JP2006053257A - 中間転写体および画像形成装置 - Google Patents

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誠一 加藤
Shoichi Morita
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Abstract

【課題】 経時による形状の変形等の問題がなく、かつ、転写部でのニップ形状の形成に優れる中間転写体を提供する。また、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有する中間転写体であって、
無機系充填材および/または無機系導電剤を含み、
前記表面層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率A(体積%)と、前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率B(体積%)とが、0≦A<B、の関係を有することを特徴とする中間転写体である。
また、当該中間転写体を具備する画像形成装置である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真複写機、レーザープリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の電子写真方式を利用した画像形成装置に適用される中間転写体および該中間転写体を具備する画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置は、無機又は有機材料からなる光導電性感光体である像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を、中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置として種々のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記中間転写体方式を採用した画像形成装置に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(例えば、特許文献2参照)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)(例えば、特許文献3,4参照)、ポリアルキレンフタレート(例えば、特許文献5参照)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料(例えば、特許文献6参照)、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC,ETFE/PAT,PC/PATのブレンド材料(例えば、特許文献7参照)等の熱可塑性樹脂を用いた導電性の無端ベルトを用いる提案がなされている。
しかし、前記ポリカーボネート樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の熱可塑性樹脂の導電性材料は機械特性が劣るために、駆動時の応力に対するベルト変形が大きく、高品質の転写画質が安定して得られない。また、駆動時にベルト端部よりクラックが発生するためにベルトライフが短いなどの問題がある。
また、中間転写体方式を採用した画像形成装置に用いられるベルト材料としては、ポリエステル等の織布と弾性部材とを積層してなる補強材入り弾性ベルトが提案されている(例えば、特許文献8,9参照)。しかし、上記、補強材入り弾性ベルトは、経時でベルト材料のクリープ変形等に起因する色ずれの問題が発生する場合がある。
この様な中間転写体や転写搬送ベルト等に用い得る半導電性ベルトとして、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド樹脂に導電性フィラーを分散してなる中間転写体が提案されている(例えば、特許文献10,11参照)。
また、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドを用いたシームレスベルトも提案されている(例えば、特許文献12参照)。
さらに、ポリイミドを主な構成材料とする層を有し、該ポリイミド層にはポリアニリンと該ポリアニリンを導電化することができるドーパンとを含み、さらに補強材として充填材が添加されてなる中間転写体が提案されている(例えば、特許文献13参照)。
しかしながら、これまでに提案されているポリイミド樹脂からなる半導電性ベルトは、可とう性と機械特性(剛性)とのバランスが悪く、中間転写体や転写搬送ベルトとしての特性を満足しているとは言えなかった。また、可とう性と機械特性(剛性)のバランスを取ったために、両特性が単独では要求を充分に満たす事ができず、装置でさらに対策を必要とする等、コストアップの原因となった。
例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合物であるポリアミド酸(Uワニス−S)をポリイミド樹脂の原料とし、これに導電性フィラーを分散したベルトが開示されている(例えば、特許文献14参照)。また、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドを用いたシームレスベルトも提案されている(例えば、特許文献15参照)。
これらのタイプの中間転写体では、表面のダイナミック微小硬度が30以上であり、機械特性に優れており、駆動時の応力に対するベルト変形がなく、色ずれのない高品質の転写画質が安定して得られる。しかし、転写部において、導電性フィラーを分散したポリイミド樹脂製のベルトは、機械特性に優れるために、バイアスローラを用いて記録媒体に記録紙を押圧し、電界を印加してトナー像を静電的に転写する2次転写部でのバイアスローラによる押圧力による変形が少ないので、バイアスローラによる押圧力が集中する。このためトナーが凝集し、電荷密度が高くなることによってトナー層内部放電を起こし、トナー極性を変化させる等の原因によって、ライン画像が中抜けする(ホロキャラクター)画質欠陥を発生させる問題があった。
上記の画質欠陥を回避するために、ダイナミック微小硬度を小さくし、ライン画像の中抜け(ホロキャラクター)を軽減する事を目的として、樹脂を母体にした20以下のダイナミック微小硬度を持つ材料に、粒径0.1μm以上のフィラーが添加されてなるフィラー添加層を有する事を特徴とする中間転写体が提案されている(例えば、特許文献16参照)。
このタイプの中間転写体では、表面のダイナミック微小硬度は測定点を平均すると22乃至28である。フィラーが表面近傍の直下にない場合のダイナミック微小硬度は20乃至25であるが、フィラーが表面近傍の直下にある場合のダイナミック微小硬度は30もしくは30に近い値となる。このため、全体としてはライン画像が中抜けする(ホロキャラクター)の画質欠陥は改善されるが、部分的には軽微ながら発生する場合があった。
さらに、ポリイミドを主な構成材料とし、導電材にドーパントを加えたポリアニリンを採用し、可とう性を確保した上で、機械特性を向上させるために、さらに補強材としてフィラーを加えて、可とう性と機械特性(剛性)とのバランスを取った中間転写体が提案されている(例えば、特許文献17参照)。
このタイプの中間転写体では、特許文献14のベルトに比べて機械特性は多少劣るが、装置設計で対応する事により、実用的には駆動時の応力に対するベルト変形を少なくする事が可能であり、色ずれのない高品質の転写画質が安定して得られる。しかし、表面のダイナミック微小硬度に関しては、特許文献16の転写ベルトと同様な問題を抱える。
