JPH1115152A - 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法 - Google Patents

感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JPH1115152A
JPH1115152A JP17048597A JP17048597A JPH1115152A JP H1115152 A JPH1115152 A JP H1115152A JP 17048597 A JP17048597 A JP 17048597A JP 17048597 A JP17048597 A JP 17048597A JP H1115152 A JPH1115152 A JP H1115152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
polyamic acid
polyimide precursor
methacrylate
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17048597A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Ishikawa
義博 石川
Masaya Asano
昌也 浅野
Yasuo Miura
康男 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP17048597A priority Critical patent/JPH1115152A/ja
Publication of JPH1115152A publication Critical patent/JPH1115152A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】感度を十分に保持しつつ現像時間を短くするこ
とができ、さらに良好なパターン加工が可能な感光性ポ
リイミド前駆体組成物を提供すること。 【解決手段】(a)分子末端の少なくとも一方がアルコ
ールの酸エステルとなっているポリアミド酸のカルボキ
シル基の一部をイソシアネート化合物あるいはグリシジ
ル化合物と反応させた生成物と、(b)エチレン性不飽
和結合を含む化合物、および(c)光重合開始剤を含有
してなる感光性ポリイミド前駆体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の保護膜と
して有用な感光性ポリイミド前駆体組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】感光性ポリイミド前駆体の組成物として
は、ポリアミド酸のカルボキシル基の一部にイソシアネ
ート化合物あるいはグリシジル化合物を反応させた組成
物(特開平1−118513号公報など)が知られてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来組成物はポリアミド酸の分子量が大きいため、現像時
間が長いという欠点があった。現像時間を早くするため
にはポリマーであるポリアミド酸の分子量を下げる必要
があるが、酸二無水物とジアミンのモル比をくずすこと
によってポリアミド酸の分子量を低くすると、最終キュ
ア後の膜特性が悪く実用に供せないという問題点があっ
た。
【0004】本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み
創案されたもので、その目的とするところは、感度を十
分に保持しつつ現像時間が短く、さらに良好なパターン
加工が可能な感光性ポリイミド前駆体組成物を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の構成を採ることによって達成される。すなわち、
(a)分子末端の少なくとも一方がアルコールの酸エス
テルとなっているポリアミド酸のカルボキシル基の一部
をイソシアネート化合物あるいはグリシジル化合物と反
応させた生成物と、(b)エチレン性不飽和結合を含む
化合物、および(c)光重合開始剤を含有してなる感光
性ポリイミド前駆体組成物であり、さらにかかる請求項
1記載の感光性ポリイミド前駆体組成物の製造方法であ
って、テトラカルボン酸二無水物にアルコールを開環付
加させてテトラカルボン酸エステル無水物を形成し、次
いで、該テトラカルボン酸エステル無水物とテトラカル
ボン酸二無水物の混合物に、ジアミンを開環付加させる
ことによって末端エステル化ポリアミド酸を形成し、該
末端エステル化ポリアミド酸のカルボキシル基の一部に
イソシアネート化合物あるいはグリシジル化合物を反応
させた生成物に、エチレン性不飽和結合を含む化合物、
および光重合開始剤を添加してなることを特徴とする感
光性ポリイミド前駆体組成物の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明における分子末端の少なくとも一方
がアルコールの酸エステルとなっているポリアミド酸
は、次の一般式(1)で表される。
【0008】
【化1】 ここでXは一般式(2)で表される。
【0009】
【化2】 また、Zは通常、一般式(3)
【化3】 または一般式(4)
【化4】 あるいは、NH2のいずれかで表されるものであるが、
特にこれらに限定されない。ここでR1は炭素数2〜2
2の4価の有機基、R2は不飽和結合を含有しない炭素
数1〜15の1価の有機基、または、エチレン性不飽和
結合を含有する炭素数3〜15の1価の有機基、R3
炭素数1〜22の2価の有機基を表し、nは0以上の整
数を意味する。分子末端の少なくとも一方がアルコール
の酸エステルとなっているポリアミド酸の未露光部の現
像液への溶解性は、その分子量が小さいほど良好とな
る。また逆に、分子量が小さすぎると、露光部の現像液
への溶解量が大きくなり、露光部の溶解量を減らそうと
すれば、多量の露光量が必要になる場合が多い。このた
め、nは好ましくは0〜99、より好ましくは2〜6
9、さらに好ましくは4〜49、またさらに好ましくは
6〜29であることが望まれる。なお、実際には、本発
明の分子末端の少なくとも一方がアルコールの酸エステ
ルとなっているポリアミド酸の重合度にはばらつきがあ
るため、ここでいうnの好ましい範囲とは、この範囲の
中に全ポリアミド酸の50モル%以上、好ましくは70
モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が入って
いることを意味する。
【0010】本発明の分子末端の少なくとも一方がアル
コールの酸エステルとなっているポリアミド酸は、たと
えば、テトラカルボン酸二無水物にアルコールを開環付
加させて得られるテトラカルボン酸エステル無水物とテ
トラカルボン酸二無水物の混合物に、ジアミンを開環付
加させることによって得ることができる。
【0011】本発明で用いられるテトラカルボン酸二無
水物は、一般式(5)で示される。
【0012】
【化5】 ここで、式中のR1は、前記の炭素数2〜22の4価の
有機基を表す。本発明では、テトラカルボン酸二無水物
として、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用
いることができ、その具体的な例として、ブタンテトラ
カルボン酸二無水物、ペンタンテトラカルボン酸二無水
物、ヘキサンテトラカルボン酸二無水物、シクロプロパ
ンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシ
クロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロ
ヘキセンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリ
イミドに変換しうる感光性ポリイミド前駆体組成物を得
ることができ、その具体的な例として、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロ
メリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル
酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテ
トラカルボン酸二無水物が挙げられるが、特にこれらに
限定されるわけではない。本発明では、これらのテトラ
カルボン酸二無水物が1種または2種以上用いられる。
【0013】本発明で用いられるアルコールは、一般式
(6)で示される。
【0014】
【化6】 ここで式中のR2は、前記の不飽和結合を含有しない炭
素数1〜15の1価の有機基、または、不飽和結合を含
有する炭素数3〜15の1価の有機基を表す。ただし、
フェニル基が直接水酸基に結合してはいない。不飽和結
合を含有しないアルコールの具体的な例として、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、イソブチルアルコールなどの1価アルコール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパンなどの多価アルコール、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど
のセロソルブ類などが挙げられるが、特にこれらに限定
されない。
【0015】不飽和結合を含有するアルコールの具体的
な例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアク
リレート、ポリエチレングリコールアクリレート、EO
変性フタル酸アクリレートおよび2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールメタクリレート、EO変性フタル酸メタクリレート
などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発
明では、これらのアルコールを1種または2種以上用い
ることができる。
【0016】本発明で用いられるジアミンは、一般式
(7)で示される。
【0017】
【化7】 ここで式中のR3は、前記の炭素数1〜22の2価の有
機基を表す。その具体的な例として、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルサルファイド、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミ
ノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジア
ミノトルエン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジ
ジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジ
ン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−ジアミ
ノナフタレン、2,5−ジアミノピリジン、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,
2−ビス[4−(p−アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジ
メチレンジアミンなどが挙げられるが、特にこれらに限
定されない。また、無機基板との接着性を良好にするた
めに、シロキサンジアミンを用いてもよい。好ましく用
いられるシロキサンジアミンを一般式(8)に示す。
【0018】
【化8】 ここで式中のR4は炭素数1〜10の2価の有機基、
5、R6、R7、およびR8は炭素数1〜10の1価の有
機基で、これらは同一であっても異なっていてもよい。
またmは1〜10の整数を意味する。シロキサンジアミ
ンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%用いる。シ
ロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が
発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。シロキサン
ジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサンなどが挙げられる。本発明
では、これらのジアミンが1種または2種以上用いられ
る。
【0019】本発明における、分子末端の少なくとも一
方がアルコールの酸エステルとなっているポリアミド酸
は、たとえば次のような方法により合成される。まず、
テトラカルボン酸二無水物にアルコールを開環付加させ
てテトラカルボン酸エステル無水物を得る反応を、通
常、不活性な有機溶媒中で、20〜150℃、好ましく
は、50〜100℃の範囲の温度で行う。ここで、温度
が低すぎると反応がなかなか進まず、また、温度が高す
ぎると反応のコントロールの再現性が困難になる。な
お、テトラカルボン酸二無水物に不飽和アルコールを開
環付加させる場合、あるいは、エチレン性不飽和結合を
含有する有機溶媒、たとえば、アクリルアミド類などの
中でアルコールをテトラカルボン酸二無水物に開環付加
させる場合には、20〜100℃、好ましくは、50〜
80℃の範囲の温度で反応を行う。温度が高すぎるとエ
チレン性不飽和結合が開裂するおそれがある。
【0020】アルコールは、通常、テトラカルボン酸二
無水物に対して、実質的に0.01〜1倍モル当量、好
ましくは0.014〜0.333倍モル当量、より好ま
しくは0.020〜0.200倍モル当量、さらに好ま
しくは0.033〜0.143倍モル当量反応させる。
アルコールの反応量が多すぎれば、生成される末端エス
テル化ポリアミド酸の分子量が小さくなりすぎ、最終的
に生成される末端エステル化ポリアミド酸のカルボキシ
ル基の一部をイソシアネート化合物あるいはグリシジル
化合物と反応させた生成物の分子量も小さくなるので、
未露光部の現像液への溶解量が大きくなり、露光部の溶
解量を減らそうとすれば、多量の露光量が必要になる場
合が多い。一方、アルコールの反応量が少なすぎれば、
生成される末端エステル化ポリアミド酸の分子量が大き
くなりすぎて、最終的に生成される末端エステル化ポリ
アミド酸のカルボキシル基の一部をイソシアネート化合
物あるいはグリシジル化合物と反応させた生成物の分子
量も大きくなるので、未露光部の現像液への溶解性が不
良となる。なお、ここに示された方法では通常、テトラ
カルボン酸エステル無水物のほかに、テトラカルボン酸
ジエステルと未反応のテトラカルボン酸二無水物が得ら
れる。テトラカルボン酸二無水物は、後の、ジアミンと
の反応の際に有効に使用できる。一方、テトラカルボン
酸ジエステルは無用であるので、テトラカルボン酸エス
テル無水物の0.5倍モル等量以下、好ましくは0.1
