JP4285332B2 - ポリイミド無端ベルト、及び画像形成装置 - Google Patents

ポリイミド無端ベルト、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、これらの複合装置などの電子写真装置に利用されるポリイミド無端ベルト、それを備えた画像形成装置に関する。
電子写真装置は、導電性材料からなる感光体上に一様に電荷を形成し、変調した画像信号をレーザー光などで静電潜像を形成した後、帯電したトナーにより静電潜像を現像してトナー像とする。次いでこのトナー像を直接又は中間転写体を介して紙などの記録媒体に転写することにより画像を得る装置である。
ここで、感光体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、次いで中間転写体上のトナー像を紙などの記録媒体へ二次転写する方法、いわゆる中間転写方式を採用した画像形成装置に用いられる中間転写ベルトは、例えばポリフッ化ビニリデン(例えば、特開平5−200904号公報)、ポリカーボネート(例えば、特開平6−228335号公報)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体とポリカーボネートとのブレンド(例えば、特開平6−149083号公報)などの熱可塑性樹脂にカーボンブラック等の導電剤を分散させた導電性無端ベルトが提案されている。
さらに近年、この中間転写体を加熱することで記録媒体上のトナー像を定着せしめる方法、即ち中間転写及び定着方式が開示されている(例えば、特開平6−258960号公報)。中間転写・定着方式は、トナー像を記録媒体へ中間転写体を介して二次転写せしめた後、この中間転写体を直接又は間接的に加熱することで、この中間転写体に接触している記録媒体上のトナー像を定着する方式であり、中間転写機構と定着機構が離別していた従来装置と比較して、装置の小型化、低コスト化が可能であるという利点を有する。
ここで、中間転写及び定着方式に用いられるベルト材料には、駆動時の応力に耐える機械強度を有すると同時に、定着時に与えられる200℃近い熱に耐え得ることが要求される。この要請から、中間転写及び定着ベルトに用いられる材料には、高い機械強度と耐熱性を併有するポリイミド樹脂が適している。
ポリイミド樹脂は、一般に不溶であるためにその前駆体であるポリアミック酸の溶液を塗布し、乾燥後に過熱してアミック酸基の脱水イミド化反応を行い、ポリイミドとして使用している。イミド化反応においては一般に200℃〜350℃の高い温度を必要とするため、エネルギー消費の点より問題があった。また、ポリアミック酸の脱水に伴い、塗膜表面ならびに塗膜中のボイドの発生や、脱水反応に伴う体積収縮により発生する応力により膜厚の均一性がとれないことや、抵抗値のばらつきが生じるなど膜品質の上でも問題があった。
この問題に対しては、一般に溶媒可溶性のポリイミド材料の使用が提案されている。可溶性ポリイミドは、分子中に屈曲性をもった構造や大きな分子構造からなる側鎖置換基を導入することで、剛直なイミド構造を有するのにもかかわらず溶媒への溶解性を付与している。そのため、可溶性ポリイミド材料は、基材に塗工して溶剤を乾燥させるだけで、ポリイミド膜を形成することができるため、上記問題点を解決できる。
しかしながら、可溶性ポリイミドはその分子構造に起因し、一般には強度が小さく、伸び、破断などを起こしやく、ベルトとして使用するに不適なものであった。
また、ポリアミック酸のイミド化を促進させるため、3級アミン等を共存させて加熱する方法が特開平6−207014号公報、特開2002−127165公報、特開2002−283366公報、等で開示されている。
しかしながら、一般にポリアミック酸を溶解させるための溶媒には、N−メチル−2−ピロリドンなどのような高極性・高沸点の溶媒が使用されている。そのため、組成物の塗布後の乾燥工程には、ポリアミック酸組成物に含まれている溶媒を乾燥させるために、高い温度で処理する必要があった。ポリイミド製造に使用される3級アミンの沸点は一般に、溶媒の沸点より低いため、溶媒の乾燥可能な温度域では添加した3級アミンが揮発してしまい、イミド化反応を効率よく進めるためには、3級アミンを大過剰量添加しなければならなかった。かかる3級アミン類は一般に不快な臭気、人体に対する健康上の悪影響があり、3級アミン類を含むポリアミック酸組成物を取り扱う場合、作業者の安全性が問題となる。また、大過剰量添加された3級アミンは、乾燥工程・焼成工程の際に揮発してしまうため,環境負荷の点から問題がある。
また、通常導電性を付与することを目的に添加されるカーボンブラックに関しても、3級アミンを含むポリアミック酸溶液中に添加した場合、オイルファーネストブラックなどは即座にゲル化又はカーボンブラック同士が凝集を起こしてしまい、ワニス安定性が図れない問題点があった。
特開平5−200904号公報 特開平6−228335号公報 特開平6−149083号公報 特開平6−258960号公報 特開平6−207014号公報 特開2002−127165公報 特開2002−283366公報
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、焼成温度低減、焼成時間短縮が図れ、イミド化反応による膜品質の低下を防ぎ十分な強度などの特性を備えたポリイミド無端ベルト、及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
(1) 少なくとも、ポリアミック酸構造を含むポリマーと3級アミンと溶媒とを含有するポリアミック酸組成物をイミド化して得られるポリイミド無端ベルトにおいて、
3級アミンの初期添加量がポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して5〜100重量部、溶媒の初期添加量がポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して60〜95重量部であり、
且つイミド化焼成後の3級アミンの残留量が初期添加量に対して1〜5重量%、残留溶媒量が初期添加量に対して5重量%以上であることを特徴とするポリイミド無端ベルト。
(2) 前記ポリアミック酸組成物にさらに無水カルボン酸を含有することを特徴とする(1)に記載のポリイミド無端ベルト。
(3) 前記ポリアミック酸組成物にさらに導電剤を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のポリイミド無端ベルト。
