JP2001194783A - アルカリ現像可能な感光性ポリイミド前駆体組成物 - Google Patents

アルカリ現像可能な感光性ポリイミド前駆体組成物

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JP2001194783A JP2000004307A JP2000004307A JP2001194783A JP 2001194783 A JP2001194783 A JP 2001194783A JP 2000004307 A JP2000004307 A JP 2000004307A JP 2000004307 A JP2000004307 A JP 2000004307A JP 2001194783 A JP2001194783 A JP 2001194783A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ現像液によって良好なパターンが得ら
れるネガ型感光性ポリイミド前駆体組成物を得ることが
できる。 【解決手段】2種類の有機基−COOH、−COOR1
を含み、かつ、厚さ10μmのプリベーク膜中の−CO
OHのモル分率−COOH/{(−COOH)+(−C
OOR1)}の値が0.10〜0.75であるポリマー
を主成分とすることを特徴とする感光性ポリイミド前駆
体組成物である。 (R1は炭素数1〜30の有機基を表し、うち50〜1
00モル%は光感応性基を含んだ有機基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス、
多層配線基板などの電気、電子材料の製造に有用なポリ
イミド前駆体組成物に関するものであり、さらに詳しく
は、アルカリ現像液によって良好なパターンが得られる
ネガ型感光性ポリイミド前駆体組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドはその優れた耐熱性、電気特
性、機械特性のため、半導体チップや配線の保護膜、多
層配線基板の層間絶縁膜、ストレスバッファーコートな
どに広く実用化されている。さらに、感光性ポリイミド
については自身がパターン加工性を有するため、通常の
非感光性ポリイミドをレジスト等を用いてパターン加工
する場合と比べて、プロセスの簡略化が可能である。近
年は、製造コストや排水処理コスト、及び、環境への影
響も考慮され、感光性ポリイミドの現像液が従来の有機
溶剤から汎用的なアルカリ水溶液に変わりつつある。
【0003】例えば、特公昭55−41422号公報に
記載されているように、ポリアミド酸の側鎖のカルボキ
シル基にメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルといっ
た、光感応基を含んだアルコールを縮合させてエステル
としたポリマーを主成分とした組成物などは、良好なパ
ターン加工性を有し、組成物の保存安定性も良好であ
る。しかしこれらのポリマーは、アルカリ水溶液には不
溶であるため有機溶剤でしか現像できないという問題が
ある。
【0004】他方、特公昭59−52822号公報に記
載されているように、ポリアミド酸に光感応基を有する
アミン化合物を添加して感光性ポリイミド前駆体とした
組成物などは、ポリアミド酸のアルカリ水溶液への溶解
性があまりにも高いため、現像時の膜べりが非常に大き
いといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の諸欠点に鑑み創案されたもので、本発明の目的はア
ルカリ水溶液で現像可能であり、かつ、現像時の膜べり
の少ない感光性ポリイミド前駆体組成物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、2種類の有機
基−COOH、−COOR1を含み、かつ、厚さ10μ
mのプリベーク膜中の−COOHのモル分率−COOH
/{(−COOH)+(−COOR1)}の値が0.1
〜0.75であるポリマーを主成分とすることを特徴と
するアルカリ現像用感光性ポリイミド前駆体組成物であ
る。(R1は炭素数1〜30の有機基を表し、うち50
〜100モル%は光感応性基を含んだ有機基を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、アルカリ現像液に可溶
なカルボキシル基とアルカリ現像液に不溶なエステル基
との割合を、厚さ10μmのプリベーク膜中のカルボキ
シル基のモル分率の値、カルボキシル基/(カルボキシ
基+エステル基)が0.1〜0.75になるようにし、
かつ、エステル基の50〜100モル%に光感応性基を
導入することによって得たアルカリ現像用感光性ポリイ
ミド前駆体組成物である。
【0008】ここでいう「厚さ10μmのプリベーク
膜」とは、組成物をシリコン基板に塗布後、40〜15
0℃で加熱処理して形成された厚さ10ミクロンのプリ
ベーク膜をいう。このときの加熱時間は加熱温度に併せ
て1分〜数時間の間で適宜選択されるものとする。より
好ましい温度としては60〜130℃、最も好ましい温
度としては80〜120℃である。この範囲より小さい
と組成物が十分に乾燥せず、この範囲より大きいとイミ
ド化率の上昇によるアルカリ現像液への溶解性低下を引
き起こす恐れがあるため注意が必要である。
【0009】本発明の好ましいカルボキシル基のモル分
率は0.1〜0.75である。この範囲より小さいと、
アルカリ現像液への溶解性がほとんどなく、この範囲よ
り大きいと現像時の膜べりが大きくなるので注意を要す
る。より好ましいカルボキシル基のモル分率は0.2〜
0.7であり、最も好ましくは0.3〜0.65であ
る。
【0010】上記エステル構造中、R1は炭素数1〜3
