JP4928347B2 - ポリイミド、ポリイミドワニス、光学補償フィルム及びポリイミド、光学補償フィルムの製造方法。 - Google Patents

ポリイミド、ポリイミドワニス、光学補償フィルム及びポリイミド、光学補償フィルムの製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、高透明性、高複屈折性、可視光領域の波長による複屈折の低波長分散性、高い有機溶剤溶解性、且つ十分な膜靭性を併せ持つ液晶ディスプレー用光学補償フィルム材料として有用なポリイミド前駆体、ポリイミドとそれを用いた光学補償フィルムに関する。
近年、液晶表示装置には、光学補償を目的として光学補償フィルムが使用されるのが一般的である。従来STN液晶の補償にポリカーボネートが使用されていたが、液晶がTFTモードへシフトしていくことにより、優れた高透明性を有し、可視光領域において長波長から短波長までのレターデーションの変化量が小さい(以下、この様な特性を低波長分散特性と言うことがある)光学補償部材が必要とされるようになってきた(特許文献1)。また他の用途でもこの様な光学特性が望まれる場合が増えている。
この様な要求に対し、低波長分散特性に優れた、環状オレフィン系高分子が用いられている。但し、この高分子は、光学補償発現性が小さいために、補償のために要するフィルムの膜厚が大きくなるという問題があった。
一方、従来光学補償フィルムとして延伸処理した高分子フィルムが使用されてきたが、この代替として、例えばポリイミド樹脂を用いたコーティング層を使用することが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。フィルムをコーティング層とすることで、薄型化が可能な上、フィルム製造・偏光板への貼合工程が省略できることから、製造コストを抑えることが可能となる。
しかしながら、光学補償の際に、従来のポリイミド樹脂を用いてコーティング層を形成した場合、可視光領域において長波長から短波長までのレターデーションの変化量が大きく、上記の要求を満たすことができなかった。特に、このようなレターデーションの変化量の大きいポリイミド樹脂層を使った液晶表示装置で黒表示をすると、バックライトからの光を完全に遮光することができず、コントラストや諧調表示の低下を招くおそれがあった。
特開2000−319414号広報 特表平8-511812号公報 特表2000−511296号公報
本発明は、従来技術が有する上記課題に鑑みてなされたものであり、高透明性、高複屈折性、可視光領域の波長による複屈折の低波長分散性、高い有機溶剤溶解性、且つ十分な膜靭性を併せ持つ液晶ディスプレー用光学補償フィルム材料として有用なポリイミドとそれを用いた光学補償フィルムを提供することを目的とする。
・ そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、下記一般式(1)及び式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミドを提供した。
(式(1)及び(2)中、Aは1種又は複数種の2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、Bはシクロブタンを含む脂環族基以外の4価の脂環族基を表す。式(1)中のRは、水素原子又は炭素数が1〜12のアルキル基である。また、式(1)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(2)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xが0.01〜0.99の範囲である。)
2)下記式(3)および式(4)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする1)に記載のポリイミドを好適に提供することができる。
(式(3)及び(4)中、Aは1種又は複数種の2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表す。式(3)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(4)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xが0.01〜0.99の範囲である。)
3)式(1)〜(4)の構造単位Aが、下記式(5)〜(7)で表される構造単位の少なくとも1種を含有することを特徴とする1)又は2)に記載のポリイミドを好適に提供することができる。
4)ポリイミド前駆体の固有粘度が0.1〜5.0dL/gの範囲であることを特徴とする1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミドを好適に提供することができる。
5)アミド系溶剤、ハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤に固形成分濃度5重量%以上溶解させることを特徴とする1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミドワニスを好適に提供することができる。
6)1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミドからなることを特徴とするポリイミドフィルムを好適に提供することができる。
7)1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミドからなることを特徴とする光学補償フィルムを好適に提供することができる。
