JP2003270967A - 転写定着ベルト - Google Patents

転写定着ベルト

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JP2003270967A
JP2003270967A JP2002074259A JP2002074259A JP2003270967A JP 2003270967 A JP2003270967 A JP 2003270967A JP 2002074259 A JP2002074259 A JP 2002074259A JP 2002074259 A JP2002074259 A JP 2002074259A JP 2003270967 A JP2003270967 A JP 2003270967A
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belt
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JP2002074259A
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English (en)
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Tadanori Domoto
忠憲 道本
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電転写性に優れ、耐熱性と離型性及び耐久
性にも優れる転写定着ベルトを提供する。 【解決手段】 導電性物質を含むポリイミド樹脂製の内
層1と、最外周面に設けられフッ素樹脂を主成分とする
外層2とを備える転写定着ベルトにおいて、前記外層2
を構成するフッ素樹脂は380℃における溶融粘度が1
×104 Pa・S以上であるテトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、
その外層2の表面抵抗率が前記内層1の表面抵抗率より
1桁以上高く、かつ全体の体積抵抗率が107 〜1012
Ω・cmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンター、ファクシミリなどの電子写真式画像
形成装置に用いられる転写定着ベルト(中間転写タイプ
を含む)に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置においては、一
般的に、帯電させた感光体の表面に、画像読取装置等で
得られた画像に対応する静電潜像を形成し、現像器によ
ってトナー画像とした後、中間転写体に静電転写(一次
転写)し、中間転写体から紙等の記録材へ再度転写(二
次転写)して定着ロールまたは定着ベルトで加熱定着さ
れる。
【0003】近年、前記転写工程と定着工程とを1つの
ベルトで行なう転写定着ベルト方式が技術検討され画像
形成速度の高速化や高画質化が図られている。例えば、
図2に示すように、感光体ロール4の表面に形成した静
電潜像に対し、現像器7K,7Y,7M,7Cにより各
色のトナーを現像してトナー画像とした後、転写定着ベ
ルト3上で搬送される記録材6にトナー画像を静電転写
し、これを定着位置まで搬送して、加熱ロール5aと加
圧ロール5bによる加熱加圧で記録材6にトナー画像を
定着する。
【0004】このような転写定着方式では、1つのベル
トで転写と定着を行えるため感光体表面に形成された現
像像を忠実に鮮明な画像のまま記録材上に転写して定着
することができる利点がある。また、上記と同様に転写
定着ベルトを使用する方式において、一旦、トナー画像
を転写定着ベルトに一次転写し、これを記録材へ転写す
る際に同時に定着を行う転写定着方式(中間転写タイ
プ)も存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな転写定着ベルトは、中間転写ベルト又は定着ベルト
の単独の機能で使用される場合と異なり、荷電と除電や
加熱と冷却の繰り返しといったきびしい環境で使用され
るため、従来の中間転写ベルト又は定着ベルトをそのま
ま使用しても、十分な特性が得られなかった。具体的に
は、静電転写性が不十分であったり、耐熱性、離型性、
耐久性などの性能が低下するなどの問題があった。
【0006】そこで、本発明の目的は、静電転写性に優
れ、耐熱性と離型性及び耐久性にも優れる転写定着ベル
トを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、特に外層の材質や物性、及び外層と内層
の関係などに着目して鋭意研究したところ、特定の溶融
粘度のPFAを外層に使用して、外層と内層の表面抵抗