(4) 前記導電剤がカーボンブラックであることを特徴とする(3)に記載のポリイミド無端ベルト。
(5) 前記カーボンブラックが酸化処理されたカーボンブラックであることを特徴とする(4)にかかるポリイミド無端ベルト。
(6) 前記3級アミンが、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、及びトリエチルアミンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)から(5)のいずれか1項に記載のポリイミド無端ベルト。
(7) 前記イミド化焼成後の3級アミンの残留量が初期添加量に対して2〜4重量%、前記残留溶媒量が初期添加量に対して6〜9重量%である(1)から(6)のいずれか1項に記載のポリイミド無端ベルト
(7) (1)から(6)のいずれか1項に記載のポリイミド無端ベルトを備えることを特徴とする画像形成装置。
(8) 電子写真用転写ベルトとして、前記ポリイミド無端ベルトを備えることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
(9) 電子写真用定着ベルトとして、前記ポリイミド無端ベルトを備えることを特徴とする(7)に記載の画像形成装置。
本発明によれば、焼成温度低減、焼成時間短縮が図れ、イミド化反応による膜品質の低下を防ぎ十分な強度などの特性を備えたポリイミド無端ベルト、及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリイミド無端ベルト]
本発明のポリイミド無端ベルトは、イミド化焼成後の3級アミンの残留量を初期添加量に対して1〜5重量%、残留溶媒量を初期添加量に対して5重量%以上としている。
本発明のポリイミド無端ベルトでは、成形品であるイミド化焼成後の成形品の3級アミン残留量、及び残留溶媒量が上記範囲となっていることは、触媒である3級アミンが揮発することなく、イミド化反応時に有効に作用してベルトが製造されたことを示している。
従来のように、ポリアミック酸に高エネルギーを加えてポリイミド無端ベルトを作製した場合、機械的特性、及び電気的特性については、目的値を達成することができるが、過度な負荷により膜品質に劣るベルトとなっていた。逆に、膜品質を重視し、低エネルギーによりポリイミドを作製すると、ボイド等の発生は抑えられるが、機械的強度等が弱く、ベルトとして使用するに耐えなかった。
しかし、本発明のポリイミド無端ベルトでは、3級アミン残留量、及び残留溶媒量を上記範囲とすることで、従来のベルトで問題となっていた塗膜中のボイドの発生、体積収縮による膜厚の不均一性、及び抵抗値のばらつきなどの膜品質を改善し、低エネルギーで作製したベルトでは達成できなかった、引っ張り強度等の機械的特性をも両立させた。また、導電剤を含ませることで、及び体積固有抵抗等の電気的特性も両立させることができる。
このように、本発明のポリイミド無端ベルトは、これらの相反する性能を両立させ、焼成温度低減、焼成時間短縮を図り、かつイミド化反応による膜品質の低下を防ぎ十分な強度などの特性を備えている。
また、触媒である3級アミンが揮発することなく、イミド化反応時に有効に作用されるため、少量の3級アミン添加でもイミド化反応を促進させることができ、3級アミン揮散を低減させ、環境に対する負荷を低減される。さらに、導電剤として酸化処理カーボンブラック使用する場合、従来のポリアミック酸組成物の分散系で見られたカーボンブラックの凝集を防止し、安定なポリアミック酸組成物が得られ、十分な強度と電気特性を備えた高品質な半導電性ポリイミド無端ベルトとなる。
本発明のポリイミド無端ベルトにおいて、イミド化後焼成後の3級アミンの残留量は初期添加量に対して1〜5重量%であるが、好ましくは1〜4重量%であり、より好ましくは1〜3重量%である。この3級アミンの残留量が多すぎると、ポリイミド無端ベルトの強度が脆弱となり、少なすぎるとベルトとしてのしなやかさが低下する。
また、3級アミンの初期添加量は、ポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して、5〜100重量部であり、好ましくは10〜40重量部であり、さらに好ましくは10〜30重量部である。3級アミンの初期添加量が多すぎると、膜中から除去されずに残留する量が多くなってしまい、ポリイミド無端ベルトの強度が脆弱となり、少なすぎるとポリイミド樹脂がワニス中に析出してしまうことがある。
一方、残留溶媒量は初期添加量に対して5重量%以上であるが、好ましくは6〜10重量%であり、より好ましくは6〜7重量%となり、少なすぎるとベルトとしてのしなやかさが低下する。
また、溶媒の初期添加量は、ポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して、60〜95重量部であり、好ましくは70〜90重量部であり、さらに好ましくは75〜90重量%である。溶媒の初期添加量が多すぎるとベルト成形品の所定の膜厚を得ることが難しく、少なすぎるとワニスの塗工性能が低下することがある。
ここで、3級アミン残留量及び溶媒残留量は、熱分解ガスクロマトグラフィーにより求めることができる。
3級アミン残留量及び溶媒残留量は、詳しくは後述するが、例えば製造時の乾燥温度、焼成温度などを適宜調整することで、制御することができる。
本発明のポリイミド無端ベルトは、3級アミン残留量及び溶媒残留量を上記範囲となるように、ポリアミック酸組成物をイミド化して得られるものである。以下、各組成について説明する。
(ポリアミック酸組成物)
ポリアミック酸組成物は、少なくとも、ポリアミック酸構造を含むポリマーと、塗工溶媒と、触媒としての3級アミンと、を含有して構成されている。また、必要に応じて、カルボン酸無水物、導電剤などの添加物を含むこともできる。
−ポリアミック酸構造を含むポリマー−
ポリアミック酸構造を含むポリマーは、ポリイミド前駆体となり得るポリマーであり、ポリアミック酸、ポリアミック酸−ポリイミド共重合体が挙げられる。
ポリアミック酸としては、下記一般式(1)で表されるポリアミック酸が好適に挙げられる。また、ポリアミック酸−ポリイミド共重合体としては、下記一般式(2)で表されるポリアミック酸−ポリイミド共重合体が好適に挙げられる。
Figure 0004285332
一般式(1)中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有機基を示す。一方、一般式(2)中、R3は4価の有機基を示し、R4は2価の有機基を示し、R5は4価の有機基を示し、R6は2価の有機基を示す。