8)1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミドを支持体に積層したことを特徴とする光学補償フィルムを好適に提供することができる。
9)1)〜3)のいずれか1項に記載のポリイミドは、ポリイミド前駆体を、加熱又は脱水剤を用いてイミド化反応させることを特徴とするポリイミドの製造方法を好適に提供することができる。
10)5)に記載のポリイミドワニスを塗布・乾燥させることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法を好適に提供することができる。
11)5)に記載のポリイミドワニスを塗布・乾燥させることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法を好適に提供することができる。
12)5)に記載のポリイミドワニスを支持体上に塗付・乾燥し、支持体に積層することを特徴とする光学補償フィルムの製造方法を好適に提供することができる。
本発明は、高透明性、高複屈折性、複屈折の波長低依存性、高い有機溶剤溶解性を有する液晶ディスプレー用光学補償フィルム材料として有用なポリイミドとそれを用いた光学補償フィルムを提供することが可能となる。
特に本発明のポリイミドから構成される光学補償フィルムは、VAモードの液晶表示装置の光学補償部材として使用した場合、黒表示時等におけるバックライトからの光の漏れを低減することができる(特に短波長側の色もれが大きくなることを抑制する効果がある)。
本発明は、下記一般式(1)及び式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミドに関するものである。
(式(1)及び(2)中、Aは1種又は複数種の2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、Bはシクロブタン残基を含む脂環族基以外の4価の脂環族基を表す。式(1)中のRは、水素原子又は炭素数が1〜12のアルキル基である。また、式(1)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(2)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xが0.01〜0.99の範囲である。)
本発明のポリイミドは、酸二無水物とジアミンを付加重合して得られたポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を加熱又は脱水剤でイミド化し、得ることができる。
式(1)を製造するために用いられる酸二無水物は、Rが水素原子又は炭素数が1〜12のアルキル基であり、好ましくは、Rが炭素数1〜12のアルキル基である。酸二無水物としては、そのRが2つ導入されているシクロブタンテトラカルボン酸二無水物であれば特に制限されるものでは無いが、例えば、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジブチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジペンチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヘキシル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジシクロペンチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。特に、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物は、合成して得られるポリイミドに、複屈折発現性と溶剤溶解性の両方を付与させるのに好ましい。また、Rの立体配置に特に制限はない。
式(2)を製造するために用いられるBの構成単位を含む酸二無水物としては、シクロブタンを含む脂環族基を除いた、4価の脂環族基を含む脂環族酸二無水物であれば特に制限されないが、例えば、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。上記の脂環式酸二無水物の内、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物は、得られるポリイミドへ溶解性を付与させる面で好ましい。
上述した式(1)を製造するために用いられる酸二無水物と式(2)を製造するために用いられる酸二無水物は式(1)を製造するために用いられる酸二無水物のモル分率をXとし、式(2)を製造するために用いられる酸二無水物のモル分率を1−Xとすると、X1が0.01〜0.99の範囲が好ましい。
式(1)、(2)で用いられる酸二無水物は、脂環族基を含む。これは本来、全芳香族ポリイミド系ではジイミド部位が電子受容体、ジアミン部位が電子供与体として作用し、分子内および分子間電荷移動相互作用によりポリイミドフィルムが著しく着色するという問題があったが、脂環族基を有する酸二無水物を必須成分として用いるため、全芳香族ポリイミド系よりも電荷移動相互作用が妨害され、ポリイミドフィルムを透明化することが可能である。また、脂環族基を含むため、得られるポリイミドの主鎖骨格の直線性を高め、剛直な(内部回転する結合のないあるいは少ない)構造を保持することが可能となる。これは、延伸処理を施すこと無く、ポリイミドワニスを塗布・乾燥させることだけで、ポリイミドフィルムの面内の屈折率(n=n=nin)と厚み方向の屈折率(n)との差をとった複屈折(△n=nin−n)を大きくすることを可能とする。(フィルム面方向をXおよびY軸、厚み方向をZ軸とする。)さらに、ポリイミドフィルムに、可視光領域の波長による複屈折(△n=nin−n)の波長低依存性を付与させることができ、複屈折の波長依存性を小さくすることができる。
