JP2006016303A - 光学活性基を有するジアミン、それを用いたポリイミド前駆体およびポリイミド - Google Patents

光学活性基を有するジアミン、それを用いたポリイミド前駆体およびポリイミド Download PDF

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Abstract

【課題】側鎖に光学活性基を有するポリイミド前駆体、側鎖に光学活性基を有するポリイミド、及びこれらの原料となるジアミンの提供。
【解決手段】下記式[1a]または[1b]で表されるジアミン、及びこのジアミンをモノマー成分の一つとして合成される、ポリイミド前駆体およびポリイミド。
【化1】
Figure 2006016303

(式中、Xは−O−,−CHO−,−COO−より選ばれる結合基であり、Xはフェニル又はジフェニルであり、nは1〜10の整数であり、Gは下記式[2]または式[3]のいずれか一方である。)
【化2】
Figure 2006016303

【化3】
Figure 2006016303

(式[2]または式[3]において、Xは単結合または−CH−であり、Xは−CH−または−COO−であり、Xは炭素数1〜10のアルキル基であり、Xは−CFまたは−CHである。)

Description

本発明は、光学活性基を有する新規なジアミン、及びこのジアミンをモノマー成分の一つとして合成される、キラルなポリイミド前駆体およびキラルなポリイミドに関するものである。
ポリイミドはその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられている。また、塗膜表面の均質性と耐久性などから、液晶表示素子などの液晶配向膜にも使用されている。一方、側鎖に光学活性部位を含む高分子は特殊な材料特性を示すことから注目を集めており、様々な分野で応用が考えられている。その応用例としては、キラル反応剤、触媒による不斉合成、光学分割カラム用充填材、コレステリック液晶高分子などが挙げられる。このような高分子の主鎖構造の例を挙げれば、芳香族イソシアナートの重合体(例えば特許文献1参照)や、ポリメタクリレート(例えば特許文献2参照)などが知られている。しかしながら、ポリイミド前駆体またはポリイミドを主鎖構造とし、側鎖に光学活性基を有するものは知られていなかった。
特開平11−116650号公報 特開2003−128727号公報
ポリイミド側鎖に光学活性基を導入することにより、ポリイミドが有する耐熱性や機械的強度の特性と、光学活性部位による特殊な相互作用を合わせ持つ材料となることが期待される。また、液晶配向膜の用途において、ポリイミドの側鎖は液晶の配向状態を制御する上で重要な部分でもあり、側鎖に光学活性基を有するポリイミドは、液晶配向制御の点で、液晶配向膜の特性向上、及び新たな特性を付与することが期待される。
以上のことより、本発明の目的は、新規材料として期待される、側鎖に光学活性基を有するポリイミド前駆体、側鎖に光学活性基を有するポリイミド、及びこれらの原料となるジアミンの提供である。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定構造のジアミンをモノマー成分の一つとして合成される、ポリイミド前駆体およびポリイミドが光学活性を有することを見いだした。
本発明は以下に示すとおりである。
1. 下記、式[1a]または[1b]で表されるジアミン。
Figure 2006016303
(式中、Xは−O−,−CHO−,−COO−より選ばれる結合基であり、Xはフェニル又はジフェニルであり、nは1〜10の整数であり、Gは下記[2]または[3]のいずれか一方である。)
Figure 2006016303
Figure 2006016303
(式[2]または式[3]において、Xは単結合または−CH−であり、Xは−CH−または−COO−であり、Xは炭素数1〜10のアルキル基であり、Xは−CFまたは−CHである。)
2. 上記式[1a]または[1b]で表されるジアミンを、モノマー成分の一つとして合成される、ポリイミド前駆体またはポリイミド。
本発明のジアミンは合成が容易であり、側鎖に光学活性基を有するポリイミド前駆体やポリイミドなどの原料として有用である。本発明のジアミンをモノマー成分の一つとして使用することにより、側鎖に光学活性基を有するポリイミド前駆体やポリイミドなどを容易に得ることができる。本発明のポリイミド前駆体及びポリイミドは光学活性を有するので、光学活性を利用した様々な用途の材料として使用することができる。また、本発明のポリイミドは、側鎖キラル部位において特殊な相互作用をし、さらに熱安定性に優れた主鎖骨格を有する高分子材料となる。
以下に本発明を詳細に説明する。
式[1a]または[1b]において、Xは−O−,−CHO−,−COO−,より選ばれる2価の有機基である。また、Xの結合位置に対するアミノ基の結合位置は、2,3-位,2,4-位,2,5-位,2,6-位,3,4-位,3,5-位のどこでもかまわないが、アミノ基の求核性を高める効果や容易に合成できる点から、好ましくは2,4-位,3,5-位である。Xはフェニル又はジフェニルであり、nは1〜10の整数であり、Gは前記式[2]または式[3]のいずれか一方である。
式[2]または式[3]において、Xは単結合または−CH−であり、Xは−CH−または−COO−であり、Xは炭素数1〜10のアルキル基であり、Xは−CFまたは−CHである。
<ジアミンの合成>
