JPS5953287B2 - ポリイミド前駆体の製造法 - Google Patents

ポリイミド前駆体の製造法

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JPS5953287B2
JPS5953287B2 JP214282A JP214282A JPS5953287B2 JP S5953287 B2 JPS5953287 B2 JP S5953287B2 JP 214282 A JP214282 A JP 214282A JP 214282 A JP214282 A JP 214282A JP S5953287 B2 JPS5953287 B2 JP S5953287B2
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organic
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一雅 五十嵐
勝彦 山口
宗和 田中
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Nitto Denko Corp
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Nitto Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は有機テトラカルボン酸成分とジアミンとの重
合反応によりポリイミド前駆体を製造する方法に関する
さらに詳しくは、ガラス、セラミック、シリコンウェハ
などの被接着体との密着性が良好で、しかも耐湿性が改
善されたポリイミドポリマーの前駆体を製造する方法に
関する。従来、半導体装置の素子表面保護塗料、ダイボ
ンディング接着剤(用バインダ)、クロス含浸材、液晶
配向用機膜、あるいは集積回路のソフトエラー防止シー
ルド膜などの用途に代表されるように、表面がSiある
いはSi−O−Siの被接着界面にポリイミド膜を設け
る場合、ポリイミドポリマーとの密着性が悪く、このた
め従来技術として、ポリイミド膜とSiあるいはSi−
O−Siとの界面をカップリング剤で処理する方法や、
またはポリイミドポリマー中にアルコキシ基、シロキサ
ン基を導入したりして密着性を向上させていた。また、
この発明者らは、上記従来技術に較べて好結果が得られ
る方法として、先に、一般式(3);(ただし、式中R
2は珪素原子に直接結合する炭素原子を含む二価の有機
基、xはアルコキシ基、アセトキシ基、フエノキシ基お
よびハロゲンから選ばれた加水分解可能な基、Yはアル
キル基、アルコキシ基、アセトキシ基、フエノキシ基、
シリル基、シロキシ基、ジシラニル基、オルガノシリル
基、オルガノシロキシ基、オルガノハロシリル基および
オルガノハロシロキシ基から選ばれた基である)で表わ
されるアミノシラン化合物に、有機テトラカルボン酸成
分の一部を上記一般式(3沖のアミノ基(NH2)と少
くとも一個の加水分解可能な基Xとを介して反応させて
、次の一般式(4),(ただし、式中TClは有機テト
ラカルボン酸成分の一価残基、TO2は有機テトラカル
ボン酸成分の二価残基、Zはカルボニル炭素と結合した
x基を含むことがある酸基、R2,XおよびYは前記一
般式(3)の場合と同じであり、nはYがアルコキシ基
、アセトキシ基およびフエノキシ基の場合は2または3
の整数、Yが上記以外の基の場合は2からなる整数であ
る)で表わされるシラン変性多価カルボン酸成分となし
、このカルボン酸成分を残余の有機テトラカルボン酸成
分とともにジアミンと重合反応させてなるポリイミド前
駆体の製造方法を提案した。
しかし、この方法によつて製造されたポリイミドポリマ
ーは初期密着性、プレツシヤ一・クツカーテスト (1
21℃、2気圧、以下PCTと略す)において優れた密
着性を示したが、高温,高湿という条件のもとでの初期
接着力の保持特性が徐々にではあるが低下するという問
題が発生した。これは年々益々耐湿特性が厳しく要求さ