0の有機基を表し、うち50〜100モル%は光感応基
を含んだ有機基を表す。この量より小さいと、現像時の
膜べりが大きくなったり、パターン精度が悪くなったり
するので注意が必要である。より好ましくは80〜10
0モル%であり、最も好ましくは95〜100モル%で
ある。炭素数1〜30の有機基としては脂肪族有機基が
好ましく、含有される有機基としては、炭化水素基、水
酸基、カルボニル基、カルボキシル基、ウレタン基、ウ
レア基、アミド基、エーテル基などが挙げられるがこれ
らに限定されない。好ましい具体例としては、下記構造
式で表されるものが挙げられるがこれらに限定されな
い。
【0011】
【化5】
【0012】本発明におけるポリイミド前駆体は、R1
がこれらのうち1種から構成されていても良いし、2種
以上から構成されても構わない。
【0013】本発明のポリイミド前駆体は、加熱あるい
は適当な触媒によりイミド環や、その他環状構造を有す
るポリマー(以後、「ポリイミド系ポリマー」と呼ぶ)
となり得るものをあげることができる。好ましい構造と
しては、一般式(1)で表される構造単位を有するもの
が挙げられる。
【0014】上記一般式(1)中、R2は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する3価または4価の有機基であ
り、ポリイミド系ポリマーの耐熱性から、芳香族環また
は芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の4価の
基が好ましい。R2の好ましい具体的な例としては、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルヘキサフルオロ
プロパンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、
ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸などの残基が挙げられるが、これらに限定されな
い。ポリイミド系ポリマーの耐熱性の点から、特に好ま
しい具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェ
ニルヘキサフルオロプロパンテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸、ピロメリット酸、などの残基が挙げられる。
【0015】本発明におけるポリイミド前駆体は、R2
が1種であっても良いし、2種以上から構成される共重
合体であっても構わない。
【0016】上記一般式(1)中、R3は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する2価の有機基である。ポリイ
ミド系ポリマーの耐熱性の点から、R3は芳香族環また
は芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6〜30の2価の
基が好ましい。R3の好ましい具体的な例としては、パ
ラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メチ
ルパラフェニレンジアミン、メチルメタフェニレンジア
ミン、ジメチルパラフェニレンジアミン、ジメチルメタ
フェニレンジアミン、トリメチルパラフェニレンジアミ
ン、トリメチルメタフェニレンジアミン、テトラメチル
パラフェニレンジアミン、テトラメチルメタフェニレン
ジアミン、トリフルオロメチルパラフェニレンジアミ
ン、トリフルオロメチルメタフェニレンジアミン、ビス
(トリフルオロメチル)パラフェニレンジアミン、ビス
(トリフルオロメチル)メタフェニレンジアミン、メト
キシパラフェニレンジアミン、メトキシメタフェニレン
ジアミン、トリフルオロメトキシパラフェニレンジアミ
ン、トリフルオロメトキシメタフェニレンジアミン、フ
ルオロパラフェニレンジアミン、フルオロメタフェニレ
ンジアミン、クロロパラフェニレンジアミン、クロロメ
タフェニレンジアミン、ブロモパラフェニレンジアミ
ン、ブロモメタフェニレンジアミン、カルボキシパラフ
ェニレンジアミン、カルボキシメタフェニレンジアミ
ン、メトキシカルボニルパラフェニレンジアミン、メト
キシカルボニルメタフェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ビス(アミノメチルフェニル)メタン、
ビス(アミノトリフルオロメチルフェニル)メタン、ビ
ス(アミノエチルフェニル)メタン、ビス(アミノクロ
ロフェニル)メタン、ビス(アミノジメチルフェニル)
メタン、ビス(アミノジエチルフェニル)メタン、ジア
ミノジフェニルプロパン、ビス(アミノメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノエチルフェニル)プロパ
ン、ビス(アミノクロロフェニル)プロパン、ビス(ア
ミノジメチルフェニル)プロパン、ビス(アミノジエチ
ルフェニル)プロパン、ジアミノジフェニルヘキサフル
オロプロパン、ビス(アミノメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノエチルフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノクロロ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノジメ
チルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノ
ジエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、ビス(アミノメチルフェニル)ス
