に均一に溶
解し、約5〜60℃の反応温度で1〜180分間撹拌し
ながら反応させてアミック酸オリゴマーを生成した後、
その反応液を140〜250℃で特に好ましくは140
〜180℃の温度まで昇温させて、その温度で30〜5
00分間撹拌して、前記のアミック酸オリゴマーをイミ
ド化反応させてイミドオリゴマーを生成させ、最後に、
反応機を室温付近まで冷却する方法を挙げることができ
る。
【0089】前記の反応において、全反応工程を窒素ガ
ス、アルゴンガスなどの不活性ガスの雰囲気で行うこと
が好適である。
【0090】前述のようにして生成した一般式IIで示
されるジアミンは、その反応液を水中等に注ぎ込んで、
粉末状の生成物として単離し、必要な時にその粉末生成
物を有機極性溶媒に溶解して使用してもよく、また、そ
の反応液を、そのままか、或いは、適宜濃縮又は希釈す
るかして、一般式IIで示されるジアミンの溶液組成物
として使用してもよい。
【0091】一般式[II]で示されるジアミンの具体的
な代表例としては、以下のものが挙げられる。
【0092】
【化29】
【0093】
【化30】
【0094】
【化31】
【0095】
【化32】
【0096】
【化33】
【0097】
【化34】
【0098】
【化35】
【0099】
【化36】
【0100】
【化37】
【0101】
【化38】
【0102】
【化39】
【0103】なお、感光体表面、及び保護層に分散させ
る、後述する無機絶縁物に対する密着性を向上するため
にジアミン成分の一部を例えば下記構造式で示されるシ
リコンジアミンに置き換える事もできるが、その配合割
合は、上記一般式IIで示されるジアミン又はその混合
物全体に対し、1〜20重量%の範囲とするのが望まし
く、この配合割合が、1重量%未満では配合する意味が
なく、一方、20重量%を超えると均質な皮膜が得られ
ず、逆に密着性が悪くなる等の理由より、望ましくな
い。
【0104】
【化40】
【0105】(但し、式中R1は二価の有機基、R2とR3
は同種又は異種の一価の有機基、Xは二価の有機基又は
単結合、Yは酸素原子又は二価の炭化水素基であり、n
は1〜100の整数である。)具体的には下記のものを
挙げることができる。
【0106】
【化41】
【0107】
【化42】
【0108】
【化43】
【0109】
【化44】
【0110】
【化45】
【0111】
【化46】
【0112】
【化47】
【0113】
【化48】
【0114】
【化49】
【0115】
【化50】
【0116】
【化51】
【0117】
【化52】 又は
【0118】
【化53】
【0119】などのジアミノシロキサンが挙げられるの
であり、又、他の例としては、
【0120】
【化54】
【0121】
【化55】 又は
【0122】
【化56】 などのシリコンジアミンが挙げられる。
【0123】本発明において、電子写真感光体表面に形
成される保護層としては上記熱硬化型含フッ素ポリイミ
ド単独でよいが、耐摩耗性をさらに上げるために、特
に、無機絶縁物を分散、含有させているものが望まし
い。
【0124】本発明で用いられる無機絶縁物としては、
シリカ、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、
石英、カオリン、マイカ、タルク、水和アルミナ、チタ
ン酸カリウム、酸化チタン、アスベスト、クレイ、ウオ
ラストナイト、酸化亜鉛、炭化ケイ素、ダイアモンド、
ボロン、窒化ボロンなどが挙げられるが、特に、優れた
耐摩耗性が得られるなどの観点より、α−アルミナ、ダ
イアモンド、窒化ボロンが好ましい。
【0125】この場合においても、保護層の厚さは、上
述の理由より、おおよそ0.1〜1.0μm以下である
ことが望ましく、また、樹脂として高抵抗且つ高硬度の
ものを用いることが望ましい。一般に、表面抵抗で10
12Ω以上、モース硬度2〜4のものを用いることが望ま
しい。
【0126】更に、本発明は、電子写真装置内での長時
間の摩耗に耐えるために、無機絶縁物が上記保護層表面
から突出させてなるものが望ましい。
【0127】次に、本発明の電子写真感光体の好適な製
造方法について説明する。本発明の電子写真感光体の製
