JP2009156981A - 中間転写ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】高温高湿環境においても、安定したベルト走行と、色ずれ発生を防止することのできる中間転写ベルト及びそれを用いた画像形成装置を提供することである。
【解決手段】軸方向の端面以外の部分が、ポリアニリンと無機化合物を含むポリイミド系樹脂とを含有し、軸方向の端面部分が、ポリアニリンを含まず無機化合物を含むポリイミド系樹脂で構成される中間転写ベルトである。
【選択図】なし

Description

本発明は、中間転写ベルト及び該中間転写ベルトを備える画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置は、無機または有機材料からなる光導電性感光体である像保持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザ光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を、中間転写体を介して、或いは直接記録紙等の被転写体に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。特に、前記像保持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置として種々のものが知られている。
このような中間転写方式を採用した画像形成装置においては、中間転写体として、例えば、半導電性の無端ベルトが好適に用いられる。
具体的には、例えば、ポリイミドを主な構成材料とするポリイミド層を少なくとも有しており、ポリイミド層には、ポリアニリン及びポリアニリンを導電化することができるドーパントを含む無端ベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。更に、この半導電性の無端ベルトに適用可能な、ポリイミドと脱ドープ状態のポリアニリンとのポリマーブレンドからなる半導電性樹脂シートが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、脱ドープ状態のポリアニリンは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)やジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中においても、溶解性が高くないためゲルを生じやすく、また、ポリアミック酸との混合時にもその酸の影響でポリアニリンのゲルが生じやすいため、これを回避するために微小な粒子状のポリアニリンをポリイミド中に分散させた中間転写ベルトが知られている。(例えば、特許文献3参照。)。
さらに、従来の熱硬化型ポリイミドに代え熱可塑型ポリイミドを採用し、微小な粒子状のポリアニリンを分散させ、生産性を改善した半導電性ポリイミド基板が知られている。(例えば、特許文献4参照)。
上記何れの材料を用いた半導電性ポリイミド基材を用いた中間転写ベルトであっても、高度な寸法精度を要求される。寸法にかかわる主な項目は、(1)膜厚、(2)周長、(3)左右周長差(幅方向両側の周長差)、(4)幅、(5)ベルト幅で切断した時の切断部の真直度、(6)切断面の膜厚方向のうねり等が挙げられる。前記(4)及び(5)は、同じ工程で加工調整されることが多い。
一般にシームレスベルト(つなぎ目なしベルト)は、ベルト成形後、ベルトを円筒金型にはめ込み、または2軸でベルトを張架して、カッター等の刃で所定のベルト幅で切断することが多い。この方法は中・小型機の中間転写ベルトの製造に多く用いられる。一方、シームドベルト(つなぎ合わせベルト)の場合は、先のシームレスベルトと同様な方法のほかに、つなぎ合わせ前の基材を展開した状態で、4辺を所定の寸法で切断する方法がある。この方法は高速・大型機用の中間転写ベルトに用いられることが多い。
高速・大型機に用いる中間転写ベルトは、周長が2mを超え、中・小型機用の2乃至3倍、もしくはそれ以上の周長を有する。一般に、周長が2mを超える中間転写ベルトは、一体成形が難しく、中・小型機向けの中間転写ベルトのようなシームレスベルトにすることが難しい。そのため、大型の製膜装置を使用して広幅のシートを連続製膜し、予め所定の幅でスリットされた基材を用いることが多い。しかし、ベルト幅に相当する幅広のスリットは、精度的に難しく、そのままでは必要な幅精度や真直度を確保できないことが多い。そのため、スリットされた基材を必要な周長が得られる長さに切り出し、切り出した基材をフラットベッド型の精密なX−Yカット機に一様に静電吸着させ、その内側を、超硬刃を用いてカットして必要な真直度を確保している。
さらに周長方向両端を、金型を用いてパズルカットし、互いに嵌め合い、熱硬化性のシート型接着剤で固定し中間転写ベルトを得る方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。
なお、大型機に中間転写ベルトを用いる場合は、カラーレジストレーション(色ずれ)改善のため、中間転写ベルトの蛇行をアクティブ・ステアリング方式で制御駆動することが望ましい(例えば、特許文献6参照)。
特開2001−109277号公報 特開2003−226765号公報 特開2007−058154号公報 特開2005−194528号公報 特開2000−145895号公報 特許第3632731号明細書
超硬刃をカット用の刃として採用したフラットベッド型の精密なX−Yカット機による切断では、基材の固定方向とベルト基材のカット方向(超硬刃の移動方向)とがほぼ90度の角度をなすため、超硬刃の移動方向に引っ張られて、幅方向に小さなうねりが生じることがある。また、一般環境(22℃、55%RH)から高温高湿環境(28℃、85%RH)に持ち込むと、切断面に沿ってうねり(膜厚方向)が生じることがあり、特に中間転写ベルトとして使用したときのアクティブ・ステアリング方式によるセンシングに影響を与え、ベルトの走行性や、色ずれを悪化させることがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、高温高湿環境においても、安定したベルト走行と、色ずれ発生を防止することのできる中間転写ベルト及びそれを用いた画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、軸方向の端面以外の部分が、ポリアニリンと無機化合物を含むポリイミド系樹脂とを含有し、
軸方向の端面部分が、ポリアニリンを含まず無機化合物を含むポリイミド系樹脂で構成される中間転写ベルトである。
請求項2に係る発明は、前記軸方向の端面が、溶融面である請求項1に記載の中間転写ベルトである。
請求項3に係る発明は、像保持体と、
前記像保持体表面を均一に帯電する帯電手段と、
前記像保持体上に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像手段と、
前記トナー像を一旦中間転写ベルトに転写し、さらに前記中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、
前記中間転写ベルトが、請求項1または2に記載の中間転写ベルトである画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記中間転写ベルトの蛇行を制御する蛇行制御手段を備える請求項3に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記蛇行制御手段が、前記中間転写ベルトを支持するベルト支持手段と、前記中間転写ベルトの軸方向の端面の位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記中間転写ベルトの位置の修正を行う修正手段を備える請求項4に記載の画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、高温高湿環境においても、安定したベルト走行と、色ずれ発生を防止することのできる中間転写ベルトが提供される。
請求項2に係る発明によれば、端面部分のポリアニリンを効率的に除くことができ、高温高湿環境での端面の形状変化をより少なくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、高温高湿環境においても、色ずれのない高画質のカラー画像が形成される。
請求項4に係る発明によれば、高温高湿環境においても、色ずれのない高画質のカラー画像がより安定して形成される。
請求項5に係る発明によれば、蛇行制御手段における検出手段の精度が向上し、装置を小型化しても、高温高湿環境において色ずれのない高画質のカラー画像が形成される
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
<中間転写ベルト>
本実施形態の中間転写ベルト(以下、単に「ベルト」という場合がある)は、軸方向の端面以外の部分が、ポリアニリンと無機物を含むポリイミド系樹脂とを含有し、軸方向の端面部分が、ポリアニリンを含まず無機物を含むポリイミド系樹脂で構成されることを特徴とする。
