JP2000063519A - ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法

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JP2000063519A
JP2000063519A JP11144845A JP14484599A JP2000063519A JP 2000063519 A JP2000063519 A JP 2000063519A JP 11144845 A JP11144845 A JP 11144845A JP 14484599 A JP14484599 A JP 14484599A JP 2000063519 A JP2000063519 A JP 2000063519A
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solution
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dianhydride
methacrylate
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Masao Tomikawa
真佐夫 富川
Yoshihiro Ishikawa
義博 石川
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ化水素酸と硝酸の混合溶液などのエッチン
グ液耐性が良好なポリイミド前駆体組成物を提供する。 【解決手段】(1)ポリアミド酸と、(2)テトラカル
ボン酸二無水物とアミノアルコキシシランとの反応生成
物から主としてなることを特徴としたポリイミド前駆体
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド前駆体
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、半導体の保護膜や絶縁膜
として用いられている。半導体の種類として例えば、G
TOサイリスタ、プレーナ型ダイオードなどに適用した
場合、電極の保護膜や絶縁膜あるいは素子部の保護膜と
してポリイミドを適用した場合、半導体基板の裏面や表
面の一部は、基板面を露出したあとさらに後加工でエッ
チング処理される。従来の通常のポリイミドでは、この
ときのエッチング溶液に対する耐性が不十分であるとい
う問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解消するため、基板面のエッチング工程にも十分耐え、
半導体の保護膜、絶縁膜として好適に使用できるポリイ
ミド前駆体組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明は、(1)
ポリアミド酸と、(2)テトラカルボン酸二無水物とア
ミノアルコキシシランとの反応生成物から主としてなる
ことを特徴とするポリイミド前駆体組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明におけるポリアミド酸とは、テトラ
カルボン酸二無水物とジアミンとの縮合反応によって生
成される。一般的な合成方法は、ジアミンをN−メチル
−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒中に溶解
し、続いてテトラカルボン酸二無水物を添加し、粘調な
溶液を得る方法である。
【0007】ポリアミド酸と類似の耐熱性高分子前駆体
としてポリヒドロキシアミドをポリアミド酸の代わりに
使用することも出来る。このようなポリヒドロキシアミ
ドの製造方法としては、ビスアミノフェノール化合物と
ジカルボン酸を縮合反応させることで得ることが出来
る。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)のような脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビス
アミノフェノール化合物を加える方法やピリジンなどの
3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物の溶液
にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下するなどがあ
る。
【0008】ポリヒドロキシアミドを使用する場合、ポ
リヒドロキシアミドの溶液にナフトキノンジアジドスル
ホン酸エステルのような感光剤を加えることで、紫外線
で露光した部分をアルカリ水溶液で除去できるポジ型の
感光性耐熱性樹脂前駆体組成物を得ることが出来る。
【0009】本発明におけるポリアミド酸エステルとは
種々の方法により合成することができるが、以下一般的
な合成法を示す。まずテトラカルボン酸二無水物をアル
コールでエステル化し、ジカルボン酸ジエステルを合成
する。次にジカルボン酸ジエステルのカルボキシル基を
塩化チオニル等により酸クロライド化し、ジカルボン酸
クロライドジエステルを合成する。ジカルボン酸クロラ
イドジエステルにジアミンを反応させポリアミド酸エス
テルが合成される。上記ジカルボン酸ジエステルのカル
ボキシル基を塩化チオニル等により酸クロライド化する
代わりに、ジカルボン酸ジエステルをDCC(ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド)などの縮合剤と反応させ、つ
いでジアミンを反応させてポリアミド酸エステルを合成
する方法も知られている。
【0010】上記ポリアミド酸エステルの合成で用いら
れるアルコールとしては、光反応性を有しエチレン性不
飽和結合の有無を問わない。光反応性を有しエチレン性
不飽和結合を有しないアルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチ
ルアルコールなどが挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。光反応性を有しエチレン性不飽和結合も有
するアルコールとしては、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシメチ
ルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒ
ドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシペンチルメタ
クリレート、ヒドロキシペンチルアクリレート、ヒドロ
キシイソプロピルメタクリレート、ヒドロキシイソプロ
