JP5163898B2 - ポリアミック酸およびポリイミド - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアミック酸およびポリイミドに関し、さらに詳述すると、脂環式構造を有し、例えば、電子材料用として好適なポリアミック酸およびポリイミドに関する。
一般に、ポリイミド樹脂は、その特徴である高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性のために、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料として広く用いられている。また、最近では光導波路用材料等の光通信用材料としての用途も期待されている。
近年、この分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求されるようになっている。すなわち、単に耐熱性、耐溶剤性に優れるだけでなく、用途に応じた性能を多数併せ持つことが期待されている。
特に重要な特性として、高い透明性が挙げられる。この透明性を実現する一つの方法として、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応によりポリイミド前駆体を得て、この前駆体をイミド化し、ポリイミドを製造することで、比較的着色が少なく、高い透明性を有するポリイミドが得られることが既に報告されている(特許文献1,2参照)。
しかしながら、光を用いた電子材料分野等にも耐熱性、溶剤溶解性、透明性の高いポリイミドの使用が要望されつつある近年の状況においては、優れた特性を有する新たなポリイミドの開発が望まれている。
さらに、この透明性を実現する方法として、脂環式テトラカルボン酸二無水物と脂環式ジアミンとの重縮合反応により全脂環式ポリイミド前駆体を得て、この前駆体をイミド化し、全脂環式ポリイミドを製造することで、高い透明性を有するポリイミドが期待できる。
しかし、従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物の代表的化合物である1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸−1,2:3,4−二無水物(CBDA)と脂環式ジアミンから得られたポリイミドは脆く、膜として使用することができなかった。従って、全脂環式ポリイミドで安定した強度をもった膜は未だ見出されていない。
なお、ビス−1,1’−(シクロプロパン−2,3−ジカルボン酸無水物)(BCPDAと略記する)は、アセチレンと無水マレイン酸の光反応によって合成された例がある(特許文献3参照)。
しかし、BCPDAを用いてポリアミック酸またはポリイミドを合成した例はない。
特公平2−24294号公報(特許請求の範囲) 特開昭58−208322号公報(特許請求の範囲) 米国特許第3,522,160号明細書(1970)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱分解温度が300℃以上という高い耐熱性を有するとともに、溶剤溶解性を有するため加工性が良好であり、さらに良好な光透過性を有するポリアミック酸、およびこれから得られるポリイミドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、脂環式構造であるビスシクロプロパン構造を所定割合以上有する新規なポリイミドが、熱分解温度が300℃以上という高い耐熱性を有し、さらに良好な溶剤溶解性および透明性を有するため、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料、光導波路等の光通信用材料として利用し得るポリイミドであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 式[1]で表される繰り返し単位を10モル%以上含有し、数平均分子量が5000以上であることを特徴とするポリアミック酸、
Figure 0005163898
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、または隣接する炭素原子上のR3とR4とが一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基もしくはフェニル基を表し、R5は2価の有機基を表す。nは2以上の整数を表す。)
2. 式[2]で表される繰り返し単位を10モル%以上含有することを特徴とするポリイミド、
Figure 0005163898
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、または隣接する炭素原子上のR3とR4とが一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基もしくはフェニル基を表し、R5は2価の有機基を表す。nは2以上の整数を表す。)
3. 数平均分子量が5000以上である1のポリアミック酸、
4. 前記R1、R2、R3およびR4が、水素原子である1のポリアミック酸、
5. 前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3およびR4の少なくとも一方がメチル基である1のポリアミック酸、
6. 前記R1、R2、R3およびR4が水素原子である2のポリイミド、
7. 前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3およびR4の少なくとも一方がメチル基である2のポリイミド
8. 式[1]のR5が、脂環式ジアミンまたは脂肪族ジアミンに由来する2価の有機基である1のポリアミック酸、
9. 式[2]のR5が、脂環式ジアミンまたは脂肪族ジアミンに由来する2価の有機基である2のポリイミド
を提供する。
本発明のポリアミック酸およびポリイミドは、熱分解温度が300℃以上という高い耐熱性を有し、さらに良好な溶剤溶解性および透明性を有する。このような特性を有する本発明のポリイミドは、例えば、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料、光導波路等の光通信用材料としての用途が期待される。
