JP2009292940A - ポリアミック酸およびポリイミドフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】高光透過性、高耐熱性、高靭性かつ低吸水率で、フレキシブルなポリイミドフィルムおよびこの原料となるポリアミック酸を提供すること。
【解決手段】式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が5000以上であるポリアミック酸、および式[3]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有するポリイミドフィルム。
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、ニトリル基、またはカルボキシル基を表し、nは整数を表す。)
【選択図】なし
【解決手段】式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が5000以上であるポリアミック酸、および式[3]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有するポリイミドフィルム。
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、ニトリル基、またはカルボキシル基を表し、nは整数を表す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミック酸およびポリイミドフィルムに関し、さらに詳述すると、脂環式構造を有し、例えば、電子材料用として好適なフレキシブルポリイミドフィルムに関する。
従来、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)ディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板および太陽電池用基板には、ガラスが用いられてきた。
しかし、最近、それらの装置の大画面化に伴ってガラス基板を用いることによる重量増大化の問題や、携帯電話、電子手帳、ラップトップ型パソコン等の携帯情報端末などの移動型情報通信機器用表示装置の薄膜化に伴ってガラス基板の破損の問題などが深刻になってきている。
しかし、最近、それらの装置の大画面化に伴ってガラス基板を用いることによる重量増大化の問題や、携帯電話、電子手帳、ラップトップ型パソコン等の携帯情報端末などの移動型情報通信機器用表示装置の薄膜化に伴ってガラス基板の破損の問題などが深刻になってきている。
そこで、より軽量かつ柔軟であるとともに、耐衝撃性を有し、成型加工も容易なプラスチック基板の採用が求められている。
透明で柔軟かつ強靭なプラスチック基板は、曲げたり丸めたりして収納可能なフレキシブル表示パネルの実現を可能にする。
有機ELディスプレー用基板分野では、ポリエチレンナフタレート(PEN)を使用した例が知られている(特許文献1)。PENの耐熱温度は150℃であり、低温成膜が必要になるが、未だその実用的な製造法確立までには至っていない。
透明で柔軟かつ強靭なプラスチック基板は、曲げたり丸めたりして収納可能なフレキシブル表示パネルの実現を可能にする。
有機ELディスプレー用基板分野では、ポリエチレンナフタレート(PEN)を使用した例が知られている(特許文献1)。PENの耐熱温度は150℃であり、低温成膜が必要になるが、未だその実用的な製造法確立までには至っていない。
ところで、ポリイミド樹脂は、高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性を有しているため、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料、カラーフィルタなどの電子材料用薄膜として広く用いられている。
しかし、従来の全芳香族ポリイミド樹脂においては、濃い琥珀色を呈して着色するため、高い透明性が要求される電子デバイス分野の厚膜においては問題が生じる。
透明性を実現する一つの方法として、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応によりポリイミド前駆体を得て、当該前駆体をイミド化してポリイミドを製造すれば、比較的着色が少なく、高透明性のポリイミドが得られることが知られている(特許文献2)。
しかし、従来の全芳香族ポリイミド樹脂においては、濃い琥珀色を呈して着色するため、高い透明性が要求される電子デバイス分野の厚膜においては問題が生じる。
透明性を実現する一つの方法として、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応によりポリイミド前駆体を得て、当該前駆体をイミド化してポリイミドを製造すれば、比較的着色が少なく、高透明性のポリイミドが得られることが知られている(特許文献2)。
しかし、式[5]で表される3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物(以下、NDAと略記する)と、式[6]で表される置換ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン化合物(以下、BAPBと略記する)との重縮合により得られるNDA−BAPBポリイミドは、特許文献2に具体的に記載がないため、その物性は未知であり、また、その用途面において、どのような特性を発揮するかも知られていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高光透過性、高耐熱性、高靭性かつ低吸水率で、フレキシブルなポリイミドフィルムおよびこの原料となるポリアミック酸を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、多くの脂環式テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との組み合わせで得られるポリイミドフィルムの中から、その透明性、機械的強度、耐熱性、低吸水性、柔軟性、フィルム表面の平滑性等を兼ね備えたモノマーとして、上述したNDAとBAPBの組み合わせが優れていることを見出した。
すなわち、上記式[5]で表されるNDAと、式[6]で表されるBAPBとの重縮合およびイミド化によって得られるNDA−BAPBポリイミドを含むフィルムが、高光透過性、高耐熱性、高靭性かつ低吸水率で、フレキシブルであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記式[5]で表されるNDAと、式[6]で表されるBAPBとの重縮合およびイミド化によって得られるNDA−BAPBポリイミドを含むフィルムが、高光透過性、高耐熱性、高靭性かつ低吸水率で、フレキシブルであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が5000以上であることを特徴とするポリアミック酸、
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、ニトリル基、またはカルボキシル基を表し、nは整数を表す。)
2. 式[2]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が5000以上である1のポリアミック酸、
(式中、nは、前記と同じ意味を表す。)
3. 式[3]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有することを特徴とするポリイミドフィルム、
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、ニトリル基、またはカルボキシル基を表し、nは整数を表す。)
4. 式[4]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有する3のポリイミドフィルム、
(式中、nは、前記と同じ意味を表す。)