率の関係や全体の体積抵抗率を所定範囲にすることで、
上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】即ち、本発明の転写定着ベルトは、導電性
物質を含むポリイミド樹脂製の内層と、最外周面に設け
られフッ素樹脂を主成分とする外層とを備える転写定着
ベルトにおいて、前記外層を構成するフッ素樹脂は38
0℃における溶融粘度が1×104 Pa・S以上である
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)であり、その外層の表面抵
抗率が前記内層の表面抵抗率より1桁以上高く、かつ全
体の体積抵抗率が107 〜1012Ω・cmであることを
特徴とする。本発明において、溶融粘度などの各種物性
は、具体的には実施例に記載の方法により測定される値
である。
【0009】本発明の転写定着ベルトは、引張弾性率が
4000N/mm2 以上であることが好ましい。また、
吸湿膨張係数が1.5PPM/%RH以下であることが
好ましい。
【0010】また、上記において、前記外層がカーボン
ブラックとフッ素樹脂とからなり、表面粗さRzが5μ
m以下であることが好ましい。
【0011】[作用効果]本発明の転写定着ベルトによ
ると、特定の溶融粘度のPFAを外層に使用して、外層
と内層の表面抵抗率の関係や全体の体積抵抗率を所定範
囲としたため、実施例の結果が示すように、静電転写性
に優れ、耐熱性と離型性及び耐久性にも優れる転写定着
ベルトを提供することができる。
【0012】本発明の転写定着ベルトの引張弾性率が4
000N/mm2 以上である場合、転写時の転写像のズ
レや、定着時のズレなども生じにくくなり、より良好な
静電転写性と定着性が得られるようになる。
【0013】また、吸湿膨張係数が1.5PPM/%R
H以下である場合、環境変化に対する強度、寸法安定性
を持たせることができ、きびしい使用環境にも安定して
転写定着ができる。
【0014】前記外層がカーボンブラックとフッ素樹脂
とからなり、表面粗さRzが5μm以下である場合、ベ
ルトのクリーニング性が良好になると共に、定着像の光
沢が良好で定着時のトナーの離型性もより良好になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の転
写定着ベルトの一例を示す部分断面図である。
【0016】本発明の転写定着ベルトは、図1に示すよ
うに、導電性物質を含むポリイミド樹脂製の内層1と、
最外周面に設けられフッ素樹脂を主成分とする外層2と
を備えるものである。本実施形態では、内層1と外層2
とからなる転写定着ベルトの例を示すが、本発明では、
両層の密着性を向上させる目的で、抵抗バランスを崩さ
ない範囲でプライマーなどの中間層を設けてもよい。
【0017】これら各層の厚みは、用いられる装置の設
計により適宜選択されるが、内層1は20〜150μ
m、中間層は0.3〜5μm、外層2は5〜30μmが
好ましい。特に好ましくは、内層1が50〜100μ
m、中間層が0.5〜2μm、外層2が10〜20μm
である。
【0018】ポリイミド樹脂製の内層1は、導電性物質
を含むが、その種類や含有量により、内層1の表面抵抗
率やベルト全体の体積抵抗率を調整することができる。
そして、ベルト全体の体積抵抗率は、107 〜1012Ω
・cmであり、好ましくは108 〜1010Ω・cmであ
る。107 Ω・cm未満であると、導電性が悪く転写不
良となり易く、1012Ω・cmを超えると、除電性が悪
く転写ムラが生じ易くなる。
【0019】また、ベルト全体の引張弾性率は4000
N/mm2 以上であるのが好ましく、5000〜700
0N/mm2 がより好ましい。また、吸湿膨張係数が
1.5PPM/%RH以下であるのが好ましくい。この
ような引張弾性率と吸湿膨張係数は、ポリイミド樹脂の
モノマー組成によって調節することができる。
【0020】また、前記ポリイミド樹脂を半導電性にす
るため、カーボンブラックや金属粉末などの導電性物質
が添加される。本発明ではカーボンブラックの他、アル
ミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合
物等が使用できる。本発明では前述したように、カーボ
ンブラックを導電性物質として使用するのが好ましい。
カーボンブラックとしては、ケッチェンブラックやアセ
チレンブラックおよびファーネスブラックが適して用い
られる。
【0021】カーボンブラックの含有量はポリイミド樹
脂に対して5〜30重量%の範囲で所定の抵抗を示すよ
うにするのが好ましい。より好ましくは、5〜25重量
%の範囲である。カーボンブラックの含有量が5重量%
未満であると、導電性が低くなりすぎ体積抵抗率が高く
なり所望する抵抗が得られないため好ましくない。逆