式[1a]または[1b]で表されるジアミンの合成方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下に述べる方法で合成することができる。
が−O−の場合は、ジニトロハロゲン化アリールと、下記式[4a]または式[4b]で示される水酸基含有化合物とを常法に従い反応させ、エーテル化してキラル部位の導入されたジニトロ化合物とする。
Figure 2006016303
(上記式中、Xはフェニル又はジフェニルであり、Gは前記式[2]または[3]のいずれか一方である。式[4b]中の、nは1〜10の整数である。)
が−CHO−の場合は、ジニトロベンジルハライドと、上記式[4a]または式[4b]で示される水酸基含有化合物とを常法に従い反応させ、エーテル化してキラル部位の導入されたジニトロ化合物とする。
が−COO−の場合は、ジニトロ安息香酸と、上記式[4a]または式[4b]で示される水酸基含有化合物とを常法に従い縮合剤を用いてエステル化してキラル部位の導入されたジニトロ化合物とする。
上記キラル部位の導入されたジニトロ化合物は、ニトロ基をパラジウム/カーボン、酸化白金などの触媒と水素を用いて還元することにより、本発明のジアミンを得ることができる。
上記式[4b]で示される水酸基含有化合物は、[4a]で示される水酸基含有化合物と、HO−(CH)−Brなどのハロゲン化アルコールを常法に従い反応させエーテル化することで得ることができる。
上記式[4a]で示される水酸基含有化合物は以下のようにして得ることができる。
が−CH−、Xが−COO−、Xが−CHの化合物: キラル体3−ブロモ−2−メチル−1−プロパノールと、Xがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンとを、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルとをエスエヌ2反応させる。次いで、プロピル基のアルコール部位を酸化マンガンや酸化クロムなどの酸化剤によりカルボキシル基へと酸化し、このカルボキシル基にXの炭素数に対応した炭素数1〜10のアルコールを、常法に従い反応させ、エステル化することで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が−CH−、Xが−COO−、Xが−CFの化合物: 市販されている3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸をキラルカラムを用いて光学分割を行い、得られたキラル3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸と、Xの炭素数に対応した炭素数1〜10のアルコールを、常法に従いエステル化反応させ、トリフルオロメチル基含有キラルアルコールとする。次いで、このトリフルオトメチル基含有キラルアルコールをXがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルと光延反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が単結合、Xが−COO−、Xが−CHの化合物: 市販のキラル乳酸と、Xの炭素数に対応した炭素数1〜10のアルコールを、常法に従いエステル化反応させる。次いで、この化合物の水酸基を常法にしたがってトシル化し、Xがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルとエスエヌ2反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が単結合、Xが−COO−、Xが−CFの化合物: 市販のキラル体3,3,3−トリフルオロ乳酸と、Xの炭素数に対応した炭素数1〜10のアルコールを、常法に従いエステル交換反応させる。次いで、この化合物をXがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルと光延反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が単結合、Xが−CH−、Xが−CHの化合物: キラル体2−オクタノールなど、CH−CH(OH)−CH−の構造を有する炭素数4〜13のキラルアルコールを常法にしたがってトシル化し、Xがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルとエスエヌ2反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が単結合、Xが−CH−、Xが−CFの化合物: キラル体1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールなど、CF−CH(OH)−CH−の構造を有する炭素数4〜13のキラルアルコールをXがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルと光延反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が−CH−、Xが−CH−、Xが−CHの化合物: キラル体2−メチル−1−ブタノールなど、CH−CH(CHOH)−CH−の構造を有する、総炭素数5〜14のキラルアルコールを常法にしたがってトシル化し、Xがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルとエスエヌ2反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