れる現状においては、機器の信頼性に欠けるものである
ことがわかつた。このため、この発明者らはかかる問題
を克服せんがために検討した結果、この発明に到達した
ものである。
すなわち、一般式(3)で示されるアミノシラン化合物
の代りに、アミノ基のHが疎水性である芳香族環を含む
一価の有機基で置換された構造のつぎの一般式(1);
(ただし、R1は芳香族環を含む一価の有機基、mは1
または2の整数、R2、XおよびYは一般式(3)の場
合と同様である)で示されるアミノシラン化合物を使用
して、上記式中の二級のアミノ基(〉NH)と、少くと
も一個の加水分解な基(X)を介して、有機テラカルボ
ン峰成分の一部を反応させて、次の一般式(2);(た
だし、式中各記号は一般式(1),(3),(4)の場
合と同様である)で示されるシラン変性多価カルボン酸
成分となし、このカルボン酸成分を残余の有機テトラカ
ルボン酸成分とともにジアミンと重合反応させてポリイ
ミド前駆体とするものである。
かかるポリイミド前駆体中には、1般式(1)のアミノ
シラン変性部分において、上記一般式(1沖の芳香族環
を含む一価の有機基(R1)がポリマー鎖に対してペン
ダントに結合し、この置換基効果と上記有機基(R1)
がバルキ一であることとにより、水に対して疎水性が発
現され、この前駆体ポリマーを閉環縮合して成るポリイ
ミドポリマーも同様に疎水性となり、被着体との接着力
が著るしく向上するものである。
このように、この発明によれば、前記提案のものと同様
にアミノシラン化合物が直接ポリマー鎖中に導入できる
ため、従来の如く被接着体を予め、カツプリング剤等で
処理した後ポリイミド膜を形成して接着力を保たせると
いう様な表面処理を行なうことなく、密着性の向上を図
ることができるとともに、前記のとおり疎水性でかつバ
ルキ一な芳香族環がポリマー鎖に対してペンダントに結
合されるため、被接着体とポリマー皮膜との間の接着力
が向上し、これにより高温,高湿下での初期接着力の保
持特性を著しく改善できるものである。
なお、この発明において上記密着力の向上は、変性に用
いるアミノシラン化合物の必要にして最少限度の変性量
で設計できるものであり、ためにアミノシラン化合物の
導入によるポリイミドポリマー自体の耐湿性の低下をき
たす心配は全くない。
しかも、最終的に高温加熱処理してポリイミドに変換し
たとき、すぐれた密着性および接着力とともに、ポリイ
ミド本来の優秀な耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、機械
的特性などを発揮するから、上記変性前駆体にさらに未
変性の通常のポリイミド前駆体を配合するなどの必要性
は特にない。つまり、一般式(2)で表わされる各種の
シラン変性多価カルボン酸成分と通常の有機テトラカル
ボン酸成分とを同時にジアミンと重合反応させるという
簡単な燥作で前記すぐれた特性を発揮するポリイミド前
駆体を製造できるから、製造工程上極めて有利となり、
またポリイミドの均質化も図られる。この発明において
用いられる有機テトラカルボン酸成分は隣接炭素原子に
それぞれ結合する一対二個の酸基を二対、つまり計四個
の酸基を有するものであつて、芳香族、脂肪族もしくは
脂環族のテトラカノレボン酸またはこれらのエステノレ
、アミド、ハロゲン化物、一無水物、二無水物などの誘
導体が広く包含される。
もつとも好適な有機テトラカルボン酸成分は芳香族テト
ラカルボン酸二無水物である。これらの酸成分は一種で
あつても二種以上混合して用いてもよい。このような有
機テトラカルボン酸成分の具体例はあえて列挙するまで
もないが、もつとも好適とされる芳香族有機テトラカル
ボン酸二無水物の伏表例につき例示するならば、たとえ
ばピロメリツト酸二無水物、3・3″・4・4″−ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、3・3″・4・
4″−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2・3・
