JP5315918B2 - ポリイミドフィルムの製造法 - Google Patents
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Description
しかし、最近、それらの装置の大画面化に伴ってガラス基板を用いることによる重量増大化の問題や、携帯電話、電子手帳、ラップトップ型パソコン等の携帯情報端末などの移動型情報通信機器用表示装置の薄膜化に伴ってガラス基板の破損の問題などが深刻になってきている。
透明で柔軟かつ強靭なプラスチック基板は、曲げたり丸めたりして収納可能なフレキシブル表示パネルの実現を可能にする。
有機ELディスプレー用基板分野では、ポリエチレンナフタレート(PEN)を使用した例が知られている(特許文献1)。PENの耐熱温度は150℃であり、低温成膜が必要になるが、未だその実用的な製造法確立までには至っていない。
しかし、従来の全芳香族ポリイミド樹脂は、濃い琥珀色を呈して着色するため、高い透明性が要求される電子デバイス分野の厚膜においては問題が生じる。
しかし、これらのポリイミドは、液晶配向膜の厚みが1μm以下の特定分野に適用される膜であるうえに、100μm前後の厚膜を製膜することが難しいという問題がある。
すなわち、上記式[5]で表されるTDA化合物と、式[6]で表されるBAPBとの重縮合およびイミド化によって得られるTDA−BAPBポリイミドが、高光透過性、高耐熱性、高靭性かつ低吸水率で、フレキシブルであり、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板および太陽電池用基板等として有用であることを見出し、本発明を完成した。
1. 式[2]で表される繰り返し単位を少なくとも90モル%含有し、数平均分子量が5000以上であるポリアミック酸の有機溶媒溶液を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とする、式[4]で表される繰り返し単位を少なくとも90モル%含有するポリイミドフィルムの製造法、
2. 前記式[2]で表されるポリアミック酸が、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応により得られ、前記脂環式テトラカルボン酸二無水物が、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物のみからなり、前記芳香族ジアミンが、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンのみからなる1のポリイミドフィルムの製造法、
3. 膜厚が110〜500μmである1または2のポリイミドフィルムの製造法、
4. 前記ポリアミック酸の数平均分子量が、5000〜100000である1〜3のいずれかのポリイミドフィルムの製造法、
5. 前記有機溶媒が、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、およびγ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種類である1〜4のいずれかのポリイミドフィルムの製造法、
6. 1〜5のいずれかのポリイミドフィルムの製造法で得られたポリイミドフィルム
を提供する。
このポリイミドフィルムは、電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板等として好適に用いることができる。
上記式[1]および[3]において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖、分岐のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−アミル、t−アミル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ基等が挙げられる。
炭素数3〜7のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基等が挙げられる。
なお、以上において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーをそれぞれ表す。
このため、上記式[1]〜[4]におけるnはポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量が5000以上となる整数が好ましい。具体的には8〜180が好ましく、特に10〜100が好適である。
本発明において、TDA化合物としては、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物(TDA)、2−メチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2−エチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2−n−プロピル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2−n−ブチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、2−n−ペンチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、5−メチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、6−メチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、7−メチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、8−メチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、5,8−ジメチル−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、5−クロロ−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、6−クロロ−3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が挙られる。これらの中で、入手面からTDAが好ましい。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物なども挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
その具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ −4,4’−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等の脂環式ジアミン化合物およびテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物等が挙げられ、これらのジアミン化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
したがって、本反応における生成物の重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(30℃のN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
また、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も採用することができる。
加熱による方法は、100〜300℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミンなどと、無水酢酸などとの存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
その際、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成する多段階昇温法を採用することにより、着色が少なく均一な表面平滑性の高いポリイミドフィルムを作製することができる。
このポリイミドフィルムは、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板として用いることができる。
[1]分子量
装置:常温GPC測定装置(SSC−7200,(株)センシュー科学製)
溶離液:DMF
[2]TG/DTA(示差熱熱量同時測定装置)
装置:Thermoplus TG8120((株)理学電機製)
[3]FT−IR
装置:NICOLET 5700(Thermo ELECTRON CORPORATION)
[4]膜厚
測定器:マイクロメーター((株)サントップ製)
[5]UV−Visスペクトル
装置:UV−VIS−NIR SCANNING SPECTROPHOTOMETER(自記分光光度計)((株)島津製作所製)
[6]有限会社テストロニクス測定