BCPDAのX線ORTEP図である。 膜厚3.2μmBCPDA・DDEポリイミドUV−Visスペクトルである。 膜厚0.552μmBCPDA・DDEポリイミドUV−Visスペクトルである。 膜厚10.0μmBCPDA・DDEポリイミドUV−Visスペクトルである。 膜厚0.837μmBCPDA・DCHMポリイミドUV−Visスペクトルである。 膜厚4.6μmBCPDA・DCHMポリイミドUV−Visスペクトルである。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るポリアミック酸は、式[1]で表される繰り返し単位を10モル%以上含有するものである。また、本発明に係るポリイミドは、上記ポリアミック酸から誘導されるポリイミドであり、式[2]で表される繰り返し単位を10モル%以上含有するものである。
Figure 0005163898
Figure 0005163898
上記各式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、または隣接する炭素原子上のR3とR4とが一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基もしくはフェニル基を表し、R5は2価の有機基を表し、nは整数を表す。
ここで、炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、n−アミル、i−アミル、s−アミル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、F、Cl、Br、Iが挙げられる。
特に、原料の入手容易性や製造収率などを考慮すると、R1およびR2は、水素原子であることが好ましく、R3およびR4は、水素原子またはメチル基であることが好ましく、中でもR1〜R4の全てが水素原子の化合物や、R1およびR2が水素原子、かつ、R3およびR4の少なくとも一方がメチル基の化合物が好適である。
2価の有機基は、ジカルボン酸二無水物(BCPDA化合物)と反応させる有機ジアミンに由来する有機基である。
この2価の有機基を与えるジアミンとしては、従来ポリイミド合成に用いられる種々のジアミンを用いることができ、例えば、p−フェニレンジアミン(p−PDA)、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、1,3−ビス(4,4’−アミノフェノキシ)ベンゼン(DA−4P)、4,4’−ジアミノ−1,5−フェノキシペンタン(DA−5MG)、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,5(6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノ−1,1’−ビアダマンチル、1,6−ジアミノジアマンタン(1,6−アミノペンタンシクロ[7.3.1.14,12,02,7.06,11]テトラデカン等の脂環式ジアミン;テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。
なお、これらのジアミンは、ポリアミック酸(ポリイミド)合成の際に1種単独で用いることも、2種類以上を混合して用いることもできるが、2種以上混合して用いる場合、上記R5も2種以上の組合せとなる。
これらのジアミンのうち、脂環式ジアミンまたは脂肪族ジアミンを使用すると、本発明のポリアミック酸およびこれから得られるポリイミドの透明性がより高くなるので好ましい。
nは2以上の整数であればよいが、後述するポリアミック酸の分子量を考慮すると、10〜1000の整数であることが好ましく、20〜1000の整数であることがより好ましい。
ポリアミック酸の分子量は、ポリイミド膜とした場合の強度や、膜形成時の加工性などを考慮すると、数平均分子量2500〜250000が好ましく、5000〜250000がより好ましい。
なお、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCという)による測定値である。
また、上記と同様の理由から、ポリイミドの重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
本発明のポリアミック酸(ポリイミド)は、上記式[1](式[2])で表される繰り返し構造を10モル%以上含有すればよいが、特に、高い耐熱性および透明性を有し、溶剤溶解性に優れたポリイミドとするためには、上記構造を50モル%以上含有することが好ましく、70モル%以上含有することがより好ましく、90モル%以上含有することが最適である。
本発明のポリイミドは、BCPDA化合物および必要に応じてその他のテトラカルボン酸誘導体と上述した各種ジアミンとを溶媒中で反応させて得られる本発明のポリアミック酸を経由し、これを熱イミド化して用いることができる。また、ポリアミック酸を溶媒中でイミドに転化させ、溶剤可溶性のポリイミドとして用いることも可能である。
ポリアミック酸の製造法は、特に限定されるものではなく、例えば、BCPDA化合物および必要に応じてその他のテトラカルボン酸誘導体とジアミンとを溶液重合させて得ることができる。
なお、本発明においては、テトラカルボン酸誘導体の全モル数のうち、少なくとも10mol%にBCPDA化合物を用いる。
まず、BCPDA化合物の製造法について説明する。BCPDA化合物は以下のスキームで製造することができる。
Figure 0005163898
(式中、R1〜R4は上記と同じ意味を表す。)
すなわち、アセチレン誘導体と無水マレイン酸誘導体とを光反応させる手法である。この場合、光反応は、ベンゾフェノンやアセトフェノン等の光増感剤を共存させて行うことが好ましい。また、光源には高圧水銀灯を用いることが好ましい。
反応溶媒としては、アセトンやメチルエチルケトン等の低級ケトン化合物が好ましい。
反応温度は、−20〜60℃が好ましく、特には0〜40℃が好ましい。