ピルアクリレート、ヒドロキシイソブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシイソブチルアクリレートなどが挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0011】以下ポリイミド前駆体組成物とは、ポリア
ミド酸あるいはポリアミド酸エステルあるいはポリヒド
ロキシアミドのことを意味する。
【0012】本発明でのテトラカルボン酸二無水物は、
一般式(1)で示される。
【0013】
【化1】
【0014】式中のR1は、炭素数2〜22の4価の有
機基を表す。本発明ではテトラカルボン酸二無水物とし
て、例えば脂肪族系または脂環式系のものを用いること
ができ、その具体的な例として、ブタンテトラカルボン
酸二無水物、ペンタンテトラカルボン酸二無水物、ヘキ
サンテトラカルボン酸二無水物、シクロプロパンテトラ
カルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シ
クロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロヘキ
センテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセン
テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。また芳香
族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリイミドに変
換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、そ
の具体的な例として、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無
水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸
二無水物が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけ
ではない。本発明ではこれらのテトラカルボン酸二無水
物が1種または2種以上用いられる。
【0015】本発明で用いられるジアミンは一般式
(2)で示される。
【0016】
【化2】
【0017】ここで式中のR2は前記の炭素数1〜22
の2価の有機基を表す。その具体的な例として、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、
m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、
2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエ
ン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3’
−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジ
ン、o−トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、
1,5−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノピリジ
ン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、2,2−ビス[4−(p−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、ヘキサヒドロ−4,7−メタ
ノインダニレンジメチレンジアミンなどが挙げられる
が、特にこれらに限定されない。また無機基板との接着
性を良好にするためにシロキサンジアミンを用いてもよ
い。好ましく用いられるシロキサンジアミンを一般式
(3)に示す。
【0018】
【化3】
【0019】ここで式中のR3は炭素数1〜10の2価
の有機基、R4、R5、R6、およびR 7は炭素数1〜10
の1価の有機基で、これらは同一であっても異なってい
てもよい。またmは1〜10の整数を示す。シロキサン
ジアミンは、通常全ジアミン中の1〜20モル%用い
る。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上
効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。シロ
キサンジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノ
プロピル)テトラメチルシロキサンなどが挙げられる。
本発明ではこれらのジアミンが1種または2種以上用い
られる。
【0020】本発明における光反応性を有するエチレン
性不飽和結合とアミノ基を含む化合物を一般式(4)に
示す。
【0021】
【化4】
【0022】ここで式中のR8はエチレン性不飽和結合
を有する炭素数1〜10の1価の有機基、R9、R10
炭素数1〜10の1価の有機基で、これらは同一であっ
ても異なっていてもよい。
【0023】光反応性を有するエチレン性不飽和結合と
アミノ基を含む化合物の具体的な例として、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルア
クリレート、N,N−ジメチルアミノブチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノブチルアクリレートおよび
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチル
アミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノブチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノブチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアク
リルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリル
アミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、2
−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アリルアミ
ン、2−メチルアリルアミン、ジアリルアミンなどが挙
げられるが、特にこれらに限定されない。しかし光反応
性の面から不飽和基としてアクリル基、またはメタクリ
ル基を有するアミノ化合物が望ましい。