倍モル当量以下、さらに好ましくは0.056倍モル当
量以下、またさらに好ましくは0.038倍モル当量以
下であることが望ましい。
【0021】次に、上記のテトラカルボン酸エステル無
水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジ
エステルが存在する有機溶媒中に、ジアミンを加え、テ
トラカルボン酸エステル無水物およびテトラカルボン酸
二無水物にジアミンを開環付加させて、分子末端の少な
くとも一方がアルコールの酸エステルとなっているポリ
アミド酸を得る。ジアミンは、通常、テトラカルボン酸
エステル無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカ
ルボン酸ジエステルの総モル当量に対して、0.9〜
1.1倍モル当量、好ましくは0.95〜1.05倍モ
ル当量、さらに好ましくは0.99〜1.01倍モル当
量、またさらに好ましくは等モル当量混合するのがよ
い。モル当量の差が小さいほど、混合後、重合反応が起
こることにより得られる末端エステル化ポリアミド酸、
両末端がアミンのポリアミド酸、および、未反応のテト
ラカルボン酸ジエステルからなるポリイミド前駆体組成
物中の、アミン末端とエステル末端のモル当量の差が小
さくなる。ポリイミド前駆体組成物中のアミン末端とエ
ステル末端のモル当量の差が小さいほど、ポリイミド前
駆体を加熱処理することによって得られるポリイミドの
重合度が大きくなり、機械的特性の良好なフィルムが得
られる。このため、できるだけアミン末端とエステル末
端のモル当量を等しくすることが望まれる。なお、ジア
ミンとの反応は通常、0〜100℃、好ましくは、50
〜80℃の範囲の温度で行う。温度が低すぎると反応が
なかなか進まず、また、温度が高すぎるとポリアミド酸
のイミド化が進行するおそれがある。
【0022】また、テトラカルボン酸エステル無水物、
テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステ
ルが存在する有機溶媒中に、ジアミンとテトラカルボン
酸二無水物を混合して、重合反応を起こしても良い。こ
の場合、テトラカルボン酸エステル無水物、テトラカル
ボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル、およ
び、ジアミンの混合比は、好ましい重合度の末端エステ
ル化ポリアミド酸が得られ、かつ、末端エステル化ポリ
アミド酸、両末端がアミンのポリアミド酸、および未反
応のテトラカルボン酸ジエステルからなるポリイミド前
駆体組成物中の、アミン末端とエステル末端のモル当量
の差が小さくなるように調節されることが望まれる。
【0023】本発明における一般式(1)で表されるポ
リアミド酸とグリシジル化合物との反応は、上記のポリ
アミド酸の合成に用いた溶媒中で通常60℃〜120
℃、好ましくは70℃〜90℃の反応温度でトリエタノ
ールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニ
リン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどを触媒とし
て、ポリアミド酸のカルボキシル基1等量に対してエポ
キシ化合物を0.1〜0.9モル、好ましくは0.4〜
0.8モル反応させることによって行われる。
【0024】本発明におけるグリシジル化合物としては
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートな
どの不飽和結合を有する化合物である。
【0025】本発明における一般式(1)で表されるポ
リアミド酸とイソシアネート化合物との反応は、上記の
ポリアミド酸の合成に用いた溶媒中で通常0℃〜100
℃、好ましくは20℃〜70℃の反応温度で行われる。
イソシアネート化合物のポリアミド酸に対する割合は、
組成物の感度および塗膜の耐熱性の点から、ポリアミド
酸のカルボキシル基1モルに対して通常0.1〜0.9
モル、好ましくは0.4〜0.8モルの範囲である。
【0026】イソシアネート化合物と一般式(1)で表
されるポリアミド酸との反応は、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジル
アミン、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタ
ン等のアミン、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズ
アセテート等のスズ化合物などを用いると容易となる。
これらは通常イソシアネート化合物に対して約0.5〜
25重量%の範囲で用いることができる。
【0027】本発明におけるイソシアネート化合物とし
ては、イソシアネートエチルアクリレート、イソシアネ
ートプロピルアクリレート、イソシアネートブチルアク
リレート、イソシアネートベンジルアクリレート、イソ
シアネートヘキシルアクリレート、イソシアネートエチ
ルメタクリレート、イソシアネートプロピルメタクリレ
ート、イソシアネートブチルメタクリレート、イソシア
ネートベンジルメタクリレート、イソシアネートヘキシ
ルメタクリレート、イソシアネートプロピルクロトネー
ト、イソシアネートヘキシルクロトネートなどが挙げら
れるが、これに限定されるものではない。
【0028】上記の方法で用いられる有機溶媒は、最終
的に生成される末端エステル化ポリアミド酸のカルボキ
シル基の一部をイソシアネート化合物あるいはグリシジ
ル化合物と反応させた生成物を溶解しうるものであるこ
とが好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトンなどの極
性溶媒が通常用いられる。この他、これらの極性溶媒以
外に一般的有機溶媒であるケトン類、エステル類、エー
テル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類など、たと
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチ
ル、ジエチルエーテル、エチレングリコ−ルジメチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2
−ジクロルエタン、1,4−ジクロルブタン、トリクロ
ルエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなども使用できる。さらに、エチレン性不飽和結
合を含有するアミド化合物、たとえば、N−メチルアク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモ
ルフォリン、N−ビニルピロリドンなども使用できる。
なお、最終的に生成される末端エステル化ポリアミド酸
のカルボキシル基の一部をイソシアネート化合物あるい
はグリシジル化合物と反応させた生成物を完全に溶解さ
せるためには、これらの一般的有機溶媒、およびエチレ
ン性不飽和結合を含有するアミド化合物は、前記の極性
溶媒と混合して用いることが望ましい。
【0029】本発明において使用される、エチレン性不
飽和結合を含む化合物には、特に制限はないがアミノ基
が含有されていると、ポリアミド酸分子中のカルボキシ
ル基に塩結合し、感光性ポリイミド前駆体組成物の露光
部の現像液への溶解量がアミノ基を含有しない光反応性
