JP2628322B2 - シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体及びその製造法 - Google Patents

シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体及びその製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体及びそ
の製造法に関する。
〔従来の技術〕
ポリイミド樹脂は有機高分子化合物としては最高水準
の耐熱性と低熱膨脹率等の特性を有しているがこれらの
特性も無機化合物に比較すれば見劣りするものである。
この表面硬度及び耐摩耗性等を改良するために無機物
を充填する等の手段により無機物に近付ける努力がなさ
れる場合がある。しかしこの様な場合無機物とポリイミ
ド樹脂との界面での破壊が問題となり必ずしも好ましい
ものではない。
一方無機物の場合シリカを例にとれば耐熱性は勿論、
低熱膨脹率及び高硬度等の実用上好ましい特性を有して
いるが脆く、また加工成形が困難である等の欠点のた
め、その用途が制約される。そこで加工成形性を賦与す
るためにけい素の結合手の一部をアルキル基に置き換え
た化合物が各種合成されている。これらは例えばポリジ
メチルシロキサン等の様にそれなりの成功を収めている
が耐熱性が著しく低下したり、熱膨脹率が著しく増大し
たり硬度が著しく低下する等の欠点を有している。
そこでポリイミドとシリコン化合物を化学的に結合さ
せる努力が既に多く報告されている(例えば特開昭57−
143328号公報、特開昭58−7473号公報又は特開昭58−13
631号公報等)。これらはポリイミドの原料であるジア
ミン成分の一部をジアミンで両末端停止したポリジシロ
キサンで置き換えたものである。
特公昭58−32162号公報では両末端反応性シリコン化
合物で停止したポリアミド酸と両末端水酸基を有するポ
リジシロキサンを混合して加熱することによりシロキサ
ン基含有架橋ポリイミドが提案されている。
さらにシリカ膜を形成する方法として例えばアルコキ
シシラン又はアセトキシシランの反応性シランを焼成す
る方法が提案されている(例えば特公昭52−16488号公
報、特公昭52−20825号公報、特開昭55−34258号公報、
特開昭61−250032号公報、米国特許4408009号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の特開昭57−143328号公報、特開昭58−7473号公
報、特開昭58−13631号公報に記載のものは、ポリジメ
チルシロキサン等と同様、耐熱性が著しく低下したり、
熱膨脹率が著しく増大したり、硬度が著しく低下する等
の欠点を依然として有している。
特公昭58−32162号公報に記載のものは、無機化合物
との親和性には優れているが、熱膨脹率の低い材料は得
られない。
また前記アルコキシシラン又はアセトキシシランの反
応性シランを焼成する方法では、この方法で合成された
膜は非常に脆く、またせいぜい数千オングストロームの
薄膜しか得られない。
このように従来の技術には種々の問題点があり、無機
材料と有機材料の中間を埋める材料の開発が要望されて
いた。
本発明の目的は、塗布などの皮膜の形成に適切な粘性
を有し、該皮膜の焼成により、耐熱性にすぐれ、硬く、
低熱膨脹率の強靭な皮膜で、しかも強力な接着力を有す
る皮膜を形成するシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体
とその製造法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は前記従来技術の問題点を解決すべく鋭意
研究を行なつた結果、本発明に到達した。すなわち、本
発明は、下記一般式(I)で表わされる構造を主成分と
し、溶媒中30±0.01℃で濃度0.5g/dlで測定された対数
粘度数が0.05〜5dl/gであるシリコン含有可溶性ポリイ
ミド前駆体及びその製造法である。
〔ここにLは独立に下記の式(II)、(III)及び(I
V) のいずれかの構成単位を表わし、式(II)、(III)及
び(IV)に於いてR1はピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,
3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ス
ルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラカルボン
酸二無水物若しくは2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボ
ン酸二無水物と4価の残基を表し、(I)式に於いてR2
は4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、4,4′−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,
4′−ジ(メタ−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジ(パラ−アミノフェノキシ)ジフェニル
スルホン、オルト−フェニレンジアミン、メタ−フェニ
レンジアミン、パラ−フェニレンジアミン、ベンジジ
ン、2,2′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ
ベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニル−2,2′−
プロパン、1,5−ジアミノナフタリン、1,8−ジアミノナ
フタリン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタ
メチレンジアミン、2,11−ドデカンジアミン、ビス(p
−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,4−ビス(3
−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、o−キシリレンジアミン、m−
キシリレンジアミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナ
ミンのジアミン残基、次式(V)で表わされるポリシロ
キサン基、 {ここにR5は独立に−(CH2または であり(ただしsは1〜4の整数を示す。)、R6は独立
に炭素数1〜6のアルキル基、フエニル基または炭素数
7〜12個のアルキル置換フエニル基を表わし、lは1≦
l≦100の値をとる。} または で表される基であり、 (ただし、rは0または1である。)、R3は−(CH2
−、 であり(ただしここにsは1〜4の整数を表わす。)、
R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フエニル基また
は炭素数7〜12個のアルキル置換フエニル基を表わし、
kは0≦k≦3であり、mは0≦m≦3であり、k+m
≧1であり、nは1以上の整数であり、p及びqは正の
整数であり、かつ次式(XII)を満足する数である。
0.03≦q/(n+1)p≦33 ……(XII) また前記対数粘度数とは次式で表わされる〔ηinh〕
である。
(ここにηはウベローデ粘度計を使用し溶媒中、温度30
±0.01℃;濃度0.5g/dlで測定した値であり、ηは同
粘度計を使用し同温度における同溶媒の測定値であり、
Cは濃度0.5g/dlである。)〕 前記一般式(I)でR2(ただしrは0又は1)であり、R3が独立に で表わされる基であることが好ましく、またk=3、m
=3であ8う場合が好ましい。
この一般式(I)で表わされる構造を主成分とし上記
対数粘度数を有するシリコン含有可溶性ポリイミド前駆
体は、下記一般式(VI)で表わされる酸無水物またはそ
のジエステルaモルと、一般式(VII)で表わされる化
合物bモルと、一般式(VIII)式及び(VIII′)で表わ
される化合物cモルと、一般式(IX)で表わされる化合
物dモルとを下記式(X)及び式(XI)の範囲の混合比
のもとで70〜87.2重量%の溶媒の存在下、前記5種の化
合物を混合し、0〜200℃の温度で0.2〜20時間反応を行
なつた後、又は前四者(一般式(VI)〜(VIII′)で表
わされる化合物を任意の順序で混合し、0〜200℃の温
度で0.2〜10時間反応を行ない、後者(一般式(IX)で
表わされる化合物)を添加した後、0〜0.221(mc+4
d)モルの酸及び0〜2.34{mc+4d−(2b+c)}モル
の水添加し、50〜200℃で0.2〜30時間反応を行なうこと
により製造することができる。
NH2−R2−NH2 ……(VII) NH2−R3−SiR4 3-kX1 k ……(VIII) NH2−R3−SiR4 3-mX1 m ……(VIII′) SiX2 4 ……(IX) 〔ここにL、R2、R3、R4、k、m、n、p及びqは上記
のものと同じ意味であり、X1及びX2は独立にアルコキシ
基、アセトキシ基、ハロゲン又は水酸基である。〕 一般式(VI)で表わされるテトラカルボン酸二無水物
及びそのジエステルとして次の化合物を挙げることがで
きる。
ピロメリツト酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフエ
ノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾ
フエノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベ
ンゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフエニル)−エーテル二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフエニル)−スルホン二無水物、1,2,
5,6−ナフタリンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−
ナフタリンテトラカルボン酸二無水物及びそれらとアル
コールとのジエステル等。
また一般式(VII)で表わされるジアミンの具体例と
しては次の化合物を挙げることができる。
4,4−ジアミノジフエニルエーテル、4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタン、4,4′−ジアミノジフエニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、4,4′−ジ
アミノジフエニルチオエーテル、4,4′−ジ(メタ−ア
ミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、4,4′−ジ(パ
ラ−アミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、オルト−