ここで、2価の有機基R2、R4、R6は、対応するジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基構造として表される。また、4価の有機基R1、R3、R5は、対応するテトラカルボン酸化合物より4つのカルボニル基を除いたその残基として表される。
以下、ポリアミック酸、及びポリアミック酸−ポリイミド共重合体をより詳細に説明する。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを実質的に等モル量を有機極性溶媒中で重合反応させて得られる。また、ポリイミド−ポリアミック酸共重合体は、ポリアミック酸重合後、部分的にイミド化反応を行い合成される。
−テトラカルボン酸二無水物−
ポリアミック酸の製造に用いられ得るテトラカルボン酸二無水物としては、特に制限はなく、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も使用できる。
芳香族系テトラカルボン酸としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等を挙げることができる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、が最適に使用される。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
−ジアミン化合物−
次にポリアミック酸の製造に用いられ得るジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。
例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等を挙げることができる。
ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、が好ましい。
これらのジアミン化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
−テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との組み合わせ−
ポリアミック酸としては、好ましくは、成型体の強度の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族系ジアミンとからなるものが好ましい。
−合成溶媒−
このポリアミック酸の生成反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸及びポリアミック酸−ポリイミド共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。
−ポリアミック酸重合時の固形分濃度−
ポリアミック酸溶液の固形分濃度は特に規定されるものではないが、5〜50重量%が好ましく、さらに10〜30重量%が好ましい。固形分濃度が5重量%未満であるとポリアミック酸の重合度が低く、最終的に得られる成型体の強度が低下する。また、重合時の固形分濃度が、50重量%より高いと反応時に原料モノマーの不溶部が生じてしまい反応がほとんど進行し得ない。その結果、最終的に得られる成型体の強度が低下する。
−ポリアミック酸重合温度−
ポリアミック酸重合時の反応温度としては、0℃〜80℃の範囲で行われる。反応温度が0℃以下であると、溶液の粘度が高くなり、反応系の攪拌が十分に行うことができなくなるためである。また、反応温度が80℃より高くなると、ポリアミック酸の重合と平行して、一部イミド化反応が起こるため、反応制御の点で問題が生じる。
−イミド化反応−
ポリアミック酸−ポリイミド共重合体は、上記ポリアミック酸を加熱処理してイミド化する方法/又は脱水剤及び/又は触媒を作用させる化学的イミド化方法により、ポリアミック酸中のアミック酸基の一部を脱水閉環反応によってイミド基に転換して得られる。
加熱処理による方法における加熱温度は、通常60℃以上250℃以下とされ、好ましくは100℃以上200℃以下とされる。加熱温度が60℃未満では脱水閉環が十分に進行せず、加熱温度が200℃を超えると得られる重合体の分子量が小さいものになる。
一方、化学的イミド化方法は、ポリアミック酸溶液中に脱水剤及び/又は触媒を添加し化学的にイミド化反応を進行させる。脱水剤は、1価カルボン酸無水物であれば特に限定はされない。例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。
触媒としては、例えばピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
この化学的イミド化反応は、ポリアミック酸溶液中に脱水剤及び/又は触媒を添加し必要に応じて加熱することにより行われる。脱水閉環の反応温度は、通常0℃以上200℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下とされる。
部分的にイミド化されていれば、特に制限はないが、イミド化された構造と未反応のアミック酸構造との組成比は、0/100(モル/モル)〜80/20(モル/モル)であることが好ましい。イミド基とアミック酸基との組成比が、80/20(モル/モル)以上であると、ポリアミック酸−ポリイミド共重合体が不溶化する可能性がある。
ポリアミック酸−ポリイミド共重合体に、作用させた脱水剤及び/又は触媒は除去しなくとも良いが、溶液粘度の経時安定性を図るため以下の方法で除去しても良い。作用させた脱水剤及び/又は触媒を除去する方法としては、減圧加熱、又は再沈殿法を用いることができる。減圧加熱は、真空下80℃以上120℃以下の温度で行われ、触媒として使用される3級アミン、未反応の脱水剤及び加水分解されたカルボン酸を留去する。また、再沈殿法は、触媒、未反応の脱水剤及び加水分解されたカルボン酸を溶解させ、ポリアミック酸−ポリイミド共重合体は溶解させないような貧溶媒を用い、この貧溶媒の大過剰中に、反応液を加えることによって行われる。貧溶剤としては、特に制限はなく、水や、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトンのようなケトン系溶剤、ヘキサンなどのような炭化水素系溶剤、などが使用できる。析出するポリアミック酸−ポリイミド共重合体は、ろ別・乾燥後、再度γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に溶解させる。
(塗工溶媒)
