JP2000305377A - 半導電性ベルト及びその製造方法 - Google Patents

半導電性ベルト及びその製造方法

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JP2000305377A
JP2000305377A JP11509999A JP11509999A JP2000305377A JP 2000305377 A JP2000305377 A JP 2000305377A JP 11509999 A JP11509999 A JP 11509999A JP 11509999 A JP11509999 A JP 11509999A JP 2000305377 A JP2000305377 A JP 2000305377A
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belt
conductive filler
semiconductive belt
semiconductive
polyimide resin
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Toshiaki Iwamoto
登志明 岩元
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
Katsuji Ono
勝司 大野
Hiroshi Matsuo
洋 松尾
Naoto Kato
直人 加藤
Yoshinobu Watanabe
義宣 渡辺
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド系樹脂フィルムの優れた機械特性
を活かしつつ、表面抵抗等の電気特性の環境安定性に優
れて外部環境により変動しにくく、電子写真記録装置の
中間転写ベルトやそれ兼用の搬送ベルトとして用いた場
合にも、トナー像の変形や転写ムラなく良好な画像を記
録シートに転写でき、かつ搬送の記録シートを良好に分
離できる性能を長期に持続できる半導電性ベルト及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 導電性フィラーを含有するポリイミド系
樹脂からなる単層シームレス構造の半導電性ベルトにお
いて、前記導電性フィラーが外表面部分に偏在すること
なくベルト断面全体に偏りなく分散されていると共に、
常用対数に基づく外表面と内表面との表面抵抗率の差が
1.0以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真記録装置
等における像の中間転写ベルトや、その中間転写と兼用
の印刷シート搬送用ベルトなどに好適に使用できる半導
電ベルト、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式で像を形成記録
する電子写真記録装置としては、複写機やレーザープリ
ンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機
等が知られている。この種の装置では、装置寿命の向上
などを目的として、感光ドラム等の像担持体にトナー等
の記録剤により形成された像を印刷シート上に直接定着
させる方式を回避すべく、像担持体上の像を中間転写ベ
ルトに一旦転写し、それを印刷シート上に定着させる方
式が検討されている。また装置の小型化等を目的に、前
記の中間転写ベルトに印刷シートの搬送も兼ねさせる方
式も検討されている。
【0003】前記の中間転写ベルトに用いうる半導電性
ベルトとしては、ポリイミド系樹脂フィルムに導電性フ
ィラーを配合して、体積抵抗率を1〜1013Ω・cmと
したものが知られていた(特開平5−77252号公報
参照)。これはポリイミド系樹脂フィルムを用いること
により、それまでのフッ化ビニリデンやエチレン・テト
ラフルオロエチレン共重合体、ポリカーボネート等から
なるフィルムを用いた半導電性ベルト(特開平5−20
0904号公報、特開平5−345368号公報、特開
平6−95521号公報)による問題、すなわち強度や
耐摩擦・摩耗性の機械特性が不足してベルト端部等にク
ラックが発生したり、駆動時の負荷で変形して転写画像
が変形するなどの問題を克服したものである。また、上
記技術では、遠心成形法において原料の比重差で生じ
る、外表面と内表面との電気抵抗値の差を、導電性フィ
ラーの比重調整等により改善している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポリイミド系樹脂フィルムからなる半導電性ベルト
にあっては、電気特性の環境安定性や耐久性に乏しく、
実用上満足できる性能を有さないことが判明した。すな
わち表面抵抗率の電気特性が、温度や湿度等の外部環境
で大きく変動したり、長期使用で電気特性が大きく変動
したりして、例えば上記した中間転写ベルトや兼用の搬
送ベルトとして用いた場合、印刷シートをベルトより分
離する際に分離不良等を生じるなどの問題点があった。
そして、このような半導電性ベルトの断面を走査型電子
顕微鏡(SEM)で観察してみると、程度の差は有るも
のの、層状に形成された導電性フィラーの偏在層が外表
面部分等に存在することが判明した。
【0005】そこで、本発明の目的は、ポリイミド系樹
脂フィルムの優れた機械特性を活かしつつ、表面抵抗等
の電気特性の環境安定性に優れて外部環境により変動し
にくく、電子写真記録装置の中間転写ベルトやそれ兼用
の搬送ベルトとして用いた場合にも、トナー像の変形や
転写ムラなく良好な画像を記録シートに転写でき、かつ
搬送の記録シートを良好に分離できる性能を長期に持続
できる半導電性ベルト及びその製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、半導電性ベルトの製造方法や得られる半
