JP2004099709A - ポリイミド樹脂製ベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性フィラーを含有するポリイミド樹脂からなるベルトであって、前記ポリイミド樹脂は、ポリアミド酸溶液に触媒を添加し混合して得られたものであり、前記ベルトは、触媒を添加しないで得られたポリイミド樹脂製ベルトに対してJIS P 8110における耐折強さが1.3倍以上、かつ、JIS K 7128に準じたトラウザー引裂き強度が1.3倍以上であることを特徴とするベルト。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂製ベルトに関する。詳しくは、電子写真記録装置における像の中間転写ベルトやその中間転写兼用の印刷シート搬送用ベルト、定着用ベルト、転写定着用ベルトなどに好適なべルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真方式で像を形成記録する電子写真記録装置としては、複写機、レーザープリンタ、ビデオプリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機等が知られている。この種の装置では装置寿命の向上などを目的として、感光ドラム等の像担持体上の像を中間転写ベルトに一旦転写し、それを印刷シート上に転写・定着させる中間転写方式等が一部採用されている。また装置の小型化等を目的に、搬送ベルトで印刷シートを搬送しながら転写を行う方式も採用されている。
【0003】
この様な中間転写ベルトや転写搬送ベルト等に用い得る半導電性ベルトとして、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド樹脂に導電性フィラーを分散してなる中間転写ベルトが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。これはポリイミドフィルムを用いることにより、それまでの弗化ビニリデンやエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリカーボネート等からなるフィルムを用いた半導電性ベルト(例えば、特許文献3、4および5参照)による問題、すなわち強度や対摩擦・摩耗性の機械特性が不足してベルト端部等にクラックが発生したり、駆動時の負荷で変形して転写画像が変形するなどの問題を克服したものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−77252号公報
【特許文献2】
特開平10−63115号公報
【特許文献3】
特開平5−200904号公報
【特許文献4】
特開平5−345368号公報
【特許文献5】
特開平6−95521号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでに提案されているポリイミド樹脂からなる半導電性ベルトは可とう性と剛性のバランスが悪く、中間転写ベルトや転写搬送ベルトとしての耐久性等が十分とは言えなかった。例えば、特許文献2に記載のベルトでは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合物であるポリアミド酸をポリイミド樹脂の原料とし、これに導電性フィラーを分散したベルトが開示されているが、このタイプの中間転写ベルトでは、可とう性が不十分で、引き裂き強度の低下が見られ、長期使用においてベルト端部から割れが生じ易いという問題がある。
【0006】
一方、ジアミン成分として、屈曲性を有する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのみを用いて製造したポリイミド製の半導電性ベルトも知られているが、引っ張り弾性率が十分でないため、中間転写ベルト等に使用すると、画像にズレが生じ易く、特にカラー画像の場合に色ズレの問題が顕著になる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、可とう性と剛性のバランスを改善することで、転写、搬送等の機能が良好で、耐久性にも優れる半導電性ベルトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、ポリイミド樹脂の反応条件、その成分および量などについて鋭意研究したところ、所定の条件下で可とう性と剛性のバランスが良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明のポリイミド樹脂製ベルトは、導電性フィラーを含有するポリイミド樹脂からなるベルトであって、前記ポリイミド樹脂はポリアミド酸溶液に触媒を添加し混合して得られたものであり、前記ベルトは、触媒を添加しないで得られたポリイミド樹脂製ベルトに対してJIS P 8110における耐折強さが1.3倍以上、かつ、JIS K 7128に準じたトラウザー引裂き強度が1.3倍以上であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のポリイミド樹脂製ベルトは、添加される前記触媒がイソキノリンであることが好ましい。