フエニレンジアミン、メタ−フエニレンジアミン、パラ
−フエニレンジアミン、ベンジジン、2,2′−ジアミノ
ベンゾフエノン、4,4′−ジアミノベンゾフエノン、4,
4′−ジアミノジフエニル−2,2′−プロパン、1,5−ジ
アミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン等の芳香
族ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプ
タメチレンジアミン、2,11−ドデカンジアミン等の脂肪
族ジアミン、ビス(p−アミノフエノキシ)ジメチルシ
ラン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリ
ル)ベンゼン等シリコン系ジアミン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン等の脂環式ジアミン、o−キシリレンジア
ミン、m−キシリレンジアミン等のアミノアルキル置換
芳香族化合物、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等
のグアナミン類。また式(V)で表わされる基の両末端
にアミノ基の付いたジアミノポリシロキサンとして次の
化合物を挙げることができる。
次に一般式(VIII)及び(VIII′)で表わされるアミ
ノシリコン化合物としては次の化合物を挙げることがで
きる。
NH2−(CH2−Si(OCH3、 NH2−(CH2−Si(OC2H5、 NH2−(CH2−Si(CH3)(OCH3、 NH2−(CH2−Si(CH3)(OC2H5、 NH2−(CH2−Si(C2H5)(OC3H7、 NH2−(CH2−Si(OCH3、 NH2−(CH2−Si(OC2H5、 NH2−(CH2−Si(CH3)(OC2H5 また一般式(IX)で表わされるシリコン化合物として
は次の化合物を挙げることができる。
Si(OCH3、Si(OC2H5、Si(OC3H7、Si
(OC4H9、Si(OC6H13、Si(OCOCH3、Si(O
CH3(OC2H5、Si(OC3H5(OH)、SiCl
4等。
本発明方法において上記の原料化合物を溶媒中で反応
させるための好ましい溶媒(以下反応溶媒と言うことが
ある)としてN−メチルピロリドン、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキ
サメチルホスホンアミド、メチルホルムアミド、N−ア
セチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル等の1種又は2種以上を使用でき、また上
記溶媒を30重量%以上含有する他の溶媒との混合溶媒と
しても用いることができる。
次に反応方法について説明する。
式(VI)で示されるテトラカルボン酸二無水物または
そのジエステルaモル、式(VII)で示されるジアミン
bモル、式(VII)及び(VIII′)で示されるアミノシ
リコン化合物cモル及び式(IX)で示されるシリコン化
合物dモルとを反応溶媒中で反応させる。
この場合式(VI)、(VII)、(VIII)及び(VII
I′)の化合物で反応を行なうことにより、反応性基で
あるX1をその末端に有するポリアミツク酸(又はポリイ
ミド)が得られる。これら4種の原料の添加順序は如何
なる順序でも良いが式(VI)と式(VII)の化合物の反
応を行なつた後式(VIII)及び(VIII′)の化合物を添
加した方がより高分子量のポリマーが得られる。反応は
0〜200℃の温度で0.2〜20時間行なうことができる。反
応温度が高いほどポリマー中のイミド基の比率がアミド
酸のそれに比して大になり、またX1の一部も加水分解
し、シロキサン縮合によりより高分子量化する場合もあ
る。あるいは少量の無水酢酸及び又はピリジン、イソキ
ノリン、イミダゾール類等の三級アミンを添加する等の
公知の方法で生成したポリアミド酸のアミド基の一部又
は全部を常温前後の温度でイミド基に変換することがで
きる。この第一段階の反応に於いてもし支障がなければ
予め式(IX)の化合物を添加しておいてもよい。
この反応混合物に式(IX)で示されるシリコン化合物
dモルを添加した後、酸及び/又は少量の水を必要によ
り添加し、50〜200℃で0.2〜30時間反応を行なう。この
際添加する酸及び水はシロキサン縮合反応を促進するた
めの公知の手段である。
前記酸としては、鉱酸、有機酸、酸性イオン交換樹脂
及び担体に無機酸を担持させた固体酸性物質を例示する
ことができる。
前記鉱酸としては塩酸、硫酸及び硝酸が好ましい。前
記有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シユウ
酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、クロル酢酸、フ
ルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸
等を用いることができる。前記酸性イオン交換樹脂とし
ては、スルホン酸系の強酸性カチオン交換樹脂及び超強
酸性カチオン樹脂で、例えば商品名ダイヤイオン−SKIB
−H、ダイヤイオン−PK−228−H、アンバーライト−I
R−120B、アンバーライト−118、アンバーライト−11
2、アンバーライト−122、アンバーライト−124、アン
バーライト−200C、ナフイオン−H等が好ましい。前記
担体に無機酸を担持させた触媒としては、シリカ、アル