ルホン、ビス(アミノエチルフェニル)スルホン、ビス
(アミノトリフルオロメチルフェニル)スルホン、ビス
(アミノジメチルフェニル)スルホン、ビス(アミノジ
エチルフェニル)スルホン、ジアミノジフェニルエーテ
ル、ビス(アミノメチルフェニル)エーテル、ビス(ア
ミノトリフルオロメチルフェニル)エーテル、ビス(ア
ミノエチルフェニル)エーテル、ビス(アミノジメチル
フェニル)エーテル、ビス(アミノジエチルフェニル)
エーテル、ジメチルベンジジン、ビス(トリフルオロメ
チル)ベンジジン、ジクロロベンジジン、ビス(アミノ
フェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)エーテル、ビス(アミノフェノキシフェニル)メタ
ン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホン、3,
5−ジアミノ安息香酸メタクロイルエチルエステル、
3,5−ジアミノ安息香酸アクロイルエチルエステル、
2,4−ジアミノ安息香酸メタクロイルエチルエステ
ル、2,4−ジアミノ安息香酸アクロイルエチルエステ
ルなどの残基及びその水添化合物の残基などが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0017】本発明におけるポリイミド前駆体は、R3
がこれらのうち1種から構成されていても良いし、2種
以上から構成される共重合体であっても構わない。
【0018】さらに、ポリイミド系ポリマーの接着性を
向上させるため、耐熱性を低下させない範囲でR3とし
て、シロキサン結合を有する脂肪族性の基を共重合する
ことも可能である。好ましい具体例としては、ビス(3
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどが挙
げられるが、これに限定されない。
【0019】上記一般式(1)中、R4は−COOH、
−COOR1から選ばれた少なくとも1種の構造を表
し、かつ、厚さ10μmのプリベーク膜中の−COOH
のモル分率−COOH/{(−COOH)+(−COO
1)}の値が0.1〜0.75である。この範囲より
小さいとアルカリ現像液への溶解性がほとんどなく、こ
の範囲より大きいと現像時の膜べりが大きくなるので注
意が必要である。より好ましくは0.2〜0.7であ
り、最も好ましくは0.3〜0.65である。
【0020】本発明におけるモル分率は以下のように算
出される。モル分率をWa、ポリイミド前駆体組成物の
イミド化率、カルボキシル基率、エステル基率をそれぞ
れIa、Ca、Eaとおき、Eaを次式(a)で定義す
る。 Ea=1−Ia−Ca これより、Waは以下の次式(b)で表される。 Wa=Ca/(Ca+Ea)=Ca/(1−Ia) 以下、Ia、Caの求め方について述べる。
【0021】イミド化率Iaの値は、透過赤外スペクト
ル(IR)測定によって、試料となるポリイミド前駆体
組成物(以下試料ワニスと称する)のイミド基に起因す
る波数における吸光度を求め、これより算出する。吸光
度測定に用いるイミド基に起因する振動波数としては、
通常、1750〜1800cm-1または1350〜14
00cm-1の波数を用い、Iaの算出を行う。以下、算
出法の詳細ついて述べる。
【0022】まず、試料ワニスをスピンコート法により
シリコンウェハー上に塗布する。ついで、所定の温度で
厚さ10μmのプリベーク膜とし、IR測定により、イ
ミド基の吸光度Iを求める。次に、この膜をオーブンに
て窒素気流下350℃で2時間熱処理(キュア)してイ
ミド化を100%進行させる。この、100%イミド化
させた試料についてIR測定を行い、イミド基に起因す
る波数の吸光度I1を求める。
【0023】このときの、イミド基の吸光度Iとイミド
化率Iaの関係を示す式(c)は、Ia=I/I1とな
る。
【0024】イミド基に起因するピークについての吸光
度の測定は、図1のように、求めるピークの両端を結ん
で補助線を引き、ピークの頂点からIRスペクトルの横
軸に垂直に降ろした線との交点を求め、その交点とピー
クの頂点との長さXを吸光度とする。
【0025】カルボキシル基率Caの測定は、まず、試
料ワニスをスピンコート法によりシリコンウェハー上に
塗布する。ついで、所定の温度で厚さ10μmのプリベ
ーク膜を作製し、この膜の重量C1を測定する。つい
で、この膜をオーブンにて窒素気流下350℃で2時間
熱処理(キュア)してイミド化を100%進行させる。
この、100%イミド化させた試料についての重量C2
を測定する。次にキュア用サンプルと同じ塗布回転数、
同じ温度にてプリベーク膜を再度作製し、膜を削りだし
て、ポリマーが0.002モル含まれるように計量を行
う。このときの必要計量値は、組成物を100%イミド
化させたときのポリイミド構造単位の分子量Mを用いて
下式(d)で表される。 (0.002×M×C1)/C2。
【0026】削りだした膜を計量後、NMPで希釈して
測定溶液とする。この溶液をN/10テトラブチルアン
モニウムヒドロキシドアルコール溶液で適定してポリマ
ー中の遊離カルボキシル基含有量Cb(モル)を求め
る。次に次式(e)を用いてCa=Cb/(0.002
×2)より、カルボキシル基率Caを求める。
【0027】本発明におけるポリイミド前駆体は、一般
式(1)で表される構造単位のみから成るものであって
も良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド
体であっても良い。その際、一般式(1)で表される構
造単位を80%以上含有していることが好ましい。共重
合またはブレンドに用いられる構造単位の種類、量は最
終加熱処理によって得られるポリイミド系ポリマーの耐
熱性を著しく損なわない範囲で選択するのが好ましい。
