JP2016114732A - 中間転写ベルトおよび画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層構成でありながら幅方向両端付近に濃度不足領域が発生しにくい中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置を提供すること。【解決手段】本発明の中間転写ベルト40は,導電性素材で構成されるとともに,画像形成装置に用いられて外周面にトナー像を担持する中間転写ベルトである。そして,外層42と内層41とを積層してなる積層構成であり,幅方向に両端の端部領域43,45にて,外層42が内層41より低抵抗な構成とされている。この構成により転写時に,伝導電子の内層41における幅方向外向きの移動が抑制される。このため,外層内42における電荷分布が比較的均一な状態で,転写が行われることとなる。これにより,印刷用紙の幅方向端部付近に,転写電流不足な領域があまり発生しない。したがって,印刷用紙の幅方向両端付近に濃度不足領域が発生しにくい。【選択図】図4

Description

本発明は,画像形成装置に用いられて外周面にトナー像を担持する中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置に関する。さらに詳細には,幅方向両端付近に発生しがちな画像濃度不足の軽減を図った中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
従来から,トナーを用いる画像形成装置の中には,感光体上に形成したトナー像を,一旦中間担持体に転写し,さらに中間担持体から印刷用紙等の記録媒体に転写する方式のものがある。ここにおける中間担持体には通常,無端状のベルトが使用され,中間転写ベルトと称される。このような中間転写ベルトの従来例として,特許文献1に記載されたものが挙げられる。同文献では中間転写ベルトとして,内周面層とそれより高抵抗の外周面層とを有する積層構成のものを開示している。同文献ではさらに,内外層の形成時の乾燥温度を異ならせている。こうして,内外層における導電材の含有率に差を設けずして抵抗差を付けている。これにより,中間転写ベルトの端部における,温湿度の変化による反りの発生を防止できるとしている。
特開2013−125201号公報
しかしながら,前記した従来の中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置には,次のような問題点があった。すなわち,画像形成を行うと,図1に示すように,印刷用紙(記録媒体)P中の画像領域101の幅方向の両端付近に,画像濃度が狙い通りに出ない濃度不足領域102が発生するのである。このような両端付近での濃度不足領域102は,特許文献1のもののような積層構成の中間転写ベルトを使用する画像形成装置に発生しやすいものである。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,積層構成でありながら幅方向両端付近に濃度不足領域が発生しにくい中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る中間転写ベルトは,導電性素材で構成されるとともに,画像形成装置に用いられて外周面にトナー像を担持する中間転写ベルトであって,外層と内層とを積層してなる積層構成であり,幅方向に両端の端部領域にて,外層が内層より低抵抗であるものである。
上記態様における中間転写ベルトでは,転写時に,転写バイアスによる伝導電子の内層における幅方向外向きの移動が抑制される。このため,外層内における電荷分布が比較的均一な状態で,転写が行われることとなる。これにより,記録媒体の幅方向端部付近に,転写電流不足な領域があまり発生しない。したがって,記録媒体の幅方向両端付近に濃度不足領域が発生しにくい。
上記の中間転写ベルトは,内層を,幅方向の中央寄りの部位よりも端部寄りの部位の方が高抵抗な異抵抗構成とすることにより実現できる。この場合,内層内の電荷は,幅方向外向きには移動しづらい。このため,外層内における電荷分布が比較的均一な状態となる。