が−CH−、Xが−CH−、Xが−CFの化合物: キラル体2−トリフルオロメチル−1−ノナノールなど、CF−CH(CHOH)−CH−の構造を有する、総炭素数5〜14のキラルアルコールをXがフェニルの場合はジヒドロキシベンゼンと、Xがジフェニルの場合はジヒドロキシビフェニルと光延反応させることで、対応する式[4a]で示される水酸基含有化合物を得ることができる。
なお、2−トリフルオロメチル−1−ノナノールなどのキラルアルコールの合成法としては、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、62巻、p.137―150(1997)に記載されている方法などが挙げられる。
以上のようにして得られた式[1a]または[1b]で表されるジアミンは、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハロゲン化物、テトラカルボン酸二無水物などの、テトラカルボン酸またはその誘導体との重合反応を行うことで、側鎖に光学活性基を有するポリイミド前駆体およびポリイミドを合成することができる。
<ポリイミド前駆体およびポリイミドの合成>
本発明のポリイミド前駆体およびポリイミドは、式[1a]または[1b]で表されるジアミンと、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハロゲン化物、テトラカルボン酸二無水物などの、テトラカルボン酸またはその誘導体との重合反応を行うことで得られるものである。
本発明のポリイミド前駆体およびポリイミドを得るために使用されるテトラカルボン酸およびその誘導体は特に限定されない。
あえてその具体例を挙げるとするならば、芳香族テトラカルボン酸として、ピロメリット酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6-アントラセンテトラカルボン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3',4-ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3'4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5-ピリジンテトラカルボン酸、2,6-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ピリジンなどを挙げることができる。また、脂環式テトラカルボン酸としては、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3,3,0]-オクタン-テトラカルボン酸などを挙げることができる。さらには、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族テトラカルボン酸も挙げることができる。テトラカルボン酸の誘導体としては、上記したテトラカルボン酸から得られるテトラカルボン酸二無水物や、テトラカルボン酸ジハロゲン化物などを挙げることができる。これらのテトラカルボン酸またはその誘導体は、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明のポリイミド前駆体またはポリイミドを、液晶配向膜用途に使用する場合は、塗膜の透明性の点から脂環式テトラカルボン酸またはその誘導体を使用することが好ましく、特に1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3,3,0]-オクタン-テトラカルボン酸及びこれらの誘導体の少なくとも1種を使用することが好ましい。
本発明のポリイミド前駆体およびポリイミドは、ジアミン成分として、式[1a]または[1b]で表されるジアミン(以下、両者を区別せずにジアミン[1]と表すこともある)と、それ以外のジアミン(以下、一般ジアミンと表すこともある)とを併用して得られる共重合体であっても良い。
このような一般ジアミンとしては、一般にポリイミド前駆体またはポリイミドの合成に使用される1級ジアミンであれば、特に限定されるものではない。その具体例を挙げれば、芳香族ジアミンとして、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,5-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2'-ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5-ジエチル-4-アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)プロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン、1,6-ビス(4-アミノフェノキシ)ヘキサン、1,7-ビス(4-アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8-ビス(4-アミノフェノキシ)オクタン、1,9-ビス(4-アミノフェノキシ)ノナン、1,10-ビス(4-アミノフェノキシ)デカン、1,12-ビス(4-アミノフェノキシ)ドデカンなどが挙げられる。脂環式ジアミンとしては、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタンなどが挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。さらには、下記式で表されるようなジアミノシロキサン等が挙げられる。
