JP2013028570A - フェニルアゾ置換レゾルシノール型酸二無水物、その製造法及びポリイミド - Google Patents
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Abstract
Description
また溶媒溶解性を有するポリイミド(以下可溶性ポリイミド)においては、従来多用されて来た溶解度の高いN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やγ―ブチロラクトン等のアミド系やラクトン系有機溶媒は高沸点のため、溶媒を除去するためには高温焼成が避けられなかった。
液晶表示素子分野では、近年プラスチック基板を用いたフレキシブル液晶表示素子の研究開発が行われており、高温焼成になると素子構成成分の変質が問題になってくるため、近年低温焼成が望まれるようになった。
一方で、高い溶媒溶解性を示すポリアミック酸では十分な液晶表示特性が得られずイミド化に起因した体積変化も起こり易いという問題点もあり、沸点の低い有機溶媒類に対して可溶であるポリイミドが望まれるようになってきた。
その解決策として、有機溶媒溶解性に有利な脂環式ジカルボン酸無水物を利用したテトラカルボン酸二無水物の合成法が考えられる。その一例として、無水核水添トリメリット酸クロライドとヒドロキノンから得られるジエステル型酸二無水物が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、「この酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から得られるポリイミドは、シクロヘキサノンに溶解せず、加工性に劣るものである。」との記載があった(例えば、特許文献2)。
また、無水核水添トリメリット酸クロライドとレゾルシノールから得られるm−フェニレンジエステル型酸二無水物の化学構造式の記載(例示)はあった(例えば、特許文献3)。しかし、具体的な合成実施例の記載は無かった。
そのほかに、CDやDVD、更にはブルーレイのように年々大きな容量を記録できる記録媒体の開発がなされており、偽造防止策や認証システムなどにおいてはホログラムを用いた技術が応用されている。
これらの光記録媒体などの材料にアゾベンゼン系色素が応用されており、長期に亘る化学的・物理的安定性が望まれている。
1.下記式[1]で表される化合物、
2.R1及びR2が、水素原子である1記載の化合物、
3.下記式[2]
で表されるレゾルシノール化合物と下記式[3]
で表される無水核水添トリメリット酸ハライドとを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする下記式[1]
で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法、
4.R1、R2、R3、R4及びR5が、水素原子であり、無水核水添トリメリット酸ハライドが無水核水添トリメリット酸クロライドである3記載の製造法、
5.式[4]で表される繰り返し単位を含有するポリアミック酸、
6.前記R1、R2、R3、R4及びR5が、水素原子である5記載のポリアミック酸、
7.式[5]で表される繰り返し単位を含有するポリイミド、
8.前記R1、R2、R3、R4及びR5が、水素原子である7記載のポリイミドを提供する。
実用場面としては、液晶表示素子の他に半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料等として好適に用いることが期待される。
即ちフェニルアゾ置換レゾルシノール化合物(PARC)と2モル倍の無水核水添トリメリット酸ハライド(DOCH)を、塩基の存在下で縮合させることにより、目的のPAOCCが製造される。
PARCに対するDOCHの使用量は、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍がより好ましい。
塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン及びピリジン等の有機塩基または炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を用いることができるが、特には、トリエチルアミン及びピリジンが好ましい。その使用量は、PARCに対し、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍が好ましく、2.0〜2.3モル倍がより好ましい。
反応時間は、1〜50時間が好ましく、特には、2〜30時間が好ましい。
本反応は、常圧または加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
原料の一つであるPARCは、フェニルアゾ基のフェニル部分に各種置換基を導入することが可能である。
ここで、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のハロアルコキシ基及び炭素数2〜20のシアノアルキル基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル及びn−エイコシル基等が一例として挙げられる。