前記本実施形態の中間転写ベルトは、ポリアニリンとポリアニリンを導電化するためのドーパントとを含有するポリイミド樹脂からなるベルト基材を用いた中間転写ベルトであり、特に高速・大型の画像形成装置用として好適な中間転写ベルトである。
ここで、「ポリイミド系樹脂」とは、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等から選ばれる少なくとも一つ、もしくは二つ以上の樹脂を意味する。中間転写ベルトには、さらに、ポリカーボネートやポリエステル、ポリエチレンテレフタート、ポリブチレンテレフタートから選ばれる少なくとも一つ、もしくは二つ以上の樹脂を含有しても良い。
この中間転写ベルトは、後述するような工程により幅広のシートあるいはエンドレスベルトとして製造され、最終的に前述のX−Yカット機等により軸方向(ベルトとしての移動方向と垂直方向)の端面が所望のサイズに裁断され製品となる。
しかし、上記シート等をNTカッター、超硬刃、表面処理した超硬刃等でカットしたベルトは、特に高温高湿環境では、切断面からの吸湿が大きいためか、真直度は変わらないものの膜厚方向にうねりが発生してしまう。このため、中間転写ベルトとして使用したときに蛇行を生じやすくなり、特にアクティブ・ステアリング方式で蛇行を制御する場合にセンシングに影響を与え、ベルトの走行性や、色ずれを悪化させることがあった。
本発明者等が検討した結果、前記切断面における膜厚方向のうねりは、切断面に吸湿性の高いポリアニリンが存在することに起因することがわかった。このため、前記問題を解決するためにはベルトの軸方向の端面部分のみポリアニリンを存在させない構成とすればよいと考えられる。
上記構成とするためには、ベルトの製造工程において、(1)最初からベルトの端面部分にのみポリアニリンを含まない組成となるように、複数の組成の原料を用いて一体としたベルトを作製するか、(2)通常の手法により端面部分にもポリアニリンを含むベルトを作製し、後処理等により端面部分のポリアニリンのみを除く方法が考えられるが、製造工程の簡略化を考慮すれば、前記(2)の方法が望ましい。
本実施形態では、特に上記(2)の方法に関し、後述するレーザ等による端面の溶融切断を行うことにより、効率的に端面部分のみのポリアニリンを除くことができることを見出された。こうして得られた本実施形態の中間転写ベルトでは、軸方向の端面部分が、ポリアニリンを含まず無機物を含むポリイミド系樹脂から構成され、実質的にポリアニリンを含まない構成となる。ここで、該無機物にはカーボンブラックが含まれていてもよい。
なお、前記本実施形態の中間転写ベルトの作製方法は、前記(2)の方法に限定されず、前記(1)の方法のほか、上記の構成を達成できる方法であれば際限なく採用することができる。
本実施形態において、上記中間転写ベルトの「端面部分」とは、ベルトの両端面から2.0μm以内の範囲を意味する。また「端面以外の部分」とは、「端面部分」を除く部分を意味する。端面部分にポリアニリンが存在しなければ、外環境の湿度の影響を受けることがなく、端面が吸湿してうねり等を生じることがない。そして、この範囲においてベルトがポリアニリンを含まず無機物を含むポリイミド系樹脂で構成されること、すなわち実質的にポリアニリンが存在しないことは、以下の方法により確認することができる。
具体的には、まずベルトを軸方向にカッターナイフ等により1mm×8mm程度の短冊形(観察したい側を短辺とする)に切り出す。試料片の表裏区別のため試料の一方の面に金属蒸着を施した後、エポキシ樹脂で包埋する。硬化後、ダイヤモンドナイフを取り付けたミクロトームにて、端面部分を含む膜厚0.1μm程度の切片を作製する。ミクロトームは、例えば、Reichert社製ウルトラカットNを使用することができる。得られた切片において、ポリアニリンの存在を確認するため電子線染色を施し、ポリアニリンを可視化する。染色剤としては四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、リンタングステン酸、ヨウ素などの中から、染色条件等を考慮して、適宜、選択する。
上記切片を、透過型電子顕微鏡(TEM:FEI社製TecnaiG2)を用いて、加速電圧100kV、倍率12,000倍で(断面全体の観察時)または35,000倍(端面部分の観察時)で、前記端面部分を含む領域にオスミウム酸により染色された部分が存在するかを確認する。ベルトに含まれる成分のうちポリアニリンのみがオスミウム酸等により染色されるため、この染色された部分が観察されない領域には実質的にポリアニリンが存在しないこととなる。
本実施形態においては、中間転写ベルトの端面に沿って一定間隔ごとに10箇所前記確認試料の採取を行い、まずこれらの試料について、上記確認方法により前記端面部分以外の領域と前記端面部分の領域を比較して、前記端面領域に染色された部分(ポリアニリン)が実質的に存在しないことを確認する。
以上の分析により、本実施形態における「軸方向の端面部分が、ポリアニリンを含まず無機物を含むポリイミド系樹脂、から構成される」ことが確認される。
また、本実施形態の中間転写ベルトでは、前記軸方向の端面が溶融面であることが望ましい。
前記のように、本実施形態の中間転写ベルトを得るためには、前記(2)の方法の中でもレーザ加工により溶融切断で行われることが望ましい。この場合切断部に高エネルギー密度熱源のレーザ光が照射されると、レーザの性質上、ベルト基材の切断部では材料の沸点にまで達し、蒸発を開始し、蒸気の圧力で周囲の融液が押しのけられ、高エネルギー密度熱源特有の状態を示すに至る。そしてついには、ベルト基材の厚み方向に深溶込み状態に至り切断されることとなる。
このとき、切断面に接する分子量の小さい物質(例えばポリアニリン)は蒸発してしまい、端面部分には実質的にポリアニリンが存在しない状態になり、ポリアニリンを含まず無機物(例えば無機フィラー)を含むポリイミド系樹脂の構成物質の状態になり、また、その切断面はレーザにより溶融した溶融面となる。
ここで、本実施形態における「溶融面」とは、前記融液が冷えて固まった面のことを示し、少なくともポリイミドが溶融する温度以上に加熱されて切断された面であるため、走査型顕微鏡(SEM)で切断面を観察したとき、少なくともレーザ光が照射される側のベルト面との角の部分が丸くなっているだけでなく、面内の蒸発してしまった成分に基づく空隙や切断履歴に基づくスジ等の表面部分がほとんど丸くなっている(凹凸が丸みを帯びている)面を意味する。
さらに、特にレーザ加工により切断された面では、レーザ光のパルス駆動に基づくと思われる厚み方向の直線状のスジが複数並んで存在することが多い。
なお、「ポリイミド系樹脂」とは、レーザ加工等による溶融切断により、ポリイミド系樹脂が変質した物質も含むものである。
以下、本実施形態の中間転写ベルトの各構成を製造方法と共により具体的に説明する。
本実施形態の中間転写ベルトのベルト基材は、例えば、ポリアミック酸などのポリイミド系樹脂前駆体と、非導電状態、すなわち、脱ドープ状態のポリアニリンと、該ポリアニリンを導電化させるドーパントと、有機極性溶媒と、を含有してなるポリイミド系樹脂組成物を、200℃以上290℃以下の最高温度で加熱する加熱工程を経て製造することができる。
本実施形態で用いられるポリアニリンは、キノンジイミン構造単位及びフェニレンジアミン構造単位のうちの少なくともいずれかを主たる繰り返し単位として有し、脱ドープ状態において溶剤に可溶性を有するポリアニリン(以下、ポリアニリンキノンジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンという)が望ましい。
ポリイミド系樹脂組成物に含まれる上記「非導電状態、すなわち、脱ドープ状態のポリアニリン(Emeraldine Base)」とは、以下に示すポリアニリンの取りうる4つの構造(A:ロイコエメラルジン、B:エメラルジン、C:ペルニグルアニリン、D:エメラルジン塩)における「B」の状態に相当する。具体的には、例えば、特開平8−259709号公報の段落番号0042乃至0044に記載の方法で得られたものや、愛知県工業技術センター研究報告 第37号 溶剤分離型ポリアニリンの作製に記載の方法で得られたもの等が挙げられる。
Figure 2009156981
ポリアニリンは、アニリン又はアニリン誘導体から酸化重合法にて容易に製造することができ、上記に示すように、ポリアニリンはその酸化の状態によって、A:ロイコエメラルジン(leucoemeraldine)、B:エメラルジン(emeraldine)、C:ペルニグラニリン(pernigraniline)の構造を取ることが知られている。
この中でも、上記Bのエメラルジン構造を持つポリアニリンが、プロトン化、すなわち導電状態とすること(ドーピング)により、一番高い電気伝導度を持つ導電状態の(ドープ状態の)ポリアニリンとなり、空気の中で安定なので一番有用である。
すなわち、上記Bのエメラルジン構造を持つ脱ドープ状態のポリアニリンを、ドープ(導電化)とすることにより得られる、ドープ状態のポリアニリンである上記Dのエメラルジン塩構造を有するポリアニリンが、高い電気伝導度を有する。