造方法においては、まず光導電層と、該光導電層の支持
体とを具備する電子写真感光体を形成する工程を実施す
る。
【0128】この工程には、公知の方法を採用できる。
これに関して、アモルファスシリコン感光体について説
明する。アモルファスシリコン感光体は、プラズマCV
D法、スパッタリング法、反応性蒸着法、光CVD法、
マグネトロンCVD法、ECRプラズマCVD法など適
宜選んで製造されるが、この場合、このアモルファスシ
リコン感光体は製造直後のものでなくとも良く、例え
ば、電子写真装置内で使用された後のものでも良い。
【0129】本発明においては、かくして得られた光導
電層上に、熱硬化型含フッ素ポリイミドのプレポリマー
を主成分とする塗布液を塗布して樹脂層を形成する工程
を実施する。
【0130】この塗布液としては、上述のものが挙げら
れる。即ち、光導電層上の保護層に用いる樹脂として熱
硬化型含フッ素ポリイミドのプレポリマーを主成分とす
る塗布液を用い、この塗布液を、浸漬法、回転塗布法、
スプレー法等によって、光導電層上に樹脂層を形成す
る。
【0131】この場合、無機絶縁物が分散している保護
層を形成するには、当該無機絶縁物を塗布液中に均一に
分散したものを用いれば良いのである。
【0132】本発明においては、最後に、この光導電層
上の樹脂層を加熱、硬化して保護層を得る工程を実施す
る。
【0133】この加熱、硬化の条件は、用いられる熱硬
化型含フッ素ポリイミド樹脂によって異なるが、一般
に、温度100〜350℃で1分〜48時間程度加熱す
ればよい。
【0134】この場合の反応は、上記範囲内の一定温度
で、且つ所定時間かけて行っても良いが、上記範囲内に
おいて、段階的に温度を上げ、且つ各温度毎に所要時間
かけることにより、多段階にわたって、加熱、硬化を実
現しても良いのである。この各工程を経て本発明の電子
写真感光体が得られるのである。
【0135】更に、本発明の電子写真装置について説明
する。即ち、本発明の電子写真装置においては、光導電
層上に形成され、熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分
とする保護層を有する電子写真感光体と、該感光体に静
電荷を与える手段と、上記感光体に所定の電磁信号を与
え、選択的に上記静電荷を除去し、静電潜像を形成する
手段と、形成された上記静電潜像に現象剤を付与し現像
する手段と、記録媒体を供給する手段と、現像された像
を上記記録媒体上に定着する手段と、を有するものであ
る。
【0136】つまり、本発明の電子写真装置は、光導電
層上に形成される保護層として、熱硬化型含フッ素ポリ
イミドを主成分とするものを用いているので、以下に述
べる理由により、耐湿性、クリーニング性、耐摩耗性が
著しく優れた長寿命のものであり、このため長期間繰返
し使用できるのである。
【0137】この場合において、光導電層上の保護層に
無機絶縁物が含有され、該無機絶縁物の含有によって保
護層表面に凹凸が形成されているものが、電子写真装置
内での長時間にわたる耐摩耗性が更に向上するので望ま
しい。
【0138】
【作用】本発明の電子写真感光体は、上記構成を有し、
光導電層上に熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分とす
る保護層を設てなり、この樹脂で形成した保護層は化学
的に至極安定でコロナ照射を繰り返しても酸化され難
く、従って、高湿下で使用しても水滴が付着し難いので
表面抵抗が低下しない作用を有するのである。
【0139】又、このように、光導電層上の保護層とし
て熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成分とする樹脂を用
いており、この樹脂で形成した保護層は耐湿性が著しく
優れるだけでなく、高抵抗であり、しかも硬度が高く、
紙やクリーニングブラシなどに対する耐摩耗性、クリー
ニング性が著しく優れるので画像流れが発生しない高い
信頼性の電子写真感光体が得られる作用を有するのであ
る。
【0140】このように、本発明の電子写真感光体は優
れた特性を有するので、この感光体を電子写真装置に搭