この場合の内層は,幅方向ごとに抵抗率が異なる複数の区間に区分された区分構成であり,外側の区間の抵抗率ほど高いこととするとよい。あるいは内層を,幅方向の中央寄りの最低抵抗部位から端部寄りの最高抵抗部位に掛けて連続的に抵抗率が変化している傾斜抵抗構成としてもよい。これらの構成により,区間から区間への外向きの電荷移動が邪魔される。
あるいは上記の中間転写ベルトは,外層を,幅方向の中央寄りの部位よりも端部寄りの部位の方が低抵抗な異抵抗構成とすることによっても実現できる。この場合,内層内の特に幅方向中央付近の電荷は,内層内で外向きに移動するよりも,内層−外層間の界面を超えて外層に移動する方が移動しやすい。このため,外層内における電荷分布が比較的均一な状態となる。この場合の外層は例えば,幅方向の中央寄りの最高抵抗部位から端部寄りの最低抵抗部位に掛けて連続的に抵抗率が変化している傾斜抵抗構成であることとするととよい。この構成により,内層内の電荷が,幅方向横向きよりも外層へ向けて移動しやすい状況が得られる。
本発明の一態様に係る画像形成装置は,中間転写ベルトと,中間転写ベルトの外周面上にトナー像を形成するトナー像形成部と,中間転写ベルトの外周面上のトナー像を記録媒体に転写する転写部とを有する画像形成装置であって,中間転写ベルトが,前述のいずれかのものである。
本構成によれば,積層構成でありながら幅方向両端付近に濃度不足領域が発生しにくい中間転写ベルトおよびそれを用いた画像形成装置が提供されている。
印刷用紙の幅方向の両端付近に濃度不足領域が発生した状態を示す図である。 実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 実施の形態に係る中間転写ベルトの断面図である。 実施例1に係る中間転写ベルトの断面図である。 実施例1に係る2次転写領域の断面図である。 比較例に係る2次転写領域の断面図である。 実施例2に係る中間転写ベルトの断面図である。 実施例3に係る中間転写ベルトの断面図である。 実施例4に係る中間転写ベルトの断面図である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は,本発明に係る画像形成装置の構成例を示す図である。図2に示す画像形成装置1は,電子写真方式のタンデム型デジタルカラープリンター(以下単に「プリンター」という)である。もちろん,プリンターのほか,さらにスキャナを有する複写機又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。
画像形成装置1は,その内部のほぼ中央部に中間転写ベルト40を備えている。中間転写ベルト40は,無端状(エンドレス状)のベルトであり,支持ローラー12,13,および補助ローラー14,15に掛け渡されている。これにより中間転写ベルト40は,図2中で反時計回りに循環移動するようになっている。
中間転写ベルト40の図2中下方には,4色のイメージングユニット(トナー像形成部)2Y,2M,2C,2Kが,中間転写ベルト40に沿ってこの順に並んで配置されている。各イメージングユニット2Y,2M,2C,2Kは,使用するトナーの色を除いていずれも同様の構成のものである。このため以下の説明では,特に区別が必要な場合を除いて色記号を省略する。なお,各イメージングユニット2で使用するトナーは,マイナス帯電タイプのものである。各イメージングユニット2はそれぞれ,感光体21を有している。各感光体21の周囲には,画像形成時の回転方向(図2中時計回り方向)に沿って順に,帯電装置22と,露光装置23と,現像装置24と,クリーニング装置25と,イレーサー26とが配置されている。これにより,感光体21の表面上にトナー像が形成されるようになっている。
また図2に示すように,中間転写ベルト40を挟んで,各感光体21と対向する位置にはそれぞれ,1次転写ローラー30が設けられている。これにより,感光体21の表面上のトナー像が中間転写ベルト40に転写される(1次転写)ようになっている。また,中間転写ベルト40における支持ローラー12で支持された部分には,2次転写ローラー16が圧接されている。2次転写ローラー16と中間転写ベルト40とのニップ部を2次転写領域17という。この2次転写領域17において,中間転写ベルト40上に担持されているトナー像が印刷用紙(記録媒体)Pに転写される(2次転写)ようになっている。
