JPH05247209A - 液晶配向膜用塗布液およびその製造方法 - Google Patents

液晶配向膜用塗布液およびその製造方法

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JPH05247209A
JPH05247209A JP8306792A JP8306792A JPH05247209A JP H05247209 A JPH05247209 A JP H05247209A JP 8306792 A JP8306792 A JP 8306792A JP 8306792 A JP8306792 A JP 8306792A JP H05247209 A JPH05247209 A JP H05247209A
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JP
Japan
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polyamic acid
organic group
liquid crystal
acid ester
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JP8306792A
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English (en)
Inventor
Koichi Kunimune
弘一 国宗
Yoshihiro Soeda
義弘 添田
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れた液晶配向膜用塗布液を提
供すること。 【構成】 一般式 【化1】 で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸エステ
ル、および有機溶媒を主成分とする液晶配向膜用塗布液
およびポリアミド酸と有機溶媒を含む溶液に一般式 【化2】 で示されるジヒドロキノリン誘導体を添加し、反応を行
うことによりポリイソイミドを合成し、更にこれに一般
式 R3 OH ………(III ) で示されるアルコールを反応させることを特徴とする、
ポリアミド酸エステルを含む有機溶媒溶液である前記塗
布液の製造方法、より構成される。 【効果】 保存安定性に優れた液晶配向膜用塗布液を提
供することを可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶配向膜用塗布液およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の配向膜としては、従来か
らポリイミド膜が用いられてきた。ポリイミド膜の形成
法としては、ポリアミド酸あるいはポリイミドを有機溶
媒に溶解させた溶液を基板上に印刷法により塗布した
後、焼成することにより、厚さ数百〜数千オングストロ
ームのポリイミドの薄膜を形成せしめるのが一般的な方
法である。しかるにポリイミドは有機溶媒に対する溶解
性に劣り、特殊な構造のポリイミドしか可溶性にならな
い。そのためポリアミド酸を有機溶媒に溶解させた溶液
を塗布後、焼成することにより、ポリアミド酸をポリイ
ミドに変換させ塗膜を形成させる場合が多い。一方、ポ
リアミド酸は溶媒中に存在する微量の水分により加水分
解されやすく、溶液の粘度が経時的に変化し、そのため
膜厚が変動するという欠点を有している。とくに印刷法
により塗布する場合、長時間ポリアミド酸溶液が空気中
にさらされるため、溶液が空気中の水分を吸収し、粘度
変化が一層激しくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は保存安
定性に優れた液晶配向膜用塗布液を提供することであ
り、またその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、公知技術
にかかわる上述の問題を解決すべく種々研究を行った。
その結果、ポリイミド前駆体としてポリアミド酸エステ
ルを採用し、その有機溶媒に溶解させた溶液を用いるこ
とにより、上述の問題点が解決された液晶配向膜用塗布
液が得られることを知り、本発明を完成した。
【0005】本発明は、下記(1)および(2)の構成
を有する。 (1)下記一般式(I)からなる繰り返し単位を有する
ポリアミド酸エステルおよび有機溶媒を主成分とする液
晶配向膜用塗布液。
【化3】 (ただし、各々R1 は4価、R2 は2価、R3 は1価の
有機基を表す。)
【0006】(2) ポリアミド酸と有機溶媒を含む溶
液に下記一般式(II)
【化4】 (ただし、R4 およびR5 は独立に1価の有機基であ
る。)で示されるジヒドロキノリン誘導体を添加し、ポ
リイソイミドを合成し、この溶液に必要に応じて下記一
般式(III ) R3 OH ………(III ) (ただし、R3 は1価の有機基である。)で示されるア
ルコールを添加して、反応を行うことによりポリアミド
酸エステル溶液を調製することを特徴とする液晶配向膜
用塗布液の製造方法。
【0007】本発明の構成と効果について以下詳述す
る。本発明の液晶配向膜用塗布液およびその製造方法に