に、30重量%を超えると、これによって得られたベル
トは機械強度が低く亀裂や割れが生じやすいものとなる
ため好ましくない。
【0022】内層1を構成するポリイミド樹脂は、転写
ベルトや定着ベルト等の分野において使用される公知の
ポリイミド樹脂は限定なく使用可能であり、とりわけ、
芳香族ポリイミド樹脂の使用が好ましい。
【0023】内層1は、導電性物質を含有するポリアミ
ド酸溶液を所定形状に成形し、溶媒の除去後に、イミド
転化反応を行うことにより形成される。ポリアミド酸溶
液は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有す
るものであって、例えばテトラカルボン酸二無水物ある
いはその誘導体とジアミンとの略等モルを有機溶媒中で
反応させて得ることができる。
【0024】本発明において好ましいポリイミド樹脂を
構成する上記テトラカルボン酸二無水物としては、具体
的には、ピロメリット酸二無水物、3 ,3 ’,4 ,4 ’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,4,5,8 −ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテ
トラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0025】また、このようなテトラカルボン酸二無水
物と反応させるジアミンの具体例としては、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,
3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベン
ジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−
t −ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブ
チルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−t−
アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメ
チル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロ
ピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプ
ロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジア
ミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプ
ロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミ
ン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジ
メチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチ
レンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサ
デカン、1,4−ジアミルクロヘキサン、1,10−ジ
アミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミ
ノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2 N(C
23 O(CH22 OCH2 NH2 、H2 N(CH
23 S(CH23 NH2 、H2 N(CH23
(CH22 (CH23 NH2 、等が挙げられる。
【0026】上記のモノマーから得られるポリイミド樹
脂のうち、良好な引張弾性率及び吸湿膨張係数を得る観
点より、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物とp−フェニレンジアミンからなる重合体
及びそれらを50モル%以上の成分とする共重合体、ピ
ロメリット酸二無水物とベンジジン誘導体からなる重合
体及びそれらを50モル%以上の成分とする共重合体が
好ましい。
【0027】これらテトラカルボン酸二無水物あるいは
その誘導体及びジアミンは、それぞれ1種類以上を適宜
に選定し反応させることができる。ジアミンとしては、
特に芳香族ジアミンを主成分として使用することが望ま
しい。
【0028】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
を反応させる際に用いられる有機極性溶媒は、その官能