【0024】エチレン性不飽和結合とアミノ基を含む化
合物は、ポリイミド前駆体組成物のカルボキシル基、あ
るいはエステル基に対し、0.05〜2倍モル当量、よ
り好ましくは、0.1〜1倍モル当量混合するのが望ま
しい。混合する量が少なすぎれば感光特性が不良とな
り、混合する量が多すぎれば、ポリイミド前駆体膜を熱
処理してポリイミド膜を形成する時に膜厚の減少量が大
きくなりすぎる。
【0025】本発明における感光性ポリイミドにおいて
は、光反応性を有するエチレン性不飽和結合を含有する
がアミノ基を含まない化合物を用いることができ、その
具体的な例として、アリルアクリレート、ベンジルアク
リレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリ
エチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシルアク
リレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエ
チレングリコールアクリレート、メトキシジエチレング
リコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコ−
ルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアク
リレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ト
リフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシル
ジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコ−ルジアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロ
キシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、グリセロ−ルジアクリレート、メト
キシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピ
レングリコールジアクリレート、トリグリセロールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、およびアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート、ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシトリエ
チレングリコールメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシ
クロペンテニルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、グリセロールメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、ヘプタデカフロロデシルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボニ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルメタク
リレート、ラウリルメタクリレート、2−メトキシエチ
ルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタク
リレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコ−ルメタクリレート、
メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、オク
タフロロペンチルメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、ステアリルメタクリレート、トリフロロ
エチルメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタ
クリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、1,
4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレ
ングリコ−ルジメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトール
モノヒドロキシペンタメタクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラメタクリレート、グリセロ−ルジメタ
クリレート、メトキシ化シクロヘキシルジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレ
ート、トリグリセロールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが特にこ
れらに限定されない。また前記のN−メチルアクリルア
ミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N
−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォ
リン、N−ビニルピロリドンなどのエチレン性不飽和結
合を含有するアミド化合物を、エチレン性不飽和結合を
含有しかつアミノ基を含まない化合物として用いること
もできる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用
することができる。
【0026】上記のエチレン性不飽和結合を含有しかつ
アミノ基を含まない化合物は、エチレン性不飽和結合と
アミノ基を含有する化合物と併用する場合には、ポリイ
ミド前駆体組成物の1〜100重量%、好ましくは5〜
50重量%、さらに好ましくは10〜25重量%用いる
のが望ましい。
【0027】本発明に用いる光重合開始剤はその具体的
な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェ
ノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイ
ル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケト
ン、フルオレノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p