5. 1または2のポリアミック酸を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とする3または4のポリイミドフィルムの製造法、
6. 式[3]または式[4]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有するポリイミドの有機溶媒溶液を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とするポリイミドフィルムの製造法
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、ニトリル基、またはカルボキシル基を表し、nは整数を表す。)
を提供する。
1. 式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が5000以上であることを特徴とするポリアミック酸、
2. 式[2]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が5000以上である1のポリアミック酸、
3. 式[3]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有することを特徴とするポリイミドフィルム、
4. 式[4]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有する3のポリイミドフィルム、
5. 1または2のポリアミック酸を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とする3または4のポリイミドフィルムの製造法、
6. 式[3]または式[4]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有するポリイミドの有機溶媒溶液を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とするポリイミドフィルムの製造法
を提供する。
本発明のポリイミドフィルムは、高光透過性、高耐熱性、高靭性かつ低吸水率で、フレキシブルであるため、電気・電子部品分野で使用されているガラス基板に代替し得る、柔軟性を有する基板として好適に用いることができる。
このポリイミドフィルムは、電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板等として好適に用いることができる。
このポリイミドフィルムは、電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板等として好適に用いることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
上記式[1]および[3]において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖、分岐のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−アミル、t−アミル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基等が挙げられる。
上記式[1]および[3]において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖、分岐のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−アミル、t−アミル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基等が挙げられる。
炭素数2〜5のアルケニル基としては、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ基等が挙げられる。
炭素数3〜7のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基等が挙げられる。
なお、以上において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーをそれぞれ表す。
炭素数1〜5のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ基等が挙げられる。
炭素数3〜7のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基等が挙げられる。
なお、以上において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーをそれぞれ表す。
本発明において、ポリアミック酸およびポリイミドの数平均分子量は、フィルムにした場合の柔軟性等を考慮すると、少なくとも5000が好ましく、6000〜100000がより好ましい。
このため、上記式[1]〜[4]におけるnはポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量が5000以上となる整数が好ましい。具体的には8〜180が好ましく、特に10〜100が好適である。
このため、上記式[1]〜[4]におけるnはポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量が5000以上となる整数が好ましい。具体的には8〜180が好ましく、特に10〜100が好適である。
本発明のポリアミック酸(ポリイミドフィルム)は、それぞれ上記式で表される繰り返し構造を10モル%以上含有すればよいが、特に、高い耐熱性および透明性を有し、柔軟性に優れたポリイミドフィルムとするためには、上記構造を50モル%以上含有することが好ましく、70モル%以上含有することがより好ましく、90モル%以上含有することが最適である。
上記式[1]および[2]で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸は、上述したように、式[5]で表されるNDAと、式[6]で表されるBAPBとの重縮合により合成できる。
本発明において、BAPBとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、DA4Pと略記する)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−メチルベンゼン、3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−エイコシルベンゼン、3−ビス(4−アミノ−3−ドデシルフェノキシ)−5−ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シアノベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−メトキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−ビニルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−アリルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−カルボキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シクロプロピルベンゼン、3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−エイコシルベンゼン、3−ビス(3−アミノ−4−ドデシルフェノキシ)−5−ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シアノベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−メトキシベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−ビニルベンゼン、1,3−ビス(3−ミノフェノキシ)−5−アリルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−カルボキシベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シクロプロピルベンゼン、3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルベンゼン等が挙られる。これらの中でも、得られるフィルム物性面からDA4Pが好ましい。