用いるポリアミド酸エステルの合成法としては、種々考
えられるが、ポリアミド酸に前記一般式(II)で示され
るヒドロキノリン誘導体を反応させ、ポリイソイミドを
合成し、更に一般式(III )で示されるアルコールを反
応させる方法が特に好ましい。
【0008】このポリアミド酸は、常法に従い、テトラ
カルボン酸二無水物とジアミンを有機溶媒中で反応を行
うことにより合成することができる。このテトラカルボ
ン酸二無水物の具体例は、芳香族テトラカルボン酸二無
水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3′,4,
4′‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′‐ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3′,3,4,4′‐ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2′,3,3′‐ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′‐
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス‐
(3,4‐ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス‐(3,4‐ジカルボキシフェニル)スルホン二無
水物、1,2,5,6‐ナフタリンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7‐ナフタリンテトラカルボン酸
二無水物、2,2‐ビス‐(3,4‐ジカルボキシフェ
ニル)ヘキサフロロプロパン二無水物など、脂環式テト
ラカルボン酸二無水物としてはシクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸
二無水物など、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として
は1,2,3,4‐テトラカルボキシブタン二無水物な
どを挙げることができる。しかし、必ずしもこれらに限
定するものではない。
【0009】また、ジアミンの具体例は、芳香族ジアミ
ンとしては4,4′‐ジアミノジフェニルエーテル、
3,4′‐ジアミノジフェニルエーテル、3,4′‐ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4′‐ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4′‐ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′‐ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′‐
ジ(メタアミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,
4′‐ジ(パラアミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、ベンジジン、3,3′‐
ジアミノベンゾフェノン、4,4′‐ジアミノベンゾフ
ェノン、4,4′‐ジアミノジフェニル‐2,2‐プロ
パン、1,5‐ジアミノナフタレン、1,8‐ジアミノ
ナフタレン、4,4′‐ビス(4‐アミノフェノキシ)
ビフェニル、2,2‐ビス{4‐(4‐アミノフェノキ
シ)フェニル}ヘキサフロロプロパン、1,4‐ビス
(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3‐ビス(4
‐アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′‐ジアミノ‐
3,3′‐ジエチル‐5,5′‐ジメチルジフェニルメ
タン、4,4′‐ジアミノ‐3,3′,5,5′‐テト
ラメチルジフェニルメタン、1,4‐ジアミノトルエ
ン、メタキシリレンジアミン、2,2′‐ジメチルベン
ジジン、2,2‐ビス{4‐(4‐アミノフェノキシ)
フェニル}オクタン、1,1‐ビス{4‐(4‐アミノ
フェノキシ)フェニル}シクロヘキサン、1,1‐ビス
{4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル}‐4‐メチ
ルシクロヘキサン、1,1‐ビス{4‐(4‐アミノフ
ェノキシ)フェニル}‐4‐エチルシクロヘキサン、
1,1‐ビス{4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニ
ル}‐4‐(n‐プロピル)シクロヘキサンなど、脂肪
族ジアミンとしてはトリメチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,11‐ド
デカンジアミンなど、シリコン系ジアミンとしてはビス
(パラアミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,4‐ビ
ス(3‐アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼンな
ど、脂環式ジアミンとしては1,4‐ジアミノシクロヘ
キサン、ビス(4‐アミノシクロヘキシル)メタン、イ
ソフォロンジアミンなど、グアナミン類としてはアセト
グアナミン、ベンゾグアナミンなどを挙げることができ
る。しかし、必ずしもこれらに限定するものではない。
【0010】本発明の液晶配向膜用塗布液およびその製
造方法に用いる有機溶媒の具体例として以下の化合物を
挙げることができる。N‐メチル‐2‐ピロリドン、
N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、
ピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルホルム
アミド、N‐アセチル‐2‐ピロリドン、2‐メトキシ
エタノール、2‐エトキシエタノール、2‐ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、シクロペンタノン、メ
チルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、クレゾー
ル、γ‐ブチロラクトーン、イソホロン、N,N‐ジエ
チルアセトアミド、N,N‐ジエチルホルムアミド、
N,N‐シメチルメトキシアセトアミド、テトラヒドロ
フラン、N‐メチル‐ε‐カプロラクタム、テトラヒド
ラチオフェンジオキシド{スルフォラン(sulpholan
e)}。
【0011】また、上記有機溶媒を、他の非プロトン性
(中性)有機溶媒、例えば、芳香族、脂環式もしくは脂
肪族炭化水素、またはそれらの塩素化誘導体(例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン類、シクロヘキサン、ペ
ンタン、ヘキサン、石油エーテル、塩化メチレンなど)
またはジオキサンなどで希釈したものを用いることもで
きる。また、後述する反応式(化5)で示されるアルコ
ール、キノリンなどの副生物、および一般式(III )で
示されるアルコールなども本発明の塗布液および製造方
法の有機溶媒ということができる。
【0012】前記のポリアミド酸の合成におけるテトラ
カルボン酸二無水物とジアミンとの反応の際、重合体末
端にアミノシランを導入することにより基板に対する接
着性を向上させることができる。そのアミノシランの具
体例としては、アミノメチル‐ジ‐n‐プロポキシ‐メ
チルシラン、(β‐アミノエチル)‐n‐プロポキシ‐
メチルシラン、(β‐アミノエチル)‐ジエトキシ‐フ
ェニルシラン、(β‐アミノエチル)‐トリ‐n‐プロ
ポキシシラン、(β‐アミノエチル)‐ジメトキシ‐メ
チルシラン、(γ‐アミノプロピル)‐ジ‐n‐プロポ
キシ‐メチルシラン、(γ‐アミノプロピル)‐ジ‐n
‐ブトキシ‐メチルシラン、(γ‐アミノプロピル)‐
トリエトキシシラン、(γ‐アミノプロピル)‐ジ‐n
‐ペントキシ‐フェニルシラン、(γ‐アミノプロピ
ル)‐メトキシ‐n‐プロポキシ‐メチルシラン、(δ
‐アミノブチル)‐ジメトキシ‐メチルシラン、(3‐
アミノフェニル)‐ジ‐n‐プロポキシシラン、(4‐
アミノフェニル)‐トリ‐n‐プロポキシシラン、{β
‐(4‐アミノフェニル)エチル}‐ジエトキシ‐メチ
ルシラン、{β‐(3‐アミノフェニル)エチル}‐ジ
‐n‐プロポキシ‐フェニルシラン、{γ‐(4‐アミ
ノフェニル)プロピル}‐ジ‐n‐プロポキシ‐メチル
シラン、{γ‐(4‐アミノフェノキシ)プロピル}‐
ジ‐n‐プロポキシ‐メチルシラン、{γ‐(3‐アミ
ノフェノキシ)プロピル}‐ジ‐n‐ブトキシ‐メチル
シラン、{γ‐(3‐アミノフェノキシ)プロピル}‐
ジメチル‐メトキシシラン、(γ‐アミノプロピル)‐
メチル‐ジエトキシシラン、(γ‐アミノプロピル)エ
チル‐ジ‐n‐プロポキシシラン、(4‐アミノフェニ
ル)‐トリトメトキシシラン、(3‐アミノフェニル)
‐トリメトキシシラン、(4‐アミノフェニル)‐メチ
ル‐ジメトシキ‐シラン、(3‐アミノフェニル)‐ジ
ルチル‐メトキシシラン、(4‐アミノフェニル)‐ト
リエトキシシラン、{3‐(トリエトキシシリル)プロ
ピル}尿素などを挙げることができる。しかし、これら
に限定するものではない。
【0013】これらの化合物以外にも、ポリアミド酸の
分子量をコントロールすることを目的に、1個の酸無水
物またはアミノ基を有する化合物、たとえば無水フタル
酸、無水マレイン酸、アニリン、モノアリルアミンなど
を添加して反応を行うこともできる。
【0014】本発明の液晶配向膜用塗布液およびその製
造方法に用いるポリアミド酸エステルの合成は通常二つ
のルートがある。その一つはポリアミド酸をチオニルク
ロライドなどで酸クロライドを合成し、それに前記一般
式(III )で示されるアルコールを反応させる方法であ
り、他の一つはポリアミド酸にジシクロヘキシルカルボ
ジイミド、前記一般式(II)で示されるジヒドロキノリ
ン誘導体などの脱水剤を添加し、ポリイソイミドを合成
し、これに一般式(III )で示されるアルコールを反応
させる方法である。この場合脱水剤としてはジヒドロキ
ノリン誘導体の方が作業性の面から好ましい。
【0015】本発明の塗布液の製造方法で用いられる一
