JP3518080B2 - ポリイミド前駆体組成物の製造方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体組成物の製造方法

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JP3518080B2 JP20974195A JP20974195A JP3518080B2 JP 3518080 B2 JP3518080 B2 JP 3518080B2 JP 20974195 A JP20974195 A JP 20974195A JP 20974195 A JP20974195 A JP 20974195A JP 3518080 B2 JP3518080 B2 JP 3518080B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリイミド
前駆体組成物の製造方法に関する。さらに詳しくは、半
導体素子用保護膜、多層配線基板用絶縁膜などの形成に
利用できる新規なポリイミド前駆体組成物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子産業分野において、ポリイミ
ド前駆体であるポリアミド酸を加熱処理することによっ
て得られるポリイミドが、その優れた耐熱性、誘電特性
のゆえに、保護膜、層間絶縁膜として使用されている。
しかし、通常のポリアミド酸を用いた場合、ポリイミド
膜にパターンを形成するためには、フォトレジストを使
用する煩雑な工程を必要する。この問題を解決するため
に、露光、現像によって直接パターンが形成できる感光
性ポリイミド前駆体が提案されている。
【0003】感光性ポリイミド前駆体としては、特公昭
55−30207号公報や特開昭60−228537号
公報にポリアミド酸分子中のカルボキシル基に感光基を
エステル結合させたものが提案されている。これらの製
造方法で得られる感光性ポリイミド前駆体は、テトラカ
ルボン酸二無水物に光反応性を有する炭素一炭素不飽和
結合を含有するアルコールを反応させてテトラカルボン
酸ジエステルを生成し、このジエステル中の遊離カルボ
キシル基を酸クロリド基に変換し、得られたジエステル
−ビス−酸クロリドをジアミンと重縮合反応させること
によって製造されるため、副生成物の塩化物を除去する
精製処理や、また、テトラカルボン酸二無水物に光反応
性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有するアルコール
を反応させてテトラカルボン酸ジエステルを生成し、こ
のジエステルをカルボジイミドの存在下でジアミンと反
応させて製造されるため、副生成物の尿素誘導体を分離
する精製処理が必要であった。
【0004】これら副生成物を生じさせない製造方法と
して、特開平6−102667号公報にテトラカルボン
酸二無水物にアルコールを開環付加させてテトラカルボ
ン酸エステル無水物を形成し、次いで、該テトラカルボ
ン酸エステル無水物または、該テトラカルボン酸エステ
ル無水物とテトラカルボン酸二無水物の混合液にジアミ
ンを開環付加させることによって末端エステル化ポリア
ミド酸を形成し、その後、光重合開始剤を混合させるこ
とによって感光性ポリイミド前駆体を製造する方法が提
案されている。
【0005】しかしながら、該方法においても感光性ポ
リイミド前駆体を適度な分子量に調節するためにテトラ
カルボン酸二無水物にアルコールを開環付加させてテト
ラカルボン酸エステル無水物を形成する工程において、
高温で長時間の処理が必要となり、感光性ポリイミド前
駆体の製造に長時間を有するものであった。また、該方
法で製造したものの分子量分布においては、低分子量分
布にかたよりが見られ、パターンを形成した際に膜あれ
が生じやすい問題をかかえていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とすると
ころは、ポリイミド前駆体を適度な分子量に調節するた
めにテトラカルボン酸二無水物にアルコールを開環付加
させてテトラカルボン酸エステル無水物を形成する工程
を短縮し、かつ、分子量分布にかたよりがなく、また、
パターンを形成した際に膜あれが生じない性能の優れた
ポリイミド前駆体組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
少なくとも次のA〜Cの工程を含むことを特徴とするポ
リイミド前駆体組成物の製造方法によって達成される。
【0008】A.テトラルボン酸二無水物100モル%
に対し、ジアミンを1〜99モル%開環付加させること
によってポリアミド酸オリゴマーを形成させる工程。
【0009】B.上記Aで得られたポリアミド酸オリゴ
マーの末端に、アルコールを開環付加させて、分子末端
の少なくとも一方がアルコールの酸エステルになってい
るポリアミド酸オリゴマーを形成する工程。
【0010】C.前記Bで得られた分子末端の少なくと
も一方がアルコールの酸エステルになっているポリアミ
ド酸オリゴマーに、前記Aで用いたテトラカルボン酸二
無水物100モル%に対し、実質上等モル%となるよう
ジアミン1〜99モル%を開環付加させて、分子末端
の少なくとも一方がアルコールの酸エステルになってい
るポリアミド酸オリゴマーを形成する工程。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリイミド前駆体組成物
の製造方法の詳細について説明する。
【0012】まず、テトラカルボン酸二無水物100モ
ル%に対しジアミンを1〜99モル%をN−メチル−2
−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テト
ラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブ
チロラクトンなどの極性溶媒中で反応させ、ポリアミド