Figure 2006016303
(式中、mは1から10までの整数を表す)
以上のような一般ジアミンは、1種類または2種類以上を併用しても良い。
ポリイミド前駆体を合成する方法として一般的なのは、テトラカルボン酸の誘導体としてテトラカルボン酸二無水物を用い、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒中でジアミンと反応させて、ポリイミドイミド前駆体であるポリアミック酸を得る方法である。また、ポリイミドを合成する方法として一般的なのは、このポリアミック酸を加熱または触媒により脱水閉環させて得る方法である。本発明のポリイミド前駆体及びポリイミドもこの方法に従い合成することができる。
ポリアミック酸の合成に使用する有機極性溶媒としては上記の他にN,N-ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等も使用することができる。また、ポリアミック酸合成時の反応温度は−20℃から150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃から100℃の範囲である。
合成反応に用いるテトラカルボン酸二無水物のモル数と、ジアミンのモル数(ジアミン[1]と一般ジアミンとの総モル数)との比は、得られるポリマーの分子量に影響する。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。
ポリアミック酸を脱水閉環させポリイミドとするには、加熱により行う方法と、触媒を用いる方法がある。加熱によって脱水閉環させる場合は、100℃から400℃、好ましくは120℃から250℃で加熱すればよい。触媒を用いて脱水閉環させる場合は、ピリジン/無水酢酸などの触媒を用いて脱水閉環をさせることができる。また、触媒を用いて脱水閉環させる場合でも加熱することは好ましい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
以下の実施例または比較例において、旋光度[α]の測定は、旋光度計(日本分光株式会社製:JASCO P-1020)を使用し、温度22℃、濃度1重量%の溶液中、ナトリウムD線の旋光度を測定した。
<実施例1>
ジアミン(4)の合成
Figure 2006016303
<化合物(1)の合成> トシルクロリド 9.5g、トリエチルアミン 5.6gとトルエン 20mlの混合物にS−(−)−乳酸ブチル 7.7g、トルエン 20mlの混合物を滴下した。室温で17時間攪拌し、さらに40℃で4時間攪拌した。反応終了後、室温に冷却し、酢酸を1ml加え室温で10分間攪拌した。反応混合物を水、トルエン溶液に投入して抽出し、トルエン層を分取して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、5/1)にて精製し、化合物(1)を透明油状物として11g得た。(収率73%)
上記により得られた化合物(1)を同定した結果を、下記に示す。
1H-NMR (CDCl3) d (ppm): 0.85 (m, 3H), 1.30 (m, 2H), 1.50 (m, 4H), 2.44 (s, 3H),4.05 (t, 3H), 4.95 (q, 1H), 7.38 (d, 2H), 7.82 (d, 2H)
<化合物(2)の合成> 化合物(1) 10g、4,4’-ビフェノール 6.2g、炭酸カリウム 9.2g、ジメチルホルムアミド(DMF)60mlの混合物を80℃で6時間攪拌した。室温に冷却した後、水を加えジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテルを濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製し、白色固体化合物(2)を3.2g得た。(収率31%)
上記により得られた化合物(2)を同定した結果を、下記に示す。
[α]D 22= 25.7°(MeOH,c=1.00%)
mp: 107-109°C
1H-NMR (DMSO-d6) d (ppm): 0.84 (m, 3H), 1.28 (m, 2H), 1.51 (m, 5H), 4.11 (m, 2H),4.99 (q, 1H), 6.81 (d, 2H), 6.90 (d, 2H), 7.40 (d, 2H), 7.48 (d, 2H), 9.46 (s,1H)
IR (KBr, cm-1): 1743; 2957; 3458
<化合物(3)の合成> 化合物(2) 6.2g、2,4−ジニトロフルオロベンゼン3.9g、炭酸カリウム 5.5g、DMF 45mlの混合物を90℃で17時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製し、化合物(3)を黄色油状物として9.2g得た。(収率96%)
上記により得られた化合物(3)を同定した結果を、下記に示す。
1H-NMR (DMSO-d6) d (ppm): 0.84 (m, 3H); 1.27 (m, 2H); 1.54 (m, 5H); 4.12 (m, 2H);5.03 (q, 1H); 6.98 (d, 2H); 7.21 (d, 1H); 7.33 (d, 2H); 7.63 (d, 2H); 7.77 (d,2H); 8.46 (dd, 1H); 8.91 (d, 1H)
