JP5807741B2 - 側鎖置換エチレンジエステル型酸二無水物、その製造法及びポリイミド - Google Patents
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Description
また溶媒溶解性を有するポリイミド(以下可溶性ポリイミド)に於いては、従来多用されて来た溶解度の高いN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やγ―ブチロラクトン等のアミド系やラクトン系有機溶媒は高沸点のため、溶媒を除去するためには高温焼成が避けられなかった。
液晶表示素子分野では、近年プラスチック基板を用いたフレキシブル液晶表示素子の研究開発が行われており、高温焼成になると素子構成成分の変質が問題になってくるため、近年低温焼成が望まれるようになった。
一方で、高い溶媒溶解性を示すポリアミック酸では十分な液晶表示特性が得られずイミド化に起因した体積変化も起こり易いという問題点もあり、沸点の低い有機溶媒類に対して可溶であるポリイミドが望まれるようになって来ている。
その解決策として、有機溶媒溶解性に有利な脂環式ジカルボン酸無水物を利用したテトラカルボン酸二無水物の合成法が考えられる。その一例として、無水核水添トリメリット酸クロライドとヒドロキノンから得られるジエステル型酸二無水物が知られている(特許文献1)。しかし、「この酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から得られるポリイミドは、シクロヘキサノンに溶解せず、加工性に劣るものである。」との記載があった(特許文献2)。そこで、無水核水添トリメリット酸クロライドとエチレングリコールから得られるエチレングリコール水素化トリメリット酸エステルが知られている(特許文献2)。この酸無水物と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から得られるポリイミドは、「DMAc、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等の有機溶媒に室温で高い溶解性を示し」との記載はあるが、沸点が100℃以下の有機溶媒への溶解性は不明であった。
これまで数々の技術が提案されて来ており、例えばプレチルト角を付与する方法として側鎖を含有するジアミンなどが提案されており、プレチルト角の付与が液晶配向膜の開発に於いて重要な課題となって来ている(特許文献3〜6)。
これまで無水核水添トリメリット酸クロライドと経済的に低廉で有利な側鎖置換エチレングリコールから得られる側鎖置換エチレンジエステル型酸二無水物は知られていなかった。
1.下記式[1]で表される化合物、
2.前記R1、R2、R3、R5、R6及びR7が、水素原子であり、R4が、炭素数1〜20のアルキル基である1記載の化合物、
3.下記式[2]
で表されるジオール化合物と下記式[3]
で表される無水核水添トリメリット酸ハライドとを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする下記式[1]
で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法、
4.前記R1、R2、R3、R5、R6及びR7が、水素原子であり、R4が、炭素数1〜20のアルキル基である3記載の製造法、
5.式[4]で表される繰り返し単位を含有するポリアミック酸、
6.前記R1、R2、R3、R5、R6及びR7が、水素原子であり、R4が、炭素数1〜20のアルキル基である5記載のポリアミック酸、
7.式[5]で表される繰り返し単位を含有するポリイミド、
8.前記R1、R2、R3、R5、R6及びR7が、水素原子であり、R4が、炭素数1〜20のアルキル基である7記載のポリイミドを提供する。
また、本発明ポリイミドは、ポリイミド主鎖に側鎖置換基を有し、液晶配向処理剤として液晶のプレチルト角付与が期待される。
実用場面としては、液晶表示素子の他に半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料等として好適に用いることが期待される。
即ちジオール化合物(DLC)と2モル倍の無水核水添トリメリット酸ハライド(DOCH)を、塩基の存在下で縮合させることにより、目的のABDCが製造される。
DLCに対するDOCHの使用量は、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍がより好ましい。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン及びトリプロピルアミン等の有機塩基または炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を用いることができるが、特には、ピリジン及びトリエチルアミンが好ましい。その使用量は、DLCに対し、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍がより好ましく、2.0〜2.3モル倍が特に好ましい。
反応時間は、1〜50時間が好ましく、特には、2〜30時間が好ましい。
精製は、この粗物をトルエンに溶解後、n−ヘキサン又はn−ヘプタン中に添加し生成した油状物を減圧乾燥させることにより目的化合物の純度が向上する。
更に純度を上げる場合は、この目的化合物に無水酢酸を加えて100〜150℃湯浴で10〜60分攪拌させてから濃縮するとガム状粗物が得られる。この粗物にトルエンを加えて加温溶解させてから、n−ヘキサン又はn−ヘプタン中に添加し生成した油状物を減圧乾燥させることにより目的化合物の純度が向上する。
本反応は、常圧または加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
本反応の原料の一つであるDLCは、各種の置換基を導入することが可能である。ここで、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、R4、R5、R6及びR7のうち少なくとも1つは炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のハロアルキル基から選ばれる置換基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖及び分岐のいずれでもよい。
