JP2002162836A - 半導電性シームレスベルト - Google Patents

半導電性シームレスベルト

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JP2002162836A
JP2002162836A JP2000360428A JP2000360428A JP2002162836A JP 2002162836 A JP2002162836 A JP 2002162836A JP 2000360428 A JP2000360428 A JP 2000360428A JP 2000360428 A JP2000360428 A JP 2000360428A JP 2002162836 A JP2002162836 A JP 2002162836A
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JP2000360428A
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Satoru Ishizaki
哲 石崎
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気抵抗のバラツキが小さく、しかも層間の接
着性が良好で、中間転写ベルトや転写定着ベルト及び転
写搬送ベルト等の画像形成装置の機能性ベルトとして使
用した場合に、転写ムラや画像乱れ及び分離不良がなく
鮮明な画像が得られ、ベルト自体だけでなく装置全体と
しての耐久性も向上させる半導電性ベルトを提供する。 【解決手段】いずれもポリイミド系樹脂を樹脂成分とす
る外層と内層とからなり、少なくとも前記外層は導電性
物質を含有していると共に、前記外層の弾性率が前記内
層の弾性率よりも小さい半導電性シームレスベルトとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装
置において中間転写ベルト、転写定着ベルト、転写搬送
ベルト等として使用可能な半導電性シームレスベルトに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来よリ電子写真方式で像を形成記録す
る電子写真記録装置としては、複写機やレーザービーム
プリンタ、ファクシミリやこれらの複合機が知られてい
る。この種の装置では装置寿命の向上や多様な被記録材
への適用可能化等を目的として、感光ドラム等の像担持
体上の像を中間転写ベルトに一旦転写し、これを被記録
材上に一括転写する中間転写方式が一部採用されてお
り、上記転写時に同時に定着動作を行う転写定着方式も
検討されている。また、カラー画像のドキュメント作成
の高速化等を目的として、転写搬送ベルトで被記録材を
搬送しながら転写を行う方式も採用されている。
【0003】このような中間転写ベルト、転写定着ベル
トや転写搬送ベルト等に用いうる半導電性ベルトとし
て、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド樹脂にカーボ
ンブラックのような導電性フィラーを分散してなる半導
電性ベルトが公知である(特開昭63−311263号
公報、特開平5−77252号公報)。しかし、これら
公報に開示の半導電性ベルトは、実際に使用する上で導
電性物質の分散が十分とはいえず、転写ムラや分離不
良、及び画像乱れ等が発生してしまい実用上満足の行く
ものではなかった。
【0004】またポリイミド系樹脂と例えばシリコーン
系やフッ素系のゴム等の他種素材とから構成される積層
状シームレスベルトも知られている(特開昭59−77
467号公報他)。
【0005】しかし、このような複層ベルトは層間の接
着力が不十分なため層間剥離を生じ、耐久性に欠けるも
のであった。またシリコーン系ゴムやフッ素ゴムヘの導
電性物質の均一分散は充分ではなく、電気抵抗値もバラ
ツキが大きいため実用上満足の行くものではなかった。
【0006】一方このような問題を解消する技術とし
て、特開平7−156287号公報には、ポリイミド系
樹脂を主体とし、表面抵抗率の異なる複数の層からなる
半導電性ベルトが提案されており、これにより半導電性
ベルトの各層の表面抵抗率のバラツキが幾らか改善され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平7−156287号公報に開示の積層状半導電性ベ
ルトは、層間剥離を防ぐ目的で各層を形成するポリイミ
ド系樹脂前駆体に同じ組成のものを用いている。しかも
ポリイミド樹脂の中でも比較的硬い3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレ
ンジアミンからなるポリイミド樹脂中に導電性物質とし
てカーボンブラックを混合している。
【0008】上記の高弾性のポリイミド系樹脂を用いた
半導電性ベルトはベルト 自体の耐久性は高いが、ポリ
イミド系樹脂の硬度が高いためにこれと接触する感光体
等の周辺部材の磨耗が進行しやすく、その結果装置全体
としての寿命が要求されるレベルに達しないという問題
を有している。また、中間転写用のベルトにおいて、そ
の機械的強度、剛性の高さから二次転写部での被記録材
への転写時におけるベルトの変形が小さいため、画像に
欠陥が発生するという問題も有している。
【0009】本発明は、電気抵抗のバラツキが小さく、
しかも層間の接着性が良好であり、中間転写ベルト、転
写定着ベルト及び転写搬送ベルト等の画像形成装置の機
能性ベルトとして使用した場合に、転写ムラ、画像乱れ
及び分離不良等がなく、鮮明な画像が得られ、ベルト自
体だけでなく装置全体としての耐久性も向上させる半導
電性ベルトを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導電性シーム