基がテトラカルボン酸二無水物またはジアミンと反応し
ない双極子を有するものである。そして、系に対して不
活性であり、かつ生成物であるポリアミド酸に対して溶
媒として作用し、しかも、反応成分の少なくとも一方、
好ましくは両者に対して溶媒として作用するのが望まし
い。上記有機極性溶媒としては、特にN,N−ジアルキ
ルアミド類が有用であり、例えばこれの低分子量のもの
であるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等が挙げられる。これらは蒸発、置換ま
たは拡散によりポリアミド酸およびポリアミド酸成形品
から容易に除去することができる。また、上記以外の有
機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメト
キシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメ
チレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよいし、併せて使用しても差し支えない。さらに、上
記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノー
ル等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブ
チロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、
ベンゼン、トルエン等を単独でもしくは併せて混合する
こともできる。ただし、生成するポリアミド酸の加水分
解による低分子量化を防ぐため、水の使用は避けること
が好ましい。
【0029】本発明では、内層1に更に熱伝導性無機粉
末などを含有させることも可能であり、公知の熱伝導機
能を有する無機粉末が限定なく使用可能である。具体的
には、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化
珪素、珪素、シリカ、グラファイト等の粉末が挙げられ
る。なかでも、熱伝導機能が高く、化学的に安定で、無
害であるという点で窒化ホウ素の使用が好ましい。ま
た、内層1には、摺動性を高めるためのフッ素樹脂粉
末、導電性粉末などの添加剤を含有していてもよい。
【0030】本発明の転写定着ベルトは、例えば下記工
程により製造することができる。
【0031】(1)まず成形用金型として円筒状金型を
準備し、円筒状金型内周面あるいは外周面に熱伝導性無
機粉末を含有するポリアミド酸溶液を塗布する。塗布
後、塗布皮膜が少なくともそれ自身支持できるまで乾
燥、硬化させるか、あるいはイミド転化が終了するまで
加熱することにより、熱伝導性無機粉末を含有してなる
内層を形成し、得られた内層を円筒状金型より剥離して
取り出す。
【0032】(2)上記内層の外周面に、プライマーを
塗布する等により、導電性接着層などの中間層を形成す
る。
【0033】(3)形成された導電性接着層の外周面
に、カーボンブラックを含有するフッ素樹脂製の外層を
形成する。
【0034】ポリアミド酸溶液は、使用する際に、溶液
粘度が高い場合には適当な溶媒で希釈して粘度を低くし
て用いることができる。例えば、ポリアミド酸溶液の粘
度は、塗布厚み、塗布方法、塗布条件、溶液温度等に応
じて設定されるが、通常0.01 〜1000Pa・S
(塗布作業時の温度でB型粘度計にて測定した粘度)に
設定される。
【0035】上記製法において、成形金型となる円筒状
金型としては、従来から管状体の製造に用いられるもの
であればどのようなものであっても差し支えなく、材質
としては耐熱性の観点から、金属、ガラス、セラミック
ス等各種のものが例示される。
【0036】円筒状金型へのポリアミド酸溶液(熱伝導
性無機粉末含有)の塗布方法としては、ポリアミド酸溶
液中に円筒状金型を浸漬して外面に塗布膜を形成しこれ
を円筒状ダイス等で成膜する方法や、円筒状金型内面の
片端部にポリアミド酸溶液を供給した後、この円筒状金
型と一定のクリアランスを有する走行体(弾丸状、球
状)を走行させる方法、円筒状金型を軸周りに回転さ
せ、内面にポリアミド酸溶液を供給し、遠心力により均
一な皮膜とする方法等が挙げられる。
【0037】上述の走行体を走行させる方法において、
走行体を走行させる方法としては、自重走行法(円筒状
金型を垂直に立て、走行体をその自重により下方に走行
させる方法)の他、圧縮空気やガス爆発力を利用する方
法、牽引ワイヤ等により牽引する方法等が挙げられる。
【0038】上記ポリアミド酸溶液を塗布した後の加熱
温度は、特に制限はなく適宜に設定できるが、なかでも
80〜200℃程度の低温で加熱して溶媒を除去した
後、250〜400℃程度に昇温してイミド転化を終了