その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル及びn−エイコシル基等が一例として挙げられる。
なお、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、それぞれ表す。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、CF3−、CF3CH2−、CF3CF2−、CF3CH2−、CF3(CF2)2−、CF3CF2CH2−、CF3(CF2)3−、CF3CF2(CH2)2−、CF3(CF2)4−、CF3(CF2)2(CH2)2−、CF3(CF2)5−、CF3(CF2)3(CH2)2−、CF3(CF2)6−、CF3(CF2)4(CH2)2−、CF3(CF2)7−、CF3(CF2)5(CH2)2−、CF3(CF2)8−、CF3(CF2)6(CH2)2−、CF3(CF2)9−、CF3(CF2)7(CH2)2−、CF3(CF2)10−、CF3(CF2)8(CH2)2−、CF3(CF2)11−、CF3(CF2)12−、CF3(CF2)13−、CF3(CF2)14−、CF3(CF2)15−、CF3(CF2)16−、CF3(CF2)17−、CF3(CF2)18−及びCF3(CF2)19−基等が一例として挙げられる。
具体的化合物としては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール及び1,2−ヘキサデカンジオール等が一例として挙げられる。
DOCHは、無水核水添トリメリット酸を各種のハロゲン化剤でハライド化することによって得られる。一例として、ハロゲン化剤をオキザリルクロライドを用いることにより温和な反応条件で高収率で目的のDOCHが得られる。
オキザリルクロライドの使用量は、DOCHに対し、1.0〜2.0モル倍が好ましく、特には、1.0〜1.5モル倍が好ましい。反応温度は、0〜50℃が好ましい。
その具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン等の脂環式テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等が挙げられる。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン等の芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等も挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、テトラカルボン酸二無水物およびその誘導体とジアミンとを公知の手法によって反応、重合させればよい。
[1][1H NMR]
機種:Varian社製NMR System 400NB(400MHz)
測定溶媒:CDCl3、DMSO−d6
標準物質:tetramethylsilane(TMS)
[2][融点(m.p.)]及び[軟化点(PMT)]
機種:微量融点測定装置(MP−S3)(ヤナコ機器開発研究所社製))
[3]数平均分子量および重量平均分子量の測定:GPC(Gel Permeation Chromatography)法
ポリマーの重量平均分子量(以下Mwと略す)と分子量分布は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF805L)を用い、溶出溶媒としてDMFを流量1mL/分、カラム温度50℃の条件で測定した。なお、Mwはポリスチレン換算値とした。
[参考例1] DOCCの合成
この生成物は、1H NMRから目的の1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド(DOCC)であることを確認した。
[実施例1] HDBCの合成
続いて、ろ過後残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した溶液を濃縮し、更に減圧乾燥すると油状物14.8gが得られた。この粗物に酢酸エチル60gを加えて70℃で加温溶解後、室温に冷却してから水30gを加えて洗浄してから再び有機層を濃縮した後120〜130℃油浴で減圧乾燥すると油状物14.0gが得られた。
続いて、この油状物をトルエン28gに溶解させてからn−ヘキサン100gに滴下すると下層に油状物が沈降した。上澄み液をデカンテーションで除いてから120〜130℃油浴で減圧乾燥するとガム状物A10.5gが得られた。
このガム状物A7.5gに無水酢酸21gを加えて130〜140℃湯浴で20分攪拌させた。この反応液を濃縮して得られた油状粗物にトルエンを加えて加温溶解させてから、n−ヘプタンを加えると二層になったので上澄み液をデカンテーションで除いてから下層の油状物をn−ヘプタンで3回洗浄してから120℃湯浴で減圧乾燥すると透明ガム状物B7.16g(収率56.2%)が得られた。
このガム状物Bは、1H NMRから目的のヘキサデカン−1,2−ジイルビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(HDBC)であることを確認した。
1H NMR ( CDCl3, δppm ) : 0.880 ( t, J=6.8Hz, 3H ), 1.432 ( s, 24H ), 1.432-1.543 ( m, 5H ), 1.617-1.679 ( m, 2H ), 1.763-1.844 ( m, 2H ), 1.951 ( t, J=4.8Hz, 2H ), 2.272-2.449 ( m, 6H ), 3.115-3.188 ( m, 1H ), 3.226-3.261 ( m, 2H ), 3.942-4.026 ( m, 1H ), 4.283-4.332 ( m, 1H ), 5.081 ( t, J=6.8Hz, 1H )
[実施例2] TDBCの合成