載することにより、ヒータ等の加熱乾燥手段を用いる事
なく、初期画像と変わらない鮮明な画像が長時間繰り返
しても得られる上、加熱手段が不要なので構造が簡単
で、しかも電子写真装置の他の部分への悪影響を防止で
きたり、従来の加熱乾燥手段を用いることにより生ずる
弊害の防止、例えば融点の低いトナーを用いることがで
きるなどの作用を有するのである。
【0141】又、本発明の電子写真感光体において、光
導電層上の保護層に無機絶縁物を含有させると、耐摩耗
性が一層向上する作用を有する。
【0142】本発明の電子写真感光体の製造方法による
と、特殊な技術や装置を用いる事なく、簡単且つ経済的
に、高信頼性の感光体が得られる作用を有するのであ
る。
【0143】本発明の電子写真装置は、上述の高信頼性
の電子写真感光体を搭載しているので耐湿性、クリーニ
ング性、耐摩耗性が著しく優れるのであり、従って、長
期間繰返し使用しても初期画像と変わらない鮮明な画像
が得られるうえ、ヒータ等の加熱乾燥手段を用いる必要
がなく、経済的にも優れる作用を有するのである。
【0144】この場合において、光導電層上の保護層に
無機絶縁物が含有され、該無機絶縁物の含有によって保
護層表面に凹凸が形成されているものが、電子写真装置
内での長時間にわたる耐摩耗性が更に向上する作用を有
するのである。
【0145】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に具体的に
説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。 実施例1 図1は本発明による感光体の構造を示した概略図であ
る。図1において、符号101はAl素管、102は感
光体、103は保護層であり、該保護層103には無機
絶縁物104が分散、含有されている。
【0146】上記感光体102は多層構造でもよい。本
実施例ではa−SiC:H:B/a−Si:H:B/a−Si:H
の三層構造とした。
【0147】120mm×300mmのAl素管101をプ
ラズマCVD装置にセットし、モノジラン、エチレン、
ジボラン及び水素の混合ガスを用いて、a−SiC;H:B
膜を作製した。次いで、モノシラン、ジボラン及び水素
の混合ガスを用いてa−Si:H:B層を作製し、さらに、
モノシラン、エチレン及び水素の混合ガスを用いてa−
Si:H層を作製した。
【0148】各層の厚さはブロッキング層a−SiC:H:
Bが2μm、感光体a−Si:H:Bが30μm、保護層a−
Si:Hが0.5μmである。この感光体102をプラズ
マCVD装置から取り出した。
【0149】次に、熱硬化型含フッ素ポリイミドの製造
法について記載する。フラスコ内に2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無
水物(6FDA)88.8g(0.200mol)、2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオ
ロプロパン(BAPF)116.9g(0.226mol)、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)480gを仕込み、
窒素気流中、30℃以下の室温にて12時間撹拌を行
い、固形分濃度40.0重量%の末端アミンのアミド酸
オリゴマーを得た。
【0150】なお、固有粘度(N−メチル−2−ピロリ
ドン中、0.5g/dl濃度、30℃、以下の固有粘度も
これと同条件)は0.53dl/gであった。
【0151】次いで、このアミド酸溶液にトルエン20
0gを加え、145℃に加熱しながら3時間撹拌し、続
いて160℃で3時間撹拌し、生成水を共沸水として系
外に取り出しながら、脱水閉環イミド化を行い、末端ア
ミンのイミドオリゴマーを得た「PI(BAPF,6F
DA)、一般式IIで示されるジアミンの一種」。
【0152】固有粘度は0.26dl/gでり、このイミ
ドオリゴマー溶液中にはアミノ基を0.045mol(過塩
素酸による電位差滴定分析値、理論値、0.052mol)
を含んでいた。
【0153】得られたイミドオリゴマー溶液に無水マレ
