JP3395269B2 - 低熱伝導率ポリイミドシロキサンフィルム - Google Patents

低熱伝導率ポリイミドシロキサンフィルム

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JP3395269B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は低熱伝導率ポリイミドシ
ロキサンフィルムに関する。更に詳しくは、高硬度であ
り、高耐熱性であり、かつ、基板との密着性に優れた、
低熱伝導率のポリイミドシロキサンフィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】ポリイミド系樹脂は耐熱性に優れると共
に機械的特性及び電気的特性にも優れているため電子機
器分野における保護材料、絶縁材料あるいは接着剤、フ
ィルムさらに構造材として広く用いられている。しか
し、用途によっては断熱性を高めるために低熱伝導率ポ
リイミドが望まれることがある。このような用途には原
料の一部であるジアミン成分を一般式(9) 【化6】 (ただし一般式(9)において、mは1〜100であ
る)。で示される両末端3−アミノプロピル基を有する
ジメチルシロキサンオリゴマ−で置換されたポリイミド
が使用されてきた(例えば、特開昭57−143328
号公報、特開昭58−7473号公報、特開昭58−1
3631号公報等)。しかしながら、このようなポリイ
ミド系樹脂は低熱伝導率ではあるが表面の硬度が低下す
ると共に耐熱性も300℃前後まで低下するため用途が
限定される欠点がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、種々検
討した結果、特定の構造のポリイミドシロキサンを用い
ることにより、表面の硬度及び耐熱性を低下させること
なく、低熱伝導率ポリイミドシロキサンフィルムを得る
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。以上の記
述から明らかなように、本発明の目的はこのような従来
技術の問題点を解決することであり、表面の硬度及び耐
熱性を低下させることなく、低熱伝導率ポリイミドシロ
キサンフィルムを提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明のポリイミドシロ
キサンフィルムは下記一般式(1) 【化7】 で表される3種類の反復単位を有する架橋性共重合体か
らなる。{ただし、一般式(1)においてR1 は独立に
4価の有機基であり、R2 は独立に2個〜30個の炭素
原子を有する2価の有機基であり、R3 は独立に下記一
般式(2)、(3)、(4)または(5)(ただし、こ
こにsは1〜4の整数を表す)で示され、R4 及びR5
は独立に炭素数1〜7の有機基であり、nは0≦n≦5
0であり、p、q及びrは正整数であり、かつ式
(6)、(7)及び(8)を満たす範囲の値を取る} 【0005】 【化8】【化9】 【化10】 【化11】 【数4】 【数5】 【数6】 【0006】本発明のポリイミドシロキサンフィルムは
下記一般式(10) 【化12】 で示されるシリコン含有ポリアミド酸と下記一般式(1
1) 【化13】 で示されるポリオルガノシロキサンの混合物、若しくは
それらの反応生成物の有機溶媒溶液を基板に塗布した
後、200〜500℃の温度で加熱することにより得る
ことができる(ただし、一般式(10)及び(11)に
おいてR6 は炭素数1〜6のアルキル基であり、R1
2 、R3 、R4 、R5 、n、p、q及びrは記述の通
り)。 【0007】本発明で用いられるシリコン含有ポリアミ
ド酸はテトラカルボン酸二無水物、ジアミン及び下記一
般式(12) 【化14】 で示されるアミノシランを常法に従い反応させることに
より得られる(ただし、R3 、R6 は既述の通り)。 【0008】上記シリコン含有ポリアミド酸を得るため
に用いられるテトラカルボン酸二無水物の具体例として
次の化合物を挙げることができるが、必ずしもこれらに
限定されるものではない。芳香族テトラカルボン酸二無
水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス−
(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、
ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無
水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス−(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)ヘキサフロロプロパン二無水物等、脂環式テトラ