アセチレン誘導体および無水マレイン酸誘導体として、最も経済的な原料としては、R1〜R4が全て水素原子の場合のアセチレンおよび無水マレイン酸であるが、この場合の生成物である無置換のBCPDAの立体構造式には3種の異性体が知られている[Willy Hartmann, Chem. Ber., 102, 3974-3984 (1969) 参照]。
後述するように、本発明者らの検討によっても、この光反応で得られるBCPDAは、3種の異性体からなることが確認されている。さらに、X線構造解析により、その主成分がシス−シス型であることが確認されている(図1参照)。
したがって、置換基を含む平面構造式[3]で表されるBCPDA化合物は、次の立体異性体を含むものである。
Figure 0005163898
これらは、いずれも単独でも混合物でも同様にジアミン化合物類との重縮合反応用モノマーとして用いることができる。
また、これらの酸二無水物を用いて製造される本発明の平面構造式[1]で表されるアミック酸および平面構造式[2]で表されるポリイミドもそれぞれの酸二無水物に対応した立体異性体を含むものである。
必要に応じて用いられるその他のテトラカルボン酸誘導体の具体例としては、1,2,3,4−テトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸、並びにこれらの二無水物およびこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物;ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸、並びにこれらの二無水物およびこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
ポリアミック酸製造時のBCPDA化合物およびその他のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとのモル数の比は、0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様に、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。重合度が小さすぎると、ポリイミド塗膜の強度が不十分となる場合があり、また重合度が大きすぎるとポリイミド塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。
溶液重合の温度は、−20〜150℃の任意の温度を採用できるが、好ましくは−5〜100℃である。
溶液重合に使用可能な溶媒の具体例としては、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプトラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、単独でも、また2種以上混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒を、均一溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
ポリアミック酸をポリイミドに変換する方法は特に限定されるものではないが、上記のようにして得られたポリアミック酸を、加熱により脱水閉環させる方法が一般的に採用される。また、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も採用することができる。
加熱により閉環させる際の温度は、100〜300℃の任意の温度を選択できるが、好ましくは120〜250℃である。
化学的に閉環させる場合、脱水閉環触媒としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、無水酢酸などを用いることができる。この際、反応温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
このようにして得られたポリイミド溶液は、そのまま使用してもよく、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えて沈殿させて単離したポリイミドを粉末として、またはこのポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶解させて溶液として使用することもできる。
再溶解に用いられる溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリイミドを溶解させない溶液であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。このような溶媒の具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
また、ポリイミド膜と基板との密着性をさらに向上させる目的で、得られたポリイミド溶液にカップリング剤等の添加剤を加えてもよい。
本発明のポリイミド溶液を基板に塗布し、溶媒を蒸発させることにより基板上にポリイミド被膜を形成させることができる。溶媒蒸発時の温度は、通常100〜300℃程度である。
以下、合成例および実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例における各物性の測定装置および条件は以下のとおりである。
[1]分子量
装置:常温GPC測定装置(SSC−7200,(株)センシュー科学製)
溶離液:DMF
[2]TG/DTA(示差熱熱量同時測定装置)
装置:Thermoplus TG8120((株)理学電機製)
[3]NMR
装置:JNM−LA400型 FT−NMR system(JOEL製)
測定溶媒:DMSO−d6
[4]単結晶X線
装置:DIP2030(マックサイエンス製)
X線:MoKα(40kV,200mA)
温度:室温
[5]FT−IR
装置:NICOLET 5700(Thermo ELECTRON CORPORATION)
[6]膜厚
装置:Surfcorder ET 4000A(全自動微細形状測定器)(Kosaka Laboratory Ltd.)