画像形成装置1の図2中下部には,給紙カセット91が配置されている。給紙カセット91内に積載された状態で収容された印刷用紙Pは,最上部のものから1枚ずつ引き出されて搬送路93に送り出される。搬送路93は,給紙カセット91から,タイミングローラー対94のニップ部,2次転写領域17,および定着ユニット96を通って排紙トレイ98まで続いている。定着ユニット96のニップ部95を,2次転写によりトナー像が転写された印刷用紙Pが通過することにより,印刷用紙Pにトナー像が定着される。
上記のように構成された画像形成装置1における本発明としての特徴は,中間転写ベルト40の構成にある。このため以下,本形態に係る中間転写ベルト40について詳述する。本形態の中間転写ベルト40は,図3の断面図に示すように,内層41と外層42との2層の積層構成となっている。内層41が図2中で内側に位置し,外層42が外側に位置する。つまり外層42の表面が,トナー像担持面である。また,2次転写領域17にて2次転写ローラー16と接する面である。内層41と外層42とはいずれも,合成樹脂またはゴムを基材とし,カーボン粒子その他の導電性材料を配合することにより導電性を付与した素材で構成されている。
本形態の中間転写ベルト40では,内層41と外層42との電気抵抗の高低に関する関係について,幅方向に区分した端部領域43,45と中央領域44とで分けて考えることができる。すなわち,端部領域43,45においては,内層41よりも外層42の方が低抵抗とされている。つまり,内層41の表面抵抗率をρiとし,外層42の表面抵抗率をρeとすると,端部領域43,45においては次式の関係が成り立つ。
ρi > ρe
一方,中央領域44においては,内層41と外層42とで同等の抵抗であってもよいし,内層41よりも外層42の方が低抵抗であってもよい。ただし後者の場合でも,内層41と外層42との表面抵抗率の差が,中央領域44では端部領域43,45におけるよりも小さくされている。また,端部領域43,45の幅はそれぞれ,中間転写ベルト40に想定されている最大幅の印刷用紙Pを通したときに用紙幅の外側となる部分の幅以上あることが望ましい。以下,本形態の中間転写ベルト40におけるさらに詳細な事項について,実施例1〜実施例4の4通りに分けて説明する。
[実施例1]
実施例1では,内層41と外層42との基材の材質および厚さを,次のようにした。
内層41:ポリイミド樹脂,100μm厚
外層42:NBR(ニトリルゴム),200μm厚
さらに,内層41および外層42の表面抵抗率(10NΩ/m2の「N」で示す,以下同じ)を,次のようにした。
内層41(ρi):中央部にて11.0〜端部にて12.5
外層42(ρe):11.0で均一
つまり実施例1では,内層41を,幅方向の中央寄りの部位よりも端部寄りの部位の方が高抵抗な異抵抗構成としている。これにより端部領域43,45にて,外層42を内層41より低抵抗としている。より具体的には図4の断面図に示すように,内層41を幅方向に7つの区間411〜417に区分した区分構成としている。各区間の幅に関して,中央の区間414を除いた他の各区間411〜413,415〜417の幅は均等である。区間414の幅は他の区間の幅の2倍である。そして,内層41の各区間411〜417ごとの表面抵抗率ρiを,図4中左から順に,
12.5;12.0;11.5;11.0;11.5;12.0;12.5
とした。つまり,外側の区間ほど高抵抗率とした。
この実施例1では,区間411〜417と,中央領域44,端部領域43,45との関係は次のようになる。
端部領域43:区間411〜413
中央領域44:区間414
端部領域45:区間415〜417