IR (KBr, cm-1): 1533; 1736; 2923; 3089; 3108
<化合物(4)の合成> 化合物(3) 10.7g、5%パラジウムカーボン(Pd/C) 1.3g、テトラヒドロフラン(THF) 200mlの混合物を水素雰囲気下室温で48時間攪拌した。反応終了後触媒を除去し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1/1)により精製し、本発明のジアミンである化合物(4)を7.1gの得た。(収率76%)
上記により得られた化合物(4)を同定した結果を、下記に示す。
[α]D 22= 21.1°(MeOH,c=1.00%)
mp: 88-90°C
1H-NMR (DMSO-d6) d (ppm): 0.83 (m, 3H); 1.25 (m, 2H); 1.52 (m, 5H); 4.11 (m, 2H);4.55 (s, 2H); 4.71 (s, 2H); 5.00 (m, 1H); 5.85 (d, 1H); 6.05 (s, 1H); 6.55 (d,1H); 6.86 (d, 2H); 6.92 (d, 2H); 7.50 (m, 4H)
IR (KBr, cm-1): 1607; 1747; 2959; 3372; 3458
<実施例2>
ジアミン(6)の合成
Figure 2006016303
<化合物(5)の合成> 化合物(2) 4.7g、2,4−ジニトロベンジルクロリド 3.8g、炭酸カリウム 4.9g、アセトン70mlの混合物を60℃で20時間攪拌した。反応終了後ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、2/1)により精製し、化合物(5)を4.3g得た。(収率57%)
上記により得られた化合物(5)を同定した結果を、下記に示す。
1H-NMR (DMSO-d6): d 0.83 (t, 3H), 1.26 (m, 2H), 1.52 (m, 5H), 4.09 (m, 2H), 4.99 (q,1H), 5.44 (s, 2H), 6.95 (d, 2H), 7.15 (d, 2H), 7.56 (m, 4H), 8.74 (s, 2H), 8.80(s, 1H).
IR (KBr, cm-1): 1541; 1741;2961; 3100
<化合物(6)の合成> 化合物(5) 3.8g、酸化白金(IV) 0.4g、1,4−ジオキサン 80mlの混合物を水素雰囲気下50℃で6時間攪拌した。反応終了後触媒を除去し、溶媒を留去して本発明のジアミンである化合物(6)を2.4g得た。(収率71%)
上記により得られた化合物(6)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (DMSO-d6): d 0.85 (t, 3H), 1.26 (m, 2H), 1.53 (m, 5H), 4.09 (m, 2H), 4.76 (s,4H), 4.83 (s, 2H), 4.99 (q, 1H), 5.77 (s, 1H), 5.87 (s, 2H), 6.94 (d, 2H), 6.99(d, 2H), 7.50 (m, 4H).
IR (KBr, cm-1): 1601; 1748;2959; 3335; 3413
<実施例3>
ジアミン(9)の合成
Figure 2006016303
<化合物(7)の合成> 化合物(2) 4.7g、6−ブロモ−1−ヘキサノール 2.7g、炭酸カリウム 4.2g、アセトニトリル100mlの混合物を60℃で24時間攪拌した。反応終了後溶媒を留去し、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1/1)により精製して、5.6gの化合物(7)を得た。(収率89%)
上記により得られた化合物(7)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (DMSO-d6): d 0.86 (t, 3H), 1.3-1.6 (m, 10H), 1.73 (m, 2H), 3.39 (m, 2H), 3.98(m, 2H), 4.10 (m, 2H), 4,36 (t, 1H), 4.99 (q, 1H), 6.94 (m, 4H), 7.51 (d, 4H).
IR (KBr, cm-1): 1607; 1732; 1758; 2933; 3339.
<化合物(8)の合成> 化合物(7) 4.1g、3,5−ジニトロ安息香酸2.1g、4−(N,N-ジニトロアミノ)ピリジン(DMAP) 0.03g、塩化メチレン100mlの混合物を氷冷し、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.3gを加え、室温で16時間攪拌した。反応終了後ろ過、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1/1)により精製し、5.7gの化合物(8)を得た。(収率94%)
上記により得られた化合物(8)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (DMSO-d6): d 0.84 (t, 3H), 1.25-1.65 (m, 11H), 1.81 (m, 2H), 3.99 (m, 2H),4.10 (m, 2H), 4.40 (m, 2H), 4,99 (q, 1H), 6.94 (m, 4H), 7.48 (d, 4H), 8.99 (s,2H), 9.01 (s, 1H).