[7]UV−Visスペクトル
装置:UV−VIS−NIR SCANNING SPECTROPHOTOMETER(自記分光光度計)((株)島津製作所製)
[合成例1]BCPDAの合成
Figure 0005163898
200mlパイレックス(登録商標)製光反応器にアセトン150mlを仕込み、15℃でアセチレン5.84g(0.224mol)を溶解させた。続いて、無水マレイン酸20g(0.204mol)とベンゾフェノン8.0g(40質量%)とを仕込み、攪拌して溶解させた後、15℃で攪拌下に100W高圧水銀灯(内部照射)で40時間照射した。
反応後、反応液を濃縮し、析出した結晶にアセトン20gを滴下して懸濁洗浄後、乾燥して白色結晶5.9g(得率26%)を得た。この結晶はGC測定から、上記3種類の異性体に対応していると推察される3種類のピーク(76/23/1)が確認できた。さらに、同様のスケールで実験を行い、結晶5.8g(得率26%)を得た。
これらの結晶を、アセトニトリル(無水酢酸添加)に溶解し、自然濃縮して単結晶を作製した。この単結晶をX線構造解析し、主成分がシス−シス−タイプであることを確認した(図1参照)。
Figure 0005163898
[実施例1]BCPDA−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコにp−フェニレンジアミン(p−PDA)0.432g(4.00mmol)と1−メチル−2−ピロリドン(NMP)8.8g(固形分13質量%)とを仕込み、20℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、BCPDA0.889g(4.00mmol)を添加し、20℃でメカニカルスターラーを用いて180rpmの速度で24時間攪拌した。
ここで、NMP16.3g(固形分5質量%)を加えて攪拌後、得られたBCPDA−p−PDAポリアミック酸重合溶液をサンプリングし、分子量測定を行った。GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は8,166で、重量平均分子量(Mw)は15,564であり、Mw/Mnは2.38558であった。
さらに、このポリアミック酸重合溶液に、無水酢酸5.30g(13当量)と酢酸ナトリウム1.33g(4当量)とを加えて、浴温130℃まで昇温して4時間攪拌を続けた。反応液を室温まで冷却してから、攪拌中の水92ml中に滴下し、30分攪拌を続けると褐色けん濁溶液になった。ろ過後、水50ml洗浄およびメタノール洗浄(1回目:50ml、2回目:20ml)した後、減圧乾燥し、BCPDA−p−PDAポリイミドの暗褐色粉末1.15gを得た。この粉末はDMSO−d6に加熱時わずかに溶解した。また、1H−NMRから算出したイミド化率は86.2%であった。
なお、熱特性は以下のとおりであった。
5%重量減少温度(T5):405.4℃
10%重量減少温度(T10):433℃
[実施例2]BCPDA−DDEポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)0.801g(4.00mmol)とNMP6.76g(固形分20質量%)とを仕込み、20℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、BCPDA0.889g(4.00mmol)を添加し、20℃でメカニカルスターラーを用いて180rpmの速度で24時間攪拌した。
ここで、NMP25.3g(固形分5質量%)を加えて攪拌後、得られたBCPDA−DDEポリアミック酸重合溶液をサンプリングし、分子量測定を行った。GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は15,501で、重量平均分子量(Mw)は38,217であり、Mw/Mnは2.46538であった。
さらに、このポリアミック酸重合溶液に、無水酢酸5.30g(13当量)と酢酸ナトリウム1.33g(4当量)とを加えて、浴温130℃まで昇温して4時間攪拌を続けた。反応液を室温まで冷却してから、攪拌中の水140ml中に滴下し、30分攪拌を続けると灰色粉末がけん濁した。ろ過後、水50mlで2回洗浄し、さらにメタノール50mlで3回洗浄後、減圧乾燥し、BCPDA−DDEポリイミドの淡紫色粉末1.50gを得た。
GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は24,304で、重量平均分子量(Mw)は55,603であり、Mw/Mnは2.28785であった。また、1H−NMRから算出したイミド化率は99.2%であった。
なお、熱特性は以下の通りであった。
5%重量減少温度(T5):405.1℃
10%重量減少温度(T10):425.3℃
[実施例3]BCPDA−DA−5MGポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコに4,4’−ジアミノ−1,5−フェノキシペンタン(DA−5MG)1.15g(4.00mmol)とNMP8.0g(固形分20質量%)とを仕込み、20℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いてBCPDA0.889g(4.00mmol)を添加し、20℃でメカニカルスターラーを用いて180rpmの速度で24時間攪拌した。
ここで、NMP25.3g(固形分5質量%)を加えて攪拌後、得られたBCPDA−DA−5MGポリアミック酸重合溶液をサンプリングし、分子量測定を行った。GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は16,682で、重量平均分子量(Mw)は39,326であり、Mw/Mnは2.35735であった。