このような中間転写ベルト40を有する画像形成装置1では,2次転写において以下のような特徴的な効果が奏される。図5に,2次転写領域17の断面図を示す。図5に見るように2次転写領域17では,中間転写ベルト40が支持ローラー12と2次転写ローラー16とに挟み付けられている。さらに,中間転写ベルト40の外層42と2次転写ローラー16との間に,印刷用紙Pが挟み込まれている。ここで,2次転写バイアスによる,内層41から外層42への伝導電子の移動が,図5中の内層41と外層42との間に下向きの矢印で示すように,幅方向全体にわたってほぼ均等に起こる。これは,内層41が上記のような区分構成となっているからである。すなわち,外側の区間ほど高抵抗であるため,内層41内での幅方向の電荷移動が抑制されるからである。
このため外層42内に電荷が,幅方向にほぼ均一に分布することとなる。したがって,図5中の外層42と2次転写ローラー16との間に下向きの直線の矢印で示すように,印刷用紙Pを貫通する電荷移動(これがすなわち転写電流である)も,幅方向全体にわたってほぼ均等に起こることとなる。これにより,図1に示した濃度不足領域102の発生が防止ないし軽減されるのである。
もし,内層41と外層42とがいずれも幅方向に均一な抵抗率のものであると,図5に示した状態ではなく図6(比較例)に示す状態となる。図6の状態では,図5に示した状態と異なり,内層41の内部で幅方向外向きの電荷移動が起こる。このため,内層41から外層42への伝導電子の移動が,幅方向中央付近では疎にしか起こらず,端部付近に集中して起こる。当然,外層42内での電荷分布もこれに従い,幅方向端部に集中した分布となる。これにより,外層42から2次転写ローラー16への電荷移動も同様に,幅方向端部に集中して起こることになる。この,外層42から2次転写ローラー16への電荷移動が集中して起きる領域は,印刷用紙Pの外側の領域である。
このため,印刷用紙Pにおいては,幅方向中央部はともかく端部付近に,貫通電流がほとんど通らない領域80ができてしまう。印刷用紙Pは外層42と2次転写ローラー16との間の電流に対して抵抗として作用するので,印刷用紙Pの端部付近では電流が印刷用紙Pを迂回しようとするからである。これにより,図1に示した濃度不足領域102が発生する。
図6の比較例で上記の状況になる原因は,内層41と外層42との間の界面の存在にある。そもそも内層41と外層42とは別々に形成され積層されたものであるため,両者間には界面抵抗がある。このため,内層41と外層42との間の界面は,電荷移動に対する障壁として作用するのである。また,界面自体が,幅方向横向きの電流のパスとなる。一方で外層42と2次転写ローラー16との間には印刷用紙Pの存在による幅方向の抵抗不均一があり,電流はなるべく,印刷用紙Pの外側を通ろうとする。これらの要因により電荷は,内層41内あるいは内層41と外層42との間の界面にて幅方向外向きに移動しておいた方が有利なのである。
これに対し実施例1の図5では,内層41を前述の区分構成とすることで,内層41内での幅方向の電荷移動を抑制し,外層42における電荷分布が両端に偏るのを防止しているのである。これにより,印刷用紙Pを迂回してその外側を通るような電流を少なくし,濃度不足領域102を発生しにくくしているのである。
[実施例2]
実施例2(図7)は,実施例1における内層41の抵抗分布を,区間分け分布に替えて,抵抗率が連続的に変化する分布としたものである。すなわち,実施例2に係る中間転写ベルト40では,内層41の表面抵抗率ρiが,中央部の最低値から両端部の最高値まで連続的に変化している。図7中の「LR」,「HR」はそれぞれ,低抵抗,高抵抗,の意味である(図8,図9において同じ)。本発明では,このような抵抗分布を傾斜抵抗構成と呼んでいる。
実施例2における内層41と外層42との材質および厚さ,内層41の表面抵抗率ρiの最低値および最高値,外層42の表面抵抗率ρe(均一)は,実施例1の場合と同じである。このような傾斜抵抗構成であっても,実施例1の場合と同様の,濃度不足領域102の発生を防止ないし軽減する効果が得られる。なお,図7のような傾斜抵抗構成の場合,両端から具体的にどこまでの範囲を端部領域43,45と見るかは任意である。
[実施例3]