酸オリゴマ−を得る。このときの好ましいジアミンの反
応量としては、テトラカルボン酸二無水物100モル%
に対し、ジアミン5〜80モル%、より好ましくは5〜
60モル%である。ジアミンの反応量が1モル%未満の
場合、つぎのポリアミド酸オリゴマーにアルコールを開
環付加させて末端エステル化ポリアミド酸オリゴマーを
形成する工程の短縮ができず、また、最終的に得られる
ポリアミド酸の分子量分布で低分子量分布にかたよりが
見らる。ジアミンの反応量が99モル%を越えると、該
ポリアミド酸オリゴマーの粘度が著しく高くなり、撹拌
ができず好ましくない。
【0013】テトラカルボン酸二無水物は、一般式
(1)
【化1】 (式中のR1は、前記の4価の有機基を表す。)で示さ
れる。本発明では、テトラカルボン酸二無水物として、
たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いること
ができ、その具体的な例として、ブタンテトラカルボン
酸二無水物、ペンタンテトラカルボン酸二無水物、ヘキ
サンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二
無水物、ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、
シクロプロパンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキ
サンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロヘキセン
テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。また、芳
香族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリイミドに
変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、
その具体的な例として、3,3´,4,4´−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無
水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二
無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン
酸二無水物、5,5’−(2,2,2)−トリフルオロ
−1−(トリフルオロメチル)エチレン−ビス−1,3
−イソベンゾフランジオンが挙げられるが、特にこれら
に限定されるわけではない。本発明では、これらのテト
ラカルボン酸二無水物が一種または2種以上用いられ
る。
【0014】ジアミンは、一般式(2) H2N−R2−NH2 (2) (式中のR2は、前記の2価の有機基を表す。)で示さ
れ、その具体的な例として、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、
4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジ
アミノジフェニルサルファイド、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエ
ン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトル
エン、ベンジジン、3,3´−ジメチルベンジジン、
3,3´−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、4,
4”−ジアミノターフェニル、1,5−ジアミノナフタ
レン、2,5−ジアミノピリジン、3,3´−ジメチル
−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビ
ス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス
[4−(p−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。また、一般式(3)
【化2】 (式中のR3は炭素数1〜10の2価の有機基、R4、
R5、R6、およびR7は炭素数1〜10の1価の有機
基でこれらは同一であっても異なっていてもよく、mは
1〜10の整数を意味する。)で示されるシロキサンジ
アミンを用いると、無機基板との接着性を良好にするこ
とができる。シロキサンジアミンの具体例としては、
1,3−ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチル
シロキサンなどが挙げられる。本発明では、これらのジ
アミンが1種または2種以上用いられる。
【0015】続いて、該ポリアミド酸オリゴマーの末端
にアルコールを開環付加させて、分子末端の少なくとも
一方がアルコールの酸エステルになっている、末端エス
テル化ポリアミド酸オリゴマーを得る。
【0016】アルコールは、例えば、一般式(4) R8−OH (4) (式中のR8は、不飽和結合を有しない炭素数1〜15
の1価の有機基、または、不飽和結合を有する炭素数3
〜15の1価の有機基を表す。ただし、フェニル基が直
接水酸基に結合してはいない)で示される。
【0017】不飽和結合を有しないアルコールの具体的
な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどの
1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多
価アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる
が、特にこれらに限定されない。
【0018】不飽和結合を有するアルコールの具体的な
例としては、アリルアルコール、3−アリロキシ−1,