−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオ
キサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベ
ンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテ
ル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、
2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノ
ン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロ
ン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフ
ェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シク
ロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデ
ン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェニル−
1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニ
ル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、
1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エト
キシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、ミヒラーケトン、N−フェニルグリシン、3−フ
ェニル−5−イソオキサゾロン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、また、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリン
スルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、
4,4’−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジ
スルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェ
ニルホスフィン、カンファーキノン、四臭化炭素、トリ
ブロモフェニルスルホン、ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸エステルなどが挙げられるが、特にこれらに限定さ
れない。本発明ではこれらを1種または2種以上使用す
ることができる。
【0028】本発明のポリイミド前駆体組成物に含有さ
れる光重合開始剤の量は、ポリイミド前駆体組成物の
0.1〜30重量%が好ましく、0.1〜15重量%が
さらに好ましい。光重合開始剤の量が少なすぎれば組成
物の光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれ
ば、ポリイミド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形
成する時に膜厚の減少量が大きくなりすぎる。
【0029】また光感度を向上させ得る増感剤を、本発
明の感光性ポリイミド前駆体組成物に添加してもよい。
増感剤の具体的な例として、2,5−ビス(4’−ジエ
チルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス
(4’−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、
2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)−4−
メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチ
ルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミ
ヒラーケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベ
ンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カル
コン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p
−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメ
チルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチ
ルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−
(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフト
チアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベン
ザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノ
ベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7
−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N’−エ
チルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミ
ン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタ
ノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジ
エチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−
イソオキサゾロン、1−フェニル−5−ベンゾイルチオ
テトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニル
チオテトラゾールなどが挙げられるが、特にこれらに限
定されない。本発明ではこれらの増感剤を1種または2
種以上使用することができる。なお、増感剤のなかには
光重合開始剤としても作用するものがある。
【0030】増感剤を本発明のポリイミド前駆体組成物
に添加する場合、その添加量はポリイミド前駆体組成物
