JPH0791378B2 - 架橋シリコン含有ポリイミドの製造法 - Google Patents

架橋シリコン含有ポリイミドの製造法

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JPH0791378B2
JPH0791378B2 JP2273786A JP2273786A JPH0791378B2 JP H0791378 B2 JPH0791378 B2 JP H0791378B2 JP 2273786 A JP2273786 A JP 2273786A JP 2273786 A JP2273786 A JP 2273786A JP H0791378 B2 JPH0791378 B2 JP H0791378B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は架橋シリコン含有ポリイミドの製造法に関す
る。
〔従来の技術と問題点〕
従来、ポリイミド樹脂は電子機器分野における保護材
料、絶縁材料、接着材として或はフイルム、構造材とし
て主に耐熱性の面から広く用いられている。
そして耐熱性フイルム、コーテイング剤或は接着剤とし
て他の無機材料と複合させ使用する方法もしばしば用い
られている。この場合無機材料がガラス等の含けい素化
合物の場合にはその接着性を改良する手段としてシリコ
ン化合物との共重合体が多く提案されている。例えば、
特開昭57−143328号、特開昭58−7473号及び特開昭58−
13631号には原料であるジアミン成分の一部をジアミン
で両末端を停止したポリシロキサンで置き換えて得られ
るポリイミド前駆体を使用してポリイミド−シロキサン
共重合体とする技術が提案されている。しかしながらこ
の場合、或る程度の接着性の改善は見られるのに引き換
え、共重合体のシロキサン含量の増加と共に重合度が小
さくなつて塗膜形成能が低下するという問題点があつ
た。
また特公昭58−18372号、特公昭58−32162号及び特公昭
58−32163号にはテトラカルボン酸二無水物等の適当な
カルボン酸誘導体とジアミンとを反応させて酸無水物等
の末端基を有するポリアミドカルボン酸を生成せしめた
後、このポリアミドカルボン酸1モルに対して少なくと
も2モルのアミノシリコン化合物を−20℃ないし+50℃
で反応させることによつてけい素を含有するポリアミド
カルボン酸プレポリマーを得、このプレポリマーをイミ
ド化しないままか、イミド化するにしても脱水剤の存在
下の隠和な条件下(低温好ましくは50℃以下、とりわけ
−20℃ないし+25℃)で化学的に環化(イミド化)し
て、有機けい素変性ポリイミド前駆体を得、この前駆体
を溶液状態シランジオールまたはシロキサンジオールの
存在下または不存在下で加熱(焼成)してイミド化の完
成と共に架橋せしめてポリイミドシロキサンとする技術
が開示されている。しかし、この方法ではけい素化合物
に対する接着性はある程度改善されててはいるが、例え
ばアルミニウムに対する接着性は不十分である。また接
着対象に対してポリマー溶液を塗布し焼成を行なうこと
により皮膜を形成せしめ、さらに必要によりその皮膜の
上に同一のポリマー溶液を塗布し焼成を行なうことによ
り皮膜上にさらに皮膜を形成するという積層皮膜を形成
せしめるという場合が実用上しばしば行なわれる(この
ような接着性を以後本明細書において「皮膜間の接着
性」と称することがある。)が、このような場合の接着
性は不満足であつた。
さらに特開昭57−212230号ではポリアミド酸又はポリア
ミド−アミド酸99.9〜70.0重量%と特定の有機けい素化
合物0.1〜30.0重量%とからなる重合体組成物を加熱せ
しめてなるポリイミド系樹脂成形物について開示されて
いる。しかしながらこの場合もけい素化合物に対する接
着性の改善はある程度認められるが、上記皮膜間の接着
性は満足すべきものではなかつた。
上記の如く従来の技術には種々の問題点があり、従つて
接着剤あるいは多層積層複合材料用の樹脂としてある程
度の耐熱性を有し、無機物、金属又は樹脂相互間の接着
性の良いポリイミド樹脂の開発が要望されていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記従来技術の問題点を解決して上記要望を満
たすための手段であつて、下記の式(1)で表わされる
テトラカルボン酸二無水物Aモル、式(2)で表わされ
るジアミンBモル、式(3)で表わされるアミノシリコ
ン化合物Cモルを式(4)及び式(5)の関係を存在せ
しめ反応を行なうことにより、溶媒中温度30±0.01℃、
濃度0.5重量%で測定された対数粘度数が0.05〜5dl/gで
あるシリコン含有ポリアミド酸を含む溶液を50〜450℃