イン酸(MA)25.5g(0.260mol)を加え
て、窒素気流中、30℃以下の室温にて12時間撹拌を
行った。
【0154】次に、p−トルエンスルホン酸水和物3g
(0.016mol)、トルエン200gを加えて110℃で
縮合水を除去しながら5時間撹拌した。この溶液から減
圧下でトルエンを留去した後、水に滴下し、析出した沈
澱を濾別、減圧乾燥して末端変性イミドオリゴマーを得
た(変性末端基量 理論値0.052mol、一般式Iで示
されるビスマレイミドの一種)。
【0155】次に、NMP300gにこの末端変性イミ
ドオリゴマーを溶解させた後、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン
(BAPF、一般式IIで示されるジアミンの一種)1
3.5g(0.026mol)を加えて180℃で2時間撹拌
し、プレポリマー化(予備反応)した。
【0156】更に、この溶液を大量の水中に再沈させ、
濾過、水洗濾過した後、減圧乾燥した。この粉末150
gをメチルエチルケトン(MEK)850gに溶解させ塗布
液とした。
【0157】次に、無機絶縁物として、平均粒径0.5
5μmのα−アルミナ粒子(住友化学製AKP−20)を
70g加え、超音波分散させた。
【0158】この塗布液を上記感光体に塗布し、150
℃、250℃、290℃で各1時間熱処理し、無機絶縁
物(α−アルミナ粒子)を分散、含有させた保護層を形成
した。 この保護層の厚さは0.4μmであり、残留電
位が90(V)、感度が0.28(m2/mJ、720
nm)、帯電電位が650(V、印加電圧7KV)、暗
減衰率が0.52(5秒値)であった。
【0159】この得られた感光体を図2に示すレーザビ
ームプリンター(電子写真装置)18に搭載し、印刷試験
を行った。この結果100万頁まで初期画像と変わらな
い鮮明な画像が得られた。
【0160】図2において、符号1は感光ドラム、2は
静電荷を与える帯電器、3は現像器、4はマグロール、
5はトナー、及びキャリア、6はフェートランプ、7は
転写用帯電器、8はイレーズランプ、9はクリーナ、1
0は記録媒体である用紙、11はヒートロール、12は
プレヒータ、13は定着器、14及び15は光学系16
を形成するレンズ及び電磁波信号例えば光を与え露光す
る光源、17は必要な制御系及び電源、18は電子写真
装置をそれぞれ示す。光源として、LEDアレイ等を用
いればレンズ14は省略することができる。
【0161】電子写真装置内における電子写真の過程は
次の通りである。 ドラム感光体1の表面に形成された静電潜像に対し
て、マグロール4で撹拌される現像剤であるトナー及び
キャリア5を接触させて現像する。 ドラムをフェートランプ6で照射し、現像剤の付着し
ていない部分の電位を消去する。 記録媒体である用紙10をドラムに接触させ、転写用
帯電器7で帯電しながら転写する。 転写後、ドラムのイレーズランプ8で光照射され、静
電潜像を消去し、フアーブラシなどを備えたクリーナ9
で清浄して次の工程にそなえる。 用紙10に転写されたトナー像はプレヒータ12、ヒ
ートロール11を備えた定着器13で定着される。
【0162】本発明の電子写真装置18は、感光体を加
熱乾燥させる手段、例えばヒーター等は有していない。
ヒータレスにすることにより消費電力が15〜20KW
のレーザビームプリンタでは、1.0〜1.5KWの削
減することができる。
【0163】実施例2 実施例1において、アルミナ粒子を除いた以外は、実施
例1と同様にして、厚さ0.7μmの保護層を形成し
た。ヒーター等の加熱乾燥手段なしにいおいても、温度
32℃で相対湿度80%条件下5万頁印字後においても
画像の鮮明度が保たれていた。
【0164】実施例3 フラスコ内に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)2
1.32g(0.048mol)、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン(BAPF)26.95g、NMP112.63
g(0.052mol)を仕込み、同様にして、末端ア
ミンのアミド酸オリゴマーを得た。この固有粘度は0.