塗工溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸及びポリアミック酸−ポリイミド共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。
塗工溶媒は、先のポリアミック酸合成時から使用しても、ポリアミック酸重合後に所定の溶媒に置換してもよい。溶媒の置換には、ポリアミック酸溶液に所定量の溶剤を添加して希釈する方法、ポリマーを再沈殿した後に所定溶媒中に再溶解させる方法、溶剤を徐々に留去しながら所定溶媒を添加して組成を調整する方法のいずれかでもよい。
(3級アミン)
3級アミンは、前述のようにイミド化反応の触媒と働くものであり、例えば、ピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができるが、中でもピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミンから選ばれる1種又は2種以上を好適に使用することができる。
(カルボン酸無水物) カルボン酸無水物は、前述のようにイミド化反応時の脱水剤として働き、イミド化反応を促進するものである。カルボン酸無水物としては、1価のカルボン酸無水物であれば特に限定はされず、無水酢酸、プロピオン酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、プロピオン酸無水物、ブタン酸無水物及びシュウ酸無水物などが挙げられ、これらの中でも無水酢酸が好適である。これらは、1種類又は2種類以上用いてもよい。
カルボン酸無水物の含有率は、ポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して0.1〜30重量部添加されうる。添加量が0.1重量部以下であるとイミド化促進効果を発現することができず、また、30重量部以上であるとポリアミック酸組成物の安定性を確保することができないためである。
(導電剤)
導電剤としては、電性もしくは半導電性の微粉末が使用でき、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、導特に制限はないが、ケッチエンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよい。本発明では、樹脂中への分散性がよいので、良好な分散安定性が得られ、半導電性ポリイミド無端ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中がおきずらくなる電気抵抗の経時での安定性より、pH5以下の酸化処理カーボンブラックを好ましくは添加することがよい。
−酸化処理カーボンブラック−
酸化処理カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して製造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触され、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低い温度下でオゾン酸化する方法などにより行うことができる。具体的には、酸化処理カーボンブラックは、コンタクト法により製造することができる。このコンタクト法としては、チャネル法、ガスブラック法等が挙げられる。また、酸化処理カーボンブラックは、ガス又はオイルを原料とするファーネスブラック法により製造することもできる。必要に応じて、これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行ってもよい。なお、酸性カーボンブラックは、コンタクト法で製造することができるが、密閉式のファーネス法によって製造するのが通常である。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整することができる。このためファーネス法製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブラックも、本発明に含まれるとみなす。
酸化処理カーボンブラックのpH値は、pH5.0以下であるが、好ましくはpH4.5以下であり、より好ましくはpH4.0以下である。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基が、あるので、樹脂中への分散性がよいので、良好な分散安定性が得られ、半導電性ポリイミド無端ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中がおきずらくなる
ここで、pHは、カーボンブラックの水性懸濁液を調整し、ガラス電極で測定することで求められる。また、酸性カーボンブラックのpHは、酸化処理工程での処理温度、処理時間等の条件によって、調整することができる。
酸化処理カーボンブラックは、その揮発成分が1〜25%、好ましくは2〜20%、より好ましくは、3.5〜15%含まれていることが好適である。揮発分が1%未満である場合には、表面に付着する酸素含有官能基の効果がなくなり、結着樹脂への分散性が低下することがある。一方、25%より高い場合には、結着樹脂に分散させる際に、分解してしまう、或いは、表面の酸素含有官能基に吸着された水などが多くなるなどによって、得られる成形品の外観が悪くなるなどの問題が生じることがある。従って、揮発分を上記範囲とすることで、結着樹脂中への分散をより良好とすることができる。この揮発分は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基等)の割合により求めることが出来る。
酸化処理カーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「プリンテックス150T」(pH4.5、揮発分10.0%)、同「スペシャルブラック350」(pH3.5、揮発分2.2%)、同「スペシャルブラック100」(pH3.3、揮発分2.2%)、同「スペシャルブラック250」(pH3.1、揮発分2.0%)、同「スペシャルブラック5」(pH3.0、揮発分15.0%)、同「スペシャルブラック4」(pH3.0、揮発分14.0%)、同「スペシャルブラック4A」(pH3.0、揮発分14.0%)、同「スペシャルブラック550」(pH2.8、揮発分2.5%)、同「スペシャルブラック6」(pH2.5、揮発分18.0%)、同「カラーブラックFW200」(pH2.5、揮発分20.0%)、同「カラーブラックFW2」(pH2.5、揮発分16.5%)、同「カラーブラックFW2V」(pH2.5、揮発分16.5%)、キャボット社製「MONARCH1000」(pH2.5、揮発分9.5%)、キャボット社製「MONARCH1300」(pH2.5、揮発分9.5%)、キャボット社製「MONARCH1400」(pH2.5、揮発分9.0%)、同「MOGUL−L」(pH2.5、揮発分5.0%)、同「REGAL400R」(pH4.0、揮発分3.5%)等が挙げられる。