【0011】
[作用効果]
本発明のポリイミド樹脂製ベルトによると、触媒のみを添加して得ることによりポリイミドフィルムの強度や難伸長性の優れた機械特性を活かしつつ、ベルトの耐折強さや引裂き強度が大きいベルトとなる。このようなベルトを電子写真記録装置の中間転写ベルト、中間転写兼用の搬送ベルト、定着ベルトまたは転写定着ベルトとして用いた場合に、トナー像の変形や転写ムラがなく良好な画像を記録シートに転写でき、かつ搬送の記録シートを良好に搬送できる性能を長期に持続することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のポリイミド樹脂製ベルトは、導電性フィラーを含有するポリイミド樹脂からなるベルトであって、前記ポリイミド樹脂は、ポリアミド酸溶液にポリアミド酸溶液中のポリアミド酸1モル当量に対して0.04〜0.3モル当量の触媒を添加し混合して得られたものであり、前記ベルトは、触媒を添加しないで得られたポリイミド樹脂製ベルトに対してJIS P 8110における耐折強さが1.3倍以上、かつ、JIS K 7128に準じたトラウザー引裂き強度が1.3倍以上であることを特徴とする。
【0013】
前記のポリイミド樹脂を生成するためには、まず、テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体とジアミンとの略等モルを有機溶媒中で重合反応させて、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を作製する。
【0014】
ポリイミド樹脂製ベルトの形成は、前記ポリアミド酸溶液を作製した後、該ポリアミド酸溶液に特定量の触媒を添加・混合し、適宜な方式で展開して加熱する方法により行うことができる。これを繰り返すことで積層することができる。また、触媒の添加は予め重合反応前の溶液に添加することもできる。
【0015】
前記テトラカルボン酸二無水物は、下記式:
【化1】
{式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、またはそれらの置換された基である。}で表される。
【0016】
前記したテトラカルボン酸二無水物の具体例としてはピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1 ,4 ,5 ,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0017】
一方ジアミンの例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,2−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、へキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン
H2 N(CH2 )3 O(CH2 )2 O(CH2 )NH2 、
H2 N(CH2 )3 S(CH2 )3 NH2 、
H2 N(CH2 )3 N(CH3 )2 (CH2 )3 NH2 、
等があげられる。
【0018】
上記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としても適宜なものを用いうるが、溶解性などの点により極性溶媒が好ましく用いうる。ちなみにその極性溶媒の例としては、N,N−ジアルキルアミド類が有用で有り、例えばこれの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。これらは、蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸およびポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等があげられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル,ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、ベンゼン、トルエン等を単独でもしくは併せて混合することもできるが、水の添加は好ましくない。すなわち、水の存在によってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要がある。
【0019】
上記のテトラカルボン酸二無水物(a)とジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸が得られる。その際のモノマ−濃度「溶媒中における(a)+(b)の濃度」は、種々の条件に応じて設定される。しかし、通常、5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は約0.5〜10時間である。
【0020】
次に、前記ポリアミド酸溶液に所定量の触媒を添加し、混合し、適宜な方式で展開し、その展開層を加熱する方法によりポリイミド樹脂を生成する。
【0021】
前記触媒の添加量は、ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸1モル当量に対して0.04〜0.3モル当量、好ましくは0.05〜0.2モル当量とされる。