なお、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、cはシクロをそれぞれ表す。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、CF3−、CF3CH2−、CF3CF2−、CF3CH2−、CF3(CF2)2−、CF3CF2CH2−、CF3(CF2)3−、CF3CF2(CH2)2−、CF3(CF2)4−、CF3(CF2)2(CH2)2−、CF3(CF2)5−、CF3(CF2)3(CH2)2−、CF3(CF2)6−、CF3(CF2)4(CH2)2−、CF3(CF2)7−、CF3(CF2)5(CH2)2−、CF3(CF2)8−、CF3(CF2)6(CH2)2−、CF3(CF2)9−、CF3(CF2)7(CH2)2−、CF3(CF2)10−、CF3(CF2)8(CH2)2−、CF3(CF2)11−、CF3(CF2)12−、CF3(CF2)13−、CF3(CF2)14−、CF3(CF2)15−、CF3(CF2)16−、CF3(CF2)17−、CF3(CF2)18−及びCF3(CF2)19−基等が一例として挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、1−メチル−n−ブチルオキシ、2−メチル−n−ブチルオキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシ、n−トリデシルオキシ、n−テトラデシルオキシ、n−ペンタデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ、n−ヘプタデシルオキシ、n−オクタデシルオキシ、n−ノナデシルオキシ及びn−エイコシルオキシ基等が一例として挙げられる。
炭素数1〜20のハロアルコキシ基としては、CF3O−、CF3CH2O−、CF3CF2O−、CF3CH2O−、CF3(CF2)2O−、CF3CF2CH2O−、CF3(CF2)3O−、CF3CF2(CH2)2O−、CF3(CF2)4O−、CF3(CF2)2(CH2)2O−、CF3(CF2)5O−、CF3(CF2)3(CH2)2O−、CF3(CF2)6O−、CF3(CF2)4(CH2)2O−、CF3(CF2)7O−、CF3(CF2)5(CH2)2O−、CF3(CF2)8O−、CF3(CF2)6(CH2)2O−、CF3(CF2)9O−、CF3(CF2)7(CH2)2O−、CF3(CF2)10O−、CF3(CF2)8(CH2)2O−、CF3(CF2)11O−、CF3(CF2)12O−、CF3(CF2)13O−、CF3(CF2)14O−、CF3(CF2)15O−、CF3(CF2)16O−、CF3(CF2)17O−、CF3(CF2)18O−及びCF3(CF2)19O−基等が一例として挙げられる。
炭素数2〜20のシアノアルキル基としては、シアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル、シアノペンチル、シアノヘキシル、シアノヘプチル、シアノオクチル、シアノノニル、シアノデシル、シアノウンデシル、シアノドデシル、シアノトリデシル、シアノテトラデシル、シアノペンタデシル、シアノヘキサデシル、シアノヘプタデシル、シアノオクタデシル、シアノノナデシル及びシアノエイコシル等が一例として挙げられる。
これらの中で、代表例としては、R1、R2、R3、R4及びR5が共に水素原子であり、mが1である4−フェニルアゾレゾルシノール(PAR)やR1、R2、R3、R4及びR5が共に水素原子であり、mが2である4,6−ビスフェニルアゾレゾルシノール(BPAR)を挙げることができる。PARは、市販品を使用することができる。又BPARは、公知の方法(特開2001−131134号公報)を用いることにより、高収率で製造できる。更に、R1、R2、R3、R4及びR5が共に水素原子であり、mが3である2,4,6−トリスフェニルアゾレゾルシノール(TPAR)は、BPAR製造時の副生物として得られ、反応条件を選べば主生成物としても得られる。
DOCHは、無水核水添トリメリット酸を各種のハロゲン化剤でハライド化することによって得られる。一例として、ハロゲン化剤としてオキザリルクロライドを用いることにより温和な反応条件で高収率で目的のDOCHが得られる。
オキザリルクロライドの使用量は、無水核水添トリメリット酸に対し、1.0〜2.0モル倍が好ましく、特には、1.0〜1.5モル倍が好ましい。
反応温度は、0〜50℃が好ましい。
さらに、本発明の目的である高い有機溶媒溶解性及び液晶光配向性を達成するためには、テトラカルボン酸二無水物のうち、50mol%以上がPAOCCであることが好ましく、70mol%以上がPAOCCであることがより好ましく、90mol%以上がPAOCCであることが最適である。
その具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等が挙げられる。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン等の芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等も挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、テトラカルボン酸二無水物およびその誘導体とジアミンとを公知の手法によって反応、重合させればよい。
機種:AQ−Tod(JEOL) イオン化法:DART+ 測定範囲:m/z = 100〜1000
[2] [1H NMR]
機種:Varian社製NMR System 400NB(400MHz)
測定溶媒:CDCl3、DMSO−d6
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
[3][IR]
機種:Nicolet 6700 FT-IR(Thermo)
測定法:ATR法(ダイヤモンド結晶) 分解能:4.0cm-1 (測定範囲:400~4000cm-1)