2−プロパンジオール、2−アリロキシエタノールなど
が挙げられるが、アルコール性水酸基を有するアクリル
酸エステルを用いると、感光特性が良好な感光性ポリイ
ミド前駆体を得ることができる。その具体的な例として
は、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリラート、グリセロールアクリラート、
ポリエチレングリコールアクリラート、EO変性フタル
酸アクリラートおよび上記のアクリラートをメタクリラ
ートに変えたものなどが挙げられるが、特にこれらに限
定されない。また、これらのアルコールは、1種または
2種以上用いることができる。
【0019】アルコールは通常、テトラカルボン酸二無
水物に対して、実質的に0.5〜200モル%、好まし
くは1〜150モル%反応させる。アルコールの反応量
が多すぎれば、最終的に得られる末端エステル化ポリア
ミド酸の分子量が小さくなり、露光部の現像液への溶解
量が大きくなり、露光部の溶解量を減らそうとすれば、
多量の露光量が必要になる。一方、アルコールの反応量
が少なすぎれば、最終的に得られる末端エステル化ポリ
アミド酸の分子量が大きくなりすぎて、未露光部の現像
液への溶解性が不良となる。また、アルコールの種類に
よっても好ましいアルコールの反応量があり、例えば、
エチルアルコールのような不飽和結合を有しないアルコ
ールでは、1〜50モル%、2−ヒドロキシエチルアク
リラートのようなアルコール性水酸基を有するアクリル
酸エステルでは、20〜150モル%である。
【0020】これらの反応は、通常、0〜100℃、好
ましくは50〜80℃の温度範囲で行う。温度が低すぎ
ると反応がなかなか進まず、また、温度が高すぎると炭
素−炭素不飽和結合が開裂するおそれがある。
【0021】次に、該分子末端の少なくとも一方がアル
コールの酸エステルになっているポリアミド酸オリゴマ
に、Aの工程で用いたテトラカルボン酸二無水物10
0モル%に対し、実質上等モル%となるようにジアミン
1〜99モル%を開環付加させて、分子末端の少なくと
も一方がアルコールの酸エステルになっているポリアミ
ド酸を得る。Cの工程で用いるジアミンの反応量は、ジ
アミン1〜99モル%の範囲であればよいが、好ましく
は該ジアミンの反応量と前記Aの工程で用いたジアミン
の反応量との総量が、反応前のテトラカルボン酸二無水
物100モル%に対し、等モル%になるよう混合するの
がよい。工程AとCのジアミンの反応量の総量が、90
〜110モル%、好ましくは95〜105モル%であれ
ば、ポリイミド前駆体を加熱処理することによって、重
合度の大きなポリイミドが得られる。
【0022】また、この反応は、通常、0〜100℃、
好ましくは50〜80℃の温度範囲で行う。温度が低す
ぎると反応がなかなか進まず、また、温度が高すぎると
ポリアミド酸のイミド化が進行するおそれがある。
【0023】本発明においては、ポリイミド前駆体組成
物が光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含む化合
物および光重合開始剤を含むことにより、感光性ポリイ
ミド前駆体組成物とすることができる。
【0024】本発明において使用される、光反応性を有
する炭素−炭素不飽和結合を含む化合物としては特に制
限はないが、アミノ基が含まれていると感度が向上する
などの点で好ましい。光反応性を有する炭素−炭素不飽
和結合とアミノ基を含む化合物として好ましい化合物
は、一般式(5)
【化3】 (式中のR9は水素またはフェニル基、R10は水素ま
たは炭素数1〜6の低級アルキル基、R11は置換また
は無置換の炭素数2〜12の炭化水素基、R12、R1
3は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基を表
す。)と、一般式(6)
【化4】 (式中のR14は置換または無置換の炭素数1〜6のア
ルキル基を表す。)または、一般式(7)
【化5】 (式中のR15は水素またはメチル基を表し、k+l=
3、k=1〜3である。)で表される化合物などであ
る。その具体的な例として、N,N−ジメチルアミノエ
チルアクリラート、N,N−ジエチルアミノエチルアク
リラート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリラー
ト、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリラート、
N,N−ジメチルアミノブチルアクリラート、N,N−
ジエチルアミノブチルアクリラートおよび上記のアクリ
ラートをメタクリラートに変えたもの、2−ビニルピリ
ジン、4−ビニルピリジン、アリルアミン、2−メチル
アリルアミン、ジアリルアミンなどが挙げられるが、特
にこれらに限定されない。しかし、光反応性の面から、
不飽和基としてアクリル基、または、メタクリル基を有
するアミノ化合物が望ましい。
【0025】光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合と
アミノ基を含む化合物は、分子末端の少なくとも一方が
アルコールの酸エステルとなっているポリアミド酸分子
中の、カルボキシル基に対し、0.05〜2倍モル当
量、より好ましくは、0.1〜1倍モル当量混合するの
が望ましい。混合する量が少なすぎれば、感光特性が不
良となり、混合する量が多すぎれば、ポリイミド前駆体
膜を熱処理してポリイミド膜を形成する時に、膜厚の減
少量が大きくなりすぎる。
【0026】本発明に用いる光重合開始剤は周知のもの
であり、その具体的な例として、ベンゾフェノン、o−
ベンゾイル安息香酸メチル、4,4´−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェ
ノン、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルケト
ン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2´−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメ
チルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセター
ル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルア
ントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロル
アントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベ
ンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザ
ルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリ
デン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベ
ンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェ
ニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカル
ボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2
−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル
−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、
1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エト
キシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、ミヒラーケトン、N−フェニルグリシン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパノン、また、ナフタレンスルホニルクロライ
ド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオ
アクリドン、4,4´−アゾビスイソブチロニトリル、
ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィ
ド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭
化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイ
ルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性色素
とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤
の組み合わせなどが挙げられるが、特にこれらに限定さ
れない。本発明ではこれらを1種または2種以上使用す
ることができる。
【0027】本発明のポリイミド前駆体組成物に含有さ
れる光重合開始剤の量は、分子末端の少なくとも一方が
アルコールの酸エステルとなっているポリアミド酸の
0.1〜30重量%が好ましく、2〜15重量%がさら
に好ましい。光重合開始剤の量が少なすぎれば、組成物
の光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれ
ば、ポリイミド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形
成する時に、膜厚の減少量が大きくなりすぎる。
【0028】また、本発明のポリイミド前駆体組成物
に、アミノ基を含まない光反応重合性化合物を添加する
ことによって、感光特性を向上させることができる。該
光反応重合性化合物は、光反応性を有する炭素−炭素不
飽和結合を含有し、かつ、アミノ基を含まない化合物
で、その具体的な例として、アリルアクリラート、ベン
ジルアクリラート、ブトキシエチルアクリラート、ブト
キシトリエチレングリコールアクリラート、シクロヘキ
シルアクリラート、ジシクロペンタニルアクリラート、
ジシクロペンテニルアクリラート、2−エチルヘキシル
アクリラート、グリセロールアクリラート、グリシジル
アクリラート、ヘプタデカフロロデシルアクリラート、
2−ヒドロキシエチルアクリラート、イソボニルアクリ
ラート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、イソデ
シルアクリラート、イソオクチルアクリラート、ラウリ
ルアクリラート、2−メトキシエチルアクリラート、メ
トキシエチレングリコールアクリラート、メトキシジエ
チレングリコールアクリラート、メトキシトリエチレン
グリコ−ルアクリラート、メトキシジプロピレングリコ
ールアクリラート、オクタフロロペンチルアクリラー
ト、フェノキシエチルアクリラート、ステアリルアクリ
ラート、トリフロロエチルアクリラート、アリル化シク
ロヘキシルジアクリラート、ビスフェノールAジアクリ
ラート、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,
3−ブチレングリコ−ルジアクリラート、エチレングリ
コールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリ
ラート、トリエチレングリコールジアクリラート、ポリ
エチレングリコールジアクリラート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリラート、ジペンタエリスリトールモ
ノヒドロキシペンタアクリラート、ジトリメチロールプ