導電性ベルトの断面構造等について鋭意研究したとこ
ろ、特定の製造方法により得られる特定の断面構造と物
性を有する半導電性ベルトにより、上記目的が達成でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の半導電性ベルトは、導電性
フィラーを含有するポリイミド系樹脂からなる単層シー
ムレス構造の半導電性ベルトにおいて、前記導電性フィ
ラーが外表面部分に偏在することなくベルト断面全体に
偏りなく分散されていると共に、常用対数に基づく外表
面と内表面との表面抵抗率の差が1.0以下であること
を特徴とする。ここで、半導電性ベルトとは、体積抵抗
率が1〜1016Ω・cmのものを指す。
【0008】上記において、前記導電性フィラーは、一
次粒子に基づく平均粒子径が5μm以下であることが好
ましい。
【0009】一方、本発明の製造方法は、導電性フィラ
ーを含有するポリイミド系樹脂の原料液を用いて回転遠
心成型とイミド転化を行うことで単層シームレス構造の
半導電性ベルトを得る半導電性ベルトの製造方法におい
て、前記原料液として、B型粘度計における25℃の溶
液粘度が10〜10000ポイズのポリアミド酸溶液を
用いることを特徴とする。
【0010】[作用効果]本発明の半導電性ベルトによ
ると、実施例の結果が示すように、ポリイミド系樹脂フ
ィルムの優れた機械特性を活かしつつ、表面抵抗等の電
気特性の環境安定性に優れて外部環境により変動しにく
く、電子写真記録装置の中間転写ベルトやそれ兼用の搬
送ベルトとして用いた場合にも、トナー像の変形や転写
ムラなく良好な画像を記録シートに転写でき、かつ搬送
の記録シートを良好に分離できる性能を長期に持続でき
る。その理由の詳細は、明らかではないが、導電性フィ
ラーが外表面部分に偏在することなくベルト断面全体に
偏りなく分散され、しかも外表面と内表面との表面抵抗
率の差が小さいためと考えられる。かかる観点より、常
用対数に基づく外表面と内表面との表面抵抗率の差が、
1.5以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
【0011】前記導電性フィラーの一次粒子に基づく平
均粒子径が5μm以下である場合、導電性フィラーの偏
在による電気特性のバラツキをより確実に抑制すること
ができる。
【0012】一方、本発明の製造方法によると、原料液
として、B型粘度計における25℃の溶液粘度が10〜
10000ポイズのポリアミド酸溶液を用いるため、導
電性フィラーが外表面部分に偏在することなくベルト断
面全体に偏りなく分散されて、外表面と内表面との表面
抵抗率の差が小さい半導電性ベルトを容易に得ることが
でき、上記の如き作用効果を有する半導電性ベルトを好
適に製造できる。すなわちポリアミド酸溶液の粘度が低
いと、導電性フィラ−の比重差により回転遠心成型時に
導電性フィラーが外周面に偏り偏在し、外周面の表面抵
抗率が低く、内周面の表面抵抗率が高くなり表面抵抗率
のバラツキが大きくなる。また溶液粘度が高すぎると、
脱泡が困難になり製膜不良等で外観が損なわれたり、転
写不良などが生じる。かかる観点より、10〜7000
ポイズのポリアミド酸溶液を用いるのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の半導電性ベルトは、導電
性フィラーを含有するポリイミド系樹脂からなる単層シ
ームレス構造の半導電性ベルトである。このような半導
電性ベルトは、例えば導電性フィラーを含有するポリイ
ミド系樹脂の原料液を用いて回転遠心成型とイミド転化
を行うことで得ることができる。
【0014】ポリイミド系樹脂の原料液としては、例え
ばテトラカルボン酸二無水物やその誘動体とジアミンを
溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸の溶液が使用
可能である。前記ポリアミド酸はテトラカルボン酸二無
水物あるいはその誘導体とジアミンの略等モルを有機溶
媒中で反応させることにより得られるもので、通常、溶
液状で用いられる。このようなテトラカルボン酸二無水
物は、例えば下記の一般的(1)で示される。
【0015】
【化1】 (式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環
状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、また
はそれらの置換された基である。)前記したテトラカル
ボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無
水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,1
0−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカ
ルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0016】一方ジアミンの例としては、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニル
メタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4−ジア
ミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、
3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、
ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’