3″・4″−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2
・3・6・7ーナフタレンテトラカノレボン酸:無水物
、1・2・5・6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1・4・5・8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2・2−ビス(3・4ジカルボキシフエニル)プ
ロパンニ無水物、ヒス(3・4−ジカノレボキシフエニ
ル)スノレホン:無水物、3・4・9・10−ペリレン
テトラカルホン酸二無水物ビス(3・4−ジカルボキシ
フエニル)エーテルニ無水物、2・2−ビス(2・3−
ジカルボキシフエニル)フ冶パンニ無水物、1・1−ビ
ス(2・3−ジカノレボキシフエニノレ)エタンニ無水
物、1・1−ビス(3・4−ジカルボキシフエニル)エ
タンニ無水物、ベンゼン一1・2・3・4−テトラカル
ボン酸二無水物、2・3・6・7ーアントラセンテトラ
カルボン酸二無水物、1・2・7・8−フエナントレン
テトラカルボン酸二無水物などがある。
この発明において用いられる前記一般式(2)で表わさ
れるシラン変性多価カルボン酸成分は、上述した有機テ
トラカルボン酸成分の一部を、下記の一般式(1);(
ただし、式中R1は芳香族環を含む一価の有樟基、R2
は珪素原子に直接結合する炭素原子を含む二価の有機基
、mは1または2の整数、xはアルコキシ基、アセトキ
シ基、フエノキシ基およびハロゲンから選ばれた加水分
解可能な基、Yはアルキル基、アルコキシ基、アセトキ
シ基、フエノキシ基、シリル基、シロキシ基、ジシラニ
ル基、オルガノシリル基、オルガノシロキシ基、オルカ
ノハロシリル基およびオルガノハロシロキシ基力ら選ば
れた基である)で表わされるアミノシラン化合物で変性
してなzものである。
上記のアミノシラン化合物の代表例を挙げえば、たとえ
ば次の分子式; で表わされるものなどである。
もちろん上記以外5の一般式(1)を満足するものであ
れば広く使用でき基::しかし、とくに好ましいものは
、前記一般式(1)中のmが2のもの、つまり珪素原子
に直接結合する炭素原子を含む二価の有機基(R2)を
有してなるものである。なお、R2は上例のアルキレ,
ン基だけでなく、芳香族環を含むようなものであつても
よい。変性反応は一般式(1)中のイミノ基つまり二級
のアミノ基(〉NH)および少なくとも一個の加水分解
可能な基(X)と有機テトラカルボン酸成分.との反応
であり、この反応を達成させるためにはアミノシラン化
合物1モルに対して略2モルないし3モルの有機テトラ
カルボン酸成分が用いられる。
反応は通常発熱的に進行するが、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−N″−ジメチルアセトアミドなどの極性溶
媒の存在下通常水浴などを用いて反応容器を冷却しつつ
30℃以下に制御して反応系が均一透明となるまで行な
えばよい。この方法で得られるシラン変性多価カルボン
酸成分の具体例として、有機テトラカルボン酸成分とし
てピロメリツト酸二無水物を、またアミノシラン化合物
としてを使F1′Q、夕例につき、その構造式を示すと
次のとおりであ゛る。
なお次の構造式(1)において(1)内表示は一般式(
2)で示される各構造部分を意味するものである。〈構
造式(1)〉 上記構造式(1)において、n=3とするためにはアミ
ノシラン化合物1モルに対してピロメリト酸に無水物を
略3モル使用すればよく、またn=2とするためにはア
ミノシラン化合物1モルに対してピロメリツト酸二無水
物を略2モル使用すればよい。
そしてピロメリツト酸二無水物の使用モル数によつては
n=2のものとn=3のものとが混2在するような組成
となることもあるが、この発明においてはかかる混合状
態にされたものであつても差し支えない。一方、上記の
例はアミノシラン化合物としてその一般式(1)中のY