特開昭62−206567号公報 特開平6−095521号公報 特開平5−200904号公報 特開平6−228335号公報 特開平6−149081号公報 特開平6−149083号公報 特開平6−149079号公報 特開平9−305038号公報 特開平10−240020号公報 特開平5−77252号公報 特開平10−63115号公報 特開昭63−311263号公報 特開2001−109277号公報 特開平10−63115号公報 特開昭63−11263公報 特開2000−347512号公報 特開2001−109277号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、経時による形状の変形等の問題がなく、かつ、転写部でのニップ形状の形成に優れる中間転写体を提供することを目的とする。また、本発明は、前記中間転写体を備え、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有する中間転写体であって、
さらに、無機系充填材および/または無機系導電剤を含み、
前記表面層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率A(質量%)と、前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率B(質量%)とが、0≦A<B、の関係を有することを特徴とする中間転写体である。
本発明の中間転写体は、下記第1〜第8の態様のうち、少なくとも1以上を具備することが好ましい。
(1)第1の態様は、少なくとも、前記表面層に高分子導電材が含有されてなり、前記高分子導電材がポリアニリン及び該ポリアニリンを導電化することができるドーパントを含む態様である。
(2)第2の態様は、少なくとも、一方の面側のダイナミック微小硬度が22以下である態様である。
(3)第3の態様は、前記ポリアニリンの数平均分子量が4000〜400000である態様である。
(4)第4の態様は、前記ポリアニリンの添加量が、前記ポリイミド樹脂の3〜30質量%である態様である。
(5)第5の態様は、表面抵抗率が1×1010〜1×1014Ω/□、体積抵抗率が1×108〜1×1014Ωcmである態様である。
(6)第6の態様は、前記基層の引張り弾性率が2.5GPa以上である態様である。
(7)第7の態様は、前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率が、0.1〜25体積%である態様である。
(8)第8の態様は、湿度膨張係数が60ppm/RH%以下である態様である。
また、本発明は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像担持体上に担持されたトナー像が一次転写される中間転写体とを備えた画像形成装置であって、
前記中間転写体が、ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有し、さらに、無機系充填材および/または無機系導電剤を含み、
前記表面層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率A(体積%)と、前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率B(体積%)とが、0≦A<B、の関係を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、経時による形状の変形等の問題がなく、かつ、転写部でのニップ形状の形成に優れる中間転写体を提供することができる。
具体的には、ホローキャラクタ状の画質欠陥や、吸湿により中間転写体(ベルト)に発生した「しわ」に起因するような白抜け状の画質欠陥の発生を押さえた中間転写体を提供することができる。また、経時変化も含めて、安定した電気的特性を持ち、機械的特性に優れ、使用中のストレスによる性能変化が少なく、工業的に安定して製造できる中間転写体を提供することができる。
そして、かかる中間転写体を使用することで、高品質の転写画質を安定して得ることができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の中間転写体および画像形成装置について、詳細に説明する。
[中間転写体]
本発明の中間転写体は、ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有する中間転写体であって、さらに、無機系充填材および/または無機系導電剤を含む。
中間転写体の主材料(主構成材料、好ましくは構成材料)としてポリイミド樹脂を使用することで、中間転写体に必要な機械的特性、特に、引張弾性率を確保することができる。
本発明の中間転写体に無機系充填材および/または無機系導電剤(以下、これらを「無機添加剤」ということがある)を含有させることで、特に、機械的な強度(特に引張弾性率の増加と湿度膨張係数の低減)を向上させることができる。特に、本発明では、中間転写体の厚み方向で表面側領域(表面層)における無機系充填材および無機系導電剤の合計含有率A(体積%)と、厚み方向で中央部領域(基層)における無機系充填材および無機系導電剤の合計含有率B(体積%)とが、0≦A<B、の関係を有する。
すなわち、表面側領域よりも中央部領域の無機添加剤の含有率を大きくすることで、中間転写体全体の機械的強度を確保した上で、表面側領域のダイナミック微小硬度を小さくすることができる。
本発明の中間転写体がベルト形状である場合は、その総厚みが0.050〜0.500mmであり、好ましくは0.060〜0.300mm、より好ましくは0.060〜0.150mmである。ベルトの総厚みが、0.050mm未満の場合には、中間転写体(ベルト)として、必要な機械特性を満足させることが難しくなる場合があり、0.500mmを超える場合には、ロール屈曲部での変形によってベルト表面の応力が集中して、表面層にクラックが発生するなどの問題が生じる場合がある。
また、表面側領域(表面層)の厚みは0.003mm以上、好ましくは0.005mm以上、より好ましくは0.010mm以上である。表面層の厚みが0.003mm未満の場合は、ホロキャラクター等の画質欠陥に対する効果が薄くなることがある。表面層の厚みの上限は、ベルトの総厚みによって決まるが、基層の厚みは0.050mm以上が好ましく、それ未満の場合は、中間転写体(ベルト)として、必要な機械特性を満足させることが難しくなる。
なお、本発明の中間転写体が3層構成の場合、材料組成が表面層と同じ場合には、裏面層の厚みは、表面層の厚みとほぼ等しくする事が、ベルトの両サイドのカールを低減させる上で望ましい。また、基層部分はベルト全体の機械特性(強度)を満足させる上でヤング率は2.5GPa以上である事が望ましい。
また、基層部分における無機添加剤としてのフィラーの充填量は、体積分率にて0.1%〜25%が好ましく、より好ましくは1.0%〜15%である。充填量が体積分率にて0.1%〜25%の場合には、補強効果を発揮しつつ充分な屈曲性(軟らかさ)を確保することができる。充填量が0.1%未満では、補強効果が十分発揮されないことがあるため好ましくない。また、充填量が25%を超えると、屈曲性(軟らかさ)を確保する事が難しく、基層が脆くなる可能性がある。なお、(半導電)フィラーを用いる場合は、添加量をパーコレーション閾値以下にする事が必要である。