式(1)、(2)で用いられる酸二無水物は、式(1)ではシクロブタンを含むのに対して、式(2)ではシクロブタンを含まない。これは、異なる構造をポリイミド主鎖内に組み込むことによって、秩序を乱し、ポリイミドへ溶解性を付与させることを可能とする。このため、置換シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と立体的に構造が大きく異なるビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物は、置換シクロブタンテトラカルボン酸二無水物との組み合わせにおいて、ポリイミドへ溶解性を付与することができる。
式(1)、(2)で用いられるAの構成単位を形成するジアミンとしては、芳香族ジアミン又は脂肪族ジアミンであれば、特に制限されない。芳香族ジアミンとしては、例えば、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノ−ベンゾフェノン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、2,2-ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、2−トリフルオロメチル−1,4−ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)等が挙げられる。これらのジアミンは適時複数種用いることができる。
特に、4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを使用することがポリイミドフィルムの機械特性を向上させる面で好ましく、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、2,2-ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2−トリフルオロメチル−1,4−ジアミンを使用することが上記ポリイミド樹脂の溶解性、ポリイミドフィルムの複屈折性を付与させる目的で好ましく、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル(TFMB)、2−トリフルオロメチル−1,4−ジアミンを使用することが、溶解性が特に高いことからさらに好ましい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできる。
特に、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(特に、2つのアミノ基はエクアトリアル配置が好ましい。)は、複屈折発現性又は複屈折の波長低依存性を付与させる面で好ましく、トランスー1,4−ジアミノシクロヘキサンがさらに好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位としては、下記式(3)で表される繰り返し単位が特に好ましく、式(2)で表される繰り返し単位としては、下記式(4)で表される繰り返し単位が特に好ましい。
(式(3)及び(4)中、Aは1種又は複数種の2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表す。)
前記式(1)〜(4)の構造単位Aとしては、下記式(5)〜(7)で表される構造単位の少なくとも1種を含有することが好ましい。
式(1)と式(2)のモル比率は、式(1)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(2)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xが0.01〜0.99の範囲であることが好ましく、Xが0.50〜0.99の範囲であることは、ポリイミドへ複屈折発現性を付与させる面で好ましい。
式(3)と式(4)のモル比率は同様に、式(3)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(4)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xは0.01〜0.99の範囲であることが好ましく、Xが0.50〜0.99の範囲であることが特に好ましい。
ポリイミドの固有粘度は、0.1〜5.0dL/gの範囲であることが好ましい。固有粘度が0.1dL/g未満の場合、ポリイミドフィルムの機械特性が低くなることがあった。また、固有粘度が5.0dL/gより高い場合、ポリイミドワニスの粘度が高いため、ポリイミドワニスからポリイミドフィルムを加工することが難しいことがある。
ポリイミドは、アミド系溶剤、ハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤に固形成分濃度5重量%以上溶解することが好ましい。