する多段加熱法等が用いられる。また、低温加熱後に自
身支持できる状態になった管状体を剥離して、導電性接
着層や外層を形成した後、高温加熱を行ってもよい。加
熱時の所要時間は加熱時間に応じて適宜設定されるが、
通常低温加熱およびその後の高温加熱ともに20〜60
分程度が好ましい。このような多段加熱法を用いれば、
イミド転化に伴い発生する閉環水や溶媒の蒸発に起因す
る管状体における微小ボイドの発生を防止することがで
きる。
【0039】このようにして得た内層を円筒状金型より
剥離する。円筒状金型からポリイミド樹脂製の内層を剥
離する方法として、例えば円筒状金型端部の周壁面に予
め設けられた微小貫通孔に空気を圧送する方法等が挙げ
られる。なお、内層を形成する円筒状金型内周面等に予
めシリコーン樹脂等による離型処理を施しておけば、内
層の剥離作業性が向上し、好ましい。
【0040】得られた内層外周面に導電性接着層を設け
る方法としては、プライマー溶液を塗布することにより
得られ、例えばロールコート、刷毛塗り、スプレーコー
ト等が挙げられる。
【0041】次いで、フッ素樹脂を主成分とする外層を
成形する方法として、溶融押出により得たチューブ状管
状体を内層外表面に被着する方法、溶液状(ディスパー
ジョンを含む)を内層外表面に被覆する方法等により形
成される。溶液状のフッ素樹脂溶液を被覆する方法とし
ては、例えばスプレーコート、スピンコート、ロールコ
ート、刷毛塗り等の方法が挙げられる。塗布と加熱の手
順としては、外層にボイドが発生するのを防ぐためにフ
ッ素樹脂製の外層を塗布した後、フッ素樹脂溶液中の溶
媒を除去した後、フッ素樹脂の融点以上に昇温してフッ
素樹脂製の外層を形成することができる。また、この時
内層のイミド転化を同時に行ってもよい。
【0042】フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)から形成する必要があり、このPFAは38
0℃における溶融粘度が1×104 Pa・S以上、好ま
しくは3×104 〜7×104である。
【0043】この外層にも、電気抵抗を調節するため、
カーボンブラックが加えるのが好ましい。カーボンブラ
ックとしては、導電性の高いケッチェンブラックが適し
て用いられ、その含有量はフッ素樹脂に対して0.5〜
2.0重量%の範囲で所定の抵抗を示すようにするのが
好ましい。特に好ましくは、1.0〜1.5重量%の範
囲である。カーボンブラックの含有量が0.5重量%未
満であると、導電性が低くなりすぎ表面抵抗率が高くな
り所望する抵抗が得られないため好ましくない。逆に、
2.0重量%を超えて得られた外層は、離型性、耐摩耗
性に弱く、好ましくない離型層となる。
【0044】本発明において、外層の表面抵抗率は内層
の表面抵抗率より1桁以上高いものであり、好ましくは
2桁以上高い場合である。外層の表面抵抗率が1桁未満
の範囲である場合は、静電吸着性が弱くなり、ブラー現
象や記録材のズレ等による現像不良が生じる。また、外
層の表面抵抗率は1010〜1015Ω/□の範囲であるこ
とが好ましい。
【0045】本発明における転写定着ベルトは、ベルト
のクリーニング性が良好になると共に、定着像の光沢が
良好で定着時のトナーの離型性もより良好にすべく、表
面粗さをRzで5μm以下にするのが好ましい。
【0046】本発明の転写定着ベルトは、図2に示すよ
うな転写定着方式や、転写定着ベルトを使用する方式に
おいて、一旦、トナー画像を転写定着ベルトに一次転写
し、これを記録材へ転写する際に同時に定着を行う転写
定着方式(中間転写タイプ)などに好適に使用すること
ができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等における評価
項目は下記のようにして測定を行った。
【0048】(1)表面抵抗率 ハイレスタUP(三菱油化社製)を用い、プローブUR
−100、印加電圧250V、10秒値の表面抵抗率を
調べた。
【0049】(2)体積抵抗率 ハイレスタUP(三菱油化社製)を用い、プローブUR
−100、印加電圧250V、10秒値の体積抵抗率を
調べた。
【0050】(3)吸湿膨張係数 120℃で1時間乾燥処理したものにつき25℃、10
0%RH、24時間の条件で吸湿させて、吸湿前の長さ
(L0 )と吸湿後の長さ(L)を測定し、下式より算出
した。
【0051】吸湿膨張係数=(L0 −L)/100L0 (4)表面粗さRz JIS B 0601(1982)に準じ、ベルト表面
の任意の5点よりサンプルを採取し、その周方向に関し
て、表面粗さ計(サーフコム554A=東京精密社製)
にてカットオフ値0.32mm、測定長さ2.5mm、
駆動速度0.12mm/sec、触針荷重70mgにて
測定を行なった。