【0022】
触媒の添加量が0.04モル当量より少ないと触媒の効果が十分ではなく、また0.3モル当量より多く添加しても触媒の効果はほとんど変わらない。
【0023】
前記触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリン、ルチジンなどの第3級アミン、1 ,5 −ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5,1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などの有機塩基が例示され、イソキノリンが好ましい。
【0024】
前記触媒は、そのままポリアミド酸溶液に添加し混合してもよく、予め有機溶媒に溶解し、希釈してからポリアミド酸溶液に添加し混合してもよい。
【0025】
本発明における導電性フィラーとしては、導電性もしくは半導電性の微粉末が使用でき,特に制限はないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよい。本発明では、前記導電性フィラーのうち、その少ない使用量で前記した電気特性を達成する点によりカーボンブラックを導電性フィラーとして使用するのが好ましい。
【0026】
用いる導電性フィラーの平均粒径については、偏在による電気特性のバラツキを制御する点から粒径の小さいものが好ましく用いうる。かかる点により一般には、一次粒子に基づいて5μm以下,就中3μm以下、特に0.01μm〜1μmの平均粒径のものが好ましく用いうる。カーボンブラックの場合、平均一次粒子径が5〜100nmのものが好ましく、特に10〜50nmのものが好ましい。
【0027】
導電性フィラーの配合量はフィラーの種類、粒子径、分散状態によっても異なるが、ポリイミド樹脂(固形分)100重量部に対して、1〜50重量部の範囲が好ましく、2〜30重量部がより好ましい。なお、ケッチェンブラック等のカーボンブラックを用いた場合には、ポリイミド(固形分)100重量部あたり5重量部未満、就中1〜4重量部の使用量でも前記した電気特性の達成が可能である。
【0028】
また、熱伝導性を向上させるために熱伝導性フィラーを配合したポリイミド樹脂製ベルトとすることもできる。熱伝導性フィラーは、熱伝導機能を有する無機粉末であれば特に制限はなく、例えば窒化ホウ素、チタン酸カリウム、マイカ、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、窒化アルミニウム、アルミナ、炭化珪素、珪素、窒化珪素、シリカ、グラファイト、金、銀、白金、酸化ベリリウム、マグネシウム、酸化マグネシウム等があげられる。なかでも、熱伝導機能が高く、離型効果を発揮し、化学的に安定で、無害であるという点で、窒化ホウ素が好ましい。
【0029】
ポリイミドフィルム中への導電性フィラーまたは熱導電性フィラーの配合は、例えば上記したポリアミド酸を調製する際にその溶液にプラネタリミキサーやビーズミルや3本ロール等の適宜な分散機にて導電性フィラーを混合分散して混合させて配合し、それをフィルム成形に供する方式などの適宜な方式にて行うことができる。なお導電性フィラーの配合は、均一分散による電気特性のバラツキ防止などの点により、先ず溶媒にボールミルや超音波等の適宜な方式で導電性フィラ−を分散させた後、その分散液にテトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンを溶解させて重合処理に供する方式が好ましく適用することができる。
【0030】
前記したようにポリイミドフィルムは、ポリアミド酸溶液を適宜な方式で展開し、その展開層を加熱することにより得ることができる。
【0031】
ポリアミド酸溶液の展開は、ディスペンサー塗布方式、浸漬方式、遠心方式、注形型に充填する方式など、特に制限されるものではない。
【0032】
展開層は、通常、300〜400℃で0.5〜1.0時間程度加熱する。
【0033】
得られたポリイミドフィルムの厚さは、ポリイミド樹脂製ベルトの使用目的などに応じて適宜決定しうる。一般には強度や柔軟性等の機械特性などの点により、5〜500μm、就中10〜300μm、特に20〜200μmの厚さとされる。
【0034】
ポリイミド樹脂製ベルトの形成は、前記ポリイミドフィルムを目的とするベルト形に成形することにより行うことができる。その場合、同種又は異種の層からなる2層又は3層以上の重畳層よりなるポリイミドフィルムを用いることもできる。また、目的とするベルトがリング形である場合には、フィルム端の接着剤等を介した接着方式などの適宜な接続方式にて形成することもできるし、シームレスなリングベルトとすることもできる。リング形のシームレスベルトは、重畳による厚さ変化がなく任意な部分を回転の開始位置とすることができ、回転開始位置の制御機構を省略できる利点などを有している。
【0035】