カルボン酸二無水物としては、シクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸
二無水物等、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として
は、1,2,3,4−テトラカルボキシブタン二無水物
等、公知の化合物を挙げることができる。 【0009】本発明で用いられるジアミンの具体例とし
て次の化合物を挙げることができるが、必ずしもこれら
に限定されるものではない。芳香族ジアミンとしては
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジ
アミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−
ジ(メタアミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,
4’−ジ(パラアミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、ベンジジン、3,3’−
ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、4,4’−ジアミノジフェニル−2,2−プロ
パン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノ
ナフタレン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ビフェニル、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニルヘキサフロロプロパン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,
3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルジフェニルメタン、1,4−ジアミノトルエン、
メタキシリレンジアミン、2,2’−ジメチルベンジジ
ン等、脂肪族ジアミンとしては、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、2,11−ドデカンジアミン等、シリコン系ジアミ
ンとしては、ビス(パラアミノフェノキシ)ジメチルシ
ラン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリ
ル)ベンゼン等、脂環式ジアミンとしては1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタン、イソフォロンジアミン等、グアナミン類と
してはアセトグアナミン、ベンゾグアナミン等を挙げる
ことができる。以上示したもの以外の公知のジアミンを
も使用することができる。 【0010】本発明で用いられるアミノシランの具体例
と次の化合物を挙げることができるが必ずしもこれらに
限定されるものではない。アミノメチル−ジ−n−プロ
ポキシ−メチルシラン、(β−アミノエチル)−ジ−n
−プロポキシ−メチルシラン、(β−アミノエチル)−
ジエトキシ−フェニルシラン、(β−アミノエチル)−
トリ−n−プロポキシシラン、(β−アミノエチル)−
ジメトキシ−メチルシラン、(γ−アミノプロピル)−
ジプロポキシ−メチルシラン、(γ−アミノプロピル)
−ジ−n−ブトキシ−メチルシラン、(γ−アミノプロ
ピル)−トリエトキシシラン、(γ−アミノプロピル)
−ジ−n−ペントキシ−フェニルシラン、(γ−アミノ
プロピル)−ジメトキシ−n−プロポキシラン、(δ−
アミノブチル)−ジメトキシ−メチルシラン、(3−ア
ミノフェニル)−トリ−n−プロポキシシラン、(4−
アミノフェニル)−トリ−n−プロポキシ、{β−(4
−アミノフェニル)エチル}−ジエトキシ−メチルシラ
ン、{β−(3−アミノフェニル)エチル}−ジ−n−
プロポキシ−フェニルシラン、{γ−(4−アミノフェ
ニル)プロピル}−ジ−n−プロポキシ−メチルシラ
ン、{γ−(4−アミノフェノキシ)プロピル}−ジ−
n−プロポキシ−メチルシラン、{γ−(3−アミノフ
ェノキシ)プロピル}−ジ−n−ブトキシ−メチルシラ
ン、{γ−(3−アミノフェノキシ}−ジメチル−メト
キシシラン、(γ−アミノプロピル)−メチル−ジエト
キシシラン、(γ−アミノプロピル)エチル−ジ−n−
プロポキシシラン、(4−アミノフェニル)−トリメト
キシシラン、(3−アミノフェニル)−トリメトキシシ
ラン、(4−アミノフェニル)−メチル−ジメトキシ−
シラン、(3−アミノフェニル)−ジメチルメキシシラ
ン、(4−アミノフェニル)−トリエトキシシラン、
{3−(トリエトキシシリル)プロピル}尿素等、公知
の化合物を挙げることができる。 【0011】本発明においてシリコン含有ポリアミド酸
を合成する際の好ましい溶媒の具体例として以下の化合