−酸化処理カーボンブラックの添加量−
酸化処理カーボンブラックは、一般的なカーボンブラックに比べ、前述したように表面に存在する酸素含有官能基の効果により、樹脂組成物中への分散性がよいため、導電性微粉末としての添加量を高くすることが好ましい。これにより、半導電性ポリイミド無端ベルト中のカーボンブラックの量が多くなるため、上記電気抵抗値の面内バラツキを押えることができる等の酸化処理カーボンブラックを用いることの効果を最大限発揮することができる。
酸化処理カーボンブラックを10〜30重量%含有することにより、半導電性ポリイミド無端ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制するなど、酸化処理カーボンブラックの効果を発揮させている。この含有量が10重量%未満であると所望の抵抗値が得られ難くなる。一方、30重量%を超えると所望の抵抗値が得られ難くなり、電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる。さらに、酸化処理カーボンブラックを18〜30重量%含有させることにより、その効果を最大限発揮させることができ、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性を顕著に向上させることができる。
以上、ポリアミック酸組成物について説明したが,本発明はこれらの実施の態様のみについて限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で,当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
(その他特性)
本発明のポリイミド無端ベルトは、最大厚みと最小厚みの差が大きすぎるとシワ寄りの原因となる。ベルトのシワ寄りは、転写や定着を行った際に画質の低下を誘起するため、可能な限り低減する必要がある。この点から、ポリイミド無端ベルトの最大厚みと最小厚みの差は、ポリイミド無端ベルトの平均厚みの20%以下であることが望ましい。なお、「ベルトの厚み」とは、ベルトと5mm2以上の面積で接触した平板間の距離を測定する厚み計で測定できる厚みのことであり、ベルト表面に特異的に存在する幅50μm以下の突起物の高さを無視したものである。
本発明のポリイミド無端ベルトの厚さは、厚すぎると熱伝導度や抵抗値等の観点から好ましくなく、薄すぎるとその靭性が小さすぎるため好ましくない。従って、ベルトの用途を考慮すると、ベルトの厚みは10μm以上1000μm以下、好ましくは30μm以上150μm以下であることが望ましい。
本発明のポリイミド無端ベルトは、導電剤を含む場合、その体積抵抗率が106Ω・cm以上1012Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは、109Ω・cm以上1012Ω・cm以下である。この体積抵抗率が1×106ΩCm未満である場合には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されることがある。一方、前記体積抵抗率が1×1012Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写体表面が帯電するために除電機構が必要となることがある。従って、前記体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーの飛散や、除電機構を必要とする問題を解消することができる。
(ポリイミド無端ベルトの製造方法)
次に、本発明のポリイミド無端ベルトを成形する具体的方法について一例を示す。
まず、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を有機溶媒中で重合反応させて得られたポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸溶液をメタノールなどの貧溶媒中に添加してポリアミック酸を析出させ再沈殿精製する。析出したポリアミック酸ろ別した後、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒に再溶解させ、ポリアミック酸溶液を得る。
次に、ポリアミック酸溶液に、所定量の3級アミン、場合によっては無水カルボン酸を加えて攪拌溶解させ、ポリアミック酸組成物を得る。
次に、必要に応じて、この溶液にカーボンブラックなどの導電剤をポリアミック酸樹脂の乾燥重量100重量部に対して合計5重量部〜60重量部含有せしめる。
ここで、導電剤などの無機粉体を分散させ、その凝集体を壊砕する方法としては、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散などの物理的手法、さらには分散剤の導入などの化学的手法が例示されるが、これらに限定されるものではない。
次に、この溶液を金型の内面もしくは外面に塗布する。金型としては、円筒形金型が好ましく、金型の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、従来既知の様々な素材の成形型が、本発明に係る成形型として良好に動作し得る。また、成形型の表面にガラスコートやセラミックコートなどを設けること、また、シリコーン系やフッ素系の剥離剤を使用することも適宜選択されうる。更に、円筒金型に対するクリアランス調整がなされた膜厚制御用金型を、円筒金型に通し平行移動させることで、余分な溶液を排除し円筒金型上の溶液の厚みを均一にする。円筒金型上への溶液塗布の段階で、溶液の均一な厚み制御がなされていれば、特に膜厚制御用金型を用いなくてもよい。
次に、ポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布したこの円筒金型を、加熱環境に置き、含有溶媒の20重量%から60重量%以上を揮発させるための乾燥を行う。この際、溶媒は膜中に残留していても構わず、塗膜表面が乾燥し、傾けても流動しない状態であれば問題ない。