化合物を用いる場合に比べて、より小さくなるので好ま
しい。
【0030】光反応性を有するエチレン性不飽和結合と
アミノ基を含む化合物の具体的な例として、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルア
クリレート、N,N−ジメチルアミノブチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノブチルアクリレートおよび
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチル
アミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノブチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノブチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタク
リルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリル
アミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、2−
ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アリルアミン、
2−メチルアリルアミン、ジアリルアミンなどが挙げら
れるが、特にこれらに限定されない。しかし、光反応性
の面から、不飽和基としてアクリル基、または、メタク
リル基を有するアミノ化合物が望ましい。
【0031】エチレン性不飽和結合とアミノ基を含む化
合物は、ポリアミド酸分子中のカルボキシル基に対し、
0.05〜2倍モル当量、より好ましくは、0.1〜1
倍モル当量混合するのが望ましい。混合する量が少なす
ぎれば、感光特性が不良となり、混合する量が多すぎれ
ば、ポリイミド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形
成する時に、膜厚の減少量が大きくなりすぎる。
【0032】本発明では、光反応性を有するエチレン性
不飽和結合を含有するがアミノ基を含まない化合物を用
いることができるが、これをエチレン性不飽和結合とア
ミノ基を含む化合物と併用することもできる。エチレン
性不飽和結合を含有し、かつ、アミノ基を含まない化合
物の具体的な例として、アリルアクリレート、ベンジル
アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシ
トリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシ
クロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアク
リレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシル
アクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルア
クリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキ
シエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリ
コ−ルアクリレート、メトキシジプロピレングリコール
アクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘ
キシルジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコ−ルジアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒ
ドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、グリセロ−ルジアクリレート、
メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、およびアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート、ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシトリエ
チレングリコールメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシ
クロペンテニルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、グリセロールメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、ヘプタデカフロロデシルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボニ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルメタク
リレート、ラウリルメタクリレート、2−メトキシエチ
ルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタク
リレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコ−ルメタクリレート、
メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、オク
タフロロペンチルメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、ステアリルメタクリレート、トリフロロ
エチルメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタ
クリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、1,
4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレ
ングリコ−ルジメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトール
モノヒドロキシペンタメタクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラメタクリレート、グリセロ−ルジメタ
クリレート、メトキシ化シクロヘキシルジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレ
ート、トリグリセロールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、特に
これらに限定されない。また、前記のN−メチルアクリ
ルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモ
ルフォリン、N−ビニルピロリドンなどのエチレン性不
飽和結合を含有するアミド化合物を、エチレン性不飽和
結合を含有し、かつ、アミノ基を含まない化合物として
用いることもできる。本発明ではこれらを1種または2
種以上使用することができる。
【0033】上記のエチレン性不飽和結合を含有し、か
つアミノ基を含まない化合物は、エチレン性不飽和結合
とアミノ基を含有する化合物と併用する場合には、ポリ
アミド酸の1〜100重量%、好ましくは5〜50重量