−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−
第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブ
チルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−
アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメ
チル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロ
ピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプ
ロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジア
ミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプ
ロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミ
ン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジ
メチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプ
タメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレン
ジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メ
チルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカ
ン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、ピペラジン H2 N(CH23 O(CH22 O(CH2 )NH
2 、 H2 N(CH23 S(CH23 NH2 、 H2 N(CH23 N(CH32 (CH23 NH
2 、 等が挙げられる。
【0017】上記したテトラカルボン酸二無水物とジア
ミンを重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用
いうるが、溶解性などの点により極性溶媒が好ましく用
いうる。ちなみにその極性溶媒の例としては、N,N−
ジアルキルアミド類が有用で有り、例えばこれの低分子
量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等があげられる。これらは、蒸
発、置換または拡散によりポリアミド酸およびポリアミ
ド酸成形品から容易に除去することができる。また、上
記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルム
アミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチ
レンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等があ
げられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用
いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレ
ゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、
ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレ
ン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等
を単独でもしくは併せて混合することもできる。なお、
水の存在によってポリイミド酸が加水分解して低分子量
化するため、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で
行うことが好ましい。
【0018】上記のテトラカルボン酸二無水物(a)と
ジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることに
よりポリアミド酸が得られる。その際のモノマー濃度
(溶媒中における(a)+(b)の濃度)は、種々の条
件に応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。
また、反応温度は80℃以下に設定することが好まし
く、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は約
0.5〜10時間である。
【0019】このようにして酸二無水物成分とジアミン
成分とを有機極性溶媒中で反応させることによりポリア
ミド酸が生成し、その反応の進行に伴い溶液粘度が上昇
する。本発明ではこの現象を利用して、導電性フィラー
を含有するポリアミド酸溶液のB型粘度計における25
℃の粘度を10〜10000ポイズに調整することがで
きる。また、前記モノマー濃度による調整も可能であ
る。
【0020】前記導電性フィラーとしては、例えばケッ
チンブラックやアセチレンブラックの如きカーボンブラ
ック、アルミニウムやニッケルの如き金属、酸化錫の如
き酸化金属化合物やチタン酸カリウム等の導電性ないし
半導電性粉末、あるいはポリアニリンやポリアセチレン
の如き導電ポリマーなどの適宜なものの1種又は2種以
上を用いることができ、その種類について特に限定はな
い。
【0021】用いる導電性フィラーの平均粒径について
は、偏在による電気特性のバラツキを制御する点などに
より粒径の小さいものが好ましく用いうる。かかる点に
より一般には、一次粒子に基づく平均粒径が5μm以