ポリイミド樹脂を構成材料とするシートないしフィルムから成る多層の中間転写体(中間転写ベルト)の場合、例えば、以下に挙げる方法1)または2)により製造することができる。このとき、各層用のポリアミック酸を主原料とする各塗工液は予め準備しておくものとする。また、本発明の中間転写体は、無端ベルト状成形物の製造に使える方法であれば、その方法によって製造されてもよい。さらに、各塗工液には、既述の関係が成立するように、無機添加剤の量を調整しておく。
方法1):
表面層用塗工液、基層用塗工液、必要に応じて裏面用塗工液を公知の方法によりTダイを用いて、剥離可能な基材、例えばステンレス製のエンドレスベルト上へ2層または3層同時押出し成形により長尺のフィルム状に成形した後、公知の方法によりイミド化してポリイミドフィルムとし、適当な長さに切断し、対向する辺同士を接合手段により接合して無端ベルトを得る。このとき、転写面となる表面層をステンレス面上となるように塗工すると、グロスのある良好な面とする事ができる。また、2層または3層同時に押出し成型せず1層ずつ押出し成型し、半乾燥後巻取り、さらにその上に次の塗工液を押出し成型し、半乾燥させ、必要回数繰返し、必要とする長尺用フィルムに成型した後、公知の方法によりイミド化してポリイミドフィルムとしてもよい。
なお、裏面用塗工液は、表面層が形成される側とは反対側の基層上に裏面層を形成するために使用される。
方法2):
表面用塗工液を公知の方法により円筒形金型の内部に塗布した後、金型を回転することにより膜厚を平準化し、半乾燥させた後、次に同様の方法で基層用塗工液、必要に応じて裏面用塗工液を順次塗布、乾燥させて、円筒状フィルムを得た後、公知の方法によりイミド化して無端ベルト状ポリイミドフィルムを得る。
塗工液は表面層用、基層用、裏面層用のいずれとも、ポリアミック酸を主原料とし、少なくとも表面層用塗工液は、高分子導電材として、ポリアニリンと該ポリアニリンを導電化する事ができるドーパントを含んでいることが好ましい。これにより、表面側領域に高分子導電材(ポリアニリン及び該ポリアニリンを導電化することができるドーパント)を含有させることが可能となり、電気的特性が均一な中間転写体が得られるといった効果が得られる。
なお、基層用、裏面層用塗工液の導電材としては、既述のように、カーボンブラック等の無機系導電剤や金属酸化物等を使用してもよいが、表面層用塗工液と同様に、ポリアニリンと該ポリアニリンを導電化する事ができるドーパントを使用した方が、表面層との電気特性(体積抵抗率)をあわせやすく、中間転写体としての電気特性も均一なものとする事ができ、電気的、機械的ストレスによる経時変化も少ないものとする事ができる。また、塗工液の準備においても、表面層用、基層用、裏面層用共通のマスターバッチとして準備が可能なので省力化につながる。なお、カーボンブラックは、無機系充填剤であるとともに、無機系導電剤として使用することもできる。
上記のポリアミック酸は、特開2001−109277号公報に記載の材料、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることによって、溶液として得ることができる。テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、ジアミンとしては芳香族ジアミンを用いることが好ましいが、これら以外も必要に応じて選択可能である。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
上記芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンチジン、3,3’−ジメトキシベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、4
,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等を挙げることができる。これらも、単独で用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
上記のポリアニリンとしては、好ましくは、下記一般式(I)で表されるキノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構造単位を主たる繰り返し単位として有するポリアニリンを用いることができる。
Figure 2006053257
上記一般式(I)中、m及びnはそれぞれ繰り返し単位中のキノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構造単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m+n=1である。
上記のドーパントとしては、通常、プロトン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとして好ましいプロトン酸は、酸溶解定数pKa値が4.8以下であるプロトン酸である。そのようなプロトン酸として、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、リンフッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸のほか、酸溶解定数pKa値が4.8以下である有機酸を挙げることができる。
上記有機酸は、例えば、有機カルボン酸またはフェノール類であって、好ましくは、酸解離定数pKa値が4.8以下である。このような有機酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このような有機酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等を有していてもよい。従って、かかる有機酸の具体例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、アセチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸、ギ酸、シュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チモールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブルー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリコール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸等を挙げることができる。
また、有機酸は、スルホン酸基又は硫酸基を有するものであってもよい。このような有機酸としては、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナフタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、トリエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、パラフェノールスルホン酸等を挙げることができる。
また、本発明においては、分子内に2つ以上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用いることができる。このような多官能有機スルホン酸としては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタンジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナフタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタレンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、
オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジスルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジスルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アントラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸、ターフェニルジスルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホルマリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置は任意である。
さらに、有機酸はポリマー酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレンスルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核スルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフィオン(米国デュポン社登録商標)として知られている含フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
さらに、本発明において、有機酸は上記した有機酸とポリヒドロキシ化合物とのエステルのうち、酸末端を有するものも好ましい。このようなポリヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートもしくはペンタエリストリールなどの多価アルコール類や、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンテトラメチレングリコールもしくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテルグリコール類、上記の多価アルコール類とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテルなどとの開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類などを挙げることができる。
本実施様態(ポリアミック酸や塗工液等)の溶媒としては、DMAc(ジメチルアセトアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)などを挙げることができる。
本発明の中間転写体は、表面層、裏面層は適宜必要に応じて機械的、化学的に加工することが可能である。例えば、機械的、化学的手段、例えばサンドブラスト法や化学エッチング法により凹凸を形成しても構わない。また、反対に、適宜必要に応じて研磨などの手段を用いて平滑化することも可能である。
基層用塗工液等には、無機添加剤が含有されるが、当該無機添加剤としての無機系充填材(フィラー)としては、シリカ、アルミナ等の絶縁性フィラー;酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アンチモンドープの酸化チタン、カーボンブラックなどの半導電フィラー;などを使用することができる。半導電フィラーを用いた場合は、添加量をパーコレーション閾値以下とすることで絶縁性フィラーと同等に使用することができる。半導電フィラーの添加量を該閾値以上とした場合には、得られた中間転写体の電気特性は電気的、機械的ストレスにより経時変化を生じる場合があるので、塗工液の組成設計や分散条件には充分な注意が必要である。
無機系充填材(フィラー)の粒径は、0.1μm以上であることが好ましい。粒径が0.1μm以上である場合、良好な補強効果を発揮することができる。粒径が0.1μm以下である場合には、補強効果が十分発揮されないことがあり好ましくない。
また、無機系導電剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明の中間転写体の各層に添加され得るポリアニリンの数平均分子量は、4,000〜400,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜200,000である。
ポリアニリンの数平均分子量が4,000乃至400,000の範囲では、得られたフィルムの力学特性を損なうことなく適切に導電化することができる。数平均分子量が4,000未満では得られたフィルムの力学特性が低下することがある。また、数平均分子量が400,000を超えると、ポリアニリンの溶解性が低下するため、得られたフィルムの表面性が悪化し、電子写真用中間転写体として必要な表面性を確保できなくなる懸念が生じることがある。
また、中間転写体の各層におけるポリアニリンの添加量は重量分率で3%〜30%が好ましく、より好ましくは10%〜28%、さらに好ましくは15%〜25%である。中間転写体のポリイミト層におけるポリアニリンの添加量が重量分率で3%〜30%の範囲であると、適切な導電性と力学的特性を両立することができる。しかし、ポリアニリンの添加量が3%未満であると、フィルムが十分に半導電化されない場合があり、また、30%を超えると、力学的特性や外観が損なわれる場合があるため、電子写真用中間転写体として好ましくない。
本発明のポリイミドを主な構成材料とするシートないしフィルムから成る多層の中間転写体で、導電材としてポリアニリンを用いている場合、各層の最終的な表面抵抗率、体積抵抗率の調整は、ポリアニリンの分子量やその添加量を調整する事により行なう事ができる。また、基層部分や裏面層部分に導電材にカーボンブラックを用いている場合、基層部分や裏面層部分の表面抵抗率、体積抵抗率の調整はカーボンブラックの添加量を調整する事により行なう事ができる。これら各層の表面抵抗率、体積抵抗率は、予め単独の層で確認しておく事が望ましい。
本発明のシートないしフィルムから成る多層の中間転写体(ベルト)の表面層部分の表面抵抗率は1×1010〜1×1014Ω/□であることが好ましく、1×1011〜1×1013Ω/□であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体とが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、該表面抵抗率が1×1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。従って、前記表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。
本発明のシートないしフィルムからなる多層の中間転写体(ベルト)の体積抵抗率は1×108〜1×1014Ωcmであることが好ましく、1×109〜1×1013Ωcmであることがより好ましい。この体積抵抗率が1×108ΩCm未満である場合には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、前記体積抵抗率が1×1014Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。従って、体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散したり、除電機構を必要とする問題を解消することができる。