がアルコキシ基とされたものを2使用した場合であるが
、Yがかかるアルコキシ基その他アセトキシ基およびフ
エノキシ基以外の基となるアミノシラン化合物を使用す
るときは、アミノシラン化合物1モルに対する有機テト
ラカルボン酸成分の使用モル数を略2モルとし、一般式
.(2)中のnが2となるようなシラン変性多価カルボ
ン酸成分を生成しなければならない。
これは上記変性カルボン酸成分中に珪素原子と直接結合
する少なくとも一個のアルコキシ基、アセトキシ基、ハ
ロゲンもしくはフエノキシ基を残すことによつ.てポリ
イミドポリマーとしたときのガラスなどに対する密着性
を顕著に改善できる効果が得られるからである。なおま
た、上記例の如く有機テトラカルボン酸成分として二無
水物を使用した場合には交換反応によつて一般式(2沖
のZ構造部分にカルボニル炭素と結合するx基にの例で
はCH3O基)が含まれてくる。
これに対して二無水物以外の有機テトラカルボン酸成分
としてたとえば遊離のカルボキシル基を4個含むものや
その一部または全部がスチル化、アミド化もしくはハロ
ゲン化されたのなどを使用した場合には一般式(2沖の
Z構造分は通常上述の如き酸基そのもので構成され、合
によりこの酸基と脱離反応したx基とが反応合した前記
二無水物の場合と同様の構造とされこともある。また、
これら各態様においてZ構部分が遊離のカルボキシル基
以外の酸基となる合に系内に多少の水分が存在するとき
は最終的カルボキシル基に変換されることもある。この
発明においてはこのようにしてつくられシラン変性多価
カルボン酸成分と残余の未変性有機テトラカルボン酸成
分とをジアミンと同時重合反応させることによつてポリ
イミド前駆体製造する。
ここで酸成分とジアンとの使用割は、シラン変性多価カ
ルボン酸成分と未変性の機テトラカルボン酸成分との合
計量に対し、ジミンが当量となるようにするのが望まし
い。しし数%程度であれば上記合計量で表わされる酸分
が過剰となるような割合とすることも可能でる。また、
酸成分のひとつであるシラン変性多価ルボン酸成分の使
用割合は、この酸成分の合成用いたアミノシラン化合物
と上記合成に用いた機テトラカルボン酸成分と未変性の
有機テトラルボン酸成分とジアミンとからなる使用原料
総ル数に対して、上記アミノシラン化合物が0.05ら
10モル%、とくに好適には0.3〜2.0モル%とる
ようにすればよい。
この発明によればアミノラン化合物を上記の如き少量に
しても充分に満できるガラスなどに対する密着性改善効
果が得れる。一方、上記より過多になると最終的に形成
されるポリイミドの皮膜性(皮膜としたときの抗張力や
強靭性)や、絶縁耐電圧の如き電気特性に劣るおそれが
あり望ましくない。つまり、未変性ポリイミド骨格の皮
膜に、機械的特性に劣る一般式(2)で示されるシラン
変性多価カルボン酸成分が導入されてくるためである。
重合反応に用いられるジアミンとしては芳香族ジアミン
、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンをいずれも使用でき
る。
よりすぐれた耐熱性を発揮させるためには芳香族ジアミ
ンを使用するのが好適である。これらジアミンは一種で
あつても二種以上混合して用いてもよい。このようなジ
アミンの具体例あえて列挙するまでもないが、もつとも
好適とされる芳香族ジアミンの代表例につき例示すると
、たとえばメタフエニレンジアミン、パラフエニレンジ
アミン、4・7″−ジアミノジフエニルメタン、4・4
″−ジアミノジフエニルエーテル、2・2′−ビス(4
−アミノフエニル)プロパン、3・3′−ジアミノジフ
エニルスルホン、4−4?−ジアミノジフエニルスルホ
ンミ゛4;4i−ジアミノジフエニルスルフイド、ベン
ジジン、ベンジジン一3・3″−ジカノレボン酸、ベン
ジジン一3・3″−ジスルホン酸、ベンジジン一3−モ
ノカルボン酸、ベンジジン一3−モノスルホン酸、3・
3″−ジメトキシーベンジジン、パラ−ビス(4−アミ
ノフエノキシ)ベンゼン、メタ−ビス(4−アミノフエ