【0028】これらのポリイミド前駆体は公知の方法を
経由して合成される。すなわち、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンとを選択的に組み合わせる、あるいは、
テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物と反応さ
せた後、塩化チオニル等を用いて酸塩化物を合成した後
に適当なジアミンとを選択的に組み合わせるか、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド等の適当な脱水剤を用いてジ
アミンとを選択的に組み合わせるなど、公知の方法を経
由して合成される。
【0029】重合溶媒としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルホスホロトリアミドなどを主成分とする極性溶媒や、
γ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒などが好ましく
用いられる。
【0030】上記一般式(2)中R5は水素またはメチ
ル基を表す。本発明におけるR5はこれらのうち1種か
ら構成されていても良いし、2種の混合でも構わない。
上記一般式(2)中R6は1〜30の有機基を表し、う
ち50〜100モル%は光感応基を含む有機基を表す。
炭素数1〜30の有機基としては脂肪族有機基が好まし
く、含有される有機基としては、炭化水素基、水酸基、
カルボニル基、カルボキシル基、ウレタン基、ウレア
基、アミド基などが挙げられるがこれらに限定されな
い。好ましい一般式(2)の化合物の具体例としては下
記構造式で表されるものなどが挙げられるがこれらに限
定されない。
【0031】
【化6】
【0032】上記一般式(3)中R7は1〜30の有機
基を表し、うち50〜100モル%は光感応基を含む有
機基を表す。炭素数1〜30の有機基としては脂肪族有
機基が好ましく、含有される有機基としては、炭化水素
基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、ウレタン
基、ウレア基、アミド基などが挙げられるがこれらに限
定されない。好ましい一般式(3)で表される化合物の
具体例としては下記構造式で表されるものなどが挙げら
れるがこれらに限定されない。
【0033】
【化7】
【0034】これら一般式(2)で表されるジアセター
ル化合物、または一般式(3)で表されるエポキシ化合
物は一般式(1)で表されるポリマーが生成した後に加
えて反応させるのが好ましい方法である。加える量とし
て好ましい量とは、一般式(1)の構造単位に対して2
0〜400モル%であり、この量より多いと、硬化後の
ポリイミド膜の機械物性の低下を招き、この量より少な
いと十分なパターン加工性能が得られないので注意を要
する。さらに好ましい量としては40〜300モル%、
最も好ましい量としては100〜250モル%である。
【0035】一般式(2)で表されるジアセタール化合
物、または一般式(3)で表されるエポキシ化合物と、
ポリマー(1)とを溶液中で反応させる場合、反応時の
温度は0〜80℃であり、この範囲より高いと、光感応
性基の変性が起こってワニスがゲル化したり、イミド化
の進行が起こってアルカリ現像液への溶解性が低下する
恐れがあるので注意を要する。逆にこの範囲より小さい
と、反応が十分に進行しないので注意が必要である。よ
り好ましくは10〜60℃、最も好ましくは20〜55
℃である。反応時間は反応温度によって、1時間〜24
0時間の間で選択されるのが好ましい。また、必ずしも
溶液中でエステル化を完結させる必要はなく、溶液を基
材に塗布してプリベークする際の乾燥温度や乾燥時間を
適正にすることで製膜工程中にエステル化をさらに進行
させることもできる。この乾燥温度の好ましい範囲とし
ては40〜150℃であり、このときの乾燥時間は乾燥
温度に併せて1分〜数時間の間で適宜選択される。
【0036】特に、一般式(3)で表されるエポキシ化
合物の場合は、これら化合物を室温以下でポリアミド酸
を主成分とした溶液に単に添加し、適正な条件でプリベ
ークすることで本発明の−COOH基のモル分率範囲の
組成物とすることもできる。
【0037】さらに現像後の膜厚保持率、パターン解像
度を向上させる点から、感光性ポリイミド前駆体組成物
は一般式(4)で表されるアミン化合物を含んでいても
良い一般式(4)のR8、R9、R10は炭素数1〜30の
有機基であり、うち、少なくとも1つは光感応基を含む
有機基である。炭素数1〜30の有機基としては脂肪族
有機基が好ましく、含有される有機基としては、炭化水
素基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、ウレタ
ン基、ウレア基、アミド基などが挙げられるがこれらに
限定されない。このときの含有量は一般式(1)で表さ
れるポリマーの構造単位に対して20〜200モル%で
あることが好ましい。この範囲より小さいと現像後の膜
厚保持率の低下を招き、この範囲を越えると解像度の低
下、加熱硬化後のポリイミド膜の伸度低下を招くので注
意を要する。より好ましくは30〜150モル%の範囲
にあり、さらに好ましくは40〜100モル%の範囲に
あることである。
【0038】一般式(4)の好ましい具体例としては、
アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノブチ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノヘキシル、N−(2−
ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(3−
ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(2
−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(3
−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(2
−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(2−
ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(3−ジ
エチルアミノプロピル)アクリルアミド、アクリロイル
モルホリン、メタクリロイルモルホリン、アクリロイル
ピペリジン、メタクリロイルピペリジン、アリルアミ
ン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、メタリルアミ
ン、ビニルピリジン、メタクリル酸エチルトリメチルア
ンモニウム塩、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウム塩、パラ(またはメタ)アジド
安息香酸ジメチルアミノエチルエステル、パラ(または
メタ)アジド安息香酸ジエチルアミノエチルエステル、
パラ(またはメタ)アジド安息香酸ジメチルアミノプロ
ピルエステル、パラ(またはメタ)アジド安息香酸ジエ
チルアミノプロピルエステル、パラ(またはメタ)アジ
ドスルホニル安息香酸ジメチルアミノエチルエステル、
パラ(またはメタ)アジドスルホニル安息香酸ジエチル
アミノエチルエステル、パラ(またはメタ)アジドスル
ホニル安息香酸ジメチルアミノプロピルエステル、パラ
(またはメタ)アジドスルホニル安息香酸ジエチルアミ
ノプロピルエステル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロ
ピレングリコールジメタクリレート、メチレンビスメタ
クリルアミド、メチレンビスアクリルアミドに示される
化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。上
記添加化合物は単独種であっても良いし、2種以上の混
合であっても良い。
【0039】また、厚さ10μmのプリベーク膜におけ
るポリマーのイミド化率Iaは0〜0.4であることが
好ましい、これより大きいと組成物のアルカリ現像液へ
の溶解性が著しく低下するため好ましくない。より好ま
しくは0〜0.3であり、最も好ましくは0〜0.2で
ある。
【0040】現像後のパターンにおいてさらに高い感
度、高い解像度を得るために、光開始剤、光増感剤を含
有するのが好ましい。これら2つを各々用いる、あるい
は2つのいずれも同時に用いるなど、用いる方法は限定
されない。
【0041】本発明に適した光開始剤としては、N−フ
ェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシン、ミ
ヒラーズケトンなどの芳香族アミン、3−フェニル−5
−イソオキサゾロンに代表される環状オキシム化合物、
1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキシカル
ボニル)オキシムに代表される鎖状オキシム化合物、ベ
ンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ジベン
ジルケトン、フルオレノンなどのベンゾフェノン誘導
体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導
体などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0042】本発明に適した増感剤としては、アジドア
ントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳
香族モノアジド、3,3’−カルボニルビス(ジエチル
アミノクマリン)などのクマリン化合物、ベンズアント
ロン、フェナントレンキノンなどの芳香族ケトンなど一
般に光硬化性樹脂に使用されるようなもの、その他電子
写真の電荷移動剤として使用されるものであれば好まし
く使用できることもある。
【0043】光開始剤や増感剤はポリマーに対して0.
01〜30重量%である。この範囲を外れると感光性が
低下したり、ポリマーの機械特性が低下したりするので
注意を要する。さらに好ましくは0.1〜20重量%添
加するのが好ましい。これらの光開始剤や増感剤は、単
独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0044】本発明の組成物の塗膜または加熱処理後の
ポリイミド被膜と支持体との接着性を向上させるために
適宜接着助剤を用いることもできる。
【0045】接着助剤としては、オキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどの有
機珪素化合物、あるいはアルミニウムモノエチルアセト
アセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス
(アセチルアセトネート)などのアルミニウムキレート
化合物あるいはチタニウムビス(アセチルアセトネー
ト)などのチタニウムキレート化合物などが好ましく用
いられる。さらに、他の添加剤が基板との接着性、感
度、耐熱性が大幅に低下しない範囲で含んでいても良
い。
【0046】次に本発明の組成物の使用方法について説
明をする。本発明の組成物は化学線を用いた周知の微細
加工技術でパターン加工が可能である。
【0047】まず、本発明の組成物を適当な支持体の上