本発明によるシートないしフィルムから成る多層の中間転写体(ベルト)の湿度膨張率は60ppm/RH%以下であることが好ましく、より好ましくは50ppm/RH%以下である。
湿度膨張率が60ppm/RH%以下であれば、中間転写体の使用中に湿度が上昇した場合にも良好な性能を発揮することができる。湿度膨張率が60ppm/RH%を超えると、中間転写体が装置内に実装されており、かつ中間転写体が停止している状態で湿度が上昇した場合、例えばロールによって保持されている部分では膨張が規制されるのに対し、保持部と保持部の間では湿度膨張率に従って自由に膨張することができる。従ってこの場合、膨張差を吸収するために中間転写体にしわが発生しやすくなる。この状態では中間転写体として必要な表面平坦性が確保されていないため、画質上の問題が発生する。
得られたシートないしフィルムから成る多層のポリイミドフィルムを用いた、無端継目ベルト状の中間転写体への加工について、図面を参照して説明する。半導電性ポリイミドフィルムを、必要な大きさ切り出し、特開平8−72152において公知な方法により、その両端部を図1に示すような、突出部2aと基部2bを持つパズルカットパターン(複数の相互噛合い要素を有し、相互に噛合い可能であると共に、噛合い状態において、水平方向に脱離不能である噛合い要素のカットパターン)に打ち抜き加工し、帯状部材2とした。この帯状部材2の両端のパズルカットパターンを図2に示すように、相互に噛合わせ、継目部3とし、特開2000−145895において公知な方法により、フィルム状熱硬化性接着剤4を用いて、上から継目部3を覆い、熱圧着し、図3に示すような無端ベルト状の中間転写体1とすることができる。
本発明の中間転写体は、少なくとも、一方の面側のダイナミック微小硬度が22以下であることが好ましい。ダイナミック微小硬度が2以下であると、ホローキャラクタ状の画質欠陥を大幅に改善することができる。当該ダイナミック微小硬度は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像担持体上に担持されたトナー像が一次転写される中間転写体とを備える。そして、当該中間転写体として、既述の本発明の中間転写体を使用している。
すなわち、当該中間転写体は、ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有し、さらに、無機系充填材および/または無機系導電剤を含み、中間転写体の厚み方向で、表面層における無機系充填材および無機系導電剤の合計含有率A(体積%)と、基層における無機系充填材および無機系導電剤の合計含有率B(体積%)とが、0≦A<B、の関係を有している。
本発明の中間転写体を画像形成装置に適用することで、高品質の転写画質を安定して得ることができる。
以下、本発明の中間転写体(ベルト)を具備する本発明の画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図4は本発明の画像形成装置の主要部分を説明する略図である。図4に示す画像形成装置は装置内に感光体ドラムを各色毎に4台持つ高速/多数枚出力機である。5Y,5M,5C,5Kは、それぞれ像担持体としての感光体ドラム(以下、Yはイエロー用、Mはマゼンタ用、Cはシアン用、Kはブラック用を示す)、1は中間転写体としての転写ベルト、6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ1次転写ロール、7は二次転写ロール、8はバックアップロール、9はコンタクトロール、10Y,10M,10C,10Kはそれぞれ現像装置、11は転写ベルトクリーナー、12は記録紙、13は定着装置である。
同図において、感光体ドラム5Yは時計方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム5Yにレーザー書き込み装置などの画像書き込み手段により第一色(Y)の静電潜像が形成される。
この静電潜像は現像装置10Yによってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム5Yの回転により一次転写部に到り、一次転写ロール7Yからトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に転写ベルト2に吸着されつつ反時計方向に回転する転写ベルト1に一次転写される。
以下、同様にして第二色のトナー像(M)、第3色のトナー像(C)、第4色のトナー像(K)が順次形成され転写ベルト1において重ね合わせられ、多重トナー像が形成される。
転写ベルト1に転写された多重トナー像は転写ベルト1の回転で二次転写ロール7が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は転写ベルト1のトナー像が担持された表面側に設置された二次転写ロール7と当該転写ベルト1の裏側から二次転写ロール7に対向するごとく配置されたバックアップロール8およびこのバックアップロール8に圧接して回転するコンタクトロール9から構成される。
記録紙12は記録紙トレー(図示せず)に収容された記録紙束からピックアップローラ(図示せず)で一枚ずつ取り出され、フィードロール(図示せず)で二次転写部の転写ベルト1と二次転写ロール7との間に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙12は二次転写ロール7とバックアップロール8による圧接搬送と転写ベルト1の回転で当該転写ベルト1に担持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録紙12は、定着装置13に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。
なお、多重トナー像の記録紙12への転写の終了した転写ベルト1は二次転写部の下流に設けたベルトクリーナ11で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、二次転写ロール7はブラシクリーニング(図示せず)により、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合は、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合は各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように転写ベルト1と感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kとの回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
上記二次転写部では、二次転写ロール7と転写ベルト1を介して対向配置したバックアップロール8に圧接したコンタクトロール9にトナー像の極性と同極性の電圧(転写電圧)を印加することで当該トナー像を記録紙12に静電反発で転写する。
図5は図4とは異なる方式の、本発明を適用する画像形成装置の主要部分を説明する概略図である。5は像担持体としての感光体ドラム、1は中間転写体としての転写ベルト、6は一次転写ロール、7は二次転写ロール、8はバックアップロール、9はコンタクトロール、10Y,10M,10C,10Kはそれぞれ現像装置(以下、Yはイエロー用、Mはマゼンタ用、Cはシアン用、Kはブラック用を示す)、11は転写ベルトクリーナーである。