アミド系溶剤としては、アミド結合を含む溶剤であれば特に制限されるものでは無いが、例えば2−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられる。ハロゲン系溶剤としては、ハロゲン原子を含む溶剤であれば特に制限されるものでは無いが、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、エーテル結合を含む溶剤であれば特に制限されるものでは無いが、例えば、ジオキソラン、ジエチルエーテル等が挙げられる。エステル系溶剤としては、エステル結合を含む溶剤であれば、特に制限されるものでは無いが、例えば酢酸エチル等を挙げることができる。ケトン系溶剤としては、カルボニル結合を含む溶剤であれば特に制限されるものでは無いが、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの溶剤は、主成分として含有している溶剤であり、塗布する支持体の耐溶剤性やポリイミドフィルムの加工性により適時複数種を混合して用いることができる。支持体にプラスチック製支持体を用いる場合、ポリイミドを溶剤に溶解させたポリイミドワニスを塗布・乾燥する作業(工程)の間で、支持体に悪影響を及ぼさない溶剤を適時使用する必要があり、ケトン系溶剤が支持体に悪影響を及ぼしにくい点で好ましい。
また、これらの溶剤以外の炭化水素系溶剤(例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン等)やアルコール系溶剤(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール等)等の溶剤もポリイミドが溶解する程度であれば、適時混合して用いても良い。
また、ポリイミドは、溶剤に固形分濃度5重量%以上溶解することは、ポリイミドワニスを塗布後、乾燥する時間を短縮できる点で好ましい。
ポリイミドフィルムは、厚さが1μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
光学補償フィルムは、液晶ディスプレイ(LCD)に必要な光学補償機能を付与させたフィルムであり、付与させたい光学補償機能の程度により、光学補償フィルムの厚み及び延伸有無を設定する必要がある。ポリイミドのみからなる光学補償フィルムは、厚さが1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。また、ポリイミドフィルムを適時延伸することができる。
ポリイミドを支持体に積層したことを特徴とする光学補償フィルムは、前記ポリイミドからなる光学補償フィルムを支持体に積層した光学補償フィルムである。支持体は、ガラス又はプラスチック製支持体がある。プラスチック製支持体としては、トリアセチルセルロース(TAC)、環状オレフィンポリマー、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、イミド化ポリメタクリレート等があるが、ポリイミドワニスの溶剤は、プラスチック製支持体にポリイミドワニスを塗布・乾燥する作業(工程)の間に、プラスチック製支持体に悪影響を与えない溶剤及び加工条件(乾燥条件等)を適時選択する必要がある。
ポリイミドは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を、加熱又は脱水剤を用いてイミド化反応させて得ることができる。加熱条件又は脱水条件は、公知の方法を適用することができる。
ポリイミドワニスを塗布・乾燥させることで、ポリイミドフィルムを製造することができる。塗布方法としては、公知の方法を適用できるが、例えば、コーター、スピンコートで塗布することができる。乾燥は、ポリイミドワニスの溶剤を乾燥できる温度で乾燥すれば特に制限は無いが、ポリイミドフィルム中の残溶剤量は1%未満が好ましく、0.5%未満がポリイミドフィルムの特性値変動を抑制する面でさらに好ましい。ポリイミドワニスを塗布・乾燥させることで、ポリイミドフィルムの面内の屈折率(n=n=nin)と厚み方向の屈折率(n)との差をとった複屈折(△n=nin−n)を大きくすることが可能となる。(フィルム面方向をXおよびY軸、厚み方向をZ軸とする。)
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
<ポリイミド前駆体の製造方法>
本発明に係るポリイミド前駆体を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。より具体的には、以下の方法により得られる。まずジアミンを重合溶剤に溶解し、この溶液にジアミンと実質的に等モルのテトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い、0〜100℃、好ましくは20〜60℃で0.5〜150時間好ましくは1〜100時間攪拌する。この際モノマー濃度は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液を得ることができる。ポリイミド前駆体の重合度が増加しすぎて、重合溶液が攪拌しにくくなった場合は、適宜同一溶剤で希釈することもできる。
ポリイミドフィルムの靭性の観点からポリイミド前駆体の重合度はできるだけ高いことが望ましい。上記モノマー濃度範囲で重合を行うことによりポリマーの重合度が十分高く、モノマー及びポリマーの溶解性も十分確保することができる。上記範囲より低い濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の重合度が十分高くならない場合があり、また、上記モノマー濃度範囲より高濃度で重合を行うと、モノマーや生成するポリマーの溶解が不十分となる場合がある。また、脂肪族ジアミンを使用した場合、重合初期にしばしば塩形成が起こり、重合が妨害されるが、塩形成を抑制しつつできるだけ重度を上げるためには、重合時のモノマー濃度に注意を払う必要がある。
また、ポリイミドフィルムの靭性およびワニスのハンドリングの観点から、ポリイミド前駆体の固有粘度は好ましくは0.1〜5.0dL/gの範囲であり、0.5〜3.0dL/gの範囲であることがより好ましい。