物を例示することができる。N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿
素、ピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルホ
ルムアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、2−メト
キシエタノ−ル、2−エトキシエタノ−ル、2−ブトキ
シエタノ−ル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テ
ル、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、ジエチ
レングリコ−ルモノブチルエ−テル、シクロペンタノ
ン、メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、クレ
ゾ−ル、γ−ブチロラクト−ン、イソホロン、N,N−
ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、テトラヒ
ドロフラン、N−メチル−ε−カプロラクタム、テトラ
ヒドラチオフェンジオキシド{スルフォラン(sulp
holane)}。 【0012】本発明で使用されるシリコン含有ポリアミ
ド酸は前記有機溶媒中でAモルのテトラカルボン酸二無
水物、Bモルのジアミン及びCモルのアミノシランを下
記式(13)及び(14) 【数7】 【数8】 を満たす範囲で、常温近くの温度で混合することにより
シリコン含有ポリアミド酸を得ることができる。 【0013】次ぎに一般式(11) 【化15】 で示されるポリオルガノシロキサンの製造法について述
べる。ポリオルガノシロキサンは下記一般式(15)及
び(16) 【化16】 【化17】 で示される加水分解性基を常法に従い有機溶媒中で酸触
媒の存在下で加水分解を行うことにより容易に得ること
ができる。{ただし、式(15)及び(16)において
Xは塩素原子またはOR6 を表し、R4 、R5 及びR6
は前述のとおりである}。 【0014】加水分解を行うにあたって、一般式(1
5) 【化18】 で示されるトリアルコキシシランの加水分解反応を最初
に行った後、一般式(16) 【化19】で示されるジアルコキシシランの加水分解反応を行う
(もちろんこの逆の順番でも良い)ことができる。。こ
のような方法ではいわゆるブロック共重合体が得られ
る。あるいは両者を同時に混合して加水分解反応を行う
ことも可能である。このような場合にはいわゆるランダ
ム共重合体が得られる。 【0015】上記の反応液中の溶媒、水分などを蒸発乾
燥することにより、低分子量のポリオルガノシロキサン
が得られるが、これをそのまま次の反応に使用すること
ができる。また必要により、このポリマ−をメチルイソ
ブチルケトン、あるいはキシレン等の有機溶媒に溶解さ
せた後、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ性化
合物か、またはジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱
水剤を添加して、加熱反応を行うことにより、より高分
子量のポリマ−を得ることができるが、このようなポリ
マ−をも次の反応に使用することができる。 【0016】このようにして得られたシリコン含有ポリ
アミド酸とポリオルガノシロキサンを式(6)、(7)
及び(8) 【数9】 【数10】 【数11】 を満たすように混合し、前記シリコン含有ポリアミド酸
の溶媒か、あるいはそれ以外の溶媒に溶解させた溶液を
そのまま塗布液として用いることができる。更に、必要
によりこの溶液を、30〜150℃に数時間加熱するこ
とにより前記両ポリマーの末端同士を反応させ、より高
分子量のポリマーを含む塗布液を得ることができる。 【0017】この塗布液をスピンコ−ト、浸漬、印刷、
ディスペンスあるいはロ−ルコ−タ−など公知の方法に
よりシリコンウエハ−、金属板、プラスチック板、ある
いはガラス板等の基板上に塗布した後、電気炉、ホット
プレ−トあるいは赤外線ヒ−タ−などの公知の加熱手段
を用い、200〜500℃、好ましくは300〜400
℃の温度で数分〜数十時間、好ましくは0.5〜3時間
加熱を行うことにより、一般式(1) 【化20】 で示される本発明の低熱伝導率ポリイミドシロキサンフ
ィルムを得ることができる。 【0018】上式での第1項のポリイミド部の反復単位
によりフィルムの機械的強度、耐熱性の維持等を図ると
共に、第2項のシロキサン部の反復単位により硬度の向
上を図り、第3項のシロキサン部の反復単位により熱伝
導率の低下を達成したものである。更に、イミド基及び
シロキサン基を有するために多種類の基材に対して良好
な密着性を有するのである。また第3項のシロキサン部