に塗布する。支持体の材質としては、例えば、金属、ガ
ラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素などが挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0048】塗布方法としては、スピンナーを用いた回
転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印
刷、ロールコーティングなどの手段が可能である。塗布
膜厚は塗布手段、組成物の固形分濃度、粘度によって調
節することができるが、通常0.1〜150μmの範囲
になるように塗布される。
【0049】次にポリイミド前駆体を塗布した基板を乾
燥して、ポリイミド前駆体組成物被膜を得る。乾燥は、
オーブン、ホットプレート、赤外線などを利用し、40
〜150℃の範囲で行うのが好ましく、60〜120℃
の範囲で行うのがより好ましい。乾燥時間は1分〜数時
間行うのが好ましい。
【0050】次に、所望のパターンを有するマスクを用
い、露光を行う。露光量としては50〜1000mJ/
cm2の範囲が好ましい。特に好ましい範囲は100〜
600mJ/cm2である。適当な増感剤を用いること
によって、i線ステッパー、g線ステッパー、マスクア
ライナー、ミラープロジェクションなどの露光機を用い
て露光が可能である。
【0051】現像時のパターンの解像度が向上したり、
現像条件の許容幅が増大する場合には、現像前にベーク
処理をする工程を取り入れても差し支えない。この温度
としては50〜180℃の範囲が好ましく、特に60〜
150℃の範囲がより好ましい。時間は10秒〜数時間
が好ましい。この範囲を外れると、反応が進行しなかっ
たり、全ての領域が溶解しなくなるなどの恐れがあるの
で注意を要する。
【0052】ついで未照射部を現像液で溶解除去するこ
とによりレリーフパターンを得る。現像液はポリイミド
前駆体の構造に合わせて適当なものを選択することがで
きるが、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド、ジエタノールアミンなどのアルカリ水溶
液などを好ましく使用することができる。
【0053】現像は上記の現像液を塗膜面にそのまま、
あるいは、霧状にして放射する、現像液中に浸漬する、
あるいは浸漬しながら超音波をかけるなどの方法によっ
て行うことができる。
【0054】ついでリンス液により、現像によって形成
したレリーフパターンを洗浄することが好ましい。リン
ス液としては水または有機溶媒が用いられるが、水が最
も好ましい。有機溶媒でリンスをする場合、現像液との
混和性の良いメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3
−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロ
ピオネート、2−ヘプタノン、酢酸エチルなどが好まし
く用いられる。
【0055】上記の処理によって得られたレリーフパタ
ーンのポリマーは耐熱性を有するポリイミド系ポリマー
の前駆体であり、加熱処理によりイミド環やその他の環
状構造を有する耐熱性ポリマーとなる。熱処理温度とし
ては、135〜500℃で行うのが好ましく、300〜
450℃で行うのがより好ましい。熱処理は通常、段階
的にあるいは連続的に昇温しながら行われる。
【0056】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施
例に限定されない。ワニスのカルボキシル基率Ca、イ
ミド化率Iaについては以下の(1)の方法によって測
定し、パターン加工性評価については以下の(2)の方
法に基づいて行った。また、本発明の組成物は、パター
ン寸法および膜厚保持率のいずれも良好な結果を得るも
のである。 (1)ワニスの評価方法 (1−a)カルボキシル基率Caの算出 まず、試料ワニスをスピンコート法によりシリコンウェ
ハー上に塗布する。ついで、80℃のホットプレートで
3分、100℃のホットプレートで3分ベーク(装置は
大日本スクリーン製造製SKW−636)し、厚さ10
μmのプリベーク膜を作製する。この膜の重量C1
(g)を測定する。ついで、この膜をオーブンにて窒素
気流下350℃で2時間熱処理(キュア)してイミド化
を100%進行させる。この、100%イミド化させた
試料についての重量C2(g)を測定する。次にキュア
用サンプルと同じ塗布回転数、同じ温度にてプリベーク
膜を再度作製し、膜を削りだして、ポリマーが0.00
2モル含まれるように計量を行う。このときの必要計量
値は、組成物を100%イミド化させたときのポリイミ
ド構造単位の分子量Mを用いて下式で表される。 (0.002×M×C1)/C2。
【0057】削りだした膜を計量後、NMPで希釈して
測定溶液とする。この溶液を柴田科学器械工学製F70
2型を使用してN/10テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシドアルコール溶液で適定してポリマー中の遊離カ
ルボキシル基含有量Cb(モル)を求めた。これより次
式を用いてCa=Cb/(0.002×2)より、カル
ボキシル基率Caを算出した。
【0058】(1−b)イミド化率Iaの算出方法 まず、試料ワニスをスピンコート法によりシリコンウェ
ハー上に塗布する。ついで、80℃のホットプレートで
3分、100℃のホットプレートで3分ベーク(装置は
大日本スクリーン製造製SKW−636)し、厚さ10
μmのプリベーク膜とした。IR測定(装置:堀場製作
所製、FT−720)により、1350〜1400cm
-1の波数にあるイミド基の吸光度Iを求める。次に、こ