41dl/gであった。
【0165】次いで、同様に脱水閉環して末端アミンの
イミドオリゴマー(固有粘度0.38dl/g)を得
た。アミノ基は0.0072mol含んでいた。得られ
たイミドオリゴマー溶液に2,2−ビス[4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン(BAPF−MI)17.34g(0.026mo
l)とNMP312gを加えて160℃で3時間、続い
て180℃で100分撹拌し、プレポリマー化した。こ
のポリマーを水中に再沈し、少量のメタノールにて洗
浄、減圧乾燥後、MEKに15重量%となるように溶解
した。
【0166】更にα−アルミナ粒子をポリマーに対し5
0g加え、超音波分散させた。この塗布液を上記感光体
に厚さ0.4μmとなるように塗布し、150℃、25
0℃及び290℃で各1時間づつ行った。
【0167】次いで、実施例1と同様にレーザービーム
プリンターにて印刷試験を行った。この結果、100万
頁後においても鮮明な画像が得られた。一方、保護膜の
ない場合には画像流れが発生した。
【0168】実施例4 実施例3におけるBAPFと6FDAとからなる末端ア
ミンのイミドオリゴマーにおいてアミン成分のBAPF
を上記化12のアミンにした他は、実施例3と同様にし
て形成した感光体を用いて、実施例1と同様の印字試験
を行ったが100万頁印字後においても鮮明な画像が得
られた。
【0169】実施例5 実施例4において2ーメチルイミダゾール5gを加え、
乾燥キュアー温度を100℃、150℃及び200℃で
各1時間づつにした他は、実施例3と同様にして形成し
た感光体を用いて、実施例1と同様の印字試験を行った
ところ実施例3と同様に鮮明な画像が得られた。
【0170】比較例 フッ素樹脂である「ルシフロン」(旭硝子製)100
g、キシレン80g、n−ブタノール80gと20gの
メチル化メラミン及び0.5gの「キャタリスト600
0」(旭硝子製)からなる溶液をディピング法により厚
さ0.4μmとなるように感光体にコーティングし、1
40℃30分間加熱キュアーにより保護層を形成させ
た。
【0171】このものを用い、実施例1と同様に印字試
験を行ったところ5万頁印字後には摩耗による膜剥がれ
が部分的に生じ画像流れが生じた。
【0172】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、上記構成を
有し、光導電層上に熱硬化型含フッ素ポリイミドを主成
分とする保護層を設てなり、この樹脂で形成した保護層
は化学的に至極安定でコロナ照射を繰り返しても酸化さ
れ難く、従って、高湿下で使用しても水滴が付着し難く
表面抵抗が低下しないので画像流れが発生しないのであ
り、しかも高抵抗で、且つ硬度が高く、紙やクリーニン
グブラシなどに対する耐摩耗性、クリーニング性が著し
く優れるので高い信頼性の電子写真感光体が得られる効
果を有するのである。
【0173】このように、本発明の電子写真感光体は優
れた特性を有するので、この感光体を電子写真装置に搭
載することにより、ヒータ等の加熱乾燥手段を用いる事
なく、初期画像と変わらない鮮明な画像が長時間繰り返
しても得られるので至極経済的である上、加熱乾燥手段
が不要なので構造が簡単で、しかも電子写真装置の他の
部分への悪影響を防止できたり、従来の加熱乾燥手段を
用いることにより生ずる弊害の防止を図ることができる
効果を有するのである。
【0174】又、本発明の電子写真感光体において、光
導電層上の保護層に無機絶縁物を含有させると、耐摩耗
性が一層向上し、一層耐久性が向上するのである。
【0175】本発明の電子写真感光体の製造方法による
と、特殊な技術や装置を用いる事なく、簡単且つ経済的
に、高信頼性の感光体が得られる。
【0176】本発明の電子写真装置は、上述の高信頼性
の電子写真感光体を搭載しているので耐湿性、クリーニ
ング性、耐摩耗性が著しく優れるのであり、従って、長
期間繰返し使用しても初期画像と変わらない鮮明な画像
が得られるうえ、ヒータ等の加熱乾燥手段を用いる必要
がなく、経済的にも優れる効果を有するのである。
【0177】この場合において、光導電層上の保護層に
無機絶縁物が含有され、該無機絶縁物の含有によって保
護層表面に凹凸が形成されているものが、電子写真装置
内での長時間にわたる耐摩耗性が更に向上するので有益
である。
【0178】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のアモルファスシリコン感光
体の断面図である。
【図2】本発明を適用する電子写真装置の構成を示す概
略図である。
【0179】
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電器 3 現像器 4 マグロール 5 トナー及びキャリア 6 フェードランプ 7 転写用帯電器 8 イレーズランプ 9 クリーナ 10 用紙 11 ヒートロール 12 プレヒータ 13 定着器 14 レンズ 15 光源 16 光学系 17 制御系及び電源 18 電子写真装置 101 Al素管 102 感光体 103 表面層樹脂 104 フィラー分散体(無機絶縁物)
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/22 6830−2H (72)発明者 林 俊一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 杉本 俊彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 草鹿 皋太郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 石川 文紀 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉橋 邦裕 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 田村 克 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 若木 政利 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 華園 雅信 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光導電層と、該光導電層の支持体とを具備