重合反応の際使用される溶剤としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホオキシド等の非プロトン性溶剤が好ましいが、原料モノマーと生成するポリイミド前駆体が溶解すれば問題はなく特にその構造には限定されない。具体的に例示するならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶剤、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチルーγ−ブチロラクトン等の環状エステル溶剤、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶剤、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶剤、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが好ましく採用される。さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフェノール、0−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶剤なども添加して使用できる。
本発明のポリイミド前駆体はその重合溶液を、大量の水やメタノール等の貧溶剤中に滴下・濾過・乾燥し、粉末として単離することもできる。
<ポリイミドの製造方法>
本発明のポリイミドは、上記の方法で得られたポリイミド前駆体を脱水剤でイミド化反応させ製造することができる。この際ポリイミドの使用可能な形態は、フィルム、金属箔/ポリイミドフィルム積層体、プラスチックフィルム/ポリイミド積層体、粉末、成型体およびワニスが挙げられる。
まずポリイミドフィルムを製造する方法について述べる。ポリイミド前駆体の重合溶液(ワニス)をガラス、銅、アルミニウム、ステンレス、シリコン等の基板上に流延し、オーブン中40〜180℃、好ましくは50〜150℃で乾燥する。得られたポリイミド前駆体フィルムを基板上で真空中、窒素等の不活性ガス中、あるいは空気中200〜400℃、より好ましくは250〜350℃で加熱することで本発明のポリイミドフィルムを製造することができる。加熱温度はイミド化の閉環反応を十分に行なうという観点から200℃以上、生成したポリイミドフィルムの熱安定性の観点から400℃以下が好ましい。またイミド化は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化温度が高すぎなければ空気中でイミド化を行っても差し支えない。
またイミド化反応は、前述した熱処理に代えて、ポリイミド前駆体フィルムをピリジンやトリエチルアミン等の3級アミン存在下、無水酢酸等の脱水環化試薬を含有する溶液に浸漬することによって行うことも可能である。また、これらの脱水環化試薬をあらかじめポリイミド前駆体ワニス中に投入・攪拌し、それを上記基板上に流延・乾燥することで、部分的にイミド化したポリイミド前駆体フィルムを作製することもでき、これを更に上記のように熱処理することでポリイミドフィルムが得られる。上記脱水環化試薬をポリイミド前駆体ワニス中に投入・攪拌し化学イミド化を完結させることも可能である。反応溶液にポリイミドが可溶である場合、反応溶液を大量の水やメタノール等の貧溶剤中に滴下・濾過しポリイミドを粉末として単離することもできる。またポリイミド粉末を上記重合溶剤に再溶解してポリイミドワニスとすることができる。
ポリイミド前駆体の重合溶液をそのままあるいは同一の溶剤で適度に希釈した後150〜250℃に加熱することで、ポリイミド自体が用いた溶剤に溶解する場合、本発明のポリイミドのワニスを容易に製造することができる。溶剤に不溶な場合は、結晶性のポリイミド粉末を沈殿物として得ることができる。この際、イミド化の副生成物である水等を共沸留去するために、トルエンやキシレン等を添加しても差し支えない。また触媒としてγ―ピコリン等の塩基を添加することができる。得られたワニスを大量の水やメタノール等の貧溶剤中に滴下・濾過しポリイミドを粉末として単離することもできる。またポリイミド粉末を上記重合溶剤に再溶解してポリイミドワニスとすることができる。
ポリイミド粉末を溶剤に再溶解してワニスとする際に使用可能な溶剤として、特に限定されないが、上記重合溶剤を使用することができる。特にプラスチック製支持体上にポリイミドワニスを塗付・乾燥してポリイミドフィルムを形成する場合は、前述したアミド溶剤、環状エステル溶剤、カーボネート溶剤、グリコール溶剤、フェノール系溶剤、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどを用いることができるが、中でも、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチルーγ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤が好適に用いられる。