実施例3(図8)は,内層41の表面抵抗率ρiを均一とし,替わりに外層42を異抵抗構成としたものである。ただし外層42の異抵抗構成では,内層41の異抵抗構成(実施例1,2)と逆に,幅方向の中央寄りの部位が高抵抗で端部寄りの部位が低抵抗な抵抗分布となる。これにより端部領域43,45にて,外層42を内層41より低抵抗としている。具体的には図8の断面図に示すように,外層42の表面抵抗率ρiが,中央部の最高値から両端部の最低値まで連続的に変化する傾斜抵抗構成にしている。
実施例3では,内層41と外層42との基材の材質および厚さを,次のようにした。
内層41:ポリイミド樹脂,100μm厚
外層42:PTFE(フッ素樹脂),50μm厚
さらに,内層41および外層42の表面抵抗率を,次のようにした。
内層41(ρi):10.5で均一
外層42(ρe):中央部にて10.5〜端部にて9.5
このような構成であっても,実施例1,2の場合と同様に濃度不足領域102の発生を防止ないし軽減する効果が得られる。外層42を,内層41の異抵抗構成とは逆向きの異抵抗構成とすることにより,内層41自身は均一な表面抵抗率のものであっても,内層41内での幅方向の電荷移動が抑制されるからである。その理由は,内層41と外層42との間の界面抵抗にある。すなわち実施例3の構成では,内層41と外層42との抵抗差が,幅方向中央部では小さく幅方向端部では大きい。このため端部付近では,内層41の電荷は,内層41の内部で横に移動するよりも外層42へ移動しやすい。したがって,電荷が特に端部寄りの領域に集中することがないので,図1に示した濃度不足領域102の発生が防止ないし軽減されるのである。なお幅方向中央部付近では,印刷用紙Pの外部までの距離が長いため,特段に転写電流が不足して濃度低下に至ることはない。これにより結果的に,実施例1,2の場合と同様の効果が得られるのである。
なお,実施例3のように外層42を異抵抗構成とする場合であっても,傾斜抵抗構成の替わりに区分構成とすることも考えられる。ただし,実施例3として説明した傾斜抵抗構成の方が有利である。外層42が印刷用紙Pに接する部材であることから,印刷用紙P上の画像における縦筋発生防止の観点から,傾斜抵抗構成が推奨される。ただし,区分構成であっても,隣接する区間間での表面抵抗率の差が十分小さければ,縦筋が生じないこともある。
[実施例4]
実施例4(図9)は,積層構成としては,実施例2における内層41をさらに2層に分けたものである。すなわち,実施例4における中間転写ベルト40は,図9中上側(支持ローラー12側)から順に,第1内層51,第2内層52,外層42の3層構造となっている。このうちの第1内層51および第2内層52が,実施例2における内層41に相当する。つまり,第1内層51と第2内層52とのいずれもが,実施例2における内層41のような傾斜抵抗構成となっている。
実施例4では,各層の基材の材質および厚さを,次のようにした。
第1内層51:ポリアミドイミド樹脂,100μm厚
第2内層52:ウレタンゴム,200μm厚
外層42:PTFE(フッ素樹脂),10μm厚
さらに,第1内層51,第2内層52,および外層42の表面抵抗率を,次のようにした。
第1内層51(ρi1):中央部にて11.0〜端部にて12.5
第2内層52(ρi2):中央部にて11.0〜端部にて12.0
外層42(ρe):11.0で均一
これより,第1内層51と第2内層52とを比較すると,より外層42から遠い第1内層51の方が,幅方向の中央部と端部との間での抵抗の傾斜が大きい。これにより,第1内層51と第2内層52との間でも,幅方向の中央部よりも端部において抵抗差が大きくなるようになっている。
このような構成であっても,実施例1〜3の場合と同様に濃度不足領域102の発生を防止ないし軽減する効果が得られる。実施例1,2の場合と同様のメカニズムにより,第1内層51と第2内層52とのいずれにおいても,層内での幅方向外向きの電荷移動が抑制されるからである。
なお,上記の実施例1〜4ではいずれも,各層の表面抵抗率は,積層前の単層の測定片を用いて,次の方法で測定したものである。
環境温度:20℃
環境湿度:50%(相対湿度)
使用装置:三菱化学製「ハイレスタUP」MCP−HT450型(「ハイレスタ」は登録商標)
印加電圧:500V
その他:対向板として絶縁板を使用