ミナ−シリカ、ジルコニア及び活性炭に硫酸又はりん酸
を担持させたもの等が使用できる。
酸の添加量としては前記表現で1/10(mc+4d)モル以
下が好ましく、またこれ以上存在しても構わない。添加
する水の量は{(mc+4d)−(2b+c)}モル以下でも
よいが、これ以上存在した方が反応速度は早くなる。
式(X)は式(VI)で示される酸無水物と式(VII)
並びに式(VIII)及び(VIII′)で示されるアミン類と
でイミドを形成する場合のほぼ等量関係を表わしてお
り、また式(X)はその下限未満ではポリイミドに近付
き、上限を超える場合はシリコン化合物に近付き本発明
の化合物の特徴が軽減される。
反応溶媒はこれと添加した原料との合計量基準で70重
量%以上使用するのがよい。これ以下では反応途中で液
がゲル化し、流動性を失なう場合があり好ましくない。
このようにして対数粘度数が0.05〜5dl/gの適度の分
子量の本発明のシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体
(以下前駆体と略することもある。)を得ることができ
る。上記対数粘度数が0.05未満の場合塗膜性が不十分で
あり5を超えるものは合成することが困難であつた。
本発明方法により得られるシリコン含有可溶性ポリイ
ミド前駆体は基本的な構造は式(I)で表わされるが一
部未反応の あるいは が存在する。そのため本発明の前駆体を焼成することに
よりシロキサン縮合反応を進行させ、分子間架橋により
硬化、不溶化する。このようにして本発明の前駆体から
固体構造体を得ることができる。
式(I)に於けるp、qについてq/pが大になるにつ
れて得られた構造体はイミドの特性を弱めシリコン号物
の特性を強める。q/p及びA又はmが大になり、かつn
が小になるほど無機物(シリカ)の特性を強める。従つ
て熱膨脹係数の低下及び硬度の上昇が著しくなる。従つ
てq/pは0.03〜33が好ましい。またR2(ただしrは0又は1)のとき得られた前駆体は特に溶
媒に対して溶解性の優れたものである。
次に本発明で得られる前駆体の使用方法について説明
する。本発明によつて製造した前駆体は殆んどの場合、
ワニス等の如く溶媒に溶解した溶液の状態で使用される
から、本発明方法で得られる溶液を濃縮または溶媒で稀
釈して使用するのが良い。溶媒としては反応溶媒と同じ
ものを使用することができる。本発明で得られた前駆体
の溶液から成形品を形成させる方法としては公知のどの
様な方法で行つてもよく、例えばガラス板、銅板、アル
ミニウム板などに前駆体溶液を流した後、加熱すること
により溶媒を除去すると共に、シロキサン結合による架
橋が進行し硬くて強靭な皮膜が形成される。積層された
複合材料を形成させるためにはこの様な操作を逐次行な
うことにより可能であるが、ワニスを接着剤として複数
の異質素材間に塗り焼成することにより積層された複合
材料を得ることができる。フイラーあるいはガラス繊維
等にワニスを含浸させ焼成硬化させることにより強化皮
膜を用いた積層材料を形成せしめることもまた可能であ
る。焼成条件は使用する溶媒、塗膜の厚さ等により異な
るが、50〜500℃、好ましくは200〜400℃、0.5〜2時間
位で十分である。
本発明の前駆体から得られた硬化物は耐熱性、機械的
特性、電気的特性及び接着性に優れているためガラス、
セラミツク、シリコンウエハー及び各種金属酸化物等の
各種コーテイング剤、液晶配向膜、接着剤あるいはガラ
ス繊維等の無機繊維に含浸させた後、焼成することによ
り得られる構造体等の用途が考えられる。
〔実施例、比較例及び使用試験〕
以下、実施例、比較例及び使用試験によつて本発明を
更に具体的に説明するが本発明はこの実施例によつて限
定されるものでないことは勿論である。
実施例1 かくはん装置、滴下漏斗、温度計、コンデンサーおよ
び窒素置換装置を付した1のフラスコ内を窒素ガスに
より置換した後、脱水精製した500gのエチルカルビトー
ル及び2.52g(0.0101モル)の3,3′−ジアミノジフエニ
ルスルホン(以下「DDS」と略記する。)を投入しかく
はん下均一溶液にした。この溶液を30〜35℃に保ちつつ
6.54g(0.0203モル)の3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテ
トラカルボン酸二無水物(以下「BTDA」と略記する。)
を添加し5時間反応を行なつた後4.33g(0.0203モル)
のアミノフエニルトリメトキシシラン(以下「APMS」と
略記する。)(メタ体/パラ体=46/54)を添加し150℃
に昇温し3時間反応を行なつた。その後42.28g(0.203
モル)のテトラエトキシシラン、5gの酢酸及び35gの水
を添加し60℃で18時間反応を行なつた。この時点で溶液
中からは未反応のテトラエトキシシランは検出されなく
なつた。得られた本発明のシリコン含有可溶性ポリイミ
ド前駆体は赤褐色透明液であり、その対数粘度数は0.15
dl/gであり、赤外線吸収スペクトルを第1図に示した。
これによると前記前駆体はイミド基を多量に含み、アミ
ツク酸は殆ど含んでいなかつた。
実施例2 実施例1と同様の装置及び方法で、26.31g(0.0608モ
ル)のビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
スルホン(以下「BAPS」と略記する。)を500gのエチル
カルビトール中に投入した後、22.39g(0.0695モル)の