    する電子写真感光体において、上記光導電層上に、熱硬
    化型含フッ素ポリイミドを主成分とする保護層を設けた
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】光導電層がアモルファスシリコン単独、ア
    モルファスカーボン、アモルファスシリコンカーバイ
    ド、アモルファスシリコンナイトライドから選ばれた少
    なくとも1種からなるものである請求項1に記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】保護層に無機絶縁物が含有されている請求
    項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】無機絶縁物が保護層表面から突出している
    請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】熱硬化型含フッ素ポリイミドが、一般式I
    で示されるビスマレイミド又はその混合物に、一般式I
    Iで示されるジアミン又はその混合物を含有させてな
    り、且つ一般式I・II中のAr1、Ar2、Ar3又はAr4
    のうちの少なくとも一つは、結合する水素原子の一部も
    しくは全部がフッ素原子に置換されてなるものを熱硬化
    したものである請求項1ないし4のいずれかに記載の電
    子写真感光体。 【化1】 【化2】 (但し、Ar1とAr3は二価の芳香族基であり、またAr2
    とAr4は四価の芳香族基を示し、a及びbは0又は1以上
    の整数であり、DとD'は二価の不飽和結合を有する有
    機基であって、同一であっても異なっていてもよい。)
  6. 【請求項6】一般式I中のAr1及び一般式II中のAr3
    が、一般式III 【化3】 で示され、しかも該一般式III中において、Rf1が単
    結合又はパーフルオロアルキレン基、−O−であり、X
    及びYが同一又は異なるアルキル基、フッ化アルキル基
    から選ばれた少なくとも一種であり、nが0又は1、mが
    0〜4の整数、lが0〜4の整数である請求項5に記載
    の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】一般式I中のAr2及び一般式II中のAr4
    が、 【化4】 であり、しかも該一般式において、Rf2が単結合、パー
    フルオロアルキレン基、 【化5】 【化6】 又は 【化7】 から選ばれた一種である請求項5又は6に記載の電子写
    真感光体。
  8. 【請求項8】 一般式IIIで示される含フッ素芳香族
    基が、 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 又は 【化13】 から選ばれたものである請求項6又は7に記載の電子写
    真感光体。
  9. 【請求項9】光導電層と、該光導電層の支持体とを具備
    する電子写真感光体を形成する工程と、 該光導電層上に、熱硬化型含フッ素ポリイミドのプレポ
    リマーを主成分とする塗布液を塗布して樹脂層を形成す
    る工程と、 この光導電層上の樹脂層を加熱、硬化して保護層を得る
    工程、を有する電子写真感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】光導電層上に形成され、熱硬化型含フッ
    素ポリイミドを主成分とする保護層を有する電子写真感
    光体と、 該感光体に静電荷を与える手段と、 上記感光体に所定の電磁信号を与え、選択的に上記静電
    荷を除去し、静電潜像を形成する手段と、 形成された上記静電潜像に現象剤を付与し現像する手段
    と、 記録媒体を供給する手段と、 現像された像を上記記録媒体上に定着する手段と、を有
    する電子写真装置。
  11. 【請求項11】保護層に無機絶縁物が含有され、該無機
    絶縁物の含有によって保護層表面に凹凸が形成されてい
    る請求項10に記載の電子写真装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6342324B1 (en) 2000-02-16 2002-01-29 Imation Corp. Release layers and compositions for forming the same
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US7955770B2 (en) 2006-10-25 2011-06-07 Seiko Epson Corporation Photoconductor, photoconductor cartridge and image-forming apparatus
JP2012008364A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US8137878B2 (en) 2007-04-25 2012-03-20 Kyocera Corporation Electrophotographic photoreceptor, method for manufacturing the same, and image-forming apparatus using same
JP2013148792A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体の製造方法

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