また,実施例1〜4における各層の抵抗率の調整は,導電性材料の配合比を加減することにより行った。ただしこれに限らず,例えば特許文献1に記載されている層形成時の乾燥温度のような,製造条件を調整することにより行ってもよい。
[実施例1〜4終わり]
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば,画像形成装置1における中間転写ベルト40として,少なくとも2層を有する積層構成のものを用いている。そして,中間転写ベルト40の内層41と外層42との一方を,表面抵抗率に幅方向の分布がある異抵抗構成としている。これにより,幅方向に両端の端部領域にて,外層42が内層41より低抵抗である構成としている。このような層構造かつ抵抗分布を有する中間転写ベルト40を用いることで,積層構成でありながら幅方向両端付近に濃度不足領域が発生しにくい中間転写ベルト40およびそれを用いた画像形成装置1が実現されている。
また,表面抵抗率に幅方向の分布がある層の異抵抗構成として,区分構成または傾斜抵抗構成を用いることができる。傾斜抵抗構成を用いると,印刷用紙Pの多様な紙幅に対して対応できる。区間構成の場合でも,区間の数が多ければ同様である。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,中間転写ベルト40の内層41や外層42の厚さや基材の材質は,実施例1〜4に示した通りの組み合わせでなくてもよい。内層41や外層42の基材として使用可能なものであって実施例1〜4中に挙げたもの以外としては例えば,CRゴム(クロロプレンゴム)やPFA(フッ素樹脂)が挙げられる。また,内層41と外層42との両方を異抵抗構成としてもよい。要は,内層41と外層42との間の抵抗差が,幅方向中央部で小さく両端部で大きい構成であればよい。また,実施例4のような多層構造を,外層42を2層にすることで実現してもよい。4層以上であってもよい。
1 画像形成装置
2 イメージングユニット
16 2次転写ローラー
40 中間転写ベルト
41 内層
42 外層
43 端部領域
44 中央領域
45 端部領域
411〜417 区間

Claims (7)

  1. 導電性素材で構成されるとともに,画像形成装置に用いられて外周面にトナー像を担持する中間転写ベルトにおいて,
    外層と内層とを積層してなる積層構成であり,
    幅方向に両端の端部領域にて,前記外層が前記内層より低抵抗であることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 請求項1に記載の中間転写ベルトにおいて,
    前記内層が,幅方向の中央寄りの部位よりも端部寄りの部位の方が高抵抗な異抵抗構成であることを特徴とする中間転写ベルト。
  3. 請求項2に記載の中間転写ベルトにおいて,
    前記内層が,幅方向ごとに抵抗率が異なる複数の区間に区分された区分構成であり,外側の区間の抵抗率ほど高いことを特徴とする中間転写ベルト。
  4. 請求項2に記載の中間転写ベルトにおいて,
    前記内層が,幅方向の中央寄りの最低抵抗部位から端部寄りの最高抵抗部位に掛けて連続的に抵抗率が変化している傾斜抵抗構成であることを特徴とする中間転写ベルト。
  5. 請求項1に記載の中間転写ベルトにおいて,
    前記外層が,幅方向の中央寄りの部位よりも端部寄りの部位の方が低抵抗な異抵抗構成であることを特徴とする中間転写ベルト。
  6. 請求項5に記載の中間転写ベルトにおいて,
    前記外層が,幅方向の中央寄りの最高抵抗部位から端部寄りの最低抵抗部位に掛けて連続的に抵抗率が変化している傾斜抵抗構成であることを特徴とする中間転写ベルト。
  7. 中間転写ベルトと,前記中間転写ベルトの外周面上にトナー像を形成するトナー像形成部と,前記中間転写ベルトの外周面上のトナー像を記録媒体に転写する転写部とを有する画像形成装置において,
    前記中間転写ベルトが,請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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