<化合物(9)の合成> 化合物(8) 5.7g、Pd/C 0.6g、THF 80mlの混合物を水素雰囲気下、室温で48時間攪拌した。反応終了後触媒を除去し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、本発明のジアミンである化合物(9)を4.2gの得た。(収率82%)
上記により得られた化合物(9)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (DMSO-d6): d 0.85 (t, 3H), 1.25-1.65 (m, 11H), 1.81 (m, 2H), 3.90-4.20 (m,6H), 5.00 (m, 5H), 6.02 (s, 1H), 6.45 (s, 2H), 6.94 (m, 4H), 7.49 (d, 4H).
IR (KBr, cm-1): 1606; 1709; 1754; 2936; 3373; 3466.
<実施例4>
ジアミン(12)の合成
Figure 2006016303
<化合物(10)の合成> 化合物(2) 4.7g、10−ブロモ−1−デカノール 3.6g、炭酸カリウム 4.3g、アセトニトリル100mlの混合物を60℃で時間攪拌した。反応終了後ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製し、化合物(10)を5.2g得た。(収率73%)
上記により得られた化合物(10)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (CDCl3) d 7.48-7.38 (m, 4H), 6.96-6.88(m, 4H), 4.78 (q, 1H), 4.22-4.11 (m, 2H), 3.98 (t, 2H), 3.68-3.59 (br, 2H),1.85-1.73 (m, 2H), 1.71-1.22 (m, 21H), 0.89 (t, 3H)
<化合物(11)の合成> 化合物(10) 4.7g、3,5−ジニトロ安息香酸2.7g、塩化メチレン 100mlの混合物にDCC 2.7g、DMAP 0.07gを加え室温で時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1/1)により精製して、化合物(11)を黄色固体として3.5g得た。(収率53%)
上記により得られた化合物(11)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (CDCl3) d 9.22 (t, 1H), 9.15 (d, 2H),7.47-7.42 (m, 4H), 6.96-6.89 (m, 4H), 4.78 (q, 1H), 4.45 (t, 2H), 4.22-4.12 (m,2H), 3.98 (t, 2H), 1.89-1.74 (m, 2H), 1.69-1.28 (m, 21H), 0.89 (t, 3H)
<化合物(12)の合成> 化合物(11) 3.2g,Pd/C 0.32g,THF 50mlの混合物を水素雰囲気下室温で時間攪拌した。反応終了後触媒を除去し、溶媒を留去して本発明のジアミンである化合物(12)を2.9gの得た。(収率99%)
上記により得られた化合物(12)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (CDCl3) d 7.48-7.41 (m, 4H), 6.96-6.88(m, 4H), 6.78 (d, 2H), 6.18 (t, 1H), 4.78 (q, 1H), 4.25 (t, 2H), 4.22-4.12 (m,2H), 3.98 (t, 2H), 3.73-3.52 (br, 4H), 1.99-1.30 (m, 23H), 0.89 (t, 3H)
<実施例5>
ジアミン(14)の合成
Figure 2006016303
<化合物(13)の合成> 化合物(2) 4.7g、3,5−ジニトロ安息香酸4.8g、塩化メチレン 150mlの混合物に、DCC 4.1g、DMAP 0.11gを加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、ろ過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、4/1)により単離精製して、化合物(13)を3.6g得た。(収率56%)
上記により得られた化合物(13)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (CDCl3) d 9.35 (d, 1H), 9.31 (t, 2H),7.65-7.60 (m, 2H), 7.55-7.48 (m, 2H), 7.33-7.28 (m, 2H), 7.00-6.94 (m, 2H),4.81 (q, 1H), 4.25-4.13 (m, 2H), 1.73-1.55 (m, 5H), 0.90 (t, 3H)
<化合物(14)の合成> 化合物(13) 4.9g、酸化白金(IV) 0.4g、1,4−ジオキサン 80mlの混合物を水素雰囲気下室温で24時間攪拌した。反応終了後触媒を除去、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、1/1)により単離精製して本発明のジアミンである化合物(14)を3.4g得た。(収率79%)
上記により得られた化合物(14)を同定した結果を、下記に示す。
1H NMR (CDCl3) d 7.57-7.53 (m, 2H), 7.52-7.47(m, 2H), 7.25-7.18 (m, 2H), 6.97-6.93 (m, 4H), 6.25 (t, 1H), 4.79 (q, 1H),4.26-4.11 (m , 2H), 3.81-3.68 (br, 4H), 1.68-1.55 (m, 5H), 1.38-1.24 (m, 2H),0.89 (t, 3H)