(1)最大応力(2)耐力(3)ヤング率(4)破断荷重(5)最大伸び率
フィルム寸法W×t(mm):10.2×0.144
断面積(mm2):1.4688
この溶液にDMFを加えて固形分0.5質量%に調整し、GPC法により分子量を測定した結果、数平均分子量(Mn)は7,941で、重量平均分子量(Mw)は21,896であり、Mw/Mnは2.76であった。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下、80℃/1.5時間、140℃/1.5時間、200℃/1.5時間、および240℃/2.5時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥した。
膜厚:126μm
光透過率(400nm):88%
吸水率:0.4%
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.96g(7mmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)16.0gを仕込み、DA4PをDMAcに溶解させた。続いて、その溶液を攪拌しつつ、TDA2.10g(7mmol)を溶解させながら徐々に添加した。さらに、26℃で24時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下、80℃/3.5時間、120℃/3時間、160℃/3時間、190℃/2時間、210℃/2時間、および240℃/2.5時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥した。
膜厚:110μm
光透過率(400nm):93%
5%重量減少温度(℃):377.2
10%重量減少温度(℃):395.0
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.91g(6.86mmol)およびNMP16.0gを仕込み、DA4PをNMPに溶解させた。続いて、その溶液を攪拌しつつ、TDA2.10g(7mmol)を溶解させながら徐々に添加した。さらに、50℃で24時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下、100℃/2時間、120℃/3時間、150℃/2時間、200℃/2時間、および240℃/3.5時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥した。
膜厚:138μm
光透過率(400nm):83%
5%重量減少温度(℃):368.2
10%重量減少温度(℃):399.3
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.67g(6mmol)およびNMP13.9gを仕込み、DA4PをNMPに溶解させた。続いて、その溶液を攪拌しつつ、TDA1.80g(6mmol)を溶解させながら徐々に添加した。さらに、19℃で24時間攪拌して重合反応を行ったところ、白濁したので、50℃で4時間攪拌したところ均一透明液になり、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下、80℃/2時間、150℃/1.8時間、180℃/1.3時間、および210℃/3.8時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥した。
膜厚:212μm
光透過率(400nm):76%
最大応力(kg/mm2):8.32
耐力(kg/mm2):4.19
ヤング率(GPa):1.81
破断荷重(kgf):16.96
最大伸び率(%):8.36
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P2.79g(10mmol)およびNMP23.2gを仕込み、DA4PをNMPに溶解させた。続いて、その溶液を攪拌しつつ、TDA3.00g(10mmol)を溶解させながら徐々に添加した。さらに、30℃で7時間および17℃で16時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下、80℃/2時間、120℃/1.5時間、160℃/1.5時間、180℃/2.5時間、および210℃/1.5時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥した。
膜厚:201μm
光透過率(400nm):78%
最大応力(kg/mm2):7.32
耐力(kg/mm2):5.76
ヤング率(GPa):6.93
破断荷重(kgf):14.30
最大伸び率(%):6.27
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.91g(6.86mmol)およびDMAc16.0gを仕込み、DA4PをDMAcに溶解させた。続いて、その溶液を攪拌しつつ、TDA2.10g(7mmol)を溶解させながら徐々に添加した。さらに、30℃で52時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
続いて、この溶液にDMAc30gを加えて固形分8質量%にした後、20℃で攪拌下に無水酢酸14.3g(140mmol)およびピリジン5.54g(70mmol)を添加した。さらに、100℃で1時間30分間攪拌した後、20℃まで冷却してから攪拌下のメタノール250mL中に注いだところ、沈殿物が生成した。そのまま45分間攪拌してから濾過し、メタノール100mLで3回洗浄した後、70℃で4時間乾燥し、淡肌色粉体3.64gを得た(収率97.6%)。
この粉体の赤外吸収スペクトルから1705.48cm-1(5員環イミド)を確認し、イミド化率を算出したところ、93%であった。
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.91g(6.86mmol)およびNMP16.0gを仕込み、DA4PをNMPに溶解させた。続いて、その溶液を攪拌しつつ、TDA2.10g(7mmol)を溶解させながら徐々に添加した。さらに、30℃で55時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
続いて、この溶液にNMP30gを加えて固形分8質量%にした後、20℃で攪拌下に無水酢酸14.3g(140mmol)およびピリジン5.54g(70mmol)を添加した。さらに、50℃で3時間攪拌した後、20℃まで冷却してから攪拌下のメタノール246mL中に注いだところ、沈殿物が生成した。そのまま2時間攪拌してから濾過し、メタノール120mLで3回洗浄した後、70℃で3時間乾燥し、白色粉体3.28gを得た(収率96.7%)。
この粉体の赤外吸収スペクトルから1705.48cm-1(5員環イミド)を確認し、イミド化率を算出したところ、96%であった。
この溶液にDMFを加えて固形分0.5質量%に調整し、GPC法により分子量を測定した結果、数平均分子量(Mn)は26,180で、重量平均分子量(Mw)は42,921であり、Mw/Mnは1.45であった。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下、80℃/2時間、140℃/2時間、200℃/1.5時間、および240℃/3.5時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥した。
膜厚:146μm
光透過率(400nm):76%
Claims (6)
- 前記式[2]で表されるポリアミック酸が、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応により得られ、
前記脂環式テトラカルボン酸二無水物が、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物のみからなり、
前記芳香族ジアミンが、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンのみからなる請求項1記載のポリイミドフィルムの製造法。 - 膜厚が110〜500μmである請求項1または2記載のポリイミドフィルムの製造法。
- 前記ポリアミック酸の数平均分子量が、5000〜100000である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリイミドフィルムの製造法。
- 前記有機溶媒が、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、およびγ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜4のいずれか1項記載のポリイミドフィルムの製造法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリイミドフィルムの製造法で得られたポリイミドフィルム。
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