の0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜15重量%
がさらに好ましい。添加量が大きすぎれば、ポリイミド
前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成する時に膜厚
の減少量が大きくなりすぎる。また添加量が小さすぎれ
ば光感度を向上させる効果が発揮されない。
【0031】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物の
保存時の熱的な安定性を向上させるために、熱重合禁止
剤を添加することもできる。熱重合禁止剤の具体的な例
としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−
フェニルナフチルアミン、2、6−ジ−t−ブチル−p
−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなど
が挙げられるが特にこれらに限定されない。
【0032】熱重合禁止剤を添加する場合その添加量
は、ポリイミド前駆体組成物の0.1〜20重量%が好
ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。添加量
が大きすぎれば、ポリイミドパターン加工プロセスにお
いて、膜表面のm膜荒れや現像後の膜厚減少率が大きく
なり、露光効果が低下してしまう。また添加量が小さす
ぎれば、保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発揮
されない。
【0033】本発明におけるテトラカルボン酸二無水物
とアミノアルコキシシランとの反応生成物において、テ
トラカルボン酸二無水物は上述のポリイミド前駆体組成
物の合成に用いられるものと同様に使用することができ
る。
【0034】アミノアルコキシシランとは、下記一般式
(5)で示される。
【0035】
【化5】
【0036】ここで式中のR11、R12は炭素数1〜10
の1価の有機基で、これらは同一であっても異なってい
てもよい。R13は、1から10の1価の有機基、あるい
はOR14を示す。R14は1から10の1価の有機基を示
す。nは1〜10の整数を意味する。具体的な化合物と
しては、ジエトキシメチルシリルプロピルアミン、ジメ
トキシメチルシリルプロピルアミン、ジプロポキシメチ
ルシリルプロピルアミン、ジエトキシエチルシリルプロ
ピルアミン、ジメトキシエチルシリルプロピルアミン、
ジプロポキシエチルシリルプロピルアミン、ジエトキシ
メチルシリルエチルアミン、ジメトキシメチルシリルエ
チルアミン、ジプロポキシメチルシリルエチルアミン、
ジエトキシエチルシリルエチルアミン、ジメトキシエチ
ルシリルエチルアミン、ジプロポキシエチルシリルエチ
ルアミントリエトキシシリルプロピルアミン、トリメト
キシシリルプロピルアミン、トリプロポキシシリルプロ
ピルアミン、トリエトキシシリルプロピルアミン、トリ
メトキシシリルプロピルアミン、トリプロポキシシリル
プロピルアミン、トリエトキシシリルエチルアミン、ト
リメトキシシリルエチルアミン、トリプロポキシシリル
エチルアミン、トリエトキシシリルエチルアミン、トリ
メトキシシリルエチルアミン、トリプロポキシシリルエ
チルアミンなどがあげられるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0037】本発明におけるテトラカルボン酸二無水物
とアミノアルコキシシランとの反応は、以下の方法で合
成することができる。アミノアルコキシシランをポリイ
ミド前駆体を合成するときに好適に使用される溶媒中、
特にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸
トリアミド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶媒中に溶
解、撹拌し均一溶液にする。次にテトラカルボン酸二無
水物を添加し、室温で1時間、40〜60℃で1〜3時
間撹拌し、均一な溶液を得る。テトラカルボン酸二無水
物とアミノアルコキシシランとのモル比は、テトラカル
ボン酸二無水物1モルに対し、アミノアルコキシシラン
2モルであることが好ましい。この1:2のモル比が崩
れると、反応に関与できなかった未反応物がポリイミド
前駆体と混合したとき、ポリイミド前駆体との間で反応
が起こり、ポリイミド前駆体の安定性を損なうおそれが
ある。
【0038】テトラカルボン酸二無水物とアミノアルコ
キシシランとの反応生成物のポリイミド前駆体への添加
量は、ポリイミド前駆体固形分に対し5〜50重量%が
好ましく、さらに好ましくは10〜30重量%が好まし
い。添加量が少なければエッチング液処理時の耐溶剤性
が十分に発揮されず、逆に添加量が多いと、加熱処理し
たあとのキュア膜の膜特性が低下する問題が発生する。
【0039】上記の方法で用いられる有機溶媒は、すべ
ての組成物が溶解しうるものであることが好ましく、N
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶媒が通常用いら
れる。この他、これらの極性溶媒以外に一般的有機溶媒
であるケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化
炭化水素類、炭化水素類など、たとえば、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュ
ウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、
エチレングリコ−ルジメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、1,
4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレンなども使用でき
る。さらに、エチレン性不飽和結合を含有するアミド化
合物、たとえば、N−メチルアクリルアミド、N−メチ
ルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、N−ビ
ニルピロリドンなども使用できる。
【0040】このワニスを基板上に塗布する方法として
は、スピンコーター、バーコーター、ブレードコータ
ー、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板
をワニス中に浸漬する方法、ワニスを基板に噴霧するな
どの種々の方法を用いることができる。
【0041】本発明における基板としては、シリコンや