で焼成することにより溶媒を蒸発させるとともに架橋さ
せることを特徴とする架橋シリコン含有ポリアミドを製
造する方法を要旨とするものである。
NH2−R2−NH2 ・・・(2) NH2−R3−▲SiR4 3-kXk▼ ・・・(3) [式(1)〜(3)に於いてR1は4価の炭素環式芳香族
基を表わし、R2は炭素数2〜12個の脂肪族基、炭素数4
〜30個の脂環式基、炭素数6〜30個の芳香脂肪族基、炭
素数6〜30個の炭素環式芳香族基、次式(6)で表わさ
れるポリシロキサン基、または式 で表わされる基であり、R3は−(CH2s−、 であり(ただしここにsは1〜4の整数を表わす。)、
R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フエニル基また
は炭素数7〜12個のアルキル置換フエニル基を表わし、
Xは独立にアルコキシ基、アセトキシ基またはハロゲン
を表わし、kは1≦k≦3の値をとる。
{ここにR5は独立に−(CH2s−、 であり(ただしsは1〜4の整数を示す。)、R6は独立
に炭素数1〜6のアルキル基、フエニル基または炭素数
7〜12個のアルキル置換フエニル基を表わし、lは1≦
l≦100の値をとる。}] 本発明方法におけるシリコン含有ポリアミド酸の生成反
応においてポリアミド酸の末端にアミノシリコン化合物
の付加した下記式(8)及び(9)あるいはアミノシリ
コン化合物を含まない式(10)等を主成分とするポリマ
ー及びオリゴマーが得られると考えられる。
{式(8)〜(9)に於いてR1,R2,R3,R4及びXは既
述の通りであり、m1,m2及びm3は0又は正整数であ
る。} このようにして得られるシリコン含有ポリアミド酸の平
均分子量の適量範囲は前記一定条件下での対数粘度数測
定値が0.05〜5dl/gであり、適当な溶媒に可溶である。
本発明において前記対数粘度数(ηinh)とは、前記測
定条件により定義された通りのものであるが、更に詳述
すれば (ここにηはウベローデ粘度計を使用し、重合溶媒と同
一組成の溶媒中の濃度0.5重量%のものを温度30±0.01
℃で測定した値であり、η0はウベローデ粘度計を使用
し、同温度における同溶媒の測定値であり、Cは濃度0.
5g/dlである。) で示される。
本発明の原料について説明する。
式(1)で表わされるテトラカルボン酸二無水物として
次の化合物を挙げることができる。
ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフ
エノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)−エーテル二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフエニル)−スルホン二無水物、1,2,5,
6−ナフタリンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタリンテトラカルボン酸二無水物等。
また式(2)で表わされるジアミンの具体例としては次
の化合物を挙げることができる。
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,4′−ジアミノ
ジフエニルメタレ、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフエニルスルフイド、4,4′−ジ
アミノジフエニルチオエーテル、4,4′−ジ(メタ−ア
ミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、4,4′−ジ(パ
ラ−アミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、オルト−
フエニレンジアミン、メタ−フエニレンジアミン、パラ
−フエニレンジアミン、ベンジジン、2,2′−ジアミノ
ベンゾフエノン、4,4′−ジアミノベンゾフエノン、4,
4′−ジアミノジフエニル−2,2′−プロパン、1,5−ジ
アミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン等の芳香
族ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプ
タメチレンジアミン、2,11−ドデカンジアミン等の脂肪
族ジアミン、ビス(p−アミノフエノキシ)ジメチルシ
ラン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリ
ル)ベンゼン等シリコン系ジアミン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン等の脂環式ジアミン、o−キシリレンジア