般式(II)で示されるジヒドロキノリン誘導体の具体例
としては、N‐メトキシカルボニル‐2‐メトキシ‐
1,2‐ジヒドロキノリン、N‐メトキシカルボニル‐
2‐エトキシ‐1,2‐ジヒドロキノリン、N‐エトキ
シカルボニル‐2‐メトキシ‐1,2‐ジヒドロキノリ
ン、N‐エトキシカルボニル‐2‐エトキシ‐1,2‐
ジヒドロキノリン、N‐プロポキシカルボニル‐2‐プ
ロポキシ‐1,2‐ジヒドロキノリン、N‐プロポキシ
カルボニル‐2‐プロポキシ‐1,2‐ジヒドロキノリ
ン、N‐イソブトキシカルボニル‐2‐メトキシ‐1,
2‐ジヒドロキノリン、N‐イソブトキシカルボニル‐
2‐エトキシ‐1,2‐ジヒドロキノリン、N‐イソブ
トキシカルボニル‐2‐イソブトキシ‐1,2‐ジヒド
ロキノリン、N‐ペントキシカルボニル‐2‐ペントキ
シ‐1,2‐ジヒドロキノリンなどを挙げることができ
る。しかし、これらに限定されるものではない。
【0016】本発明の液晶配向膜用塗布液の製造方法に
おけるポリイソイミドの合成は、以下の反応式で示すこ
とができる。
【化5】 (ただし、R1 、R2 、R4 、R5 は前述のとおり、n
は正の整数である。) すなわちポリアミド酸(a)の有機溶媒溶液に式(II)
で示されるジヒドロキノリン誘導体を添加することによ
りポリイソイミド(b)が生成する。
【0017】ここで、副生した二酸化炭素は気体として
系外に除かれ、アルコールとキノリンは溶媒に溶解して
いるため、あらためて除去する必要はない。反応温度は
0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。反応時
間は0.5時間〜50時間、好ましくは1〜20時間位
である。ポリアミド酸に対して添加するジヒドロキノリ
ン誘導体の量は、アミド酸構造単位ひとつに対して2分
子のジヒドロキノリン誘導体を添加すれば、理論上すべ
てのポリアミド酸をポリイソイミドに転換することが可
能である。しかし、ジヒドロキノリン誘導体を過剰に添
加しても特に問題はなく、また少なくてもよい。少ない
場合はイソイミド構造単位とアミド酸構造単位が混在し
たポリマーが得られる。また、反応条件によっては生成
したイソイミドが一部イミドに変換し、イミド、イソイ
ミドおよびアミド酸構造単位を含むポリマーも生成する
ことがある。
【0018】このようにして得られたポリイソイミドの
有機溶媒溶液中にはすでに反応式(化5)で示したよう
にアルコールが副生しており、これとポリイソイミドが
徐々に反応しポリアミド酸エステルが生成する。この反
応を早めたい場合、あるいは反応効率を上げたい場合に
は前記一般式(III )で示されるアルコールを添加し、
反応を行うこともできる。
【0019】本発明の液晶配向膜用塗布液の製造方法に
用いる一般式(III )で示されるアルコールの具体例と
しては、メチルアルコール、エチルアルコール、n‐プ
ロピルアルコール、i‐プロピルアルコール、n‐ブチ
ルアルコール、t‐ブチルアルコール、2‐エチルヘキ
シルアルコール、2‐ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、アリルアルコール、ベンチルアルコールなどをあげ
ることができる。しかし、これらに限定するものではな
い。
【0020】本発明の液晶配向膜用塗布液の製造方法に
おけるポリイソイミドと一般式(III )で示されるアル
コールとの反応は、0〜100℃、好ましくは20〜6
0℃で0.5時間〜50時間、好ましくは1〜20時間
位である。
【0021】本発明の液晶配向膜用塗布液の製造方法で
得られたポリアミド酸エステルの有機溶媒溶液はそのま
ま液晶配向膜用塗布液として使用することも可能である
が、さらに本発明の塗布液および製造方法に用いる前記
有機溶媒の1種以上を添加して希釈して使用することも
できるし、または濃縮して使用することもできる。ある
いは、反応液を多量の非溶媒中に移し、ポリアミド酸エ
ステルを析出させ、これを分別、乾燥した後、前記有機
溶媒の1種以上に溶解させ、使用することもできる。
【0022】本発明の液晶配向膜用塗布液からポリイミ
ド硬化膜を形成させる方法は、公知のどのような方法で
行ってもよい。塗布方法は通常印刷法が用いられるが、
スピンコート法などの公知の方法が用いられる。塗膜は
ホットプレート、遠赤外線あるいはオーブンなどの加熱
手段により100〜400℃、好ましくは180〜28
0℃で0.2〜5時間、好ましくは0.5〜2時間加熱
することにより、ポリイミド硬化膜を得ることができ
る。この硬化膜を布などで1方向にラビング処理するこ
とにより液晶用配向膜が得られる。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定
されるものではない。実施例、比較例における回転粘度
とは、E型粘度計(株式会社東京計器製VISCONI
C EMD)を使用して、温度25±0.1℃で測定し
た粘度である。また、粘度の経時変化は実施例で得られ
るポリアミド酸エステル溶液、および比較例で得られる
ポリアミド酸溶液を20〜25℃の温度に30日間保っ
た後、その各々の回転粘度を測定した。
【0024】(実施例1) (液晶配向膜用塗布液の調製)撹拌装置、温度計、コン