同図において、感光体ドラム5は時計方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム5にレーザー書き込み装置などの画像書き込み手段により第一色(例えばY)の静電潜像が形成される。
この静電潜像は現像装置10Yによってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム5の回転により一次転写部に到り、一次転写ロール6からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に転写ベルト1に吸着されつつ反時計方向に回転する転写ベルト1に一次転写される。
以下、同様にして第二色のトナー像(M)、第三色のトナー像(C)、第四色のトナー像(K)が順次形成され転写ベルト1において重ね合わせられ、多重トナー像が形成される。
転写ベルト1に転写された多重トナー像は転写ベルト1の回転で二次転写ロール7が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は転写ベルト1のトナー像が担持された表面側に設置された二次転写ロール7と当該転写ベルト1の裏側から二次転写ロール7に対向するごとく配置されたバックアップロール8およびこのバックアップロール8に圧接して回転するコンタクトロール9から構成される。
記録紙12は記録紙トレー(図示せず)に収容された記録紙束からピックアップローラ(図示せず)で一枚ずつ取り出され、フィードロール(図示せず)で二次転写部の転写ベルト1と二次転写ロール7との間に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙12は二次転写ロール7とバックアップロール8による圧接搬送と転写ベルト1の回転で当該転写ベルト1に担持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録紙12は、定着装置13に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。
なお、多重トナー像の記録紙12への転写の終了した転写ベルト1は二次転写部の下流に設けたベルトクリーナ11で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、二次転写ロール7はブラシクリーニング(図示せず)により、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合は、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合は各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように転写ベルト1と感光体ドラム5との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
上記二次転写部では、二次転写ロール7と転写ベルト1を介して対向配置したバックアップロール8に圧接したコンタクトロール9にトナー像の極性と同極性の電圧(転写電圧)を印加することで当該トナー像を記録紙12に静電反発で転写する。
以下、本発明に対応する複数の実施例およびこれらの実施例に対する比較例について述べる。なお、これらの実施例は全て例示であり、この記述によって本発明の適用範囲が制限されるものではない。
[実施例1〜5及び比較例1〜8]
<ポリアニリン溶液(A)の作製>
DMAcに、所定の分子量を持つポリアニリン粉末(比較例3の場合、分子量が約200,000、比較例3以外の場合は、分子量が約20,000)、ドーパント(パラフェノールスルホン酸)を加え、均一な溶液になるまで攪拌し、ポリアニリン溶液(A)を得た。
なお、ポリアニリン溶液(A)中のポリアニリンの濃度は5質量%であり、ドーパントの濃度は5質量%であった。
<ポリアミック酸溶液(B)の作製>
DMAc溶媒中に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を溶解し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)を加え、窒素雰囲気下で、充分攪拌した。ODA:BPDA:PMDAの関係は1.00:0.55:0.45のモル比となるように調合し、ポリアミック酸溶液(B)を得た。
<塗工液(C)の作製>
下記表1及び表2に記載の層を形成するように、ポリアミック酸溶液(B)にポリアニリン溶液(A)、無機系導電剤としてのカーボンブラック、無機系充填材としてのフィラーを、単独もしくは混合して加え、混合し充分攪拌した後、脱気して表面層用、基層用、裏面用または単層用の種々の塗工液(C)を作製した。
なお、フィラーには金属酸化物の1種として、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「酸化スズ」ということがある。比重7.0g/ml)またはアンチモンドープ酸化チタン(以下、「酸化チタン」ということがある。比重5.0g/ml)を用いた。また、ここでは、カーボンブラックはポリアニリン溶液に代わる導電材(無機系導電剤)として用いている。
<フィルム(D)の作製>
得られた各層用の塗工液(C)を、Tダイを用いてステンレス製のエンドレスベルト上へ1層、必要に応じて2層または3層同時押出し成形により長尺のフィルム状に成形し、120℃で30分間乾燥した後、300℃で15分間加熱してフィルム(D)を得た。塗工時の膜厚は、各層の膜厚が下記表1または表2に示す膜厚になるように適宜調整し、得られたフィルム(D)の総膜厚が80μmになるようにした。なお、フィルム(D)とは、実施例1〜5および比較例1〜8のそれぞれに係る中間転写体となる前の状態のものをいう。
<無端ベルト状中間転写体(E)の作製>
フィルム(D)をベルト加工寸法に切り出し、図1〜図3に示した様に、基材の両端をパズルカットし、両端のパズルカットパターンを相互に噛合わせ、継目部を形成し、その上からフィルム状熱硬化性接着剤を用いて覆い、継目部を熱圧接着し、無端ベルト状の中間転写体とした。
なお、パズルカットパターンの凸部及び凹部の径は約1mmで「凸部の径<凹部の径」の関係にある。フィルム状熱硬化性接着剤は(株)スリーボンド社製のTB1650を5mm幅に切り出して使用した。
図4の画像形成装置用として、幅362mm×周長2110mmの無端ベルト状中間転写体(E−1)を、図5の画像形成装置用として、幅362mm×周長530mmの無端ベルト状の中間転写体(E−2)を作製した。
[評価]
<表面層のダイナミック微小硬度>
フィルム(D)を6m角に切り、2層構成、3層構成の場合は表面層(転写面側)を上にして、その小片を瞬間接着剤でガラス板に固定した。この試料の表面層のダイナミック微小硬度を微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
ここで、「ダイナミック微小硬度」とは、金属材料の硬さ測定等に広く用いられているビッカース硬さのように、くぼみの対角線長さを求めるという方法はとらず、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。試験荷重P(mN)、圧子の試料への侵入量(押し込み深さ)D(μm)とした時、ダイナミック微小硬度DH(mN/μm2)は下記式(1)で定義される。
式(1):DH=αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