ポリアニリンの合成は、特開平3−28229号公報に詳細に記載されているように、プロトン酸の存在下に溶剤中にてアニリンに温度を5℃以下、好ましくは0℃以下の温度を保持しつつ、酸化剤を作用させて酸化重合を行い、後述するドーパントを用いてドープされたアニリンの酸化重合体(以下、ドープされたポリアニリンという。)を生成させる。次いで、このドープされたポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすることによって得ることができる。
また、市販品としては、パニポール社製「Panipol PA」が挙げられる。
なお、ポリアニリンは通常においては酸化されやすいため、導電性向上、安定化のためにはペルニグルアニリン構造がより少ないことが好ましく、より還元状態からドーピング処理することで効率よくドーピングすることができる。本発明では、フェニルヒドラジン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物や、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化金属化合物等の還元剤を用いて還元処理し、溶媒中に溶解し、ドーピング処理を行うことで、脱ドープ状態のポリアニリンを得る。
ポリイミド系樹脂組成物中の脱ドープ状態のポリアニリンの添加量(使用量)は、発現させる導電度によって適宜調整される。一般的には、ポリイミド系樹脂組成物中のポリイミド系樹脂100質量部に対して、添加されるポリアニリンは、3質量以上20質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以上15質量部以下である。ポリアニリンの添加量が3質量部未満であると所定の電気導電性を発現することができず、20質量部を超えると、得られる部材の強度を低下させるという問題がある。
また、脱ドープ状態のポリアニリンの数平均分子量は、機械的強度の確保と、導電性の付与の観点から、4000以上400000以下であることが好ましい。
本実施形態において、ポリアニリンをイオン導電性にするためのドーパントとしては、プロトン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとして好ましいプロトン酸は、酸解離定数pKa値が4.8以下のプロトン酸である。
このようなプロトン酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、及びアリルスルホン酸、キシレンスルホン酸、エタンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸などスルホン酸化合物、有機カルボン酸化合物、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、フェノールホスホン酸等のリン酸化合物を挙げることができる。
このようなドーパントは、前記ポリアニリンの取りうる4つの構造における「B」の構造を有する脱ドープ状態のポリアニリンをプロトン化することで、導電性を付与することができる。具体的には、「B」の構造におけるキノンジイミン構造をイミン窒素へのプロトン化することにより、「D」の構造に変化させることで、脱ドープ状態のポリアニリンを導電性とすることができるものである。
このため、上記のようなドーパントの使用量(添加量)は、脱ドープ状態のポリアニリンの構造中のキノンジイミン構造単位の量により適宜決定される。また、ドーパントは、所定の濃度の溶液として添加されることが好ましい
具体的には、ポリイミド系樹脂組成物中には、脱ドープ状態のポリアニリン1モル(前記「化1」のB構造)に対してドーパントを0.6モル以上3モル以下、好ましくは1モル以上2モル以下の範囲で配合するのが適当である。0.6モルを下回ると、所望の導電性を発現するためのポリアニリンの量を多く配合する必要があり、必要な機械強度が得られなくなる。また、3モルを超えると、28℃、85%RHの高温、高湿度の下において、遊離しているドーパントの影響で、各種環境下での電気特性の変化が大きく、実用に供し得ない。
なお、前記ポリアニリンとしては、溶解型のものであっても粒子状のものであっても良い。
粒子状のポリアニリンとしては、添加されるポリアニリン粒子中の最も長い粒子、即ち、最大ポリアニリン粒子の絶対最大長が10.0μm以下であることが望ましい。これにより、突起や凹凸を低減し、表面性を良好にすることができ、また、巨大なポリアニリンからなる粒子が存在しないことから、微小領域における抵抗率の変化を抑制することができる。その結果、本実施形態の中間転写ベルトを備える画像形成装置において、転写画像の品質を向上させることができる。
また、前記ポリアニリン粒子は、50%粒子径(個数基準)が0.05μm以上3.0μm以下の範囲であり、かつ、90%粒子径(個数基準)が50%粒子径(個数基準)の1倍以上2倍以下であることが好ましい態様である。ポリアニリン粒子の粒子径と粒度分布がこのような範囲にあることで、突起や凹凸を低減し、表面性を良好にし、また、鮮鋭度が改善され、画像を出力した時の粒状性が改善されるという優れた効果を有する。
さらに、50%粒子径(個数基準)が0.05μm以上2.00μm以下の範囲であり、かつ、90%粒子径(個数基準)が50%粒子径(個数基準)の1倍以上2倍以下であることがより好ましい。
なお、このポリアニリン粒子の50%粒子径、及び50%粒子径と90%粒子径との比較による粒度分布の測定は、前述のTEM画像から画像解析により行うことができる。
前記のようにドーパントが添加された後、ポリアミック酸溶液と混合し、塗布液を調製する。塗布液を調製する際の混合手段としては、攪拌機、サンド・グラインド・ミル、アトライターなどが適当であるが、これらに限るものではなく、均一に混合できるものであればよい。
ここで用いられるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることによって、溶液として得ることができる。テトラカルボン酸二無水物としては芳香族テトラカルボン酸二無水物を、ジアミンとしては芳香族ジアミンを用いることが好ましいが、これら以外も必要に応じて選択可能である。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
上記芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンチジン、3,3’−ジメトキシベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等を挙げることができる。これらも、単独で用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
本実施形態において、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの好ましい組み合わせとしては、得られるポリイミド樹脂の湿度や温度による膨張性及び表面微小硬度を考慮すると、BPDA(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)とODA(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)との共重合体(下記構造)や、BPDA(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)とODA(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)との共重合体、及び、PMDA(ピロメリット酸二無水物)とODA(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)との共重合体の混合物(下記構造)を含有することが好ましい。なお、下記構造において、m、nは10乃至300の整数である。
Figure 2009156981
またさらに、下記構造に示すような、BPDA(3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)及びODA(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)の共重成分と、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)及びODA(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)の共重合成分とが、さらにブロック共重合体となったものも好適である。なお、下記において、x、yは2乃至10の整数である。またm、nは各々10乃至300の整数である。
Figure 2009156981
上述のドーパント溶液やポリアミック酸溶液に用いられる溶媒としては、DMAc(ジメチルアセトアミド)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)などを挙げることができる。
また、中間転写ベルトの弾性率を高めるため、また、中間転写ベルトの湿度や温度による膨張を抑制するために、塗布液には、充填材(フィラー)を加えることもできる。