<実施例6>
ポリイミド前駆体(15)の製造
Figure 2006016303
実施例1と同様にして得られたジアミン(4) 5.00gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 2.33gを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)29.33g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(15)の溶液を得た。この溶液の粘度は111.6mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC(Gel Permeation Chromatography)法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は8285(Mw/Mn: 2.17)であった。
[α]D 22= 15.9°(DMF/NMP,c=1.00%)
<実施例7>
ポリイミド前駆体(16)の製造
Figure 2006016303
実施例2と同様にして得られたジアミン(6) 2.18gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 0.98gを、NMP 12.63g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(16)の溶液を得た。この溶液の粘度は1960mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は43000(Mw/Mn:6.22)であった。
<実施例8>
ポリイミド前駆体(17)の製造
Figure 2006016303
実施例3と同様にして得られたジアミン(9) 4.25gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 1.52gを、NMP 23.09g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(17)の溶液を得た。この溶液の粘度は160mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は12000(Mw/Mn:3.35)であった。
<実施例9>
ポリイミド前駆体(18)の製造
Figure 2006016303
実施例4と同様にして得られたジアミン(12) 2.44gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 0.79gを、NMP 12.90g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(18)の溶液を得た。この溶液の粘度は2250mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は34500(Mw/Mn:1.84)であった。
[α]D 22= 15.6°(DMF/NMP,c=1.00%)
<実施例10>
ポリイミド前駆体(19)の製造
Figure 2006016303
実施例1と同様にして得られたジアミン(4) 2.99gと、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン 0.68gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 1.86gを、NMP22.10g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(19)の溶液を得た。この溶液の粘度は845mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は24700(Mw/Mn:2.18)であった。
<実施例11>
ポリイミド前駆体(20)の製造
実施例1と同様にして得られたジアミン(4) 3.00gと、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン 2.04gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 2.80gを、NMP31.36g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(20)の溶液を得た。この溶液の粘度は30720mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は63000(Mw/Mn:1.71)であった。
<実施例12>
ポリイミド前駆体(21)の製造
Figure 2006016303
実施例5と同様にして得られたジアミン(14) 1.99gと、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン 1.27gと、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 1.74gを、NMP20.84g中で、室温で攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体(21)の溶液を得た。この溶液の粘度は271mPa・s(25℃:E型粘度計)であり、GPC法により測定したポリイミド前駆体の数平均分子量(Mn)は11700(Mw/Mn:2.26)であった。
[α]D 22= 13.6°(DMF/NMP,c=1.00%)
<実施例13>
ポリイミド(22)の製造
Figure 2006016303