サンプルスキャン:50回 バックグラウンドスキャン:50回
[4] [融点(m.p.)][軟化点(PMT)]
機種:微量融点測定装置(MP−S3)(ヤナコ機器開発研究所社製))
[5]数平均分子量および重量平均分子量の測定:GPC(Gel Permeation Chromatography)法
ポリマーの重量平均分子量(以下Mwと略す)と分子量分布は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF805L)を用い、溶出溶媒としてDMFを流量1mL/分、カラム温度50℃の条件で測定した。なお、Mwはポリスチレン換算値とした。
[参考例1] DOCCの合成
その後、この反応液を50℃で減圧濃縮・乾燥することにより淡黄色油状物7.3gが得られた。この生成物は、1H NMRから目的の1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド(DOCC)であることを確認した。
[実施例1] BPACの合成(TEA)
続いて、ろ過後残渣をアセトニトリルで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮後減圧乾燥すると黒色油状物14.2gが得られた。この粗物に酢酸エチルを加えて70℃で攪拌してから、氷冷・ろ過し、酢酸エチルで洗浄してから減圧乾燥すると褐色固体6.7g(収率66%)が得られた。更に、この褐色固体に酢酸エチル42gを加えて70℃で攪拌し、次いで水冷してから水20gを添加した。これを攪拌してからろ過により得られた固体を110℃で1時間減圧乾燥すると褐色固体4.27g(Y43%)(m.p.:190〜192℃:不純物含有品)が得られた。
この結晶は、MASS及び1H NMR及びIRから目的の4,6−ビス(フェニルジアゼニル)−1,3−フェニレンビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(BPAC)であることを確認した。
MASS ( ESI+, m/z(%) ) : 679.0(M+, 100)
1H NMR ( DMSO-d6, δppm ) : 1.511-1.613 ( m, 1H ), 1.700-1.874 ( m, 2H ), 2.021-2.116 ( m, 2H ), 2.410-2.471 ( m, 1H ), 2.938-3.002 ( m, 1H ), 3.384-3.451 ( m, 1H ), 3.565-3.614 ( m, 1H ), 7.593-7.662 ( m, 6H ), 7.683 ( s, 1H ), 7.852-7.873 ( m, 4H ), 8.023 ( s, 1H )
IR(cm-1) : 1775.7(酸無水物C=O)
又、ろ液の有機層を分液し濃縮及び110℃で1時間減圧乾燥すると褐色固体1.10g(収率11%)が得られた。この結晶も目的のBPACであることを1H NMRから確認した。
[実施例2] BPACの合成(TEA)
続いて、反応液をろ過した後残渣をDMFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮し、減圧乾燥すると黒色油状物21.4gが得られた。この粗物に酢酸エチル100gを加えて70℃で攪拌してから、水冷後水を加えて攪拌した。このスラリー液をろ過した後、ろ液を分液して有機層を濃縮すると黒色固体16.1gが得られた。この黒色固体に酢酸エチルを加えて70℃で攪拌してから、35gまで濃縮した後氷冷した。続いて固体をろ取した後酢酸エチルで洗浄してから減圧乾燥すると橙色固体4.18g(収率30.8%)(m.p.:198〜199℃:高純度品)が得られた。
この結晶は、1H NMRから目的のBPACであることを確認した。
[実施例3] BPACの合成(ピリジン)
続いて、反応液をろ過した後、残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮し、減圧乾燥すると褐色固体39.6gが得られた。この粗物に酢酸エチル108gを加えて75℃で攪拌してから、水冷後水50gを加えて10分間攪拌した。このスラリー状混合物をろ過した後、ケーキを酢酸エチルで2回洗浄した。更に、80℃で減圧乾燥すると褐色固体25.7g(収率75.7%)(m.p.:160〜163℃:不純物含有品)が得られた。
この結晶は、1H NMRから目的のBPACであることを確認した。
[実施例4]BPAC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で3時間攪拌した。室温に戻してから、水140ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−PODAポリイミドの褐色粉末2.0g(収率100%)を得た。
PMT:106〜108℃
[実施例5]BPBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−ODAポリイミドの橙色粉末1.54g(収率91%)を得た。
PMT:115〜125℃
[実施例6]BPAC−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP19.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,782で、重量平均分子量(Mw)は11,547であり、Mw/Mnは2.00であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で6時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−p−PDAポリイミドの橙色粉末1.43g(収率95%)を得た。