デンサーおよび窒素置換装置を付した1リットルのフラ
スコを恒温槽中に固定した。この系内を窒素ガスにより
置換した後、N‐メチル‐2‐ピロリドン(以下NMP
と略称する)500g、ピロメリット酸二無水物(以下
PMDAと略称する)6.20g(0.0284モル)
および1,1‐ビス{4‐(4‐アミノフェノキシ)フ
ェニル}‐4‐エチルシクロヘキサン11.93g
(0.0249モル)を投入し、20〜30℃で20時
間反応を行い、回転粘度が19センチポイズであるポリ
アミド酸溶液を得た。この溶液の半量にN‐エトキシカ
ルボニル‐2‐エトキシ‐1,2‐ジヒドロキノリン
(以下EEDQと略称する)を7.16g(0.029
0モル)添加し、30〜40℃で30時間反応を行い、
ポリイソイミドの溶液を得た。この溶液にエチルアルコ
ールを1.31g(0.0284モル)添加し、40〜
50℃で7時間反応を行い、回転粘度が19センチポイ
ズのポリアミド酸エステル溶液、すなわち、本発明の液
晶配向膜用塗布液を得た。粘度の経時変化を表1に示
す。ポリイソイミドおよびポリアミド酸エステルの赤外
線吸収スペクトルは、各々、図1および図2に示した。 (比較例1)実施例1で得られたポリアミド酸溶液の粘
度の経時変化を表2に示す。
【0025】(実施例2)実施例1と同様の装置および
方法により、NMP500g、PMDA2.91g
(0.0133モル)、3,3′,4,4′‐ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDAと略称
する)4.30g(0.0134モル)、2,2‐ビス
{4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル}プロパン1
0.27g(0.0250モル)および4‐アミノフェ
ニルトリメトキシシラン(以下APMSと略称する)
0.65g(0.00305モル)を投入し、20〜3
0℃で20時間反応を行い、回転粘度が25センチポイ
ズであるポリアミド酸溶液を得た。この溶液の半量にE
EDQを6.59g(0.0267モル)添加し、20
〜30℃で30時間反応を行い、ポリイソイミド溶液を
得た。この溶液にエチルアルコールを1.23g(0.
0267モル)添加し、40〜50℃で40時間反応を
行い、回転粘度が22センチポイズのポリアミド酸エス
テル溶液、すなわち、本発明の液晶配向膜用塗布液を得
た。粘度の経時変化を表1に示す。 (比較例2)実施例2で得られたポリアミド酸溶液の粘
度の経時変化を表2に示す。
【0026】(実施例3)実施例1と同様の装置および
方法により、NMP300g、γ‐ブチロラクトン20
0g、PMDA5.91g(0.0271モル)および
1,1‐ビス{4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニ
ル}シクロヘキサン12.23g(0.0271モル)
を投入し、20〜30℃で20時間反応を行い、回転粘
度が27センチポイズであるポリアミド酸溶液を得た。
この溶液の半量にEEDQを6.69g(0.0271
モル)添加し、20〜30℃で10時間反応を行い、ポ
リイソイミド溶液を得た。この溶液にメチルアルコール
を0.867g(0.0271モル)添加し、50〜6
0℃で10時間反応を行い、回転粘度が25センチポイ
ズのポリアミド酸エステル溶液すなわち本発明の液晶配
向膜用塗布液を得た。粘度の経時変化を表1に示す。 (比較例3)実施例3で得られたポリアミド酸溶液の粘
度の経時変化を表2に示す。
【0027】(実施例4)実施例1と同様の装置および
方法により、NMP500g、PMDA9.25g
(0.0424モル)、4,4′‐ジアミノジフェニル
エーテル(以下DDEと略称する)8.06g(0.0
403モル)およびAPMS 0.813g(0.00
382モル)を投入し、20〜30℃で20時間反応を
行い、回転粘度が30センチポイズであるポリアミド酸
溶液を得た。この溶液の半量にEEDQを10.47g
(0.0424モル)添加し、30〜40℃で15時間
反応を行い、ポリイソイミド溶液を得た。この溶液に2
‐プロピルアルコールを2.55g(0.0424モ
ル)添加し、50〜60℃で20時間反応を行い、回転
粘度が26センチポイズのポリアミド酸エステル溶液、
すなわち本発明の液晶配向膜用塗布液を得た。 (比較例4)実施例4で得られたポリアミド酸溶液の粘
度の経時変化を表2に示す。
【0028】(実施例5)実施例1と同様の装置および
方法により、NMP300g、N,N‐ジメチルアセト
アミド200g、3,3′,4,4′‐ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物10.12g(0.0344モ
ル)、DDE7.34g(0.0367モル)および無
水フタル酸0.679g(0.00459モル)を投入
し、20〜30℃で20時間反応を行い、回転粘度が2
4センチポイズであるポリアミド酸溶液を得た。この溶
液の半量にEEDQを9.06g(0.0367モル)
添加し、30〜40℃で24時間反応を行い、ポリイソ
イミド溶液を得た。この溶液にエチルアルコールを3.