本発明において、BAPBとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、DA4Pと略記する)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−メチルベンゼン、3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−エイコシルベンゼン、3−ビス(4−アミノ−3−ドデシルフェノキシ)−5−ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シアノベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−メトキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−ビニルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−アリルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−カルボキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シクロプロピルベンゼン、3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−エイコシルベンゼン、3−ビス(3−アミノ−4−ドデシルフェノキシ)−5−ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シアノベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−デシルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−メトキシベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−ビニルベンゼン、1,3−ビス(3−ミノフェノキシ)−5−アリルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−カルボキシベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シクロプロピルベンゼン、3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−シクロヘキシルベンゼン等が挙られる。これらの中でも、得られるフィルム物性面からDA4Pが好ましい。
なお、本発明のポリアミック酸およびポリイミドフィルムでは、上述した式[1]〜[4]のいずれかの繰り返し単位が10モル%以上含まれるとともに、得られるポリイミドフィルムの物性に影響を与えない限りにおいて、上記NDA以外の通常のポリイミドの合成に使用されるテトラカルボン酸化合物およびその誘導体を同時に用いてもよい。
その具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸、およびこれら二無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物なども挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物なども挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
一方、ジアミンとしても、上述した式[1]〜[4]のいずれかの繰り返し単位が10モル%以上含まれるとともに、得られるポリイミドフィルムの物性に影響を与えない限りにおいて、上記BAPB以外のその他のジアミン化合物を用いてもよい。
その具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ −4,4’−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等の脂環式ジアミン化合物およびテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物等が挙げられ、これらのジアミン化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
その具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ −4,4’−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等の脂環式ジアミン化合物およびテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物等が挙げられ、これらのジアミン化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明のポリアミック酸を合成する際の全テトラカルボン酸二無水物化合物のモル数と全ジアミン化合物のモル数との比はカルボン酸化合物/ジアミン化合物=0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。重合度が小さすぎるとポリイミド塗膜の強度が不十分となり、また重合度が大きすぎるとポリイミド塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。
したがって、本反応における生成物の重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(30℃のN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
したがって、本反応における生成物の重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(30℃のN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
本発明のポリアミック酸合成に用いられる溶媒としては、例えば、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルカプトラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、均一な溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
本発明のポリイミドは、以上のようにして合成したポリアミック酸を、加熱により脱水閉環(熱イミド化)して得ることができる。なお、この際、ポリアミック酸を溶媒中でイミドに転化させ、溶剤可溶性のポリイミドとして用いることも可能である。
また、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も採用することができる。
加熱による方法は、100〜300℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミンなどと、無水酢酸などとの存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
また、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も採用することができる。
加熱による方法は、100〜300℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミンなどと、無水酢酸などとの存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