レスベルトは、いずれもポリイミド系樹脂を樹脂成分と
する外層と内層とからなり、少なくとも前記外層を構成
する外層ポリイミド系樹脂は導電性物質を含有している
と共に、前記外層ポリイミド系樹脂の弾性率が前記内層
を構成する内層ポリイミド系樹脂の弾性率よりも小さい
ものであることを特徴とする。
【0011】かかる構成により、上述の本発明の目的を
達成することができる。即ち、外層の弾性率を低くする
ことにより、外層と接触する感光体等の周辺部材の磨耗
が低減され、低弾性率層の形成によりベルト全体として
の剛性が低下し、二次転写部での被記録材への転写時に
おけるベルトの変形が小さくなって、画像の欠陥発生が
防止される。
【0012】上述の発明においては、前記外層ポリイミ
ド系樹脂と前記内層ポリイミド系樹脂とは、繰り返し単
位が互いに異なるものであることをが好ましい。
【0013】外層ポリイミド系樹脂と内層ポリイミド系
樹脂を、繰り返し単位が互いに異なるポリイミド系樹脂
とすることによって、外層の弾性率を内層の弾性率より
も小さくすることが容易に行え、しかも内層と外層の層
間剥離を防止することができる。
【0014】上記の半導電性シームレスベルトにおいて
は、前記外層ポリイミド系樹脂と内層ポリイミド系樹脂
とは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが
イミド結合してなるA成分と3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジア
ミンがイミド結合してなるB成分とを繰り返してなる共
重合体、及び前記A成分を繰り返し単位とする重合体と
前記B成分を繰り返し単位とする重合体とを混合してな
るブレンド体から選択される少なくとも1種で構成され
ると共に、前記外層ポリイミド系樹脂の全繰り返し単位
中のA成分が40モル%以上、前記内層を構成するポリ
イミド系樹脂の全繰り返し単位中のB成分が50モル%
以上であることが好ましい。
【0015】かかる構成により、ベルトとしての機械的
強度等を維持しつつ、内層のポリイミド系樹脂弾性率を
外層ポリイミド系樹脂の弾性率より小さくすることが可
能となる。
【0016】外層、内層は、それぞれ、共重合体、ブレ
ンド体、もしくはこれらの混合物のいずれであってもよ
い。
【0017】少なくとも外層に添加される前記導電性物
質が、少なくともカーボンブラックを含有していること
が好ましい。
【0018】カーボンブラックの添加により、少なくと
も外層ポリイミド樹脂を半導電性の範囲に調節すること
が可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の半導電性シームレスベル
トは、例えば、導電性物質を含有するポリイミド系樹脂
の原料液(外層ポリイミド系樹脂原料液)及び導電性物
質を導電性物質を含有するかあるいは含有しないポリイ
ミド系樹脂の原料液(内層ポリイミド系樹脂原料液)を
用いて、例えば以下の方法により製造可能である。
【0020】(1)まず原料液にて単層フィルムを形成
し、イミド転化反応を行った後、同一もしくは別異の原
料液にて第2層を形成し、イミド転化反応を行う方法。 (2)原料液にて2層よりなるフィルムを形成した後に
イミド転化反応を行う方法。
【0021】外層と内層の厚さは、本発明の目的を達す
ることができれば特に限定されるものではないが、外層
の厚みがベルト全体の厚みの10〜70%であることが
好ましい。
【0022】ポリイミド系樹脂の原料液としては、いず
れも、例えばテトラカルボン酸二無水物やその誘導体と
ジアミンとを溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸
の溶液が使用可能である。前記ポリアミド酸はテトラカ
ルボン酸二無水物あるいはその誘導体とジアミンとの略
等モルを有機溶媒中で反応させることにより得られるも
ので、通常溶液状で用いられる。
【0023】好適な酸二無水物の例として、ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テ
トラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0024】上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物の
ほかに、弾性率を調節するために、脂肪族ないし脂環族
テトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
【0025】一方、ジアミンの例としては、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメ
チル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,
3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベン
ジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−
ジアミノジフェニルプロパン等の芳香族ジアミンが挙げ
られる。
【0026】上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
芳香族ジアミンのなかでも、前述のように、A成分構成
成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ルが、またB成分構成成分として3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレン
ジアミンの使用が好ましい。
【0027】これらの酸無水物とジアミンを重合反応さ