%、さらに好ましくは10〜25重量%用いるのが望ま
しい。エチレン性不飽和結合とアミノ基を含有する化合
物と併用しない場合には、ポリアミド酸の5〜200重
量%、好ましくは10〜100重量%、さらに好ましく
は20〜50重量%用いるのが望ましい。エチレン性不
飽和結合を含有し、かつアミノ基を含まない化合物の量
が大きすぎれば、ポリイミド前駆体膜形成時にポリアミ
ド酸との間で相分離を起こしたり、ポリイミド前駆体膜
を熱処理してポリイミド膜を形成する時に膜厚の減少量
が大きくなりすぎるなどの問題が生じる。また、量が小
さすぎれば、感光性組成物の感光特性が不良となる。
【0034】本発明に用いる光重合開始剤はその具体的
な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェ
ノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイ
ル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケト
ン、フルオレノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p
−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオ
キサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベ
ンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテ
ル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、
2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノ
ン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロ
ン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフ
ェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シク
ロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデ
ン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェニル−
1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニ
ル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、
1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エト
キシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキ
シム、ミヒラーケトン、N−フェニルグリシン、3−フ
ェニル−5−イソオキサゾロン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、また、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリン
スルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、
4,4’−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジ
スルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェ
ニルホスフィン、カンファーキノン、四臭化炭素、トリ
ブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオ
シン、メチレンブルーなどの光還元性色素とアスコルビ
ン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせ
などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発
明ではこれらを1種または2種以上使用することができ
る。
【0035】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物に
含有される光重合開始剤の量は、ポリアミド酸の0.1
〜30重量%が好ましく、0.1〜15重量%がさらに
好ましい。光重合開始剤の量が少なすぎれば、組成物の
光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎれば、
ポリイミド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成す
る時に、膜厚の減少量が大きくなりすぎる。
【0036】また光感度を向上させ得る増感剤を、本発
明の感光性ポリイミド前駆体組成物に添加してもよい。
増感剤の具体的な例として、2,5−ビス(4’−ジエ
チルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス
(4’−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、
2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)−4−
メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチ
ルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミ
ヒラーケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベ
ンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カル
コン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p
−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメ
チルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチ
ルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−
(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフト
チアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベン
ザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノ
ベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7
−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N’−エ
チルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミ
ン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタ
ノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジ
エチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−
イソオキサゾロン、1−フェニル−5−ベンゾイルチオ
テトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニル
チオテトラゾールなどが挙げられるが、特にこれらに限
定されない。本発明ではこれらの増感剤を1種または2
種以上使用することができる。なお、増感剤のなかには
光重合開始剤としても作用するものがある。
【0037】増感剤を本発明の感光性ポリイミド前駆体
組成物に添加する場合、その添加量は、ポリアミド酸の
0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜15重量%が
さらに好ましい。添加量が大きすぎれば、ポリイミド前
駆体膜を熱処理してポリイミド膜を形成する時に膜厚の
減少量が大きくなりすぎる。また添加量が小さすぎれ
ば、光感度を向上させる効果が発揮されない。
【0038】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物の
保存時の熱的な安定性を向上させるために、熱重合禁止
剤を添加することもできる。熱重合禁止剤の具体的な例
としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−
フェニルナフチルアミン、2、6−ジ−t−ブチル−p
−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなど
が挙げられるが特にこれらに限定されない。
【0039】熱重合禁止剤を添加する場合その添加量
は、ポリアミド酸の0.1〜20重量%が好ましく、
0.5〜10重量%がさらに好ましい。添加量が大きす
ぎれば、ポリイミド前駆体膜を熱処理してポリイミド膜
を形成する時に、膜厚の減少量が大きくなりすぎる。ま
た、添加量が小さすぎれば、保存時の熱的な安定性を向
上させる効果が発揮されない。
【0040】また本発明の感光性ポリイミド前駆体組成
物に、ポリイミド膜の硬度を向上させるために無機微粒
子のコロイド状物を添加してもよい。無機微粒子のコロ
イド状物の具体的な例としては、シリカゾル、チタニア
ゾル、ジルコニアゾルなどが挙げられるが、特にこれら
に限定されない。無機微粒子のコロイド状物を添加する
場合その添加量は、ポリアミド酸の1〜50重量%が好
ましく、2〜30重量%がさらに好ましい。添加量が大
きすぎれば、ポリイミド前駆体膜のパターン加工性が悪
くなり、添加量が小さすぎれば、ポリイミド膜の硬度を
向上させる効果が発揮されない。
【0041】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物
は、この組成物を構成する全ての成分、または添加剤を
加える場合には無機微粒子のコロイド状物など基本的に
有機溶媒に不溶なもの以外の、添加剤を含む全ての成分
を溶解しうる有機溶媒に溶解することによって、塗布用
のワニスが得られる。この有機溶媒としては、前記の、
最終的に生成される末端エステル化ポリアミド酸のカル
ボキシル基の一部をイソシアネート化合物あるいはグリ
シジル化合物と反応させた生成物を合成する場合に好適
に使用される、該ポリアミド酸を溶解しうる有機溶媒と
同様のものが使用され得る。
【0042】このワニスを基板上に塗布する方法として
は、スピンコーター、バーコーター、ブレードコータ
ー、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板
をワニス中に浸漬する方法、ワニスを基板に噴霧するな
どの種々の方法を用いることができる。基板としては、
シリコンやガリウム−砒素などの半導体、アルミナセラ
ミックス、ガラスセラミックスなどの無機絶縁体、アル
ミニウム、銅などの金属、ポリエステルフィルムなどの
有機絶縁体などを選ぶことができる。なお、半導体や、
無機絶縁体、金属からなる基板上にワニスを塗布する場
合、シランカップリング剤、アルミニウムキレート剤、
チタニウムキレート剤などの接着助剤で基板表面を処理
しておくと、ポリイミドと基板の接着力を向上させるこ
とができる。
【0043】ワニスを基板上に塗布した後、風乾、加熱
乾燥、真空乾燥などにより、感光性ポリイミド前駆体膜
が形成される。こうして得られた膜は、通常のフォトマ
スクを用いて露光される。この際に使用される活性光線
としては、たとえば、紫外線、電子線、X線などが挙げ
られるが、これらの中では紫外線が好ましく、その光源
としては、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが挙げられる。こ
れらの光源の中で超高圧水銀灯が好適である。また、露
光は窒素雰囲気中、あるいは、真空中で行うのが好まし
い。
【0044】露光後、必要なら熱処理を行った後、現像
液を使用して現像を行い、未露光部あるいは露光部を除
去する。この場合、浸漬法やスプレー法を用いることが
できる。現像液としては通常、最終的に生成される末端
エステル化ポリアミド酸のカルボキシル基の一部をイソ
シアネート化合物あるいはグリシジル化合物と反応させ
た生成物を合成する場合に好適に使用される、該ポリア
ミド酸を溶解しうる有機溶媒と同様のものが使用され
る。なお、このような有機溶媒に、現像性を良好とする
ために水を添加して用いることもできる。水を添加する
場合、その添加量は有機溶媒に対して通常、1〜100
重量%、好ましくは5〜50重量%である。添加量が大
きすぎる場合、有機溶媒とのあいだで相分離を起こすお
それが生じ、添加量が小さすぎる場合は、現像性を良好
にする効果を発揮しない。アルカリ水溶液の場合は、水
酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド、コリンなどが用いられる。また現像直後に、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアル
コール、ヘキサン、ペンタンなどの有機溶媒あるいは水
で、リンスを行うことが望ましい。
【0045】現像によって得られたポリイミド前駆体の
パターンは、その後、加熱処理することによって、ポリ
イミドのパターンに変換される。加熱処理は通常、窒素
雰囲気中、あるいは、真空中で、150〜450℃の温
度のもとで、0.5〜5時間、連続的または段階的に行
われる。
【0046】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】また本発明の感光性ポリイミド前駆体の感
度とは膜厚保持率によって示される。膜厚保持率とは、
感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスを基板上に塗布
し、加熱などの方法により乾燥した膜厚(T1)と、露
光し現像した後の膜厚(T3)の比T3/T1で示さ
れ、85%以上であれば良好であるといえる。
【0048】実施例1 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物147.11g(0.
5モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート65.