BTDAを添加し30℃で6時間、さらに3.34g(0.0157モ
ル)のAPMS(メタ体/パラ体=46/54)を添加し2時間
反応を行なつた。その後36.20g(0.174モル)のテトラ
エトキシシラン、6.5gの酢酸及び6gの水を添加し60℃で
20時間反応を行なつた。この時点で未反応のテトラエト
キシシランは検出されなくなつた。得られた本発明のシ
リコン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数粘度数は0.32
dl/gであり、赤外線吸収スペクトルによるとこの前駆体
は多量のアミツク酸を含みイミド基を殆ど含んでいなか
つた。
実施例3 実施例1と同様の装置及び方法で、250gのN−メチル
−2−ピロリドン及び250gの2−メトキシエタノールの
混合溶媒中に31.74g(0.143モル)の3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(以下「APS−E」と略記す
る。)10.91g(0.0717モル)のテトラメトキシシラン及
び14.35g(0.0716モル)の4,4′−ジアミノフエニルエ
ーテル(以下「DDE」と略記する。)を投入し溶解させ
均一溶液を調製した。この溶液を25℃に保ちつつ31.27g
(0.143モル)のピロメリット酸二無水物を投入し2時
間反応を行なつた後、60℃で6時間反応を行なつた。そ
の後5.5gの酢酸及び4gの水を添加し80℃で4時間反応を
行なつた。この時点で未反応のテトラメトキシシランは
溶液中からはもはや検出されなかつた。得られた本発明
のシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数粘度数は
0.082dl/gであり、赤外線吸収スペクトルによるとこの
前駆体はアミツク酸を多量に含み、イミド基を殆ど含ん
でいなかつた。
実施例4 実施例1と同様の装置及び方法で、300gのN−メチル
−2−ピロリドン及び200gの2−メトキシメタノールの
混合溶媒中に16.28g(0.0813モル)のDDEを溶解させ、
これに38.81g(0.108モル)のビス(3,4−ジカルボキシ
フエニル)−スルホン二無水物(以下「DSDA」と略記す
る。)を添加し20℃で5時間反応を行なつた後11.41g
(0.0596モル)の3−アミノプロピルメチルジエトキシ
シランを添加し90℃で2時間反応を行なつた。この溶液
に1.65g(0.0108モル)のテトラメトキシシラン、2.5g
の濃塩酸及び3gの水を添加し、50℃で10時間反応を行な
つた。この時点でテトラメトキシシランは検出されなく
なつた。得られた本発明のシリコン含有可溶性ポリイミ
ド前駆体の対数粘度数は0.20dl/gであり、赤外線吸収ス
ペクトルによると前記前駆体にはアミツク酸とイミド基
とが共存していた。
実施例5 実施例1と同様の装置及び方法で、500gのメチルカル
ビトール中に2.57g(0.0104モル)のDDS及び5.28g(0.0
238モル)のAPS−Eを添加し、これに7.69g(0.0239モ
ル)のBTDAを添加し、160℃で12時間反応を行なつた。
さらに72.65g(0.477モル)のテトラメトキシシラン、1
2gの酢酸及び25gの水を添加し、75℃で12時間反応を行
なつた。この時点でテトラメトキシシランは検出されな
くなつた。得られた本発明のシリコン含有可溶性ポリイ
ミド前駆体の対数粘度数は0.27dl/gであり、赤外線吸収
スペクトルによると前記前駆体は多量のイミド基を含
み、アミツク酸を殆ど含んでいなかつた。
実施例6 実施例1と同様の装置及び方法で、500gの2−エトキ
シエタノール中に17.98g(0.0502モル)のDSDAを添加し
135℃で5時間還流させ酸無水物のエステル化を行なつ
た。この溶液に10.86g(0.0251モル)のBAPS及び7.65g
(0.0427モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンを添加し135℃で6時間還流させた。この溶液を冷却
し、70℃に保つたまま38.22g(0.251モル)のテトラメ
トキシシラン、15gの酢酸及び40gの水を添加し、70℃で
12時間反応を行なつた。この時点で未反応のトリメトキ
シシランは検出されなくなつた。得られた本発明のシリ
コン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数粘度数は0.77dl
/gであり、赤外線吸収スペクトルによると前記前駆体は
多量のイミド基を含みアミツク酸を殆ど含んでいなかつ
た。
実施例7 実施例1と同様の装置及び方法で500gのエチルカルビ
トール中に14.41g(0.0490モル)の3,3′,4,4′−ビフ
エニルテトラカルボン酸二無水物及び15.78g(0.0490モ
ル)のBTDAを添加し、150℃で3時間反応を行ない酸無
水物のエステル化を行なつた。これに14.59gのDDS及び2
1.69g(0.0980モル)のAPS−Eを添加し、150℃で5時
間反応を行なつた。この溶液を60℃に冷却し14.91g(0.
0980モル)のテトラメトキシシラン、4gの酢酸及び3gの
水を添加し21時間反応を行つた。この時点で未反応のテ
トラメトキシシランが検出されなくなつた。得られた本
発明のシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数粘度
数は1.30dl/gであり、赤外線吸収スペクトルによると前
