JP5147422B2 - シームレスベルト及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザビームプリンターファクシミリ、及びこれらの複合装置などの電子写真式画像形成装置に用いられるシームレスベルト並びにその製造方法に関し、より詳細には定着用、感光体基体用、中間転写用、紙搬送用及び転写定着用等に使用されるシームレスベルト並びにその製造方法に関する。
電子写真式画像形成装置は、一般的に、帯電させた感光体の表面に、画像読取装置で得られた画像に対応する静電潜像を形成し、現像器によってトナー画像とした後、中間転写体に静電転写(一次転写)し、中間転写体から紙等へ再度転写(二次転写)して、定着ロール又は定着ベルトで加熱定着する。シームレスベルトは、主に、これらの中間転写体に用いられているが、近年、中間転写体だけではなく、感光体や転写を兼ねた定着等にもシームレスベルトの使用が検討されている。
従来、シームレスベルトの製造は、筒状金型の内面に樹脂溶液を展開し、回転成型及び加熱成型を行い、前記金型を誘導過熱などにより加温する方法により行われている(特許文献1)。また、シームレスベルトの材料としては、成型性が良いこと、軽量であること等の理由からプラスチック材料が使用されているが、特にプラスチック材料の中でも、耐熱性、機械的強度及び耐環境特性に優れるポリイミド樹脂が多用されている。また、ポリイミド樹脂は、イミド化触媒を所定量混合することにより、一層効果的にイミド化を促進させること、及び、有効に可撓性を向上させることが可能である。したがって、上記のシームレスベルトの製造方法においても、イミド化触媒を用いることにより、ポリアミド酸の加熱製膜工程を短時間で効率よく行うことが可能であり、また、優れた特性を有するシームレスベルトを提供することが可能である。
また、静電的な転写方式に用いられるベルト材料には、表面抵抗値が10〜1013Ω・cm程度であること、すなわち、いわゆる中抵抗を有することが要求される。そこで、従来より、ポリイミド樹脂を用いたシームレスベルトの製造方法には、上記特性を確保するために、ポリイミド樹脂中にカーボンブラックなどの導電性フィラーを含有させる手法が用いられている(特許文献2)。
特開2004−181731号公報 特開平10−63115号公報
しかしながら、上記の製造方法より得られるシームレスベルトには、以下のような問題がある。ポリアミド酸溶液からポリイミド樹脂層を製膜する工程において、イミド化触媒を用いると、その製膜時間が短くすることが可能であり、特に誘導過熱方式を適用すると、より短時間での製膜が可能である。しかし、この場合、ポリアミド酸溶液の金型側面と空気側面での乾燥状態が異なるため、収縮応力の差が発生し、得られるシームレスベルトは外側に大きく反りやすいものとなる。このような反りのあるシームレスベルトを中間転写ベルトや転写搬送ベルトとして使用すると、印刷シートが、シームレスベルトの外側への反りに追従し、ベルト上で反ることにより、転写ムラや画像不良を生じるといった問題や、ベルト端部のベルト位置検出用のマークやフラグ等がうまく読み取れず装置自体が止まってしまうという問題が生じる。したがって、中間転写ベルトや転写搬送ベルトに使用されるシームレスベルトは、製造時のみならず、長期間の使用にわたり、反りの少ない状態を維持する必要がある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、製造時のみならず、長期間の使用にわたり、反りの少ない状態を維持できるシームレスベルト及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意検討を行なったところ、ポリアミド酸溶液からポリイミド樹脂層を製膜する工程において、ポリアミド酸溶液にイミド化触媒として2−メチルイミダゾールを含有させることにより、得られるシームレスベルトが製造時に反りの少ない形状となることを見出した。さらに、かかるシームレスベルトは、長期間使用した場合でも、反りの少ない状態を維持できることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)イミド化触媒を含有するポリアミド酸溶液を、円筒状金型の内周面又は外周面に展開し、該展開層を加熱乾燥して、ポリイミド樹脂層を製膜する工程を含む、シームレスベルトの製造方法。
(2)イミド化触媒が、2−メチルイミダゾールである、上記(1)記載の製造方法。
(3)ポリアミド酸溶液が、さらに、無機充填剤を含有する、上記(1)又は(2)記載の製造方法。
(4)無機充填剤がカーボンブラックである、上記(3)記載の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法によって得られる、シームレスベルト。
本発明の製造方法によれば、ポリイミド樹脂に由来する機械的な強度・弾性を有し、かつ、製造時のみならず長期間の使用にわたり反りの少ないシームレスベルトを提供することができる。したがって、本発明の製造方法によって得られるシームレスベルトを、複写機、プリンタ等の転写搬送ベルト、中間転写ベルト、転写定着ベルト、感光体ベルトに使用することにより、転写ムラ、画像不良、及び装置自体が止まってしまう等の問題が少ない複写機、プリンタ等を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のシームレスベルトの製造方法は、イミド化触媒として2−メチルイミダゾールを含有するポリアミド酸溶液を、円筒状金型の内周面又は外周面に展開し、該展開層を乾燥・加熱して、ポリイミド樹脂層を製膜する工程を含むことを特徴とする。