せてポリイミド系樹脂の原料液を作製する際の溶媒とし
ては適宜なものを用いうるが、溶解性等の点から極性溶
媒が好ましく用いられ、具体的には、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−
メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンス
ルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられ
る。これらは単独で用いても構わないし、併せて用いて
も差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾー
ル、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベン
ゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、
ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキ
サン、ヘキサン等の脂肪族ないし脂環族炭化水素類等を
単独もしくは2種以上混合することもできる。
【0028】上記の酸無水物(a)とジアミン(b)と
を有機極性溶媒中で反応させることによりポリイミド系
樹脂の原料液であるポリアミド酸溶液が得られる。その
際のモノマー濃度(溶媒中における(a)+(b)の濃
度)は、種々の条件に応じて設定されるが、5〜30重
量%が好ましい。また、反応温度は80℃以下に設定す
ることが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、
反応時間は0. 5〜10時間が好ましい。
【0029】イミド転化反応は、加熱等の従来公知の方
法により行うことができ、一般的には100℃付近から
イミド転化反応が開始し、250〜450℃での加熱に
よりイミド転化反応が完結する。
【0030】本発明において少なくとも外層ポリイミド
系樹脂に添加する導電性物質としては、公知の導電性又
は半導電性物質を特に制限なく使用することができる。
特に導電性又は半導電性物質の微粉末の使用が好まし
く、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラ
ック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、アル
ミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合
物等が例示できる。そしてこれらを単独あるいは併用し
て使用してもよいが、導電性の付与効果や回転成形時の
均−な分散性等の観点から、カーボンブラックを単独で
使用するか、あるいは他の導電性物質と併用するのが好
ましい。
【0031】カ−ボンブラックは、偏在による電気特性
のバラツキを制御する観点より、一次粒子に基づく平均
粒径が1μm以下、特に0.001〜0.5μmの平均
粒径をもつものの使用が好ましい。また、その分散性向
上の観点より、カーボンブラックと溶液との親和性を改
善するために分散剤を使用することも好ましい。
【0032】外層における導電性物質の含有量は、その
種類、粒子径、分散状態等によって異なるが、外層に用
いるポリイミド系樹脂の固形分100重量部に対して、
1〜50重量部の範囲が好ましく、より好ましくは2〜
40重量部である。内層においては導電性物質を必ずし
も含む必要はないが、含有する場合は下記表面抵抗率に
なるように含有量を決定する。
【0033】本発明では、上記の導電性物質を適宜選択
して適当な配合量の組み合わせにより、外層の表面抵抗
率ρsを106 〜1013Ω/□に、内層の表面抵抗率ρ
sを1011Ω/□以上で外層よりも高い値になるように
調整する。その際、好ましい表面抵抗率ρsは、外層が
108 〜1013Ω/□であり、内層が1012Ω/□以上
である。
【0034】外層の表面抵抗率ρsが106 Ω/□未満
では、中間転写ベルト等と像担持体との間に過大な電流
が流れることがら、ベルトに転写されたトナー像が像担
持体に戻ってしまい、転写不良や不鮮明な画像となりや
すい。外層の表面抵抗率10 13Ω/□を超えると、トナ
ー像の転写時に中間転写ベルト等が帯電して像担持体と
離れる際、剥離放電が起こりやすくなり、転写されたト
ナー像が飛散して、不鮮明な画像となりやすい。内層の
表面抵抗率ρsは、外層より高い値にすることで2層に
するメリットが得られ、また、表面抵抗率ρsが小さい
場合には、中間転写ベルトなどに使用する際、転写不良
や不鮮明な画像となりやすい。
【0035】本発明では外層ないし内層ポリイミド系樹
脂に熱伝導性、耐磨耗性等の所望の機能を付与するため
に、適宜金属酸化物等の無機粒子、界面活性剤等の充填
剤を混入することが可能である。充填材の混入量は、種
々の条件に応じて設定されるが、樹脂分に対して1〜6
0重量%、好ましくは5〜50重量%である。上記充填
量より少ないと目的とする特性を発揮させることが難し
く、一方添加量が多いと脆性のため、ベルトとして必要
な機械的強度が不足する傾向がある。特に、内層ポリイ
ミド系樹脂には弾性率を上げる目的で補強用物質等の充
填剤を充填することが好ましい。
【0036】本発明の半導電性ベルトは、公知の方法に
て製造することができる。具体的には、円筒状金型を軸
芯回りに回転させながら、内面にポリイミド樹脂形成原
料液をディスペンサーやダイスを使用してキャスティン
グし、次いで必要に応じて溶剤除去を行い、イミド転化
反応を行って金型内面にポリイミド系樹脂のベルトを形
成する回転成形法が好適な製造方法として例示される。
2層構造以上のベルトを形成する場合には、外層形成原
料液を皮膜化し、溶剤除去をしたイミド転化反応前の状