さらに、このポリアミック酸重合溶液に無水酢酸5.30g(13当量)と酢酸ナトリウム1.33g(4当量)とを加えて、浴温130℃まで昇温して4時間攪拌を続けた。反応液を室温まで冷却してから、攪拌中の水167ml中に滴下し、30分攪拌を続けると灰色粉末がけん濁した。ろ過後、水50mlで2回洗浄し、さらにメタノール50mlで2回洗浄後、減圧乾燥し、BCPDA−DA−5MGポリイミドの淡褐色粉末1.87gが得られた。
GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は21,019で、重量平均分子量(Mw)は44,169であり、Mw/Mnは2.10144であった。また、1H−NMRから算出したイミド化率は98.5%であった。
なお、熱特性は以下の通りであった。
5%重量減少温度(T5):399.4℃
10%重量減少温度(T10):428.2℃
[実施例4]BCPDA−DA−4Pポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコに1,3−ビス(4,4’−アミノフェノキシ)ベンゼン(DA−4P)1.12g(4.00mmol)とNMP8.00g(固形分20質量%)とを仕込み、20℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、BCPDA0.889g(4.00mmol)を添加し、20℃でメカニカルスターラーを用いて180rpmの速度で24時間攪拌した。
ここで、NMP25.3g(固形分5wt%)を加えて攪拌後、得られたBCPDA−DA−4Pポリアミック酸重合溶液をサンプリングし、分子量測定を行った。GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は15,188で、重量平均分子量(Mw)は36,232であり、Mw/Mnは2.38558であった。
さらに、このポリアミック酸重合溶液に無水酢酸5.30g(13当量)と酢酸ナトリウム1.33g(4当量)とを加えて、浴温130℃まで昇温して4時間攪拌を続けた。反応液を室温まで冷却してから、攪拌中の水163ml中に滴下し、30分攪拌を続けると灰色粉末がけん濁した。ろ過後、水50mlで2回洗浄し、メタノール50mlで2回洗浄した後、減圧乾燥し、BCPDA−DA−4Pポリイミドの灰色粉末1.84gを得た。
GPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は16,508で、重量平均分子量(Mw)は36,422であり、Mw/Mnは2.20631であった。また、1H−NMRから算出したイミド化率は99.5%であった。
なお、熱特性は以下のとおりであった。
5%重量減少温度(T5):417.0℃
10%重量減少温度(T10):449.2℃
上記各実施例で得られたBCPDA−各ジアミンポリイミドの各種溶媒に対する溶解性を評価した。結果を表2に示す。
表2に示されるように、BCPDA−各ジアミンポリイミドは、一部の極性有機溶媒に対する溶解性を示した。
Figure 0005163898
++:25℃溶解
+:25℃一部溶解
−:加温不溶
[実施例5]BCPDA−DDEポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
〈ポリアミック酸の合成〉
乾燥した四つ口反応フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)0.801g(4.00mmol)と、NMP6.76g(固形分20wt%)とを仕込み、20℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、BCPDA0.889g(4.00mmol)を添加し、メカニカルスターラーを用いて18℃で、160rpmの速度で48時間攪拌した。
得られたBCPDA−DDEポリアミック酸重合溶液のGPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は21,502で、重量平均分子量(Mw)は22,149であり、Mw/Mnは1.030であった。
〈ポリイミド膜形成〉
ここで、得られたBCPDA−DDEポリアミック酸重合溶液を8cm×10cmガラス板に(1)25μmと(2)200μmのドクターブレードを用いてそれぞれ塗布した。続いて、100℃で30分間と250℃で1時間ホットプレートで焼成しポリイミド膜を形成させた。
〈ポリイミド膜厚の測定〉
全自動微細形状測定器を用いて膜厚を測定した結果、アミック酸を(1)25μmで塗布した膜が3.2μm、(2)200μmで塗布した膜が24.3μmであった。
〈イミド化率の測定〉
ポリイミド膜をFT−IRを測定しその吸収スペクトルからイミド化率を算出すると、(1)膜厚:3.2μmが97%、(2)膜厚:24.3μmが100%であった。(残余アミドの吸収:1630〜1650cm-1の面積と生成イミドの吸収:1774〜1698cm-1の面積から算出)
〈光透過率測定〉
UV−Visスペクトルを測定した結果、400nmでの光透過率は(1)膜厚:3.2μmが72%であった。(図2参照)
[実施例6]BCPDA−DDEポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)0.401g(2.00mmol)とNMP7.6g(固形分10wt%)とを仕込み、18℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、BCPDA0.444g(2.00mmol)を添加し、メカニカルスターラーを用いて18℃で、160rpmの速度で24時間攪拌した。
得られたBCPDA−DDEポリアミック酸重合溶液のGPC測定の結果、数平均分子量(Mn)は15,733で、重量平均分子量(Mw)は16,162であり、Mw/Mnは1.027であった。