続いて、ろ過後残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した溶液を濃縮し、更に減圧乾燥すると油状物14.7gが得られた。この粗物に酢酸エチル50gを加えて70℃で加温溶解後、室温に冷却してから水30gを加えて洗浄してから再び有機層を濃縮した後120〜130℃油浴で減圧乾燥すると油状物13.0gが得られた。
続いて、このガム状物に無水酢酸33gを加えて130〜140℃湯浴で50分攪拌させた。この反応液を濃縮して得られた油状粗物にトルエン24gを加えて溶解させてからn−ヘキサン72gに滴下すると下層にガム状物が沈降した。上澄み液をデカンテーションで除いてから120〜130℃油浴で減圧乾燥するとガム状物10.1g(収率84.6%)が得られた。
このガム状物は、1H NMRから目的のテトラデカン−1,2−ジイルビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(TDBC)であることを確認した。
1H NMR ( CDCl3, δppm ) : 0.880 ( t, J=6.8Hz, 3H ), 1.452 ( s, 21H ), 1.452-1.614 ( m, 4H ), 1.643-1.731 ( m, 2H ), 1.770-1.818 ( m, 2H ), 1.940-2.091 ( m, 2H ), 2.348-2.375 ( m, 6H ), 3.118-3.175 ( m, 1H ), 3.248 ( s, 2H ), 3.960-4.025 ( m, 1H ), 4.286 (dd, J1=3.2Hz, J2=5.6Hz, 1H ), 5.068 ( d, J=4.0Hz, 1H )
[実施例3] ODBCの合成
続いて、ろ過後残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した溶液を濃縮し、更に減圧乾燥すると油状物13.6gが得られた。この粗物に酢酸エチル50gを加えて70℃で加温溶解後、室温に冷却してから水30gを加えて洗浄してから再び有機層を濃縮した後120〜130℃油浴で減圧乾燥すると油状物13.2gが得られた。
続いて、このガム状物に無水酢酸40gを加えて130〜140℃湯浴で1時間攪拌させた。この反応液を濃縮して得られた油状粗物にトルエン25gを加えて溶解させてからn−ヘキサン75mlに滴下すると下層にガム状物が沈降した。上澄み液をデカンテーションで除いてから120〜130℃油浴で減圧乾燥するとガム状物9.51g(収率85.3%)が得られた。
このガム状物は、1H NMRから目的のオクタン−1,2−ジイルビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(ODBC)であることを確認した。
1H NMR ( CDCl3, δppm ) : 0.849 ( t, J=6.8Hz, 3H ), 1.234 ( s, 10H ), 1.472-1.593 ( m, 3H ), 1.667-1.918 ( m, 5H ), 1.974-2.009 ( m, 2H ), 2.151-2.165 ( m, 2H ), 2.446 ( brs, 2H ), 3.235-3.309 ( m, 2H ), 3.521 ( brs, 2H ), 3.993-4.060 ( m, 1H ), 4.204 ( t, J=10Hz, 1H ), 4.968 ( s, 1H )
[実施例4]HDBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.05g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、HDBC−ODAポリイミドの淡紫色粉末1.36g(収率89.3%)を得た。
PMT:125〜127℃
[実施例5]HDBC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成(1)
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水126ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、70℃で2時間減圧乾燥し、HDBC/PODAポリイミドの肌色粉末1.68g(収率86.3%)を得た。
PMT:72〜75℃
[実施例6]HDBC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成(2)
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して肌色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、70℃で2時間減圧乾燥し、HDBC/PODAポリイミドの肌色粉末1.66g(収率95.1%)を得た。
PMT:80〜85℃
[実施例7]HDBC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP18gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は12,368で、重量平均分子量(Mw)は142,359であり、Mw/Mnは11.5であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水115ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、HDBC/MDAポリイミドの白色粉末1.40g(収率89.9%)を得た。
PMT:88〜90℃
[実施例8]HDBC−m−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、NMP21gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は4,063で、重量平均分子量(Mw)は10,569であり、Mw/Mnは2.60であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから80℃で2時間減圧乾燥し、HDBC/m−PDAポリイミドの白色粉末1.25g(収率90.7%)を得た。