本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶剤中高温で反応させることにより、ポリイミド前駆体を単離することなく、一段階で重合することができる。この際、反応溶液は反応促進の観点から、130〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度範囲に保持するとよい。また該ポリイミドが用いた溶剤に不溶な場合、ポリイミドは沈殿として得られ、可溶な場合はポリイミドのワニスとして得られる。重合溶剤は特に限定さないが、使用可能な溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶剤が例として挙げられが、より好ましくはm−クレゾール等のフェノール系溶剤やNMP等のアミド系溶剤が用いられる。これらの溶剤にイミド化反応の副生成物である水を共沸留去するために、トルエンやキシレン等を添加することができる。またイミド化触媒としてγ―ピコリン等の塩基を添加することができる。得られたワニスを大量の水やメタノール等の貧溶剤中に滴下・濾過しポリエステルイミドを粉末として単離することができる。またポリイミドが溶剤に可溶である場合はその粉末を上記溶剤に再溶解してポリイミドワニスとすることができる。
上記ポリイミドワニスを基板上に塗布し、40〜400℃、好ましくは100〜350℃で乾燥するによってもポリイミドフィルムを形成することができる。特にプラスチック製支持体に該ポリイミドフィルムを形成する場合は、プラスチック製支持体の耐熱性を考慮し乾燥することが好ましい。
上記のように得られたポリイミド粉末を200〜450℃、好ましくは250〜400℃で加熱圧縮することで該ポリイミドの成型体を作製することができる。
ポリイミド前駆体溶液中にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドやトリフルオロ無水酢酸等の脱水試薬を添加・撹拌して0〜150℃、好ましくは20〜100℃で反応させることにより、ポリイミドの異性体であるポリイソイミドが生成する。イソイミド化反応は上記脱水試薬を含有する溶液中にポリエステルイミド前駆体フィルムを浸漬することでも可能である。ポリイソイミドワニスを上記と同様な手順で製膜した後、250〜400℃、好ましくは270〜350℃で熱処理することにより、ポリイミドへ容易に変換することができる。
本発明のポリイミドおよびその前駆体中に、必要に応じて酸化安定剤、フィラー、接着促進剤、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤、増感剤、末端封止剤、架橋剤等の添加物を加えることができる。
<ポリイミドの要求特性>
本発明のポリイミドから構成される光学補償フィルムに適用するために要求されるフィルム特性として、高透明性、高複屈折性、複屈折の波長低依存性、高い有機溶剤溶解性が挙げられる。
ポリイミドフィルムの透明性は、膜厚20μmのフィルムの波長400nmにおける光透過率が75%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましく、85%以上が特に好ましい。
ポリイミドフィルムの複屈折値は、波長550nmにおける複屈折値Δn(nin−n)が0.01以上が好ましく、0.02以上がさらに好ましい。光学補償フィルムは、リタデーションRe=Δn×d(dは膜厚)を特定の値に設定する必要があり、ポリイミドフィルムの複屈折値が高いほど光学補償フィルムの膜厚を薄く設計できる点で好ましい。
ポリイミドフィルムの複屈折の波長低依存性は、450nm及び550nmにおけるリタデーションまたは複屈折の比(Re450/Re550=Δn450/Δn550)が1.00以上1.05以下であることが好ましく、1.00以上1.04以下がさらに好ましい。
ポリイミドの溶解性は、溶剤に固形成分濃度5重量%以上溶解することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における物性値は、次の方法により測定した。
<赤外吸収スペクトル>
フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製FT/IR5300または日本分光社製FT/IR350)を用い、透過法にてポリイミド薄膜(膜厚約5μm)の赤外線吸収スペクトルを測定した。

<固有粘度>
0.5重量%のポリイミド前駆体溶液を、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
<カットオフ波長(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−520)を用いて、200nmから900nmの可視・紫外線透過率を測定した。透過率が0.5%以下となる波長(カットオフ波長)を透明性の指標とした。カットオフ波長が短い程、ポリイミド膜の透明性が良好であることを意味する。
<光透過率(透明性)>
日本分光社製紫外可視分光光度計(V−520)を用いて、400nmにおける光透過率を測定した。透過率が高い程、ポリイミド膜の透明性が良好であることを意味する。
<複屈折:Δn、およびその波長分散>
アタゴ社製偏光子付アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリイミドフィルム(膜厚約20μm)に平行な方向(nin)と垂直な方向(nout)の一定波長における屈折率(ナトリウムランプ、波長589nmまたはキセノンランプ分光光源使用)を測定し、これらの屈折率の差から複屈折(Δn=nin−nout)を求めた。この値が高いほど、ポリマー鎖の面内配向度が高いことを意味する。複屈折の波長分散は、キセノンランプ光源からの光を回折格子(バンドパス10nm)で分光した単色光を光ファイバーケーブルを介して上記屈折計に導入して各波長における複屈折を測定した。
<ガラス転移温度:Tg>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて動的粘弾性測定により、周波数0.1Hz、昇温速度5℃/分における損失ピークからポリイミドフィルム(20μm厚)のガラス転移温度を求めた。
