JP2001022189A - 半導電性ベルト - Google Patents
半導電性ベルトInfo
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Abstract
タイプの長所を生かしつつ、画像の転写性や記録紙等の
分離性などの特性が改善された、中間転写ベルトや転写
搬送ベルトとして有用な半導電性ベルトを提供する。 【解決手段】 電子写真記録装置の中間転写ベルト又は
転写搬送ベルトに使用され、いずれもポリイミド系樹脂
を主体とする外層と内層とからなる半導電性ベルトにお
いて、前記外層は、導電性物質を含有して、表面抵抗率
ρsが106 〜1015Ω/□であると共に、前記内層
は、表面抵抗率ρsが1011Ω/□以上で前記外層より
高い値を有することを特徴とする。
Description
を主体とする外層と内層とからなる半導電性ベルトであ
って、電子写真記録装置において像の中間転写体となる
中間転写ベルトや、像の転写を兼用しつつ印刷シートの
搬送を行う転写搬送ベルトなどに使用されるものに関す
る。
する電子写真記録装置としては、複写機やレーザープリ
ンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機
等が知られている。この種の装置では、装置寿命の向上
などを目的として、感光ドラム等の像担持体にトナー等
の記録剤により形成された像を印刷シート上に直接定着
させる方式を回避すべく、像担持体上の像を中間転写ベ
ルトに一旦転写し、それを印刷シート上に定着させる中
間転写方式が検討されている。また装置の小型化等を目
的に、転写ベルトに印刷シートの搬送も兼ねさせる方式
も検討されている。
導電性ベルトの一例として、特開昭63−311263
号公報には、機械特性に優れるポリイミド系樹脂にカー
ボンブラックを所定部数分散してなる中間転写ベルトが
提案されている。しかし、この中間転写ベルトは主に単
層タイプで構成されるため、強度等との兼ね合いで決定
される厚みとの関係から、導電性物質を均一に分散する
のが困難であった。このため、導電性物質の分散状態が
充分でなく、ベルトの電気抵抗値(特に表面抵抗率ρ
s)のバラツキが大きくなるため、実用上、満足の行く
ものではなかった。更に、複写機、プリンター等は種々
の環境下で使用されるため、種々の環境下で表面抵抗値
の変動の大きな中間転写ベルトや転写搬送ベルトを用い
た場合、印刷シートに転写したトナー像に転写ムラを生
じたり、搬送している印刷シートをベルトより分離する
際に、分離不良を生じるなどの問題点があった。
中間転写に影響するのは、半導電性ベルトの帯電抑制能
の不均一化や、導電抑制能の不均一化により、局所的な
剥離放電や導電が生じ易くなるためと考えられる。
平7−156287号公報には、ポリイミド系樹脂を主
体とし、表面抵抗率の異なる複数の層からなる半導電性
ベルトが提案されている。そして、表面抵抗率の異なる
複数の層を設けることにより、半導電性ベルトの各層の
表面抵抗率のバラツキが幾らか改善されている。
半導電性ベルトは種々の用途や積層形態を想定している
ため、如何なる構造が中間転写ベルト等として好適なの
かが不明であり、複数の層の組合せについて具体的に記
載されている半導電性ベルトを、中間転写ベルト等に使
用した場合、画像の転写性や記録紙等の分離性などの特
性が不十分であることが判明した。
抵抗値の均一性が良好な複層タイプの長所を生かしつ
つ、画像の転写性や記録紙等の分離性などの特性が改善
された、中間転写ベルトや転写搬送ベルトとして有用な
半導電性ベルトを提供することにある。
を達成すべく鋭意検討した結果、ポリイミド系樹脂を主
体とする2層タイプの半導電性ベルトの外層に、導電性
物質を含有して表面抵抗率ρsを106 〜1015Ω/□
にすると共に、内層の表面抵抗率ρsを1011Ω/□以
上で外層より高い値にすることにより、上記目的が達成
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
真記録装置の中間転写ベルト又は転写搬送ベルトに使用
され、いずれもポリイミド系樹脂を主体とする外層と内
層とからなる半導電性ベルトにおいて、前記外層は、導
電性物質を含有して、表面抵抗率ρsが106 〜1015
Ω/□であると共に、前記内層は、表面抵抗率ρsが1
011Ω/□以上で前記外層より高い値を有することを特
徴とする。
総厚さの20〜80%であることが好ましい。
有することが好ましい。
の間で測定される誘電率が、周波数1KHz、25℃6
0%RHの条件下で4〜100であることが好ましい。
果が示すように、外層と内層との表面抵抗率ρsを上記
の範囲に調整しているため、機械特性や電気抵抗値の均
一性が良好で、しかも画像の転写性や記録紙等の分離性
などの特性が改善された半導電性ベルトを得ることがで
きる。つまり、半導電性ベルトを2層にすることで、外
層の電気抵抗値の均一性を改善しつつ内層にて補強効果
を得ることができ、しかも樹脂成分が共通又は類似する
ため、両者の剥離等も生じにくいものとなる。他の効果
については、その原因の詳細は明らかでないが、外層と
内層との表面抵抗率ρsを適切な範囲に調整すること
で、ベルト全体としての電気的特性が中間転写ベルトや
転写搬送ベルトに有利に働くためと考えられる。
80%である場合、上記の如き外層の電気抵抗値の均一
性の改善効果や補強効果が、良好なバランスで得られる
と共に、ベルト全体としての電気的特性もより好ましい
ものとなる。
有する場合、中間転写ベルト又は転写搬送ベルトに使用
される際に、内層の滑り性が改善されるため、駆動ロー
ル上でのベルトの滑りが向上し、摩耗粉の発生を防止し