ミン、m−キシリレンジアミン等のアミノアルキル置換
芳香族化合物、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等
のグアナミン類、また式(6)で表わされる基の両末端
にアミノ基の付いたジアミノポリシロキサンとして次の
化合物を挙げることができる。
次に式(3)で表わされるアミノシリコン化合物として
は次の化合物を挙げることができる。
NH2−(CH23−Si(OCH33、 NH2−(CH23−Si(OC2H53、 NH2−(CH23−Si(CH3)(OCH32、 NH2−(CH23−Si(CH3)(OC2H52、 NH2−(CH23−Si(C2H5)(On−C3H72、 NH2−(CH24−Si(OCH33、 NH2−(CH24−Si(OC2H53、 NH2−(CH24−Si(CH3)(OC2H52 式(3)で示される化合物のうち一般式 (ここにR7は独立にメチル基又はエチル基を表わす。) で表わされるアミノシラン化合物が好ましい。この化合
物を使用したときは、得られたシリコン含有ポリアミド
酸を含む塗布液から焼成して得られる塗膜は耐熱性がす
ぐれ、かつ著しく硬度のすぐれたものとなるからであ
る。
本発明方法において上記の原料化合物を溶媒中で反応さ
せるための好ましい溶媒(以下反応溶媒と言うことがあ
る)として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメ
チルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルホ
ルムアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、トルエ
ン、キシレン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリ
コールブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の1種または2
種以上を使用でき、また上記溶媒を30重量%以上含有す
る他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。
次に本発明におけるシリコン含有ポリアミド酸の生成反
応方法について説明する。式(1)で示されるテトラカ
ルボン酸二無水物Aモルと式(2)で示されるジアミン
Bモル及び式(3)で示されるアミノシリコン化合物C
モルとを反応溶媒中で反応させる。このときA,B及びC
はそれらの間に式(4)及び式(5)の関係が存在する
ように定める。
すなわち、C/(A−B)が1以下の場合には酸分が必要
以上に過剰になり、反応により得られたシリコン含有ポ
リアミド酸から形成された塗膜はしばしばその表面が平
滑でなくその実用上の価値を減じ、またけい素化合物に
対する接着性を減ずる場合があり好ましくない。一方C/
(A−B)が1.8を越える場合、反応により得られたシ
リコン含有ポリアミド酸から形成された塗膜はアルミニ
ウム板及び皮膜間等の接着性が低下し好ましくない。
C/(B+C)が0.1未満ではSi総数が少なくなる場合が
あり、前記反応により得られたシリコン含有ポリアミド
酸から焼成により形成された塗膜のけい素及びけい素化
合物に対する接着性が低下する場合があるので好ましく
ない。
反応溶媒はこれと添加した原料との合計量基準で40重量
%以上使用するのがよい。これ以下では攪拌操作が困難
である場合がある。
反応は0℃以上60℃以下で行うのがよい。
反応時間は0.2〜20時間反応せしめるのがよい。
反応原料の反応系への添加順序に関しては、テトラカル
ボン酸二無水物とジアミン及びアミノシリコン化合物と
の全部を同時に反応溶媒に加えて反応せしめてもよく、
前二者をあらかじめ反応せしめた後、その反応生成物に
アミノシリコン化合物を反応せしめることもできる。ア
ミノシリコン化合物の添加を最後にした場合にはより高
分子量のポリマーが得られやすい。
反応は比較的速やかに進行し、均一で透明な反応液が生
成する。このようにして0.05〜5dl/gという適度な対数
粘度数、従つて適度な分子量を有して溶媒に可溶性のシ
リコン含有ポリアミド酸が得られる。
対数粘度数が0.05dl/g未満の場合は塗布液の塗布状態が
良好でなく、従つてまた塗膜形成が充分でなく、5dl/g
を超える場合には溶解困難又は不溶性となつて実用に供
し難い。
原料間の反応では前記式(8)、(9)及び(10)で示
される化合物が主生成物として得られると考えられる。
これを塗布対象に塗布し焼成することによりポリアミド
カルボン酸は脱水環化し、イミド結合を形成すると同時