<線熱膨張係数:CTE>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、荷重0.5g/膜厚1μm、昇温速度5℃/分における試験片の伸びより、100〜200℃の範囲での平均値としてポリイミドフィルム(20μm厚)の線熱膨張係数を求めた。
<5%重量減少温度:T
ブルカーエイエックス社製熱重量分析装置(TG−DTA2000)を用いて、窒素中または空気中、昇温速度10℃/分での昇温過程において、ポリイミドフィルム(20μm厚)の初期重量が5%減少した時の温度を測定した。これらの値が高いほど、熱安定性が高いことを表す。
<誘電率:εcal
アタゴ社製アッベ屈折計(アッベ4T)を用いて、ポリイミドフィルムの平均屈折率〔nav=(2nin+nout)/3〕に基づいて次式:εcal=1.1×nav によりポリイミドフィルムの誘電率(εcal)を算出した。
<溶解性試験>
ポリイミドの溶解性試験はポリイミド粉末10mgを各種溶剤1mLに入れ、室温または加熱時の溶解の有無を目視により判定した。
[合成例]
<1,3,−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の合成>
(R=メチル基)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物(以下DMCBDAと称する)は以下のように合成した。
300mL3口フラスコにモレキュラーシーブス4Aで脱水済みの1,4−ジオキサン150mL、シトラコン酸無水物20mLおよび増感剤としてベンゾフェノン3.8g入れ、空気から遮断した状態で窒素雰囲気中、10℃で攪拌しながら石英製光ファイバーを介して紫外線(ハリソンー東芝ライティング社製スポット紫外線照射装置、光源:100W高圧水銀灯)を18時間照射した。生成した白色沈殿物をジエチルエーテルで十分に洗浄し、未反応の原料と増感剤を除去し、120℃で24時間真空乾燥して白色粉末を得た。示差走査熱量分析の結果、317℃にシャープな融解ピーク(融点)が見られた。また赤外吸収スペクトルおよびH−NMRスペクトルより目的のDMCBDAが得られたことが確認された。
[実施例1]
<ポリイミド前駆体の重合、イミド化およびポリイミドフィルム特性の評価>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル(以下、TFMBと称する)8mmolおよび4,4’−オキシジアニリン(以下、ODAと称する)2mmolを入れ、モレキュラーシーブス4Aで十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解した後、この溶液にDMCBDA粉末9mmolおよびビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(岩谷瓦斯社製、以下BTA−Hと称する)粉末1mmolを一度に加えた。この時全モノマー濃度は30重量%である。重合の進行と共に溶液粘度が増加したため、十分な攪拌を確保するため同一の溶剤を徐々に加え最終的に全モノマー濃度25重量%まで希釈した。72時間撹拌し透明、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液は室温および−20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。DMAc中で測定したこのポリイミド前駆体の固有粘度は0.70dL/gであり、比較的高重合体であった。このポリイミド前駆体溶液に過剰量の無水酢酸/ピリジン(体積比7/3)を攪拌しながら滴下し、室温で24時間攪拌して化学イミド化を行った。この際反応溶液はゲル化しなかった。この反応溶液から作製した薄膜について赤外吸収スペクトルを測定したところ、化学イミド化がほぼ完結していることが確認された。化学イミド化終了後、反応溶液を大量のメタノール中に滴下してポリイミドを沈殿させ、100℃で真空乾燥してポリイミド粉末を得た。これをDMAcに溶解し(11重量%)、ガラス基板に塗布して60℃で2時間乾燥後、200℃で1時間真空乾燥して膜厚22μmの透明なポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によっても破断せず、十分な可撓性を示した。
このポリイミドフィルムの透明性を評価したところ、400nmにおける光透過率は85.7%、カットオフ波長は294nmであり極めて高い透明性を保持していた。ナトリウムランプを光源として測定した複屈折は0.056であり、高い複屈折値を示した。g線(436nm)およびe線(546nm)における複屈折の比は1.0375であり、低波長分散性であった。
このポリイミド粉末はDMAcの他に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、シクロヘキサノン、シクロペンタノンに高い溶解性を示した。
このポリイミドフィルムのその他の物性として、ガラス転移温度350℃、5%重量減少温度440℃(窒素中)、426℃(空気中で)と高い耐熱性も保持していた。また線熱膨張係数は24.3ppm/Kと比較的低い値を示し、誘電率も2.67と非常に低い値であった。得られたポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。
上記ポリイミド粉末をDMAcの代わりにシクロヘキサノンあるいはシクロペンタノンに溶解してワニスとし、製膜した場合においても上記と同等な優れた物性が得られた。
[実施例2]