て、ベルトの走行を安定させることができる。
の間で測定される誘電率が、周波数1KHz、25℃6
0%RHの条件下で4〜100である場合、当該誘電率
は、ベルトの帯電量を反映しており、その値を上記範囲
とすることで、ベルト全体としての電気的特性が中間転
写ベルト又は転写搬送ベルトの特性としてより良好なも
のになる。
て説明する。
樹脂を主体とする外層とポリイミド系樹脂を主体とする
内層とからなるものである。かかる半導電性ベルトは、
通常、エンドレスベルトとして形成され、好ましくはシ
ームレスベルトとして形成される。このような半導電性
ベルトは、例えば、必要により導電性物質を含有するポ
リイミド系樹脂の原料液を用いて、2層よりなるフィル
ムを形成後にイミド転化を行うことで得ることができ
る。
ばテトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンと
を溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸の溶液が使
用可能である。前記ポリアミド酸はテトラカルボン酸二
無水物あるいはその誘導体とジアミンとの略等モルを有
機溶媒中で反応させることにより得られるもので、通
常、溶液状で用いられる。このようなテトラカルボン酸
二無水物は、例えば下記の一般式(1)で示されるもの
が挙げられる。
状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、また
はそれらの置換された基である。) 前記したテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、
ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
アミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニル
メタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4−ジア
ミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、
3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、
ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’
−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−
第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブ
チルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−
アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメ
チル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロ
ピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプ
ロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジア
ミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプ
ロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミ
ン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジ
メチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプ
タメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレン
ジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メ
チルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカ
ン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、ピペラジン、H2 N(CH2 )3 O(C
H2 )2 O(CH2 )NH2 、H2 N(CH2 )3 S
(CH2 )3 NH2 、H2 N(CH2 )3 N(CH3 )
2 (CH2 )3 NH2 、等が挙げられる。
ミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性などの
点により極性溶媒が好ましく用いられる。極性溶媒とし
ては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、例えば
これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。
これらは、蒸発、置換または拡散により、ポリアミド酸
およびポリアミド酸成形品から容易に除去することがで
きる。また、これ以外の極性溶媒として、N,N−ジエ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレン
スルホン等があげられる。これらは単独で又は混合して
用いることができる。さらに、上記極性溶媒にクレゾー
ル、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベン
ゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、
シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単
独又は複数混合することもできる。なお、水の存在によ
ってポリアミド酸が加水分解して低分子量化し易いた
め、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行うこと
が好ましい。
ジアミン(b)とを極性溶媒中で反応させることにより
ポリアミド酸が得られるが、その際のモノマー濃度(溶
媒中における(a)+(b)の濃度)は、種々の条件に
応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。ま
た、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、
特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は約0.5
〜10時間である。
成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させるこ
とによりポリアミド酸が生成する。そして、このポリア
ミド酸をイミド転化することにより、本発明におけるポ
リイミド系樹脂が得られる。従って、前記したモノマー
成分によって、ポリイミド系樹脂の構造がほぼ決定され
るが、本発明では、前記ポリイミド系樹脂が、その繰返
し単位中に、ビフェニル骨格を有する繰返し単位を50
モル%以上有することが好ましく、80%以上有するこ
とがより好ましい。このようなビフェニル骨格は、モノ
マーとして3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物又はその誘導体等を使用することにより
形成できる。
して形成されるポリイミド系樹脂を主体とする外層と内
層とを有するものである。当該外層には導電性物質を含
有し、一方、内層には導電性物質を含有してもよいが、
ベルト全体の強度等をより高めるためには、導電性物質
の含有量が少ないことが好ましく、より好ましくは導電
性物質を含有しない場合である。
に配合される導電性物質としては、導電性又は半導電性
の微粉末が好ましく、特に制限されないが、ケッチェン
ブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、
アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属
化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。そしてこれ
らを単独あるいは併用して使用してもよい。
果や遠心成形時の均一な分散性などの観点から、カーボ
ンブラックを使用するのが好ましい。また、カーボンブ
ラックの平均粒径については、偏在による電気特性のバ
ラツキを制御する観点より、一次粒子に基づく平均粒径
が1μm以下、特に0.001〜0.5μmの平均粒径
が好ましい。
種類、粒子径、分散状態等によっても異なるが、外層の
ポリイミド系樹脂の固形分100重量部に対して、1〜
50重量部の範囲が好ましく、より好ましくは2〜40
重量部である。一方、内層における導電性物質の含有量
は、外層における含有量より少ない量が好ましい。
して適当な配合量の組み合わせにより、外層の表面抵抗
率ρsを106 〜1015Ω/□に、内層の表面抵抗率ρ
sを1011Ω/□以上で外層より高い値に調整する。そ
の際、好ましい表面抵抗率ρsは、外層が108 〜10
13Ω/□であり、内層が1012Ω/□以上である。
では、中間転写ベルト等と像担持体との間に過大な電流
が流れることから、ベルトに転写されたトナー像が像担
持体に戻ってしまい、転写不良や不鮮明な画像となり易
い。外層の表面抵抗率ρsが1015Ω/□を超えると、
トナー像の転写時に中間転写ベルト等が帯電して像担持
体と離れる際、剥離放電が起こり易くなり、転写された
トナー像が飛散して、不鮮明な画像や不正確な画像とな
り易い。
にすることで2層にするメリットが得られ、また、表面
抵抗率ρsが1011Ω/□未満では、補強効果等が十分
でなくなる。なお、内層の表面抵抗率ρsが極端に小さ
い場合には、導電性物質の添加量も多くなるため、体積
抵抗率も小さくなり、中間転写ベルト等に使用する際、
転写不良や不鮮明な画像となりやすい。
表面と前記内層の表面との間で測定される誘電率が、周
波数1KHz、25℃60%RHの条件下で4〜100
であることが好ましく、5〜80がより好ましい。誘電
率が4未満では、外層の表面抵抗率ρsが高すぎる場合
と同様の弊害が生じる傾向があり、また、転写搬送ベル
トに使用される場合に、帯電の影響で記録紙等の分離性
が悪くなる傾向がある。一方、誘電率が100を超える
と、外層の表面抵抗率ρsが低すぎる場合と同様の弊害
が生じる傾向があり、また、中間転写ベルト等に使用さ
れる場合に、転写不良や不鮮明な画像となりやすい傾向
がある。
に分散する方法は、特に制限されないが、ポリイミドの
前駆体であるポリアミド酸溶液にプラネタリーミキサー
やビーズミル、三本ロール等で混合・分散する方法や、
ポリアミド酸合成時に使用する溶媒中に導電性物質をボ
ールミルあるいは超音波等で分散後、この溶媒を用いて
ポリアミド酸を合成する方法等が挙げられる。
/又は内層には、上記の必須成分以外に、その物性を損
なわない程度に、シリコーン系又はフッ素系の各有機化
合物、カップリング剤、滑剤、酸化防止剤、分散剤、そ
の他の添加剤を含有してもよい。また、前記ポリイミド
系樹脂は、その物性を損なわない程度に、他のポリマー