の膜をオーブンにて窒素気流下350℃で2時間熱処理
(キュア)してイミド化を100%進行させる。この、
100%イミド化させた試料についてIR測定を行い、
イミド基に起因する波数の吸光度I1を求める。このと
きの、イミド基の吸光度Iとイミド化率Iaの関係を示
す次式、Ia=I/I1より、イミド化率Iaを算出し
た。
【0059】(1−c)カルボキシル基のモル分率の算
出 上記で求められたカルボキシル基率Caおよびイミド化
率Iaより、エステル基率Eaを次式Ea=1−Ia−
Caで定義し、モル分率Waは次式で算出した。Wa=
Ca/(Ca+Ea)=Ca/(1−Ia)。
【0060】(2)パターン加工性能評価方法 シリコンウェハー上にワニスを回転塗布し、次いで、8
0℃のホットプレートで3分、100℃のホットプレー
トで3分ベーク(装置は大日本スクリーン製造製SKW
−636)し、最終的に厚さ10μmのプリベーク膜を
作製した。この膜をマスクアライナー(キヤノン製PL
A−501F)を用いて露光した。i線にて測定した露
光量は200mJ/cm2であった。
【0061】露光後、60℃のホットプレートで2分ベ
ーク(装置は大日本スクリーン製造製SKW−636)
し、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド水溶液で現像、次いで純水でリンスして乾燥さ
せた。乾燥後、以下の2種類の評価を行った。
【0062】(2−c)パターン寸法 現像後に100μm×100μmのパターンの底面を観
察して、パターンが逆テーパでなく、かつ寸法が90〜
110μmの範囲に入っていれば良好である。逆テーパ
ーが認められたり、寸法が上記範囲をはずれたものは不
良である。
【0063】(2−d)現像後の膜厚保持率 現像後の膜厚/現像前の膜厚=0.7以上なら良好、
0.7未満なら不良とした。
【0064】合成例、実施例においてポリイミド原料の
略号を下記の要領で使用する。 4,4’−DAE :4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル m−BAPS:ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル]スルホン SiDA:ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン PMDA:無水ピロメリット酸 BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物 ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物 NPG :N−フェニルグリシン BOX :ビス(α−イソニトロソプロピオフェノンオ
キシム)イソフタル NNAP:1−ニトロソ−2−ナフトール GMA :グリシジルメタクリレート GME :グリシジルメチルエーテル CmA :7−ジエチルアミノ−3−ベンゾイルクマリ
ン DEM :メタクリル酸ジエチルアミノエチル HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル NMP :N−メチル−2−ピロリドン γ−BL:ガンマーブチロラクトン。
【0065】合成例1(ジアセタールモノマーDMFD
MEAの合成) 乾燥空気気流下1リットルの4つ口フラスコ内にDMF
DMA59.6g(0.5モル)、NNAP0.18g
を投入し、これにN−メチロールメタクリルアミド12
7g(1.1モル)を加えて90℃でメタノールを除去
しながら4時間反応させた。この溶液を減圧蒸留して目
的のジアセタールモノマーDMFDMEAを得た。
【0066】合成例2 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA10.9g(0.0
50モル)、BTDA14.8g(0.046モル)を
加え、55℃で4時間反応させた。4時間後に溶液を1
時間で40℃に下げてDMFDMEA26.3gを添加
し、そのまま40℃で4時間攪拌した。この溶液を室温
に戻してBOX1.42g、NPG1.42g、CmA
0.24g、NNAP0.02gを添加し、NMPで希
釈して最終粘度が15ポイズ(25℃にて測定)のワニ
スを得た。このワニスをワニスAとした。
【0067】合成例3 合成例2のDMFDMEA26.3gを13.5gに変
えた以外は合成例2と同様に行った。このワニスをワニ
スBとした。
【0068】合成例4 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA6.54g(0.0
30モル)、BTDA9.67g(0.030モル)、
ODPA12.4g(0.040モル)を加え、55℃
で4時間反応させた。4時間後に溶液を1時間で室温に
戻して、そのまま室温で8時間攪拌した。この溶液にB
OX1.47g、NPG1.47g、NNAP0.02
g、CmA0.25g、DEM37gを添加し、NMP
で希釈して最終粘度が15ポイズ(25℃にて測定)の
ワニスを得た。このワニスをワニスCとした。
【0069】合成例5 乾燥空気気流下、2リットルの4つ口フラスコにPMD
A52.3g(0.261モル)、ODPA49.6g
(0.16モル)、HEMA62.4g(0.48モ
ル)、エタノール14.7g(0.32モル)、γ−B
L320gを入れ、氷冷下、かきまぜながらピリジン6
4.2gを加えた。発熱終了後室温まで放冷し16時間
放置した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド166g
をγ−BL120gに溶かした溶液を氷冷下、かきまぜ
ながら40分間で加え、続いて4,4’−DAE74.