下、就中3μm以下、特に0.01μm〜1μmの平均
粒径のものが好ましく用いうる。
【0022】導電性フィラーの使用量は、前記した電気
特性の達成性などの点により、その種類や粒径や分散性
などに応じて適宜決定しうる。一般には、ポリイミド系
樹脂フィルムにおける強度等の機械特性の低下防止など
の点により、ポリイミド系樹脂(固形分)100重量部
あたり、30重量部、特に3〜l5重量部の使用量が好
ましい。
【0023】なお、前記の強度等の機械特性維持などの
点により、導電性フィラーの使用量は少ないほど好まし
く、その少ない使用量で前記した電気特性を達成する点
により、ケッチンブラック等のカーボンブラックなどが
好適に用いうる。この場合には、ポリイミド系樹脂(固
形分)100重量部に対して、5重量部未満、就中1〜
4重量部の使用量にても前記した電気特性の達成が可能
である。
【0024】ポリイミド系樹脂フィルム中への導電性フ
ィラーの配合は、例えば上記したポリアミド酸を調製す
る際に、その溶液にプラネタリミキサーやビーズミルや
3本ロール等の適宜な分散機にて導電性フィラーを混合
分散して配合し、それをフィルム成形に供する方式など
の適宜な方式にて行うことができる。
【0025】なお前記のポリアミド酸溶液を調製するた
めに導電性フィラーを配合する場合には、均一分散によ
る電気特性のバラツキ防止などの点により、先ず溶媒に
ボールミルや超音波等の適宜な方式で導電性フィラーを
分散させた後、その分散液にテトラカルボン酸二無水物
やその誘導体とジアミンを溶解させて重合処理に供する
方式が好ましく適用することができる。
【0026】本発明においては、ポリイミド系樹脂から
なる半導電性ベルトに配合され得るシリコーン系又はフ
ッ素系の各有機化合物、カップリング剤等の添加剤を、
本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することがで
きる。
【0027】本発明の半導電性ベルトは、以上のような
材料で構成される単層シームレス構造の半導電性ベルト
において、導電性フィラーが外表面部分に偏在すること
なくベルト断面全体に偏りなく分散されていると共に、
常用対数に基づく外表面と内表面との表面抵抗率の差が
1.0以下であることを特徴とする。
【0028】外表面の表面抵抗率は、常用対数に基づく
値(logR:Rの単位はΩ/□)で1〜16が好まし
く、5〜16がより好ましい。また、内表面の表面抵抗
率は、常用対数に基づく値(logR:Rの単位はΩ/
□)で1〜16が好ましく、5〜16がより好ましい。
【0029】本発明の半導電性ベルトの厚さは、その使
用目的などに応じて適宜決定しうるが、一般には強度や
柔軟性等の機械特性などの点により、5〜500μm、
就中10〜300μm、特に20〜200μmの厚さが
好ましい。
【0030】なお、単層シームレス構造のベルトは、重
畳による厚さ変化がなく、任意な部分をベルト回転の開
始位置とすることができ、回転開始位置の制御機構を省
略できる利点などを有している。
【0031】一方、本発明の製造方法は、B型粘度計に
おける25℃の溶液粘度が10〜10000ポイズのポ
リアミド酸溶液を原料液として用いて回転遠心成型とイ
ミド転化を行うことで単層シームレス構造の半導電性ベ
ルトを得るものである。
【0032】具体的には、例えば前記のポリアミド酸溶
液を金型の内周面や外周面に浸漬方式や遠心方式や塗布
方式等にてコートする方式などの適宜な方式でリング状
に展開し、その展開層を乾燥製膜してベルト形に成形
し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに
転化して、型より回収する方法などの従来に準じた適宜
な方法により行うことができる(特開昭61−9536
1号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−
180309号公報等)。シームレスベルトの形成に際
しては、更に型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理
を施すことができる。
【0033】本発明の半導電性ベルトは、従来の半導電
性ベルトに準じた各種の用途に用いうる。就中、機械特
性や電気特性に優れることにより、電子写真記録装置に
おける像の中間転写用のベルトやその中間転写を兼ねた
印刷シートの搬送用ベルトなどとして好ましく用いう
る。その場合、印刷シートに像を形成する記録剤として
も静電気を介し付着できる適宜なものを用いうる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0035】実施例1 N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1674g中
に、乾燥したカーボンブラック(キャボット社製,バル
カンXC,平均一次粒子径0.3μm、比重1.8g/
cm3 )16.1g(ポリイミドに対し4重量%)をボ
ールミルで6時間、室温で混合した。このNMP分散液
に4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
(BPDA)294.2gとp−フェニレンジアミン
(PDA)108.2gを溶解し、窒素雰囲気中におい
て、室温で3時間攪拌しながら反応させて、3000ポ
イズのポリアミド酸溶液を得た。
【0036】内径330mm、長さ500mmの円筒状
の金型の内面に上記ポリアミド酸溶液をディスペンサー
で厚さ400μmに塗布後、1500rpmで10分間
回転させ均一な塗布面を得た。次に、250rpmで回
転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間