PMT:93〜95℃
[実施例9]HDBC−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.54g(15mmol)およびピリジン0.71g(90mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール80ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、HDBC/p−PDAポリイミドの白色粉末0.91g(収率88.0%)を得た。
PMT:205〜210℃
[実施例10]HDBC−MBCAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP21gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は6,425で、重量平均分子量(Mw)は25,223であり、Mw/Mnは3.93であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから80℃で2時間減圧乾燥し、HDBC/MBCAポリイミドの肌色粉末1.41g(収率89.1%)を得た。
PMT:95〜97℃
[実施例11]TDBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP20gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は6,115で、重量平均分子量(Mw)は19,418であり、Mw/Mnは3.18であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水115ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、TDBC/ODAポリイミドの肌色粉末1.38g(収率97.8%)を得た。
PMT:94〜96℃
[実施例12]TDBC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水125ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、TDBC/PODAポリイミドの白色粉末1.59g(収率93.9%)を得た。
PMT:83〜86℃
[実施例13]TDBC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、TDBC/MDAポリイミドの白色粉末1.48g(収率98.2%)を得た。
PMT:83〜85℃
[実施例14]TDBC−m−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP20gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,934で、重量平均分子量(Mw)は21,199であり、Mw/Mnは3.57であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水100ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、TDBC/m−PDAポリイミドの白色粉末1.21g(収率91.3%)を得た。
PMT:98〜100℃
[実施例15]ODBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.40g(24mmol)およびピリジン1.20g(15mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水116ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、ODBC/ODAポリイミドの白色粉末1.26g(収率94.0%)を得た。
PMT:97〜100℃
[実施例16]ODBC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.40g(24mmol)およびピリジン1.20g(15mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して白色固形物を析出させた。これを濾過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、ODBC/PODAポリイミドの肌色粉末1.31g(収率85.9%)を得た。
PMT:107〜110℃
以上の様に本発明ポリイミドは、ジアミン種により軟化点(PMT)が100℃前後で、成型加工性に優れることが判明した。
[比較例1]PMDA−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸5.1g(50mmol)およびピリジン2.37g(30mmol)を加えて100℃で4時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール147ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、PMDA−ODAポリイミドの橙色粉末1.55g(収率86%)を得た。
PMT: >300℃
上記実施例4〜16で得られたHDBC/TDBC/ODBC−各ジアミンポリイミド及び比較例1で得られたPMDA−ODAポリイミドの有機溶媒溶解性を下記手法によって評価した。その結果を表1及び表2に示す。
(測定法)
各ポリイミド5mgを、有機溶媒100mgに添加し、所定温度で撹拌し、その溶解性を確認した。
DMSO:ジメチルスルホオキシド、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、EDC:1,2−ジクロロエタン
更に、ポリイミド主鎖に側鎖置換を有するところから、液晶配向処理剤として液晶のプレチルト角付与が期待される。
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