ガリウム−砒素などの半導体、アルミナセラミックス、
ガラスセラミックス、サファイアなどの無機絶縁体、ア
ルミニウム、銅などの金属などを選ぶことができる。
【0042】ワニスとして感光性を有しない組成物を用
いる場合は、以下の通りレジストを介してパターン加工
を行う。
【0043】ワニスを基板上に塗布した後、風乾、加熱
乾燥、真空乾燥などによりポリイミド前駆体膜が形成さ
れる。その後はレジストによるパターン加工を行うこと
ができる。ネガレジストを用いたヒドラジンプロセス
や、ポジレジストを用いたレジストとポリイミドを一括
でエッチングするプロセスなどが知られている。後者の
一例を説明すると、上述のようにポリイミド前駆体膜を
形成した後、ポジレジストを塗布しプリベークにより乾
燥させる。こうして得られたポリイミド前駆体上にポジ
レジストがプリベークされた膜は、通常のフォトマスク
を用いて露光される。この際に使用される活性光線とし
ては、たとえば、紫外線、電子線、X線などが挙げられ
るが、これらの中では紫外線が好ましく、その光源とし
ては、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが挙げられる。これら
の光源の中で超高圧水銀灯が好適である。また露光は窒
素雰囲気中、あるいは真空中で行うのが好ましい。露光
後必要なら熱処理を行った後、現像液を使用して現像を
行い露光部を除去する。この場合浸漬法やスプレー法を
用いることができる。
【0044】現像液としては通常、アルカリ水溶液が用
いられ、具体的には、水酸化ナトリウム、テトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド、コリンなどが用いられる。
また現像直後に、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、イソブチルアルコール、ヘキサン、ペンタンな
どの有機溶媒あるいは水でリンスを行うことが望まし
い。パターン加工終了後ポジレジストの剥離を行う。剥
離液の具体例としては、酢酸ブチル、メチルイソブチル
ケトン、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートなどが用いられ
る。
【0045】一方感光性を有するワニスを用いたパター
ン加工は以下の方法で行うことができる。
【0046】ワニスを基板上に塗布した後、風乾、加熱
乾燥、真空乾燥などにより、感光性ポリイミド前駆体膜
が形成される。こうして得られた膜は、通常のフォトマ
スクを用いて露光される。この際に使用される活性光線
としては、上記レジストのパターン加工で行ったものと
同様に行うことができる。
【0047】露光後、必要なら熱処理を行った後現像液
を使用して現像を行い、未露光部あるいは露光部を除去
する。この場合浸漬法やスプレー法を用いることができ
る。現像液としては通常、ポリアミド酸を溶解しうる有
機溶媒と同様のものが使用される。なお、このような有
機溶媒に、現像性を良好とするために水を添加して用い
ることもできる。水を添加する場合、その添加量は有機
溶媒に対して通常、1〜100重量%、好ましくは5〜
50重量%である。添加量が大きすぎる場合、有機溶媒
とのあいだで相分離を起こすおそれが生じ、添加量が小
さすぎる場合は現像性を良好にする効果を発揮しない。
アルカリ水溶液の場合は、水酸化ナトリウム、テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルア
ンモニウムハイドロオキサイド、コリンなどが用いられ
る。また現像直後に、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、イソブチルアルコール、ヘキサン、ペンタ
ンなどの有機溶媒あるいは水でリンスを行うことが望ま
しい。
【0048】現像後、レジストを用いた場合レジスト剥
離工程後得られたポリイミド前駆体のパターンは、その
後加熱処理することによってポリイミドのパターンに変
換される。加熱処理は通常、窒素雰囲気中あるいは真空
中で150〜450℃の温度のもとで、0.5〜5時
間、連続的または段階的に行われる。
【0049】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。テ
トラカルボン酸二無水物とアミノアルコキシシランとの
反応生成物の合成(3−アミノプロピル)メチルジエト
キシシラン10.57g(0.0647モル)をN−メ
チル−2−ピロリドン22.38g中に溶解撹拌し、
3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物9.53g(0.324モル)を添加し、室温で1
時間、50℃で1時間撹拌し透明な溶液を得た。この溶
液を溶液(A)とする。
【0050】実施例1 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル56.45g、ビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン4.47gを680gの
N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、室温(約20
℃)で撹拌しながら、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物48.3g、ピロメリット酸二無水物32.7
gを粉体で仕込み、室温で1時間撹拌し、さらに60℃
で2時間撹拌を続け、25℃で50ポイズのポリマ溶液
(B)を得た。このポリマ溶液(B)に、上記溶液
(A)を70g添加し、攪拌混合後、フィルターでろ過
してポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0051】この溶液を、ベアのシリコン基板上にスピ
ンコートで塗布し、80℃で30分間加熱乾燥して、厚
み8μmの膜を形成した。この膜面にポジレジスト”O
FPR−800”(100cps品、東京応化(株)
製)を塗布し、ホットプレートで105℃で2分間プリ
ベークにより乾燥させ、レジスト膜厚を約3μmに作製
した。この膜面をパターン付きマスクを介し、g線ステ
ッパー(ニコン(株)製NSR−1505G6E)を用
いて、露光量250mJ/cm2で露光した。現像は東
京応化(株)製のNMD−3により行い、温度22℃で
160秒間浸漬し露光部を溶解した。水でリンスを行い
風乾した。ポジレジストの剥離は酢酸ノルマルブチルに
2分間浸漬して行い風乾した。これを窒素雰囲気下、2
00℃30分間、300℃30分間、400℃30分間
のステップで加熱処理し厚み5μmのポリイミドのパタ