態で内層形成原料液を塗布・積層し、全ての層を形成し
た後にイミド転化反応を行うことが層間剥離のないベル
トが形成され、好ましい。
【0037】溶媒除去は、加熱や抽出等の従来公知の方
法により行うことができ、回転成形後、円筒状金型を低
速で回転させながら行うのが好ましい。
【0038】本発明の半導電性シームレスベルトは、電
子写真記録装置の中間転写ベルト、転写定着ベルト又は
転写搬送ベルトに使用されるものである。
【0039】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例について説明する。 (実施例1)1249gのN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)中に乾燥したカーボンブラックMA100
(三菱化学社製)60.5g(ポリイミド系樹脂の固形
分に対して24重量%相当量)をボールミルで6時間室
温で混合した。このカーボンブラック分散NMP液に
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物162gと、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル110gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で4
時間撹拌しながら反応させて、カーボンブラック分散ポ
リアミド酸溶液(a液)を得た。
【0040】同様にして805gのNMPに3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物162
gとp−フェニレンジアミン59.4gを溶解し、窒素
雰囲気中において、室温で4時間撹拌しながら反応させ
て、ポリアミド酸溶液(b液)を得た。
【0041】内径300mm、長さ500mmの金型の
内面に上記a液をディスペンサーで厚さ200μmに塗
布後、1500rpmで10分間回転させ、外層となる
均一な塗布層を得た。金型を250rpmで回転させな
がら、金型の外側より60℃の熱風を30分間当てた
後、180℃で60分間加熱し、次いで常温まで冷却し
た。
【0042】次に、この状態で得られたカーボンブラッ
ク分散ポリイミド前駆体の皮膜の内面に、上記b液を同
様に塗布、乾燥した後、350℃まで2℃/分の昇温速
度で昇温し、更に350℃で30分間加熱して溶媒の除
去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化の完結反応を行
った。その後室温に戻し、金型から剥離して目的とする
外層に半導電層を有する半導電性ベルトを得た。このベ
ルトは、総厚さが83μmであり、外層の厚さが43μ
m、内層が40μmであった。
【0043】得られたベルトについて、表面抵抗率を1
0箇所測定したところ、平均値は10.3(log(Ω
/□))であり、そのバラツキは0.12(log(Ω
/□))であった。外層の引張弾性率は4200MPa
であり、内層の引張弾性率は8600MPaであった。
このベルトを実際に複写機に中間転写ベルトとして装着
し、画像形成を行ったところ、1000枚を超える試験
後も良好な画像を得ることができた。
【0044】(実施例2)1149gのNMP中に乾燥
したカーボンブラックMA100(三菱化学社製)5
5.6g(ポリイミド系樹脂の固形分に対して24重量
%相当量)をボールミルで6時間室温で混合した。この
カーボンブラック分散NMP液に3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物162gと、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル66.0g及びp−
フェニレンジアミン23.8gを溶解し、窒素雰囲気中
において、室温で4時間撹拌しながら反応させて、カー
ボンブラック分散ポリアミド酸溶液(c液)を得た。
【0045】同様にして846gのNMPに3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物162
gと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル22.0g
及びp−フェニレンジアミン47.5gを溶解し、窒素
雰囲気中において、室温で4時間撹拌しながら反応させ
て、ポリアミド酸溶液(d液)を得た。
【0046】次いで、実施例1と同様にして、c液を外
層形成原料液として、またd液を内層形成原料液とし
て、総厚みが80μm、外層の厚さが40μm、内層が
40μmのベルトを得た。
【0047】得られたベルトについて、表面抵抗率を1
0箇所測定したところ、平均値は10.8(log(Ω
/□))であり、そのバラツキは0.23(log(Ω
/□))であった。外層の引張弾性率は6500MPa
であり、内層の引張弾性率は7600MPaであった。
このベルトを実際に複写機に中間転写ベルトとして装着
し、画像形成を行ったところ、1000枚を超える試験
後も良好な画像を得ることができた。
【0048】(比較例1)実施例1にて得たa液を使用
し、上記金型内面にディスペンサーにて厚さ400μm
に塗布後、金型を1500rpmで10分間回転させ、
均一な塗膜層を得た。次いで、金型を250rpmで回
転させつつ、外側から60℃の熱風を30分間当てた
後、180℃で60分間加熱し、その後2℃/分の昇温
速度で350℃まで昇温し、さらに350℃にて30分
間加熱して溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド
転化の完結反応を行った。その後室温に戻し、金型から
剥離して目的とする外層に半導電層を有する半導電性ベ