乾燥温度は、常圧下3級アミン沸点以下の温度、好ましくは3級アミンの沸点以下であり、かつ3級アミンの沸点より50℃低い温度値より高い温度で乾燥を行うことがよい。例えば、3級アミンとしてβ−ピコリンを使用した場合、その沸点は常圧下では144℃であるため、乾燥は、144℃以下の温度範囲で行う。また、β−ピコリンの沸点より50℃低い温度値(94℃)以上、144℃以下で乾燥処理を行うことが好ましい。
乾燥処理後、3級アミンの残留量は、初期添加量の40重量%以上であることが好ましい。残留量が、40重量%未満であると十分な触媒作用を行うことができないからである。乾燥後の膜中に残留している3級アミン量の定量は熱分解ガスクロマトグラフィー法で行われる。
更に、この金型を3級アミンの沸点以上の温度150℃〜200℃で加熱し、イミド転化反応を十分に進行させることがよい。イミド化の温度は、原料のテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類、又は添加される3級アミンによって、それぞれ異なるが、イミド化が完結する温度に設定しなければならない。イミド化が不充分であると、機械的特性及び電気的特性に劣るものとなることがある。
その後、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド無端ベルトを得ることができる。
ここで、従来のイミド転化反応は、できる限り残留する溶媒を除去するために200℃よりも高い温度で焼成を行っていたため、焼成後のポリイミド無端ベルト中に残留する溶媒量は初期添加量の5重量%以下であったが、例えば、200℃以下の温度でイミド転化反応を進行させ、前述の乾燥工程を経ることで、上記範囲に示すように、従来に比べ残留する3級アミン及び溶媒を多くしてイミド転化率を達成している。
以上、本発明のポリイミド無端ベルトの製造方法について説明したが、本発明はこれらの実施の態様のみに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
[本発明の画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、前記本発明のポリイミド無端ベルトを備える、電子写真方式などの画像形成装置である。
本発明の画像形成装置としては、例えば、像担持体、像担持体表面を帯電する帯電手段、像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表面に形成された潜像を現像剤にて現像し、トナー像を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を転写する転写手段、被転写材上のトナー像を定着する定着手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法で任意に備えた画像形成装置が挙げられる。このような構成の画像形成装置において、中間転写ベルトを利用した2次転写方式の転写手段や、定着ベルトを利用したベルト方式の定着手段のベルトとして、上記本発明のポリイミド無端ベルトが適用される。
このような本発明の画像形成装置の具体例について以下に図面を用いて説明する。図1は本発明の画像形成装置の具体例を示す模式断面図であり、図1中、1は画像形成装置、2は画像処理装置、3はROS(Rastor Output Scanning)、4は回転多面鏡、5はf・θレンズ、6は反射ミラー、7は感光体ドラム、8はスコロトロン(帯電器)、9は現像装置、10は転写前帯電器、11は中間転写ベルト、12は一次転写ロール、13は駆動ロール、14aは従動ロール、14bはテンションロール、15はバックアップロール、16は記録シート、17は二次転写ロール、18は給紙カセット、18aはフィードロール、19は中間転写ベルトクリーニングユニット、20は感光体クリーニングユニット、21は現像剤収納部、22は搬送ロール、23はレジストロール、24は搬送ベルト、25は定着ベルトを利用した定着装置、26は手差し給紙部、60は排出トレイを表す。
感光体ドラム7の周囲には時計周り方向(回転方向)に沿って、スコロトロン8、現像装置9、転写前帯電器10、中間転写ベルト11を介して対抗配置された一次転写ロール12(1次転写部)、感光体クリーニングユニット20が配置されている。スコロトロン8と現像装置9との間の感光体ドラム7表面には、回転多面鏡4、f・θレンズ4、反射ミラー6を備えたROS3から照射されるレーザー光により、画像情報に応じた潜像が形成可能である。現像装置9は、現像剤収納部21と連通しており、適宜、現像剤収納部21から現像剤の供給を受けることができる。
画像の形成に際しては、感光体ドラム7表面がスコロトロン8により帯電され、帯電された感光体ドラム7表面にROS3から照射されるレーザー光によって潜像が形成される。続いて、現像装置9により潜像が現像剤により現像されトナー像を得た後、中間転写ベルト11外周面に転写される。なお、転写後の感光体ドラム7表面に残留するトナーは感光体クリーニングユニット20により除去される。
感光体ドラム7の下側には、中間転写ベルト11と、この中間転写ベルト11を張架する為にその内周面に時計回り方向に配置された、一次転写ロール12と、駆動ロール13と、バックアップロール15と、従動ロール14aと、テンションロール14bと、を含む中間転写ユニットが設けられている。更に、中間転写ベルト11の外周面には、駆動ロール13に対して中間転写ベルト11を挟んで対向配置された中間転写ベルトクリーニングユニット19と、バックアップロール15に対して中間転写ベルト11を挟んで対向配置された二次転写ロール17と、が設けられている。
また、二次転写ロール17と中間転写ベルト11外周面との間(2次転写部)は、記録媒体が挿通可能である。この2次転写部への記録媒体の搬送・供給は、給紙カセット18内に収納された記録シート(記録媒体)16をフィードロール18a、搬送ロール22、レジストロール23を介して自動的に行うことができるが、給紙トレイ26からレジストロール23を介しても行うことができる。
なお、2次転写部のこれら2つの給紙手段が設けられた側と反対側(記録シート16が排出される側)には、トナー像が転写された記録シート16を搬送する搬送ベルト24と、搬送ベルト24により搬送された記録シート16を定着処理する定着装置25と、定着処理を得た後の画像が形成された記録シート16を機外へ排出する排出トレイ60とが設けられている。なお、定着装置25としては、ベルト・ベルト方式やベルト・ロール方式などの定着ベルトを利用した公知のベルトニップ方式の定着装置が適用される。