ロパンテトラアクリラート、グリセロ−ルジアクリラー
ト、メトキシ化シクロヘキシルジアクリラート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリラート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリラート、ペンタエリスリトールテトラアク
リラート、プロピレングリコールジアクリラート、ポリ
プロピレングリコールジアクリラート、トリグリセロー
ルジアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリ
ラートおよび上記のアクリラートをメタクリラートに変
えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することが
できる。
【0029】上記の光反応重合性化合物を本発明のポリ
イミド前駆体組成物に添加する場合、その添加量は、分
子末端の少なくとも一方がアルコールの酸エステルとな
っているポリアミド酸の1〜50重量%が好ましく、5
〜25重量%がさらに好ましい。該光反応重合性化合物
の添加量が大きすぎれば、ポリイミド前駆体膜を熱処理
してポリイミド膜を形成する時に、膜厚の減少量が大き
くなりすぎる。また、添加量が小さすぎれば、感光特性
を向上させる効果が発揮されない。
【0030】また、光感度を向上させ得る増感剤を、本
発明のポリイミド前駆体組成物に添加してもよい。増感
剤の具体的な例として、2,5−ビス(4´−ジエチル
アミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4
´−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,
6−ビス(4´−ジメチルアミノベンザル)−4−メチ
ルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4´−ジエチルア
ミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラ
ーケトン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾ
フェノン、4,4´−ビス(ジメチルアミノ)カルコ
ン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−
ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチ
ルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチル
アミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p
−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチア
ゾール、1,3−ビス(4´−ジメチルアミノベンザ
ル)アセトン、1,3−ビス(4´−ジエチルアミノベ
ンザル)アセトン、3,3´−カルボニル−ビス(7−
ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N´−エチ
ルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミ
ン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタ
ノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジ
エチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−
イソオキサゾロン、1−フェニル−5−ベンゾイルチオ
ーテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニ
ルチオーテトラゾールなどが挙げられるが、特にこれら
に限定されない。本発明ではこれらの増感剤を1種また
は2種以上使用することができる。なお、増感剤のなか
には光重合開始剤としても作用するものがある。
【0031】増感剤を本発明のポリイミド前駆体組成物
に添加する場合、その添加量は、分子末端の少なくとも
一方がアルコールの酸エステルとなっているポリアミド
酸の0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜15重量
%がさらに好ましい。添加量が大きすぎれば、ポリイミ
ド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成する時に、
膜厚の減少量が大きくなりすぎる。また、添加量が小さ
すぎれば、光感度を向上させる効果が発揮されない。
【0032】本発明のポリイミド前駆体組成物の、保存
時の熱的な安定性を向上させるために、熱重合禁止剤を
添加することもできる。熱重合禁止剤の具体的な例とし
ては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、
フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェ
ニルナフチルアミン、2、6−ジ−t−ブチル−p−メ
チルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙
げられるが特にこれらに限定されない。熱重合禁止剤を
添加する場合その添加量は、分子末端の少なくとも一方
が飽和アルコールの酸エステルとなっているポリアミド
酸の0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量
%がさらに好ましい。添加量が大きすぎれば、ポリイミ