この充填材には、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、ウィスカー、硫酸バリウム等の絶縁性フィラー;酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アンチモンドープの酸化チタン、カーボンブラックなどの導電/半導電フィラー;などを使用することができる。導電/半導電フィラーを用いた場合は、添加量をパーコレーション閾値以下とすることで絶縁性フィラーと同等に使用することができる。
この場合、フィラーの50%粒子径(体積基準)は、0.1μm以上であることが好ましい。粒径が0.1μm以上である場合に、良好な補強効果、良好な膨張抑制効果を発揮することができる。
また、前記粒子状のポリアニリンを用いる場合、本実施形態の中間転写ベルトにおいて、ポリイミド系樹脂中の充填材のうち最大の粒子の絶対最大長は、最大ポリアニリン粒子の絶対最大長よりも小さいことが好ましいため、この関係を満たすような粒子径のフィラーを選択して使用することが好ましい。
上記充填材の充填量は、体積分率にて0.1%以上10%以下であることが好ましい。体積分率が0.1%未満である場合には、補強効果が十分発揮されないことがあり、10%を超える場合には成形品の強度が低下することがあって靭性が劣るので好ましくない。
また、充填材を分散させ、その凝集体を壊砕する方法としては、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散などの物理的手法、更には分散剤の導入などの化学的手法が例示されるが、これらに限定されるものではない。
得られた塗布液を用い、例えば、以下に挙げる方法(A)又は(B)により無端ベルト状の中間転写ベルトのベルト基材を製造することができる。なお、中間転写ベルトの製造方法としては、無端ベルト状成形物の製造に使える方法であれば、その方法によって製造されてもよい。
・方法(A):
塗布液を、ステンレス製のエンドレスベルト上にTダイを用いて連続塗布し、乾燥炉にて、例えば、ポリイミドであれば、170℃乃至190℃で30分間連続乾燥させた後、巻き取る。次に、焼成炉(テンター炉)にて、例えば、370℃乃至390℃で7分間連続焼成して、イミド転化反応を進行させてから巻き取り、長尺のフィルム状の導電性ポリイミドフィルムを得る。また、ポリアミドイミド、ポリアミドであれば、加熱炉にて、50℃乃至290℃で10分間乃至120分間加熱して、反応もしくは溶剤除去を行ってから巻き取り、長尺のフィルム状の導電性ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルムを得る。得られたポリイミド系樹脂フィルムを必要な大きさに切り出し、端部をつなぎ合わせることで、所望の無端ベルトを得ることができる。
・方法(B):
塗布液を円筒形金型の内面若しくは外面に塗布した後、加熱処理を施すことで、無端ベルトを得ることができる。円筒形金型の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、従来既知の様々な素材の円筒形の成形型を用いることもできる。また、金型や成形型の表面にガラスコートやセラミックコートなどを設けること、また、シリコーン系やフッ素系の剥離剤を使用することも適宜選択されうる。
なお、円筒形金型に対するクリアランス調整がなされた膜厚制御用金型を、円筒形金型に通し平行移動させることで、余分な溶液を排除し、円筒形金型上の溶液の厚みを均一にする方法を適用してもよい。ここで、円筒形金型上へ塗布液を塗布する段階で、塗布液の均一な厚み制御がなされていれば、特に、膜厚制御用金型を用いなくてもよい。
ポリイミド系樹脂がポリイミドの場合、次に、塗布液を塗布したこの円筒形金型を、加熱若しくは真空環境に置き、塗布液中の含有溶媒の30質量%以上好ましくは50質量%以上を揮発させるための乾燥を行う(乾燥処理)。続いて、この円筒形金型を200℃乃至450℃で加熱し、イミド転化反応を進行させる(焼成処理)。
その後、金型からイミド化した樹脂を取り外すことで、所望の無端ベルトを得ることができる。更に、得られた無端ベルトの両端を切りそろえる工程を有していてもよい。
上記方法(A)及び(B)においては、イミド転化反応を促進させるために焼成処理が施される。イミド転化の際の温度は、ポリアミック酸の原料のテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって、それぞれ異なるが、機械的特性及び電気的特性を向上させるために、イミド転化が完結する温度に設定することが好ましい。金型の持つ熱容量により異なるが、一般的には、200℃乃至450℃で、5分乃至45分の焼成処理が好ましい。
また、本実施形態の中間転写ベルトのベルト基材の製造方法としては、上記の製造方法に限定されるものではなく、例えば、溶剤可溶性ポリイミドをNMPやDMAc等の溶媒に溶かし込んで、更に、そこに上述のポリアニリンを混合して塗布液を調製し、これを用いて無端ベルトを作製してもよい。また、熱可塑性ポリイミドに、上述のポリアニリンを練りこみ、Tダイや環状ダイを使って押出し成形を行って無端ベルトを作製してもよい。
ポリイミド系樹脂がポリアミドイミド、ポリアミドの場合、次に、塗布液を塗布したこの円筒形金型を、加熱若しくは真空環境に置き、50℃乃至290℃で10分間乃至120分間加熱して、反応もしくは溶剤除去を行う。その後、金型から樹脂を取り外すことで、所望の無端ベルトを得ることができる。更に、得られた無端ベルトの両端を切りそろえる工程を有していてもよい。
なお、前述の(1)の製法で、最初からベルトの端面部分にのみポリアニリンを含まない組成となるようにして、複数の組成の原料を用いて一体としたベルトを作製するためには、前記所定濃度のポリアニリンを含む塗布液と、ポリアニリンを含まない塗布液を用意し、例えばベルトの端面側に相当する部分にのみポリアニリンを含まない塗布液を塗布する等の方法で、本実施形態の中間転写ベルトを作製することができる。例えば、上記2種類の塗布液を、幅方向で、ポリアニリンを含まない/ポリアニリンを含む/ポリアニリンを含まない、の3分割以上に流路に分割されたTダイで塗布する方法がある。ただし、予めベルト幅を考慮したTダイの設計が必要である。
一般に、高速・大型の画像形成装置用の中間転写ベルトのベルト基材は、前述の手順により配合したポリイミド系樹脂の材料であるポリアミック酸やポリアニリン等からなる原材料を混合あるいは分散させた塗工液を、ステンレス製のエンドレスベルトとTダイを持つ大型の製膜装置を使用して、広幅の状態で連続的に製膜し、乾燥させて巻き取る。次に、焼成炉(テンター炉)で、例えば300℃乃至390℃で5分間乃至30分間連続焼成して、イミド転化反応を進行させてから巻き取り、長尺・広幅のシートとする。
そして、中間転写ベルトにするためには、これを、さらに所定の幅でスリットし、スリットされたシートを必要な周長が得られる長さに切り出し、中間転写ベルト1本分の基材とする。
次に、切り出した基材について、軸方向の端面の切断を行う。該切断の方法としては、前記ベルト基材の端面部分がポリアニリンを含まない構成として作製されたものであればベルト基材が切断できれば特に限定されないが、ポリアニリンを含む構成として作製されたものの場合は、前述のレーザ加工により行うことが望ましい。
レーザ光を用いた溶融切断は、熱硬化したポリイミド系樹脂をも容易に切断できること、前記切断時に端面部分のポリアニリンを効率的に除くことができる点で望ましい。以下、このレーザ光を用いたレーザ加工について説明する。
レーザ加工機としては、例えば、サーボモーターを搭載したX−Yステージを持つ、澁谷工業(株)製のSPL3905(有効加工エリア:700mm×500mm)やSPL3725E(有効加工エリア:1550mm×2500mm)が好適に用いられる。これらのレーザ加工機は、封じ切り炭酸ガスレーザ(波長:10.6μm)を搭載し、駆動条件(パルス周期及びパルス幅)を選ぶことにより、100mm/分乃至から1000mm/分程度の速度で切断加工が可能である。レーザの最大出力は200W程度あれば十分である。
切断は、前記X−Yステージにベルト基材をエア吸着させて固定し、予め入力しておいた図面データに従って、例えばベルトサイド2辺を含む4辺を精密に切断する。このとき、封じ切り炭酸ガスレーザは切断する対象物に向けてレーザ光を集光させる(逆三角形状に集光させる)ため、断面は表面側が裏面側よりも狭くなり、概ね、ポリイミドを主体とするベルト基材の場合は10°前後のテーパーが付く。このため、レーザ光をテーパー角とは逆に傾けて切断することにより、基材面に対して、ほぼ直角に切断面を形成することができる。
また、切断面およびその近傍に汚れや、切断面の基材側に見られることが多いバリが発生しやすいので、エタノール等の有機溶剤をベンコット等の柔らかい布にしみ込ませ、切断面に沿ってふき取ることにより、汚れや、バリは、簡単に取り除くことが可能である。また、レーザ光によるベルト基材の溶けカスも、比較的容易に取り除くことが可能である。
使用するレーザは、前記封じ切り炭酸ガスレーザ(波長:10.6μm)に限らず、エキシマレーザー(波長:248nm)やUV−YAG第2高調波(波長:532nm)、UV−YAG第3高調波(波長:355nm)などであってもよい。