ノキシ)ベンゼン、メタキシリレンジアミン、パラキシ
リレンジアミンなどが挙げられる。
重合反応は従来公知の方法に準じて行なえばよく、一般
に有機溶媒の存在下重合発熱を勘案して通常60℃以下
、とくに好適には30℃以下に制御しながら高い重合度
が得られるまで反応させればよい。
この重合度は反応物の固有粘度〔n〕を調べ.ることに
よつて簡単に検知できるものである。有機溶媒としては
、たとえばN−メチル−2−ピロリドン、N−N″−ジ
メチルアトアミド、N−N″−ジメチルホルムアミド、
N−N゛−ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
ルアミドなどの高極性の塩基性溶媒が用いられる。この
種の溶媒はいずれも吸湿性が大きく、吸湿された水分は
重合時の分子量の低下、貯蔵安定性の低下の原因となる
ので、使用に先だつて脱水剤で充分に脱水しておくのが
よい。またこれらの溶媒とともにトルエン、キシレン、
ベンゾニトリル、ベンゼン、フエノールの如き汎用溶媒
を併用することもできる。しかしその使用量は生成ポリ
イミド前駆体の溶解度を低下させない範囲にすべきであ
る。このようにして得られるこの発明のポリイミド前駆
体は、主として次の構造式(2)で示されるような未変
性の有機テトラカルボン酸成分からなるポリマー構造部
分とシラン変性多価カルボン酸成分からなるポリマー構
造部分とが所定割合で結合した構造を有するか、あるい
は未変性の有機テトラカルボン酸成分とシラン変性多価
カルボン酸成分とがジアミンとランダムに重合反応した
ポリマー構造を有するものであり、いずれもポリイミド
前駆体の分子鎖骨核中にシラン結合を有することを特徴
としている。またこれらの変性ポリイミド前駆体にさら
に一部未変性有機テトラカルボン酸もしくはシラン変性
多価カルボン酸単独からなるポリイミド前駆体も含まれ
ることがある。なお下記の構造式(2)は、有機テトラ
カルボン酸成分どしてピロメリツト酸二無水物を、ジア
ミンとじで4,・4″−ジアミノジフエニルエーテルを
使用すG゜どゝともに、上記テトラカルボン酸成分をア
ミノシラン化合物で変性してなるシラン変性多価カルボ
ン酸成分として前述の構造式(1)で表わされるもの〜
(ただし、n=2)を使用した場合のポリイミド前躯体
の例を示したものである。
〈構造式(2)〉 (ただし、式中1,mはいずれも整数である)かかるポ
リイミド前駆体によれば、これを被着体に塗布した後高
温加熱処理することにより、上記被着体が各種ガラス、
セラミツク、シリコンウiエハなどであつてもすぐれた
接着性ないし密着性を示すポリイミドに変換でき、しか
もシラン変性部分中にポリマー鎖に対して、芳香族環が
ペンダントに結合しているから、ポリイミドポリマーに
良好な疎水性が付与されて、これにより初期接着二力の
各種環境条件下での持続性を向上できる。
また、このポリイミドはさらにその本来の良好な耐熱性
、耐薬品性、機械的特性および卓越した電気絶縁性など
も具備するものである。したがつてこの発明法によつて
得られるポリイ.ミド前駆体は従来公知の各種用途に適
用できるだけでなく、各種ガラス、セラミツク、シリコ
ンウエハなどの被覆材としても有効に応用できる利点が
ある。
以下に、この発明の実施例を記載する。
以下においてポリイミド前駆体の重合度(分子量)を示
すパラメータとして固有粘度〔n〕を用いているが、こ
の固有粘度は溶媒としてN−メチル−ピロリドンを使用
し、測定温度30±0.01℃(恒温槽)で次式にした
がつて求めたものである。〔n〕=1n(t/TO)/
C t;ウベローデ粘度計で測定されるポリマー溶液の落下
時間。
TO;上記同様に測定される溶媒の落下時間。
C ;ポリイミド前駆体(ポリマー)濃度(0.5重量
%とした)。
実施例 1 攪拌装置、冷却管、温度計、窒素置換装置を付した50
0m1フラスコを水浴上に固定した。
五酸化リンで一昼夜乾燥しさらに減圧蒸留したN−メチ
ル−2−ピロリドン289.3gを上記のフラスコ中に
加え、窒素を流し込んだ。次いでを0.766g(0.