PMT:185〜190℃
[実施例7]BPAC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP21.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は6,267で、重量平均分子量(Mw)は11,626であり、Mw/Mnは1.86であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−MDAポリイミドの橙色粉末1.45g(収率86%)を得た。
PMT:125〜130℃
[実施例8]BPAC−MBCAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP24.6gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は2,440で、重量平均分子量(Mw)は3,857であり、Mw/Mnは1.58であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水120ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、BPAC−MBCAポリイミドの橙色粉末1.64g(収率95%)を得た。
PMT:120〜125℃
[比較例1]PMDA−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸5.1g(50mmol)およびピリジン2.37g(30mmol)を加えて100℃で4時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール147ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、PMDA−ODAポリイミドの橙色粉末1.55g(収率86%)を得た。
PMT: >300℃
上記実施例4〜8で得られたBPAC−各ジアミンポリイミド(BPAC-DA-PI)、および比較例1で得られたPMDA−ODAポリイミドの有機溶媒溶解性を下記手法によって評価した。その結果を表1に示す。
(測定法)
各ポリイミド5mgを、有機溶媒100mgに添加し、所定温度で撹拌し、その溶解性を確認した。
DMSO:ジメチルスルホオキシド、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(表1)
[実施例9] PPBCの合成
続いて、反応液をろ過した後、残渣をTHFで2回洗浄してからろ液と洗液を混合し、これを濃縮後減圧乾燥すると赤色ガム状物14.7gが得られた。この粗物に酢酸エチル65gを加えて70℃で攪拌溶解してから、水冷後水50gを加えて洗浄してから有機層を濃縮すると赤色ガム状物11.7gが得られた。この粗物に酢酸エチル35gを加えて75℃で攪拌溶解してから、やや濃縮した後ヘプタン5gを加えて70℃に加温すると二層になったので、下層のペーストをデカンテーションで分離し、再び酢酸エチルを加えて溶解後少量のヘプタンを加えてから氷冷すると結晶が析出した。この結晶をろ取し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v)で2回洗浄した後、70℃で減圧乾燥すると橙色固体2.21g(収率27.4%)(m.p.:172〜174℃:不純物含有品)が得られた。
この結晶は、1H NMR及びIRから目的の4−(フェニルジアゼニル)−1,3−フェニレンビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフランー5−カルボキシレート)(PPBC)であることを確認した。
1H NMR ( DMSO-d6, δppm ) : 1.488-1.582 ( m, 2H ), 1.646-1.857 ( m, 4H ), 1.9910-2.089 ( m, 4H ), 2.330-2.440 ( m, 2H ), 2.787-2.839 ( m, 1H ), 2.884-2.937 ( m, 1H ), 3.315-3.431 ( m, 2H ), 3.551-3.600 ( m, 2H ), 7.260 ( dd, J1=2.4Hz, J2=8.8Hz, 1H ), 7.340 ( d, J=2.4Hz, 1H ),7.576-7.616 ( m, 3H ), 7.789-7.811 ( m, 3H )
IR(cm-1) : 1775.7(酸無水物C=O)
[実施例10] PPBCの合成
続いて、反応液をろ過した後、残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した後濃縮後減圧乾燥すると赤色ガム状物35.1gが得られた。この粗物に酢酸エチル200gを加えて70℃で攪拌溶解してから、水冷後水50gを加えて洗浄してから有機層を濃縮すると赤色ガム状物32.4gが得られた。この粗物に酢酸エチル100gを加えて70℃で攪拌溶解してから、全体重量が50gになるまで濃縮した後、ヘプタン10gを加えた。次いで70℃に加温すると二層になったので、再び酢酸エチル10gを加えてから氷冷した。続いて析出した結晶をろ取し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v)で2回洗浄した後、80℃で減圧乾燥すると橙色固体19.2g(m.p.:155〜157℃:不純物含有品)が得られた。ここで、この結晶に再び酢酸エチル100gを加えて75℃で40分攪拌後水冷してからろ過し、酢酸エチルで洗浄した後、80℃で4時間減圧乾燥すると第一次結晶橙色固体9.73g(収率48.9%)(m.p.:192〜194℃:高純度品)が得られた。