このようにして得られたポリイミド溶液は、そのまま使用することもでき、また、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えて沈殿させ、これを単離したポリイミドを粉末として、あるいはそのポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶解させて使用することができる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリイミドを溶解しない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムは、重合で得られたポリアミック酸溶液やこれを化学イミド化した後再沈殿させて得られたポリイミドの有機溶媒溶液を、ガラス板等の基材上に塗布し、溶媒を蒸発させることにより作製することができる。
その際、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成する多段階昇温法を採用することにより、着色性が少なく均一な表面平滑性の高いポリイミドフィルムを作製することができる。
その際、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成する多段階昇温法を採用することにより、着色性が少なく均一な表面平滑性の高いポリイミドフィルムを作製することができる。
このようにして作製された本発明のポリイミドフィルムは、膜厚50〜500μm、400nmでの光透過率80%以上、10%重量減少温度300℃以上、吸水率1%以下、ヤング率2.0GPa以上、最大伸率5%以上の高透明性、高機械的強度、高耐熱性、低吸水性、かつ、柔軟性を兼ね備えたものである。
このポリイミドフィルムは、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板として用いることができる。
このポリイミドフィルムは、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜、有機ELディスプレー用基板、液晶ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板として用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例における各物性の測定装置は以下のとおりである。
[1]分子量
装置:常温GPC測定装置(SSC−7200,(株)センシュー科学製)
溶離液:DMF
[2]TG/DTA(示差熱熱量同時測定装置)
装置:Thermoplus TG8120((株)理学電機製)
[3]FT−IR
装置:NICOLET 5700(Thermo ELECTRON CORPORATION)
[4]膜厚
測定器:マイクロメーター((株)サントップ製)
[5]UV−Visスペクトル
装置:UV−VIS−NIR SCANNING SPECTROPHOTOMETER(自記分光光度計)((株)島津製作所製)
[6]有限会社テストロニクス測定
(1)最大応力(2)耐力(3)ヤング率(4)破断荷重(5)最大伸び率
フィルム寸法W×t(mm):10.2×0.144
断面積(mm2):1.4688
[1]分子量
装置:常温GPC測定装置(SSC−7200,(株)センシュー科学製)
溶離液:DMF
[2]TG/DTA(示差熱熱量同時測定装置)
装置:Thermoplus TG8120((株)理学電機製)
[3]FT−IR
装置:NICOLET 5700(Thermo ELECTRON CORPORATION)
[4]膜厚
測定器:マイクロメーター((株)サントップ製)
[5]UV−Visスペクトル
装置:UV−VIS−NIR SCANNING SPECTROPHOTOMETER(自記分光光度計)((株)島津製作所製)
[6]有限会社テストロニクス測定
(1)最大応力(2)耐力(3)ヤング率(4)破断荷重(5)最大伸び率
フィルム寸法W×t(mm):10.2×0.144
断面積(mm2):1.4688
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.96g(7mmol)およびNMP15.0gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中に、NDA1.75g(7mmol)を溶解させながら添加した。さらに、25℃で27時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液にDMFを加えて固形分5質量%に調整し、GPC法により分子量を測定した結果、数平均分子量(Mn)は12,449で、重量平均分子量(Mw)は13,016であり、Mw/Mnは1.05であった。
この溶液にDMFを加えて固形分5質量%に調整し、GPC法により分子量を測定した結果、数平均分子量(Mn)は12,449で、重量平均分子量(Mw)は13,016であり、Mw/Mnは1.05であった。
この溶液を75mm×100mmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、80℃/2時間、120℃/2時間、180℃/2時間および240℃/2時間の段階的焼成を行った。その後、フィルム付ガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で140℃/2時間乾燥した。
得られたフィルムの赤外吸収スペクトルから1705.48cm-1(5員環イミド)を確認し、イミド化率を算出したところ、96%であった。また、諸物性値は以下のとおりであった。
得られたフィルムの赤外吸収スペクトルから1705.48cm-1(5員環イミド)を確認し、イミド化率を算出したところ、96%であった。また、諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:144μm
光透過率(400nm):81%
最大応力(kg/mm2):7.17
耐力(kg/mm2):5.00
ヤング率(GPa):2.14
破断荷重(kgf):9.977
最大伸び率(%):5.43
ガラス転移点:なし
10%重量減量温度(℃):393
吸水率(%):0.4
光透過率(400nm):81%
最大応力(kg/mm2):7.17
耐力(kg/mm2):5.00
ヤング率(GPa):2.14
破断荷重(kgf):9.977
最大伸び率(%):5.43
ガラス転移点:なし
10%重量減量温度(℃):393
吸水率(%):0.4
[実施例2]
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.67g(6mmol)およびNMP18.0gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中にNDA1.50g(6mmol)を溶解させながら添加した。さらに、27℃で32時間攪拌して重合反応を行い、固形分15質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を12cm×8cmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下で80℃/2時間、120℃/2時間、180℃/2時間および240℃/2時間の段階的焼成を行った。さらに、フィルム付きガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥し、フレキシブルフィルムを得た。その諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:83μm
光透過率(400nm):84%