あてた後、150℃で60分間加熱、その後300℃ま
で2℃/分の昇温速度で昇温し、更に300℃で30分
間加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド
転化を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、7
3〜78μmのシームレスの半導電性ベルトを得た。
【0037】実施例2 反応時間を変えてポリアミド酸の溶液粘度を10000
ポイズとした以外は、実施例1に準じて厚さ72〜76
μmのシームレスの半導電性ベルトを得た。
【0038】実施例3 反応時間を変えてポリアミド酸の溶液粘度を10ポイズ
とした以外は、実施例1に準じて厚さ74〜78μmの
シームレスの半導電性ベルトを得た。
【0039】実施例4 実施例1において、導電材料のバルカンXCの代わり
に、酸化チタン微粒子粉末(石原産業(株)製ET−3
00W、平均一次粒子径0.05μm、比重5.0)を
120.8g(ポリイミド固形分に対して30重量%)
使用し、溶液粘度3000ポイズとする以外は、実施例
1と同様の処理を行い厚さ76〜80μmのシームレス
の半導電性ベルトを得た。
【0040】比較例1 反応時間を変えてポリアミド酸溶液の粘度を5ポイズに
変更する以外は、実施例1と同じ操作を行い厚さ74〜
80μmのシームレスの半導電性ベルトを得た。
【0041】比較例2 反応時間を変えてポリアミド酸溶液の粘度を11000
ポイズに変更する以外は、実施例1と同じ操作を行い厚
さ74〜80μmのシームレスの半導電性ベルトを得
た。
【0042】比較例3 反応時間を変えてポリアミド酸溶液の粘度を5ポイズに
変更する以外は、実施例4と同じ操作を行い厚さ74〜
78μmの転写ベルトを得た。
【0043】試験例 実施例、比較例で得られた半導電性ベルトについて下記
の特性を試験した。
【0044】1)表面抵抗率 ハイレスタIP、MCP−HT260(三菱油化社製、
プローブ:HR−100)にて印加電圧100V、1分
後、測定条件25℃、60%RHでの表面抵抗率を調べ
た。測定は外表面と内表面について行い(n=10)、
その差についても求めた。
【0045】2)引張り強度、伸び ダンベル3号打ち抜き試験片(幅5mm)について引張
り強度(速度100mm/分)、及びその破断時の伸び
を調べた。
【0046】3)断面SEM観察 ベルト断面をSEMにて観察した。
【0047】4)画像転写性、紙分離性 実施例、比較例で得た半導電性ベルトを市販の複写機
に、中間転写兼用の記録シート搬送ベルトとして組み込
み、1万枚のテスト中で全て良好な転写による鮮明で正
確な画像が得られた場合、及び紙の分離不良を生じなか
った場合を良好、転写不良や不鮮明な面像、不正確な面
像が得られた場合、及び紙の分離不良を生じた場合を不
良とした。なお、比較例2で得た半導電性ベルトは、気
泡が生じて表面突起が存在したため、本テストを行うま
でもなかった。
【0048】以上の結果を表1に示した。
【0049】
【表1】 表1より、ポリイミド系樹脂フィルムの優れた強度や難
伸長性(難変形性)を維持しつつ、ベルト外内表面抵抗
率の差が小さく、電子写真記録装置の中間転写兼用の搬
送ベルトとして用いた場合にも、トナー像の変形や転写
ムラなく良好な画像を記録シートに転写でき、かつ搬送
の記録シートを良好に分離できる性能を長期に持続する
ことがわかる。
【0050】これに対して、外表面にフィラーが偏在し
ベルト外内表面抵抗率に差が有る比較例1,3では、1
万枚のテスト中で画像転写性や紙分離性が劣化すること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:16 (72)発明者 大野 勝司 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 松尾 洋 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 加藤 直人 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 渡辺 義宣 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18 BA23 3F049 BA13 LA02 LB03 4F205 AA40L AB11 AB13 AE03 AG16 AH12 GA01 GB01 GC04 GF24 GN01 4F213 AA40 AB11 AB13 AG16 AH12 WA03 WA36 WB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性フィラーを含有するポリイミド系
    樹脂からなる単層シームレス構造の半導電性ベルトにお
    いて、 前記導電性フィラーが外表面部分に偏在することなくベ
    ルト断面全体に偏りなく分散されていると共に、常用対
    数に基づく外表面と内表面との表面抵抗率の差が1.0
    以下であることを特徴とする半導電性ベルト。
  2. 【請求項2】 前記導電性フィラーは、一次粒子に基づ
    く平均粒子径が5μm以下である請求項1に記載の半導
    電性ベルト。
  3. 【請求項3】 導電性フィラーを含有するポリイミド系
    樹脂の原料液を用いて回転遠心成型とイミド転化を行う
    ことで単層シームレス構造の半導電性ベルトを得る半導
    電性ベルトの製造方法において、 前記原料液として、B型粘度計における25℃の溶液粘
    度が10〜10000ポイズのポリアミド酸溶液を用い
    ることを特徴とする半導電性ベルトの製造方法。
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