に分子末端の加水分解性基であるXは加水分解後縮合反
応により高分子量化し強靱な塗膜を形成する。ポリアミ
ド酸末端に存在する酸無水物は生成する水又は大気中の
水分と反応しカルボン酸になると考えられる。このよう
にして生成したカルボン酸及びポリマー中のSiが前記式
(4)及び式(5)で規定される範囲に存在するとき初
めてけい素化合物、金属、その他無機化合物及び皮膜間
の接着等多種類の基材との接着性に優れるシリコン含有
ポリアミド酸が得られる。
次に前記反応で得られるシリコン含有ポリアミド酸の架
橋硬化方法について説明する。
原料間の反応によつて製造したシリコン含有ポリアミド
酸は殆んど場合、ワニス等の如く溶媒に溶解した溶液の
状態で使用されるから、前記反応で得られた溶液を濃縮
または溶媒で稀釈して使用するのが良い。溶媒としては
反応溶媒と同じものを使用することができる。前記反応
で得られたシリコン含有ポリアミド酸の溶液から成形品
を形成させる方法としては既に公知のどの様な方法で行
つてもよく、例えばガラス板、鋼板、アルミニウム板な
どにシリコン含有ポリアミド酸溶液を流した後、加熱焼
成することにより溶媒を除去すると共にアミド酸結合は
脱水によりイミド結合へ変換し、シロキサン結合による
架橋が進行し硬くて強靱な皮膜が形成される。積層され
た複合材料を形成させるためにはこの様な操作を逐次行
なうことにより可能であるが、ワニスを接着剤として複
数の異質素材間に塗り焼成することにより積層された複
合材料を得ることができる。
本発明において製造したシリコン含有ポリアミド酸を含
むワニスは一旦焼成硬化された皮膜上にさらに塗布し焼
成することにより皮膜上に皮膜を積層せしめることも可
能である。フイラーあるいはガラス繊維等にワニスを含
浸させ焼成硬化させることにより強化皮膜を用いた積層
材料を形成せしめることもまた可能である。
焼成条件は使用する溶媒、塗膜の厚さ等により異なるが
50〜450℃、好ましくは200〜400℃、更に好ましくは250
〜350℃で0.5〜1.5時間位で充分である。
本発明の方法により得られる架橋シリコン含有ポリイミ
ドの応用分野としては電子機器、通信機器、重電機器あ
るいは輸送機器等の部品類が考えられるが液晶配向剤等
の電子材料用用途としても良い結果を示す。
〔発明の効果〕
前記反応によつて製造したシリコン含有ポリアミド酸は
適度な対数粘度数を有しているのでその溶液の粘性は適
度であつて塗布は良好に行なうことができる。
また焼成によりイミド化と同時に縮合によりシロキサン
結合が進行し、分子間結合により硬くて強靱な皮膜が形
成されるとともにポリマー末端に存在する酸無水物から
形成されるカルボキシル基の量とシリコン量との適度な
バランスによりガラス等のけい素化合物、鋼板、アルミ
ニウム板等の無機化合物のみならず、驚くべきことに本
発明の架橋シリコン含有ポリイミドからなる皮膜自体に
対しても良好な接着性を示し、このような多種類の基材
との良好な接着性は多層複合材料用としての材料として
あるいは接着剤として良好な特性を示すものである。
〔実施例〕
以下、実施例等によつて本発明を更に具体的に説明する
が本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 かくはん装置、滴下ロート、温度計、コンデンサーおよ
び窒素置換装置を付した1のフラスコを冷水中に固定
した。フラスコ内を窒素ガスにより置換した後、脱水精
製した500mlのジメチルアセトアミド及び24.40g(0.121
モル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテルを投入
し、この溶液を20〜25℃に保ちつつ49.09g(0.152モ
ル)の3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸
二無水物を滴下ロートから30分間で添加し、この温度で
6時間反応を行なつた後、9.10g(0.0427モル)のp−
アミノフエニルトリメトキシシランを添加しこの温度で
2時間さらに45〜50℃で2時間反応を行ない淡黄色透明
液である本発明に使用するシリコン含有ポリアミド酸組
成物溶液が得られた。この溶液の25℃での回転粘度は32
0センチポイズであり、溶液中に含まれるシリコン含有
ポリアミド酸のジメチルアセトアミド中での対数粘度数
は0.62dl/gであつた。
ここで回転粘度とはE型粘度計(株式会社東京計器製VI
SCONIC EMD)を使用して温度25℃で測定した粘度である
(以下同じ)。
比較参考例1 4,4′−ジアミノジフエニルエーテルの添加量を23.31g
(0.116モル)、3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカ
ルボン酸二無水物の添加量を46.90g(0.146モル)及び
p−アミノフエニルトリメトキシシランの添加量を12.4
2g(0.0582モル)に変更した以外は参考例1と同様の装
置、方法、原料及び反応条件で反応を行ない25℃での回
転粘度が315センチポイズである淡黄色透明液が得られ
た。この溶液に含まれるシリコン含有ポリアミド酸のジ
メチルアセトアミド中での対数粘度数は0.62dl/gであつ
た。
比較参考例2 4,4′−ジアミノジフエニルエーテルの添加量を26.28g
(0.131モル)、3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカ
ルボン酸二無水物の添加量を52.87g(0.164モル)及び
p−アミノフエニルトリメトキシシランの添加量を3.50
g(0.0164モル)に変更した以外は参考例1と同様の装
置、方法、原料及び反応条件で反応を行ない25℃での回
転粘度が323センチポイズである淡黄色透明液が得られ
た。この溶液に含まれるシリコン含有ポリアミド酸のジ
メチルアセトアミド中での対数粘度数は0.60dl/gであつ
た。
参考例2 参考例1と同様の装置及び方法で29.20g(0.147モル)
の4,4′−ジアミノジフエニルメタンを15〜20℃に保つ
た500mlのN−メチル−2−ピロリドン中に投入し、溶
解させた後、これに36.13g(0.166モル)のピロメリツ
ト酸二無水物を30分間で添加しこの温度で3時間さらに
25〜30℃で2時間反応を行なつた。その後4.89g(0.022
1モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを添
加しこの温度で10時間反応を行なつた結果、25℃での回
転粘度が2,200センチポイズである淡黄色透明液が得ら
れた。この溶液中に含まれる本発明に使用するシリコン
含有ポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン中での
対数粘度数は2.1dl/gであつた。
参考例3 参考例1と同様の装置及び方法で29.88g(0.210モル)
の1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキンを10〜15℃
に保つた500mlのN−メチル−2−ピロリドン中に投入
した後、これに68.73g(0.315モル)のピロメリツト酸
二無水物を1時間で添加し、この温度で4時間反応を行
なつた。その後30.12g(0.168モル)の3−アミノプロ
ピルトリメトキシシランを添加しこの温度で5時間更に
50〜55℃で1時間反応を行なつた結果、25℃での回転粘
度が241センチポイズである淡黄色透明液が得られた。
この溶液中に含まれる本発明に使用するシリコン含有ポ
リアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン中での対数粘
度数は0.33dl/gであつた。
比較参考例3 1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの添加量を2
4.81g(0.174モル)、ピロメリツト酸二無水物の添加量
を57.06g(0.262モル)及び3−アミノプロピルトリメ
トキシシランの添加量を46.88g(0.262モル)に変更し
た以外は参考例3と同様の装置、方法、原料及び反応条
件で反応を行ない25℃での回転粘度が227センチポイズ
である淡黄色透明液が得られた。この溶液に含まれるシ
リコン含有ポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン
中での対数粘度数は0.35dl/gであつた。
参考例4 参考例1と同様の装置及び方法で39.75g(0.200モル)
の4,4′−ジアミノジフエニルメタン及び19.24g(0.090
2モル)のp−アミノフエニルトリメトキシシランを15
〜20℃に保つた500mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に
投入した後、これに59.02g(0.271モル)のピロメリツ
ト酸二無水物を45分間で添加し、この温度で10時間さら
に50〜55℃で1時間反応を行なつた結果、25℃での回転
粘度が82センチポイズである淡黄色透明液が得られた。
この溶液中に含まれる本発明に使用するシリコン含有ポ
リアミド酸のN,N−ジメチルホルムアミド中の対数粘度
数は0.18dl/gであつた。
参考例5 参考例1と同様の装置及び方法で10.46g(0.0522モル)
の4,4′−ジアミノジフエニルエーテルを10〜15℃に保