記前駆体は多量のポリイミド基を含み、アミツク酸を殆
ど含んでいなかつた。
実施例8 実施例4に於いて濃塩酸を添加しないで二段目の反応
を22時間行なつた。この時点で反応液から未反応のテト
ラメトキシシランは検出されなくなつた。得られた本発
明のシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数粘度数
は0.023dl/gであり、赤外線吸収スペクトルによると前
記前駆体にはアミツク酸とイミド基が共存していた。
実施例9 実施例4に於いて水を添加しないで二段目の反応を16
時間行なつた。この時点で反応液から未反応のテトラメ
トキシシランは検出されなくなつた。得られた本発明の
シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数粘度数は0.
021dl/gであり、赤外線吸収スペクトルによると前記前
駆体にはアミツク酸とイミド基とが共存していた。
実施例10 実施例4に於いて濃塩酸及び水を添加しないで二段目
の反応を28時間行なつた。この時点で反応液から未反応
のテトラメトキシシランは検出されなくなつた。得られ
た本発明のシリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の対数
粘度数は0.024dl/gであり、赤外線吸収スペクトルによ
ると前記前駆体にはアミツク酸とイミド基とが共存して
いた。
比較例1 実施例1と同様の装置及び方法で55.56g(0.267モ
ル)のテトラエトキシシラン、60gの水及び5.5gの酢酸
を500gのメチルカルビトール中に添加し、80℃で18時間
反応を行なつた。この時点で反応液から未反応のテトラ
エトキシシランは検出されず、無色透明のテトラエトキ
シシランオリゴマーが得られた。
比較例2 実施例1と同様の装置及び方法で500gのエチルカルビ
トール柱に44.61g(0.103モル)のBAPSを添加し溶解さ
せた。この溶液を25℃に保ちつつ37.98g(0.118モル)
のBTDAを添加し5時間反応を行なつた後、5.56g(0.026
5モル)のAPMSを添加しさらに2時間反応を行なうこと
によりポリアミツク酸の溶液を得た。
なお参考のため実施例1〜10及び比較例1〜2で使用
した原料の量a、b、c、dモル並びに 及びd/aの値を第1表に示した。
使用試験1 実施例1〜10及び比較例1〜2で合成した各ワニスを
ガラス板上に塗布し、電気炉中で300℃、1時間焼成す
ることによりガラス板上に膜厚1.5μの皮膜を形成せし
めた。それらの塗膜性、表面硬度及び耐熱性として高温
に熱したときの重量減を測定した結果を第2表に示し
た。
尚、第2表において、表面硬度とはJIS K 5400で測定
した鉛筆硬度を表わす。塗膜性は上記焼成により形成し
た皮膜を見視により判断し、(1)該皮膜がガラス板全
面にほぼ均一の厚みで形成されていること、(2)膜表
面が滑らかであること、及び(3)クラツクの発生がな
いこと、をもつて「良好」とした。重量減は、真空理工
(株)製熱天秤TGD5000を使用して常温より10℃/分の
昇温速度で700℃まで昇温したときの重量減を「減量
(%)」として表わした。
〔発明の効果〕 本発明の前駆体は適度な対数粘度数を有しているので
その溶液の粘性は適度であつて塗布は良好に行なうこと
ができる。また塗布膜などの焼成によりシロキサン縮合
反応が進行し、分子間結合により硬くて強靭な皮膜が形
成されるとともにガラス、セラミツク、シリコンウエハ
ー及び各種金属酸化物等に対して強力な接着作用を示
す。しかも熱膨脹係数を無機化合物の近くまで低下させ
ることが可能なため無機化合物との積層材料として好ま
しい。さらに無機化合物の欠点である脆さを改善してい
るため表面コーテイング剤としてより厚膜の形成が可能
であると同時にポリイミド等の有機膜に比較して高硬度
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた本発明のシリコン含有可溶
性ポリイミド前駆体の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表される構造からな
    り、溶媒中30±0.01℃で濃度0.5g/dlで測定された対数
    粘度数が0.05〜5dl/gであるシリコン含有可溶性ポリイ
    ミド前駆体。 [ここにLは独立に下記の式(II)、(III)及び(I
    V) の何れかの構成単位を表し、(II)、(III)及び(I
    V)式に於いてR1はピロメリット酸二無水物、3,3′,4,
    4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
    3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
    4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
    4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
    3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
    2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
    物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無