1次転写部で中間転写ベルト11外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト11が反時計周り方向に回転することにより2次転写部にまで搬送され、2次転写部にて、記録シート16上に転写される。トナー像が転写された記録シート16は、搬送ベルト24により定着装置25に搬送され、上述したようにトナー像が記録シート16表面に加熱定着され、画像が形成される。その後、画像が形成された後の記録シート16は排出トレイ60に排出される。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
(合成例1:ポリアミック酸溶液の調整)
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコ中に、五酸化リンによって乾燥した窒素ガスを通じ、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(0.1モル)とN−メチル−2−ピロリドン117.68gを注入した。十分攪拌・溶解した後、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル20.02g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン80.08gに溶解させた溶液を10℃に保持したフラスコ内に徐々に滴下した。ジアミン溶液滴下後10〜15℃にて攪拌・重合を行った。反応溶液を大量のメタノール中に注ぎ、再沈殿精製を行った。析出した白色ポリマーをろ別・乾燥した後、N−メチル−2−ピロリドンに再溶解させて20重量%ポリアミック酸溶液を得た。
(調整例1:ポリアミック酸組成物(A)の調整)
ポリアミック酸溶液200g中に、β−ピコリン(沸点144℃)4.0g(ポリアミック酸に対して10重量%)を加えて溶解させた後、ポリアミック酸組成物(A)を得た。
(調整例2:カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物液(a)の調整)
ポリアミック酸溶液200g中に、β−ピコリン4.0g(ポリアミック酸に対して10重量%)を加えて溶解させた後、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%)8.0gを添加して、ボールミルにて6時間で処理して、カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物(a)を得た。
(調整例3:ポリアミック酸組成物(B)の調整)
ポリアミック酸溶液200g中に、β−ピコリン(沸点144℃)4.0g(ポリアミック酸に対して10重量%)と、無水酢酸4.0g(ポリアミック酸に対して10重量部)を加えて溶解させた後、ポリアミック酸組成物(B)を得た。
(調整例4:カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物液(b)の調整)
ポリアミック酸溶液200g中に、β−ピコリン4.0g(ポリアミック酸に対して10重量%)と、無水酢酸4.0g(ポリアミック酸に対して10重量部)を加えて溶解させた後、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%)8.0gを添加して、ボールミルにて6時間で処理して、カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物(b)を得た。
(製造例1)
得られたポリアミック酸組成物(A)を、内径90mm、長さ450mmの円筒状SUS製金型表面に均一に塗布した。なお、この円筒状金型には、表面にフッ素系の離型剤を予め塗布することで、ベルト成形後の剥離性を向上させた。次に、金型を回転させながら、温度120℃の条件で、30分間乾燥処理を行った。乾燥後の膜の一部を長さ1cm、幅1cmに切り取り、日本電子(株)社製熱分解ガスクロマトグラフィーJMS−Automass20型により膜中に残存しているβ−ピコリン量を定量したところ、初期添加量に対して60重量%であった。
乾燥処理後、金型をオーブンに入れ、200℃、約30分焼成を行い、イミド化反応を進行させた。その後、金型を室温で放冷し、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド無端ベルトを得た。この焼成後の膜(ベルト)の一部を長さ1cm、幅1cmに切り取り、日本電子(株)社製熱分解ガスクロマトグラフィーJMS−Automass20型により膜中に残存しているβ−ピコリン量を定量したところ、初期添加量に対して2重量%であった。また、同様に、残存している溶媒量を定量したところ、初期添加量に対して6重量%であった。
得られたポリイミド無端ベルトのイミド化率、厚み測定及び体積抵抗値測定、引張り強度等の機械的特性を以下のように行った。
−イミド化率−
得られたポリイミド無端ベルトから試験片を切り出しFT−IR(堀場製作所製顕微FT−IR分光器FT−530)により測定を行った。400℃焼成品をイミド化率100%として、1776cm-1のイミド基に由来するカルボニル基の伸縮ピークと1500cm-1の芳香環の振動ピークとの比により求めた。
−ベルト厚み測定−
得られたポリイミド無端ベルトから、長さ10cm、幅10cmの試験片をランダムに10箇所切りだし、フィルム厚み計(TECLOCK CORPORATION製定圧厚さ測定器PG−02)を用いて、各試料で中心と四隅の5点の厚みを測定し、それらの平均値をベルト厚みとした。
−引張り強度−
引張り強度は、引張り試験機(アイコーエンジニアリング株式会社製1605N)にて測定した。打ち抜き成型機を使用して、長さ100mm、幅5mmの試験片を作製し、40mm長で引張り試験を行った。
−ベルト外観−
得られたベルトの外観を、目視観察し、以下のように評価を行った。
○:まったくボイドの発生が見られず、膜の均一性に優れる。
○〜△:ボイドの発生がやや見られるが、実用には問題ない。
△:ボイドの発生が見られ、実用にはやや支障がある。
×:ボイドが多発し、実用できない。
―表面状態の評価―
得られたポリイミド無端ベルトの表面状態を調べるため、表面粗さRaを測定した。この表面粗さRaの測定は、表面粗さ計サーフコム1400A(東京精密社製)を用いて、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLnを4mm、基準長さLを0.8mm、カットオフ値を0.8mmとした測定条件で行った。
その結果、製造例1で得たポリイミド無端ベルトのイミド化率はおよそ100%で、厚みは70±5μmであり、イミド化反応進行に見られるフィルムの膜厚ムラも抑えられ均一であった。また、ベルトは、イミド化反応がほぼ十分進行しているため、高い膜強度を得ている。定着ベルトとして好適な特性を示していた。