成分が共重合されたり、ブレンドされたものであっても
よい。
物を含有することが好ましい。含フッ素有機化合物とし
ては、低分子量PTFE粉末、通常分子量PTFE、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合
体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等が挙
げられる。含フッ素有機化合物の含有量は、ポリイミド
系樹脂の固形分100重量部に対して、0.1〜20重
量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10重
量部である。
トとして形成する場合、例えば、前記の如き成分を含有
する各層の原料液を用い、外層と内層を順次形成して筒
状体とした後、イミド転化を行えばよい。筒状体の成形
は、例えば一層目の原料液を円筒面を有する金型の内周
面や外周面に、浸漬方式、遠心方式、塗布方式等にてコ
ートする方式などで筒状に展開して、その展開層を乾燥
製膜し、更に二層目の原料液を用いて同様に展開・乾燥
等すればよい。
ばよく、ポリイミド系樹脂の種類にもよるが、例えば3
00〜400℃で加熱が行われる。その後、半導電性ベ
ルトは型より回収される。このような製造方法は、従来
より公知であり、特開昭61−95361号公報、特開
昭64−22514号公報、特開平3−180309号
公報等に詳細が記載されている。また、シームレスベル
トの形成に際しては、更に型の離型処理や脱泡処理など
の適宜な処理を施すことができる。
の内周面に導電性物質を含有するポリイミド前駆体を塗
布し、回転成形した外層から溶剤乾燥した後、その表面
に導電性物質を含まないポリイミド前駆体を塗布し、回
転成形して内層を形成し、溶剤乾燥後又は溶剤乾燥と併
せて、両層を同時にイミド転化(キュア)することによ
って、好適に製造することができる。その際、イミド転
化のための昇温は徐々に行われるのが好ましく、昇温速
度0.5〜10℃/分程度に設定するのが好ましい。
ベルトを形成する場合、例えば連続工程で上記に準じて
長尺シートを形成したのち、所定の長さに切断し、その
両端を通常公知の方法で接着等すればよい。
転写ベルト又は転写搬送ベルトに適した強度や柔軟性等
の機械特性などの点により、10〜300μm、特に2
0〜200μmの厚さが好ましい。
合が、総厚さの20〜80%であることが好ましく、3
0〜65%が更に好ましい。このような厚さの割合とす
ることで、金型内面に塗布された原料液からの溶剤の蒸
発をより均一にすることができ、導電性物質の均一分散
を維持して表面抵抗のバラツキをより小さくすることが
できる。外層の厚さの割合が80%を超えると、ベルト
の機械特性や耐久性が低下する傾向があり、一方、外層
が20%未満になると、誘電率も4未満となり易く、中
間転写ベルトや転写搬送ベルトとして用いた場合に、ト
ナー等による像の変形や転写ムラの原因となり、良好な
画像が得られにくい傾向がある。
による画像ムラや画像ずれを防止する目的で、蛇行防止
ガイド等を設けてもよい。蛇行防止ガイドは、半導電性
ベルトの両端又は一端の内面側あるいは外面側に、その
略全周にわたって帯状に設けられ、そのガイド部分をロ
ーラの外周に設けた溝などで案内することで、蛇行防止
がなされる。その際、蛇行防止ガイドの付設は、アクリ
ル接着剤等を用いて接着する方法、ホットメルト接着剤
を用いる方法、感圧性接着剤(粘着剤)を用いて貼設す
る方法などで行うことができる。中でも感圧性接着剤を
用いる方法は、蛇行防止ガイドの貼り合せが容易で、接
着剤のはみ出しがなく、かつ貼り合せ精度の高い半導電
性ベルトが得られるため、特に好ましい方法として採用
される。
装置の中間転写ベルト又は転写搬送ベルトに使用される
ものである。電子写真記録装置の種類としては、特に限
定されず、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタ
やファクシミリ、それらの複合機等の何れでもよい。ま
た、その型式も、モノクロ画像、カラー画像、フルカラ
ー画像など何れでもよく、トナーの種類、転写方式、記
録媒体の種類なども特に限定されない。
施例等について説明する。
に乾燥したカーボンブラック(三菱化学社製,MA−1
00)92.58g(ポリイミド系樹脂の固形分に対し
て23重量%)をボールミルで6時間室温で混合した。
このカーボンブラック分散NMP液に3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPD
A)294.2gと、p−フェニレンジアミン(PD
A)108.2gを溶解し、窒素雰囲気中において、室
温で4時間撹拌しながら反応させて、カーボン分散ポリ
アミド酸溶液を得た。同様にして1674gのNMPに
BPDA294.2gとPDA108.2gを溶解し、
窒素雰囲気中において、室温で4時間攪拌しながら反応
させて、ポリアミド酸溶液を得た。
内面に上記カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液をデ
ィスペンサーで厚さ100μmに塗布後、1500rp
mで10分間回転させ、均一な塗布面を得た。次に、2
50rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の
熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、
次いで常温に冷却した。次にこの状態で得られたカーボ
ンブラック分散ポリイミド前駆体の内面に、上記のポリ
アミド酸溶液を同様に塗布、乾燥し、その後300℃ま