これらのレーザによる切断面の加工精度は、一般に良い方から順に、エキシマ≧UV−YAG第3高調波>UV−YAG第2高調波≧封じ切り炭酸ガス、であるが、導入設備費、維持費、加工速度を考慮した場合、封じ切り炭酸ガスレーザが、実用的であると考えられる。また、加工速度とレーザの駆動条件(パルス周期及びパルス幅)によっても、レーザによる切断面は左右される。
封じ切り炭酸ガスレーザ(最大出力が200W、照射面のビーム径が100μm)の場合、レーザ光のパルス周期は1ms以上10ms以下とすることが望ましく、パルス幅は0.01ms以上0.05ms以下とすることが望ましい。また、加工速度は10mm/分以上1000mm/分以下とすることがより望ましい。この時、実際の炭酸ガスレーザの出力は0.5Wから10W程度である。
−真直度−
加工後の端面の真直度は1000μm以下とすることが望ましく、500μm以下とすることがより望ましい。真直度が1000μmを超えると、後述するアクティブ・ステアリング方式によっても中間転写ベルトの蛇行を抑制することができない場合がある。
上記ベルト端面の真直度は、ベルトを回転させながら、CCDカメラによりベルト端部の画像を取り込み、画像処理を行って求めた。具体的にはベルト1周で41点画像を取り込み、蛇行分を差し引いた後、最大最小の差を真直度とした。
−微小うねり−
本実施形態の中間転写ベルトにおいては、端面の微小うねりが0.08mm以下であることが望ましく、0.04mm以下であることがより望ましい(ただし、シームドベルトの場合は、最終的にベルトをつなぎ合わせた部分を除く。)。この微小うねりとは、前記真直度の測定時に観察される大きなうねりに沿って観測される微小な波形であり、これが前記範囲にあることにより、蛇行制御手段の制御がより滑らかとなる。具体的に真直度を測定したときの端面のグラフを図4に示す。図4(A)はベルト基材を超硬刃で切断したときの端面、図4(B)はレーザ加工により切断した端面を各々示す。
超硬刃の場合、刃の切れが悪くなると、図4(A)の様になることが多いが、レーザ加工では刃の劣化が無いので図4(A)の様にはならない。なお、図4において、「蛇行補正後」は「実測値」から「線形(蛇行分)」を差し引いたものであり、●印は最終的にベルトをつなぎ合わせたシームの位置を示す。また、蛇行はベルト両サイドの周長差によって発生する。
図4に示すように、(A)の超硬刃で切断した場合には、真直度に直接影響する大きなうねりに沿って、明らかに確認できる細かなうねりが見られる。一方、(B)のレーザ光で切断した場合には、このような細かなうねりは明確には見られない。
なお、前記微小うねりは、ベルト全周を45mm乃至55mm間隔で、真直度を測定したときの隣り合う測定点の差(絶対値)で、本実施形態では、約51.5mm間隔で測定した。また、測定毎で測定点が多少ずれるので3回測定して、大きな値を微小うねりの値とした。
−湿度膨張係数及び温度膨張係数−
本実施形態の中間転写ベルトは、湿度膨張係数が45ppm/%RH以下であり、かつ、温度膨張係数が45ppm/K以下であることが好ましい。
このような膨張係数の範囲であれば、中間転写ベルトの局所的な膨張が抑制され、安定したベルト走行性を得ることができる。その結果、画像形成装置内の温度や湿度の環境に関わらず、高品質の転写画像を得ることができる。
前記湿度膨張係数は40ppm/%RH以下であり、かつ、温度膨張係数は40ppm/K以下であることがより好ましい。
上記湿度膨張係数は下記のようにして測定することができる。
まず、中間転写ベルトを幅25.4mm×長さ210mmに切断して試料とする。この時、長さ方向が中間転写ベルトの周方向に沿うようにあわせる。試料の下部に0.240kgのチャックを兼ねた錘を取り付け、更に試料の上部を、支持台に固定可能なもう一方のチャックに取り付け、チャック間距離が149mmとなるように試料を鉛直に保持する。試料の伸縮量は下部チャックの上下方向の移動量と一致するため、その下方にある支持台に固定されたマイクロゲージでベルト下部の上下方向の移動量を測定して試料の伸縮量とする。
伸縮量は、例えば伸びた場合をプラス(+)、縮んだ場合をマイナス(−)表記とした数値で表す。マイクロゲージとしては、株式会社ミツトヨ製のID−S1012(最小表示量:0.01mm、精度:0.02mm)を用いることができる。この状態で、恒温恒湿槽を用いて(a)22℃,55%RHの環境で24時間放置し、その際の試料の伸縮量△Laを用いて試料の長さを補正する。次に、(b)35℃,20%RHと(c)35℃,85%RHの環境下にて24時間放置した際の試料の伸縮量△L20と△L85を測定する。湿度膨張係数Hは下記式(1)で与えられる。
式(1):
H(ppm/%RH)=10×(△L85−△L20)(mm)/(149−△La)(mm)/(85−20)(%RH)
なお、測定は、(b)→(c)の条件変化について3回、(c)→(b)の条件変化について3回の合計6回を交互に行い、その平均値を湿度膨張係数とする。
一方、中間転写ベルトの温度膨張係数は下記のようにして測定することができる。
まず、中間転写ベルトを幅3.0mm×長さ10.0mmに切断して試料とする。この時、長さ方向が中間転写ベルトの周方向に沿うようにあわせる。室温から昇温速度5℃/分で200℃まで昇温し、その後100℃まで放冷し、放冷時の試料の長さから温度膨張係数を求める。測定には、島津製作所製の熱機械分析装置TMA−50を使用することができる。また、計算式は、JISK7197(1991)「プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法」に準拠する。
−引張弾性率−
本実施形態の中間転写ベルトは、ベルトの破断防止、カラーレジストレーション向上の点から、引張弾性率が、2.5GPa以上であることが好ましく、3.0GPa以上であることがより好ましい。なお、引張弾性率は大きければ大きい程よいが、実用上は、中間転写ベルトを搭載する画像形成装置の耐久性等の観点から、8.0GPa以下であることが好ましく、6.0GPa以下であることがより好ましい。中間転写ベルトの引張弾性率は、使用する樹脂材料の化学構造を選択することで上記範囲に制御することができ、芳香環構造を多く含むものほど引張弾性率を高くすることができる。
なお、28℃85%RHの環境及び22℃55%RHの環境の少なくとも一方を満たす環境下で24時間以上放置され、調湿された中間転写ベルトの引張弾性率が上記の好ましい範囲になることが好ましい。
上記引張弾性率は、下記のようにして測定することができる。
試験片試料は、JIS K 7127(1999)試験片タイプ2に準拠させた。中間転写ベルトを幅10mm×長さ200mmに切断して試料とする。この時、長さ方向を中間転写ベルトの周方向にあわせる。チャック間の初期距離を100mm±5mm、引張速度10mm/分として、JIS K 7127(1999)に準じて測定を行い、引張弾性率を算出する。
−表面抵抗率及び体積抵抗率−
本実施形態の中間転写ベルトの表面抵抗率は、1×1010Ω/□以上1×1014Ω/□以下であることが好ましく、1×1011Ω/□以上1×1013Ω/□以下であることがより好ましい。この表面抵抗率が1×1014Ω/□より高いと、一次転写部の像保持体と中間転写ベルトとが剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、表面抵抗率が1×1010Ω/□未満であると、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し易くなるために画質の粒状性が悪化することがある。
従って、表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質の悪化を防止することができる。
また、本実施形態の中間転写ベルトの体積抵抗率は1×10Ωcm以上1×1014Ωcm以下であることが好ましく、1×10Ωcm以上1×1013Ωcm以下であることがより好ましい。体積抵抗率が1×10Ωcm未満であると、像保持体から中間転写ベルトに転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、体積抵抗率が1×1014Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。
従って、体積抵抗率を上記範囲とすることで、トナー飛散や、除電機構を必要とする問題を解消することができる。
なお、中間転写ベルトの表面抵抗率、体積抵抗率の測定には、R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計(株式会社アドバンテスト社製)と、接続部をR8340A用に改造した二重リング電極構造のURプローブMCP−HTP12及びレジテーブUFL MCP−ST03(何れも、株式会社ダイアインスツルメンツ社製)を用いた。
具体的には、レジテーブUFL MCP−ST03のフッ素樹脂面が上になるように、中間転写ベルトの内側に入れ、転写面側(ベルトの外側)からURプローブMCP−HTP12の二重電極を当てた。なお、URプローブMCP−HTP12の上部には質量2.00kg±0.10kg(19.6N±1.0N)の錘を取り付け、中間転写ベルトの転写面に一様な荷重がかかるようにした。