実施例6と同様にして得られたポリイミド前駆体(15)の溶液 5gに、NMP 10g、無水酢酸 1.65g、ピリジン 0.77gを加え、40℃で3時間攪拌した。反応混合物をメタノール、水の混合溶媒を用いて沈殿回収し、ポリイミド(22)を0.77g得た。GPC法により測定したポリイミドの数平均分子量(Mn)は7936(Mw/Mn:2.18)であった。このポリイミドは、NMP、γ−ブチロラクトンなどの溶媒に可溶であった。
1H-NMR (DMSO-d6) d (ppm): 0.83 (m, 3H); 1.24 (m, 2H); 1.51 (m, 5H); 3.30 (m, 2H);3.71 (m, 2H); 4.08 (m, 2H); 5.00 (m, 1H); 6.90-7.80 (m, 11H)
ポリイミドの熱分析:5%重量減少温度=314℃、Tg>300℃
ポリイミド(22) 100mgをDMF10.0mlに溶解し、ポリマー溶液を調整した。ポリマー溶液を旋光度計(日本分光株式会社製:JASCO P-1020)を用いて、ナトリウムD線による旋光度を測定したところ、16°であった。
<比較例1>
実施例1において、乳酸ブチルのキラル体に替えて、乳酸ブチルのラセミ体を用いた以外は実施例1と同様にジアミンを製造し、更にこのジアミンを用いて実施例6と同様の操作によりラセミ体のポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の旋光度を測定したところ、0°であった。
<比較例2>
比較例1で得られたポリイミド前駆体を用い、実施例13と同様の操作によりラセミ体のポリイミドを得た。このポリイミドの旋光度を測定したところ、0°であった。
<応用例>
ポリイミド塗膜
ポリイミド前駆体(15)〜(17)、(19)、(20)の溶液を、NMPで希釈し、ブチルセロソルブを加え、ブチルセロソルブ濃度20重量%、樹脂濃度3〜10重量%の溶液とした。この溶液を透明電極付きガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで1時間焼成して、膜厚0.1μmの均一なポリイミド塗膜を形成させた。この塗膜上の水とヨウ化メチレンの接触角を測定した。
また、水の表面張力(γ=72.8、γ =29.1、γ =43.7)(dyn/cm)、ヨウ化メチレンの表面張力(γ=50.8、γ =46.8、γ =4.0)(dyn/cm)の値を用い、下記の式よりポリイミド塗膜の表面エネルギーを算出した。
(1+COSθ)×γ=2(γ ×γ 1/2+2(γ ×γ 1/2
γ=γ +γ
γ=γ +γ
θ :塗膜上の液体の接触角
γ;液体の表面張力
γ ;液体の表面張力分散項
γ ;液体の表面張力極性項
γ;塗膜の表面張力
γ ;塗膜の表面張力分散項
γ ;塗膜の表面張力極性項
ここで、水の接触角をθ1、ヨウ化メチレンの接触角をθ2とし、水の表面張力(γ=72.8、γ =29.1、γ =43.7)(dyn/cm)、ヨウ化メチレンの表面張力(γ=50.8、γ =46.8、γ =4.0)(dyn/cm)を代入し、
(1+COSθ1)×72.8=2(γ ×29.1)1/2 +2(γ ×43.7)1/2
(1+COSθ2)×50.8=2(γ ×46.8)1/2 +2(γ ×4.0)1/2
より、γ 、γ を求め、γ=γ +γ よりポリイミド塗膜の表面エネルギーを算出する。
水とヨウ化メチレンの接触角、表面エネルギーの計算結果を以下に示す。
Figure 2006016303
液晶配向膜
上記で希釈したポリイミド前駆体(19)または(20)の溶液を、透明電極付きガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分乾燥させた後、200℃または230℃の熱風循環式オーブンで1時間焼成して、膜厚0.1μmの均一なポリイミド塗膜を形成させた。
この塗膜をレーヨン布でラビング処理した後、50μmのスペーサーを挟んでラビング方向が反平行になるようにして組み立て、液晶(メルク社製:MLC−2003)を注入して液晶セルを作成した。この液晶セルについて、偏光顕微鏡下での液晶の配向状態を確認と、結晶回転法による液晶のプレチルト角の測定を行った。また、液晶セルを105℃で5分加熱処理した後と、さらに120℃で1時間加熱処理した後においても、配向状態を確認と、プレチルト角の測定を行った。
液晶のプレチルト角の測定結果を以下に示す。
Figure 2006016303
上記プレチルト角測定時において、液晶は欠陥無く均一に配向していた。

Claims (2)

  1. 下記、式[1a]または[1b]で表されるジアミン。
    Figure 2006016303
    (式中、Xは−O−,−CHO−,−COO−より選ばれる結合基であり、Xはフェニル又はジフェニルであり、nは1〜10の整数であり、Gは下記[2]または[3]のいずれか一方である。)
    Figure 2006016303
    Figure 2006016303
    ([2]または[3]において、Xは単結合または−CH−であり、Xは−CH−または−COO−であり、Xは炭素数1〜10のアルキル基であり、Xは−CFまたは−CHである。)
  2. 請求項1記載の式[1a]または[1b]で表されるジアミンを、モノマー成分の一つとして合成される、ポリイミド前駆体またはポリイミド。
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WO2016039358A1 (ja) * 2014-09-10 2016-03-17 第一三共株式会社 カルボン酸誘導体
CN118063772A (zh) * 2024-04-22 2024-05-24 潍坊弘润石化科技有限公司 一种新型手性聚酰亚胺及其制备方法

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