    水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二
    無水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラカルボン酸二無水
    物若しくは2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸二無
    水物と4価の残基を表し、 (I)式に於いてR2は4,4′−ジアミノジフェニルエー
    テル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジア
    ミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニ
    ルチオエーテル、4,4′−ジ(メタ−アミノフェノキ
    シ)ジフェニルスルホン、4,4′−ジ(パラ−アミノフ
    ェノキシ)ジフェニルスルホン、オルト−フェニレンジ
    アミン、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレン
    ジアミン、ベンジジン、2,2′−ジアミノベンゾフェノ
    ン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ
    ジフェニル−2,2′−プロパン、1,5−ジアミノナフタリ
    ン、1,8−ジアミノナフタリン、トリメチレンジアミ
    ン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
    ン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ド
    デカンジアミン、ビス(p−アミノフェノキシ)ジメチ
    ルシラン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシ
    リル)ベンゼン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、o−
    キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、アセト
    グアナミン、ベンゾグアナミンのジアミン残基、次式
    (V)で表されるポリシロキサン基、 {ここにR5は独立に−(CH2−、 であり(ただしsは1〜4の整数を示す。)、R6は独立
    に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7
    〜12のアルキル置換フェニル基を表し、ιは1≦ι≦10
    0の値をとる。}、または で表される基であり、 (ただし、rは0または1である。)、 R3は−(CH2−、 または であり(ただし、ここにsは1〜4の整数を表す。)、
    R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は
    炭素数7〜12のアルキル置換フェニル基を表し、kは0
    ≦k≦3の整数であり、mは0≦m≦3の整数であり、
    k+m≧1であり、nは1以上の整数であり、p及びq
    は正の整数であり、かつ次式(XII)を満足する数であ
    る。 0.03≦q/(n+1)p≦33 ……(XII) 又前記対数粘度数とは次式で表される[ηinh]であ
    る。 (ここにηはウベローデ粘度計を使用し溶媒中、温度30
    ±0.01℃;濃度0.5g/dlで測定した値であり、ηは同
    粘度計を使用し、同温度における同溶媒の測定値であ
    り、Cは濃度0.5g/dlである。)]。
  2. 【請求項2】前記R2(ただしrは0又は1)であり、R3は独立に で表される基であることを特徴とする第(1)項記載の
    シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体。
  3. 【請求項3】前記kがk=3であり、mがm=3である
    ことを特徴とする第(1)項又は第(2)項記載のシリ
    コン含有可溶性ポリイミド前駆体。
  4. 【請求項4】下記一般式(VI)で表される酸無水物又は
    そのジエステルaモル、一般式(VII)で表される化合
    物bモル、一般式(VIII)及び(VIII′)で表される化
    合物cモル一般式(IX)で表される化合物dモルを下記
    式(X)及び(XI)の範囲の混合比のもとで70〜87.2重
    量%の溶媒の存在下、前記5種の化合物を混合し、0〜
    200℃の温度で0.2〜20時間反応を行った後、又は前四者
    (一般式(VI)〜(VIII′)で表される化合物)を任意
    の順序で混合し、0〜200℃の温度で0.2〜10時間反応を
    行い、後者(一般式(IX)で表される化合物)を添加し
    た後、0〜0.221(mc+4d)モルの酸及び0〜2.34{mc
    +4d−(2b+c)}モルの水を添加し、50〜200℃で0.2
    〜30時間反応を行うことを特徴とする対数粘度数が0.05
    〜5dl/gで一般式(I)で表される構造から成るシリコ
    ン含有可溶性ポリイミド前駆体の製造法。 NH2−R2−NH2 ……(VII) [ここにLは独立に下記の式(II)、(III)及び(I