ーンを得た。
【0052】次に濃度47%のフッ化水素酸水溶液1に
対し、比重1.38の硝酸水溶液1(重量比)のエッチ
ング溶液に室温で30秒間浸漬した。ポリイミドパター
ンは基板から剥離しなかった。
【0053】比較例1 実施例1において、溶液(A)を添加しないこと以外は
同様に行ったところ、エッチング溶液の処理でポリイミ
ド膜が基板から剥離した。
【0054】実施例2 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物147.11g(0.
5モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート65.
07g(0.5モル)、およびN−メチル−2−ピロリ
ドン300gを投入し乾燥空気流入下70℃で4時間攪
拌した。その後室温まで冷却し、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル75.09g(0.375モル)、p
−フェニレンジアミン10.81g(0.1モル)、ビ
ス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン
6.21g(0.025モル)、およびN−メチル−2
−ピロリドン193.11gを加え、乾燥空気流入下、
60℃で3時間攪拌して粘稠なポリイミド前駆体溶液
(C)を得た。このポリマ溶液(C)にN,N’−ジメ
チルアミノイソブチル160g、プルロニック型界面活
性剤(日本油脂(株)”プロノン”204)1%N−メ
チル−2−ピロリドン溶液0.3gを加え、上記溶液
(A)を70g添加し、攪拌混合後フィルターでろ過し
てポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0055】次に80℃のホットプレートで2min続
いて、130℃のホットプレートで2minプリベーク
した以外は実施例1と同様にポリイミドパターンを作成
し、評価したところ、ポリイミドパターンは基板から剥
離しなかった。
【0056】比較例2 実施例2において、溶液(A)を添加しないこと以外は
同様に行ったところ、エッチング溶液の処理でポリイミ
ド膜が基板から剥離した。
【0057】実施例3 実施例1で得られたポリマ溶液(B)に、光遮断下の室
温で、ミヒラーケトン1g、4−アジドベンザルアセト
フェノン1g、3−フェニル−5−イソオキサゾロン5
g、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ
クマリン)0.25g、エチレングリコールジメタクリ
レート5g、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリ
ラート45gを加え、上記溶液(A)を70g添加し、
攪拌混合後フィルターでろ過して感光性ポリイミド前駆
体組成物溶液を得た。
【0058】実施例1同様にして厚み15μmの膜を形
成した。この膜面をパターン付きマスクを介して、窒素
雰囲気下、7mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用い
て5分間露光を行い、次に、N−メチル−2−ピロリド
ン:キシレン:水=7:2:1(重量比)混合液に浸漬
して、未露光部が溶解除去されるまで現像した。この時
現像に要する時間は120秒であった。現像後にイソブ
チルアルコールでリンスを行ったところ、厚み13.5
μmのポリイミド前駆体のパターンを得た。このときの
膜厚保持率は90%と良好であった。これを窒素雰囲気
下、200℃30分間、300℃30分間、400℃3
0分間のステップで加熱処理し、厚み8μmのポリイミ
ドのパターンを得た。
【0059】実施例1と同様に評価したところ、ポリイ
ミドパターンは基板から剥離しなかった。
【0060】比較例3 実施例3において、溶液(A)を添加しないこと以外は
同様に行ったところ、エッチング溶液の処理でポリイミ
ド膜が基板から剥離した。
【0061】実施例4 実施例2で得られたポリマ溶液(C)に光遮断下の室温
で、4−アジドベンザルアセトフェノン2.39g、N
−フェニルグリシン14.35g、エチレングリコール
ジメタクリレート11.96g、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート157.21g(1モル)、プ
ルロニック型界面活性剤(日本油脂(株)”プロノン”
204)1%N−メチル−2−ピロリドン溶液0.6
g、及び上記溶液(A)を120g添加し、攪拌混合
後、フィルターでろ過して感光性ポリイミド前駆体組成
物溶液を得た。
【0062】この溶液を、ベアのシリコン基板上にスピ
ンコートで塗布し、80℃のホットプレートで3min
続いて、100℃のホットプレートで3minプリベー
クし、プリベーク後膜厚が15μmの膜を作製した。こ
の膜面をパターンマスクを介し、窒素雰囲気下、7mW
/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて15秒間露光を
行い、現像直前にホットプレートで60℃2分間処理し
た。次に現像液DV−605(東レ(株)製)で、未露
光部が溶解除去されるまで現像した。この時現像に要す
る時間は60秒であった。現像後にイソプロピルアルコ
ールでリンスを行ない、高速回転をして液を振り切った
ところ、厚み14μmのポリイミド前駆体のパターンを
得た。このときの膜厚保持率は90%以上と良好であっ
た。これを窒素雰囲気下、200℃30分間、300℃
30分間、400℃30分間のステップで加熱処理し、
厚み8μmのポリイミドのパターンを得た。
【0063】実施例1と同様に評価したところ、ポリイ
ミドパターンは基板から剥離しなかった。
【0064】比較例4 実施例4において、溶液(A)を添加しないこと以外は
同様に行ったところ、エッチング溶液の処理で、ポリイ
ミド膜が基板から剥離した。
【0065】実施例5 ピロメリット酸二無水物65.5gと3,3’、4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸に無水物22
5.5gとを2−ヒドロキシエチルメタクリレート26
0.28gでエステル化し、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル200.23をジシクロヘキシルカルボジ
イミドを縮合剤としてポリアミド酸エステルを得た。ジ
シクロヘキシルウレアをろ別後、メタノールにて再沈し
固形物を真空乾燥した。この固形物に光遮断下の室温
で、4−アジドベンザルアセトフェノン4.9g、N−