R8340A デジタル超高抵抗/微小電流計の測定条件は、チャージタイムを30sec、ディスチャージタイムを1sec、印加電圧を100Vとした。
この時、表面抵抗率をρs、R8340Aデジタル超高抵抗/微小電流計の読み値をR、URプローブMCP−HTP12の表面抵抗率補正係数をRCF(S)とすると、三菱化学「抵抗率計シリーズ」カタログによればRCF(S)=10.00なので、表面抵抗率は下記式(2)のようになる。
式(2):ρs[Ω/□]=R×RCF(S)=R×10.00
測定は、1ベルトに付き、幅方向6点×周方向4点の24点について行い、その平均値として求めた。
また、同様の測定条件で、体積抵抗率をρv、URプローブMCP−HTP12の体積抵抗率補正係数をRCF(V)とすると、三菱化学「抵抗率計シリーズ」カタログによれば、RCF(V)=2.011なので、体積抵抗率は下記式(5)のようになる。
式(5):ρv[Ω・cm]=R×RCF(V)×(10000/t)=R×2.011×(10000/t)
なお、測定は、表面抵抗率測定と同様に、任意に抜き取られた中間転写ベルト対し、1ベルトに付き、幅方向6点×周方向4点の24点について行い、その平均値として求めた。を記した。
<画像形成装置>
次に、本実施形態の中間転写ベルトを具備する本実施形態の画像形成装置の構成例について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の画像形成装置は、上述した本実施形態の中間転写ベルトを備える中間転写方式の画像形成装置であれば、如何なる構成であってもよい。中でも、画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、像保持体に形成された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像装置(現像手段)と、像保持体上に担持されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、中間転写ベルト上の未定着トナー像を記録媒体に二次転写するバイアス機構(転写手段)と、を備える構成の画像形成装置が好ましい。そして、当該中間転写ベルトとして、既述の本実施形態の中間転写ベルトを使用している。
前述のように、本発明の中間転写ベルトは切断面(軸方向の端面)が、従来に比べ形状的、組成的に優れており、これを画像形成装置に適用することで、高品質の転写画像を安定して得ることができる。
以下、本発明の中間転写ベルトを具備する本発明の画像形成装置の構成例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の主要部分を説明する略図である。図1に示す画像形成装置は、装置内に感光体ドラムを各色毎に4つ持つ高速/多数枚出力機である。5Y,5M,5C,5Kは、それぞれ像保持体としての感光体ドラム(以下、Yはイエロー用、Mはマゼンタ用、Cはシアン用、Kはブラック用を示す)、1は中間転写ベルト、6Y,6M,6C,6Kは各色ごとの1次転写ロール(転写手段)、7は二次転写ベルト(転写手段)、8はバックアップロール、9はコンタクトロール、16Y,16M,16C,16Kは各色ごとの帯電装置(帯電手段)、18Y,18M,18C,18Kは各色ごとの露光装置(静電潜像形成手段)10Y,10M,10C,10Kは各色ごとの現像装置(現像手段)、11は転写ベルトクリーナー、12は記録紙、13は定着装置、14はアクティブ・ステアリング方式の駆動制御機構(蛇行制御手段)である。
同図において、感光体ドラム5Yは時計方向に回転し、帯電装置16Yでその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム5Yにレーザ書き込み装置などの露光装置18Yにより第一色(Y)の静電潜像が形成される。
この静電潜像は現像装置10Yによってトナー現像されて可視化されたトナー像が形成される。トナー像は感光体ドラム5Yの回転により一次転写部に到り、一次転写ロール6Yからトナー像に逆極性の電界を作用させることにより、トナー像が、反時計方向に回転する中間転写ベルト1に一次転写される。
以下、同様にして第2色のトナー像(M)、第3色のトナー像(C)、第4色のトナー像(K)が順次形成され中間転写ベルト1において重ね合わせられ、多重トナー像が形成される。
中間転写ベルト1に転写された多重トナー像は中間転写ベルト1の回転で二次転写ベルト7が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は中間転写ベルト1のトナー像が担持された表面側に設置された二次転写ベルト7と中間転写ベルト1の裏側から二次転写ベルト7に対向するごとく配置されたバックアップロール8及びこのバックアップロール8に圧接して回転するコンタクトロール9から構成される。
この二次転写部では、二次転写ベルト7と中間転写ベルト1を介して対向配置したバックアップロール8に圧接したコンタクトロール9にトナー像の極性と同極性のバイアス(転写電圧)を印加することで、当該トナー像を記録紙12に静電反発で転写する。
記録紙12は、記録紙トレー(図示せず)に収容された記録紙束からピックアップローラ(図示せず)で一枚ずつ取り出され、フィードロール(図示せず)で二次転写部の中間転写ベルト1と二次転写ロール7との間に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙12には、二次転写ベルト7とバックアップロール8による圧接搬送と、中間転写ベルト1の回転と、コンタクトロール9に印加された転写電圧と、の作用により、中間転写ベルト1に保持されたトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録紙12は、定着装置13に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。なお、多重トナー像の記録紙12への転写の終了した中間転写ベルト1は二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー11で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、二次転写ベルト7はブラシクリーニング(図示せず)により、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
単色画像の転写の場合は、一次転写されたトナー像を直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合は各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転写ベルト1と感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kとの回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
ここで、本実施形態の画像形成装置に設けられている、アクティブ・ステアリング方式による中間転写ベルトの蛇行制御手段について簡単に説明する。
図2は、蛇行修正のための基本的な構成を示す概略図である。図2おいて、ステアリング制御装置19は、蛇行修正のための駆動源となるステアリングモータ20の駆動状態を制御するもので、そのためのモータ制御信号(モータドライブ信号)をステアリングモータ20に出力する。ステアリングモータ20としては、その回転角度や回転速度を高精度に制御可能なステッピングモータ等が用いられる。また、ステアリング制御装置19には、ベルトホームセンサ17とエッジセンサ15(蛇行・真直度検出手段)とが接続されており、ベルトホームセンサ17からはベルトホーム信号が、エッジセンサ15からはベルトエッジ信号がそれぞれ入力されようになっている。
一方、ステアリングロール3(ベルト蛇行制御手段)を傾き動作させるメカ的な構成としては、揺動アーム21と偏心カム22(修正手段)を備えている。揺動アーム21は、その中間部位を支軸23にて回動自在に支持されている。また、揺動アーム21の一端にはステアリングロール3の一端部が回動自在に接続され、その反対側のアーム他端に偏心カム22が圧接状態に保持されている。この偏心カム22は、ステアリングモータ20の駆動により回転動作するものである。
なお、エッジセンサ15については、中間転写ベルト1の位置変動(蛇行)に応じた出力を発生するものであれば、特にいずれの構成を採用してもかまわない。例えば、図3に示すように、中間転写ベルト1のエッジ部分を介してLED(Light Emitting Diode)15eと光量センサ15fを対向状態に配置し、LED15eから出射された光が光量センサ15fに入射される光量に応じてセンサ出力レベルが変化するものであってもよい。
以上の構成で、中間転写ベルト1の幅方向(軸方向)への位置変動を先述のエッジセンサ15で検出し、その検出結果を基にステアリングモータ20を駆動してステアリングロール3の傾きを適宜制御することにより、中間転写ベルト1の蛇行を修正することが可能となる。ただし、中間転写ベルト1の蛇行を適切に修正するためには、ベルトの位置変動(蛇行)を正確に検出し、その検出結果に基づいてステアリングロール3の傾きを最適条件で細かく設定(制御)する必要がある。