    V) の何れかの構成単位を表し、(II)、(III)及び(I
    V)式に於いてR1はピロメリット酸二無水物、3,3′,4,
    4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
    3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
    4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,
    4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
    3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
    2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
    物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無
    水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二
    無水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラカルボン酸二無水
    物若しくは2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸二無
    水物の4価の残基を表し、 (I)式に於いてR2は4,4′−ジアミノフェニルエーテ
    ル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミ
    ノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニル
    チオエーテル、4,4′−ジ(メタ−アミノフェノキシ)
    ジフェニルスルホン、4,4′−ジ(パラ−アミノフェノ
    キシ)ジフェニルスルホン、オルト−フェニレンジアミ
    ン、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレンジア
    ミン、ベンジジン、2,2′−ジアミノベンゾフェノン、
    4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフ
    ェニル−2,2′−プロパン、1,5−ジアミノナフタリン、
    1,8−ジアミノナフタリン、トリメチレンジアミン、テ
    トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4
    −ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ドデカンジ
    アミン、ビス(p−アミノフェノキシ)ジメチルシラ
    ン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)
    ベンゼン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、o−キシリ
    レンジアミン、m−キシリレンジアミン、アセトグアナ
    ミン、ベンゾグアナミンのジアミン残基、次式(V)で
    表されるポリシロキサン基、 {ここにR5は独立に−(CH2 であり(ただしsは1〜4の整数を示す。)、R6は独立
    に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7
    〜12のアルキル置換フェニル基を表し、ιは1≦ι≦10
    0の値をとる。)、または で表される基であり、 (ただし、rは0または1である。)、 R3は−(CH2または であり(ただし、ここにsは1〜4の整数を表す。)、 R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は
    炭素数7〜12のアルキル置換フェニル基を表し、kは0
    ≦k≦3の整数であり、mは0≦m≦3の整数であり、
    k+m≧1であり、nは1以上の整数であり、p及びq
    は正の整数であり、かつ次式(XII)を満足する数であ
    る。 0.03≦q/(n+1)p≦33 ……(XII) X1及びX2は独立にメトキシ基、エトキシ基、プロピルオ
    キシ基、アセトキシ基、ハロゲン又は水酸基である。 又前記対数粘度数とは次式で表される[ηinh]であ
    る。 (ここにηはウベローデ粘度計を使用し溶媒中、温度30
    ±0.01℃;濃度0.5g/dlで測定した値であり、ηは同粘
    度計を使用し、同温度における同溶媒の測定値であり、
    Cは濃度0.5g/dlである。)]。
  5. 【請求項5】前記R2(ただしrは0又は1)であり、R3は独立に で表される基であることを特徴とする第(4)項記載の
    シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の製造法。
  6. 【請求項6】前記kがk=3であり、mがm=3である
    ことを特徴とする第(4)項若しくは第(5)項記載の
    シリコン含有可溶性ポリイミド前駆体の製造法。
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