この表面微小硬度は、圧子を押し込んで行く過程の過重と押し込み深さから得られる硬さで、試料の塑性変形だけでなく、弾性変形をも含んだ状態での材料の強度特性を表すものである。なおかつ、その計測面積は微小であり、トナー粒径に近い範囲でより正確な硬度の測定が可能になる。測定条件は、以下の通りで、試料の任意の10ヶ所を測定し、その平均を求めてその試料のダイナミック微小硬度とした。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.014500gf/sec
保持時間:5sec
<ポリアニリンの数平均分子量>
GPC(ゲルろ過クロマトグラフィ法)により、LiCl(塩化リチウム)を0.5質量%含有するDMAc溶液を溶媒として、ポリスチレン換算分子量として公知の方法により測定した。
<表面抵抗率の測定>
中間転写体(ベルト)において表面抵抗率の測定には、R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計(株式会社 アドバンテスト社製)と、接続部をR8340A用に改造した二重リング電極構造のURプローブMCP−HTP12およびレジテーブUFL MCP−ST03(何れも、株式会社ダイアインスツルメンツ社製)を用いた。
また、フィルム(D)を約362mm(ベルト幅に合わせる)×100mmに切断し、測定用試料を得た。このシートを幅方向に略6等分する補助線を引き、それぞれの矩形の、略中央部分を測定した。測定用試料は4枚用意し、合計24測定点の結果を平均したものをその試料の表面抵抗率、最高値と最低値の差をばらつきとした。
レジテーブUFL MCP−ST03(フッ素樹脂面を使用)上に、測定面(多層構成の場合は転写面側の表面層部)を上にしてフィルム(D)のサンプルを置き、測定面に接するようにURプローブMCP−HTP12の二重電極を当てた。なお、URプローブMCP−HTP12の上部には19.6N±1Nの錘を取り付け、フィルム(D)のサンプルに一様な荷重がかかるようにした。
R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計の測定条件は、チャージタイムを30sec、ディスチャージタイムを1sec、印加電圧を100Vとした。
この時、フィルム(D)の表面抵抗率をρs、R8340Aデジタル超高抵抗/微小電流計の読み値をR、URプローブMCP−HTP12の表面抵抗率補正係数をRCF(S)とすると、三菱化学「抵抗率計シリーズ」カタログによればRCF(S)=10.00なので、下記式(2)のようになる。
すなわち、式(2):ρs[Ω/□]=R×RCF(S)=R×10となる。
<体積抵抗率の測定>
中間転写体(ベルト)において体積抵抗率の測定には、R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計(株式会社 アドバンテスト社製)と、接続部をR8340A用に改造した二重リング電極構造のURプローブMCP−HTP12およびレジテーブUFL MCP−ST03(何れも、株式会社 ダイアインスツルメンツ社製)を用いた。
また、表面抵抗率測定と同様に、フィルム(D)を約362mm(ベルト幅に合わせる)×100mmに切断し、測定用試料を得た。なお、体積抵抗率の測定用試料は、表面抵抗率の測定用試料と同一の測定用試料を用いても良い。このシートを幅方向に略6等分する補助線を引き、それぞれの矩形の、略中央部分を測定した。測定用試料は4枚用意し、合計24測定の結果を平均したものをその試料の体積抵抗率、最高値と最低値の差をばらつきとした。
レジテーブUFL MCP−ST03(金属面を下部電極として使用)上に、フィルム(D)のサンプルを置き、上部電極としてURプローブMCP−HTP12の二重電極部を当てた。なお、URプローブMCP−HTP12の上部には19.6N±1Nの錘を取り付け、フィルム(D)のサンプルに一様な荷重がかかるようにした。
R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計の測定条件は、チャージタイムを30sec、ディスチャージタイムを1sec、印加電圧を100Vとした。
この時、フィルム(D)の体積抵抗率をρv、中間転写体の厚さt(μm)、R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計の読み値をR、URプローブMCP−HTP12の体積抵抗率補正係数をRCF(V)とすると、三菱化学「抵抗率計シリーズ」カタログによれば、RCF(V)=2.011なので、下記式(3)のようになる。
すなわち、式(3):ρv[Ω・cm]=R×RCF(V)×(10000/t)=R×2.111×(10000/t)となる。
<中間転写体(ベルト)の経時による抵抗率の変化>
図4に示した高速/多数枚出力型の画像形成装置に、無端ベルト状中間転写体(E−1)を装着し、500,000枚の電子写真像を転写した。転写終了後、ベルトを装置から取り外し、適当な間隔をあけて、周方向100mm長で切断し、測定用試料を得た。このシートを幅方向に略6等分する補助線を引き、それぞれの矩形の、略中央部分を測定した。なお、体積抵抗率の測定用試料は、表面抵抗率の測定用試料と共用しても良い。測定用試料は4枚用意し、合計24測定の結果を平均したものを、その試料の表面抵抗率、体積抵抗率とした。
試験前の表面抵抗率をRS0、試験後の表面抵抗率をRS1とすると、表面抵抗率の常用対数値の変化量ΔRSは次の式(4)で与えられる。
式(4):ΔRS=log(RS0)−log(RS1)
試験前の体積抵抗率をRV0、試験後の体積抵抗率をRV1とすると、表面抵抗率の常用対数値の変化量ΔRVは次の式(5)で与えられる。
式(5):ΔRV=log(RV0)−log(RV1)
<基層の引張弾性率>
単層フィルムまたは、別途、基層のみをフィルム状に成型し、10mm幅×200mm長に切断して試料とした。この時、200mm長を無端ベルトに加工した時の周方向にあわせた。標線間距離100mm、引張速度10mm/分として、JIS K7127に準じて測定を行い、引張弾性率を算出した。
<中間転写体の湿度膨張係数>
フィルム(D)を、25.4mm幅×210mm長に切断して試料とした。この時、210mm長を無端ベルトに加工した時の周方向にあわせた。チャック間距離150mmとなるように保持した。フィルムに70g/cmのテンションを印加したまま、恒温高湿槽を用いて(a)35℃35RH%、(b)35℃85RH%、の環境に24時間放置放置した際のチャック間距離の差を0.001mmの単位まで測定する。ここでチャック間距離の差をDとすると、湿度膨張係数Hは次の式(6)で与えられる。
式(6):H(ppm/RH%)=D(mm)/145(mm)/(85−35)(RH%)
なお、測定を(a)→(b)3回、(b)→(a)3回の合計6回を交互に行い、平均値を測定値とした。
以上、得られた評価結果を下記表1および表2に示す。表1および表2中の電気特性における抵抗率は、当該抵抗率の常用対数値を示している。また、経時変化率の上段は「ΔRS」を示し、下段は「ΔRV」を示す。なお、表2の比較例4〜8に記載の単層中の酸化スズもしくはカーボンブラックは、表面側領域に多く存在していた。
Figure 2006053257
Figure 2006053257
次に、表1および表2で得られた結果から中間転写体としての電気的、機械的特性を評価した。
<抵抗率の均一性>
1本の中間転写体(ベルト)における、表面抵抗率および体積抵抗率ばらつきを調査した。結果を下記表3に示す。
なお、表3中の評価指標は下記の通りである。
「◎」・・・表面抵抗率および体積抵抗率ばらつき≦0.1桁(好適)