つた500mlのN,N−ジメチルアセトアミド中に投入した
後、これに16.82g(0.0522モル)の3,3′,4,4′−ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物を10分間で添加
し、この温度で3時間反応を行なつた。その後これに8
9.16g(0.418モル)のp−アミノフエニルトリメトキシ
シランを添加した後、再び84.18g(0.2612モル)の3,
3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無水物
を添加しこの温度で5時間、40〜45℃で2時間反応を行
なつた結果、25℃での回転粘度が42センチポイズである
淡黄色透明液が得られた。この溶液中に含まれる本発明
に使用するシリコン含有ポリアミド酸のN,N−ジメチル
アセトアミド中の対数粘度数は0.06dl/gであつた。
参考例6 参考例1と同様の装置及び方法で18.47g(0.0931モル)
の4,4′−ジアミノジフエニルメタン及び2.57g(0.0103
モル)の1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサンを20〜25℃に保つた500mlの
N−メチル−2−ピロリドン中に投入した後、これに3
0.09g(0.138モル)のピロメリツト酸二無水物を30分間
で添加し、この温度で10時間反応を行なつた。その後こ
れに12.22g(0.0552モル)の3−アミノプロピルトリエ
トキシシランを添加しこの温度で2時間さらに45〜50℃
で1時間反応を行なつた結果、25℃での回転粘度が614
センチポイズである淡黄色透明液が得られた。この溶液
中に含まれる本発明に使用するシリコン含有ポリアミド
酸のNメチルピロリドン中での対数粘度数は0.54dl/gで
あつた。
参考例7 参考例1と同様の装置及び方法で39.82g(0.199モル)
の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル及び37.23g(0.1
99モル)のベンゾグアナミンを25〜30℃に保つた500ml
のN−メチル−2−ピロリドン中に投入した後、これに
108.45g(0.497モル)のピロリメット酸二無水物を1時
間で添加し、この温度で6時間反応を行なつた。その後
これに35.23g(0.159モル)の3−アミノプロピルトリ
エトキシシランを添加し、この温度で2時間さらに55〜
60℃で1時間反応を行なつた結果、25℃での回転粘度が
123センチポイズである淡黄色透明液が得られた。この
溶液中に含まれる本発明に使用するシリコン含有ポリア
ミド酸のN−メチル−2−ピロリドン中での対数粘度数
は0.10dl/gであつた。
比較参考例4 参考例1と同様の装置及び方法で32.55g(0.164モル)
の4,4′−ジアミノジフエニルメタンを20〜25℃に保つ
た500mlのN−メチル−2−ピロリドン中に投入した
後、これに55.65g(0.173モル)の3,3′,4,4′−ベンゾ
フエノンテトラカルボン酸二無水物を30分間で添加し、
この温度で3時間反応を行なつた。その後これに2.68g
(0.0121モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンを添加し、この温度で1時間、さらに30〜35℃で1.5
時間反応を行なつた結果、25℃での回転粘度が2,100セ
ンチポイズである淡黄色透明液が得られた。この溶液中
に含まれるシリコン含有ポリアミド酸のN−メチル−2
−ピロリドン中での対数粘度数は1.6dl/gであつた。
参考のために参考例1〜7及び比較参考例1〜4で使用
した原料の量A,B,C(モル)並びにC/(A−B)及びC/
(B+C)を第1表に示す。
実施例1 次のような接着性試験を行なつた。
スライドガラス、アルミ板及び銅板の表面に上記各例で
得られた各種塗布液をスピンナーにより塗布し100℃で
1時間予備乾燥後300℃で1時間焼成し、1〜2μmの
皮膜を形成せしめた。(ただし、参考例3及び比較参考
例3の塗布液については200℃で1時間焼成した。) また皮膜間の接着性試験のために参考例1〜7、比較参
考例1及び3の塗布液については上記のように形成せし
めたスライドガラス上の皮膜の上に、また比較参考例2
及び4の塗布液については上記のように形成せしめたア
ルミ板上の皮膜の上にそれぞれ同一塗布液を塗布し上記
同一条件で焼成し積層した塗膜を形成せしめた。このよ
うにして得られた11種類の塗布液を用いた各々4種類の
塗膜に切目を入れて一辺2mmの正方形の小片に細分し、
その表面にセロハンテープをはり付けて直ちにはがし