本発明のポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液は、酸二無水物と、ジアミンとを有機溶媒中で重合反応させることによって生成することができる。
上記酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらの酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−t−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロへキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNHなどが挙げられる。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸二無水物とジアミンとを重合する際に用いられる溶媒としては、原料となるモノマー及び生成するポリアミド酸をいずれも溶解するものであれば特に限定されないが、溶解性の点から、極性有機溶媒が好ましく、さらに、導電性フィラーの分散性を高めるもの、特にカーボンブラックの分散性を高めるものが好ましい。このような極性有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられ、中でも、蒸発、置換又は拡散によりポリアミド酸及びポリアミド酸成形品から容易に除去することができる点で、N,N−ジアルキルアミド類が特に好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが最も好ましい。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量としては、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、例えば、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5〜30重量%となるような量が挙げられる。さらに、前記の極性有機溶媒に加え、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、ベンゼン、トルエン等を、単独あるいは混合して使用することができる。なお、ポリアミド酸溶液中に水が存在する場合、ポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、水を前記の極性有機溶媒に加えることは避けるべきであり、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要がある。
上記重合反応の条件は、従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で、30分〜10時間連続して撹拌及び/又は混合することが挙げられる。また、必要により重合反応を分割及び/又は温度を上下させてもかまわない。なお、酸二無水物及びジアミンの添加順序に、特に制限はない。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の濃度は、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%である。また、前記溶液の粘度は、厚みムラのない均一塗布を行う観点から、B形粘度計による測定(25℃)で、好ましくは100〜500Pa・sであり、より好ましくは200〜400Pa・sである。
上記のポリアミド酸溶液には、適宜必要に応じて、フィラーをさらに含有させることができる。例えば、シームレスベルトに対し半導電性を付与するためには、導電性フィラーを含有させることができ、熱伝導性を向上させるためには熱伝導性フィラーを含有させることができる。
前記導電性フィラーとしては、導電性が得られるものであれば特に限定はないが、少ない使用量で半導電性を達成することができる点で、カーボンブラックが特に好ましい。かかるカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
具体的には、ファーネスブラックとしては、例えば、デグサ・ヒュルス社製の「SpecialBlack550」、「Special Black350」、「Special Black250」、「Special Black100」、「Printex 35」、「Printex 25」、又は、三菱化学社製の「MA7」、「MA77」、「MA8」、「MA11」、「MA100」、「MA100R」、「MA220」、「MA230」、又は、キャボット社製の「MONARCH 1300」、「MONARCH 1100」、「MONARCH 1000」、「MONARCH 900」、「MONARCH 880」、「MONARCH 800」、「MONARCH 700」、「MOGUL L」、「REGAL 400R」、「VULCAN XC−72R」等が挙げられる。