003モル)を加え、その後3・3ζ4・4″−ビフエ
ニルテトラカルボン酸二無水物1・764g(0.00
6モル)を徐々に添加した。
水浴により30℃以下になるように制御した。反応系が
透明となるまで反応させることによりシラン変性多価カ
ルボン酸成分を合成した。次に、上記の反応系に4.4
″−ジアミノジフェニルエーテル20.0g(0.1モ
ル)を加えて完全に溶解させ、さらに3.3″.4.4
″−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物28.518
g(0.097モル)を添加し、反応系が透明粘調溶液
となるまで攪拌した。
この燥作中温度が上昇してきたが、水浴で30℃以下に
維持した。この様にして得られたポリイミド前駆体はそ
の固有粘度が1.75であつた。
この前駆体溶液をガラス板上にキヤステイングして、熱
風乾燥機中、150℃で1時間、200℃で゛1時間、
250℃で゛6時間加熱してポリイミドに変換した。形
成されたポリイミド皮膜は強靭であり常温とPCTとで
の試験でも剥離せず密着性は良好であつた。なお、上記
の実施例1において、シラン変性多価カルボン酸成分の
合成に用いたのモル数を0.03モル、3・3″・4・
4″−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物のモル数を
0.06モルに変更し、かつこの変性多価カルボン酸成
分とともにジアミンと反応させる未変性の3.3″.4
.4″一ビフエニルテトラカルボン酸二無水物のモル数
を0.07モルとして、上記同様にしてポリイミド前駆
体溶液を調製した。
この場合のポリイミド前駆体の固有粘度は0.39であ
つた。この前駆体溶液を用いて前記同様の燥作でポリイ
ミド皮膜を形成したところ、常態並びにPCTによる密
着性はいずれも良好であつた。ところがポリイミド前駆
体の重合度が低すぎるため皮膜形成能および皮膜の強靭
性に劣り、皮膜にミクロクラツクが生じ、絶縁耐電圧は
実施例1と比べて約11$;低下した。実施例 2実施
鍔1と1W1様の反応容器に、精製N−メチルー2−ピ
ロリドン244.91gを加え、窒素気流下に実施例1
で用いたアミノシラン化合物0.766g(0.003
モル)を加え、引き続きピロメリツト酸二無水物1.3
08g(0.006モル)を徐々に添加した。
反応系が30℃以下となるように制御しながら透明溶液
となるまで撹拌し、シラン変性多価カルボン酸成分を合
成した。次に、この反応系に4.4″〒ジアミノジフエ
ニル゛ヱ←テル20.0g゛(0,1モル)を加え、さ
らにピロメリツト酸二無水物2工.146g(0.09
7モル)を添加し、30℃以下に保ちながら透明粘稠溶
液となるまで攪拌した。
このようにして得られたポリイミド前駆体はその固有粘
度が1.51であつた。
この前駆体溶液をガラス板上にキヤステイングして熱風
乾燥機中150℃で1時間、200℃で1時間、200
℃で1時間、300℃で1時間加熱してポリイミドに変
換した。形成さ一れたポリイミド皮膜は強靭であり、常
態およびPCTによる密着性はいずれも良好でガラス板
からの剥離は認められなかつた。実施例 3 実施例2で使用した を0.496g(0.003モル)使用した以外は、実
施例2と同様にしてポリイミド前駆体をつくつた。
この前駆体の固有粘度は1.63であつた。この前駆体
溶液を用いて実施例2と同じ燥作でポリイミド皮″膜を
形成したところ、皮膜の強靭性、密着性はいずれも実施
例2と同等であつた。比較例 1 実施例1と同様の反応容器に、精製N−メチル2−ピロ
リドン279.93gを加え、窒素気流下に4・4″−
ジアミノジフエニルエーテル20.0g(0.1モノレ