の反復単位は連鎖状に接続すると耐熱性の低下を来す恐
れがあり、好ましくは1また2個の単位でポリマ−構造
中に分散して組み込まれた方が好ましい。これらの反復
単位の比率は記述の範囲に保つことにより上記特性を有
する本発明のポリイミドシロキサンフィルムを得ること
ができる。 【0019】このようにして得られた本発明のポリイミ
ドシロキサンフィルムは高硬度であり、高耐熱性であ
り、基板に対する密着性に優れると共に、低熱伝導率で
あるため、その応用分野として、電子機器、通信機器、
重電機器、輸送用機器の部品類が考えられる。更に詳し
くは、半導体用の各種保護膜、平坦化膜、バッファ−コ
−ト材、絶縁膜、液晶配向膜、カラ−フィルタ−の基
材、その保護膜、サ−マルヘッドの部品、補強剤が考え
られるが、低熱伝導率であることから、断熱材としての
用途としても考えられる。 【0020】以下、実施例及び比較例によって、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
よって限定されるものではない。 【0021】シリコン含有ポリアミド酸及びポリオルガ
ノシロキサンよりなる塗布液の合成を以下の通り行っ
た。 【0022】(合成例1)フェニルトリエトキシシラン
を29.9グラム(0.125モル)、エタノ−ルを1
00グラム、水を27グラム及び酢酸を1グラム混合
し、撹拌しながら10℃で20時間反応した。更に、1
8.4グラム(0.125モル)のジメチルジエトキシ
シランを2時間で滴下し、更に10時間反応を行った。
この溶液を蒸発器に移し、40℃で2時間減圧乾燥する
ことによりポリオルガノシロキサンを得た。次にN−メ
チル−2−ピロリドンを200グラム添加して溶解させ
た。この溶液に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物を15.95グラム(0.04
95モル)、4,4’−ジアミノジフェニルを8.67
グラム(0.0434モル)及び4−アミノフェニルト
リメトキシシラン(以下APMSと略記する)を2.3
7グラム(0.0111モル)を添加して、撹拌しなが
ら20℃で5時間反応を行いシリコン含有ポリアミド酸
を合成した。 【0023】(合成例2)メチルトリメトキシシランを
6.80グラム(0.0500モル)、エタノ−ルを1
00グラム、水を12グラム及び酢酸を0.5グラム混
合し、撹拌しながら20℃で3時間反応した。更に、
3.00グラム(0.0250モル)のジメチルジメト
キシシランを2時間で滴下し、更に3時間反応を行っ
た。この溶液を蒸発器に移し、40℃で2時間減圧乾燥
することによりポリオルガノシロキサンを得た。次に
N,N−ジメチルアセトアミドを100グラム添加して
溶解させた。この溶液にピロメリット酸二無水物を8.
41グラム(0.0386モル)、4,4’−ビス(4
−アミノフェノキシ)スルホンを11.11グラム
(0.0257モル)及びAPMSを5.48グラム
(0.0257モル)を添加して、撹拌しながら20℃
で5時間反応を行いシリコン含有ポリアミド酸を合成し
た。 【0024】(合成例3)フェニルトリメトキシシラン
を59.4グラム(0.300モル)、エタノ−ルを2
00グラム、水を15グラム及び酢酸を1.0グラム混
合し、撹拌しながら35℃で5時間反応した。更に、
7.20グラム(0.060モル)のジメチルジメトキ
シシランを3時間で滴下し、更に3時間反応を行った。
この溶液を蒸発器に移し、40℃で2時間減圧乾燥する
ことによりポリオルガノシロキサンを得た。次にNMP
100g添加して溶解させた。この溶液に3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を1
6.41グラム(0.0558モル)、p−フェニレン
ジアミンを5.02グラム(0.0465モル)及びA
PMSを3.57グラム(0.0168モル)を添加し
て、撹拌しながら20℃で5時間反応を行いシリコン含
有ポリアミド酸を合成した。 【0025】(合成例4)水を300グラム、キシレン
を300グラム及びトリエチルアミンを40グラム混合
して撹拌しながら0℃に保つ。この溶液に32.8グラ
ム(0.220モル)のメチルトリクロロシランを2時
間で滴下し、更に2時間反応する。次に、23.2グラ
ム(0.180モル)のジメチルジクロロシランを2時
間で滴下し、更に5時間反応する。反応混合物は分液ロ
−トに移し、水層を濾別する。更に、水を300グラム
添加し反応液を洗浄する。水層が中性になるまでこの操
作を繰り返す。その後、この溶液を蒸発器に移し、40
℃で2時間減圧乾燥することによりポリオルガノシロキ
サンを得た。次にNMP60グラム及びアニソ−ル40
グラム添加して溶解させた。この溶液にヘキサフロロイ
ソプロピリデン−2,2−ビス(フタル酸無水物)6.