フェニルグリシン14.35g、エチレングリコールジ
メタクリレート11.96g、及び上記溶液(A)を2
40g添加し、攪拌混合後フィルターでろ過して感光性
ポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0066】実施例4と同様にしてプリベーク後膜厚が
15μmの膜を作製した。この膜面をパターンマスクを
介して、窒素雰囲気下、7mW/cm2の出力の超高圧
水銀灯を用いて20秒間露光を行い、シクロペンタノン
で現像し、未露光部が溶解除去されるまで現像した。
【0067】現像以降実施例4と同様に作成、評価した
ところ、ポリイミドパターンは基板から剥離しなかっ
た。
【0068】比較例5 実施例5において、溶液(A)を添加しないこと以外は
同様に行ったところ、エッチング溶液の処理で、ポリイ
ミド膜が基板から剥離した。
【0069】実施例6 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに、ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.6g
を240gのN、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、
−10℃に冷却し、プロピレンオキシド139.2gを
加えた。この溶液にイソフタール酸ジクロリド10.2
g、4、4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリ
ド14.8gをアセトン50gに溶解させた溶液を10
分かけて内温が10℃を越えないように滴下した。その
後、−10℃で2時間撹拌し、さらに室温で2時間撹拌
を続けた。反応終了後、この溶液を水5lに投入し、得
られたポリマーの沈殿をろ過で集めた。この沈殿をさら
にメタノール3lで洗浄し、さらに水2lで洗浄した。
この沈殿を集めて80℃の真空乾燥機で2日間乾燥し、
ポリヒドロキシアミドの粉体を得た。
【0070】このポリヒドロキシアミドの粉体20g、
第3級アミノ化合物としてジシクロヘキシルメチルアミ
ン3g、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとし
て4NT300(東洋合成製)4gをN−メチル−2−
ピロリドン40gに溶解させ感光性のポリマー溶液を得
た。ここに溶液(A)10gを攪拌混合後、フィルター
でろ過してポリヒドロキシアミド組成物溶液を得た。
【0071】この溶液を、電極及び素子を形成したシリ
コン基板上にスピンコートで塗布し、120℃で4分間
ホットプレートで加熱乾燥して、厚み7μmの膜を形成
した。
【0072】この膜面をパターンマスクを介し、g線ス
テッパー(ニコン(株)製NSR−1505G6E)を
用いて、露光量600mJ/cm2で露光した。現像は
東京応化(株)製のNMD−3により行い、温度22℃
で、120秒間浸漬し、露光部を溶解した。水でリンス
を行い風乾した。これを窒素雰囲気下、200℃30分
間、320℃で60分間のステップで加熱処理し、厚み
4.5μmのポリベンゾオキサゾールのパターンを得
た。次に濃度47%のフッ化水素酸水溶液1に対し、比
重1.38の硝酸水溶液1(重量比)のエッチング溶液
に室温25℃で30秒間浸漬した。ポリベンゾオキサゾ
ールは基板から剥離せず、素子部、電極を被覆している
ポリイミドは、絶縁膜、保護膜として十分な特性を示し
た。またデバイスの特性を調べたところ良好に動作する
ことが確認できた。
【0073】比較例6 実施例6において、溶液(A)を含有しないワニスを用
いて同様な操作をしたところ、エッチング液の処理でポ
リベンゾオキサゾール膜の剥離が認められた。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、上述のごとく構成した
ので、エッチング処理後においてもポリイミイド膜の基
板からの剥離がなく、良好なエッチング耐性を有するポ
リイミド前駆体組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/312 H01L 21/312 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)ポリアミド酸と、(2)テトラカル
    ボン酸二無水物とアミノアルコキシシランとの反応生成
    物から主としてなることを特徴としたポリイミド前駆体
    組成物。
  2. 【請求項2】(3)光反応性を有するエチレン性不飽和
    結合とアミノ基を含む化合物及び(4)光重合開始剤を
    含有することを特徴とする請求項1記載の感光性ポリイ
    ミド前駆体組成物。
  3. 【請求項3】(1)ジアミンとテトラカルボン酸二無水
    物を反応させ、ポリアミド酸を形成し、得られた組成物
    に、(2)テトラカルボン酸二無水物とアミノアルコキ
    シシランとの反応生成物、(3)光反応性を有するエチ
    レン性不飽和結合とアミノ基を含む化合物、(4)光重
    合開始剤を添加することを特徴とする請求項2記載の感
    光性ポリイミド前駆体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】(1)ポリアミド酸エステルと、(2)テ
    トラカルボン酸二無水物とアミノアルコキシシランとの
    反応生成物から主としてなることを特徴とするポリイミ
    ド前駆体組成物。
  5. 【請求項5】(1)光反応性を有するエチレン性不飽和
    結合を有したポリアミド酸エステルと、(2)テトラカ
    ルボン酸二無水物とアミノアルコキシシランとの反応生
    成物、(3)光重合開始剤から主としてなることを特徴
    とする感光性ポリイミド前駆体組成物。
  6. 【請求項6】テトラカルボン酸二無水物と光反応性を有
    するエチレン性不飽和結合を有したアルコールを反応さ
    せ、ジカルボン酸ジエステルを合成し、続いてジアミン
    と縮合反応させて光反応性を有するエチレン性不飽和結
    合を有したポリアミド酸エステルを形成し、得られた組
    成物に、テトラカルボン酸二無水物とアミノアルコキシ
    シランとの反応生成物、光重合開始剤を添加することを
    特徴とする請求項5記載の感光性ポリイミド前駆体組成
    物の製造方法。
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Cited By (4)

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