38g(0.0734モル)添加し、40〜50℃で5
0時間反応を行い、回転粘度が22センチポイズのポリ
アミド酸エステル溶液、すなわち本発明の液晶配向膜用
塗布液を得た。 (比較例5)実施例5で得られたポリアミド酸溶液の粘
度の経時変化を表2に示す。
【0029】(実施例6)実施例1と同様の装置および
方法により、NMP500g、PMDA5.05g
(0.0232モル)および2,2‐ビス{4‐(4‐
アミノフェノキシ)フェニル}オクタン13.09g
(0.0232モル)を投入し、撹拌下、20〜30℃
で10時間反応を行うことにより、ポリアミド酸溶液を
得た。この溶液の回転粘度は32センチポイズであっ
た。この溶液の半量にEEDQ5.73g(0.023
2モル)添加し、30〜40℃で10時間反応を行い、
ポリイソイミド溶液を得た。この溶液にメチルアルコー
ルを1.48g(0.0464モル)添加し、50〜6
0℃で、4時間反応を行い、回転粘度が29センチポイ
ズのポリアミド酸エステル溶液、すなわち本発明の液晶
配向膜用塗布液を得た。 (比較例6)実施例6で得られたポリアミド酸溶液の粘
度の経時変化を表2に示す。
【0030】〔実施例7(応用例)〕片面に酸化インジ
ウム系透明導電膜(ITO膜)を電極として設け、あら
かじめシランカップリング剤APS−E{チッソ(株)
製}で表面処理を行った透明ガラス基板上に、実施例1
〜6で得られた本発明の液晶配向膜用塗布液のそれぞれ
をスピンコートした。塗布液250℃で1時間加熱を行
い、膜厚1000±200オングストロームのポリイミ
ド薄膜を得た。実施例1から得られたポリイミド薄膜の
赤外吸収スペクトルを図3に示す。次に、2枚の基板の
塗膜面をラビング装置でラビングし、液晶用配向膜を得
た。この液晶配向膜をもつ2枚の基板を用いてラビング
方向が平行で、かつ互いに対抗するようにセル厚10μ
mの液晶セルを組み立て、チッソ(株)製液晶組成物Y
Y−4006を封入した。封入後、等方性液体温度まで
加熱し、徐冷することにより液晶素子を得た。これらの
液晶素子の配向性はすべて良好であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法により液晶配向膜用の
塗布液(ポリアミド酸エステル溶液)が容易に得られ、
かつ、その塗布液の粘度は経時変化せず保存安定性が優
れており、塗布液としての実用性は優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイソイミドの赤外吸収スペクトル。
【図2】ポリアミド酸エステルの赤外吸収スペクトル。
【図3】ポリイミドの赤外吸収スペクトル。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)からなる繰り返し単位
    を有するポリアミド酸エステルおよび有機溶媒を主成分
    とする液晶配向膜用塗布液。 【化1】 (ただし、各々R1 は4価、R2 は2価、R3 は1価の
    有機基を表す。)
  2. 【請求項2】 ポリアミド酸と有機溶媒を含む溶液に下
    記一般式(II) 【化2】 (ただしR4 およびR5 は独立に1価の有機基であ
    る。)で示されるジヒドロキノリン誘導体を添加し、ポ
    リイソイミドを合成し、この溶液に必要に応じて、下記
    一般式(III ) R3 OH ………(III ) (ただしR3 は1価の有機基である。)で示されるアル
    コールを添加して、反応を行うことによりポリアミド酸
    エステル溶液を調製することを特徴とする液晶配向膜用
    塗布液の製造方法。
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