(製造例2〜8)
調整例1、3で調整したポリアミック酸組成物(A)、(B)を用いて、表1に示すように乾燥温度、焼成温度を変更して製造例1と同様にしてポリイミド無端ベルトを作製した。得られたポリイミド無端ベルトの特性等は表1に示す。いずれの条件で得られたベルトも、製造例1と同様の好適な特性を備えていることが確認された。
(製造例9〜16)
調整例2、4で作製したカーボンブラックを含むポリアミック酸組成物(a)を用いて製造例1にならって半導電性ポリイミド無端ベルトを作製した。得られた半導電性ポリイミド無端ベルトについて、製造条件とベルト特性を表2に、電子写真機搭載試験の結果を表3に示す。本条件で得られた半導電性ポリイミド無端ベルトは、力学特性、電気特性に優れ電子写真装置に搭載した際に中間転写ベルトとして好適な特性を備えていることが確認された。
−体積抵抗値−
得られたポリイミド無端ベルトから10×10cm2の試験片を切りだし、アドバンテック社製の超高抵抗測定装置(デジタル超高抵抗/微小電流計R8340A)でその体積抵抗値を測定した。
−電子写真機搭載試験−
得られたポリイミド無端ベルトを富士ゼロックス社製電子写真装置DocuCentreColor400CP中間転写ベルトして組み込み、初期複写画質の評価を行った。複写画質の評価項目として、印字ズレの有無、印字濃度ムラの有無、ゴーストの有無等を評価した。また、50000枚通紙テスト後の画質を同様に評価した。通紙試験中の紙詰まりや用紙の複数枚送りなどの装置トラブルの評価も行った。通紙試験の前後でのベルト長を測定し、実機使用でのベルト耐久性を評価比較した。これらの試験結果を表3に示す。
[比較例1]
(調整例5:ポリアミック酸組成物(X)の調整)
合成例1で得られたポリアミック酸溶液を、ポリアミック酸組成物(X)とした。
(調整例6:カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物液(x)の調整)
ポリアミック酸組成物(X)に、ポリアミック酸組成物(a)と同様に酸化処理カーボンブラックを添加、分散して、カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物(x)を得た。
(製造例17〜33)
ポリアミック酸組成物(A)、(B)、(X)ならびにカーボンブラック分散ポリアミック酸組成物液(a)、(b)、(x)を用い、表4、表5、及び表6に従ってポリイミド無端ベルトを製造した。ポリアミック酸組成物(A)、(B)、(X)を用いて作製されたベルトの特性を表4に、カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物液(a)、(b)、(x)を用いて作製された半導電性ポリイミド無端ベルトの特性を表5、表6に示す。
なお、未処理のカーボンブラックを使用した場合は、カーボンブラックが凝集してしまい塗膜を製造することができなかった。
Figure 0004285332
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上記の結果より、力学的特性、電気的特性を良化しつつ、膜品質をも向上させたポリイミド無端ベルトは、本発明にかかるもののみであった。このように、本発明のポリイミド無端ベルトは焼成時に低エネルギーで製造することが可能であり、消費エネルギー低減、環境負荷抑制に大きく貢献できることがわかる。また、本発明のポリイミド無端ベルトは、熱イミド化時に見られるボイドの発生等の欠陥が少なく、イミド化反応の面内ばらつきに起因するフィルムの不均一性が防止されることがわかる。
本発明の画像形成装置の具体例の一つを示す模式断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 画像処理装置
3 ROS
4 回転多面鏡
5 f・θレンズ
6 反射ミラー
7 感光体ドラム
8 スコロトロン
9 現像装置
10 転写前帯電器
11 中間転写ベルト
12 一次転写ロール
13 駆動ロール
14a 従動ロール
14b テンションロール
15 バックアップロール
16 記録シート
17 二次転写ロール
18 給紙カセット
18a フィードロール
19 中間転写ベルトクリーニングユニット
20 感光体クリーニングユニット
21 現像剤収納部
22 搬送ロール
23 レジストロール
24 搬送ベルト
25 定着装置

Claims (6)

  1. 少なくとも、ポリアミック酸構造を含むポリマーと3級アミンと溶媒とを含有するポリアミック酸組成物をイミド化して得られるポリイミド無端ベルトにおいて、
    3級アミンの初期添加量がポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して5〜100重量部、溶媒の初期添加量がポリアミック酸構造を含むポリマー100重量部に対して60〜95重量部であり、
    且つイミド化焼成後の3級アミンの残留量が初期添加量に対して1〜5重量%、残留溶媒量が初期添加量に対して5重量%以上であることを特徴とするポリイミド無端ベルト。
  2. 前記ポリアミック酸組成物にさらに無水カルボン酸を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリイミド無端ベルト。
  3. 前記ポリアミック酸組成物にさらに導電剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリイミド無端ベルト。
  4. 前記3級アミンが、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、及びトリエチルアミンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のポリイミド無端ベルト。
  5. 前記イミド化焼成後の3級アミンの残留量が初期添加量に対して2〜4重量%、前記残留溶媒量が初期添加量に対して6〜9重量%である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポリイミド無端ベルト。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のポリイミド無端ベルトを備えることを特徴とする画像形成装置。
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