【0052】(5)画像転写定着性 得られた転写定着ベルトをレーザービームプリンターに
組み込み、普通紙からなる記録シートの印刷テストを行
なった。また評価は、1万枚のテスト中ですべて良好な
転写による鮮明で正確な画像が得られた場合を良好と
し、耐久性、転写不良や不鮮明な画像、不正確な画像が
発生しないか等について評価した。
【0053】[実施例1]カーボンブラック(MA10
0、三菱化学社製、ファーネスブラツク、一次粒子に基
づく平均粒子径22nm)200gをN−メチル−2−
ピロリドン(NMP)1800g中に添加した。ボール
ミルで12時間室温で攪拌することにより分散した後、
#400ステンレスメッシュでろ過し、濃度10重量%
のカーボン分散液を得た。このカーボン液1327.4
6を5000mLの4つ口フラスコに移し、N−メチル
−2−ピロリドン1197.18gとp−フェニレンジ
アミン129.77g(1.2モル)と4 ,4 ’−ジア
ミノジフェニルエーテル60.06g(0.3モル)を
仕込み、常温で攪拌させながら溶解した。次いで、3,3
’,4 ,4 ’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
441.33g(1.5モル)を添加し、温度20℃で
1時間反応させた後、75℃で20時間加熱しながら攪
拌することにより、B型粘度計による溶液粘度が160
Pa・sのカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液
(固形分濃度20wt%、カーボンブラックの添加量樹
脂に対して23部)を得た。このカーボンブラック含有
ポリイミド前駆体溶液を#800のステンレスメッシュ
を用いてろ過し、半導電ポリイミド樹脂管状体形成用材
料とした。
【0054】次に、前記のカーボンブラック含有ポリイ
ミド前駆体溶液を直径200mm、長さ500mmの円
筒状シリンダーの内周面に厚みが600μmになるよう
に塗布し、回転成形機にて1500rpmで20分間回
転させて均一厚の展開層とした。次に250rpmで回
転させながら該円筒状シリンダーの外側より130℃の
熱風を30分間吹き付け、次いで20℃/分の速度で3
70℃に昇温しその温度で30分間加熱キュアーした
後、冷却、剥離して、基体となる75μmの半導電ポリ
イミド樹脂管状体を得た。このベルトの表面抵抗率は、
印加電圧250Vで1.2×1012Ω/□、体積抵抗率
は、2.0×109 Ω・cmであった。
【0055】一方、380℃での溶融粘度(フローテス
ターにて測定)が5×104 Pa・SのPFA粉末の水
性ディスパージョン(PFA濃度50重量%)に平均粒
径0.3μmのカーボンブラック粉末をPFA固形分に
対し1.0重量%添加し、ボールミルを用いて混合・分
散しカーボンブラック含有PFAの混合ディスパージョ
ンを得た。
【0056】上記混合ディスパージョンを純水で濃度4
0重量%に希釈し、半導電ポリイミド樹脂管状体の外周
面に均一にスプレーコートし、10分間風乾した。その
後、100℃で10分間加熱して水を蒸発除去した。さ
らに400℃で10分間加熱することによりPFAを焼
結し目的の転写定着ベルトを得た。この離型層の厚みは
12μmとした。
【0057】得られたベルトの引張弾性率は5300N
/mm2 、吸湿膨張係数1.4PPM/%RHで強度の
ある環境変化による寸法変化の小さいものであった。ま
た、体積抵抗率が3.7×109 Ω・cmかつ半導電ポ
リイミド内層の表面抵抗率が1.1×1011Ω/□でフ
ッ素樹脂外層の表面抵抗率が2.3×1013Ω/□であ
った。表面粗さRzも2.5μmと平滑性に優れるもの
であった。得られたベルトを幅300mmに切断して、
レーザプリンターに転写定着ベルトとして組み込み、画
像転写定着性試験を行なった。結果を表1に示す。
【0058】[比較例1]PFAの水性ディスパージョ
ンとして、380℃での溶融粘度が7×103 Pa・S
であるPFA粉末を濃度50重量%になるように分散さ
せたものを用いる以外は実施例と同様にして転写定着ベ
ルトを得た。得られたベルトの引張弾性率は5400N
/mm2 、吸湿膨張係数1.3PPM/%RHで強度の
ある環境変化による寸法変化の小さいものであった。ま
た、表面粗さRzも2.5μmと平滑性に優れるもので
あった。
【0059】[比較例2]実施例の転写定着ベルトの体
積抵抗率を3.3×109 Ω・cmかつ半導電ポリイミ
ド内層の表面抵抗率が1.1×1011Ω/□でフッ素樹
脂外層の表面抵抗率が7.3×1011Ω/□とした以外
は実施例と同様にしてで転写定着ベルトを得た。
【0060】[参考例1]ポリイミドのモノマー成分を
ピロメリット酸二無水物と4 ,4 ’−ジアミノジフェニ
ルエーテルとした以外は、実施例と同様に転写定着ベル