ド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成する時に、
膜厚の減少量が大きくなりすぎる。また、添加量が小さ
すぎれば、保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発
揮されない。
【0033】また、本発明のポリイミド前駆体組成物
に、ポリイミド膜の硬度を向上させるために、無機微粒
子のコロイド状物を添加してもよい。無機微粒子のコロ
イド状物の具体的な例としては、シリカゾル、チタニア
ゾル、ジルコニアゾルなどが挙げられるが、特にこれら
に限定されない。無機微粒子のコロイド状物を添加する
場合その添加量は、分子末端の少なくとも一方がアルコ
ールの酸エステルとなっているポリアミド酸の1〜50
重量%が好ましく、2〜30重量%がさらに好ましい。
添加量が大きすぎれば、ポリイミド前駆体膜のパターン
加工性が悪くなり、添加量が小さすぎれば、ポリイミド
膜の硬度を向上させる効果が発揮されない。
【0034】本発明のポリイミド前駆体組成物は、この
組成物を構成する全ての成分、または、添加剤を加える
場合には、無機微粒子のコロイド状物など基本的に有機
溶媒に不溶なもの以外の添加剤を含む全ての成分を溶解
しうる有機溶媒に溶解することによって、塗布用のワニ
スが得られる。この有機溶媒としては、前記の、分子末
端の少なくとも一方がアルコールの酸エステルとなって
いるポリアミド酸を合成する場合に好適に使用される、
該ポリアミド酸を溶解しうる有機溶媒と同様のものが使
用されうる。
【0035】このワニスを基板上に塗布する方法として
は、スピンコーター、バーコーター、ブレードコータ
ー、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板
をワニス中に浸漬する方法、ワニスを基板に噴霧するな
どの種々の方法を用いることができる。基板としては、
シリコンやガリウム−砒素などの半導体、アルミナセラ
ミック、ガラスセラミックなどの無機絶縁体、アルミニ
ウム、銅などの金属、ポリエステルフィルムなどの有機
絶縁体などを選ぶことができる。なお、半導体や、無機
絶縁体、金属からなる基板上にワニスを塗布する場合、
シランカップリング剤、アルミニウムキレート剤、チタ
ニウムキレート剤などの接着助剤で基板表面を処理して
おくと、ポリイミドと基板の接着力を向上させることが
できる。
【0036】ワニスを基板上に塗布した後、風乾、加熱
乾燥、真空乾燥などにより、ポリイミド前駆体膜が形成
される。
【0037】感光性ポリイミド前駆体組成物から得られ
た膜は、通常のフォトマスクを用いて露光される。この
際に使用される活性光線としては、たとえば、紫外線、
電子線、X線などが挙げられるが、これらの中では紫外
線が好ましく、その光源としては、たとえば、低圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌
灯などが挙げられる。これらの光源の中で超高圧水銀灯
が好適である。また、露光は窒素雰囲気中、あるいは、
真空中で行うのが好ましい。
【0038】露光後、現像液を使用して現像を行うが、
この場合、浸漬法やスプレー法を用いることができる。
現像液としては通常、前記の、分子末端の少なくとも一
方がアルコールの酸エステルとなっているポリアミド酸
を合成する場合に好適に使用される、該ポリアミド酸を
溶解しうる有機溶媒と同様のものが使用される。なお、
このような有機溶媒に、現像性を良好とするために水を
添加して用いることもできる。水を添加する場合、その
添加量は有機溶媒に対して通常、1〜100重量%、好
ましくは5〜50重量%である。添加量が大きすぎる場
合、有機溶媒とのあいだで相分離を起こすおそれが生
じ、添加量が小さすぎる場合は、現像性を良好にする効
果を発揮しない。また、現像直後に、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、
ヘキサン、ペンタンなどの有機溶媒で、リンスを行うこ
とが望ましい。
【0039】現像によって得られたポリイミド前駆体の
パターンは、その後、加熱処理することによって、ポリ
イミドのパターンに変換される。加熱処理は通常、窒素
雰囲気中、あるいは、真空中で、150〜450℃の温
度のもとで、0.5〜5時間行われる。
【0040】非感光性のポリイミド前駆体組成物から得
られた膜は、ポジ型のフォトレジストを塗布、プリベー
ク後、フォトマスクを用いて露光され、露光後フォトレ
ジストの現像液でレジストを現像すると同時に現像され
る。現像後、レジストを剥離しポリイミド前駆体のパタ
ーンが形成される。これを加熱処理することにより、ポ
リイミドのパターンを得る。
【0041】このようにして得られたポリイミド被膜
は、半導体保護膜、層間絶縁膜、電子部品の保護膜、多
層配線の層間絶縁膜等に用いることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】実施例1 温度計および乾燥空気導入口と撹拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに3,3´,4,4´−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物147.1g(0.5モ
ル)、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル40.0
g(0.2モル)、およびN−メチル−2−ピロリドン
317.3gを仕込み、乾燥空気流入下、60℃で1時
間撹拌した。続いて、エチルアルコール2.3g(0.
05モル)投入し、更に60℃で1時間撹拌した。その
後、室温まで冷却し、4,4´−ジアミノジフェニルエ
ーテル10.0g(0.05モル)、パラフェニレンジ
アミン24.3g(0.255モル)、ビス−3−(ア
ミノプロピル)テトラメチルシロキサン6.2g(0.