「○」・・・表面抵抗率および体積抵抗率ばらつき≦0.2桁(使用上問題ない)
「△」・・・表面抵抗率および体積抵抗率ばらつき≦0.4桁(システムで対応が必要)
「×」・・・表面抵抗率および体積抵抗率ばらつき>0.4桁(不適)
<抵抗率の維持性>
画像形成装置で500,000枚出力後の、中間転写体(ベルト)の表面抵抗率と体積抵抗率の変化の割合を調査した。結果を下記表3に示す。
なお、表3中の評価指標は下記の通りである。
「◎」・・・抵抗率の変化≦0.1桁(好適)
「○」・・・抵抗率の変化≦0.3桁(使用上問題ない)
「△」・・・抵抗率の変化≦1.0桁(システムで対応が必要)
「×」・・・抵抗率の変化>1.0桁(不適)
<駆動の精度>
画像形成装置でY,M,C,Kの4版からなる画像を出力した時に4版で画像がずれを起こさないために必要な中間転写体(ベルト)の機械的強度としての引張弾性率を調査した。結果を下記表3に示す。
なお、表3中の評価指標は下記の通りである。
「◎」・・・引張弾性率≧3.5GPa(好適)
「○」・・・引張弾性率≧2.5GPa(使用上問題ない)
「△」・・・引張弾性率≧2.3GPa(システムで対応が必要)
「×」・・・引張弾性率<2.3GPa(不適)
<画質欠陥>
図4に示した高速/多数枚出力型の画像形成装置に、無端ベルト状中間転写体(E−1)を装着し、画質(ホローキャラクタおよび白抜け)を評価した。
(ホローキャラクタ)
太さの異なる線状画像を含む原稿を、画像形成装置で出力した時の、線状画像におけるホローキャラクタの発生レベルを調査した。結果を下記表3に示す。
なお、表3中の評価指標は下記の通りである。
「◎」・・・ほとんど認められない。
「○」・・・軽微だが、部分的に発生。画質的にはほとんど気にならない。
「△」・・・断続的に発生し、原稿の種類によってはかなり目立つ。
「×」・・・多発し、現行の種類によらず目立つ。
<白抜け>
画像形成装置の設置環境を22℃55RH%から28℃85RH%へ移動させた場合の、駆動ロール等の近傍部で発生する中間転写体(ベルト)の「しわ」による白抜けの発生レベルを調査した。結果を下記表3に示す。
なお、表3中の評価指標は下記の通りである。
「◎」・・・「しわ」が発生せず、白抜けも発生しない。
「○」・・・若干の「しわ」が発生するが、白抜けには至らず、画質上問題ない。
「△」・・・「しわ」が発生し、軽微ながら白抜けが発生する。
「×」・・・中間転写体(ベルト)の全面に「しわ」が発生し、白抜けが多発する。
<総合評価>
上記中間転写体としての評価を総合して、総合評価を行った。結果を下記表3に示す。
なお、表3中の評価指標は下記の通りである。
「◎」・・・好適
「○」・・・使用上問題ない
「△」・・・システムで対応が必要
「×」・・・不適
Figure 2006053257
表1、表2及び表3に示す結果から明らかなように、実施例1〜5の中間転写体(ベルト)は、厚み方向で表面側領域における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率A(質量%)と、厚み方向で中央部領域における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率B(質量%)と、が「0≦A<B」の関係にあり、その層構成が「表面層/基層」あるいは「表面層/基層/裏面層」の複数層からなり、各層ともポリイミドを主な構成材料とし、表面層のダイナミック微小硬度が22以下である。
特に、実施例1〜3では、各層ともポリマーブレンドによる均一な構造により半導電性を発現させているため、基層の無機系導電材にカーボンブラック採用した実施例4,5に比べて、より安定な電気的特性を備えている。更に、実施例1〜3では、基層内にフィラーを配合し、機械的強度を高めたため、電子写真装置内で印加される各種の電気的ストレスや機械的ストレスによっても抵抗が変化することがない。
なお、図5に示す中低速/少数枚出力型の画像形成装置を用いても、表1〜表3と同様な結果が得られた。
ベルトにおける継目部を構成する噛合構造部の例を示す一部切欠概略説明図である。 継目部上にフィルム状熱硬化性接着剤を配置している状態を説明するための概略説明図である。 中間転写体の構成を説明するための概略説明図である。 高速/多数枚出力型の画像形成装置の概略説明図である。 中低速/少数枚出力型の画像形成装置の概略説明図である。
符号の説明
1・・・中間転写体
2・・・帯状部材
2a・・・突出部
2b・・・基部
3・・・継目部
4・・・フィルム状熱硬化性接着剤
5・・・感光体ドラム
5Y・・・イエロー用感光体ドラム
5M・・・マゼンタ用感光体ドラム
5C・・・シアン用感光体ドラム
5K・・・ブラック用感光体ドラム
6・・・一次転写ロール
7・・・二次転写ロール
8・・・バックアップロール
9・・・コンタクトロール
10・・・現像部
10Y・・現像部(イエロー)
10M・・現像部(マゼンタ)
10C・・現像部(シアン)
10K・・現像部(ブラック)
11・・・ベルトクリーナ
12・・・記録紙

Claims (7)

  1. ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有する中間転写体であって、
    無機系充填材および/または無機系導電剤を含み、
    前記表面層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率A(体積%)と、前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率B(体積%)とが、0≦A<B、の関係を有することを特徴とする中間転写体。
  2. 少なくとも、前記表面層に高分子導電材が含有されてなり、前記高分子導電材がポリアニリン及び該ポリアニリンを導電化することができるドーパントを含むことを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 少なくとも、一方の面側のダイナミック微小硬度が22以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  4. 前記基層の引張り弾性率が2.5GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  5. 前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率が、0.1〜25体積%であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  6. 湿度膨張係数が60ppm/RH%以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  7. 画像情報に応じた静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置と、前記像担持体上に担持されたトナー像が一次転写される中間転写体とを備えた画像形成装置であって、
    前記中間転写体が、ポリイミド樹脂を主材料とし、少なくとも表面層と基層とを有し、さらに、無機系充填材および/または無機系導電剤を含み、
    前記表面層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率A(体積%)と、前記基層における前記無機系充填材および前記無機系導電剤の合計含有率B(体積%)とが、0≦A<B、の関係を有することを特徴とする画像形成装置。
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