なお前記したシームレスベルトの形成は、例えばポリアミド酸の溶液を金型の内周面や外周面に浸債方式や遠心方式や塗布方式等にてコートする方式や、注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してシームレスベルト形に成形する。シームレスベルトの形成に際しては、型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理を施すことができる。
【0036】
このようにして得られた本発明のベルトは、触媒を添加しないで得られたポリイミド樹脂製ベルトに対してJIS P 8110における耐折強さが1.3倍以上であり、1.4〜1.8倍が好ましい。
【0037】
同様に、本発明のベルトは、触媒を添加しないで得られたポリイミド樹脂製ベルトに対してJIS K 7128に準じたトラウザー引裂き強度が1.3倍以上であり、1.4〜1.8倍が好ましい。
【0038】
前記両条件を具備することにより、可とう性と剛性のバランスに優れたベルトとなる。
【0039】
本発明のポリイミド樹脂製ベルトは、従来に準じた各種の用途に用いうる。就中、特に耐折強さ、引張り強度の機械特性に優れることにより電子写真記録装置における像の中間転写用のベルトやその中間転写を兼ねた印刷シートの転写・搬送用ベルト、定着、転写定着ベルトなどとして好ましく用いうる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0041】
(実施例1)
2000gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、乾燥したカーボンブラックPrintex V(デグサジャパン社製、揮発分:5 %、BET比表面積:100m2 /g、揮発分/BET比表面積×100:5 %、pH4. 5、酸化処理なし)142. 3g(ポリイミドに対し23重量%)をボールミルで6時間(室温)混合した。このカーボンブラック分散NMPに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)496.9gとp−フェニレンジアミン(PDA)182.5gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で6時間撹拌しながら反応させて、170Pa・sのカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
【0042】
このカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を400gとり、イソキノリン2.7 0g(ポリアミド酸1モル当量に対して0.1モル当量)を滴下、撹拌して30分間混合し、触媒添加カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を得た。
【0043】
内径300mm、長さ900mmの円筒状金型(SUS製)の内面に、前記溶液をディスペンサーで厚さ170μmに塗布後、1500rpmで10分間回転させ均一な塗布面を得た。次に、20rpmで回転させながら、金型の外側より100℃の熱風を30分間あてた後、その後360℃まで2 ℃/分の昇温速度で昇温し、360℃で15分保持した後冷却し、金型内面からベルトを離型し、目的とするポリイミド樹脂製ベルトを得た。このベルトの厚さは、75μmであった。
【0044】
(比較例1)
実施例1において触媒を添加・混合しないこと以外は実施例1と同様にして、厚さ76μmのシームレスのポリイミド樹脂製ベルトを得た。
【0045】
以上の実施例、比較例で得たポリイミド樹脂製ベルトについて下記の特性を調べた。
【0046】
(評価試験)
(1)耐折強さ
JIS P 8110に準じて、試験片(全長110mm/幅15mm)が破断するまでの往復折り曲げ回数を測定した。
【0047】
(2)引裂き強度
JIS K7128に準じて、トラウザー引裂き法にて試験速度20mm/分で引裂き強度を測定し、厚さ換算した。
【0048】
(3)引張り弾性率、引張り強度、引張り伸び
JIS K6301に準じて、ダンベル3号の打ち抜き試験片(幅5mm)について調べた。
【0049】
(4)画像転写性
実施例および比較例で得たポリイミド樹脂製ベルトを、市販の複写機に中間転写兼用の記録シート搬送用ベルトとして組込み、画像転写性のテストを行なった。
【0050】
前記の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
表1より、実施例1のベルトは、比較例1のベルトに比べて耐折強さが3.6倍、引裂き強度が1.6倍であり、引張り弾性率、引張り強度および引張り伸びの低下がみられず、画像転写性に優れるものであった。
Claims (2)
- 導電性フィラーを含有するポリイミド樹脂からなるベルトであって、前記ポリイミド樹脂は、ポリアミド酸溶液に触媒を添加し混合して得られたものであり、前記ベルトは、触媒を添加しないで得られたポリイミド樹脂製ベルトに対してJIS P 8110における耐折強さが1.3倍以上、かつ、JIS K 7128に準じたトラウザー引裂き強度が1.3倍以上であることを特徴とするベルト。
- 前記触媒がイソキノリンである請求項1に記載のベルト。
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