025モル)、およびγ−ブチルラクトン211.5g
を加え、乾燥空気流入下、60℃で3時間撹拌して、粘
度150ポイズのポリイミド前駆体溶液を得た。
【0044】次に該ポリイミド前駆体溶液にジエチルア
ミノエチルメタクリレート79.5g、N−フェニルグ
リシン11.4gおよびN−メチル−2−ピロリドン6
0.4gを加え、撹拌混合後、フィルターで濾過し、粘
度65ポイズの感光性ポリイミド前駆体溶液を得た。
【0045】この溶液の分子量および分子量分布をゲル
浸透クロマトグラフ、GPC−244(WATERS)
を用いて測定したところ、数平均分子量が9200であ
った。また、低分子量側への広がりの指標となる重量平
均分子量/数平均分子量の多分散度は、1.71であっ
た。
【0046】この溶液を4インチのシリコンウエハ上に
スピンコートし、80℃で1時間加熱乾燥して、厚み3
0μmの膜を形成した。この膜面をパターンマスクし、
7mw/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて30秒間
露光を行い、次に、N−メチル−2−ピロリドン、キシ
レン、水の7:2:1(重量比)混合液に浸漬して、未
露光部が溶解除去されるまで現像し(この時、現像に要
する時間は2分であった)、イソプロピルアルコールで
リンスを行ったところ、厚み28μmで、膜あれの観察
されないポリイミド前駆体溶液被膜のパターンを得た。
これを、窒素雰囲気下で、200℃、300℃、400
℃それぞれ30分づつ加熱処理し、厚み14μmのポリ
イミドパターンを得た。
【0047】比較例1 温度計および乾燥空気導入口と撹拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに3,3´,4,4´−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物147.1g(0.5モ
ル)、エチルアルコール2.3g(0.05モル)およ
びN−メチル−2−ピロリドン317.3gを仕込み、
乾燥空気流入下、70℃で3時間撹拌した。その後、室
温まで冷却し、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
50.0g(0.25モル)、パラフェニレンジアミン
24.3g(0.255モル)、ビス−3−(アミノプ
ロピル)テトラメチルシロキサン6.2g(0.025
モル)、および、γ−ブチルラクトン211.5gを加
え、乾燥空気流入下、60℃で3時間撹拌して、粘度1
50ポイズのポリイミド前駆体溶液を得た。
【0048】次ぎに、該ポリイミド前駆体溶液にジエチ
ルアミノエチルメタクリレート79.5g、N−フェニ
ルグリシン11.4gおよびN−メチル−2−ピロリド
ン60.4gを加え、撹拌混合後、フィルターで濾過
し、粘度65ポイズの感光性ポリイミド前駆体溶液を得
た。
【0049】この溶液の分子量および分子量分布をゲル
浸透クロマトグラフ、GPC−244(WATERS)
を用いて測定したところ、数平均分子量は、9000で
あったが、低分子量側への広がりの指標となる重量平均
分子量/数平均分子量の多分散度は、2.31で、実施
例1より大きいものであった。
【0050】また、実施例1と同じようにパターン形成
を行ったところ、膜厚は同じであったが膜表面に白色お
よび流れ模様が観察された。
【0051】実施例2 温度計および乾燥空気導入口と撹拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに3,3´,4,4´−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物147.1g(0.5モ
ル)、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル40.0
g(0.2モル)、およびN−メチル−2−ピロリドン
280gを仕込み、乾燥空気流入下、60℃で1時間撹
拌した。続いて、2−ヒドロキシエチルメタクリラート
65.1g(0.5モル)投入し、更に60℃で3時間
撹拌した。その後、室温まで冷却し、4,4´−ジアミ
ノジフェニルエーテル10.0g(0.05モル)、パ
ラフェニレンジアミン24.3g(0.255モル)、
ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン
6.2g(0.025モル)、およびγ−ブチルラクト
ン186gを加え、乾燥空気流入下、60℃で3時間撹
拌して、粘度160ポイズのポリイミド前駆体溶液を得
た。
【0052】次ぎに、該ポリイミド前駆体溶液にジエチ
ルアミノエチルメタクリレート79.5g、N−フェニ
ルグリシン11.4gおよびN−メチル−2−ピロリド
ン60.4gを加え、撹拌混合後、フィルターで濾過
し、粘度70ポイズの感光性ポリイミド前駆体溶液を得
た。
【0053】この溶液の分子量および分子量分布をゲル
浸透クロマトグラフ、GPC−244(WATERS)
を用いて測定したところ、数平均分子量が9500であ
り、低分子量側への広がりの指標となる重量平均分子量
/数平均分子量の多分散度は、1.82であった。
【0054】また、実施例1と同じようにパターン形成
を行ったところ、膜あれは観察されなかった。