トを得た。得られたベルトの引張弾性率は2300N/
mm2 、吸湿膨張係数2.5PPM/%RHで強度、環
境変化による寸法変化に劣るものであった。
【0061】[参考例2]離型層の表面粗さが5.2μ
mであること以外は、実施例と同様にして、転写定着ベ
ルトを得た。
【0062】
【表1】 *1:帯電不良による転写不良。 *2:転写像のズレによる転写不良。 *3:定着画像の光沢不良による定着不良。
【0063】表1の結果が示すように、実施例の転写定
着ベルトでは、静電転写と定着が良好に行え、その際の
耐熱性、離型性及び耐久性も十分であった。これに対
し、PFAの溶融粘度が不十分な比較例1では、ベルト
の耐久性が不十分となり、外層と内層の表面抵抗率の差
が1桁未満である比較例2では、帯電不良により転写不
良となった。また、引張弾性率が低すぎると共に吸湿膨
張係数が高すぎる参考例1では、転写像のズレによる転
写不良が生じ、表面粗さRzが大きすぎる参考例2で
は、定着画像の光沢不良による定着不良が生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写定着ベルトの一例を示す部分断面
【図2】本発明の転写定着ベルトの使用状態の一例を示
す概略構成図
【符号の説明】
1 内層 2 外層(離型層) 3 転写定着ベルト 4 感光体ロール 5a 加熱ロール 5b 加圧ロール 6 記録材 7K〜7C 現像器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA23 BA11 BA12 BB01 BB28 BE09 2H078 AA13 BB12 CC06 2H200 FA02 GA47 GB25 GB40 JB06 JB43 JB45 JB46 JB47 LC04 MA04 MA13 MA14 MA17 MA20 MB01 MB04 MB05 MC06 MC09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性物質を含むポリイミド樹脂製の内
    層と、最外周面に設けられフッ素樹脂を主成分とする外
    層とを備える転写定着ベルトにおいて、前記外層を構成
    するフッ素樹脂は380℃における溶融粘度が1×10
    4 Pa・S以上であるテトラフルオロエチレン−パーフ
    ルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、その外
    層の表面抵抗率が前記内層の表面抵抗率より1桁以上高
    く、かつ全体の体積抵抗率が107 〜1012Ω・cmで
    あることを特徴とする転写定着ベルト。
  2. 【請求項2】 引張弾性率が4000N/mm2 以上で
    ある請求項1記載の転写定着ベルト。
  3. 【請求項3】 吸湿膨張係数が1.5PPM/%RH以
    下である請求項1又は2に記載の転写定着ベルト。
  4. 【請求項4】 前記外層が、カーボンブラックとフッ素
    樹脂とからなり、表面粗さRzが5μm以下である請求
    項1〜3いずれかに記載の転写定着ベルト。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7146126B2 (en) 2004-03-19 2006-12-05 Ricoh Company, Limited Flexible and durable fixing members and apparatus, and image forming apparatus
WO2008075857A1 (en) * 2006-12-18 2008-06-26 Kolon Industries, Inc. Intermediate transfer belt and method of manufacturing the same
JP2010208803A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Nitto Denko Corp 搬送用ベルト
US8047940B2 (en) * 2007-09-10 2011-11-01 Ricoh Company, Ltd. Heat-resistant resin belt, manufacturing method thereof and image forming apparatus
JP2014149435A (ja) * 2013-02-01 2014-08-21 Ricoh Co Ltd 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置

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