た。そのときセロハンテープとともにはがれた塗膜小片
の数をはがす前の100個当たりの数で表わした結果を第
2表に示した。これによると本発明のポリアミド酸の多
種類の基盤に対する良好な接着性が明らかである。
実施例2 次の様な硬度測定実験を行なつた。
スライドガラスの表面に第3表に示す各種塗布液をスピ
ンナーにより塗布し、100℃で1時間予備乾燥後200℃で
1時間または300℃で1時間焼成し、1〜2μmの皮膜
を形成せしめた。この皮膜の表面の鉛筆硬度(JIS K 54
00)を測定しその結果を第3表に示した。この結果から
明らかなように式(7)のアミノシリコン化合物から得
られたワニスを使用した塗膜は著しくその硬度が大であ
ることが明らかである。また実施例1の結果及びその化
学構造からみて本発明におけるシリコン含有ポリアミド
酸組成物のうち式(7)のアミノシリコン化合物を使用
したものについては多種類の基材との良好な接着性と同
時にその塗膜は著しく大きい硬度を有しており、また高
い耐熱性を有していることが容易に推定され、その実用
的価値は大きいものと言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−76533(JP,A) 特開 昭57−143328(JP,A) 特開 昭62−70423(JP,A) 特公 昭43−6639(JP,B1) 特公 平6−17474(JP,B2) 特公 昭58−18372(JP,B2) 特公 昭58−32163(JP,B2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(1)で表わされるテトラカルボ
    ン酸二無水物Aモル、式(2)で表わされるジアミンB
    モル、式(3)で表わされるアミノシリコン化合物Cモ
    ルを式(4)及び式(5)の関係を存在せしめ反応を行
    うことにより得られる溶媒中温度30±0.01℃、濃度0.5
    重量%で測定された対数粘度数が0.05〜5dl/gであるシ
    リコン含有ポリアミド酸を含む溶液を50〜450℃で焼成
    することにより溶媒を蒸発させるとともに架橋させるこ
    とを特徴とする架橋シリコン含有ポリイミドの製造法。 NH2−R2−NH2 ・・・(2) NH2−R3−▲SiR4 3-kXk▼ ・・・(3) [式(1)〜(3)に於いてR1は4価の炭素環式芳香族
    基を表わし、R2は炭素数2〜12個の脂肪族基、炭素数4
    〜30個の脂環式基、炭素数6〜30個の芳香脂肪族基、炭
    素数6〜30個の炭素環式芳香族基、次式(6)で表わさ
    れるポリシロキサン基または式 (ただし、ここにR8は炭素数8以下の脂肪族基、芳香脂
    肪族基又は水素を表わす。) で表わされる基であり、R3はCH2 であり (ただし、ここにsは1〜4の整数を表わす。)、R4
    独立に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭
    素数7〜12個のアルキル置換フェニル基を表わし、Xは
    独立にアルコキシ基、アセトキシ基またはハロゲンを表
    わし、kは1≦k≦3の値をとる。 {ここにR5は独立にCH2 であり (ただし、ここにsは1〜4の整数を示す。)、R6は独
    立に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基または炭素
    数7〜12個のアルキル置換フェニル基を表わし、ιは1
    ≦ι≦100の値をとる。}]
  2. 【請求項2】前記シリコン含有ポリアミド酸の生成反応
    を該反応の原料の全量との合計量基準で40重量%以上の
    反応溶媒の存在下に行なうことを特徴とする第(1)項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】前記シリコン含有ポリアミド酸の生成反応
    を0℃以上60℃以下で行なうことを特徴とする第(1)
    項又は第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記シリコン含有ポリアミド酸の生成反応
    を0.2〜20時間行なうことを特徴とする第(1)、
    (2)又は(3)項記載の方法。
  5. 【請求項5】前記式(3)のアミノシリコン化合物が下
    記式(7)で表わされる化合物であることを特徴とする
    第(1)項ないし第(4)項のいずれかに記載の方法。 (ここにR7は独立にメチル基又はエチル基を表わす。)
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