07g(0.5モル)、およびN−メチル−2−ピロリ
ドン300gを投入し乾燥空気流入下70℃で1時間攪
拌した。その後室温まで冷却し、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル75.09g(0.375モル)、p
−フェニレンジアミン10.81g(0.1モル)、ビ
ス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン
6.21g(0.025モル)、およびN−メチル−2
−ピロリドン193.11gを加え、乾燥空気流入下、
60℃で3時間攪拌して粘稠なポリイミド前駆体溶液A
を得た。次に上記のポリイミド前駆体溶液Aにグリシジ
ルメタクリレート71.08g(0.5モル)を加え、
70℃で20時間撹拌した。光遮断下の室温で、ミヒラ
ーケトン4.78g、4−アジドベンザルアセトフェノ
ン2.39g、3−フェニル−5−イソオキサゾロン
7.18g、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチ
ルアミノクマリン)1.20g、エチレングリコールジ
メタクリレート35.88gを攪拌混合後、フィルター
でろ過して感光性ポリイミド前駆体組成物溶液を得た。
【0049】この溶液を4インチのシリコンウエハ上に
スピンコートし、80℃で30分間加熱乾燥して、厚み
10μmの膜を形成した。この膜面をパターンマスク
し、窒素雰囲気下、7mW/cm2の出力の超高圧水銀
灯を用いて5分間露光を行い、次に、N−メチル−2−
ピロリドン、キシレン、水の7:2:1(重量比)混合
液に浸漬して、未露光部が溶解除去されるまで現像し
た。この時現像に要する時間は30秒であった。現像後
にイソブチルアルコールでリンスを行ったところ、厚み
9μmのポリイミド前駆体のパターンを得た。このとき
の膜厚保持率は90%と良好であった。これを窒素雰囲
気下、200℃30分間、300℃30分間、400℃
30分間のステップで加熱処理し、厚み5μmのポリイ
ミドのパターンを得た。
【0050】実施例2 実施例1のポリイミド前駆体溶液Aに2−イソシアネー
トエチルメタクリレート77.58g(0.5モル)を
加え、60℃で36時間撹拌した。次に、光遮断下の室
温で、4−アジドベンザルアセトフェノン2.39g、
N−フェニルグリシン14.35g、エチレングリコー
ルジメタクリレート11.96g、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート157.21g(1モル)を
攪拌混合後、フィルターでろ過して感光性ポリイミド前
駆体組成物溶液を得た。
【0051】この溶液を4インチのシリコンウエハ上に
スピンコートし、80℃と100℃のホットプレートで
順に3分ずつプリベークし、厚み10μmの膜を形成し
た。この膜面をパターンマスクし、窒素雰囲気下、7m
W/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて5分間露光を
行い、次にN−メチル−2−ピロリドン、キシレン、水
の7:2:1(重量比)混合液に浸漬して、未露光部が
溶解除去されるまで現像した。この時現像に要する時間
は30秒であった。現像後にイソブチルアルコールでリ
ンスを行ったところ、厚み9μmのポリイミド前駆体の
パターンを得た。このときの膜厚保持率は90%と良好
であった。これを窒素雰囲気下、200℃30分間、3
00℃30分間、400℃30分間のステップで加熱処
理し、厚み5μmのポリイミドのパターンを得た。
【0052】実施例3 実施例1のポリイミド前駆体溶液Aに2−イソシアネー
トエチルメタクリレート77.58g(0.5モル)を
加え、60℃で36時間撹拌した。次に、光遮断下の室
温で、4−アジドベンザルアセトフェノン2.39g、
N−フェニルグリシン14.35g、エチレングリコー
ルジメタクリレート11.96g、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート157.21g(1モル)を
攪拌混合後、フィルターでろ過して感光性ポリイミド前
駆体組成物溶液を得た。
【0053】この溶液を4インチのシリコンウエハ上に
スピンコートし、80℃と100℃のホットプレートで
順に4分ずつプリベークし、厚み10μmの膜を形成し
た。この膜面をパターンマスクし、窒素雰囲気下、7m
W/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて5分間露光を
行い、次に1重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロ
キサイド水溶液で現像した。この時現像に要する時間は
30秒であった。現像後にイソブチルアルコールでリン
スを行ったところ、厚み9μmのポリイミド前駆体のパ
ターンを得た。このときの膜厚保持率は90%と良好で
あった。これを窒素雰囲気下、200℃30分間、30
0℃30分間、400℃30分間のステップで加熱処理
し、厚み5μmのポリイミドのパターンを得た。
【0054】比較例1 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル75.09g(0.375モル)、p−フ
ェニレンジアミン10.81g(0.1モル)、ビス−
3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン6.2
1g(0.025モル)、およびN−メチル−2−ピロ
リドン193.11gを加え均一溶液にした。次に3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
142.70g(0.485モル)およびN−メチル−
2−ピロリドン300gを投入し、乾燥空気流入下60
℃で3時間攪拌して、粘稠なポリイミド前駆体溶液Bを
得た。
【0055】次に上記のポリイミド前駆体溶液Bにグリ
シジルメタクリレート71.08g(0.5モル)を加
え、70℃で20時間撹拌した。光遮断下の室温で、ミ
ヒラーケトン4.78g、4−アジドベンザルアセトフ
ェノン2.39g、3−フェニル−5−イソオキサゾロ
ン7.18g、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエ
チルアミノクマリン)1.20g、エチレングリコール
ジメタクリレート35.88gを攪拌混合後、フィルタ
ーでろ過して感光性ポリイミド前駆体組成物溶液を得
た。
【0056】この溶液を4インチのシリコンウエハ上に
スピンコートし、80℃で30分間加熱乾燥して、厚み
10μmの膜を形成した。この膜面をパターンマスク
し、窒素雰囲気下、7mW/cm2 の出力の超高圧水銀
灯を用いて5分間露光を行い、次に、N−メチル−2−
ピロリドン、キシレン、水の7:2:1(重量比)混合
液に浸漬して、未露光部が溶解除去されるまで現像し
た。この時現像に要する時間は180秒であった。現像
後にイソブチルアルコールでリンスを行ったところ、厚
み9μmのポリイミド前駆体のパターンを得た。このと
きの膜厚保持率は90%と良好であったが、現像時間が
実施例の6倍長くかかっていた。これを窒素雰囲気下、
200℃30分間、300℃30分間、400℃30分
間のステップで加熱処理し、厚み5μmのポリイミドの
パターンを得た。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、上述のごとく構成した
ので、感度を十分に保持しつつ現像時間を短くすること
ができ、さらに良好なパターン加工が可能な感光性ポリ