)と3.3″.4.4′−ビフエニノレテトラカノレボ
ン酸無水物29.4g(0.1モル)とを徐々に加えて
、透明粘稠溶液となるまで攪拌した。
反応系は水浴で冷却して30℃以下となるように制御し
た。反応後のポリイミド前駆体の固有粘度は2.00で
あつた。この溶液を用いて実施例1と同じ条件でガラス
板上にポリイミド皮膜を形成したところ、この皮膜は強
靭で可撓性も良好であつたが、ガラス上に常態で溺く接
着しているだけで剥離しやすく、またPCTでは完全に
剥離した。
比較例 2 実施例1で使用した の代わりに、NH2−(CH2)−3Si(0CH3)
3を同モル数(0.663g,0.003モル)使用し
てポリイミド前駆体をつくつた。
この前駆体の固有粘度は1.58であつた。この前駆体
溶液を用いて実施例1と同じ燥作でポリイミド皮膜を形
成したところ、皮膜の密着性、強靭性はいずれも実施例
1と同じく優れていた。しかし、高温、高湿(85℃,
85%RH)下での接着力の経時特性は、図面の曲線一
4に示されるとおり、良好な結果が得られなかつた。こ
れに対し、前記の実施例1〜3によれば、それぞれ図面
の曲線−1 (実施例1)、曲線−2(実施例2)およ
び曲線−3(実施例3)に示される如く、使用したアミ
ノシラン化合物に起因してポリマー鎖に対しバルキ一で
かつ疎水性の芳香族環がペンダントに結合されているた
め、接着力の保持特制に非常に良好な結果が得られてい
た。
なお、図面は各実施例および比較例の初期接着力をそれ
ぞれ100としてその経時的な変化を表わしたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面はポリイミド皮膜の接着力の経時変化を示す特性図
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機テトラカルボン酸成分とジアミンとの重合反応
    によりポリイミド前駆体を製造するにあたり、上記テト
    ラカルボン酸成分の一部を、予め次の一般式(1);▲
    数式、化学式、表等があります▼………(1)(ただし
    、式中R_1は芳香族環を含む一価の有機基、R_2は
    珪素原子に直接結合する炭素原子を含む二価の有機基、
    mは1または2の整数、Xはアルコキシ基、アセトキシ
    基、フェノキシ基およびハロゲンから選ばれた加水分解
    可能な基、Yはアルキル基、アルコキシ基、アセトキシ
    基、フェノキシ基、シリル基、シロキシ基、ジシラニル
    基、オルガノシリル基、オルガノシロキシ基、オルガノ
    ハロシリル基およびオルガノハロシロキシ基から選ばれ
    た基である)で表わされるアミノシラン化合物に、上記
    一般式中の二級アミノ基(■NH)と、少くとも一個の
    加水分解な基(X)とを介して反応させて、次の一般式
    (2);▲数式、化学式、表等があります▼ (ただし、式中のT_c_1は有機テトラカルボン酸成
    分の一価残基、T_c_2は有機テトラカルボン酸成分
    の二価残基、Zはカルボニル炭素と結合したX基を含む
    ことがある酸基、R_1,R_2,m,XおよびYは前
    記一般式(1)の場合と同じであり、nはYがアルコキ
    シ基、アセトキシ基およびフェノキシ基の場合は2また
    は3の整数、Yが上記以外の場合は2からなる整数であ
    る)で表わされるシラン変性多価カルボン酸成分となし
    、このカルボン酸成分を残余の有機テトラカルボン酸成
    分とともにジアミンと重合反応させることを特徴とする
    ポリイミド前駆体の製造法。
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