で2℃/分の昇温速度で昇温し、更に300℃で30分
間加熱し、溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド
転化を行った。その後室温に戻し、金型から剥離し、目
的とする外層に半導電層を有する半導電性ベルトを得
た。このものの総厚さは80μmであり、外層の厚さが
42μm、内層が38μmであった。
g(ポリイミド系樹脂固形分に対して30重量%)に変
更する以外、実施例1と同じ操作を行い、厚さ80μm
の半導電性ベルトを得た。外層の表面抵抗率は、1×1
05 Ω/□であった。
ク分散ポリアミド酸溶液のみを用いて単層のカーボンブ
ラック分散ポリイミド前駆体を得た後、内層を形成しな
いこと以外、実施例1と同じ操作を行い、厚さ80μm
の半導電性ベルトを得た。その外表面の表面抵抗率は、
1×109 Ω/□であった。
液にMA−100を120.75g(ポリイミド系樹脂
固形分に対して30重量%)添加量したものを使用する
以外、実施例1と同じ操作を行い、厚さ80μmの半導
電性ベルトを得た。内層の表面抵抗率は、1×105 Ω
/□であった。
外、実施例1と同じ操作を行い、外層15μm、内層6
5μmの総厚さ80μmのべルトを得た。外層の表面抵
抗率は、1×109 Ω/□であった。
特性を調べた。
ローブHR−100)にて印加電圧500V、1分値の
測定条件による25℃、60%RHでの表面抵抗率を調
べた。また、1本のベルトの10箇所を測定して、その
変動幅により表面抵抗率のバラツキを評価した。○は表
面抵抗率のバラツキが1桁以内におさまるものを、×は
表面抵抗率のバラツキが1桁以内におさまらないものを
表す。
引張り強度(速度100mm/分)、および被断時の伸
びを調べた。
れφ30mm、φ35mmの円電極をPt−Pd蒸着に
て形成してサンプルを作製し、誘電率測定機(ヒューレ
ッドパッカード社製4284A)を用い、周波数1KH
zにて25℃、60%RH下で測定した。
に、転写搬送ベルトとして組み込み、普通紙からなる印
刷シートの1万枚の印刷テストを行った。評価は、1万
枚のテスト中ですべて転写による鮮明で正確な画像が得
られた場合、および静電気による紙の分離不良が生じな
かった場合を良好、転写不良や不鮮明な画像、不正確な
面像が得られた場合、および紙の分離不良を生じた場合
を不良とした。
引張り強度、伸び等の機械特性や表面抵抗率の均一性
が、単層の比較例2より優れており、しかも転写搬送ベ
ルトとして用いた場合の画像転写性や紙分離性が良好で
あった。これに対して、外層と内層の表面抵抗率の何れ
かが本発明の範囲を外れる比較例1と3では、1万枚の
テスト中で画像転写性や紙分離性が劣化した。なお、参
考例1は各層の厚みのバランスと誘電率が好ましい範囲
から外れる例であるが、紙分離性がやや悪いものであっ
た。
Claims (4)
- 【請求項1】 電子写真記録装置の中間転写ベルト又は
転写搬送ベルトに使用され、いずれもポリイミド系樹脂
を主体とする外層と内層とからなる半導電性ベルトにお
いて、 前記外層は、導電性物質を含有して、表面抵抗率ρsが
106 〜1015Ω/□であると共に、 前記内層は、表面抵抗率ρsが1011Ω/□以上で前記
外層より高い値を有することを特徴とする半導電性ベル
ト。 - 【請求項2】 前記外層の厚さの割合が、総厚さの20
〜80%である請求項1に記載の半導電性ベルト。 - 【請求項3】 前記内層が含フッ素有機化合物を含有す
るものである請求項1又は2記載の半導電性ベルト。 - 【請求項4】 前記外層の表面と前記内層の表面との間
で測定される誘電率が、周波数1KHz、25℃60%
RHの条件下で4〜100である請求項1〜3いずれか
に記載の半導電性ベルト。
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---|---|---|---|
JP19843199A JP2001022189A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 半導電性ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
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JP19843199A JP2001022189A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 半導電性ベルト |
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JP2001022189A true JP2001022189A (ja) | 2001-01-26 |
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ID=16390983
Family Applications (1)
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JP19843199A Pending JP2001022189A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 半導電性ベルト |
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- 1999-07-13 JP JP19843199A patent/JP2001022189A/ja active Pending
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