また、チャンネルブラックとしては、例えば、デグサ・ヒュルス社製の「Color B1ack FW200」、「Color Black FW2」、「Color Black FW2V」、「Color Black FW1」、「Color BlackFW18」、「Special Black 6」、「Color Black S170」、「Color Black S160」、「Special Black 5」、「Special Black 4」,「Special Black 4A」、「Printex 150T」、「Printex U」、「Printex V」、「Printex 140U」、「Printex 140V」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、粒子表面にポリマーをグラフト化させたり、絶縁材を被覆したりすることで電気抵抗を制御してもよく、カーボンブラック粒子表面に酸化処理を施してもよい。また、これらのカーボンブラックは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記カーボンブラックの平均粒子径は、通常5〜100nmであり、好ましくは10〜70nmであり、より好ましくは15〜60nmである。平均粒子径が5nm未満のものは、実質的に入手することが困難であり、平均粒子径が100nmを越える場合は、該カーボンブラックを含有したポリイミド樹脂組成物の表面粗さ、機械的強度及び電気抵抗制御性などの観点から、実用上満足できるものが得られ難い。なお、本願でいう「平均粒子径」とは、電子顕微鏡などで測定された一次粒子径に基づく平均粒子径をいう。
上記カーボンブラックの使用量は、シームレスベルトの用途などにより適宜決定されるが、例えば、表面抵抗率の常用対数値が8〜13(logΩ/□)である半導電性ポリイミドベルトを得るためのカーボンブラックの使用量としては、通常、ポリイミド樹脂固形分に対し10〜40重量%程度が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。前記抵抗領域を発現するためには高導電性カーボンブラックを用いる必要があり、かかる高導電性カーボンブラックを10重量%より少ない低添加量で加えると、安定した抵抗を再現よく製造するのが困難となる場合がある。一方、該添加量が40重量%より多いと、ポリイミド樹脂本来の高い機械特性が損なわれ、脆性が発現することにより、ベルトを複数の駆動ローラ等により駆動する際に、ベルト端面に亀裂を生じる場合がある。
上記熱伝導性フィラーとしては、熱伝導性が得られるものであれば特に限定はなく、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、珪素、シリカ、グラファイト等の粉末が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアミド酸溶液中へのフィラーの配合は、例えば、プラネタリミキサービーズミル及び3本ロール等の分散機により、フィラーを混合分散して行うことができる。なお、有機溶媒へのフィラーの配合は、目的とする特性のバラツキを防止して均一に分散させるために、酸二無水物とジアミンを溶解させて重合処理を行う前に、有機溶媒中にフィラーを分散させることが好ましい。なお、その際の分散方法としては、自体公知の方法を用いることができ、例えば、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、超音波分散等が挙げられる。
<ポリイミドを主成分とするベルトの製造方法>
次に、本発明のポリイミドを主成分とするベルトの製造方法について説明する。
本発明のポリイミドを主成分とするベルトは、上記のポリアミド酸溶液を、金型の内周面又は外周面に展開し、該展開層を乾燥・加熱して、ポリイミド樹脂層を製膜する工程を含むことを特徴とする。
上記の金型としては、従来からベルトの製造に用いられているものであれば特に限定されず、通常、ベルトの形状に応じた円筒状金型が用いられ、かかる金型の内面にポリアミド酸溶液が塗布される。金型の材質としては、例えば、その耐熱性の観点から、金属、ガラス、セラミック等の各種のものが挙げられる。また、ポリアミド酸溶液の展開方式としては、展開層の厚みが均一になる方式であれば特に制限はなく、例えば、ディスペンサー塗布方式、浸漬方式、遠心方式、注形型に充填する方式などが挙げられる。
ポリアミド酸溶液の展開層の加熱方法は、効率的に溶媒や触媒を蒸発、置換又は核酸により除去できるものであれば特に制限はなく、例えば、熱風炉や誘導加熱(IH)を用いる方法などが挙げられる。展開層の加熱温度は、通常、300〜400℃である。加熱温度が300℃未満であると、十分にイミド化がなされず、機械強度が不足するおそれや、所定の抵抗値が得られにくくなるおそれがある。また、400℃を超えると、展開層の劣化が始まり、所定の抵抗値が得られにくくなるおそれがある。加熱時間は、通常0.5〜1.0時間程度である。なお、加熱時間が0.5時間未満であると、十分にイミド化がなされないおそれや、溶媒が十分に除去されないおそれがある。