次に、実施例5と同様にして、ポリイミド膜を形成し、その膜厚、イミド化率および光透過率を測定した結果を次表に示す。
Figure 0005163898
膜厚0.552μmのポリイミド膜では、350nmでの光透過率が84%に達した。(図3参照)
ここで、さらに、BCPDA−DDEポリアミック酸重合溶液を200μmのドクターブレードを用いてガラス板上に塗布した後、100℃で30分間と160℃で1時間ホットプレートで焼成しポリイミド膜を形成させた。その結果を次表に示す。
Figure 0005163898
膜厚10.0μmのポリイミド膜では、450nmでの光透過率が83%に達した。(図4参照)
[実施例7]BCPDA−DCHMポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコに4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(DCHM)0.421g(2.00mmol)とクレゾール8.65g(固形分10wt%)とを仕込み、18℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、BCPDA0.444g(2.00mmol)を添加し、メカニカルスターラーを用いて18℃で、160rpmの速度で24時間攪拌した。
次に、実施例5と同様にして、ポリイミド膜を形成し、その膜厚、イミド化率および光透過率を測定した結果を次表に示す。
Figure 0005163898
膜厚0.837μmの全脂環式ポリイミド膜では、350nmでの光透過率が90%に達した。(図5参照)
ここで、さらに、BCPDA−DCHMポリアミック酸重合溶液を200μmのドクターブレードを用いてガラス板上に塗布した後、100℃で30分と160℃で1時間ホットプレートで焼成しポリイミド膜を形成させた。その結果を次表に示す。
Figure 0005163898
膜厚4.6μmの全脂環式ポリイミド膜では、350nmでの光透過率が90%に達した。(図6参照)
[比較例1]CBDA−DCHMポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 0005163898
乾燥した四つ口反応フラスコに、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(DCHM)1.05g(5.00mmol)とクレゾール11.5g(固形分15wt%)とを仕込み、18℃(室温)でメカニカルスターラーを用いて攪拌しながら溶解させた。続いて、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸−1,2:3,4−二無水物(CBDA)0.980g(5.00mmol)を添加し、メカニカルスターラーを用いて45℃で、160rpmの速度で1時間攪拌した。その後、20℃で、160rpmの速度で23時間攪拌した。
次に、得られたCBDA−DCHMポリアミック酸重合溶液を8cm×10cmガラス板にピペットを用いて滴下塗布した。続いてホットプレートで100℃で30分間予備焼成した後、160℃の乾燥機に入れて1時間焼成してポリイミド膜を形成させた。得られた膜は、透明性はあったが、ボロボロに割れており、一枚の膜として剥がすことができなかった。破片の一部の膜厚を測定した結果は、14.5μmであった。
このように、従来の脂環式テトラカルボン酸二無水物の代表的化合物である1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸−1,2:3,4−二無水物(CBDA)と脂環式ジアミンとから得られたポリイミドは脆く、膜として使用することができないことがわかる。

Claims (9)

  1. 式[1]で表される繰り返し単位を10モル%以上含有することを特徴とするポリアミック酸。
    Figure 0005163898
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、または隣接する炭素原子上のR3とR4とが一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基もしくはフェニル基を表し、R5は2価の有機基を表す。nは2以上の整数を表す。)
  2. 式[2]で表される繰り返し単位を10モル%以上含有することを特徴とするポリイミド。
    Figure 0005163898
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、または隣接する炭素原子上のR3とR4とが一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基もしくはフェニル基を表し、R5は2価の有機基を表す。nは2以上の整数を表す。)
  3. 数平均分子量が5000以上である請求項1記載のポリアミック酸。
  4. 前記R1、R2、R3およびR4が、水素原子である請求項1記載のポリアミック酸。
  5. 前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3およびR4の少なくとも一方がメチル基である請求項1記載のポリアミック酸。
  6. 前記R1、R2、R3およびR4が水素原子である請求項2記載のポリイミド。
  7. 前記R1およびR2が水素原子であり、前記R3およびR4の少なくとも一方がメチル基である請求項2記載のポリイミド。
  8. 式[1]のR5が、脂環式ジアミンまたは脂肪族ジアミンに由来する2価の有機基である請求項1記載のポリアミック酸。
  9. 式[2]のR5が、脂環式ジアミンまたは脂肪族ジアミンに由来する2価の有機基である請求項2記載のポリイミド。
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