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.67g(6mmol)およびNMP18.0gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中にNDA1.50g(6mmol)を溶解させながら添加した。さらに、27℃で32時間攪拌して重合反応を行い、固形分15質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を12cm×8cmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下で80℃/2時間、120℃/2時間、180℃/2時間および240℃/2時間の段階的焼成を行った。さらに、フィルム付きガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥し、フレキシブルフィルムを得た。その諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:83μm
光透過率(400nm):84%
[実施例3]
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.91g(6.88mmol)およびNMP14.6gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中にNDA1.71g(7mmol)を溶解させながら添加した。さらに、35℃で4時間、24℃で15時間更に30℃で6時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を12cm×8cmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下で100℃/2時間、150℃/2時間および240℃/5時間の段階的焼成を行った。さらに、フィルム付きガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥し、フレキシブルフィルムを得た。その諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:140μm
光透過率(400nm):81%
10%重量減量温度(℃):394
25℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P1.91g(6.88mmol)およびNMP14.6gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中にNDA1.71g(7mmol)を溶解させながら添加した。さらに、35℃で4時間、24℃で15時間更に30℃で6時間攪拌して重合反応を行い、固形分20質量%のポリアミック酸溶液を得た。
この溶液を12cm×8cmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下で100℃/2時間、150℃/2時間および240℃/5時間の段階的焼成を行った。さらに、フィルム付きガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥し、フレキシブルフィルムを得た。その諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:140μm
光透過率(400nm):81%
10%重量減量温度(℃):394
[実施例4](化学イミド化例)
15℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P0.84g(3mmol)およびNMP9.0gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中に、NDA0.75g(3mmol)を溶解させながら添加した。さらに、15℃で24時間攪拌して重合反応を行い、固形分15質量%のポリアミック酸溶液を得た。
続いて、この溶液にNMP21.2gを加えて固形分5質量%にした後、20℃で攪拌下に無水酢酸0.918g(9mmol)とピリジン1.18g(15mmol)を添加した。さらに、110℃で2時間攪拌した後、15℃まで冷却してから攪拌下のメタノール120ml中に注ぎ、沈殿物を生成させた。そのまま2時間攪拌してから濾過し、メタノール50mlで3回洗浄した後、70℃で3時間乾燥し、白色粉体1.30gを得た(収率87.8%)。
この粉体をDMFに加えて固形分0.5質量%に調整し、GPC法により分子量を測定した結果、数平均分子量(Mn)は8,156、重量平均分子量(Mw)は19,352であり、Mw/Mnは2.37であった。
この粉体の赤外吸収スペクトルから1705.48cm-1(5員環イミド)を確認し、イミド化率を算出したところ、92%であった。
この白色粉体を、DMAcに溶解し、固形分15質量%溶液として、12cm×8cmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下で80℃/2時間、140℃/2時間、200℃/2時間および240℃/2時間の段階的焼成を行った。さらに、フィルム付きガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥し、フレキシブルフィルムを得た。その諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:105μm
光透過率(400nm):87%
15℃の水浴中に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、DA4P0.84g(3mmol)およびNMP9.0gを仕込み溶解させた。続いて、その溶液を攪拌中に、NDA0.75g(3mmol)を溶解させながら添加した。さらに、15℃で24時間攪拌して重合反応を行い、固形分15質量%のポリアミック酸溶液を得た。
続いて、この溶液にNMP21.2gを加えて固形分5質量%にした後、20℃で攪拌下に無水酢酸0.918g(9mmol)とピリジン1.18g(15mmol)を添加した。さらに、110℃で2時間攪拌した後、15℃まで冷却してから攪拌下のメタノール120ml中に注ぎ、沈殿物を生成させた。そのまま2時間攪拌してから濾過し、メタノール50mlで3回洗浄した後、70℃で3時間乾燥し、白色粉体1.30gを得た(収率87.8%)。
この粉体をDMFに加えて固形分0.5質量%に調整し、GPC法により分子量を測定した結果、数平均分子量(Mn)は8,156、重量平均分子量(Mw)は19,352であり、Mw/Mnは2.37であった。
この粉体の赤外吸収スペクトルから1705.48cm-1(5員環イミド)を確認し、イミド化率を算出したところ、92%であった。
この白色粉体を、DMAcに溶解し、固形分15質量%溶液として、12cm×8cmのガラス板上に流延した後、減圧乾燥機に入れ、10Paの減圧下で80℃/2時間、140℃/2時間、200℃/2時間および240℃/2時間の段階的焼成を行った。さらに、フィルム付きガラス基板を80℃の湯浴に5時間浸漬し、ガラス板からフィルムを剥がした。剥離したフィルムを再び減圧乾燥機に入れ、減圧下で100℃/2時間乾燥し、フレキシブルフィルムを得た。その諸物性値は以下のとおりであった。
膜厚:105μm
光透過率(400nm):87%
以上の諸物性値から、実施例1〜4で得られたNDA−DA4Pポリイミドフィルムは、高透明性、高耐熱性、低吸水性、高機械的強度および柔軟性を兼ね備えたフレキシブルなフィルムであることが確認された。
Claims (6)
- 請求項1または2記載のポリアミック酸を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とする請求項3または4記載のポリイミドフィルムの製造法。
- 式[3]または式[4]で表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有するポリイミドの有機溶媒溶液を基材上に流延した後、1〜1000Paの減圧下で、50〜100℃で1〜5時間予備焼成した後、100℃超〜160℃で1〜5時間、次いで160℃超〜200℃で1〜5時間、さらに200℃超〜300℃で1〜5時間焼成することを特徴とするポリイミドフィルムの製造法。
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