上記画像形成装置では、本実施形態の中間転写ベルトを用いているため、軸方向の端面にポリアニリンが存在するベルトに比べて検出手段の精度が向上する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、これらの実施例は全て例示であり、この記述によって本発明の適用範囲が制限されるものではない。
<実施例1>
(中間転写ベルトの作製)
−ポリアミック酸溶液(A−1)の作製−
DMAc溶媒中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を溶解し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)とを加え、窒素雰囲気下で、充分攪拌した。なお、ODA:BPDA:PMDAの量比関係は、1.0:0.8:0.2のモル比となるように調合しており、20質量%濃度のポリアミック酸溶液(A−1)を得た。なお、この溶液を反応させることにより、前記「化2」で示した共重合体の混合物が得られる。
−脱ドープ状態のポリアニリン及びドーパントの準備−
脱ドープ状態のポリアニリンとして、パニポール社製のPanipol PAを用意した。
また、脱ドープ状態のポリアニリンのモル当量の30%に相当する(言い換えれば、脱ドープ状態のポリアニリンのモル当量の半分を100%とした時に60%に相当する)ドーパントとしてのパラフェノールスルホン酸を用意した。このパラフェノールスルホン酸を、窒素雰囲気下でDMAc溶媒中に加え攪拌し、均一な5質量%濃度のドーパント溶液を準備した。
−ポリアニリン分散液(B−1)の作製−
250質量部の前記Panipol PAに、規定のドーピング量となる前記5質量%濃度のドーパント溶液を混合し、窒素雰囲気下でサンドミルを用いて分散した。サンドミルの回転数を2000rpmとし、50%粒子径(体積基準)が1.0μm乃至2.0μmになるように、30分から60分間分散し、これをドープ済みのポリアニリン分散液(B−1)とした。
−塗工液(C−1)の調製−
得られたドープ済みのポリアニリン分散液(B−1)に、前記ポリアミック酸溶液(A−1)と、充填材(酸化スズ)と、を加え、更にDMAc溶媒を加え、混合し、充分に攪拌した後、脱気して塗工液(C−1)を調製した。塗工液(C−1)の粘度は20Pa・s乃至40Pa・sに調整した。
なお、塗布液(C−1)中のドープ済みポリアニリン(PAn)、ポリアミック酸(PAA)及び充填材(酸化スズ)の固形分質量比は、PAn:PAA:酸化スズ=12.2:77.8:10.0とした。また、ここで充填材として用いた酸化スズは、金属酸化物の1種であるアンチモンドープ酸化スズ(以下、単に「酸化スズ」と称する)(比重:7.0g/ml)である。
−ベルト基材の作製−
得られた塗工液(C−1)を、外径365.5mm、長さ600mmの円筒状SUS製金型外側表面に塗布し、膜厚制御用金型を円筒金型に通し、平行移動させて、余分な塗布液を掻き落とし、円筒金型上の塗布液の厚みを均一にした。
次に、金型を回転させながら、温度120℃の条件で、30分間乾燥処理を行った。乾燥処理後、金型をオーブンに入れ、320℃の条件で30分間焼成を行い、イミド化反応を進行させた。
その後、金型を室温で放冷し、金型から樹脂を取り出し、無端ベルトを得た。平均膜厚は0.08mmであった。
この無端ベルトを2本用意し、それぞれ金型長さ方向に切断し、その2本を長手方向に接続して、1枚のシートとし、ベルト1本分のベルト基材とした。接続方法は、例えば、特開2000−145895号公報に記載のパズルカットシームを採用した。
−中間転写ベルトへの加工−
ベルト基材のサイドカットは、レーザ加工機を用いて、幅362mmとなるようにベルト基材の両端部を切断することにより行った。レーザ加工機は、封じ切り炭酸ガスレーザ(波長:10.6μm、最大出力200W、照射面のビーム径が100μm)と、サーボモーターを搭載したX−Yステージを持つ、澁谷工業(株)製のSPL3725E(有効加工エリア:1550mm×2500mm)を使用した。
この時の切断条件は、加工速度を300mm/分、パルス周期を5.0m秒、パルス幅(レーザ駆動パルス)を0.01m秒とした。なお、封じ切り炭酸ガスレーザによる切断では、前述のように切断断面における表面側が裏面側よりも狭くなる。このため、ベルト基材に付く10°前後のテーパーを予想して、レーザ光は逆方向に10°傾け、基材表面に対して、切断面がほぼ直角に形成させる様にした。
この条件で、ベルト基材の幅方向の両端部をレーザにより切断した。また、前記切断を行ったベルト基材の長さ方向の両端をパズルカットし、ベルト裏面側を基準にした時の周長が2110.8mmになるように加工した。次いで、パズルカットした断面同士を接続し中間転写ベルトとした。なお、接続方法は、例えば、特開2000−145895号公報に記載のパズルカットシームを採用した。
こうして、ベルトの内側を基準にした時の周長が2110.8mm、幅が362mmになるように加工された中間転写ベルト1を得た。なお、左右の周長は2軸に張架させた状態で軸間距離を測定し、2軸の径を加味して周長を算出した。
(中間転写ベルトの評価)
−端面部分の観察、端面特性−
中間転写ベルト1の端面部分については、前記と同様にして端面切断を行ったシートについて、前述の方法にしたがってTEM、SEM等により端面部分、端面の観察を行い、ポリアニリンの有無、断面形態を調べた。
結果を表1に示す。
−各種特性評価−
得られた中間転写ベルト1について、前述の方法により、表面抵抗率、体積抵抗率、温度膨張係数、湿度膨張係数及び引張弾性率を各々測定した。なお、引張弾性率については、28℃、85%RH環境、22℃、55%RH環境の各々について測定を行った。
結果をまとめて表1に示す。
−実機特性評価−
実機特性としては、実機に中間転写ベルトとして装着し、画像形成中のウォーク量を評価することにより行った。上記画像形成中のウォーク量の評価は、作製した中間転写ベルト10本のうち任意に抜き取られた中間転写ベルト3本を、図1に示される構成の画像形成装置である富士ゼロックス(株)製のDocuColor 8000 Digital Pressに装着して行った。
なお、前記「ウォーク量」とは、特許第3632731号明細書に記載の駆動制御方法(アクティブ・ステアリング方式)に従って中間転写ベルトの駆動の制御を行っても、制御しきれずベルトが動いてしまう量を意味する。
ウォーク量の具体的な測定方法を下記に示す。
まず、DocuColor 8000 Digital Pressを22℃、55%RHの環境下に設置する。そして、中間転写ベルトも22℃、55%RHの環境下で24時間以上放置し調湿する。その後、調湿された中間転写ベルトをDocuColor 8000 Digital Pressに装着し、装置の電源を入れる。
DocuColor 8000 Digital Pressを運転させると、DocuColor 8000 Digital Pressは、最初のセットアップ状態になり、装着された中間転写ベルトのエッジ形状データを測定し、このエッジ形状データを記憶手段に記憶する。その後、A3用紙を20枚印刷する。このとき、中間転写ベルトは、5回転することとなる。
1回転毎に1つ前のエッジ形状データを参照して、アクティブ・ステアリングを制御し、中間転写ベルトを駆動する(回転させる)。同時に、駆動中の中間転写ベルトのエッジ形状データを測定し記憶手段に記憶されている1つ前のエッジ形状データを書き換える。これをベルト1回転毎に繰り返す。
記憶手段に格納された各測定点のエッジ形状データと、測定した各測定点のエッジ形状データとからウォーク量を算出した(実機評価1)。
次に、上記中間転写ベルトをDocuColor 8000 Digital Pressに装着し、装置の電源を入れて、その状態で60分間放置した。その後、A3用紙を20枚印刷し、上述の方法と同様にして、ウォーク量を算出した(実施評価2)。
なおこの場合、60分放置している間にエッジ形状が変形した場合には、ウォーク量が大きくなる。
上記ウォーク量の評価基準としては、各エッジ形状測定点におけるウォーク量が22.4μm以下の際には「◎」とし、22.4μmを超え33.6μm以下の際には「○」とし、33.6μmを超えると「×(実用不可)」とした。
なお、エッジ形状の測定、エッジ形状値の比較や置き換え等の制御方法は、特許第36
32731号公報に記載の方法を適用した。
さらに、60分放置後については、中間転写ベルトを、DocuColor 8000 Digital Pressから外し、テーブル等の平面に広げて置き、目視により切断部の波うちを確認し、22℃、55%RH環境と同等な場合は「○」とした。一連の評価で破断部の波うちが一番大きかった場合を「×(実用不可)」とした(「×」は、次に述べる28℃、85%RH環境下での評価で発生。)。
更に、DocuColor 8000 Digital Pressの設置環境及び中間転写ベルトの放置、調湿環境を、28℃、85%RHとして、同様の方法でウォーク量を測定した。その結果を、まとめて表1に併記する。
<実施例2>
−ポリアミック酸溶液(A−2)の作製−