BTA−Hの代わりに3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物(以下核水素化BPDAまたはH−BPDAと称する)を用いた以外は実施例1に記載した方法と同様にポリイミド前駆体を重合し、化学イミド化してポリイミド粉末を得た。このポリイミドは実施例1に記載のポリイミドと同様にNMP、DMAc、DMF、ジメチルスルホオキシド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の様々な溶媒に対して高い溶解性を示した。このポリイミドのシクロペンタノン溶液をガラス基板に塗付し空気中130℃で1時間乾燥し、実施例1のポリイミドと同様に完全に無着色で可撓性のあるポリイミドフィルム(膜厚:10μm)を得た。ポリイミドフィルムの複屈折は、0.056であった。図2にポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを示す。
[比較例1]
TFMBとDMCBDAより実施例1に記載した方法に従ってポリイミド前駆体を重合した。しかしながらこれに化学イミド化剤を投入したところ、反応溶液がゲル化し、イミド化を完結することが困難であったので、このポリイミド前駆体ワニスをガラス基板にキャスト後熱イミド化してポリイミドフィルムとし、溶剤に再溶解してポリイミドワニスの作製を試みたが、NMPにわずかに溶解するのみでその他の溶剤には溶解性を示さなかった。TFMBと1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)から得られるポリイミド系についても同様であった。
実施例1に記載のポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトル 実施例2に記載のポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトル

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)及び式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミド。
    (式(1)及び(2)中、Aは1種又は複数種の2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表し、Bはシクロブタンを含む脂環族基以外の4価の脂環族基を表す。式(1)中のRは、水素原子又は炭素数が1〜12のアルキル基である。また、式(1)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(2)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xが0.01〜0.99の範囲である。)
  2. 式(2)を製造するために用いられるBの構成単位を含む酸二無水物が、3,3’、4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド。
  3. 下記式(3)及び式(4a)で表される繰り返し単位、又は下記式(3)及び式(4b)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド。
    (式(3)(4a)及び(4b)中、Aは1種又は複数種の2価の芳香族基あるいは脂肪族基を表す。式(3)で表される繰り返し単位のモル分率をX、式(4a)及び(4b)で表される繰り返し単位のモル分率を1−Xとすると、Xが0.01〜0.99の範囲である。)
  4. 式(1)〜(4a)及び(4b)の構造単位Aが、下記式(5)〜(7)で表される構造単位の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド。
  5. ポリイミド前駆体の固有粘度が0.1〜5.0dL/gの範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミドを、アミド溶剤、カーボネート溶剤、グリコール溶剤、フェノール系溶剤、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の溶剤に固形成分濃度5重量%以上溶解させることを特徴とするポリイミドワニス。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドからなることを特徴とするポリイミドフィルム。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドからなることを特徴とする光学補償フィルム。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリイミドを支持体に積層したことを特徴とする光学補償フィルム。
  10. ポリイミド前駆体を、加熱又は脱水剤を用いてイミド化反応させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミドの製造方法。
  11. 請求項に記載のポリイミドワニスを塗布・乾燥させることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  12. 請求項に記載のポリイミドワニスを塗布・乾燥させることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
  13. 請求項に記載のポリイミドワニスを支持体上に塗付・乾燥し、支持体に積層することを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
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