イミド前駆体組成物を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)分子末端の少なくとも一方がアルコ
    ールの酸エステルとなっているポリアミド酸のカルボキ
    シル基の一部をイソシアネート化合物あるいはグリシジ
    ル化合物と反応させた生成物と、(b)エチレン性不飽
    和結合を含む化合物、および(c)光重合開始剤を含有
    してなる感光性ポリイミド前駆体組成物。
  2. 【請求項2】エチレン性不飽和結合を含む化合物が、ア
    ミノ基を有することを特徴とする請求項1記載の感光性
    ポリイミド前駆体組成物。
  3. 【請求項3】テトラカルボン酸二無水物にアルコールを
    開環付加させてテトラカルボン酸エステル無水物を形成
    し、次いで、該テトラカルボン酸エステル無水物とテト
    ラカルボン酸二無水物の混合物に、ジアミンを開環付加
    させることによって末端エステル化ポリアミド酸を形成
    し、該末端エステル化ポリアミド酸のカルボキシル基の
    一部をイソシアネート化合物あるいはグリシジル化合物
    と反応させ得られた生成物に、エチレン性不飽和結合を
    含む化合物、および光重合開始剤を添加してなることを
    特徴とする請求項1記載の感光性ポリイミド前駆体組成
    物の製造方法。
JP17048597A 1997-06-26 1997-06-26 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法 Pending JPH1115152A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17048597A JPH1115152A (ja) 1997-06-26 1997-06-26 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17048597A JPH1115152A (ja) 1997-06-26 1997-06-26 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1115152A true JPH1115152A (ja) 1999-01-22

Family

ID=15905835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17048597A Pending JPH1115152A (ja) 1997-06-26 1997-06-26 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1115152A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001194783A (ja) * 2000-01-13 2001-07-19 Toray Ind Inc アルカリ現像可能な感光性ポリイミド前駆体組成物
JP2008156387A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 硬化性組成物、硬化膜及び積層体
JP2008163064A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toyo Ink Mfg Co Ltd 感光性材料とその製造方法、および感光性材料を用いてなる積層体
JP2009040847A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Toyo Ink Mfg Co Ltd 硬化性組成物、硬化膜及び積層体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001194783A (ja) * 2000-01-13 2001-07-19 Toray Ind Inc アルカリ現像可能な感光性ポリイミド前駆体組成物
JP2008156387A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 硬化性組成物、硬化膜及び積層体
JP2008163064A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toyo Ink Mfg Co Ltd 感光性材料とその製造方法、および感光性材料を用いてなる積層体
JP2009040847A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Toyo Ink Mfg Co Ltd 硬化性組成物、硬化膜及び積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5310862A (en) Photosensitive polyimide precursor compositions and process for preparing same
JP3211108B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2003287889A (ja) 高耐熱性感光性樹脂組成物
WO2004008252A1 (ja) 高耐熱性ネガ型感光性樹脂組成物
JP2002258485A (ja) 感光性樹脂組成物
JP3518080B2 (ja) ポリイミド前駆体組成物の製造方法
JPH06102667A (ja) 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法
JPH0876376A (ja) 感光性樹脂組成物及びそれを用いるパターン化されたポリイミド皮膜の形成方法
JP2003345012A (ja) 感光性組成物、及びこれを用いた電子部品
JP4592999B2 (ja) 新規な末端修飾したポリアミック酸及びそれを含む感光性樹脂組成物
JP2003255535A (ja) 感光性樹脂組成物、パターン製造法及びこれを用いた電子部品
JP3165024B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びそれを用いるパターン化されたポリイミド皮膜の形成方法
JP4058873B2 (ja) イミド系感光性樹脂組成物、絶縁膜およびその形成法
JPH1115152A (ja) 感光性ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法
JPH04313756A (ja) 感光材及びその製造方法
JP3913022B2 (ja) ネガ型感光性樹脂組成物
JPH05100424A (ja) 感光性樹脂組成物及び現像方法
JP2000063519A (ja) ポリイミド前駆体組成物およびその製造方法
JP2862627B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びパターン形成方法
JP4123615B2 (ja) 感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品
JPH11282160A (ja) 感光性ポリイミド組成物、これを用いたパターン製造法及び半導体装置
JP2000058535A (ja) 半導体素子の製造方法
JPH10228110A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、これを用いたレリーフパターンの製造法及びポリイミドパターンの製造法
KR100288846B1 (ko) 감광성폴리이미드전구체조성물
JP4207420B2 (ja) 感光性樹脂組成物およびパターンの製造方法