DMAc溶媒中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を溶解し、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)とを加え、窒素雰囲気下で、10℃で1時間、次いで25℃で48時間攪拌を続けポリイミド前駆体溶液を得た。この後さらに加熱して、165℃で6時間攪拌した。なお、ODA:ODPA:PMDAの関係は、1.0:0.5:0.5のモル比となるように調合しており、20質量%濃度の部分イミド化ポリアミック酸溶液(A−2)を得た。なお、この溶液を反応させることにより、前記「化3」で示したブロック共重合体が得られる。
−塗工液(C−2)の調製−
実施例1で得られたドープ済みポリアニリン分散液(B−1)に、上記部分イミド化ポリアミック酸溶液(A−2)と、充填材(酸化スズ)と、を加え、更にDMAc溶媒を加え混合し、充分に攪拌した後、脱気して塗工液(C−2)を調製した。塗工液(C−2)の粘度は20Pa・s乃至40Pa・sに調整した。
なお、塗布液(C−2)中のドープ済みポリアニリン(PAn)とポリアミック酸(PAA)と、充填材(酸化スズ)の固形分質量比は、PAn:PAA:酸化スズ=7.9:82.1:10.0とした。
−ベルト基材の作製−
得られた塗布液(C−2)を、外径365.5mm、長さ600mmの円筒状SUS製金型外側表面に塗布し、膜厚制御用金型を円筒金型に通し、平行移動させて、余分な塗布液を掻き落とし、円筒金型上の塗布液の厚みを均一にした。
次に、金型を回転させながら、温度120℃の条件で、30分間乾燥処理を行った。乾燥処理後、金型をオーブンに入れ、260℃の条件で30分間焼成を行い、イミド化反応をさらに進行させた。
その後、金型を室温で放冷し、金型から樹脂を取り出し、無端ベルトを得た。平均膜厚は0.08mmであった。
以下、実施例1と同様にして中間転写ベルトへの加工を行い、得られた中間転写ベルト2について同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
<実施例3>
−ポリアニリン溶液(B−2)の作製−
窒素雰囲気下で、1700質量部のDMAc溶媒中に250質量部のパニポール社のPanipol PAを徐々に加え、均一に攪拌し、13質量%濃度のポリアニリン溶液を作製した。次に、DMAc溶媒中にドーパント(パラフェノールスルホン酸)を加え、攪拌し、均一な5質量%濃度のドーパント溶液を作製した。
Panipol PAはモル当量の半分がドーピングされるので、これを100%とした時に60%に相当するように、5質量%濃度のドーパント溶液を徐々に加え、均一に攪拌し、ドープ済みのポリアニリン溶液(B−2)を得た。
実施例1の中間転写ベルトの作製において、ポリアニリン分散液(B−1)の代わりに上記ポリアニリン溶液(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工液(C−3)を調製し、この塗工液を用いて同様に中間転写ベルト3を作製した。平均膜厚は0.08mmであった。得られた中間転写ベルト3について同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
<実施例4>
−塗工液(C−4)の調製−
実施例3で得られたドープ済みポリアニリン分散液(B−2)に、溶剤可溶型芳香族系ポリアミドイミド樹脂溶液(東洋紡製、バイロマックス16NN、溶媒NMP)と、充填材(酸化スズ)と、を加え、更にDMAc溶媒を加え混合し、充分に攪拌した後、脱気して塗工液(C−4)を調製した。塗工液(C−4)の粘度は20Pa・s乃至40Pa・sに調整した。
なお、塗布液(C−4)中のドープ済みポリアニリン(PAn)とポリアミドイミド(PAI)と、充填材(酸化スズ)の固形分質量比は、PAn:PAI:酸化スズ=19.0:71.4:9.6とした。
実施例1の中間転写ベルトの作製において、塗工液(C−1)の代わりに塗工液(C−4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、中間転写ベルト4を作製した。平均膜厚は0.08mmであった。得られた中間転写ベルト4について同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
<比較例1>
実施例1の中間転写ベルトの作製において、中間転写ベルトへの加工を、レーザ加工機を用いずに、フラットベッド型の精密なX−Yカット機にベルト基材を一様に静電吸着させ、超硬刃を用いて基材のサイドカットした以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト5を作製した。平均膜厚は0.08mmであった。
なお、前記フラットベッド型の精密なX−Yカット機としては、グラフテック(株)社製のFC3206−300−ZRX型を用い、中間転写ベルトの幅は同様に362mmとした。
得られた中間転写ベルト5について、実施例1と同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
<比較例2>
実施例2において、中間転写ベルトへの加工を、レーザ加工機を用いずに、比較例1で用いたフラットベッド型の精密なX−Yカット機にベルト基材を一様に静電吸着させ、超硬刃を用いて基材のサイドカットした以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト6を作製した。平均膜厚は0.08mmであった。
得られた中間転写ベルト6について、実施例1と同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
<比較例3>
実施例3において、中間転写ベルトへの加工を、レーザ加工機を用いずに、比較例1で用いたフラットベッド型の精密なX−Yカット機にベルト基材を一様に静電吸着させ、超硬刃を用いて基材のサイドカットした以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト7を作製した。平均膜厚は0.08mmであった。
得られた中間転写ベルト7について、実施例1と同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 2009156981
表1に示すように、レーザ光による溶融切断により端面を形成した実施例の中間転写ベルトでは、端面にポリアニリンが存在せず、各環境放置後の画像形成時に蛇行が発生することがなかった。一方、従来の超硬刃による切断で端面を形成すると、特に高温高湿環境で蛇行が発生してしまった。
実施形態の画像形成装置の概略説明図である。 蛇行制御手段の一例を示す概略構成図である。 エッジセンサの一例を示す概略図である。 真直度測定時の端面の形状を示すグラフである。
符号の説明
1 中間転写ベルト
3 ステアリングロール
5 感光体ドラム(像保持体)
6 一次転写ロール
7 二次転写ベルト
8 バックアップロール
9 コンタクトロール
10 現像装置(現像手段)
11 ベルトクリーナー
12 記録紙
13 定着装置
14 アクティブ・ステアリング方式の駆動制御機構(蛇行制御手段)
15 エッジセンサ
16 帯電装置(帯電手段)
17 ベルトホームセンサ
18 露光装置(静電潜像形成手段)
19 ステアリング制御装置
21 揺動アーム
22 偏心カム

Claims (5)

  1. 軸方向の端面以外の部分が、ポリアニリンと無機化合物を含むポリイミド系樹脂とを含有し、
    軸方向の端面部分が、ポリアニリンを含まず無機化合物を含むポリイミド系樹脂で構成されることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記軸方向の端面が、溶融面であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 像保持体と、
    前記像保持体表面を均一に帯電する帯電手段と、
    前記像保持体上に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像をトナーによりトナー像として可視化する現像手段と、
    前記トナー像を一旦中間転写ベルトに転写し、さらに前記中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備え、
    前記中間転写ベルトが、請求項1または2に記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記中間転写ベルトの蛇行を制御する蛇行制御手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記蛇行制御手段が、前記中間転写ベルトを支持するベルト支持手段と、前記中間転写ベルトの軸方向の端面の位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記中間転写ベルトの位置の修正を行う修正手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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