【0055】比較例2 温度計および乾燥空気導入口を撹拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに3,3´,4,4´−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物147.1g(0.5モ
ル)、2−ヒドロキシエチルメタクリラート65.1g
(0.5モル)およびN−メチル−2−ピロリドン28
0gを仕込み、乾燥空気流入下、70℃で5時間撹拌し
た。その後、室温まで冷却し、4,4´−ジアミノフェ
ニルエーテル50.0g(0.25モル)、パラフェニ
レンジアミン24.3g(0.025モル)、ビス−3
−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン6.2g
(0.025モル)、およびγ−ブチルラクトン186
gを加え、乾燥空気流入下、60℃で3時間撹拌して、
粘度160ポイズのポリイミド前駆体溶液を得た。
【0056】次ぎに、該ポリイミド前駆体溶液にジエチ
ルアミノエチルメタクリレート79.5g,N−フェニ
ルグリシン11.4gおよびN−メチル−2−ピロリド
ン60.4gを加え、撹拌混合後、フィルターで濾過
し、粘度70ポイズの感光性ポリイミド前駆体溶液を得
た。
【0057】この溶液の分子量および分子量分布をゲル
浸透クロマトグラフ、GPC−244(WATERS)
を用いて測定したところ、数平均分子量、9200であ
ったが、低分子量への広がりの指標となる重量平均分子
量/数平均分子量の多分散度は、3.18で、実施例1
より大きいものであった。
【0058】また、実施例1と同じようにパターン形成
を行ったところ、膜表面に白色および流れ模様が観察さ
れた。
【0059】実施例3 実施例2で2−ヒドロキシエチルメタクリラート65.
1g(0.5モル)の代わりに2−ヒドロキシエチルア
クリラート58.1g(0.5モル)を用いる他は、実
施例2と同様に行ったところ、数平均分子量が9300
であり、低分子量側への広がりの指標となる重量平均分
子量/数平均分子量の多分散度は、1.84であった。
【0060】また、実施例1と同じようにパターン形成
を行ったところ、膜あれは観察されなかった。
【0061】
【発明の効果】テトラカルボン酸二無水物にアルコール
を開環付加させてテトラカルボン酸エステル無水物を形
成する工程が短縮できる。また、分子量分布にかたより
がなく、パターンを形成した際に膜あれの生じない性能
の優れたポリイミド前駆体組成物を得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−59634(JP,A) 特開 昭64−16833(JP,A) 特開 平6−102667(JP,A) 特開 平6−329795(JP,A) 特開 平8−34852(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08L 79/00 - 79/08 G03F 7/00 - 7/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも次のA〜Cの工程を含むことを
    特徴とするポリイミド前駆体組成物の製造方法。 A.テトラカルボン酸二無水物100モル%に対し、ジ
    アミンを1〜99モル%開環付加させることによってポ
    リアミド酸オリゴマーを形成させる工程。 B.前記Aで得られたポリアミド酸オリゴマーの末端
    に、アルコールを開環付加させて、分子末端の少なくと
    も一方がアルコールの酸エステルになっているポリアミ
    ド酸オリゴマーを形成する工程。 C.前記Bで得られた分子末端の少なくとも一方がアル
    コールの酸エステルになっているポリアミド酸オリゴマ
    ーに、前記Aで用いたテトラカルボン酸二無水物100
    モル%に対し、実質上等モル%となるようにジアミン1
    〜99モル%を開環付加させて、分子末端の少なくとも
    一方がアルコールの酸エステルになっているポリアミド
    酸オリゴマーを形成する工程。
  2. 【請求項2】ポリアミド酸の分子末端の少なくとも一方
    が不飽和アルコールの酸エステルになっていることを特
    徴とする請求項1記載のポリイミド前駆体組成物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】不飽和アルコールがアルコール性水酸基を
    有するメタアクリル酸エステルであることを特徴とする
    請求項2記載のポリイミド前駆体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリイミド前駆体組成物が、光反応性を有
    する炭素−炭素不飽和結合を含む化合物および光重合開
    始剤を含有することを特徴とする請求項1記載のポリイ
    ミド前駆体組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合を
    含む化合物がアミノ基を有することを特徴とする請求項
    4記載のポリイミド前駆体組成物の製造方法。
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