本願発明のベルトの厚さは、使用目的などに応じて適宜決定し得るが、強度や柔軟性等の機械特性を十分に発揮するために、通常5〜500μm、好ましくは10〜300μm、特に好ましくは20〜200μmである。また、目的とするベルトがリング形である場合には、フィルム端の接着剤等を介した接着方式などの適宜な接続方式にて形成することや、シームレスなリングベルトとすることも可能である。リング形のシームレスベルトは、重畳による厚さの変化がなく、任意の部分を回転の開始位置とすることが可能であり、回転開始位置の制御機構を省略できる利点などを有している。なお、前記したシームレスベルトの形成は、例えば、ポリアミド酸の溶液を金型の内周面や外周面に浸漬方式や遠心方式や塗布方式等にてコートする方式や、注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してシームレスベルト形に成形することにより行うことができる。また、かかるシームレスベルトの形成に際しては、型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理を施すことができる。
このようにして得られた本発明のシームレスベルトは、転写ベルト等として用いる場合、トナー像の変形や転写ムラが少なく、長期に渡る使用後でも反り量を小さく維持することができる。
以下、本発明の実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
3000gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、乾燥したカーボンブラックPrintex V(デグサジャパン社製、揮発分:5%、BET比表面積:100m/g、揮発分/BET比表面積×100:5%、pH4.5、酸化処理なし)140.2g(ポリイミドに対し23重量%)をボールミル(型番BM−200、株式会社マキノ製)で6時間(室温)混合した。このカーボンブラック分散NMPに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)489.8gとp−フェニレンジアミン(PDA)179.9gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で6時間撹拌しながら反応させて、150Pa・s(B形粘度計により、25℃において測定)のカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。このカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液に、2−メチルイミダゾール(沸点267℃、融点140℃)27.4g(ポリアミド酸1モル当量に対して0.2モル当量)を30分間混合し、触媒添加カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。内径300mm、長さ900mmの円筒状金型(SUS製)の内面に、前記溶液をディスペンサーで厚さ170μmに塗布後、1500rpmで10分間回転させ均一な塗布面を得た。次に、20rpmで回転させながら、金型の外側より130℃の熱風を30分間あてた後、その後350℃まで4℃/分の昇温速度で昇温し、350℃で15分保持した後冷却し、金型内面からベルトを離型し、75μmの目的とするポリイミド樹脂製シームレスベルトを得た。
(比較例1)
イミド化触媒として、2−メチルイミダゾールに代えて、2−フェニルイミダゾールをポリアミド酸1モル当量に対して0.2モル当量添加した以外は、実施例と同様の方法により、目的とするポリイミド樹脂製シームレスベルトを得た。
(比較例2)
イミド化触媒として、2−メチルイミダゾールに代えて、1,2−ジメチルイミダゾールをポリアミド酸1モル当量に対して0.2モル当量添加した以外は、実施例と同様の方法により、目的とするポリイミド樹脂製シームレスベルトを得た。
(比較例3)
イミド化触媒として、2−メチルイミダゾールに代えて、2,4−ジメチルイミダゾールをポリアミド酸1モル当量に対して0.2モル当量添加した以外は、実施例と同様の方法により、目的とするポリイミド樹脂製シームレスベルトを得た。
(比較例4)
イミド化触媒として、2−メチルイミダゾールに代えて、4−メチルイミダゾールをポリアミド酸1モル当量に対して0.2モル当量添加した以外は、実施例と同様の方法により、目的とするポリイミド樹脂製シームレスベルトを得た。
(評価試験)
(1)収縮率
実施例及び比較例1〜4で得たシームレスベルトについて、下記の方法により収縮率を求めた。すなわち、収縮前後において測定したシームレスベルトの幅に基づき、下記(1)式を用いて収縮率を算出した。結果を下記表1に示す。
なお、シームレスベルトの収縮前及び収縮後の幅は、25℃において、ノギスを用いて測定した。
上記表1の結果に示されるように、実施例のシームレスベルトは収縮率が小さいため、反り量を小さく維持することができる。一方、比較例1〜4のシームレスベルトは収縮率が大きく、使用により反り量が大きくなる。
実施例及び比較例1〜4で得たシームレスベルトの断片についての、上面及び側面の写真を示す図である。

Claims (4)

  1. 2−メチルイミダゾールを含有するポリアミド酸溶液を、円筒状金型の内周面又は外周面に展開し、該展開層を加熱乾燥して、ポリイミド樹脂層を製膜する工程を含む、シームレスベルトの製造方法。
  2. ポリアミド酸溶液が、さらに、無機充填剤を含有する、請求項1記載の製造方法。
  3. 無機充填剤がカーボンブラックである、請求項記載の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項の製造方法によって得られる、シームレスベルト。
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