5g(0.372モル)をγ−BL150gに懸濁した
ものを氷冷下、かきまぜながら60分間で加えた。室温
で2時間かきまぜた後、エタノール30gを加えて1時
間かきまぜ、ジメチルアセトアミド250gとテトラヒ
ドロフラン400gを加えた後、沈殿を濾過により除い
て得られた反応液を15リットルのエタノールに加え、
生成した沈殿を濾別した後、真空乾燥してポリマー粉末
を得た。この粉末100gにBOX3.00g、NPG
3.00g、CmA0.50g、NNAP0.05gを
添加し、NMPで希釈して最終粘度が15ポイズ(25
℃にて測定)のワニスを得た。このワニスをワニスDと
した。
【0070】合成例6 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA10.9g(0.0
50モル)、BTDA14.8g(0.046モル)を
加え、55℃で4時間反応させた。4時間後にGMA3
5.5gを添加し、70℃に昇温して8時間攪拌した。
この溶液を室温に戻して、BOX1.42g、NPG
1.42g、CmA0.24g、NNAP0.02gを
添加し、NMPで希釈して最終粘度が15ポイズ(25
℃にて測定)のワニスを得た。このワニスをワニスEと
した。
【0071】合成例7 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA10.9g(0.0
50モル)、BTDA14.8g(0.046モル)を
加え、55℃で4時間反応させた。4時間後にGMA1
4.2gを添加し、70℃に昇温して8時間攪拌した。
この溶液を室温に戻して、BOX1.42g、NPG
1.42g、CmA0.24g、NNAP0.02gを
添加し、NMPで希釈して最終粘度が15ポイズ(25
℃にて測定)のワニスを得た。このワニスをワニスFと
した。
【0072】合成例8 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA10.9g(0.0
50モル)、BTDA14.8g(0.046モル)を
加え、55℃で4時間反応させた。4時間後にGMA2
4.9g、GME15.4gを添加し、70℃に昇温し
て8時間攪拌した。この溶液を室温に戻して、BOX
1.42g、NPG1.42g、CmA0.24g、N
NAP0.02gを添加し、NMPで希釈して最終粘度
が15ポイズ(25℃にて測定)のワニスを得た。この
ワニスをワニスGとした。
【0073】合成例9 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA10.9g(0.0
50モル)、BTDA14.8g(0.046モル)を
加え、55℃で4時間反応させた。4時間後にGMA1
4.9g、GME21.6gを添加し、70℃に昇温し
て8時間攪拌した。この溶液を室温に戻して、BOX
1.42g、NPG1.42g、CmA0.24g、N
NAP0.02gを添加し、NMPで希釈して最終粘度
が15ポイズ(25℃にて測定)のワニスを得た。この
ワニスをワニスHとした。
【0074】合成例10 乾燥空気気流下、1リットルの4つ口フラスコ内で4,
4’−DAE19.0g(0.095モル)、SiDA
1.24g(0.005モル)をNMP100gに20
℃で溶解させた。その後、PMDA10.9g(0.0
50モル)、BTDA14.8g(0.046モル)を
加え、55℃で4時間反応させた。4時間後にGMA3
5.5gを添加し、100℃に昇温して8時間攪拌した
ところワニスがゲル化してしまった。このワニスをワニ
スIとした。
【0075】実施例1〜5、比較例1〜4 ワニスA〜Iについて上述したパターン加工性能の評価
を行った。まず、ワニスのカルボキシル基率Ca、イミ
ド化率Ia、カルボキシル基のモル分率Wa、露光条
件、および、パターン加工評価結果を表1にそれぞれ示
す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ現像液によっ
て良好なパターンが得られるネガ型感光性ポリイミド前
駆体組成物を得ることができる。
【0078】
【符号の説明】
1 IRスペクトル
【図面の簡単な説明】
【図1】IRスペクトルからイミド基に起因する吸光度
を求める方法を示す概略図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類の有機基−COOH、−COOR1
    を含み、かつ、厚さ10μmのプリベーク膜中の−CO
    OHのモル分率−COOH/{(−COOH)+(−C
    OOR1)}の値が0.1〜0.75であるポリマーを
    主成分とすることを特徴とするアルカリ現像用感光性ポ
    リイミド前駆体組成物。(R1は炭素数1〜30の有機
    基を表し、うち50〜100モル%は光感応性基を含ん
    だ有機基を表す。)
  2. 【請求項2】一般式(1)で表されるポリマーを主成分
    とすることを特徴とする請求項1記載のアルカリ現像用
    感光性ポリイミド前駆体組成物。 【化1】 (R2は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価ま
    たは4価の有機基を表し、R3は少なくとも2個以上の
    炭素原子を有する2価の有機基を表す。R4は−COO
    H、−COOR1から選ばれる少なくとも1種類の有機
    基を示す。nは1または2である。)
  3. 【請求項3】一般式(1)で表されるポリマーが、ポリ
    アミド酸と一般式(2)で表されるジアセタール化合物
    との反応によって得られることを特徴とする請求項1記
    載のアルカリ現像用感光性ポリイミド前駆体組成物。 【化2】 (R5は水素またはメチル基を表す。R6は炭素数1〜3
    0の有機基を表し、うち50〜100モル%は光感応基
    を含んだ有機基を表す。)
  4. 【請求項4】一般式(1)で表されるポリマーが、ポリ
    アミド酸と一般式(3)で表されるエポキシ化合物との
    反応によって得られることを特徴とする請求項1記載の
    アルカリ現像用感光性ポリイミド前駆体組成物。 【化3】 (R7は炭素数1〜30の有機基を表し、うち50〜1
    00モル%は光感応基を含んだ有機基を表す。)
  5. 【請求項5】一般式(4)で表されるアミン化合物を含
    むことを特徴とする請求項1記載のアルカリ現像用感光
    性ポリイミド前駆体組成物。 【化4】 (R8、R9、R10は炭素数1〜30の有機基であり、う
    ち、少なくとも1つは光感応基を含んだ有機基を表
    す。)
  6. 【請求項6】厚さ10μmのプリベーク膜におけるポリ
    マーのイミド化率が0〜0.4であることを特徴とする
    請求項1記載のアルカリ現像用感光性ポリイミド前駆体
    組成物。
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