ルトを得た。このベルトは、総厚さが82μmであっ
た。
【0049】得られたベルトについて、表面抵抗率を1
0箇所測定したところ、平均値は10.8(log(Ω
/□))であり、そのバラツキは1.20(log(Ω
/□))であった。ベルトの引張弾性率は8600MP
aであった。このベルトを実際に複写機に中間転写ベル
トとして装着し、画像形成を行ったところ、評価開始直
後から得られる画像にやや欠陥が認められ、700枚を
超えると、その画像欠陥は顕著なものとなった。
【0050】(比較例2)実施例1にてポリアミド酸溶
液a液を構成するジアミン成分としてp−フェニレンジ
アミンを酸二無水物と等モルとなるように重量を調整し
て使用し、ポリアミド酸溶液(e液)とした。また、ポ
リアミド酸溶液b液を構成するジアミン成分として4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルを酸二無水物と等モ
ルとなるように重量を調整して使用し、ポリアミド酸溶
液(f液)とした。
【0051】次いで、実施例1と同様にして、e液を外
層形成原料液として、またf液を内層形成原料液とし
て、総厚みが82μm、外層の厚さが41μm、内層が
41μmのベルトを得た。
【0052】得られたベルトについて、表面抵抗率を1
0箇所測定したところ、平均値は11.3(log(Ω
/□))であり、そのバラツキは0.23(log(Ω
/□))であった。外層の引張弾性率は9400MPa
であり、内層の引張弾性率は3000MPaであった。
このベルトを実際に複写機に中間転写ベルトとして装着
し、画像形成を行ったところ、評価開始直後は良好な画
像が得られていたが、600枚を超えた頃からベルトの
駆動性が悪化し、そのため画像欠陥が生じた。そのまま
引き続いて試験を続行したところ、実施例と比較すると
感光体等の、ベルトに接触している部材の寿命が短くな
っていた。
【0053】[評価試験] (1)表面抵抗率とそのバラツキの測定 ハイレスタIP MCP−HT260(三菱油化製、プ
ローブHR−100)にて印加電圧500V、1分値の
測定条件による25℃、60%RHにおける表面抵抗率
を測定した。測定は、上述のように1本のベルトにつ
き、10箇所行い、平均値とバラツキを求めた。バラツ
キは、測定値の最大値と最小値の差分として評価した。
【0054】(2)内層及び外層の弾性率の測定 内層及び外層に用いるポリイミド系樹脂と同じ組成でか
つ同じ厚み80μmとしたときのベルトを、実施例と同
じ条件で作製したものからサンプリングを行い、JIS
K7127(1999)に準じて引張弾性率を測定し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 // B65G 15/32 B65G 15/32 Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18 BA21 2H033 BA11 BA12 BE09 3F024 AA11 BA02 CA04 4F100 AA37B AA37H AK49A AK49B AK49J AL01A AL01B AL05A AL05B BA02 BA26 CA21B DA11 EH46 GB41 JG01 JG04 JK06 JK07A JK07B JL00 YY00A YY00B 4J002 CM041 DA036 GM01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 いずれもポリイミド系樹脂を樹脂成分と
    する外層と内層とからなり、少なくとも前記外層を構成
    する外層ポリイミド系樹脂は導電性物質を含有している
    と共に、前記外層ポリイミド系樹脂の弾性率が前記内層
    を構成する内層ポリイミド系樹脂の弾性率よりも小さい
    ことを特徴とする半導電性シームレスベルト。
  2. 【請求項2】 前記外層ポリイミド系樹脂と前記内層ポ
    リイミド系樹脂とは、繰り返し単位が互いに異なるもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の半導電性シー
    ムレスベルト。
  3. 【請求項3】 前記外層ポリイミド系樹脂と内層ポリイ
    ミド系樹脂とは、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
    ラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニル
    エーテルがイミド結合してなるA成分と3,3’,4,
    4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェ
    ニレンジアミンがイミド結合してなるB成分とを繰り返
    してなる共重合体、及び前記A成分を繰り返し単位とす
    る重合体と前記B成分を繰り返し単位とする重合体とを
    混合してなるブレンド体から選択される少なくとも1種
    で構成されると共に、前記外層ポリイミド系樹脂の全繰
    り返し単位中のA成分が40モル%以上、前記内層ポリ
    イミド系樹脂の全繰り返し単位中のB成分が50モル%
    以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半
    導電性シームレスベルト。
  4. 【請求項4】 前記導電性物質が、少なくともカーボン
    ブラックを含有していることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の半導電性シームレスベルト。
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