ろ液と洗液の混合液をを半量まで濃縮してから氷冷すると結晶が析出し、これをろ過し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v)で2回洗浄した後、減圧乾燥すると第二次結晶橙色固体5.85g(収率29.5%)が得られた。
これらの第一次結晶及び第二次結晶は、いずれも1H NMR及びIRから目的のPPBCであることを確認した。
[実施例11]PPBC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール150mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−PODAポリイミドの褐色粉末1.11g(収率67%)を得た。
PMT:167〜169℃
[実施例12]PPBC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−ODAポリイミドの橙色粉末1.19g(収率81%)を得た。
PMT:199〜201℃
[実施例13]PPBC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP18.5gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,658で、重量平均分子量(Mw)は9,902であり、Mw/Mnは1.75であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−MDAポリイミドの橙色粉末0.83g(収率57%)を得た。
PMT:180〜182℃
[実施例14]PPBC−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP16.6gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は4,437で、重量平均分子量(Mw)は6,932であり、Mw/Mnは1.56であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール95ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−p−PDAポリイミドの橙色粉末0.97g(収率73%)を得た。
PMT:184〜186℃
[実施例15]PPBC−m−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP16.6gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は4,276で、重量平均分子量(Mw)は7,044であり、Mw/Mnは1.65であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水95ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−m−PDAポリイミドの橙色粉末1.20g(収率93%)を得た。
PMT:158〜160℃
[実施例16]PPBC−MBCAポリアミック酸およびポリイミドの合成
この溶液に、更にNMP21.7gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は2,522で、重量平均分子量(Mw)は3,668であり、Mw/Mnは1.45であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸2.04g(20mmol)およびピリジン0.95g(12mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、水110ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して褐色固形物を析出させた。これをろ過後、水50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で3時間減圧乾燥し、PPBC−MBCAポリイミドの橙色粉末1.46g(収率97%)を得た。
PMT:130〜132℃
上記実施例11〜16で得られたPPBC−各ジアミンポリイミド(PPBC-DA-PI)、および比較例1で得られたPMDA−ODAポリイミドの有機溶媒溶解性を下記手法によって評価した。その結果を表2に示す。
(測定法)
各ポリイミド5mgを、有機溶媒100mgに添加し、所定温度で撹拌し、その溶解性を確認した。
DMSO:ジメチルスルホオキシド、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(表2)
Claims (8)
- R1及びR2が、水素原子である請求項1記載の化合物。
- R1、R2、R3、R4及びR5が、水素原子であり、無水核水添トリメリット酸ハライドが無水核水添トリメリット酸クロライドである請求項3記載の製造法。
- 前記R1、R2、R3、R4及びR5が、水素原子である請求項5記載のポリアミック酸。
- 前記R1、R2、R3、R4及びR5が、水素原子である請求項7記載のポリイミド。
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