96グラム(0.0157モル)、2,2−ビス{4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフロロプロ
パンを7.58グラム(0.0146モル)及び3−ア
ミノプロピルトリエトキシシランを0.462グラム
(0.00209モル)を添加して、撹拌しながら20
℃で5時間反応を行いシリコン含有ポリアミド酸を合成
した。 【0026】(比較合成例1)合成例1のうちポリオル
ガノシロキサン部分を合成することなく、同量のNMP
中で同じ原料を用いて、シリコン含有ポリアミド酸を合
成した。 【0027】(比較合成例2)ジエチレングリコ−ルジ
メチルエ−テル中で3,3’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物を12.53グラム(0.039モ
ル)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを6.2
0グラム(0.0250モル)及び一般式(9)で示さ
れるジアミノシロキサン(M=8.60)を混合し、3
0℃で10時間反応を行いポリアミド酸を合成した。
尚、合成例1〜4及び比較合成例1〜2について、式
(6)、(7)及び(8)におけるp/(p+q+
r)、q/(p+q+r)及びr/(p+q+r)の値
を表1に示した。 【0028】 【表1】 【0029】(実施例1〜4)、(比較例1〜2) 合成例1〜4及び比較合成例1〜8で合成したポリマ−
溶液を基板に塗布した後、100℃で1時間、200℃
で30分、400℃で1時間焼成(ただし、比較例−2
は耐熱性が不十分なために最終焼成を350℃、1時間
とした)してフィルムを作成し、その各々を実施例1〜
4及び比較例1〜2とした。 【0030】実施例及び比較例で得たフィルムについ
て、耐熱性、硬度、熱伝導率及び密着性について評価を
した。これらの結果は表2に示した。また実施例1で得
られたフィルムの赤外線吸収スペクトル(日本分光
(株)製FT/IR−7000により測定した)を図1
に示した。 【0031】 【表2】 【0032】 【図1】 【0033】耐熱性:セイコ−電子工業(株)製熱分析
装置(TG/DTA 220)により昇温速度10℃/
分で測定し、重量が3%減少した時の温度で示した。硬度(鉛筆硬度 ):ガラス板上に塗布した膜厚1.5μ
mのフィルムについてJISK−5400により測定し
た。熱伝導率 :真空理工(株)製TC−7000を用いて、
レ−ザ−フラッシュ法により測定した。密着性 :セラミック基板上に塗布した膜厚1.5μmの
フィルムについて、切り目を入れて、一辺1mmの正方
形の小片を100個作り、その表面にセロハンテ−プを
貼り付けて直ちにはがした。その時セロハンテ−プと共
に硬化膜のはがれがある時を×とし、ない時を○とし
た。 【0034】 【発明の効果】本発明のポリイミドシロキサンフィルム
はポリイミド本来の耐熱性を低下させることなく低熱伝
導率であり、高硬度であり、かつ基板との密着性に優れ
る等その実用的な効果は大である。
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例1で得られた赤外線吸収スペクトル

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】で表わされる3種類の反復単位を有する架橋性共重合体
    からなる低熱伝導率ポリイミドシロキサンフィルム{た
    だし、一般式(1)においてR1は独立に4価の有機基
    であり、R2は独立に2〜30個の炭素原子を有する2
    価の有機基であり、R3は独立に下記一般式(2)、
    (3)、(4)または(5)(ただし、ここにsは1〜
    4の整数を表わす)で示され、R4及びR5は独立に炭素
    数1〜7の有機基であり、nは0≦n≦50であり、
    p、q及びrは正整数であり、かつ式(6)、(7)及
    び(8)を満たす範囲の値をとる}。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【数1】 【数2】 【数3】
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